JP3578130B2 - 端子盤及び電装品箱 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和装置の室外機等に使用される端子盤及び電装品箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置は、一般には室外機と室内機とを備えている。そして、室外機51には、図13に示すように、電装品箱50が収納(内装)され、この電装品箱のプリント基板の電装品(図示省略)と、室内機の電装品箱の電装品(図示省略)とを接続するために、電装品箱50の側端部に端子台52が設けられている。また、近年では、1台の室外機51に対して複数台の室内機を備えたいわゆるマルチタイプの空気調和装置が普及してきた。
【0003】
すなわち、例えば、1機の室外機51に対して、3機の室内機を有する空気調和装置では、図14に示すように、電装品箱50に付設される端子盤53に複数(この場合4個)の端子台52・・が設けられ、イの端子台52がAの室内機に接続され、ロの端子台52がBの室内機に接続され、ハの端子台52がCの室内機に接続され、ニの端子台52が電源に接続される。そして、イ、ロ、ハの各端子台52からは1本の配線54が室外機51のプリント基板に接続される。さらに、ニの端子台52からは2本の配線56、56がハの端子台52に接続され、このハの端子台52からは2本の配線57、57がロの端子台52に接続され、このロの端子台52からは2本の配線58、58にてイの端子台52に接続されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、複数個の端子台52を必要とする場合、端子盤53に複数個の端子台52を設け、これらに配線(ハーネス)にて電気的接続を行う必要があった。そして、端子台の電線接続面は一般には鉛直面に沿うものであり、端子台52が多くなると作業(結線作業)が困難であり、端子台52が多いほど作業性に劣っていた。また、端子台やハーネス等の部材(部品)が多くコスト高となっていた。さらに、別部材である端子台52を使用するので、取付けることができる端子台52の数が制限されることになり、複数の室内機に対応させるのが困難であった。しかも、電線(ハーネス)を引き回すことによって、ノイズの伝播経路が拡大するという問題もあった。
【0005】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、電線(ハーネス)接続作業を容易に行うことができ、しかも接点(ハーネス接点)の信頼性の向上を図ることが可能な端子盤及び電装品箱を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の端子盤は、導電性フレーム8が埋設された樹脂基板5に一体に端子台4を設けた端子盤であって、上記樹脂基板5に段部10を設けて高位部11と低位部12を形成し、この高位部11の段部10近傍から、この高位部11と段部10とで構成するコーナ部35に至る範囲において、上記導電性フレーム8を露出させた電線接続用の端子台4を設けたことを特徴としている。
【0007】
上記請求項1の端子盤では、樹脂基板5の導電性フレーム8を露出させることによって、電線接続用の端子台4を形成するものであるので、端子台4をこの樹脂基板5に対して別部材として形成する必要がなく、この端子台4の取付け作業を省略することができる。また、樹脂基板5に段部10を設けて高位部11と低位部12を形成し、この高位部11の段部10近傍に端子台4を設けるので、電線(ハーネス)をこの端子台4に接続する場合、低位部12にこの電線18に樹脂被覆部24を対応させることができ、これによって、この樹脂被覆部24から露出している先端導体部19を直線状に維持することができ、先端導体部19を端子台4に対していわゆる面接触で接続することができる。また、樹脂基板5内に導電性フレーム8が埋設されることにより、この端子盤に接続される電線の短縮化(短ハーネス化)を達成することができる。