JP3577973B2 - 通信端末装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像を拡大して送信する機能を有する通信端末装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通信端末装置においては、原稿の画像をそのままのサイズで送信するほか、原稿の画像を拡大して送信する機能を有しているものがある。例えば名刺などの小さい原稿では、拡大して送信される場合が多い。このように拡大して送信する場合、通常のファクシミリ送信においては、A3,B4,A4のいずれかの大きさで送受信が行われる。小さい原稿では、これらのいずれかのサイズに拡大して送信することができる。
【0003】
原稿の画像を拡大して送信する場合には、通常、原稿のサイズと、倍率の指定を行い、原稿の読み取りを行う。そして、読み取り時あるいは読み取り後に指定された倍率に従って読み取った原稿の画像を拡大し、さらに符号化し、符号化された画像データを画像メモリなどに蓄積する。その後、画像メモリに蓄積された画像データを読み出し、指定された相手装置に送信する。
【0004】
例えばA4サイズの原稿をA3サイズに拡大して送信するような場合、原稿のサイズとしてA4を、また、A4からA3への拡大が指定される。このような指定を受けて、原稿からA4サイズの画像を読み取り、A3サイズへと画像を拡大する。そして拡大された画像を符号化し、画像メモリなどに蓄積する。
【0005】
送信時には、指定された相手装置との間で、通信能力などについての情報交換を行う。このとき、相手装置が送信しようとする画像のサイズを受信可能であるか否かを知ることができる。この時点で、画像メモリに蓄積している画像データをそのままのサイズで送信できるか否かが判明する。例えば上述の例のようにA4サイズの画像をA3サイズに拡大している場合に、相手装置がA3を受信できない場合が発生する。
【0006】
このように、画像データをそのままのサイズで送信できない場合には、従来は相手装置が受信可能なサイズに縮小して送信を行っていた。すなわち、符号化されて画像メモリに蓄積されている符号化された画像データを、相手装置が受信できるサイズに縮小処理の後、送信していた。
【0007】
このように、従来は拡大した画像であっても相手装置が受信できないサイズの場合には縮小して送信していた。そのため、利用者が拡大送信を設定したにもかかわらず、相手装置には意図した拡大画像が送信されず、意味をなさないといった問題があった。例えば上述の例では、A4サイズの原稿をA3サイズに拡大して送信しようとしたが、相手装置がA4専用機であった場合、A3サイズに拡大した画像を再びA4に縮小して送信してしまう。これでは、A4サイズの原稿をそのままのサイズで送信したことになり、利用者が拡大して送信したいとした意図は反映されないことになる。また、拡大した画像を再び縮小するため、画質の劣化が著しいという問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、画像を拡大して送信するという利用者の意図を損なわない通信端末装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、通信端末装置において、相手装置と通信を行う通信手段と、画像を拡大して送信する場合に設定されている倍率に従って画像を拡大し該拡大後の画像のうち設定された送信サイズの部分のみを符号化した画像データを格納する画像メモリと、制御手段を有し、該制御手段は、送信時に相手装置が前記送信サイズを受信する機能がない場合に、画像メモリ内の前記画像データのうち、余白部分を除いて送信可能なサイズ以下になるのであれば、余白部分を除くように処理し、通信手段に送信させることを特徴とするものである。これによって、相手装置の能力の範囲内で、利用者が意図した拡大された画像を送信することができる。
【0011】
また、このように拡大した画像の一部を送信したり、送信せずに通信を終了した場合には、相手装置へ拡大後の画像サイズでの送信ができなかった旨のメッセージを出力するように構成してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の通信端末装置の実施の一形態を示すブロック図である。図中、11は主制御部、12は表示部、13は操作部、14は読取部、15は記録部、16は通信部、17はNCU、18はモデム、19は画像メモリ、20はRAM、21はROM、22はバスである。
