JP4710679B2 - 開閉眼判定方法及びその装置 - Google Patents

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Description

この発明は、被検出者の眼画像から眼の開閉状態を判定する開閉眼判定方法及びその装置に関するものである。
従来、例えば自動車等の乗物の被検出者(ドライバー)の顔をCCDカメラによって連続的に撮像し、このCCDカメラによって撮像された被検出者の顔画像から顔部位としての眼画像が存在する微小画像を存在領域として検出し、この微小画像から眼画像の上瞼を検出させると共に、この上瞼の曲率を求めて、この曲率から被検出者の眼の開閉状態を判定する開閉眼判定装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−341954号公報
ところで、上瞼を検出する場合、眼の周りにある皺や影などを上瞼の一部として検出してしまう場合がある。このような場合は、上瞼の曲率に誤差が含まれることになり、上瞼の曲率だけを指標として被検出者の眼の開閉状態を判定すると、正確な判定が行えなくなる可能性がある。
そこで、本発明は、信頼性の高い眼の開閉状態の判定を行うことのできる開閉眼判定方法及びその装置を提供することを目的とするものである。
この目的を達成するため、この発明の開閉眼判定方法及びその装置は、眼画像取得手段により取得された被検出者の眼画像から上瞼の曲率及び前記上瞼の曲率の頂点と眉の代表座標値との間隔又は眼の縦幅の少なくとも一方を算出し、この上瞼の曲率が所定の曲率閾値より大きい場合は開眼と判定し、上瞼の曲率が前記所定の曲率閾値より小さい場合は閉眼と判定するようになっている。しかも、この発明の開閉眼判定方法及びその装置は、前記上瞼の曲率を確実に検出できる開閉眼判定確実領域及び上瞼の曲率を不確定ながら検出することが可能であるものの検出された上瞼の曲率の判定精度の低いために前記曲率閾値のみで確実に上瞼の開眼,閉眼の判定が難しい開閉眼判定不確実領域の設定の指標となる上瞼検出判定閾値を設定して、前記上瞼検出判定閾値を用いて前記開閉眼判定確実領域と前記開閉眼判定不確実領域とを設定するようになっている。また、この発明の開閉眼判定方法及びその装置は、前記上瞼の曲率の頂点と眉の代表座標値との間隔の所定の値を開眼と閉眼の判定を行うための間隔判断の閾値と、眼の縦幅の所定の値を開眼と閉眼の判定を行うための眼の縦幅判断の閾値の少なくとも一方を設定して、算出された前記上瞼の曲率が前記開閉眼判定確実領域にある場合は、前記上瞼の曲率が所定の曲率閾値に対して大きいか小さいかから前記上瞼の開眼と閉眼の判定を行い、算出された前記上瞼の曲率が前記開閉眼判定不確実領域にある場合は、前記上瞼の曲率の頂点と眉の代表座標値との間隔が前記間隔判断の閾値より大きいとき閉眼と判定し且つ小さいときに開眼と判定する第2開閉眼判定処理と、前記眼の縦幅が眼の縦幅判断の閾値より大きいとき開眼と判定し且つ小さいとき閉眼と判定する第2開閉眼判定処理の少なくとも一方を実行するようになっている。
この方法及び装置によれば、検出される上瞼の曲率が開閉眼判定確実領域にある場合は上瞼の曲率により開眼と閉眼の判定を行い、算出された前記上瞼の曲率が前記開閉眼判定不確実領域にある場合は前記上瞼の曲率と上瞼の曲率以外のパラメータとによって開眼と閉眼の判定を行うようになっているので、信頼性の高い眼の開閉状態の判定を行うことができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る開閉眼判定装置1の構成を示す機能ブロック図である。この開閉眼判定装置1は、被検出者の眼が開眼状態にあるか又は閉眼状態にあるかを判定するものである。
そして、開閉眼判定装置1は、眼画像取得手段CL1,上瞼検出手段CL2,上瞼座標抽出手段CL3を備えている。また、開閉眼判定装置1は、曲線近似手段CL4,相関値検出手段CL5及び開閉眼判定閾値設定手段CL6を備えている。更に、開閉眼判定装置1は、上瞼曲率検出手段CL7,開閉眼判定手段CL8,上瞼幅検出手段CL9を有している。
眼画像取得手段CL1は、被検出者の眼を含む眼画像を取得して、取得した眼画像のデータを上瞼検出手段CL2に入力する。また、上瞼検出手段CL2は、検出した上瞼のデータを上瞼座標抽出手段CL3に入力するようになっている。
上瞼座標抽出手段CL3は、上瞼検出手段CL2によって検出された上瞼の座標から、上瞼を構成する座標群を抽出するものである。また、上瞼座標抽出手段CL3は、検出により抽出した上瞼を構成する座標群のデータを曲線近似手段CL4、相関値検出手段CL5及び上瞼曲率検出手段CL7に入力するようになっている。
曲線近似手段CL4は、上瞼座標抽出手段CL3により抽出された上瞼の座標群から上瞼を二次以上の次数を有する曲線に近似させるものである。この曲線近似手段CL4は、例えば上瞼座標抽出手段CL3により抽出された上瞼の座標群から最小二乗法によって、二次の線形多項式に近似させる。また、曲線近似手段CL4は、近似した曲線の情報を相関値検出手段CL5に入力するようになっている。
相関値検出手段CL5は、上瞼座標抽出手段CL3によって抽出された上瞼の座標群と、曲線近似手段CL4により近似させられた曲線との相関値を算出するものである。この相関値検出手段CL5は、相関値を算出すると、この算出したデータを開閉眼判定閾値設定手段CL6に入力する。
開閉眼判定閾値設定手段CL6は、相関値検出手段CL5により算出された相関値に基づいて、開閉眼の判定の基準となる上瞼検出判定閾値(後述)を設定するものである。また、後述する上瞼曲率検出手段CL7により算出された上瞼の曲率に基づいて、曲率閾値を設定するものである。また、開閉眼判定閾値設定手段CL6は、設定した各閾値の情報を、開閉眼判定手段CL8に入力するようになっている。
上瞼曲率検出手段CL7は、上瞼座標抽出手段CL3により抽出された座標群から、上瞼の曲率を算出するものである。上瞼曲率検出手段CL7は、算出した上瞼の曲率のデータを開閉眼判定閾値設定手段CL6及び開閉眼判定手段CL8に入力するようになっている。
開閉眼判定手段CL8は、上瞼曲率検出手段CL7により検出された上瞼の曲率と、開閉眼判定閾値設定手段CL6により設定された各閾値との比較により開眼と閉眼を判定するようになっている。また、開閉眼判定手段CL8は、居眠り検出装置などに接続されており、判定した開閉眼の結果を当該装置に入力するようになっている。更に、上瞼横幅検出手段CL9は、上瞼座標抽出手段CL3で検出された上瞼の座標から上瞼の横幅を検出して、検出した上瞼の横幅を開閉眼判定閾値設定手段CL6に入力するようになっている。
<眼画像取得手段CL1の詳細>
ここで、眼画像取得手段CL1は、詳細には以下の構成となっている、
即ち、図1に示すように、眼画像取得手段CL1は、顔画像撮像手段CL11と、顔部位検出手段CL12を有する。
顔画像撮像手段CL11は、被検出者の前方略正面に設置され、被検出者の顔全体を撮像するものである。
また、顔部位検出手段CL12は、眼検出手段CL120と、図示を省略した他の顔部位を検出する他顔部位検出手段を有する。この他顔部位検出手段で検出される他の顔部位としては、例えば眉や耳、鼻、口等がある。
更に、眼検出手段CL120は、顔画像撮像手段CL11によって撮像された顔画像から顔部位としての眼の位置を検出する眼位置検出手段CL121と、眼位置検出手段CL121により検出された眼を追跡して眼の位置を出力する眼位置追跡手段CL122を有する。
そして、眼位置追跡手段CL122は、眼位置検出手段CL121によって検出された眼が含まれ且つ顔画像よりも小さく設定された微小画像を、顔画像から抽出して眼画像とするようになっている。
<開閉眼判定閾値設定手段CL6の詳細>
また、開閉眼判定閾値設定手段CL6は詳細には以下のようになっている。即ち、図1に示すように、開閉眼判定閾値設定手段CL6は、第1算出手段CL61と第2算出手段CL62を有する。第1算出手段CL61は、開眼時の上瞼の代表値から設定される第1判定閾値を算出するものである。また、第2算出手段CL62は、閉眼時の上瞼の曲率の代表値から設定される第2判定閾値を算出するものである。
さらに、図1に示すように第1算出手段CL61は、第1サンプリング手段CL611と、第1代表値算出手段CL612を有している。第1サンプリング手段CL611は、上瞼の曲率を所定数サンプリングするものである。また、第1代表値算出手段CL612は、第1サンプリング手段CL611によってサンプリングされた所定数の曲率から、平均値、中央値、又は最頻値のいずれか1つを算出して、算出した値を第1の統計的代表値とするようになっている。
