JPH07272320A - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JPH07272320A
JPH07272320A JP6057459A JP5745994A JPH07272320A JP H07272320 A JPH07272320 A JP H07272320A JP 6057459 A JP6057459 A JP 6057459A JP 5745994 A JP5745994 A JP 5745994A JP H07272320 A JPH07272320 A JP H07272320A
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JP
Japan
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thickness
substrate
film
protective film
warp
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JP6057459A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Akimoto
義浩 秋元
Takashi Tomita
尚 富田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高密度化を目的として基板を薄くしても、現
状の積層構造を維持しつつ、反りを抑制し得る情報記録
媒体を提供すること。 【構成】 基板3の一主面に記録膜2と保護膜1とが順
次積層されてなる光ディスク4であって、基板3の厚さ
が1mm以下のとき、アクリル系光硬化保護膜を20μ
m以上の厚さでコートしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報記録媒体に関し、
さらに詳しくは、レーザ光の照射により情報の記録及び
/又は再生が行われる光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の照射により情報の記録・再生
を行う光ディスクとしては、光磁気(MO:Magneto-Op
tical)ディスク、各種追記型光ディスク、デジタルオー
ディオディスク(いわゆるコンパクトディスク)、光学
式ビデオディスク(いわゆるレーザーディスク)等が実
用化されている。
【0003】一般的な光ディスクは、ポリカーボネート
(PC)などの樹脂からなる透明基板と、この基板上に
形成された記録膜と、記録膜上に形成された保護膜との
三層構造を有している。前記記録膜は、例えば光磁気デ
ィスクでは、誘電体膜、光磁気記録膜(いわゆるMO
膜)、反射膜などからなる。また、保護膜は、アクリル
系光硬化樹脂から構成されている。
【0004】このような光ディスクに対する情報の記録
・再生を行う記録再生システムは、公知のように、光デ
ィスクを固定するためのディスクテーブルと、固定され
た光ディスクにレーザ光を照射するための光学ピックア
ップ装置よりなる。この光学ピックアップ装置は、半導
体レーザ等の光源と、光検出部と、光を集光する対物レ
ンズより構成されている。
【0005】ディスクテーブルにチャッキングされた状
態の光ディスクに対しては、その透明基板側から、光学
ピックアップ装置によってレーザ光が照射される。光学
ピックアップ装置では、半導体レーザから発射されたレ
ーザ光が対物レンズで集光され、この集光されたレーザ
光は光ディスクの透明基板を透過して記録部上に焦点を
結ぶ。そして、このレーザ光が焦点を結ぶことで形成さ
れた微小のビームスポットにより、該ビームスポットの
直径dに対応した大きさで記録ピットが形成される。
【0006】ところで、近年では、情報量の増加に伴っ
て、情報記録媒体の記録密度の高密度化が強く要請され
ている。この記録密度は、記録ピットがビームスポット
の直径dに対応した大きさで形成されることから、この
ビームスポットの直径dによってほぼ決定されることに
なる。したがって、情報記録媒体の記録密度を上げるた
めには、先ず、ビームスポットの直径dをできるだけ小
さくすることが必要となってくる。
【0007】ここで、ビームスポットの直径dは、対物
レンズの開口数NAと半導体レーザ波長λによって決ま
り、対物レンズの開口数NAと半導体レーザ波長λによ
って式1のように表される。 d=1.22λ/NA……(1) 式1からわかるように、ビームスポットの直径dは半導
体レーザ波長λを短くし、対物レンズの開口数NAを大
きくすることによって小さくすることができる。しか
し、レーザ光波長は、原理的、量産性から選択に自ずと
限界があり、従来より使用されている800nm前後を
変えることができない。このため、ビームスポットの直
径dを縮小するには、対物レンズの開口数NAを大きく
することによって行うしかない。