さらに、高位部11と段部10とで構成するコーナ部35においても導電性フレーム8を露出させるものであるので、端子台4の電線接続面(高位部11に対応する導電性フレーム露出面)に樹脂が入り込まず、端子台4と電線との接続性の向上を図ることができる。すなわち、この端子盤を製造する場合、導電性フレーム8を樹脂被覆するものであって、コーナ部35においても導電性フレーム8を露出させない場合、樹脂被覆成形時に樹脂が導電性フレーム8の露出面に流れ込むおそれがあるのに対し、コーナ部35においても導電性フレーム8を露出させるものでは、樹脂被覆成形時に段部10から低位部12に至る樹脂被覆部の樹脂が上記導電性フレーム8の露出面に達するのを防止することができる。
【0008】
請求項2の端子盤は、上記端子台4を、低位部12に向うに従って端子盤支持面から離間させたことを特徴としている。
【0009】
上記請求項2の端子盤では、端子台4は、低位部12に向うに従って端子盤支持面から離間するものであるので、例えば、この端子盤をその支持面が鉛直面となるように配置した場合、端子台4はこの鉛直面に対して傾斜することになり、電線を端子台4に接近させやすくなって、結線作業性の向上を図ることができる。
【0012】
請求項3の端子盤は、上記低位部12に、導電性フレーム8を露出させた電線接続用の端子台4を設けると共に、少なくともこの低位部12側の端子台4の周りに仕切る壁17を立設し、高位部11側の端子台4の上記低位部12表面からの高さを、この低位部12側の端子台の仕切り17壁高さ以上としたことを特徴としている。
【0013】
上記請求項3の端子盤では、端子台4を高位部11と低位部12との2段に形成することができ、この端子盤に複数の端子台4を設けることができ、いわゆるマルチタイプの空気調和機に対応することができる。また、高位部11側の端子台4の上記低位部12表面からの高さを、低位部12側の端子台4の仕切り壁17高さ以上としているので、高位部11側の端子台4に電線18(ハーネス)を接続する際、この低位部12側の端子台4の仕切り壁17が邪魔にならない。すなわち、電線18を折り曲げることなく接続することができる。
【0014】
請求項4の電装品箱は、上記請求項1〜請求項3のいずれかの端子盤を用い、電線接続用の端子台4が鉛直面に対して下方ほど外方へと傾斜するように配置したことを特徴としている。
【0015】
上記請求項4の電装品箱では、電線接続用の端子台4が鉛直面に対して下方ほど外方へと傾斜しているので、電線を端子台4に接近させやすくなって、結線作業性の向上を図ることができる。
【0016】
請求項5の電装品箱は、側方に開口部28を有し、その開口部28が上記請求項1〜請求項3のいずれかの端子盤にて塞がれる電装品箱であって、上記端子盤3の電線接続用の端子台4を外方側に向けて配置すると共に、この端子台4を鉛直面に対して下方ほど外方へと傾斜させたことを特徴としている。
【0017】
上記請求項5の電装品箱では、側方に開口部28を有するので、この開口部28を介して、内部作業を行うことができる。ここで、内部作業とは、電線(ハーネス)のコネクタ脱着作業、部品や基板導体パターンの外観確認作業、温度の測定作業、計測器への接続作業等である。しかも、端子台4を鉛直面に対して下方ほど外方へと傾斜させているので、端子台4に対する結線作業性も優れる。
【0018】
【発明の実施の形態】
この発明の端子盤の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は端子盤の簡略断面図である。この端子盤は、図2に示すように、空気調和機の室外機1の電装品箱2に使用される。この空気調和機は、上記室外機1と、図示省略の室内機とを備え、冷暖房運転等を行うものである。
【0019】
すなわち、室外機1は、室外熱交換器6と、圧縮機(図示省略)と、膨張弁(図示省略)と四路弁(図示省略)等を備え、室内機は、室内熱交換器(図示省略)等を備える。そして、上記電装品箱2には、各種の電装品が実装される基板(プリント基板)が収納され、また、上記室内機も電装品箱を有し、この電装品箱にも、各種の電装品が実装される基板(プリント基板)が収納されている。
【0020】