また、図1に示すように第2算出手段CL62は、第2サンプリング手段CL621と、第2代表値算出手段CL622を有する。第2サンプリング手段CL621は、上瞼の曲率を所定数サンプリングするようになっている。また、第2代表値算出手段CL622は、第2サンプリング手段CL621によってサンプリングされた所定数の曲率から、平均値、中央値、又は最頻値のいずれか1つを算出して、算出した値を第2の統計的代表値とするようになっている。
<上瞼横幅検出手段CL9>
この上瞼横幅検出手段CL9は、上瞼座標抽出手段CL3によって抽出された上瞼の座標群から抽出された上瞼の横幅を検出し、検出した上瞼の横幅を開閉眼判定閾値設定手段CL6に入力するようになっている。
そして、開閉眼判定閾値設定手段CL6は、上瞼横幅推定手段CL9によって抽出された上瞼の横幅が所定値以下の場合、上瞼の横幅が所定値を超える場合に比べ開眼判定不確実領域が広くなるように上瞼検出判定閾値を設定するようになっている。
[開閉眼判定装置1の具体例]
このようなこの発明の実施の形態に係る開閉眼判定装置1は、自動車,鉄道車両,船舶等の乗物の運転者(被検出者)や、プラントのオペレータ(被検出者)の開閉眼の判定に用いることができる。以下、この開閉眼判定装置1を車両(自動車)に適用した実施例で説明する。
図2は、この発明の実施の形態に係る開閉眼判定装置1と車両2との関係を示す概略説明図である。図2において、3は車両のインストルメントパネル、4は被検出者としての運転者(運転席乗員)、5は運転者の顔である。
そして、開閉眼判定装置1は、運転者4の顔5を撮像させるカメラ(顔画像撮像手段CL11)6と、インストルメント3の裏側等の車体内部に設置されたマイコン(マイクロコンピュータ)7を有する。
カメラ6は、少なくとも被検出者としての運転者(ドライバー)の顔の全体若しくは略全体を正面から撮像できるように、インストルメントパネル3の車幅方向の略中央上部に設置されている。このカメラ6には、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(complement Metal Oxide Semicondutor)等の撮像素子からなる動画を撮像可能なカメラが用いられる。本実施形態では、例えば横方向(X軸方向)640画素、縦方向(Y軸方向)480画素からなるCCDがカメラ6として用いられている。
また、マイコン7には、顔部位検出手段CL12,上瞼検出手段CL2,上瞼座標抽出手段CL3,曲線近似手段CL4,相関値検出手段CL5,開閉眼判定閾値設定手段CL6,上瞼曲率検出手段CL7,開閉眼判定手段CL8,上瞼横幅検出手段CL9を構成する開閉眼判定プログラムがインストールされている。そして、マイコン7は、カメラ6からの顔画像を含む画像データが入力されると、以下のような開閉眼判定プログラムを実行して、開閉眼を判定するようになっている。
[作用]
次に、この構成の開閉眼判定プログラムを図3のフローチャートに基づいて説明する。
図示しない車両のキーシリンダをイグニッションキーで操作して、キー位置をイグニッション位置「IGN位置」からスタート位置「START」まで回してエンジンを稼働させると、マイコン4は開閉眼判定プログラムに従ってステップS1の開閉眼判定処理をスタートする。
ステップS1
このステップS1では、例えばサンプリング時間などの各種設定数である初期値の入力処理を実行して、ステップS2の処理フレームカウンタ「i」の初期化の処理に移行する。
ステップS2
このステップS2では、処理フレームカウンタ「i」を初期化して「0」にし、ステップS3の終了判断の処理に移行する。
ステップS3
このステップS3では、エンジンが停止「STOP」しているか否かから、開閉眼判定処理の終了判断の処理をして、ステップS4に移行する。
ステップS4
このステップS4では、ステップS3でエンジンが停止「STOP」していて終了であると判断された場合、YESで終了「END」する。また、ステップS3でエンジンが停止「STOP」してないと判断された場合、ステップS5の眼画像の取得処理に移行する。
ステップS5
このステップS5では、カメラ(顔画像撮像手段CL11)6により被検出者である図2の運転者4の顔5全体の撮像処理(取得処理)を開始させると共に、この撮像された画像8(図6参照)から図6の顔画像5aを検出して、検出した顔画像5aから顔部位の一部である左の眼画像EL(又は右の眼画像ER)を眼検出手段CL120により検出(取得)し、ステップS6に移行する。
尚、この顔画像5aの検出方法としては周知の技術を用いることができるので、その詳細な説明は省略する。また、顔画像5aの左の眼画像EL(又は右の眼画像ER)は、撮像された顔画像5aの濃度の変化から検出できる。このような顔画像5a及び眼画像EL,ERの検出も例えば特開2004−341954号公報に開示された周知の技術を用いることができるので、その詳細な説明は省略する。
ステップS6
このステップS6では、眼画像を取得(検出)できたか否かが判断され、取得できていなければNOでステップS16に移行し、取得できていればYESでステップS7の上瞼の抽出処理に移行する。
ステップS7
このステップS7では、上瞼の抽出処理を実行して、ステップS8に移行する。この上瞼の抽出処理では、例えば図6に示したように検出した眼画像ELが入るような存在領域EAを微小画像IGとして設定する。そして、図5に示した存在領域EA内において、顔幅方向に等間隔に複数の検出位置を設定して、各検出位置で縦方向に濃度の変化のある濃度変化点を検出し、この検出した複数の濃度変化点の連続データから図7の上瞼のエッジライン9を抽出する。
ステップS8
このステップS8では、ステップS7において抽出した上瞼のエッジライン9の顔幅方向の長さから上瞼が存在するか否かが判断され、この上瞼が存在しないと判断された場合にはNOでステップS16に移行し、上瞼が存在すると判断された場合にはYESでステップS9の上瞼座標抽出処理に移行する。
この判断は、抽出された上瞼のエッジライン9の顔幅方向の長さが統計的な平均値の所定の誤差範囲内に入っているか否かで行う。例えば、図7(a)では上瞼の略全範囲で上瞼のエッジライン9が抽出されているので、上瞼が存在すると判断できる。
しかし、図7(b)では上瞼の顔幅方向の略中央部でのみ上瞼のエッジライン9が抽出され、図7(c)では上瞼の顔幅方向の左側の部分でのみ上瞼のエッジライン9が抽出され、図7(d)では上瞼の顔幅方向の右側の部分でのみ上瞼のエッジライン9が抽出されている。この図7(b)〜(d)で抽出された上瞼のエッジライン9は、図7(a)で抽出された上瞼のエッジライン9の長さの略1/3以下となっているので、上瞼が存在しないと判断する。
ステップS9
このステップS9の上瞼座標抽出処理では、上瞼のエッジライン9の顔幅方向における複数の位置の座標[Xi,Yj(i=0,1,2,…m、j=0,1,2,…n)を算出し、ステップS10の上瞼の曲線近似処理に移行する。
ステップS10
このステップS10の上瞼の曲線近似処理では、ステップS9で算出した上瞼のエッジライン9の多数の座標(Xi,Yj)から上瞼のエッジライン9の所定の曲線に近似する処理を実行させ、ステップS11の上瞼曲率算出処理に移行する。
ステップS11
このステップS11の上瞼曲率算出処理では、上瞼のエッジライン9の多数の座標(Xi,Yj)から上瞼のエッジライン9の曲率を算出して、ステップS12の上瞼座標と近似曲線の相関算出処理に移行する。
即ち、この上瞼曲率算出処理では、上瞼のエッジライン9の顔幅方向の多数の座標(Xi,Yj)に基づいて上瞼のエッジライン9の曲線形状を例えば円又は楕円若しくは放物線等のいずれかの曲線に近似するような形状に演算により求めて、ステップS12の上瞼座標と近似曲線の相関算出処理に移行する。
このような曲線近似処理は、周知の技術や、例えば特願2004−38715号に記載されたものを採用できる。
ステップS12
このステップS12の上瞼座標と近似曲線の相関算出処理では、上瞼のエッジライン9を構成する複数の点の座標(Xi,Yj)の高さ方向の座標値Yjの総平方和を第1総平方和Mとして求めると共に、座標(Xi,Yj)を用いて算出した近似曲線のXiにおける高さ方向座標値Yの総平方和を第2総平方和Nとして求めて、第1総平方和に対する第2総平方和(M/N)を相関値として算出し、ステップS13の開閉眼判定曲率閾値設定処理に移行する。
ステップS13
このステップS13の開閉眼判定曲率閾値設定処理では、上瞼の曲率のみによって開閉判断を行う範囲や、上瞼の曲率と他のパラメータ(開度値、眼と眉の間隔)を用いて開閉判断を行う範囲等を設定し(詳細は後述)、ステップS14に移行する。
ステップS14
このステップS14では、開閉眼判定曲率閾値が決定しているか否かが判断され、決定していなければNOでステップS16に移行し、決定していればYESでステップS15の開閉眼判定処理に移行する。
