JP3577782B2 - 光ディスク - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は円板状の基板の一主面上に記録層が形成された、いわゆる単板構造の光ディスクに関するものである。詳しくは、基板の記録層形成面と反対側の主面に基板構成材料よりも熱膨張係数の小さい材料よりなる反り防止板を配することにより反りの発生が抑えられた光ディスクに係るものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録の分野においては光学情報記録方式に関する研究が各所で進められている。この光学情報記録方式は、非接触で記録・再生が行えること、磁気記録方式に比べて一桁以上も高い記録密度が達成できること、再生専用型,追記型,書換可能型のそれぞれのメモリー形態に対応できる等の数々の利点を有し、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式として産業用から民生用まで幅広い用途の考えられているものである。
【0003】
そして、上記再生専用型の記録媒体としては、デジタルオーディオディスクや光学式ビデオディスク等の光ディスクが普及しており、書換可能型の記録媒体としては光磁気ディスク等の光ディスクが普及している。
【0004】
なお、上記各光ディスク共に、ポリカーボネート等よりなる透明基板上に各種機能膜よりなる記録層が形成された構成とされている。
【0005】
例えば、上記光磁気ディスクにおいては、透明基板上に機能膜としてカー効果やファラデー効果等の磁気光学特性を有するTbFeCo合金等の希土類−遷移金属非晶質合金等よりなる垂直磁化膜等が形成されて記録層を構成している。また、上記追記型の記録媒体である追記型光ディスクにおいては、機能膜として低融点金属薄膜,相変化膜,有機色素を含有する膜等が形成されて記録層を構成している。
【0006】
さらに、各光ディスク共に記録層の上層及び/又は下地層として記録層への水分の侵入による腐食防止、多重干渉による信号増大を目的とするSiN,SiO等よりなる誘電体膜が形成されることが多い。
【0007】
加えて、各光ディスク共に反射膜が形成されることが多く、この反射膜としては高反射率を有し、かつ熱的に良導体であることからアルミニウムよりなる薄膜を使用することが多い。
【0008】
なお、再生専用型の光ディスクにおいては、基板の表面に情報信号を表す凹凸部を形成し、その上に機能膜として反射膜を設けるようにして上記凹凸部と反射膜により記録層を形成している。
【0009】
また、これら光ディスクは一枚で使用されて片面のみに記録層を有する単板構成とされる他、片面に記録層の形成された光ディスクを二枚貼り合わせて表裏面の両方から記録再生可能な両板構成等とされて使用されている。なお、上記光磁気ディスクにおいては、高密度記録化や高アクセス化が可能であることからその記録方法として磁界変調方式を適用することが好ましく、この点から単板構成とされることが好ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような光ディスクにおいては、その周方向及び径方向に反りが生じることがある。
【0011】
これは、以下のような理由による。すなわち、上記のような光ディスクの基板とされるポリカーボネート等の樹脂よりなる基板には、外部環境の温度上昇により体積が膨張する性質がある。一方、記録層を構成する金属よりなる膜や誘電体膜等も外部環境の温度上昇により体積が膨張するものの、その膨張率は基板と比較して1〜2桁も小さい。従って、外部環境の温度変化が生じた場合、基板と記録層の膨張率に差が生じ、光ディスクに反りが発生する。なお、周方向の反りは径方向の反りと比較して非常に小さいため、一般に、光ディスクの反りとしては径方向の反りのみを考慮している。
【0012】
このように光ディスクに反りが生じると、情報の記録或いは/及び再生時に光ディスクの記録層形成面と反対側の主面に対物レンズから照射されるレーザ光が基板に対して垂直方向に入射しなくなる。その結果、反射光は対物レンズ等の受容体に正確に戻らなくなり、サーボのずれや信号の記録或いは/及び再生が正しく行われなくなる。