【0013】
主制御部11は、装置全体を制御し、各部を動作させて、画像送受信機能、コピー機能などを実現する。画像の送信を行う際には、読取部14に原稿を読み取らせ、符号化して画像メモリ19に蓄積させる。送信時には画像メモリ19から符号化した画像を読み出し、通信部16から相手装置へ送信する。特に、主制御部11は画像を拡大して送信する機能を実現している。読取部14で画像を読み取る際に指定された倍率で拡大して読み取り、あるいは、読取部14で読み取った画像を主制御部11で拡大し、符号化して画像メモリ19に蓄積し、相手装置へ送信する。このとき、後述するように、相手装置が拡大後の画像サイズを受信できない場合が発生する。このような場合には、相手装置が受信可能な大きさの部分だけ送信したり、あるいは、送信を中止する。この場合、相手装置へ拡大後の画像サイズによる送信ができなかった旨のメッセージを、例えば表示部12に表示させる。
【0014】
表示部12は、利用者に対するメッセージや、装置の状態を示すメッセージ、操作ガイダンスなど、種々の情報を表示することができる。主制御部11からの指示に従い、相手装置へ拡大後の画像サイズによる送信ができなかった旨のメッセージを表示することができる。
【0015】
操作部13は、利用者が各種の設定や指示などを行う際に用いられる。例えば、送信機能あるいはコピー機能の選択や、選択した機能の実行指示などを行うことができる。画像を拡大して送信する場合には、画像を送信する相手先や、倍率などを指示することができる。また、原稿サイズを自動検知できない場合は、原稿のサイズも指示する。もちろん、濃度や解像度など、種々の設定を行うこともできる。また、この例では、相手装置へ拡大後の画像サイズによる送信ができなかった場合に、拡大後の画像のうち相手装置が受信可能な最大サイズの部分だけ送信するか、あるいは、送信を中止するかを指示することができるものとする。
【0016】
読取部14は、原稿上の画像を読み取る。読取部14としては、例えばイメージスキャナやディジタルカメラなどの種々の画像入力機器で構成することができる。なお、この読取部14に原稿のサイズを検知する機構を設けてもよい。また、利用者から倍率が設定された場合に、その設定されている倍率に従って読取部14で変倍された画像を読み取るように構成してもよい。
【0017】
記録部15は、受信した画像あるいは読取部14で読み取った画像を記録用紙上に形成する。記録方法としては、例えば電子写真方式やインクジェット方式など、種々の方式を採用することができる。
【0018】
通信部16は、回線を介して他の通信端末装置や交換機などの相手装置との通信を行う。通信は、例えばファクシミリ通信手順に従って行われる。送信の際には、主制御部11と協働して、通信手順の中で相手装置の受信能力を取得する。通信部16は、NCU17およびモデム18を有している。NCU17は、回線を制御して、発呼および着信処理などを行う。モデム18は、送受信する符号化された画像データの変復調を行う。
【0019】
画像メモリ19は、送信する画像データや受信した画像データ、読取部14で読み取った画像データ、記録部15で記録すべき画像データ、その他処理中の画像データなどを蓄積する。この例では少なくとも送受信する画像データは、符号化された状態で蓄積する。特に、拡大して送信する画像データについては、操作部13で指定された倍率で拡大処理した後、符号化した画像データが蓄積される。
【0020】
RAM20は、主制御部11や他の各部の処理においてデータの保存が必要なときに用いられる。なお、読取部14で読み取った画像や記録部15で記録する画像、主制御部11が変倍処理などの画像処理を行う際の画像を一時的に格納しておく場合もある。ROM21は、主制御部11の動作を規定したプログラムや、固定的なデータなどが格納されている。
【0021】
バス22は、主制御部11、表示部12、操作部13、読取部14、記録部15、NCU17、モデム18、画像メモリ19、RAM20、ROM21等を相互に接続しており、これらの間のデータ転送を可能にしている。
【0022】