ステップS15
このステップS15の開閉眼判定処理では、ステップS13の開閉眼判定曲率閾値設定処理で設定された条件に基づいて開閉眼の判定を実行し(詳細は後述)、ステップS16に移行する。
ステップS16
このステップS16では、処理フレームカウンタ「i」をインクリメント(i=i+1)して、ステップS3に戻り繰り返す。
[ステップS13の開閉眼判定曲率閾値設定処理の詳細]
次に、図4のフローチャートに基づいてステップS13の開閉眼判定曲率閾値設定処理を詳細に説明する。
ステップS1301
図3のステップS12からステップS13に移行すると、図4のフローチャートに基づいてステップS13の開閉眼判定曲率閾値設定処理が開始される。そして、図4のステップS1301では、開閉眼判定曲率閾値が設定されているか否かが判断される。この判断において、開閉眼判定曲率閾値が設定されていればYESでステップS14に移行し、開閉眼判定曲率閾値が設定されていなければNOでステップS1302に移行する。
ステップS1302
このステップS1302では、上瞼座標と近似曲線の相関が高いか否かが判断され、高くなければNOでステップS14に移行し、高ければYESでステップS1303に移行する。
ステップS1303
このステップS1303では、図3のステップS11において求めた上瞼(エッジライン9)の近似曲線の曲率値をメモリに記録(記憶)して、ステップS1304に移行する。
ステップS1304
このステップS1304では、上瞼の近似曲線の曲率値が図示しないメモリに所定フレーム数分記録されているか否かが判断され、所定フレーム数分記録されていなければNOでステップS14に移行し、所定フレーム数分記録されていればYESでステップS1305に移行する。
ステップS1305
このステップS1305では、図示しないメモリに記録された所定フレーム数分の上瞼曲率値からその統計的代表値を算出して、ステップS1306に移行する。
ステップS1306
このステップS1306では、ステップS1305で算出した上瞼曲率値の統計的代表値に基づき開閉眼判定曲率閾値を設定して、ステップS14に移行する。
<ステップS1306における曲率のみの開閉判断領域設定>
このステップS1306においては、上瞼の曲率によって開閉判断を行うことを原則とするために開閉眼判定曲率閾値を図8のように設定する。この設定は図9に示した開閉眼判定閾値を考慮して設定する。即ち、図9に示したように下瞼位置に対する開眼時の上瞼位置Eoと閉眼時の上瞼位置Ecを考えると、開眼時の上瞼位置では上瞼のエッジライン9の曲率が大きく(曲率半径が小さく)、閉眼時の上瞼位置の上瞼のエッジライン9の曲率は小さい(曲率半径は大きい)。従って、開閉眼判定閾値SHは上瞼位置が開眼時の上瞼位置Eoと閉眼時の上瞼位置Ecとの間Epに位置する場合の曲率となるように設定する。図8では、1/曲率半径R3が開閉眼判定閾値SHにあたる。
この開閉眼判定閾値SHに基づいて、上瞼検出判定閾値を相関値Kに応じて設定する。図8に示すように、相関値KがK3≦K≦1.00の場合は、上瞼検出判定閾値=開閉眼判定閾値SHとする。また相関値KがK2≦K<K3の場合は、上瞼検出判定閾値=R2、R4とする。また相関値KがK1≦K<K2の場合は、上瞼検出判定閾値=R1、R5とする。さらに相関値KがK<K1の場合は、上瞼検出判定閾値=Rmin、Rmaxとする。ここで、Rmin、Rmaxは、統計的に算出される曲率半径(=1/曲率)の最小値と最大値である。
ここで、R1、R2、R3、R4、R5は、例えばそれぞれ80、110、13 0、150、300等の値が設定される。また、K1、K2、K3は、例えばそ れぞれ0.7、0.8、0.95等の値が設定される。
この図8の(1)は曲率閾値のみで開眼と判定される開眼判定領域(範囲)、図8の(2)は曲率閾値のみで閉眼と判定される閉眼判定領域(範囲)である。
この(1)および(2)が開閉眼判定確実領域にあたる。
また、図8の(3)は、曲率により開眼の判定が可能であるものの、判定精度が低く精度の高い判定を行うには他のパラメータによる判定を必要とする開眼判定領域である。
さらに、図8の(4)は、曲率により閉眼の判定が可能であるものの、判定精度が低く精度の高い判定を行うには他のパラメータによる判定を必要とする閉眼判定領域である。
この(3)および(4)が開閉眼判定不確実領域にあたる。
この開閉眼判定不確実領域は、前述した上瞼検出判定閾値により、相関値Kが小さくなるほど、その領域が広がるように設定されている。
<曲率半径と他のパラメータによる開閉判断領域設定>
相関値Kが小さく、曲率が開閉眼判定不確実領域にある場合は、曲率閾値だけで開閉眼の判断は不確定となるので、その他のパラメータ(開度値、眼と眉の間隔)を用いて判定するように設定する。
眼の開閉状態の判定方法としては、図10に示したように眼の縦幅による開閉眼判定方法と、上瞼のピーク点Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔による開閉眼判定方法がある。眼の縦幅による開閉眼判定方法では、開眼時の縦幅Hは大きく、閉眼時の縦幅hは小さいことを利用して、この縦幅H、hの判断の閾値を設定することで、縦幅H、hから開閉眼の判断ができる。
また、上瞼のピーク点(頂点)Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔による開閉眼判定方法では、閉眼時は上瞼のピーク点(頂点)Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔L1が大きく、開眼時は上瞼のピーク点(頂点)Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔L2が小さいことを利用して、間隔L1,L2の判断の閾値を設定することで、間隔L1,L2から開閉眼を判断する。
[ステップS15の開閉眼判定処理の詳細]
次に、図5のフローチャート及び図8の開閉眼判定閾値設定図に基づいてステップS15の開閉眼判定理を詳細に説明する。
先ず、図8において、相関値Kや曲率半径Rの閾値は上述したように次のように設定されている。例えば、相関値K1は0.70、相関値K2は0.80、相関値K3は0.95である。また、図8において、例えば、曲率半径R1は略80mm程度、曲率半径R2は略110mm程度、曲率半径R3は略130mm程度、曲率半径R4は略150mm程度、曲率半径R5は略300mm程度に設定されている。従って、R2とR4との間は+−20mm程度、即ちR2とR3との間及びR3とR4の間はそれぞれ略20mm程度に設定されている。尚、相関値Kや曲率半径Rの閾値は、これらの値に必ずしも限定されるものではなく、その前後の値や、被検出者に応じた値に設定することもできる。
図3のステップS14からステップS15に移行すると、図8の閾値の設定に基づいて図5(a)〜(c)の開閉眼判定理を開始する。
ステップS1501
このステップS1501では、相関値Kが図8のK3より大きいか否かが判断され、大きければYESで図5(a)のステップS1502に移行し、相関値KがK3より小さい場合にはNOで図5(a)のステップS1503に移行する。
ステップS1502
このステップS1502では、上瞼の曲率半径Rが図8のR3より小さいか否かが判断され、小さければYESで図5(c)のステップS1509に移行し、図8の上瞼の曲率半径RがR3より大きければNOで図5(c)のステップS1510に移行する。
ステップS1503
この図5(a)のステップS1503では、相関値Kが図8のK2より大きいか否かが判断され、小さければNOで図5(b)のステップS1506に移行し、大きければYESで図5(a)のステップS1504に移行する。
ステップS1504
この1504では、上瞼の曲率半径Rが図8のR2より小さいか否かが判断され、小さければYESで図5(c)のステップS1509に移行し、大きければNOで図5(a)のステップS1505に移行する。
ステップS1505
このステップS1505では、上瞼の曲率半径Rが図8のR4より大きいか否かが判断され、大きければYESで図5(c)のステップS1510に移行し、小さければNOで図5(c)のステップS1511に移行する。
ステップS1506
図5(b)のステップS1506では、相関値Kが図8のK1より大きいか否かが判断され、大きくなければNOで図5(c)のステップS1511に移行し、大きければYESで図5(b)のステップS1507に移行する。
ステップS1507
このステップS1507では、上瞼の曲率半径Rが図8のR1より小さいか否かが判断され、小さければYESで図5(c)のステップS1509に移行し、小さくなければNOでステップS1508に移行する。