【0013】
なお、上記の光ディスクの反り量は水平方向の基準面に対する光ディスクの基板の記録層形成面の反り角θにより表される。すなわち、図10に示されるように、光ディスク101が基板102側が凸となるように反っている場合に、これにレーザ光等の光を照射する対物レンズ103が図中矢印M で示すように図中Aで示される内周側から図中Bで示される外周側に半径方向に図中ΔRだけ移動すると、基板102の記録層形成面102aに焦点を合わせるために対物レンズ103は図中矢印M で示すように図中上方向に図中Δdだけ移動する必要がある。従って、図中Aにおける対物レンズ103の記録層形成面102aへの焦点を含む水平面を基準面とすると、図中Bにおける記録層形成面102aの上記基準面への反り角θは数1のように表される。
【0014】
【数1】
Figure 0003577782
【0015】
なお、基板の記録層形成面とこれと反対側の主面は平行であることから、上記記録層形成面と反対側の主面の反り角は記録層形成面の反り角と同じである。
【0016】
そこで、上記のような外部環境の温度変化による光ディスクの反りの発生を抑えるために、特開平4−291035号公報に示されるように基板の記録層形成面と反対側の主面に熱膨張係数の非常に小さい無機材料よりなる透明膜、例えばリチウム酸化物,酸化アルミニウム,二酸化珪素,酸化チタン等よりなる膜を形成し、基板の両側を記録層の金属膜や誘電体膜等の無機材料膜と上記無機材料よりなる透明膜で挟み込むといった手法も提案されている。
【0017】
また、特開平4−195745号公報に示されるように基板の記録層形成面と反対側の主面にSiN の化学式で示される窒化珪素でx<4/3の範囲となる窒化珪素よりなる膜を形成する手法も提案されている。
【0018】
しかしながら、上述の手法では基板の記録層形成面と反対側の主面に無機材料を成膜するための真空チャンバーが必要となる。さらに、記録層形成面に記録層を成膜した後、この面と反対側の主面が表を向くように基板を反転させる装置等も新たに必要となり、製造コストが高価となってしまうという不都合が生じる。
【0019】
そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案されたものであり、外部環境の温度変化による反りの発生を抑え、記録或いは/及び再生が正しく行われる光ディスクを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するために本発明は、円板状の基板の一主面上に少なくとも一層の機能膜よりなる記録層が形成され、その中心部近傍を除いた部分が情報記録領域とされている光ディスクにおいて、基板の記録層形成面と反対側の主面の中心部近傍にポリカーボネート樹脂基板よりも熱膨張係数の小さいステンレス綱よりなる円板状の反り防止板が配されていることを特徴とするものである。
【0022】
さらに本発明においては、室温状態の基板の形状が、全体としては基板の記録層形成面の反対側の主面側の内周側が凸となるように反っており、かつ基板の記録層形成面と反対側の主面が凹となるように反った形状であり、基板の記録層形成面と反対側の主面の反り角が外周側よりも内周側において大であることが好ましい。
【0023】
【作用】
本発明は、円板状の基板の一主面上に少なくとも一層の機能膜よりなる記録層が形成され、その中心部近傍を除いた部分が情報記録領域とされている光ディスクの基板の記録層形成面と反対側の主面の中心部近傍に基板構成材料よりも熱膨張係数の小さい材料よりなる円板状の反り防止板を配している。上記構成の光ディスクにおいては、記録層の熱膨張係数が基板の熱膨張係数に比べて小さいことから、外部環境の温度上昇により、通常、基板側が凸となるような反りが生じる。しかしながら、本発明のように基板の記録層形成面と反対側の主面に基板構成材料よりも熱膨張係数の小さい材料よりなる円板状の反り防止板を配していれば、基板側が凸となるような挙動が抑えられ、光ディスクの反りの発生が抑えられる。