【0008】ところが、上記記録再生システムにおいて
対物レンズの開口数NAを大きくすると、ディスクの傾
きによって生ずる収差大きくなり、ディスクの光学系に
対する傾き角の許容度が小さくなる。すなわち、ディス
クの傾きによって生じる光学系の収差の大きさは、3次
のコマ収差係数W31によって決まり、このW31は式
2のように表される。 W31=−hn2 /2・(n2 −1)sin θcos θ/(n
2 −sin 2 θ)5/2・(NA)3 ……(2) θ:ディスクの光学系に対する傾き角 h:基板の厚み n:基板材料の屈折率
【0009】式2からわかるように、W31すなわち収差
の増大する割合は対物レンズの開口数NAの3乗に比例
して増大する。図6に実線で示すように、現在用いられ
ている記録再生システムの対物レンズの開口数NAは
0.5であり、基板の厚みは1.2mmである。この場
合、波面収差(R.M.S)を約0.02λ以下に抑え
るためには、ディスクの光学系に対する傾き角θの許容
度は、±5mrad程度以下である。記録密度を向上さ
せるために対物レンズの開口数NAをさらに大きくする
と、例えば、同図に一点鎖線で示される0.55や、二
点鎖線で示される0.6以上にすると、傾き角θの許容
度が非常に小さくなり、実用的な値とはならない。
【0010】そこで、このような光ディスクにおいて、
対物レンズの開口数NAを大きくする場合には、式2か
ら、基板の厚みhを小さくすることが必要となってく
る。基板の厚みhを小さくすれば、コマ収差が減少し、
傾き角θの許容度を実用的な値にすることが可能であ
る。
【0011】図7に、対物レンズの開口数NAと、計算
により求めた対物レンズの開口数が0.5、基板の厚さ
が1.2mmである場合と同等の光学的安定性が得られ
る基板の厚さを示す。図中破線は5.25インチ光磁気
ディスクを基準とした場合の特性線図を、実線はコンパ
クトディスク(CD)を基準とした場合の特性線図を示
している。図7からわかるように、対物レンズの開口数
NAを現状より大きい0.55とするときには、基板の
厚さを0.8mmとすることにより、現状の記録再生シ
ステムと同等の光学的安定性が得られ、ディスクの傾き
に対する許容度が実用範囲内となる。したがって、基板
の厚みhを小さくすることは、ディスクの光学系に対す
る傾き角θの許容度を実用範囲内としつつ、光ディスク
の高密度化を図るために有効な手段となる。
【0012】しかし、基板等の板の曲げ剛性Dは、式3
で示すように板の厚みhが小さくなるにつれて急激に小
さくなり、板が曲がり易くなる。 D=Eh3 /[12(1−ν2 )]……(3) E:板の縦弾性係数 h:板の厚み ν:ポアソン比 図8に示す実験結果のように、基板の厚みhが小さくな
るにつれて、急激に曲がり易くなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、基板を
薄くすることは、光ディスクの高密度化に対して有効な
手段である反面、曲げ剛性の低下を招くことになる。こ
れに伴い、環境温度が変動した場合における光ディスク
の反り(skew)が変化するという事態が顕著とな
る。例えば、室温で長時間放置している光ディスク基板
を記録再生システムに装着した場合には、当該記録再生
システム内の温度が比較的高温となっているために、急
激な環境温度の変動によって光ディスクの反りが変化す
る。
【0014】透明基板、記録膜および保護膜の三層構造
を有する従来の光磁気ディスクを例にとって、ディスク
の反りを定量的に説明する。従来の光磁気ディスクにお
けるアクリル系光硬化保護膜の厚さは15μm程度であ
るが、保護膜の厚さをこの厚さに維持したまま、高密度
化を図るために基板の厚さを現状の1.2mmよりも薄
い0.8mmとした場合には、湿度50%で環境温度が
20〜60℃の範囲で変動すると、ディスクの半径方向
に沿う反りの変化は、±7mrad程度と大きかった。
【0015】このようにディスクの反りが大きいと、波
面収差が発生し、読み出し時の信号振幅が小さくなり、
レーザ光の焦点が記録膜に確実に合致し難くなり、情報
の記録、再生を精度良く行うことが困難となる。また、
高密度化に伴う狭いトラックピッチを考えた場合、従来
のような反り変化によってクロストークの影響がより大
きく発生し、この問題がより助長されることになる。こ
れらの理由から、光ディスクには、反りの変化の小さい
ことが従来より要求されている。
【0016】ここに、光ディスクの反りの変化を抑制す
るために、反りの抑制を目的とした専用の膜を別途形成
することも考えられる。しかしながら、このような対応
策では、現行の製造工程を大幅に改変しなければなら
ず、光ディスクの製造が複雑となるばかりでなく、工数
増加に伴って製造コストが増加するという問題をも招来
する。そこで、本発明者らは、高密度化を目的として基
板を薄くする場合に剛性低下に伴う反りを抑制し得る光