ところで、室外機1の電装品箱はこの発明に係る端子盤3を備え、この端子盤3は端子台4・・を有している。端子盤3は、図4〜図6に示すように、略矩形状の樹脂基板5からなり、この樹脂基板5の途中に複数の上記端子台4・・が設けられている。この場合の樹脂基板5は、図1に示すように、電装品箱の内部から引出された電線(図示省略)に接続される導電性フレーム8と、この導電性フレーム8を被覆する樹脂被覆部9とからなる。また、この樹脂基板5には、段部10を設けて高位部11と低位部12を形成し、この高位部11の段部10近傍に、上記導電性フレーム8を露出させた電線接続用の上記端子台4を設けている。
【0021】
すなわち、樹脂基板5は、図6に示すように、第1部13と、この第1部13よりも低位の第2部14と、この第2部よりも低位の第3部15を有し、第1部13の第2部14側の端部に、複数の端子台4・・を形成し、第2部13の第3部15側の端部に複数の端子台4・・を形成している。このため、第1部13に設けられる端子台4からみれば、第1部13が高位部11となると共に、第2部14が低位部12となるが、第2部14に設けられる端子台4からみれば、第2部14が高位部11となると共に、第3部15が低位部12となる。
【0022】
また、端子台4は、樹脂被覆部9の一部を剥離して導電性フレーム8の一部を露出させた露出部16と、この露出部16を周りに立設される仕切り壁17(図4と図6参照)とからなり、後述する電線(ハーネス)18の先端導体露出部19が嵌合状となる接続部20が形成される。このため、端子台4としては、接続部20が1個の場合もあり、2個以上の複数個の場合もある。さらに、仕切り壁17を有さない場合もある。さらに、図7等に示すように、各露出部16に対応する樹脂残部にはねじ孔21が設けられると共に、これに対応して導電性フレーム8には貫通孔22が設けられている。そのため、端子台4の露出部16に電線18の先端導体露出部19を重ね合わせた状態として、この先端導体露出部19に設けられる貫孔及び導電性フレーム8の貫通孔22に、端子ビス23を挿通すると共に、ねじ孔21にこの端子ビス23を螺着させることによって、この電線18の先端導体露出部19を導電性フレーム8の露出部16の表面(電線接続面)に接続することができる。なお、上記ねじ孔21を設ける場合、ナット部材をこの基板5に埋設すればよい。
【0023】
この場合、図7に示すように、高位部11側の端子台4の上記低位部12表面からの高さH1を、この低位部12側の端子台4の仕切り壁17高さH2以上とている。これによって、電線18は、低位部12の仕切り壁17に邪魔されることなく端子台4から直線状態を維持したまま引き出すことができ、先端導体露出部19を端子台4に対していわゆる面接触状態で接続することができる。また、仕切り壁17を設けない場合においても、図1に示すように、高位部11側の端子台4の上記低位部12表面からの高さH1を、接続される電線18の樹脂被覆層24が低位部12表面に接触することなくこの電線18を引き出すことができるように設定する。なお、図12に示すように、高位部11と低位部12とを設けない場合、結線作業において、電線18の樹脂被覆層24が邪魔して、先端導体露出部19を端子台4に対して斜め方向から接続することになり、先端導体露出部19と端子台4とが面接触状にならず、いわゆる点接触状となって、不安定な接続となると共に、作業性に劣るものとなる。
【0024】
ところで、上記基板5の各短片25、25(具体的には、第2部14の短辺側)には、図4と図5に示すように、枢支軸26、26が設けられている。また、電装品箱2の本体部27は、図2の簡略図で示すように、底壁29と、この底壁29から立設される周壁30とを備え、周壁30は、短壁部30aと一対の長壁部30b、30bとを有し、短壁部30aに対面(対向)する一方の短辺側に側方開口部28が形成される。そして、長壁部30b、30bの開口端(側方開口部28側の端部)に図示省略の嵌合部が形成され、この嵌合部に上記枢支軸26、26が着脱自在に嵌合されている。これによって、端子盤3はこの枢支軸26、26を中心に図2に示す矢印D、Eのように揺動して、図3の実線で示すように、開口部28を塞ぐことができる。なお、嵌合部の軸心方向を底壁29の短辺に沿って配設すると共に、嵌合部の一部に切欠部を形成すれば、枢支軸26をこの切欠部を介して簡単に嵌合部に嵌合させることができる。