【0024】
また、本発明の光ディスクにおいては、外部環境の温度上昇があった場合、反り防止板の影響で内周側に基板側が凹となるような反りが生じ、外周側に基板側が凸となるような反りが生じ易いが、このとき、室温状態の基板の形状を、全体としては基板の記録層形成面の反対側の主面側の内周側が凸となるように反っており、かつ基板の記録層形成面と反対側の主面が凹となるように反った形状とし、基板の記録層形成面と反対側の主面の反り角が外周側よりも内周側において大である形状としておけば、元々の基板の形状により外部環境の温度上昇による反りが相殺され、光ディスクの反りの発生が更に抑えられる。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を適用した具体的な実施例について実験結果に基づいて説明する。
【0026】
実験例1
先ず、従来の光磁気ディスクを製造し、該光磁気ディスクにおける外部環境温度の変化による反りの発生について調査した。
【0027】
すなわち、図1に示すように基板1の一主面1a上に記録層2及び上記記録層2を保護する平均膜厚15μmの紫外線硬化型樹脂よりなる保護膜3が形成されてなる光磁気ディスクサンプル1を用意した。なお、上記光磁気ディスクサンプル1においては、図2に示すように基板1の半径D を60mmとし、上記基板1の半径D が20mmの中心部近傍部8を除いた部分に記録層2を形成し、情報記録領域とした。なお、図2中においては保護膜3の図示を省略した。
【0028】
また、上記記録層2は基板1上に厚さ110nmのSiN膜よりなる第1の誘電体膜4,厚さ23nmのTbFeCo合金膜よりなる記録磁性膜5,厚さ35nmのSiN膜よりなる第2の誘電体膜6,厚さ55nmのアルミニウム膜よりなる反射膜7を順次積層形成させることにより形成した。
【0029】
そして、上記光磁気ディスクサンプル1を恒温恒湿槽内に配し、所定の温度,湿度の条件下で保存した時の径方向の反り角(以下、ラジアルスキューと称する。)を調査した。なお、周方向の反り角(以下、タンジェンシャルスキューと称する。)はラジアルスキューと比較すると非常に小さいため、測定しないものとした。
【0030】
なお、上記ラジアルスキューの測定は、上記恒温恒湿槽内にスキュー測定機を配することにより行い、スキュー測定機に配される対物レンズの径方向の移動距離と上下方向の移動距離を測定し、前述の方法で基板の記録層形成面の反り角として算出するものとし、半径が30mmの地点と56mmの地点でのラジアルスキューを測定するものとした。
【0031】
さらに、上記恒温恒湿槽内の温度,湿度の条件は以下のように変化させた。すなわち、図3に示すように温度20℃で所定の時間保った後、30分かけて温度60℃まで上昇させて所定の時間保つものとし、湿度は相対湿度50%に保ったままとした。ただし、図3中においては温度の上昇を時間Tから開始し、T30まで行うものとする。
【0032】
測定結果を図4に示す。図4中横軸は時間を示すが、恒温恒湿槽内の温度を上昇させ始めた時点、すなわち図3中時間T を時間零としている。また、図4中縦軸はラジアルスキューを示し、図中●は半径30mmの地点における結果を示し、○は半径56mmの地点における結果を示している。
【0033】
図4の結果から、ラジアルスキューの変化は半径56mmの地点の方が大きく、外周に行くほど大きいことが確認された。そして、上記半径56mmの地点において測定開始70分後に最大値11mradが測定され、両地点におけるラジアルスキューの最小値が零であることから光磁気ディスクサンプル1におけるラジアルスキューの最大変化量は11mradであることがわかった。
【0034】
実験例2
次に、上記実験例1で述べた構成の光磁気ディスクの基板の記録層形成面と反対側の主面の中心部近傍、言い換えれば情報記録領域の内周側に基板の構成材料と同様のポリカーボネートよりなる平面環状をなす円板状の反り防止板を配した光磁気ディスクを光磁気ディスクサンプル2として製造し、この光磁気ディスクの環境温度の変化に対する変形を実験例1と同様に調査した。なお、基板及び反り防止板は共に熱膨張係数7.0×10−5(1/℃)のポリカーボネートにより構成するものとした。