ディスクを鋭意研究開発した結果、保護膜の厚さを制御
すれば、現行の製造工程を維持したまま反りを抑制でき
ることを見出だし、本発明を完成するに至った。
【0017】本発明は、高密度化を目的として基板を薄
くしても、現状の積層構造を維持しつつ、反りを抑制し
得る情報記録媒体を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、基板の一主面に記録膜と高分子材料からな
る保護膜とが順次積層されてなる情報記録媒体におい
て、前記基板の厚さが1mm以下のとき、前記保護膜の
厚さを20μm以上としたことを特徴とする情報記録媒
体である。
【0019】
【作用】情報記録媒体の基板の厚さを1mm以下に薄く
することにより、光学系に対する情報記録媒体の傾き角
の許容度を実用範囲内としつつ、情報記録媒体の記録密
度が高密度化する。また、基板の厚さを薄くすることに
よって当該基板の剛性は低下するものの、高分子材料か
らなる保護膜を20μm以上の厚さでコートすることに
より、環境温度が変動しても情報記録媒体の反りは抑制
され、波面収差などの不具合の発生が生じ難いものとな
る。さらに、保護膜の厚さ寸法を現状と異ならせるだけ
で反りを制御でき、情報記録媒体の積層構造は現状のも
のと同じ構造に維持されている。このため、現行の製造
工程を改変することなく、反りを抑制し得ると共に高密
度化を図った情報記録媒体を製造できる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
図1は、本発明に係る情報記録媒体を適用した光磁気デ
ィスク4の概略断面図であり、現状の積層構造と同様
に、透明基板3と、この基板3の一主面上に形成された
記録膜2と、記録膜2上に形成された保護膜1との三層
積層構造を有している。この光ディスク4の基板3の材
料としては、通常の光ディスクに使用されている基板材
料であればいずれでもよく、例えば、ポリカーボネート
系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂あるいはアモ
ルファスポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。
【0021】記録膜2は、誘電体膜、磁気光学特性(カ
ー効果やファラデー効果)を有する光磁気記録膜、反射
膜などからなる。光磁気記録膜としては、たとえば、T
bFeCo系非晶質薄膜等の希土類−遷移金属合金非晶
質膜などが成膜される。反射膜としては、高反射率を有
し、かつ熱的に良導体であることからAl反射膜が形成
されている。
【0022】また、保護膜1は、基板3の上にスパッタ
された記録膜2を保護するために、スピンコート法など
により均一に形成された膜であり、保護膜1の材料とし
ては、高分子材料、例えば、アクリル系光硬化樹脂など
が挙げられる。この保護膜1に用いて好ましい高分子材
料としては特にアクリル系光硬化樹脂にのみ限定されな
いが、ポリカーボネイトの線膨張率が6.5×10-5
degであるのに対してアクリル系樹脂の線膨張率が
7.7×10-5/degと極めて近似しているので熱膨
張に対するディスクの反りが小さくなる。したがって、
基板材料の線膨張率に近似した材料で保護膜を形成する
ことが好ましい。ちなみに、記録膜SiO2の線膨張率
は3.5×10-7/degである。
【0023】光ディスクでは、対物レンズの開口数NA
を大きくして記録密度の高密度化を図る場合には、ディ
スクの傾きによる収差が増大する割合を低く抑えるため
に、透明基板3の厚さを薄くすることが必要である。し
かしながら、透明基板3の厚みを薄くすると曲げ剛性D
がより小さくなるため、環境温度の変動によって、光デ
ィスクに反りが生じてくる。そこで、本発明において
は、透明基板3の厚みを薄くしておき、保護膜1のコー
ティング厚さを所定の厚さ寸法に制御してある。透明基
板3の厚みが薄いことによって、ディスク4の光学系に
対する傾き角θの許容度を実用範囲内としつつ、光ディ
スク4の高密度化を図ることができる。さらに、保護膜
1の厚さ寸法を制御することによって、透明基板3が薄
いために曲げ剛性Dが小さくなっても、ディスク4の反
りの変化が抑制され、波面収差などの不具合の発生が生
じ難いものとなる。しかも、保護膜1の厚さ寸法を現状
と異ならせるだけで、光ディスク4の積層構造は現状の
ものと同じ構造に維持しているため、現行の製造工程を
改変する必要がない。このため、ディスクの製造が複雑
とならず、工数増加に伴うコストの増加を招くこともな
い。
【0024】保護膜の厚さ寸法について、以下に説明す
る。図2には、本質を失わない範囲で計算を容易にする
ために、円板形状ではなく短冊形状にしたバイメタル構
造のディスクが示されている。同図中における符号Aは
記録膜又は保護膜を示し、符号Bは基板を示している。
また、h、αおよびEは、それぞれ、厚さ、線膨脹率お
よびヤング率を示している。なお、h、αおよびEの添
