JP3577882B2 - 居眠り状態検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は居眠り状態検出装置、より具体的には、車両の運転者、船舶の操船者、プラント等のオペレータ等の居眠り状態を検出する居眠り状態検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の運転者等の居眠り状態検出装置としては、特願平5−346094号公報に記載されているようなものがある。
この居眠り状態検出装置は、運転者の前方に設置したカメラで撮影した濃淡画像データの二値化処理を行い、二値化画像において濃度投影、ラベリング処理等を行うことで眼の位置を検出し、開閉眼の状態変化より居眠り状態が検出できる構成となっているものである。
【0003】
また、濃淡画像を対象とした居眠り状態検出装置としては、特願平8−207782号公報に記載されたようなものが、本願出願人より提案されている。
この居眠り状態検出装置は、顔の縦方向の画素列に沿って画素の濃度を検出し、前記画素列における濃度の局所的な高まりごとに1個づつの画素を定めて抽出点とし、隣接する画素列の画素列方向に近接した抽出点を連結して顔の横方向に伸びる曲線群から眼の位置を検出し、その後、眼を含む所定領域内で眼の位置検出と同様の処理を行うことにより、眼の開閉状態を判定し、その開閉状態の変化より居眠り状態が検出できる構成となっているものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の居眠り状態検出装置にあっては、図20に示すように、光の当り方がアンバランスな場合、濃淡画像上でのコントラストが弱くなるため、正確に二値化閾値を設定することが困難になり、眼の位置、開閉眼検出精度が低下するという問題点があった。
【0005】
また、濃淡画像を対象とした居眠り状態検出装置でも、極端にコントラストが弱くなった画像では、固定したポイント抽出条件により、眼を確実に抽出ポイントの連続データとして認識することができないため、やはり眼の位置、開閉眼検出精度が低下するという問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、あらゆる光環境状態に対応することができ、居眠り状態検出が常に安定して行えるようにした居眠り状態検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、図1に示すように、顔画像を入力する画像入力手段CL1と、該画像入力手段CL1から入力された顔画像の縦方向の画素列の濃度を検出する画素列の濃度検出手段CL2と、前記画素列における濃度値による以下の第1ポイント抽出手段CL4の抽出条件を変更する第1ポイント抽出条件変更手段CL3と、前記画素列における濃度の高まりとその変化状態によりポイントを抽出する第1ポイント抽出手段CL4と、隣接する画素列の画素列方向に近接したポイントを連続して顔の横方向への曲線群を抽出する曲線群の抽出手段CL5と、曲線群の中から眼を選択する眼の位置検出手段CL6と、眼を含む所定領域内で縦方向への濃度値による以下の第2ポイント抽出手段CL8の抽出条件を変更する第2ポイント抽出条件変更手段CL7と、眼を含む所定領域内で縦方向への濃度の高まりとその変化状態よりポイントを抽出する第2ポイント抽出手段CL8と、前記ポイントの顔の横方向へのポイントの連続性を判定するポイントの連続性判定手段CL9と、前記連続データ内から眼の開度値を求める眼の開度検出手段CL10と、眼の開閉状態の変化から覚醒度を判定する覚醒度判定手段CL11と、覚醒度が低下していると判定された場合に警報を与える警報手段CL12とを備えるものとする。
【0008】
本発明によれば、眼の位置検出、開閉眼検出の両手段において、顔の縦方向の画素列に沿って画素の濃度を検出し、前記画素列上の濃度値により、第1及び第2ポイント抽出手段の抽出条件を変更し、各画素列ごとにポイント抽出条件を設定する構成とすることによって、眼を抽出ポイントの連続データとして常に安定して捕らえることができるため、あらゆる光環境状態に対応することができ、居眠り状態の検出精度を向上させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による居眠り状態検出装置の実施の形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