【0035】
すなわち、上記光磁気ディスクサンプル2は、光磁気ディスクサンプル1と略同様の構成を有するものであり、図5(a)に示すように外径L が16.5mm、内径L が11.5mmで図5(b)に示すように厚さTが0.5mmの平面環状をなす円板状の反り防止板9を基板1と同様のポリカーボネートにより作製し、図6に示すように上記反り防止板9を基板1の記録層2の形成面の裏面側の情報記録領域よりも内周側、言い換えれば図2に示した中心部近傍部8の裏面側に配したものである。
【0036】
結果を図7に示す。図7中横軸は時間を示すが、恒温恒湿槽内の温度を上昇させ始めた時点、すなわち図3中時間T を時間零としている。また、図7中縦軸はラジアルスキューを示し、図中●は半径30mmの地点における結果を示し、○は半径56mmの地点における結果を示している。
【0037】
図7の結果から、初期状態(時間零分、温度20℃,相対湿度50%)においては、反り防止板の影響で半径30mm,半径56mmの両地点において1mrad程度のラジアルスキューが生じ、基板が凸となる方向の反りが生じていることがわかる。
【0038】
そして温度を60℃まで昇温させ、この状態で放置したところ、ラジアルスキューの変化は半径56mmの地点の方が大きく、外周に行くほど大きいことが確認された。そして、上記半径56mmの地点において最大値11mradが測定され、光磁気ディスクサンプル2におけるラジアルスキューの最大変化量は10mradであり、光磁気ディスクサンプル1よりも1mrad小さいことがわかった。
【0039】
しかし、光磁気ディスクの基板の記録層形成面と反対側の主面の中心部近傍に基板構成材料と同じ熱膨張係数を有する材料よりなる反り防止板を配しても、ラジアルスキューの変化を効果的に抑えることはできなかった。
【0040】
実験例3
次に、上記実験例2で述べた構成の光磁気ディスクの基板の反り防止板をステンレスにより構成して光磁気ディスクサンプル3として製造し、この光磁気ディスクの環境温度の変化に対する変形を実験例1と同様に調査した。なお、上記基板は熱膨張係数7.0×10−5(1/℃)のポリカーボネートにより構成し、反り防止板は熱膨張係数1.5×10−5(1/℃)のステンレスにより構成するものとし、上記反り防止板は紫外線硬化型接着剤により接着した。
【0041】
結果を図8に示す。図8中横軸は時間を示すが、恒温恒湿槽内の温度を上昇させ始めた時点、すなわち図3中時間T を時間零としている。また、図8中縦軸はラジアルスキューを示し、図中●は半径30mmの地点における結果を示し、○は半径56mmの地点における結果を示している。
【0042】
図8の結果から、初期状態(時間零分、温度20℃,相対湿度50%)においては、反り防止板の影響で半径30mmの地点においては3.4mrad、半径56mmの地点においては2.3mradのラジアルスキューが生じ、基板が凸となる方向の反りが生じていることがわかる。
【0043】
そして温度を60℃まで昇温させ、この状態で放置したところ、半径56mmの地点では基板が凸となる方向の反りが生じたものの、半径30mmの地点では基板が凹となる方向の反りが生じた。また、半径56mmの地点ではラジアルスキューの最大値が6.5で最小値が1.5であり、半径56mmの地点における最大変化量は5.0mradであり、光磁気ディスクサンプル1,2の半径56mmの地点における最大変化量の半分以下に抑えられていた。さらに、半径30mmの地点ではラジアルスキューの最小値が−2.5mrad(基板が凸となる方向を正とした場合)であった。すなわち、光磁気ディスクサンプル3のラジアルスキューの最大変化量は9mradとなり、光磁気ディスクサンプル1と比較して2mrad、光磁気ディスクサンプル2と比較して1mrad小さくなっていた。
【0044】