【0025】
また、電装品箱2の本体部27には、図9に示すように、係止爪31が設けられ、側方開口部28をこの端子盤3にて塞いだ状態で、基板5の上方に位置する長辺(第1部13側の長辺)の一部(図4と図5に示す突起部T)がこの係止爪31に係止して、この状態が維持される。なお、係止爪31は、図2においては図示省略しているが、例えば、側方開口部28の上部に、図9に示すように天井壁32を設け、この天井壁32の一部に設けることができる。また、係止爪31としては、図9の仮想線で示すように、揺動可能な本体片31aと、この本体片31aの先端に設けられる係止部31bとから構成することができる。
【0026】
このため、端子盤3の開状態(枢支軸26、26が嵌合部に嵌合された状態であって、水平状に配置された状態)において、この端子盤3を矢印Dのように起立させていけば、係止部31bを通過する際に、本体片31aが仮想線のように変形して係止部31bを乗り越えることによって、本体片31aが実線で示すように復帰し、この係止部31bに端子盤3が係止することになる。すなわち、この係止状態では、端子盤3の矢印E方向への揺動が規制され、この端子盤3にて本体部27の側方開口部28を塞ぐことになる。なお、この係止状態から、係止爪31の本体片31aを仮想線のように、上方へ湾曲させれば、係止状態が解除され、端子盤3の矢印E方向への揺動が可能となって、側方開口部28が開放される開状態とすることができる。そして、この開状態においては、枢支軸26、26が切欠部を介して嵌合部から外れる方向に外力を作用させることによって、この端子盤3の本体部27から取外すことができる。
【0027】
また、本体部27に係止爪31を設けることなく、図10に示すように、端子盤3に係止爪33を設けてもよい。すなわち、本体部27に、この係止爪33が係脱自在に係止する係止孔等を設け、端子盤3の閉状態で係止爪33がこの係止孔に係止してこの状態が維持されればよい。なお、この係止爪33も本体片33aと係止部33bとから構成することができる。
【0028】
ところで、この端子盤3を取付ける場合、側方開口部28をこの端子盤3にて塞いだ状態では、図3に示すように、端子台4が外方側に向くと共に、図7に示すように、上端と下端とを結ぶ直線Lが鉛直線上に配置される。このため、各端子台4は鉛直面に対して傾斜することになって、低位部12に向うに従って端子盤支持面Kから離間し、この端子盤3を取付けた際には、各端子台4は下方に向かって外方へ拡開することになる(各端子台4は下方ほど外方へと傾斜することになる)。なお、端子盤支持面Kは、短辺25、25(図4参照)に垂下される略三角形状の板部材34の端面にて形成されて、上記直線Lに対して平行に配置される。そして、上記仮止めされた状態では、この端子盤支持面Kは、本体部27の長壁部30bの端部に設けられた図示省略の位置決め部に当接する。
【0029】
このように、端子台4が下方に向かって外方へ拡開することになれば、電線18を端子台4に対して結線作業する場合、端子台4が鉛直面に対して下方ほど外方へと傾斜しており、作業の容易化を図ることができる。しかも、電線18は、低位部12の仕切り壁17に邪魔されることなく端子台4から直線状態を維持したまま引き出すことができる。このため、この端子盤3が取付けられた際には、面接触状態での結線を安定して行うことができ、結線不良を解消することができる。
【0030】
これに対して、図8に示すように、閉状態としたときに、上端と下端とを結ぶ直線Lが鉛直面に対して傾斜して、端子台4が鉛直面上に配置されるようにすることも可能である。この場合も、低位部12の仕切り壁17に邪魔されることなく端子台4から電線を引き出すことができるが、端子台4の電線接続面が鉛直方向に沿うものとなって、その結線作業は上記図7に示す状態のものよりも行い難いものとなっている。