なお、ここでは、車両運転者の場合が、太陽の高さや車両の向きにより、その光環境状態の変化が大きいと考えられることから、本実施の形態では車両に適用した場合で説明する。
【0010】
図1は、本発明による居眠り状態検出装置 の構成を示すブロック図であり、図2は、一実施の形態を示すブロック図である。まず、図1および図2を用いて、構成を説明する。インストに設置され、運転者の顔部分を正面から撮影する画像入力手段CL1としてのTVカメラ21があり、TVカメラ21の入力画像は、本実施の形態では、横(X)方向512画素、縦(Y)方向480画素からなる。TVカメラ21で撮影された入力画像は、A−D変換器22を介して、デジタル量の入力画像データとして画像メモリ23に格納される。画像メモリ23には、これに格納された入力画像データに基づいて顔の縦方向の画素列の濃度を検出する画素列の濃度検出手段CL2と、前記画素列の濃度値による第1ポイント抽出条件変更手段CL3と、前記画素列における濃度の高まりとその変化状態によりポイントを抽出する第1ポイント抽出手段CL4と、隣接する画素列方向に近接したポイントを連結して顔の横方向への曲線群を抽出する曲線群の抽出手段CL5からなる画像データ演算回路24と、曲線群から眼の選択を行うことで眼の位置を検出する眼の位置検出手段CL6の眼の位置検出回路25と、眼を含む所定領域内で縦方向への濃度値による第2ポイント抽出条件変更手段CL7と、眼を含む所定領域内で縦方向への濃度の高まりとその変化状態からポイントを抽出する第2ポイント抽出手段CL8と、顔の横方向へのポイントの連続性を判定する連続性判定手段CL9と、連続データ内から眼の開度値を検出する眼の開度検出手段CL10からなる開閉眼検出回路26が接続されている。この開閉眼検出回路より送出される開閉眼の検出結果から覚醒度を判定する覚醒度判定手段CL11の覚醒度判定回路27があり、覚醒度が低下したと判定された場合に居眠り状態を解消させる警報を警報手段CL12の警報装置28より発生する。
【0011】
次に、上記構成における動作の流れを、図3のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS301において、TVカメラ21によって顔部分が撮影され、ステップS302で、1フレーム分の入力画像がA−D変換器22でデジタル信号に変換されたうえ、画像メモリ23に格納される。
【0012】
次に、ステップS303において、眼の存在領域が設定されているかどうかがチェックされる。眼の存在領域とは、眼を含む所定領域を示し、眼の開度検出の処理を行う領域である。また、この所定領域は、眼の追跡領域としても用いられる。眼の存在領域が設定されていない場合は、ステップS304およびS305において、眼が存在する領域の横方向(X方向)の幅と縦方向(Y方向)の幅を設定する。眼の位置検出の詳細は、図4のフローチャートと、図5〜図13に示す説明図により後述する。ステップS303で、眼の存在領域が設定されていると判断された場合、ステップS306で眼の開度の検出が行われる。この処理の詳細は、図14のフローチャートと、図15〜図17に示す説明図により後述する。
【0013】
この後、ステップS307において、前ステップS306で検出された眼の開度値より眼が正しく追跡されているか否かを確認する。眼が正しく追跡されていると判定された場合は、ステップS308に移り、眼の開度値により開眼か閉眼かの判定を行う。その後、ステップS309に移行し、眼の追跡、つまり眼の存在領域の変更を行う。
【0014】
この後、ステップS310において、前ステップS309で検出された開閉眼パターンから運転者の覚醒度の判定が行われる。覚醒度の判定の詳細は、図19に示す説明図により後述する。
【0015】
また、ステップS307で眼が正しく追跡されていないと判定された場合は、ステップS311に移り、眼の開度値と眼の存在領域をクリアし、ステップS301に戻り、次のフレームの処理に移る。
この眼の追跡の詳細は、図18に示す説明図により後述する。
【0016】
次に、眼の位置検出の詳細を説明する。