上記実験例1,2,3の結果から、光磁気ディスクの基板の記録層形成面と反対側の主面の中心部近傍に反り防止板を配する場合、光磁気ディスクサンプル2のように反り防止板として基板と同様の熱膨張係数を有する材料よりなるものを配した場合には、環境温度の上昇により上記反り防止板は基板と同様に熱膨張するため、反り防止板の配されていない光磁気ディスクサンプル1と同様の反りが生じてしまい、反り抑制効果が低いことがわかった。
【0045】
一方、光磁気ディスクサンプル3のように反り防止板として基板よりも熱膨張係数の小さい材料よりなるものを配した場合には、環境温度の上昇により基板に熱膨張が生じてもこれを反り防止板が妨げ、反り防止板近傍の内周側においてはむしろ基板が凹となるような反りが生じ、外周側においては反りの発生が抑えられ、全体的な反り量が大幅に低減されることが確認された。すなわち、本発明を適用した光磁気ディスクサンプル3においては、反りの発生が抑えられるため、情報の再生が良好に行われることがわかった。
【0046】
実験例4
実験例3の結果から、光磁気ディスクサンプル3のように基板の記録層形成面と反対側の主面の中心部近傍に基板構成材料よりも熱膨張係数の小さい材料よりなる反り防止板を配すると、反り防止板近傍の内周側と外周側において発生する反りの方向が反対となり、それぞれの方向にラジアルスキューは5〜6mrad程度変化することが確認された。
【0047】
従って、このことから光磁気ディスクの基板の室温状態における形状を上記反りを相殺するような形状としておけば、光磁気ディスクの変形を最小限に止めることが可能であるものと考えられる。
【0048】
そこで、実験例3で述べた光磁気ディスクサンプル3と同様の構成の光磁気ディスクの室温状態の基板の形状を、全体としては基板の記録層形成面の反対側の主面側の内周側が凸となるように反っており、かつ基板の記録層形成面と反対側の主面が凹となるように反った形状とし、半径30mmの地点で5mradのラジアルスキューを有し、半径56mmの地点で0mradのラジアルスキューを有する形状とした光磁気ディスクサンプル4を製造し、この光磁気ディスクの環境温度の変化に対する変形を実験例1と同様に調査した。
【0049】
なお、上記基板の記録層形成面と反対側の主面の反り角は、前述のように記録層形成面の反り角、言い換えれば上記ラジアルスキューにより表される。
【0050】
結果を図9に示す。図9中横軸は時間を示すが、恒温恒湿槽内の温度を上昇させ始めた時点、すなわち図3中時間T を時間零としている。また、図9中縦軸はラジアルスキューを示し、図中●は半径30mmの地点における結果を示し、○は半径56mmの地点における結果を示している。
【0051】
図9の結果から、初期状態(時間零分、温度20℃,相対湿度50%)においては、上記のように半径30mmの地点においては5mradのラジアルスキューが生じ、基板が凸となる方向の反りが生じ、半径56mmの地点においてはラジアルスキューが0mradであることがわかる。
【0052】
そして温度を60℃まで昇温させ、この状態で放置したところ、光磁気ディスクサンプル3と同様に、半径56mmの地点では基板が凸となる方向の反りが生じ、半径30mmの地点では基板が凹となる方向の反りが生じた。
【0053】
図9の結果から、この光磁気ディスクサンプル4においてはラジアルスキューの最大変化量は7mradであることも確認できた。
【0054】
従って、光磁気ディスクサンプル4のように室温状態の基板の形状を、全体としては基板の記録層形成面の反対側の主面側の内周側が凸となるように反っており、かつ基板の記録層形成面と反対側の主面が凹となるように反った形状とし、基板の記録層形成面と反対側の主面の反り角が外周側よりも内周側において大である形状としておけば、元々の基板の形状により外部環境の温度上昇による反りが相殺され、光ディスクの反りの発生が更に抑えられ、情報の再生が良好に行われることがわかった。