字「1」は、記録膜又は保護膜のものを表わし、添字
「2」は、基板のものを表わしている。また、Rをディ
スクが反ったときの曲率半径とすると、曲率半径Rは、
式4のように表される。 R=〔(E1h1 2 +E1h1 22 +4E1E2h1h2(h1 2 +h1h2+h2 2 )〕/ 〔t(α2 −α1 )〕・[6(h1+h2)E1E2h1h2〕 ……(4) t:温度変化
【0025】今、記録膜(又は保護膜)Aが凹になると
きをR>0としたが、記録膜(又は保護膜)Aが凸にな
るときはR<0となる。つまり、温度変化t>0の場合
には、記録膜(又は保護膜)Aと基板Bとの線膨張率の
大小によって、記録膜(又は保護膜)Aが凸になるか凹
になるかが決定する。
【0026】光磁気ディスク4の基板3、記録膜2およ
び保護膜1のそれぞれの線膨張率を、αs 、αr 、αp
とすると、αr <αs <αp の関係が成り立つと考えら
れる。したがって、式4から、基板Bに記録膜Aだけを
スパッタした場合には記録膜Aが凹になり、基板Bに保
護膜Aだけをコートした場合には保護膜Aが凸になると
予想される。
【0027】この実験結果を図3に示す。グラフの横軸
は温度を示し、縦軸は20℃においてディスク中心から
40mmのポイントでの半径方向の反り(skew)を
基準としたときの反り変化を示している。なお、実験に
用いた基板の厚さは0.8mm、記録膜の厚さは0.2
35μm、保護膜の厚さは15μmである。また、反り
量の測定は、恒温槽内にディスクを設置し、基板との間
の距離に応じて静電容量が変動するセンサが設けられた
公知の反り量測定装置を用いて行った。
【0028】図3において、反り変化が正の場合には、
図2に示されるA膜(記録膜又は保護膜)が凸になる変
化を示し、反り変化が負の場合には、A膜(記録膜又は
保護膜)が凹になる変化を示している。この実験結果
は、式4から得られた予想と一致しており、保護膜のみ
をコートすると保護膜側に凸になり、記録膜のみをスパ
ッタすると記録膜側に凹になる。
【0029】次に実際の光磁気ディスクに近い図1に示
したような光ディスクについて考える。図3のグラフか
らわかるように、保護膜1および記録膜2は、基板3に
対して温度変化によりそれぞれ反対向きに反るように作
用することが予想される。このことから図1に示される
膜構成では、保護膜1によるディスク4の反りの量と、
記録膜2によるディスク4の反りの量とが相殺すると考
えられる。また、式4から、膜厚hを変化させることに
より、反りの量を制御することが可能であると考えられ
る。
【0030】この実験結果を図4に示す。グラフの横軸
は温度を示し、縦軸は20℃においてディスク中心から
40mmのポイントでの半径方向の反りを基準としたと
きの反り変化を示している。なお、実験に用いた基板の
厚さは0.8mm、記録膜の厚さは0.235μm、保
護膜の厚さは0、15μm、30μmである。図4にお
いて、反り変化が正の場合には、図1に示される保護膜
1が凸になる変化を示し、反り変化が負の場合には、保
護膜1が凹になる変化を示している。このグラフには、
基板3に記録膜2をスパッタして保護膜1を15μm
の厚さでコートした構成のディスク、基板3に記録膜
2をスパッタして保護膜1を30μmの厚さでコートし
たディスクの温度変化に対するそれぞれの反り変化を示
している。さらに参考のために、基板3に保護膜1の
みを15μmの厚さでコートしたディスク、同じく保
護膜1のみを30μmの厚さでコートしたディスク、
基板3に記録膜2のみをスパッタしたディスクの温度変
化に対するそれぞれの反り変化も示している。
【0031】図4のグラフから、図3のグラフと式4か
ら予想された保護膜1によるディスク4の反りと記録膜
2によるディスク4の反りとが相殺し合っていることが
分かる。さらに、保護膜1の厚さを変化させれば、光磁
気ディスク4の温度に対する反り変化を制御できること
がわかり、保護膜1の厚さを厚くすれば、前記反り変化
を小さくすることができることもわかる。
【0032】図5は、環境温度が60℃のときにおける
上記試験用ディスクおよびの反り量をプロットした
ものである。このグラフより、高密度化を目的として基
板3の厚さを1mm以下に薄くするときにあっては、デ
ィスクの光学系に対する傾き角θの許容度を実用的な範
囲内である±5mrad以内とするためには、保護膜1
の厚さを少なくとも20μm以上としなければならない
ことが分かる。また、保護膜1の厚さが必要以上に厚い
と、ディスクの反りが+5mradを越えることから、
保護膜1の厚さは50μm以下とすることが好ましい。
【0033】本発明者らは、実験の結果、0.8mm厚
の基板3を用いた場合、記録膜2の厚さが0.4μm以
下であれば、アクリル系光硬化保護膜1の厚さを20〜
50μmとすることにより、20〜60℃(湿度50
%)の温度変化に対する光磁気ディスク4の半径方向の