眼の位置検出処理の流れを、図4のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS401では、図5に示すように、Y軸方向に480のライン上のデータに対してポイント抽出の処理を行い、1ライン終了後に、一つ隣のラインの処理に移して行き、所定方向の全ラインでのポイント抽出が終了したか否かを判断する。
【0017】
ステップS401で全ラインにおいてポイント抽出が行われていないと判断された場合は、ステップS402に移行する。このステップS402では、所定方向の1ラインの濃度値の相加平均演算を行う。この処理は、画像データ撮影時の濃度値の変化の小さなばらつきを無くすことを目的としており、濃度値の大局的な変化を捉えるためである。図6(a)に、図5のXaのラインデータの相加平均演算の処理結果を示す。
【0018】
図4のステップS403では、ステップS402の演算結果である相加平均値における微分演算を行う。この処理結果を図6(b)に示す。
【0019】
図4のステップS404では、図6(a)のNmaxで示す所定方向の1ラインの最も明るい濃度値をメモリし、その値により各ラインのポイント抽出条件である微分値の判定基準値を変更し、設定する。
【0020】
図4のステップS405では、ステップS403の演算結果である微分値によりポイント抽出を行う。そのポイントの抽出方法は、図6(b)に示す微分値が負から正に変化するポイント(p1〜p10)、図6(a)でいうと、グラフが下向きに凸になるポイントを抽出する。次に、そのポイントに達するまでの濃度値の変化の最大箇所である最小微分値が、図6(b)に示す判定基準値以下であるか否かを判定し、判定基準値以下の濃度変化を持つポイント(q3,q4)を対象として、Y座標値(a3,a4)を抽出する。
【0021】
次に、図7、図8を用いて、車両右側からの直射光により光の当り方がアンバランスになる場合について説明する。
図7に示すように、車両右側からの直射光により顔の左半分が影になり、コントラストが弱くなった場合、顔の影の部分にある図7のXbのラインでは、図8(b)のp3で示す眼にあたる部分のポイントは、図6(b)と同じ微分値の判定基準値にすると抽出できず、眼を抽出ポイントの連続データとして認識することもできない。このような場合、図4のステップS404の処理における図8(a)のNmaxで示す該当するラインの最も明るい濃度値により、そのライン上のコントラストが強いか、弱いかを判定することができるため、Nmaxが小さい場合、コントラストが弱いと判定し、図8(b)に示すように微分判定基準値を変更することができる。よって、影にある眼や眉のポイントを、図8(a)のa2,a3として抽出できる。
【0022】
次に、図9、図10を用いて、車両前側からの直接光により光の当たり方がアンバランスになる場合について説明する。
図9に示すように、車両前側からの直射光により顔の上半分が影になり、コントラストが弱くなった場合、図9のXcのラインでは、図10(b)のp3で示す眼にあたる部分のポイントは、図6(b)と同じ微分値の判定基準値にすると抽出できず、眼を抽出ポイントの連続データとして認識することもできない。また、このように上下方向に濃度値のアンバランスがある場合は、図4のステップS404の処理における図10(a)のNmaxで示す該当するラインの最も明るい濃度値により、そのライン上の眼のある部分のコントラストが強いか、弱いかを判定することができない。このように前側からの直接光により光の当り方のアンバランスがある場合は、眼に相当する抽出ポイントの連続データが検出されないことをフィードバック情報として用いて、図10(b)に示すように、微分値の判定基準値を変更することができる。よって、影にある眼や眉のポイントを、図10(a)のa2,a3として抽出できる。
【0023】
また、図9のように、顔の上半分が影になり、その壁の部分に眼がある場合は、運転者がサンバイザを用いていることが多く、よってサンバイザの使用信号により、微分値の判定基準値を変更することもできる。
【0024】
その他、眼のコントラストが弱くなる場合として、運転者が眼鏡を着用している場合がある。よって、眼鏡の着用の有無の入力信号により、微分値の判定基準値を変更することもできる。
【0025】
1ライン終了後、図4のステップS406で、次のラインの処理に切り換えていく。
【0026】
図4のステップS401で、全ラインのポイント抽出が終了したと判断されると、図11に示すようなポイントが抽出される。つまり、図11のX1ライン上では、A1,A2の二つのポイントが抽出されており、X2ライン上では、A1,A2,A3,A4の四つのポイントが抽出されていることになる。