ステップS1508
このステップS1508では、上瞼の曲率半径Rが図8のR5より大きいか否かが判断され、大きければYESで図5(c)のステップS1510に移行し、大きくなければNOで図5(c)のステップS1511に移行する。
ステップS1509
このステップS1509では、上瞼の曲率半径Rが曲率閾値のみで開眼と判定される開眼判定領域(1)にあるので、被検出者の眼は開眼と判定して、図3のステップS16に移行する。
ステップS1510
このステップS1510では、上瞼の曲率半径Rが曲率閾値のみで閉眼と判定される閉眼判定領域(2)にあるので、被検出者の眼は閉眼と判定して、図3のステップS16に移行する。
ステップS1511
このステップS1511では、上瞼の曲率半径Rが曲率閾値のみで確実に開眼、閉眼と判定することが難しい開眼判定領域(3),閉眼判定領域(4)にあるので、第2開閉眼判定処理を実行して、図3のステップS16に移行する。
この第2開閉眼判定処理では、図10に示した眼の縦幅による開閉眼判定方法と、上瞼のピーク点(頂点)Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔による開閉眼判定方法とのいずれか一方、又はこれらの組み合わせを用いて、眼の開閉の判断を実行する。
即ち、眼の縦幅による開閉眼判定方法では、眼の縦幅がHと大きければ開眼と判断し、眼の縦幅がhと小さければ閉眼と判断する。また、上瞼のピーク点(頂点)Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔の間隔による開閉眼判定方法では、大きな間隔L1であれば閉眼と判断し、小さな間隔L2であれば開眼と判断する。
[変形例]
図11〜図14は、この発明の変形例を示したものである。基本的には図1に示した開閉眼判定装置1及び図2の構成が用いられる。以下、図11のフローチャートに基づいてこの変形例の開眼判定処理を説明する。
図示しない車両のキーシリンダをイグニッションキーで操作して、キー位置をイグニッション位置「IGN位置」からスタート位置「START」まで回してエンジンを稼働させると、マイコン7は開閉眼判定プログラムに従ってステップS1の開閉眼判定処理をスタートする。
ステップS1
このステップS1では、例えばサンプリング時間などの各種設定数である初期値の入力処理を実行して、ステップS1−1に移行する。
ステップS1−1
このステップS1−1では、顔画像の顔部位のうち必要な部分が検出されているか否かを示す顔部位検出フラグ「GetFlag」を未検出である「FALS」に設定して、ステップS2の処理フレームカウンタ「i」の初期化の処理に移行する。 ここで、顔画像の顔部位のうち必要な部分としては少なくとも顔画像の眉,眼等があるので、少なくとも眉,眼等の顔部位を含む顔画像が検出されていなければ、顔部位検出フラグ「GetFlag」を未検出である「FALS」に設定する。尚、顔部位の検出対象としては鼻,耳,口等も含めることができる。
ステップS2
このステップS2では、処理フレームカウンタ「i」を初期化して「0」にし、ステップS3の終了判断の処理に移行する。
ステップS3
このステップS3では、エンジンが停止「STOP」しているか否かから、開閉眼判定処理の終了判断の処理をして、ステップS4に移行する。
ステップS4
このステップS4では、ステップS3でエンジンが停止「STOP」していて終了であると判断された場合、YESで終了「END」する。また、ステップS3でエンジンが停止「STOP」してないと判断された場合、ステップS51の顔画像の撮像処理に移行する。
ステップS51
このステップS51の顔画像の撮像処理では、カメラ(顔画像撮像手段CL11)6により被検出者である図2の運転者4の顔5全体の撮像処理(取得処理)を開始させ、ステップS52に移行する。
ステップS52
このステップS52では、顔部位検出フラグ「GetFlag」が未検出である「FALS」であるか否かが判断される。
そして、このステップS52の判断において、少なくとも顔画像の眉,眼等の顔部位が含まれる顔画像が検出されていなければ、顔部位検出フラグ「GetFlag」が「FALS」でYESとなり、ステップS53の顔部位検出処理に移行する。
一方、ステップS52の判断において、少なくとも顔画像の眉,眼等の顔部位が含まれる顔画像が検出されていれば、顔部位検出フラグ「GetFlag」が「FALS」ではないのでNOとなり、ステップS54の顔部位追跡処理に移行する。
ステップS53
このステップS53の顔部位検出処理では、少なくとも顔画像の眉,眼等の顔部位が含まれる顔画像の検出処理を実行して、ステップS16に移行する。
ステップS54
ステップS54の顔部位追跡処理では、図6の顔部位である眼が含まれる微小画像Gを眼の存在領域EAとして設定して、存在領域EAの追跡処理を実行すると共に、同様に顔部位である眉が含まれる微小画像を眉の存在領域として設定して、眼や眉の追跡処理を実行し、ステップS7の上瞼の抽出処理に移行する。
尚、この顔画像5aの検出方法としては周知の技術を用いることができるので、その詳細な説明は省略する。また、顔画像5aの左の眼画像EL(又は右の眼画像ER)や眉EbLは、撮像された顔画像5aの濃度の変化から検出できる。このような顔画像5a及び眼画像EL,ERの検出も例えば特開2004−341954号公報に開示された周知の技術を用いることができるので、その詳細な説明は省略する。
ステップS7
このステップS7では、上瞼の抽出処理を実行して、ステップS8に移行する。この上瞼の抽出処理では、例えば図6に示したように検出した眼画像ELが入るような存在領域EAを微小画像IGとして設定する。そして、図5に示した存在領域EA内において、顔幅方向に等間隔に複数の検出位置を設定して、各検出位置で縦方向に濃度の変化のある濃度変化点を検出し、この検出した複数の濃度変化点の連続データから図7の上瞼のエッジライン9を抽出する。尚、眉の抽出処理も同様な方法で検出できる。
ステップS8
このステップS8では、ステップS7において抽出した上瞼のエッジライン9の顔幅方向の長さから上瞼が存在するか否かが判断され、この上瞼が存在しないと判断された場合にはNOでステップS16に移行し、上瞼が存在すると判断された場合にはYESでステップS9の上瞼座標抽出処理に移行する。
この判断は、抽出された上瞼のエッジライン9の顔幅方向の長さが統計的な平均値の所定の誤差範囲内に入っているか否かで行う。例えば、図7(a)では上瞼の略全範囲で上瞼のエッジライン9が抽出されているので、上瞼が存在すると判断できる。
しかし、図7(b)では上瞼の顔幅方向の略中央部でのみ上瞼のエッジライン9が抽出され、図7(c)では上瞼の顔幅方向の左側の部分でのみ上瞼のエッジライン9が抽出され、図7(d)では上瞼の顔幅方向の右側の部分でのみ上瞼のエッジライン9が抽出されている。この図7(b)〜(d)で抽出された上瞼のエッジライン9は、図7(a)で抽出された上瞼のエッジライン9の長さの略1/3以下となっているので、上瞼が存在しないと判断する。
ステップS9
このステップS9の上瞼座標抽出処理では、上瞼のエッジライン9の顔幅方向における複数の位置の座標[Xi,Yj(i=0,1,2,…m、j=0,1,2,…n)を算出し、ステップS10の上瞼の曲線近似処理に移行する。
ステップS10
このステップS10の上瞼の曲線近似処理では、ステップS9で算出した上瞼のエッジライン9の多数の座標(Xi,Yj)から上瞼のエッジライン9の所定の曲線に近似する処理を実行させ、ステップS11の上瞼曲率算出処理に移行する。
ステップS11
このステップS11の上瞼曲率算出処理では、上瞼のエッジライン9の多数の座標(Xi,Yj)から上瞼のエッジライン9の曲率を算出し、ステップS12の上瞼座標と近似曲線の相関算出処理に移行する。
即ち、この上瞼曲率算出処理では、上瞼のエッジライン9の顔幅方向の多数の座標(Xi,Yj)に基づいて上瞼のエッジライン9の曲線形状を例えば円又は楕円若しくは放物線等のいずれかの曲線に近似するような形状に演算により求めて、ステップS12の上瞼座標と近似曲線の相関算出処理に移行する。
このような曲線近似処理は、周知の技術や、例えば特願2004−38715号に記載されたものを採用できる。
ステップS12
このステップS12の上瞼座標と近似曲線の相関算出処理では、上瞼のエッジライン9を構成する複数の点の座標(Xi,Yj)の高さ方向の座標値Yjの総平方和を第1総平方和Mとして求めると共に、座標(Xi,Yj)を用いて算出した近似曲線のXiにおける高さ方向座標値Yの総平方和を第2総平方和Nとして求めて、第1総平方和に対する第2総平方和(M/N)を相関値として算出し、ステップS13aの開閉眼判定曲率閾値設定処理に移行する。
ステップS13a