次に、本発明の通信端末装置の実施の一形態において画像を拡大して送信する場合の処理の一例について説明する。図2は、拡大された画像データを画像メモリに蓄積するまでの処理の一例を示すフローチャートである。画像を拡大して送信する場合、少なくともS31において、利用者は操作部13から倍率を設定する。
【0023】
さらに、送信する画像のサイズ(送信サイズ)を設定する。このとき、読取部14で原稿サイズを自動検出できれば、検出した原稿サイズを用いる。すなわち、S32において、読取部14で原稿サイズが検知できたか否かを判定し、原稿サイズが検知できた場合には、S33において、検知した原稿サイズを初期値として、利用者が送信サイズを指定する。通常は、拡大送信では原稿サイズよりも大きな送信サイズが指定されるので、これにより送信サイズの指定を感覚的に容易にすることができる。
【0024】
読取部14に原稿サイズを検出する機能がなかったり、あるいは原稿サイズが小さい場合などで原稿サイズ検出が行えない場合などでは、S34において、送信可能なサイズの中から、利用者は送信サイズを指定する。このとき、拡大送信が利用されるのは名刺などの小さい原稿の場合が多いので、送信サイズの初期値としては、送信サイズのうちでも小さいA4サイズにしておくことが考えられる。
【0025】
このように送信サイズを設定することによって、原稿サイズと倍率によって決まる拡大後の画像のサイズにかかわらず、設定された送信サイズの画像の部分のみを送信するように指定することが可能である。また、拡大送信が利用されるのは、多くは名刺などの小さいサイズの原稿を送信する場合である。このような小さいサイズの原稿では、原稿サイズの指定ができなかったり、指定された倍率で拡大した後の画像のサイズも、ファクシミリ通信において送信可能なサイズでない場合もある。そのため、原稿サイズを設定するよりも送信サイズを設定する方が有利である。
【0026】
このようにして送信サイズを設定した後、S35において、読取部14から原稿の画像を読み取り、読み取りと同時に、あるいは読み取り後に、設定されている倍率に従って拡大処理し、符号化して画像メモリ19に蓄積する。このとき、拡大後の画像のうち、設定された送信サイズの部分のみを画像メモリ19に蓄積することができる。
【0027】
図2に示した例では、倍率を先に設定しているが、これに限らず、送信サイズの指定を先に行ってもよい。また、上述の例では送信サイズを指定しているが、原稿サイズの指定を行ってもよい。さらに、倍率指定の際に固定倍率を指定することにより、倍率設定と送信サイズ(および原稿サイズ)の設定を同時に行うことも可能である。また、このような過程のいずれかの段階で、相手装置の電話番号などが入力される。もちろん、濃度や画質などを設定することも可能である。さらに、送信時刻指定や同報通信など、各種の応用通信機能を設定することもできる。
【0028】
また、後述する送信時の処理において、送信サイズの画像を相手装置で受信できない場合に、画像の一部を送信するか、通信を行わないかを、操作部13から指示しておくものとする。
【0029】
図3は、画像メモリに蓄積された拡大された画像データを送信する処理の一例を示すフローチャートである。図2に示した処理によって画像メモリ19に蓄積された画像データは、蓄積後すぐに、あるいは所定のタイミングにおいて、指定された相手装置に対して送信される。
【0030】
S41において、通信部16は相手装置に対して発呼し、回線を接続する。そして、相手装置とのネゴシエーションを行い、相手装置の受信能力についての情報を取得する。S42において、取得した相手装置の受信能力を判断し、S43において、相手装置が送信サイズを受信できるか否かを調べる。例えばG3ファクシミリ通信では、相手装置から送られてくるDIS(ディジタル識別信号)の情報フィールドに、相手装置で受信可能な記録紙サイズを示す受信記録紙幅情報が格納されている。この受信記録紙幅情報から、相手装置が送信サイズを受信できるか否かを調べることができる。相手装置が送信サイズを受信できる能力を有していれば、S44において、画像メモリ19に蓄積されている拡大された画像データを相手装置へ送信する。
【0031】