【0027】
その後、ステップS407へ移行し、隣合う各ラインの抽出ポイント(A1,A2,A3,…)のY座標値を比較し、Y座標値が所定値以内の場合、連続データとして、▲1▼連続データのグループ番号、▲2▼連続開始ライン番号、▲3▼連続データ数をメモリする。この具体的な処理内容を、図12を用いて説明する。
【0028】
ライン1には、Y座標値が192と229の二つの抽出ポイントがある。ライン1のY座標値が192のポイントは、左隣りのラインが存在しないので、この段階での連続データはないため、▲1▼連続データのグループ番号は“1”となる。また、Y座標値が229のポイントも、同様の理由で、この段階での連続データは存在しないため、▲1▼連続データのグループ番号は、その次の“2”とする。
【0029】
次に、右隣りのライン2には、Y座標値が191と224の二つの抽出ポイントがある。ライン2のY座標値191のポイントは、左隣のライン1のY座標値192と10以内のポイントであるため、▲1▼連続データのグループ番号を“1”とする。この時、▲3▼連続データ数は2となる。ライン2のY座標値224のポイントにおいても、同様の判定を行うと、▲1▼連続データのグループ番号は“2”、▲3▼連続データ数は2となる。
【0030】
次のライン3のY座標値360のポイントでは、左隣のライン2に360と10以内になるポイントが存在しないので、▲1▼連続データのグループ番号は“3”となり、▲3▼連続データ数は1となる。
【0031】
また、ステップS407での▲2▼連続開始ライン番号は、▲3▼連続データ数が1と判断されるポイントを有するライン番号のことをいう。
【0032】
ステップS407では、このようにして各ラインのポイントの連続性の判断を全ラインにおいて終了するまで行い、ステップS408へ移行する。
【0033】
ステップS408では、同じ連続データのグループ番号を持つポイントのY座標値の平均値を、▲4▼連続ポイントの平均値にメモリする。この値は、そのグループの代表Y座標値として用いることができる。また、連続開始ラインとその連続データ数から連続終了ラインを求め、連続開始ラインと連続終了ラインの平均値をメモリする。この値は、そのグループの代表X座標値として用いることができる。
【0034】
このようにして得られた各連続グループデータを、ステップS409で、各連続グループの長さ、(X,Y)座標値により判定することにより、眼の位置が特定できる。
【0035】
ここで、図13を用いて、具体的な眼の位置検出方法について説明する。
まず初めに眼の特徴量を考えると、横に長く、上に凸型の弓形形状であると定義付けることができ、この定義付けに基づいて連続データの絞り込みを行うと、眼は横に長いという条件から、ポイント連続数が5ポイント以上続き、また、弓形形状であるという条件から、連続開始ポイントと連続終了ポイントのY座標値の差は、小さい連続データに絞り込むことができる。この判定に基づき、連続データの絞り込みを行うと、図13(a)に示すようなグループG1〜G6が抽出される。
【0036】
次に、前述した各グループのX,Yの代表座標値の位置を考えると、図13(b)に示すように、X座標方向での接近度合いより、ZONE:L,ZONE:C,ZONE:Rに分類できる。これは、左眼と左眉でX座標方向に大きく離れることはなく、また右眼と右眉でX座標方向に大きく離れることはないからである。また、鼻下の影により連続データとなったものや、口の連続データは中央部付近に位置する。
【0037】
このように、X座標方向の接近度合いで更にデータを分類し、データを絞り込んでいくことで、眼の位置検出を容易に行うことができる。ZONE:Lに含まれるデータとしては、左眼と左眉であり、ZONE:Rに含まれる連続データは右眼と右眉であると判定すると、眼の位置はG3,G4であり、その座標値も特定できる。
【0038】
次に、眼の開度検出の詳細を説明する。
眼の開度検出処理の流れを、図14のフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS501では、図15(a)に示すように、Y軸方向にライン上のデータに対してポイント抽出の処理を行い、1ライン終了後に、一つ隣のラインの処理に移していき、所定方向の全ラインでのポイント抽出が終了したか否かを判断する。