【0031】
また、係止爪31、33による仮止め後は、固定用のビス(図示省略)にて端子盤3は本体部27に固定(いわゆる本固定)される。例えば、底壁29や周壁30から突出片等を突設すると共に、この突出片等にねじ部に設け、端子盤3の外方側から固定用のビスを螺着させることによって、固定することができる。
【0032】
さらに、図4〜図6に示す端子盤3によれば、その基板5を第1部13と第2部14と第3部15とに分離して、2行(列)にわたって端子台4を設けることができ、複数(多数)の入出力端子を有する機器に対応することができる。
【0033】
ところで、図3に示すように、上記基板7には種々の電装品45・・が実装されるが、この場合、電装品実装面40が下面側に配置されている。すなわち、本体部27に図示省略の基板支持部が設けられ、この基板支持部に基板7が水平状に支持固定される。なお、この電装品箱2は放熱フィン43を有し、発熱部品42となる電装品45から発生する熱を放出するようにしている。また、電装品実装面40には、外部電線38のコネクタ39が接続される接続部(コネクタ)44も設けられている。
【0034】
上記電装品箱によれば、端子盤3を揺動自在に本体部27に取付けることによって、図3の実線で示すように、側方開口部28を塞ぐ状態とすることができ、この状態では、この側方開口部28からの異物(塵や小動物等)の侵入を防止することができ、しかも基板7はその電装品実装面40が下面側に配置された状態であるので、例え、室外機1のケ−シング内に異物が進入しても、電装品実装面40に異物が堆積しにくいものとなっている。このため、異物の堆積によるトラッキングを防止することができる。
【0035】
また、図3の仮想線のように、端子盤3が矢印E方向に揺動して開状態となれば、開口部28が開放されることになる。そして、この開状態(開放状態)では、その開口部28を介して、外部電線38のコネクタ39の接続作業等の内部作業(ハーネスの脱着作業、部品や基板導体パターンの外観確認作業、温度の測定作業、計測器への接続作業等)を行うことができる。しかも、このように、開口部28を開状態としても、端子盤3は本体部27から外れないように維持することができる。そのため、作業者がこの端子盤3を手でもつ必要がなく、その内部作業を確実に行うことができる。これに対して、端子盤3が本体部27から外れる場合、内部作業において、作業者が端子盤3を手で持ったり、この取外された端子盤3を他の部位に載置したりする必要がある。端子盤3を手で持った状態では、きわめて作業が行いにくいものであり、端子盤3を他の部位に載置すれば、端子盤3がその載置部位から落下して損傷したりするおそれがある。
【0036】
さらに、端子台3は、樹脂基板5の埋設された導電性フレーム8の一部を露出させることによって形成するので、端子台3と基板7とを、図3に示すように、本体部27の内部に配線されるハーネス41にて接続することができる。すなわち、端子台3の裏面(内面)3aにタブ端子を設け、この端子を介して接続するようにすればよい。このようにすれば、ハーネス41を端子盤4の外面3b側から内面3a側へ配線する必要がなくなり、電線(ハーネス)のいわゆる引き回し配線が行われなくなって、ノイズが発生するという問題を解消することができる。
【0037】
次に、図11は他の端子盤3を示し、この場合、高位部11の段部10近傍から、この高位部11と段部10とで構成するコーナ部35に至る範囲において、導電性フレーム8を露出させて端子台4を形成している。すなわち、端子台4を形成する導電性フレーム8の露出部16が、高位部11側の第1部16aと、この第1部16aから湾曲部16bを介して略90°だけ屈曲した第2部16cとからなる。このため、段部10側の樹脂被覆部9の導電性フレーム8よりも外方側の端縁36が、この露出部16の第1部16aに達しない状態となっている。つまり、第1部16aの表面(電線接続面)よりこの端縁36が所定寸法Sだけ後退している。
【0038】