もし、相手装置が送信サイズを受信できる能力を有していなければ、S45において、相手装置が送信サイズを受信できない場合に画像の一部を送信する指定が行われているか否かを調べる。画像の一部を送信する指定が行われている場合には、S46において、画像メモリ19に蓄積されている拡大された画像データのうち相手装置が受信可能なサイズの部分のみを相手装置へ送信する。そして、S47において、相手装置へ送信サイズによる送信ができず、画像の一部分のみを送信した旨を示すメッセージを表示部12に表示する。
【0032】
また、相手装置が送信サイズを受信できない場合に通信を行わない指定がなされている場合には、S48において、相手装置へ送信サイズによる送信ができず、通信を行わなかった旨のメッセージを表示部12に表示する。なお、通信を行わなかった場合には、改めて部分送信を指定して送信が可能なように、画像メモリ19に蓄積されている画像データを消去しないようにしてもよい。
【0033】
具体例として、送信サイズとしてA3が指定されて、拡大した画像をA3サイズで画像メモリ19に蓄積しているとき、相手装置がA4の受信能力しかなく、A3の受信能力がないことがわかったとする。このとき、部分送信が設定されていれば、A4に縮小することなく、A3に拡大された画像のうちA4の部分のみを送信する。そして、A3サイズで送信せず、部分送信を行った旨のメッセージを表示部12に表示する。また、通信を行わない設定が行われていれば、通信を中止する。そして、A3サイズで送信できず、通信を中止した旨のメッセージを表示部12に表示する。
【0034】
このようにして、拡大を指示されて送信する場合に、利用者の意図に反した縮小を行わずに、部分的に送信したり、あるいは、通信を中止することができる。なお、上述の例では、部分送信を行うか通信を中止するかを指定可能であるものとして説明したが、いずれか一方のみの機能で構成してもよい。
【0035】
なお、部分送信を行う場合には、どの部分を送信するかを予め設定しておくことができる。例えば名刺などの小さい原稿が拡大されることを想定し、基準位置から送信可能なサイズだけの画像を切り出して送信することができる。あるいは、拡大された画像の中央部を送信してもよい。また、画像を走査し、余白部分を除いて送信可能なサイズ以下になるのであれば、余白部分を除くように処理し、送信してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、利用者が拡大して送信することを指定したとき、設定されている倍率に従って画像を拡大し該拡大後の画像のうち設定された送信サイズの部分のみを格納し、相手装置が拡大後の送信サイズの画像を受信する能力を有していない場合に、従来のように縮小処理を行うことがないので、拡大処理が無意味にならず、利用者が拡大して送信しようとしている意図を損なうことがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信端末装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】拡大された画像データを画像メモリに蓄積するまでの処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】画像メモリに蓄積された拡大された画像データを送信する処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11…主制御部、12…表示部、13…操作部、14…読取部、15…記録部、16…通信部、17…NCU、18…モデム、19…画像メモリ、20…RAM、21…ROM、22…バス。

Claims (2)

  1. 相手装置と通信を行う通信手段と、画像を拡大して送信する場合に設定されている倍率に従って画像を拡大し該拡大後の画像のうち設定された送信サイズの部分のみを符号化した画像データを格納する画像メモリと、送信時に相手装置が前記送信サイズを受信する機能がない場合に前記画像メモリ内の前記画像データのうち余白部分を除いて送信可能なサイズ以下になるのであれば余白部分を除くように処理し前記通信手段に送信させる制御手段を有することを特徴とする通信端末装置。
  2. 前記制御手段は、さらに相手装置へ拡大後の画像サイズによる送信ができなかった旨のメッセージを出力することを特徴とする請求項1に記載の通信端末装置。
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