【0039】
ステップS501で、全ラインにおいてポイント抽出が行われていないと判断された場合は、ステップS502に移行する。このステップS502では、所定方向の1ラインの濃度値の相加平均演算を行う。この処理は、画像データ撮影時の濃度値の変化の小さなばらつきを無くすことを目的としており、濃度値の大局的な変化を捉えるためである。図15(b)に、図15(a)のXのラインデータの相加平均演算の処理結果を示す。
【0040】
図14のステップS503では、ステップS502の演算結果である相加平均値における微分演算を行う。この処理結果を、図15(c)に示す。
【0041】
図14のステップS504では、眼の位置検出の場合と同様に、縦方向1ラインの最も明るい濃度値により、ステップS505のポイント抽出条件を変更する。
【0042】
図14のステップS505では、ステップS503の演算結果である微分値によるポイント抽出を行う。そのポイントの抽出方法は、微分値が負から正に変化するポイントp、図15(b)でいうと、グラフが左向きに凸になるポイントを抽出する。次に、図14(c)に示すように、そのポイントの前後の濃度値の変化が判定基準値以下、以上であるか否かを判定し、上記条件を満足する濃度値の変化を持つポイントpを抽出する。
【0043】
次に、図16を用いて、眼が影にあり、コントラストが弱い場合について説明する。
開閉眼の検出においても、眼の位置検出と同様に、眼が影にある場合は、図14のステップS504で、縦方向1ラインの最も明るい濃度値、図16(b)のNmaxを求めることにより、眼のコントラストが弱い状態にあることが判定でき、微分値の判定基準値を、図16(c)に示すように変更することができる。よって、コントラストが弱い悪い光環境下にあっても、確実に眼を連続データとて認識することができる。また、開閉眼検出の場合、対象とする領域が小さいため、眼の存在領域全体の平均濃度などによっても、眼のおかれている光環境状態を判定することができる。
【0044】
開閉眼検出においても、眼の位置検出と同様に、サンバイザの使用の有無、眼鏡の着用の有無により、微分値の判定基準値を切り換えることは、当然、有効である。
【0045】
図14のステップS506で、抽出ポイントpが存在すると判定された場合は、ステップS507へ移行し、p点の前後の微分値の正負の最大値であるq点とr点のY座標方向の間隔Hを求める。ステップS507では、また縦方向のラインにおいて、抽出ポイントが連続して存在する場合に、その間隔を比較し、最大値Hを更新する。
【0046】
ステップS508では、抽出ポイントの連続数のカウントアップを行う。ステップS509では、抽出ポイントの連続数が所定値を越えたか否かを判定し、所定値を越えるまで次のラインの処理を続ける。このとき、抽出ポイントの連続性が途切れて、ステップS506で、抽出ポイントが無いと判定された場合は、ステップS512へ移行し、ステップS512で、更新中のq,r間隔の最大値とカウンターをクリアし、次のラインの処理を行う。
【0047】
ステップS509で、抽出ポイントの連続数が所定値を越えた場合は、ステップS510へ移行し、q,rの間隔の最大値をメモリする。ステップS510では、連続データ内での最大値のメモリの更新と、所定値を越える他の連続データ間での更新も行う。
【0048】
図17のD区間は、ステップS505の条件を満たす抽出ポイントがなく、L区間は、抽出ポイントがある箇所を示す。
【0049】
このようにして、全てのラインの処理が終了したとき、ステップS513へ移行し、q,r間隔の最大値を眼の開度値として出力する。
【0050】
次に、図3のフローチャートのステップS307,S309,S311における眼の追跡、追跡ミスしたときの復帰方法の詳細を示す。
ステップS306で得られた眼の開度値は、図17に示すように、Hmaxが開眼と判断される大きな値の場合は、そのポイントのX座標、Hmaxの中央値をY座標とし、またHmaxが閉眼と判断される小さな値の場合は、データ連続数の中央値をX座標、Hmaxの中央値をY座標として基準とし、眼の存在領域を設定する。このフローチャートに基づくシステムをスタートさせた直後、つまり第1フレームでは、当然、眼の存在領域は設定されていないため、ステップS304,S305で、眼の存在領域が設定される。このとき、眼の中心座標と眼の存在領域の中心座標は、図18(a)に示すように一致している。