また、高位部11と段部10とのコーナ部35の裏面側には、補強部材37が付設されている。この場合の補強部材37は略直角二等辺三角形状などの三角形状リブからなる。なお、この補強部材37は樹脂被覆部9を形成する場合に一体成形してもよく、樹脂被覆部9の成形後、別途補強部材37を固着するようにしてもよい。
【0039】
この図11の端子盤3によれば、導電性フレーム8の露出部16が、高位部11側の第1部16aと、この第1部16aから湾曲部16bを介して略90°だけ屈曲した第2部16cとからなるので、この端子盤3を製造する場合、第1部16aの表面への樹脂の付着を防止することができる。すなわち、この端子盤3を製造する場合、導電性フレーム8に樹脂を被覆することによって、基板5を形成するものであるので、成形時において、段部10側の樹脂が第1部16aの表面(電線接続面)側に進入するのを防止することができる。これによって、端子台3と電線18との接続の信頼性の向上を図ることができる。また、強度的に劣るコーナ部(導電性フレーム8が折り曲げ加工されているので、このコーナ部が強度的に劣るとおもわれる部位)を、補強部材37にて補強することができ、端子盤3としての強度の向上を達成することができる。
【0040】
そして、この図11に示す端子盤3であっても、樹脂基板5に段部10を設けて高位部11と低位部12を形成し、この高位部11の段部10近傍に、導電性フレーム8を露出させた電線接続用の端子台4を形成するものであるので、電線(ハーネス)をこの端子台4に接続する場合、低位部12にこの電線18に樹脂被覆部を対応させることができ、これによって、この樹脂被覆部24からこの樹脂被覆部24から露出している先端導体部19を直線状に維持することができ、先端導体部19を端子台4に対していわゆる面接触で接続することができる。なお、この場合でも、仕切り壁17を設ける場合、高位部11側の端子台4の低位部12表面からの高さH1を、この低位部12側の端子台4の仕切り壁17高さH2以上とする。このため、結線作業を、低部位12に端子台5に邪魔されることなく、安定して行うことができる。
【0041】
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、設けられる端子台4の数の増減は、この端子盤3の用途等に応じて可能であり、高位部11側の端子台4の低位部12表面からの高さH1としても、接続される電線18を湾曲乃至屈曲させることなく直線状を維持できる範囲に設定することができる。また、導電性フレーム8の形状としても図4等に示すパターンに限るものではなく、所望の種々のものとすることができる。さらに、図例では、段部10を2個設けることによって、端子台4を2行配置しているが、段部10を1個として端子台4を1行(列)のみに配置するものであっても、逆に段部10を3個以上として、端子台4を3行(列)以上に配置するものでもよい。
【0042】
また、端子盤3を揺動可能に取付ける場合、端子盤3の揺動角度(揺動範囲)α(図3参照)としては任意に設定するこができる。この場合、内部作業の作業性や内部のハーネス41の長さ等を考慮して設定する必要があり、例えば、70°以上180°未満等に設定することができる。さらに、端子盤3を揺動可能に取付けずに、着脱可能に本体部27に取付けるようにしてもよい。なお、この端子盤3を使用する機器としては、空気調和機の室外機に限るものではなく、複数の入出力端子を必要とする各種の機器に使用(適用)することができる。
【0043】
【発明の効果】
請求項1の端子盤によれば、端子台をこの樹脂基板に対して別部材として形成する必要がなく、端子台の取付け作業を省略することができる。これによって、この端子盤を使用する空気調和機等の組立作業の簡略化を図ることができる。また、電線の樹脂被覆部からこの樹脂被覆部から露出している先端導体部を直線状に維持することができ、先端導体部を端子台に対していわゆる面接触で接続することができる。これによって、接点の信頼性が向上して、この端子台を使用した通信を安定して行うことができる。さらに、電線の短縮化(短ハーネス化)を達成できて、いわゆるハーネスの引き回しを解消することができ、ノイズ発生を防止することができる。また、端子台の電線接続面(高位部に対応する導電性フレーム露出面)に樹脂が入り込まず、端子台と電線との接続性の向上を図ることができる。これによって、高品質の製品(端子盤)を提供することができる。