反り変化を±2mrad以下に抑えることが可能となっ
たことを確認した。
【0034】なお、上述した実施例は本発明を光磁気デ
ィスクに適用した場合を説明したが、本発明はこの場合
に限定されるものではない。つまり、情報記録媒体の温
度変動に対する反り変化の制御を保護膜の厚さにより行
うという本発明は、光磁気ディスクのみならず、コンパ
クトディスク(CD)、ライトワンス(WO)など多種
多様な光ディスク全般に適用可能である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の情報記録
媒体によれば、基板の厚さを1mm以下に薄くすること
により、光学系に対する情報記録媒体の傾き角の許容度
を実用範囲内としつつ、情報記録媒体の高密度化を達成
することができる。また、基板の厚さを薄くすることに
よって当該基板の剛性は低下するものの、高分子材料か
らなる保護膜を20μm以上の厚さでコートすることに
より、環境温度が変動しても情報記録媒体の反りを抑制
でき、高品質の情報記録媒体を提供することができる。
さらに、保護膜の厚さ寸法を現状と異ならせるだけで反
りを制御でき、情報記録媒体の積層構造は現状のものと
同じ構造に維持されている。このため、反りを抑制し得
ると共に高密度化を図った情報記録媒体を、現行の製造
工程を改変することなく容易に製造できることとなり、
製造コストの大幅な増加を招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る情報記録媒体を適用した光磁気デ
ィスクの概略断面図である。
【図2】本発明の説明のための計算に用いた光ディスク
の模式図である。
【図3】温度と光ディスクの反り変化との関係を示す特
性図である。
【図4】保護膜の厚さを変化させた場合における温度と
光ディスクの反り変化との関係を示す特性図である。
【図5】保護膜の厚さと光ディスクの反り変化との関係
を示す特性図である。
【図6】光ディスクの傾き角と波面収差との関係を示す
特性図である。
【図7】対物レンズの開口数と光ディスクの傾き角の許
容度が実用範囲となる透明基板の厚さの関係とを示す特
性図である。
【図8】基板の厚さを変化させた場合における温度と光
ディスクの反り変化との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 保護膜 2 記録膜 3 透明基板(基板) 4 光磁気ディスク(情報記録媒体)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の一主面に記録膜と高分子材料からな
    る保護膜とが順次積層されてなる情報記録媒体におい
    て、 前記基板の厚さが1mm以下のとき、前記保護膜の厚さ
    を20μm以上としたことを特徴とする情報記録媒体。
JP6057459A 1994-03-28 1994-03-28 情報記録媒体 Pending JPH07272320A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6057459A JPH07272320A (ja) 1994-03-28 1994-03-28 情報記録媒体

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JP6057459A JPH07272320A (ja) 1994-03-28 1994-03-28 情報記録媒体

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ID=13056266

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1363279A2 (en) 2002-05-14 2003-11-19 Sharp Kabushiki Kaisha Medium for recording and reproducing information and apparatus using the same

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EP1363279A2 (en) 2002-05-14 2003-11-19 Sharp Kabushiki Kaisha Medium for recording and reproducing information and apparatus using the same
EP1363279A3 (en) * 2002-05-14 2007-04-11 Sharp Kabushiki Kaisha Medium for recording and reproducing information and apparatus using the same
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