このステップS13aの開閉眼判定曲率閾値設定処理では、上瞼の曲率のみによって開閉判断を行う範囲や、上瞼の曲率と他のパラメータ(開度値、眼と眉の間隔)を用いて開閉判断を行う範囲等を設定し(詳細は後述)、ステップS14に移行する。
ステップS14
このステップS14では、開閉眼判定曲率閾値が決定しているか否かが判断され、決定していなければNOでステップS16に移行し、決定していればYESでステップS15aの開閉眼判定処理に移行する。
ステップS15a
このステップS15aの開閉眼判定処理では、ステップS13aの開閉眼判定曲率閾値設定処理で設定された条件に基づいて開閉眼の判定を実行し(詳細は後述)、ステップS16に移行する。
ステップS16
このステップS16では、処理フレームカウンタ「i」をインクリメント(i=i+1)して、ステップS3に戻り繰り返す。
[ステップS13aの開閉眼判定曲率閾値設定処理の詳細]
次に、図11Aのフローチャートに基づいてステップS13aの開閉眼判定曲率閾値設定処理を詳細に説明する。
ステップS13a1
図3のステップS12からステップS13に移行すると、図11Aのフローチャートに基づいてステップS13aの開閉眼判定曲率閾値設定処理が開始される。そして、図11AのステップS13a1では、開閉眼判定曲率閾値が設定されているか否かが判断される。この判断において、開閉眼判定曲率閾値が設定されていればYESでステップS14に移行し、開閉眼判定曲率閾値が設定されていなければNOでステップS13a2に移行する。
ステップS13a2
このステップS13a2では、上瞼座標と近似曲線の相関が高いか否かが判断され、高くなければNOでステップS14に移行し、高ければYESでステップS13a3に移行する。
ステップS13a3
このステップS13a3では、図3のステップS11において求めた上瞼(エッジライン9)の近似曲線の曲率値をメモリに記録(記憶)して、ステップS13a4に移行する。
ステップS13a4
このステップS13a4では、上瞼の近似曲線の曲率値が図示しないメモリに所定フレーム数分記録されいるか否かが判断され、所定フレーム数分記録されいなければNOでステップS14に移行し、所定フレーム数分記録されいればYESでステップS13a5に移行する。
ステップS13a5
このステップS13a5では、図示しないメモリに記録された所定フレーム数分の上瞼曲率値からその統計的代表値を算出して、ステップS13a6に移行する。
ステップS13a6
このステップS13a6では、ステップS13a5で算出した上瞼曲率値の統計的代表値に基づき開閉眼判定曲率閾値を設定して、ステップS14に移行する。
<ステップS13a6における曲率半径のみの開閉判断領域設定>
このステップS13a6においては、上瞼の曲率半径によって開閉判断を行うことを原則とするために開閉眼判定曲率閾値を図13のように設定する。この設定は図14に示した曲率による開閉眼判定閾値である第一開閉眼判定閾値S1と、眼の開度等他のパラメータによる第二開閉眼判定閾値T1を考慮して設定する。即ち、図14に示したように下瞼位置に対する開眼時の上瞼位置Eoと閉眼時の上瞼位置Ecを考えると、開眼時の上瞼位置Eoでは上瞼のエッジライン9の曲率が大きく(曲率半径Rが小さく)、閉眼時の上瞼位置Ecの上瞼のエッジライン9の曲率は小さい(曲率半径Rは大きい)。従って、第一開閉眼判定閾値S1は、上瞼位置が開眼時の上瞼位置Eoと閉眼時の上瞼位置Ecとの間Epに位置する場合の曲率となるように設定する。図8では、1/曲率半径R3が開閉眼判定閾値S1にあたる。
一方、第二開閉眼判定閾値T1は、曲率が開閉眼判定不確実領域にある場合に他 のパラメータによって開眼、閉眼を判定する場合に用いる閾値であり、開眼、閉 眼の状態をより明確に判定するために、第一開閉眼判定閾値S1の値を考慮して 設定される。例えば、眼の開度を判定のパラメータとして用いる場合、上瞼位置 がEpとEoとの間で目の開度が判定されるように第二開閉眼判定閾値SHoを 設定する。 この開閉眼判定閾値SHに基づいて、上瞼検出判定閾値を相関値K に応じて設定する。図8に示すように、相関値KがK3≦K≦1.00の場合は 、上瞼検出判定閾値=開閉眼判定閾値SHとする。また相関値KがK2≦K<K 3の場合は、上瞼検出判定閾値=R2、R4とする。また相関値KがK1≦K< K2の場合は、上瞼検出判定閾値=R1、R5とする。また相関値KがK01≦ K<K1の場合は、上瞼検出判定閾値=R01、Rmaxとする。さらに相関値 KがK<K01の場合は、上瞼検出判定閾値=Rmin、Rmaxとする。ここ で、Rmin、Rmaxは、統計的に算出される曲率半径(=1/曲率)の最小値と最大値である。
ここで、R01,R1、R2、R3、R4、R5は、例えばそれぞれ30、80 、110、130、150、300等の値が設定される。また、K01、K1、 K2、K3は、例えばそれぞれ0.5、0.7、0.8、0.95等の値が設定される。
この図13の(1)は曲率閾値のみで開眼と判定される開眼判定領域(範囲)、図13の(2)は曲率閾値のみで閉眼と判定される閉眼判定領域(範囲)である。
この(1)および(2)が開閉眼判定確実領域にあたる。
また、図8の(3)は、曲率により開眼の判定が可能であるものの、判定精度が低く精度の高い判定を行うには他のパラメータによる判定を必要とする開眼判定領域である。
さらに、図8の(4)は、曲率により閉眼の判定が可能であるものの、判定精度が低く精度の高い判定を行うには他のパラメータによる判定を必要とする閉眼判定領域である。
この(3)および(4)が開閉眼判定不確実領域にあたる。
この開閉眼判定不確実領域は、前述した上瞼検出判定閾値により、相関値Kが小さくなるほど、その領域が広がるように設定されている。
この開眼判定領域(範囲)(3)および閉眼判定領域(範囲)(4)では、図10に示した眼の開閉状態の判定方法のための他のパラメータの閾値が設定される。即ち、眼の開閉状態の判定方法としては、図10に示したように眼の縦幅による開閉眼判定方法と、上瞼のピーク点Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔による開閉眼判定方法がある。眼の縦幅による開閉眼判定方法では、開眼時の縦幅Hは大きく、閉眼時の縦幅hは小さいことを利用して、この縦幅H,hの判断の閾値を設定することで、縦幅H,hから開閉眼の判断ができる。
また、上瞼のピーク点(頂点)Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔による開閉眼判定方法では、閉眼時は上瞼のピーク点(頂点)Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔L1が大きく、開眼時は上瞼のピーク点(頂点)Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔L2が小さいことを利用して、間隔L1,L2の判断の閾値を設定することで、間隔L1,L2から開閉眼を判断する。
また、相関係数が低くなるに従って曲率判定のみでは不確定な範囲(以下、不確定範囲)が広がる。また、曲率半径Rが小さくなるに従って不確定な範囲(以下、不確定範囲)が広がる。従って、図13の開閉眼判定不確定実領域(範囲)(5)は、このようにして設定された開閉眼の検出が不可能な領域であって、上述した領域(1)〜(4)以外の部分に設定されている。
相関値Kおよび曲率がこの領域にある場合は、追跡しているオブジェクトが眼でないことを疑うことを含めて別途判定方法を定める必要がある。
なお、眼の横幅が短いときは求められる放物線近似式に誤差が含まれる可能性が大きくなるため、眼の横幅が短くなった時は相関値が高い状態でも不確定範囲が存在するとして図13のK01,K1,K2,K3を上側にシフトする。
[ステップS15aの開閉眼判定処理の詳細]
次に、図11のフローチャート及び図13の開閉眼判定閾値設定図に基づいてステップS15aの開閉眼判定理を詳細に説明する。
先ず、図13において、相関値Kや曲率半径Rの閾値は上述したように次のように設定されている。例えば、相関値K01は0.5、相関値K1は0.70、相関値K2は0.80、相関値K3は0.95である。また、図13において、例えば、曲率半径R01は略30mm程度、曲率半径R1は略80mm程度、曲率半径R2は略110mm程度、曲率半径R3は略130mm程度、曲率半径R4は略150mm程度、曲率半径R5は略300mm程度に設定されている。従って、R2とR4との間は+−20mm程度、即ちR2とR3との間及びR3とR4の間はそれぞれ略20mm程度に設定されている。尚、相関値Kや曲率半径Rの閾値は、これらの値に必ずしも限定されるものではなく、その前後の値や、被検出者に応じた値に設定することもできる。