【0044】
請求項2の端子盤によれば、この端子盤をその支持面が鉛直面となるように配置した場合、端子台はこの鉛直面に対して傾斜することになり、この端子台に対する結線作業性の向上を図ることができる。
【0046】
請求項3の端子盤によれば、この端子盤に複数の端子台を設けることができ、いわゆるマルチタイプの空気調和機に対応することができる。また、高位部側の端子台に電線(ハーネス)を接続する際、この低位部側の端子台の仕切り壁が邪魔にならず、このような場合であっても、電線を折り曲げることなく接続することができる。これによって、複数の端子台毎に安定した結線作業を行うことができると共に、信頼性の高い接続となる。
【0047】
請求項4の電装品箱によれば、この端子台に対する結線作業性及び接点(ハーネス接点)の信頼性の向上を図ることができる。
【0048】
請求項5の電装品箱によれば、開口部から内部作業(ハーネスの脱着作業、部品や基板導体パターンの外観確認作業、温度の測定作業、計測器への接続作業等)を行うことができ、内部作業性の向上を図ることができる。また、端子台4に対する結線作業性及び接点の信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の端子盤の実施形態を示す簡略断面図である。
【図2】上記端子盤が付設される電装品箱の簡略斜視図である。
【図3】この発明の電装品箱の実施形態を示す簡略図である。
【図4】上記端子盤の平面図である。
【図5】上記端子盤の底面図である。
【図6】上記端子盤の要部斜視図である。
【図7】上記端子盤の電線接続状態の要部断面図である。
【図8】上記端子盤の他の電線接続状態の要部断面図である。
【図9】上記端子盤の閉状態を示す簡略図である。
【図10】上記端子盤の他の閉状態を示す簡略図である。
【図11】この発明の端子盤の他の実施形態を示す要部断面図である。
【図12】この発明の端子盤の比較例を示す要部断面図である。
【図13】従来の端子台が付設された電装品箱を備える室外機の簡略斜視図である。
【図14】従来の端子台を使用した電線接続状態を説明する簡略図である。
【符号の説明】
4 端子台
5 樹脂基板
8 導電性フレーム
10 段部
11 高位部
12 低位部
17 仕切り壁
35 コーナ部
Claims (5)
- 導電性フレーム(8)が埋設された樹脂基板(5)に一体に端子台(4)を設けた端子盤であって、上記樹脂基板(5)に段部(10)を設けて高位部(11)と低位部(12)を形成し、この高位部(11)の段部(10)近傍から、この高位部(11)と段部(10)とで構成するコーナ部(35)に至る範囲において、上記導電性フレーム(8)を露出させた電線接続用の端子台(4)を設けたことを特徴とする端子盤。
- 上記端子台(4)を、低位部(12)に向うに従って端子盤支持面から離間させたことを特徴とする請求項1の端子盤。
- 上記低位部(12)に、導電性フレーム(8)を露出させた電線接続用の端子台(4)を設けると共に、少なくともこの低位部(12)側の端子台(4)の周りに仕切る壁(17)を立設し、高位部(11)側の端子台(4)の上記低位部(12)表面からの高さを、この低位部(12)側の端子台(4)の仕切り壁(17)高さ以上としたことを特徴とする請求項1又は請求項2の端子盤。
- 上記請求項1〜請求項3のいずれかの端子盤を用い、電線接続用の端子台(4)が鉛直面に対して下方ほど外方へと傾斜するように配置したことを特徴とする電装品箱。
- 側方に開口部(28)を有し、その開口部(28)が上記請求項1〜請求項3のいずれかの端子盤にて塞がれる電装品箱であって、上記端子盤(3)の電線接続用の端子台(4)を外方側に向けて配置すると共に、この端子台(4)を鉛直面に対して下方ほど外方へと傾斜させたことを特徴とする電装品箱。
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