【0055】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、円板状の基板の一主面上に少なくとも一層の機能膜よりなる記録層が形成され、その中心部近傍を除いた部分が情報記録領域とされている光ディスクの基板の記録層形成面と反対側の主面の中心部近傍にポリカーボネート樹脂基板よりも熱膨張係数の小さいステンレス綱よりなる円板状の反り防止板を配している。上記構成の光ディスクにおいては、記録層の熱膨張係数が基板の熱膨張係数に比べて小さいことから、外部環境の温度上昇により、通常、基板側が凸となるような反りが生じる。しかしながら、本発明のように基板の記録層形成面と反対側の主面にポリカーボネート樹脂基板よりも熱膨張係数の小さいステンレス綱よりなる円板状の反り防止板を配していれば、基板側が凸となるような挙動が抑えられ、光ディスクの反りの発生が抑えられ、情報の記録或いは/及び再生が良好に行われる。
また、本発明の光ディスクにおいては、ステンレス綱より構成された反り防止板を接着剤により接着するだけなので、無機材料を成膜するもののように真空チャンバーや成膜後基板を反転させる装置等が必要でないため、製造コスト等の上昇なしに特性の優れた光ディスクを容易に得ることができる。
さらに、本発明光ディスクにおいては、ステンレス綱より構成された反り防止板を基板に配設するため、機械的強度に優れた光ディスクとすることができる。
【0056】
さらにまた、本発明の光ディスクにおいては、外部環境の温度上昇があった場合、反り防止板の影響で内周側に基板側が凹となるような反りが生じ、外周側に基板側が凸となるような反りが生じ易いが、このとき、室温状態の基板の形状を、全体としては基板の記録層形成面の反対側の主面側の内周側が凸となるように沿っており、かつ基板の記録層形成面と反対側の主面が凹となるように沿った形状であり、基板の記録層形成面と反対側の主面の反り角が外周側よりも内周側において大である形状としておけば、元々の基板の形状により外部環境の温度変化による反りが相殺され、光ディスクの反りの発生が更に抑えられ、情報の記録或いは/及び再生が良好に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光磁気ディスクの一構成例を示す要部概略断面図である。
【図2】光磁気ディスクの一構成例を示す要部概略斜視図である。
【図3】恒温恒湿槽における時間に対する温度変化の様子を示す特性図である。
【図4】光磁気ディスクサンプル1における時間に対するラジアルスキューの変化の様子を示す特性図である。
【図5】反り防止板の一例を示す平面図及び側面図である。
【図6】反り防止板を配した光磁気ディスクを示す要部概略斜視図である。
【図7】光磁気ディスクサンプル2における時間に対するラジアルスキューの変化の様子を示す特性図である。
【図8】光磁気ディスクサンプル3における時間に対するラジアルスキューの変化の様子を示す特性図である。
【図9】光磁気ディスクサンプル4における時間に対するラジアルスキューの変化の様子を示す特性図である。
【図10】光ディスクに反りが生じている場合の光ディスクと記録層形成面の反り角の関係を示す模式図である。
【符号の説明】
1 基板
2 記録層
4 第1の誘電体膜
5 記録磁性層
6 第2の誘電体膜
7 反射膜
9 反り防止板

Claims (2)

  1. 円板状の基板の一主面上に少なくとも一層の機能膜よりなる記録層が形成され、その中心部近傍を除いた部分が情報記録領域とされている光ディスクにおいて、
    基板の記録層形成面と反対側の主面の中心部近傍にポリカーボネート樹脂基板よりも熱膨張係数の小さいステンレス鋼よりなる円板状の反り防止板が配されていることを特徴とする光ディスク。
  2. 室温状態の基板の形状が、全体としては基板の記録層形成面の反対側の主面側の内周側が凸となるように反っており、かつ基板の記録層形成面と反対側の主面が凹となるように反った形状であり、基板の記録層形成面と反対側の主面の反り角が外周側よりも内周側において大であることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
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