図11のステップS14からのステップS15aに移行すると、図13の閾値の設定に基づいて図12(a)〜(c)の開閉眼判定理を開始する。
ステップS15a1
このステップS15a1では、顔部位検出フラグ「GetFlag」が未検出である「FALS」であるか否かを判断し、顔部位検出フラグ「GetFlag」が「FALS」であればYESでステップS16に移行し、顔部位検出フラグ「GetFlag」が「FALS」でなければNOでステップS15a2に移行する。
ステップS15a2
このステップS15a2では、相関値がK3より大きいか否かが判断され、相関値がK3大きければYESでステップS15a3に移行し、相関値KがK3より小さければNOでステップS15a5に移行する。
ステップS15a3
このステップS15a3では、上瞼の曲率半径RがR3より小さいか否かが判断され、上瞼の曲率半径RがR3より小さければYESでステップS15a4に移行し、上瞼の曲率半径RがR3より大きければNOでステップS15a19に移行する。
ステップS15a4
このステップS15a4では、上瞼の曲率半径RがR01より大きいか否かが判断され、上瞼の曲率半径RがR01より大きければYESでステップS15a18に移行し、この上瞼の曲率半径RがR01より小さければNOでステップS15a14に移行する。
ステップS15a5
このステップS15a5では、相関値KがK2より大きいか否かが判断され、相関値KがK2大きければYESでステップS15a6に移行し、相関値KがK2より小さければNOでステップS15a9に移行する。
ステップS15a6
このステップS15a6では、上瞼の曲率半径RがR3より小さいか否かが判断され、上瞼の曲率半径RがR3より小さければYESでステップS15a7に移行し、この上瞼の曲率半径RがR3より大きければNOでステップS15a8に移行する。
ステップS15a7
このステップS15a7では、上瞼の曲率半径RがR01より大きいか否かが判断され、上瞼の曲率半径RがR01より大きければYESでステップS15a18に移行し、この上瞼の曲率半径RがR01より小さければNOでステップS15a14に移行する。
ステップS15a8
このステップS15a8では、上瞼の曲率半径RがR4より大きいか否かが判断され、上瞼の曲率半径RがR4より大きければYESでステップS15a19に移行し、上瞼の曲率半径RがR4より小さければNOでステップS15a20に移行する。
ステップS15a9
このステップS15a9では、相関値KがK1より大きいか否かが判断され、相関値KがK1より大きければYESでステップS15a10に移行し、相関値KがK1より小さければNOでステップS15a12に移行する。
ステップS15a10
このステップS15a10では、上瞼の曲率半径RがR1より小さいか否かが判断され、上瞼の曲率半径RがR1より小さければYESでステップS15a11に移行し、この上瞼の曲率半径RがR1より大きければNOでステップS15a13に移行する。
ステップS15a11
このステップS15a11では、上瞼の曲率半径RがR01より大きいか否かが判断され、上瞼の曲率半径RがR01より大きければYESでステップS15a18に移行し、この上瞼の曲率半径RがR01より小さければNOでステップS15a14に移行する。
ステップS15a12
このステップS15a12では、相関値KがK01より大きいか否かが判断され、相関値KがK01大きければYESでステップS15a20に移行し、相関値KがK01より小さければNOでステップS15a14に移行する。
ステップS15a13
このステップS15a13では、上瞼の曲率半径RがR5より大きいか否かが判断され、上瞼の曲率半径RがR5より大きければYESでステップS15a19に移行し、この上瞼の曲率半径RがR5より小さければNOでステップS15a20に移行する。
ステップS15a14
このステップS15a14では、顔部位を再度検出し直すための指標である顔部位再検出処理移行数を計数するための判定不可カウンタ「J」をインクリメント「J=J+1」して、ステップS15a15に移行する。
ステップS15a15
このステップS15a15では、判定不可カウンタ「J」は顔部位再検出処理移行数を超えたか否かが判断される。そして、この判断において、判定不可能カウンタ「J」が顔部位再検出処理移行数を超えていなければNOでステップS16に移行し、判定不可カウンタ「J」が顔部位再検出処理移行数を超えていいればYESでステップS15a16に移行する。
ステップS15a16
このステップS15a16では、顔部位検出フラグ「GetFlag」を未検出である「FALS」に設定して、ステップS15a17に移行する。
ステップS15a17
このステップS15a17では、顔部位再検出処理移行数を計数するための判定不可カウンタ「J」を初期化して、ステップS16に移行する。
このステップS15a18では、上瞼の曲率半径Rが曲率閾値のみで開眼と判定される開眼判定領域(1)にあるので、被検出者の眼は開眼と判定して、ステップS17に移行する。
ステップS15a19
このステップS15a19では、上瞼の曲率半径Rが曲率閾値のみで閉眼と判定される閉眼判定領域(2)にあるので、被検出者の眼は開眼と判定して、ステップS15a17に移行する。
ステップS15a20
このステップS15a20では、上瞼の曲率半径Rが曲率閾値のみで確実に開眼、閉眼と判定できない開眼判定領域(3),閉眼判定領域(4)にあるので、第2開閉眼判定処理を実行して、ステップS15a17に移行する。
この第2開閉眼判定処理では、図9に示した眼の縦幅による開閉眼判定方法と、図10の上瞼のピーク点Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔による開閉眼判定方法とのいずれか一方、又はこれらの組み合わせを用いて、眼の開閉の判断を実行する。
即ち、眼の縦幅による開閉眼判定方法では、眼の縦幅がHと大きければ開眼と判断し、眼の縦幅がhと小さければ閉眼と判断する。また、上瞼のピーク点Pと眉ELbの代表座標値Cの間隔の間隔による開閉眼判定方法では、大きな間隔L1であれば閉眼と判断しく、小さな間隔L2であれば開眼と判断する。
以上説明したように、この発明の実施の形態の開閉眼判定方法は、眼画像取得手段により取得された被検出者の眼画像から上瞼の曲率及び上瞼の曲率以外のパラメータを算出し、この上瞼の曲率が所定の曲率閾値(1/R01〜1/R5)より大きい場合は開眼と判定し、上瞼の曲率が前記所定の曲率閾値(1/R01〜1/R5)より小さい場合は閉眼と判定する。しかも、開閉眼判定方法は、上瞼を確実に検出する開閉眼判定確実領域[(1)、(2)]と上瞼を不確定ながら検出する開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]とを設定する指標となる上瞼検出判定閾値(R01〜R5)を前記曲率閾値(1/R01〜1/R5)に基づいて設定して、この上瞼検出判定閾値(R01〜R5)を用いて前記開閉眼判定確実領域[(1)、(2)]と前記開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]とを設定するようになっている。その上、開閉眼判定方法は、した後、算出された前記上瞼の曲率が前記開閉眼判定確実領域[(1)、(2)]にある場合は前記上瞼の曲率により開眼と閉眼の判定を行い、算出された前記上瞼の曲率が前記開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]にある場合は前記上瞼の曲率と上瞼の曲率以外のパラメータとによって開眼と閉眼の判定を行うようになっている。
この方法によれば、検出される上瞼が開閉眼判定確実領域[(1)、(2)]にある場合は上瞼の曲率のみにより上瞼の開眼,閉眼を判定し、検出される上瞼が開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]にある場合は上瞼の曲率と上瞼の曲率以外のパラメータとによって開閉眼の判定を行うようになっているので、信頼性の高い眼の開閉状態の判定を行うことができる。
また、この発明の実施の形態の開閉眼判定方法は、前記眼画像の上瞼のエッジラインの多数の座標値と、前記多数の座標値から求められる近似曲線との相関値を求めて、前記相関値と前記曲率閾値から前記上瞼検出判定閾値を設定するようになっている。
この方法によれば、実際の上瞼のエッジラインの多数の座標とこの多数の座標から求められる近似曲線の座標との相関値を求めて、この相関値と前記曲率閾値から前記上瞼検出判定閾値を設定するようにしているので、開閉眼判定確実領域[(1)、(2)]と開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]とを容易に設定できる。