【0051】
一連の処理の終了後、第2フレームの処理に移り、ステップS303へ進むと、ここでは既に眼の存在領域が設定されているため、ステップS306に移り、眼の開度検出を行い、ステップS307に移る。このとき、眼が正しく捉えられている場合は、図18(b)に示すようになる。図18(b)の眼の存在領域は、第1フレームで設定された位置にあるのに対し、眼の位置は、2フレーム目に取り込まれた画像データの眼の位置であるため、顔の動き等により、眼の中心点は眼の存在領域に対しズレてくる。しかし、眼の存在領域に眼が接しない限り、これまで説明してきた眼の開度検出を行うことができる。
【0052】
このようにして捉えられた図18(b)の眼の中心座標に、ステップS309で眼の存在領域の基準点を変更することにより、運転者の顔の動きにも対応させることができる。
【0053】
図18(c),(d)は、第3フレーム、第4フレームで取り込まれる顔画像データでの眼の位置と眼のウィンドウの位置関係を示したものである。
【0054】
ステップS307,S309,S311による眼の追跡ロジックを有することで、ステップS304,S305での顔全体からの眼の位置検出を省略できるため、眼の開度検出の高速化が図ることができる。
【0055】
また、ステップS307で眼の追跡が正しくできているか否かの判定は、眼の開度値によって行う。要するに、撮影者が特定されてしまえば、眼の開度値は開眼時〜閉眼時の範囲で変化するだけであることから、この範囲外の値が出力されたときは、眼の追跡ミスがあったと判定し、ステップS311で眼の開度の出力値と眼の存在領域をクリアすることにより、ステップS303で、再び顔全体からの処理に入るようにする。
【0056】
次に、ステップS308における開閉眼を判定する方法の詳細を示す。前にも説明したが、撮影者が特定された場合、眼の開度の出力値は開眼状態から閉眼状態の間で変化する。よって、開眼・閉眼の判定を行う基準値、つまり開閉眼を判定するスレッシュホールドは、その範囲内にあることになる。ここで、そのスレッシュホールドをどう設定するのが妥当なのかを検討した結果、居眠り状態の人は、熟睡状態ではないため、完全に眼の閉じない運転者も見られることより、開眼・閉眼の中央値をスレッシュホールドとすることが望ましいと思われる。
【0057】
最後に、図19を用いて、ステップS310における覚醒度の判定方法の詳細を示す。図3のステップS308で出力される開閉眼パターンにおいて、図19に示すように、覚醒度判定区間(例えば1分程度)に出力される閉眼積算値により、覚醒度を判定することができる。
【0058】
このようにして得られた覚醒度により、居眠り状態を検出することが可能となり、的確に警報装置を作動させ、居眠り状態を解消させ、未然に居眠り事故等を防ぐことができる。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、眼の位置検出、開閉眼検出の両手段において、顔の縦方向の画素列に沿って画素の濃度を検出し、前記画素列上の濃度値により、
第1及び第2ポイント抽出手段の抽出条件を変更し、各画素列ごとにポイント抽出条件を設定する構成とすることによって、眼を抽出ポイントの連続データとして常に安定して捕えることができるため、前記連続した抽出点のデータより、眼の位置、眼の開度検出を正確に行え、あらゆる光環境状態に対応することができ、居眠り状態の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による居眠り状態検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態の全体動作を示すフローチャートである。
【図4】眼の位置検出の動作を示すフローチャートである。
【図5】眼の位置検出に関する説明図である。
【図6】眼の位置検出に関する説明図である。
【図7】眼の位置検出に関する説明図である。
【図8】眼の位置検出に関する説明図である。
【図9】眼の位置検出に関する説明図である。
【図10】眼の位置検出に関する説明図である。
【図11】眼の位置検出に関する説明図である。
【図12】眼の位置検出に関する説明図である。
【図13】眼の位置検出に関する説明図である。
【図14】眼の開度検出の動作を示すフローチャートである。