更に、この発明の実施の形態の開閉眼判定方法は、前記相関値と前記曲率閾値から開閉眼判定不確定領域を設定するようになっている。
この方法によれば、開閉眼判定確実領域[(1)、(2)]及び開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]と開閉眼判定不確実領域[(5)]を容易に設定できる。
また、この発明の実施の形態の開閉眼判定装置は、眼を含む眼画像を取得する眼画像取得手段CL1と、前記眼画像取得手段CL1により得られた眼画像から上瞼を検出する上瞼検出手段CL2と、前記上瞼検出手段CL2によって得られた上瞼から上瞼を構成する部分の座標群を抽出する上瞼座標抽出手段CL3を備えている。また、開閉眼判定装置は、前記上瞼座標抽出手段CL3から抽出された上瞼の座標群から上瞼の曲率を算出する上瞼曲率算出手段CL7と、前記上瞼曲率算出手段CL7により算出された上瞼の曲率により開眼と閉眼を判定する指標となる曲離閾値を設定する開閉眼判定閾値設定手段CL6と、前記上瞼曲率算出手段CL7から得られた上瞼の曲率が前記曲率閾値より大きい場合は開眼と判定し、前記上瞼曲率算出手段CL7から得られた上瞼の曲率が前記曲率閾値より小さい場合は閉眼と判定する開閉眼判定手段CL8と、を備えている。しかも、前記開閉眼判定閾値設定手段CL6は、前記上瞼検出手段CL2が前記曲率閾値に基づき上瞼を確実に検出する開閉眼判定確実領域[(1)、(2)]と上瞼を不確定ながら検出する開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]とを設定する指標となる上瞼検出判定閾値(R01〜R5)を設定し、前記上瞼検出判定閾値(R01〜R5)を用いて前記開閉眼判定確実領域[(1)、(2)]と前記開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]とを設定するようになっている。また、前記開閉眼判定手段CL8は、前記上瞼曲率算出手段CL2により算出される前記上瞼の曲率が前記開閉眼判定確実領域[(1)、(2)]にある場合は上瞼の曲率により開眼と閉眼の判定を行い、前記上瞼曲率算出手段CL2により算出される前記上瞼の曲率が前記開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]にある場合は前記上瞼の曲率と上瞼の曲率以外のパラメータとによって開眼と閉眼の判定を行うようになっている。
この構成によれば、検出される上瞼が開閉眼判定確実領域[(1)、(2)]にある場合は上瞼の曲率のみにより上瞼の開眼,閉眼を判定し、検出される上瞼が開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]の範囲内にある場合は上瞼の曲率と上瞼の曲率以外のパラメータとによって開閉眼の判定を行うようになっているので、信頼性の高い眼の開閉状態の判定を行うことができる。
また、この発明の実施の形態の開閉眼判定装置は、前記上瞼座標抽出手段CL3から得られた上瞼の座標群から上瞼を二次以上の曲線に近似する曲線近似手段CL4と、前記上瞼座標抽出手段CL3から得られた上瞼の座標群と曲線近似手段CL4によって得られた曲線近似線との相関値を検出する相関値検出手段CL5とを更に備えている。しかも、前記開閉眼判定閾値設定手段CL6は相関値検出手段CL5から得られた上瞼の座標群と曲線近似線との相関値が高い場合の開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]を相関値が低い場合の開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]よりも狭い範囲になるように設定するようになっている。
この構成によれば、眼画像の上瞼の曲率のみから眼の開閉眼状態を正確に判断できる開閉眼判定確実領域[(1)、(2)]と、眼の検出状態が不確定ながら開閉眼状態を判断できる開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]を確実に設定できる。
また、この発明の実施の形態の開閉眼判定装置において、前記上瞼の曲率以外のパラメータは眼の縦幅(図10のH,h)と、上瞼の頂点部分(P)と眉との間隔(図10のL1,L2)の少なくとも一つとしている。従って、縦幅(図10のH,h)と間隔(図10のL1,L2)の両方を用いても良い。
この構成によれば、開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]においても開閉眼の判定を確実に実行できる。
また、この発明の実施の形態の開閉眼判定装置において、前記眼画像取得手段CL1は、前記被検出者の前方略正面に設置されて前記被検出者の顔全体を含む顔画像を撮像する顔画像撮像手段(CL11、カメラ6)と、前記顔画像撮像手段(CL11、カメラ6)によって撮像された顔画像から被検出者の眼を検出する眼検出手段CL120とを備えている。しかも、前記眼検出手段CL120は検出した眼の位置を中心とした微小範囲の画像を顔画像から抽出しその画像を眼画像とするようになっている。
この構成によれば、眼画像から上瞼のエッジライン9の多数の座標を迅速に検出できる。
また、この発明の実施の形態の開閉眼判定装置において、前記眼検出手段CL120は、前記顔画像撮像手段CL11で撮像された顔画像から眼の位置を検出する眼位置検出手段CL121と、前記眼位置検出手段CL121によって検出された眼の位置から眼を追跡していく眼位置追跡手段CL122とを備えている。
この構成によれば、検出した眼の位置を連続的に追跡して、追跡した眼の眼画像から眼を連続的に検出できる。
また、この発明の実施の形態の開閉眼判定装置において、前記開閉眼判定閾値設定手段CL6は、前記相関値検出手段CL5が検出する上瞼の座標群と前記曲線近似線との相関値が統計的に相関がないことを示す非相関値及び上瞼の曲率の統計的な最大値を曲率存在限界閾値として設定するようになっている。しかも、前記開閉眼判定手段CL8は、前記上瞼曲率検出手段CL7が検出する上瞼の曲率が前記曲率存在限界閾値(図13のK01,R01)より大きい場合は前記眼位置追跡手段CL122によって追跡していた眼位置を破棄して、前記眼位置検出手段CL121によって前記顔画像から眼位置を検出するようになっている。
この構成によれば、眼画像の検出が不確実な領域での開閉眼の判定を中止して、新たに眼画像を取得して開閉眼の判定を行うので、開閉眼の誤判断を未然に防止できる。
また、この発明の実施の形態の開閉眼判定装置は、前記上瞼座標抽出手段CL3によって抽出された上瞼の座標群から抽出された上瞼の横幅を検出する上瞼横幅検出手段CL91と、前記上瞼横幅検出手段CL9を備えている。しかも、前記開閉眼判定閾値設定手段CL6は、前記上瞼横幅検出手段CL9によって抽出された上瞼の横幅が所定値(例えば実際の上瞼の横幅)より短くなる場合、前記上瞼の横幅が所定値を超える場合に比べ、前記開閉眼判定不確実領域[(3)、(4)]が広くなるように前記上瞼検出判定閾値を設定するようになっている。
この構成によれば、検出した上瞼の横幅が短い場合、すなわち上瞼の検出精度が低い場合は開閉眼判定不確実領域[(3),(4)]を広く設定することで、信頼性の高い眼の開閉状態の判定を行うことができる。
この発明に係る開閉眼検出装置のブロック図である。 図1の開閉眼判定装置を備える自動車の概略説明図である。 図2のマイコン(制御手段)による開閉眼判定処理を説明するためのフローチャートである。 図3の開閉眼判定曲率閾値設定処理のフローチャートである。 (a)〜(c)は図3の開閉眼判定処理のフローチャートである。 図2のカメラで撮像された顔画像と眼画像の存在領域を示す説明図である。 (a)〜(d)は図6の眼画像から得られる上瞼のエッジラインの説明図である。 図4の開閉眼判定曲率閾値設定処理のための曲率閾値および上瞼検出判定閾値と相関値との関係を示す説明図である。 図8の曲率閾値を設定するための眼の開閉状態の概略説明図である。 眼の開閉状態を判断する他のパラメータの説明図である。 図2のマイコン(制御手段)による開閉眼判定処理の変形例を説明するためのフローチャートである。 図11の開閉眼判定曲率閾値設定処理のフローチャートである。 (a)〜(c)は図11の開閉眼判定処理のフローチャートである。 図11の開閉眼判定曲率閾値設定処理のための曲率閾値および上瞼検出判定敷地と相関値との関係を示す説明図である。 図13の曲率閾値を設定するための眼の開閉状態の概略説明図である。
符号の説明
CL1…眼画像取得手段
CL11…顔画像撮像手段
CL12…顔部位検出手段
CL120…眼検出手段
CL121…眼位置検出手段
CL122…眼位置追跡手段
CL2…上瞼検出手段