【図15】眼の開度値の出力方法に関する説明図である。
【図16】眼の開度値の出力方法に関する説明図である。
【図17】眼の開度値の出力方法に関する説明図である。
【図18】眼の追跡方法に関する説明図である。
【図19】覚醒度の判定方法に関する説明図である。
【図20】従来技術に関する説明図である。
【符号の説明】
21 TVカメラ
22 A−D変換器
23 画像メモリ
24 画像データ演算開路
25 眼の位置検出回路
26 開閉眼検出回路
27 覚醒度判定回路
28 警報装置
Claims (5)
- 顔の画像データを処理して居眠り状態を検出する居眠り状態検出装置において、
顔の縦方向の画素列に沿って画素の濃度を検出し、前記画素列上の濃度値の片方向のピークの前の濃度変化の最小微分値が判定基準値以下であることを条件に、濃度値の片方向のピークの画素を特定して第1抽出点とする第1ポイント抽出手段と、
前記画素列上の濃度情報より、前記第1ポイント抽出手段のポイント抽出条件である判定基準値のレベルを変える第1ポイント抽出条件変更手段と、
隣接する画素列の画素列方向に近接した前記第1抽出点を連続して顔の横方向に伸びる曲線群を抽出することにより、眼の位置を検出する眼の位置検出手段と、
眼を含む所定領域内で縦方向の画素列に沿って画素の濃度を検出し、前記画素列上の濃度値の片方向のピークの前後の濃度変化の最小及び最大微分値が所定値を越えることを条件に、濃度値の片方向のピークの画素を特定して第2抽出点とする第2ポイント抽出手段と、
前記画素列上の濃度情報より、前記第2ポイント抽出手段のポイント抽出条件である所定値のレベルを変える第2ポイント抽出条件変更手段と、
各列ごとの前記第2抽出点の有無による顔の横方向への連続性を判定し、前記連続した第2抽出点のデータより眼の開度を検出する眼の開度検出手段と、
前記眼の開度値より眼の開閉状態を判定し、その開閉状態の変化から覚醒度を判定する
ことを特徴とする居眠り状態検出装置。 - 請求項1に記載の居眠り状態検出装置において、
前記第1ポイント抽出条件変更手段は、前記画素列上の最も明るい濃度値により、前記第1ポイント抽出手段のポイント抽出条件である判定基準値のレベルを変えることを特徴とする居眠り状態検出装置。 - 請求項1に記載の居眠り状態検出装置において、
前記第2ポイント抽出条件変更手段は、前記画素列上の最も明るい濃度値により、前記第2ポイント抽出手段のポイント抽出条件である所定値のレベルを変えることを特徴とする居眠り状態検出装置。 - 請求項1に記載の居眠り状態検出装置において、
前記第2ポイント抽出条件変更手段は、所定領域の平均濃度値により、前記第2ポイント抽出手段のポイント抽出条件である所定値のレベルを変えることを特徴とする居眠り状態検出装置。 - 顔の画像データを処理して居眠り状態を検出する居眠り状態検出装置において、
顔の縦方向の画素列に沿って画素の濃度を検出し、前記画素列上の濃度値の片方向のピークの前の濃度変化の最小微分値が判定基準値以下であることを条件に、濃度値の片方向のピークの画素を特定して第1抽出点とする第1ポイント抽出手段と、
隣接する画素列の画素列方向に近接した前記第1抽出点を連続して顔の横方向に伸びる曲線群を抽出することにより、眼の位置を検出する眼の位置検出手段と、
前記眼の位置検出手段により、眼に相当する曲線群データがないと判定された場合に、前記第1ポイント抽出手段のポイント抽出条件である判定基準値のレベルを変える第1ポイント抽出条件変更手段と、
眼を含む所定領域内で縦方向の画素列に沿って画素の濃度を検出し、前記画素列上の濃度値の片方向のピークの前後の濃度変化の最小及び最大微分値が所定値を越えることを条件に、濃度値の片方向のピークの画素を特定して第2抽出点とする第2ポイント抽出手段と、
各列ごとの前記第2抽出点の有無による顔の横方向への連続性を判定し、前記連続した第2抽出点のデータより眼の開度を検出する眼の開度検出手段と、
前記眼の開度検出手段により、眼に相当する連続データがないと判定された場合に、前記第2ポイント抽出手段のポイント抽出条件である所定値のレベルを変える第2ポイント 抽出条件変更手段と、
前記眼の開度値より眼の開閉状態を判定し、その開閉状態の変化から覚醒度を判定する
ことを特徴とする居眠り状態検出装置。
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