CL3…上瞼座標抽出手段
CL4…曲線近似手段
CL5…相関値検出手段
CL6…開閉眼判定閾値設定手段
CL7…上瞼曲率検出手段
CL8…開閉眼判定手段
CL9…上瞼横幅検出手段
H,h…縦幅
L1,L2…間隔
K01〜K3…相関値(上瞼検出判定閾値)
P…頂点(頂点部分)
R01〜R5…曲率半径閾値(上瞼検出判定閾値)
(1)…開閉眼判定確実領域
(2)…開閉眼判定確実領域
(3)…開閉眼判定不確実領域
(4)…開閉眼判定不確実領域

Claims (9)

  1. 眼画像取得手段により取得された被検出者の眼画像から上瞼の曲率及び前記上瞼の曲率の頂点と眉の代表座標値との間隔又は眼の縦幅の少なくとも一方を算出し、この上瞼の曲率が所定の曲率閾値より大きい場合は開眼と判定し、上瞼の曲率が前記所定の曲率閾値より小さい場合は閉眼と判定する開閉眼判定方法であって、
    前記上瞼の曲率を確実に検出できる開閉眼判定確実領域及び上瞼の曲率を不確定ながら検出することが可能であるものの検出された上瞼の曲率の判定精度の低いために前記曲率閾値のみで確実に上瞼の開眼,閉眼の判定が難しい開閉眼判定不確実領域の設定の指標となる上瞼検出判定閾値を設定して、前記上瞼検出判定閾値を用いて前記開閉眼判定確実領域と前記開閉眼判定不確実領域とを設定すると共に、
    前記上瞼の曲率の頂点と眉の代表座標値との間隔の所定の値を開眼と閉眼の判定を行うための間隔判断の閾値と、眼の縦幅の所定の値を開眼と閉眼の判定を行うための眼の縦幅判断の閾値の少なくとも一方を設定して、
    算出された前記上瞼の曲率が前記開閉眼判定確実領域にある場合は、前記上瞼の曲率が所定の曲率閾値に対して大きいか小さいかから前記上瞼の開眼と閉眼の判定を行い、
    算出された前記上瞼の曲率が前記開閉眼判定不確実領域にある場合は、前記上瞼の曲率の頂点と眉の代表座標値との間隔が前記間隔判断の閾値より大きいとき閉眼と判定し且つ小さいときに開眼と判定する第2開閉眼判定処理と、前記眼の縦幅が眼の縦幅判断の閾値より大きいとき開眼と判定し且つ小さいとき閉眼と判定する第2開閉眼判定処理の少なくとも一方を実行することを特徴とする開閉眼判定方法。
  2. 請求項1に記載の開閉眼判定方法において、前記眼画像の上瞼のエッジラインの複数の点の座標(Xi,Yj)の高さ方向の座標値Yjの総平方和を第1総平方和Mとして求めると共に、近似曲線のXiにおける高さ方向座標値Yの総平方和を第2総平方和Nとして求めて、前記第1総平方和M/第2総平方和Nを相関値Kとして算出すると共に、
    予め設定された複数の値に対する前記相関値Kの大小関係と前記上瞼の曲率から前記上瞼の開閉眼の判定が前記曲率のみで可能か否かを判定し、判定可能である場合には前記上瞼の開閉眼の判定を算出された前記上瞼の曲率が前記曲率閾値より大きいとき開眼と判定し且つ小さいとき閉眼と判定する一方、予め設定された複数の値に対する前記相関値Kの大小関係と前記上瞼の曲率から前記上瞼の開閉眼の判定が前記曲率のみで判定不可能である場合には前記間隔判断の閾値又は前記眼の縦幅判断の閾値を用いて前記上瞼の第2開閉眼判定処理を行うことを特徴とする開閉眼判定方法。
  3. 請求項2に記載の開閉眼判定方法において、上瞼の曲率の大きい開眼時の上瞼位置をEoとし、上瞼の曲率の小さい閉眼時の上瞼位置をEcとしたとき、上瞼位置が上瞼位置Eoと上瞼位置Ecとの間Epに位置する曲率の第一開閉眼判定閾値と、上瞼位置が前記上瞼位置EpとEoとの間で目の開度を判定する第二開閉眼判定閾値を前記曲率閾値として設定して、
    前記上瞼の曲率が開閉眼判定不確実領域の場合に前記第二開閉眼判定閾値を前記間隔判断の閾値として前記第2開閉眼判定処理を実行することを特徴とする開閉眼判定方法。
  4. 眼を含む眼画像を取得する眼画像取得手段と、
    前記眼画像取得手段により得られた眼画像から上瞼を検出する上瞼検出手段と、
    前記上瞼検出手段によって得られた上瞼から上瞼を構成する部分の座標群を抽出する上瞼座標抽出手段と、
    前記上瞼座標抽出手段から抽出された上瞼の座標群から上瞼の曲率を算出する上瞼曲率算出手段と、
    前記上瞼曲率算出手段により算出された上瞼の曲率により開眼と閉眼を判定する指標となる曲離閾値を設定する開閉眼判定閾値設定手段と、
    前記上瞼曲率算出手段から得られた上瞼の曲率が前記曲率閾値より大きい場合は開眼と判定し、前記上瞼曲率算出手段から得られた上瞼の曲率が前記曲率閾値より小さい場合は閉眼と判定する開閉眼判定手段と、を備える開閉眼判定装置であって、
    前記開閉眼判定閾値設定手段は、前記上瞼検出手段が前記曲率閾値に基づいて前記上瞼の曲率を確実に検出できる開閉眼判定確実領域及び前記上瞼検出手段が前記曲率閾値に基づいて上瞼の曲率を不確定ながら検出することが可能であるものの検出された上瞼の曲率の判定精度の低いために前記曲率閾値のみで確実に上瞼の開眼,閉眼の判定が難しい開閉眼判定不確実領域の設定の指標となる上瞼検出判定閾値を設定して、前記上瞼検出判定閾値を用いて前記開閉眼判定確実領域と前記開閉眼判定不確実領域とを設定すると共に、
    前記上瞼の曲率の頂点と眉の代表座標値との間隔の所定の値を開眼と閉眼の判定を行うための間隔判断の閾値と、眼の縦幅の所定の値を開眼と閉眼の判定を行うための眼の縦幅判断の閾値の少なくとも一方を設定したとき、
    前記開閉眼判定手段は、前記上瞼曲率算出手段により算出される前記上瞼の曲率が前記開閉眼判定確実領域にある場合は上瞼の曲率により開眼と閉眼の判定を行い、前記上瞼曲率算出手段により算出される前記上瞼の曲率が前記開閉眼判定不確実領域にある場合は前記上瞼の曲率の頂点と眉の代表座標値との間隔が前記間隔判断の閾値より大きいとき閉眼と判定し且つ小さいときに閉眼と判定する第2開閉眼判定処理と、前記眼の縦幅が眼の縦幅判断の閾値より大きいとき開眼と判定し且つ小さいとき閉眼と判定する第2開閉眼判定処理との少なくとも一方を実行することを特徴とする開閉眼判定装置。
  5. 請求項4に記載の開閉眼判定装置において、
    前記上瞼座標抽出手段から得られた上瞼の座標群から上瞼を二次以上の次数を有する曲線に近似する曲線近似手段と、
    前記上瞼座標抽出手段から得られた上瞼の座標群と前記曲線近似手段によって得られた曲線との相関値を検出する相関値検出手段とを更に備え、
    前記開閉眼判定閾値設定手段は前記相関値が高い場合の前記開閉眼判定不確実領域が前記相関値が低い場合の前記開閉眼判定不確実領域よりも狭い範囲になるように前記上瞼検出判定閾値を設定することを特徴とする開閉眼判定装置。
  6. 請求項4又は5に記載の開閉眼判定装置において、
    前記眼画像取得手段は、
    前記被検出者の前方略正面に設置されて前記被検出者の顔全体を含む顔画像を撮像する顔画像撮像手段と、
    前記顔画像撮像手段によって撮像された前記顔画像から前記被検出者の眼を検出する眼検出手段とを備え、
    前記眼検出手段は検出した眼の位置を中心とした微小範囲の画像を前記顔画像から抽出しその微小範囲の画像を眼画像とすることを特徴とする開閉眼判定装置。
  7. 請求項6に記載の開閉眼判定装置において、
    前記眼検出手段は、
    前記顔画像撮像手段で撮像された前記顔画像から前記顔画像における眼の座標位置を検出する眼位置検出手段と、
    前記眼位置検出手段によって検出された前記眼の座標位置から眼を追跡して前記顔画像における眼の座標位置を検出する眼位置追跡手段とを備えることを特徴とする開閉眼検出装置。
  8. 請求項7に記載の開閉眼判定装置において、
    前記開閉眼判定閾値設定手段は、前記相関値検出手段が算出する上瞼の座標群と前記曲線近似線との相関値が統計的に相関がないことを示す非相関閾値および上瞼の曲率の統計的な最大値を曲率存在限界閾値として設定し、
    前記開閉眼判定手段は、前記相関値検出手段が算出する前記相関値が前記非相関閾値より小さい場合または前記上瞼曲率検出手段が検出する前記上瞼の曲率が前記曲率存在限界閾値より大きい場合は、前記眼位置追跡手段によって検出された前記眼の座標位置を破棄して、前記眼位置検出手段によって前記顔画像から前記眼の座標位置を検出することを特徴とする開閉眼検出装置。
  9. 請求項4〜8のいずれか一つに記載の開閉眼判定装置において、前記上瞼座標抽出手段によって抽出された上瞼の座標群から上瞼の横幅を算出する上瞼横幅検出手段を備え、
    前記開閉眼判定閾値設定手段は、前記上瞼横幅検出手段によって算出された上瞼の横幅が所定値以下の場合、前記上瞼の横幅が所定値を越える場合に比べ前記開閉眼判定不確実領域が広くなるように前記上瞼検出判定閾値を設定することを特徴とする開閉眼検出装置。
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