JPH09180254A - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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JPH09180254A
JPH09180254A JP7344151A JP34415195A JPH09180254A JP H09180254 A JPH09180254 A JP H09180254A JP 7344151 A JP7344151 A JP 7344151A JP 34415195 A JP34415195 A JP 34415195A JP H09180254 A JPH09180254 A JP H09180254A
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layer
substrate
thickness
recording
moisture permeation
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JP7344151A
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Minoru Kikuchi
稔 菊地
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単板構成の光ディスクであって、環境湿度変
化による反り変化量が小さく抑えられるとともに、ディ
スクの帯電による埃等の付着や傷つきが防止され、良好
な記録再生特性を発揮する光ディスクを獲得する。 【解決手段】 プラスチック基板の記録部が形成された
側とは反対側の面に、透湿防止層と、界面活性剤を含有
する帯電防止層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクに関
し、特に基板の片面に記録層や反射層等よりなる記録部
が形成される、いわゆる単板構成の光ディスクに関す
る。
【0002】
【従来の技術】情報記録の分野においては、光学情報記
録方式に関する研究が各所で進められている。この光学
情報記録方式は、非接触で記録、再生が行えること、磁
気記録方式に比べて一桁以上も高い記録密度が達成でき
ること、再生専用型、追記型、書き換え可能型のそれぞ
れのメモリー形態に対応できる等の数々の利点を有して
いる。このため、安価な大容量ファイルの実現を可能と
する方式として、産業用から民生用まで幅広い用途が考
えられている。
【0003】このような光学情報記録方式で用いられる
光ディスクは、再生専用型光ディスク、追記型光ディス
ク、書き換え可能型光ディスクに大きく分類される。
【0004】このうち、再生専用型光ディスクとして
は、デジタル・オーディオ・ディスク(いわゆるコンパ
クトディスク),光学式ビデオディスク(いわゆるレー
ザディスク)が既に普及している。これらの光ディスク
は、情報信号が凹凸パターンとして形成された透明基板
上に、Al等よりなる反射層が形成されて構成される。
【0005】追記型光ディスクは、透明基板上に、低融
点金属薄膜、相変化膜、有機色素を含有する膜等の記録
層が形成されて構成される。この記録層では、レーザ光
の照射によって光学特性あるいは形状が変化し、この変
化によって記録ピットが形成される。
【0006】書き換え可能型光ディスクとしては、光磁
気ディスクが代表的である。この光磁気ディスクは、透
明基板上に、カー効果やファラデー効果等の磁気光学効
果を有する記録磁性層、例えばTbFeCo合金等の希
土類−遷移金属非晶質合金よりなる垂直磁化膜が形成さ
れて構成される。この記録磁性層では、記録ピットが磁
化反転によって形成され、形成された記録ピットはカー
効果やファラデー効果等の磁気光学効果を利用して検出
される。
【0007】ここで、このような追記型光ディスクや光
磁気ディスクでは、記録層の上側、あるいは記録層を上
下から挟み込むようにして、窒化シリコンあるいは酸化
シリコン等よりなる誘電体層が設けられたり、さらにこ
の誘電体層上にAl等よりなる反射層が設けられるのが
通常である。これは記録層が外部からの水分によって腐
食するのを防止するとともに、光の多重干渉による信号
強度の増大を図る目的からである。そして、さらに、こ
のような機能膜を腐食や傷つきから保護するために、こ
れら機能膜の最上層上に、紫外線硬化樹脂等よりなる保
護層が覆う如く形成される。
【0008】光ディスクでは以上のような各種機能膜が
積層されて記録部が構成されるが、そのディスク構成と
しては、基板の片面にのみ記録部が形成された単板構成
の他、記録部が片面に形成された2枚の基板を貼り合わ
せることで構成される両板構成とがある。このうち、光
磁気ディスクでは、高密度記録化や高アクセス化が可能
な磁界変調記録方式に適用し易いことから、単板構成が
採られるのが一般的である。
【0009】ところで、単板構成の光ディスクでは、基
板の記録部が形成されている側はこの記録部によって外
部環境から遮断されているのに対して、基板の記録部が
形成されていない側は外部環境に曝された状態になる。
【0010】基板はポリカーボネート等のプラスチック
材料より構成されており、このような状態にある場合、
外部環境に曝されている側、すなわち記録部が形成され
ていない側では、その外部環境の湿度変化に依存して水
分が浸透する。そして、プラスチック基板は、その含有
水分量に比例して体積が膨張するため、このように記録
部が形成されている側でのみ水分の出入りが生じると、
厚さ方向で含水率分布が生じ、記録部が形成されていな
い側と記録部が形成されている側とで体積膨張量に差が
生じる。その結果、基板に反りが発生することになる。
この基板の反りは、周方向と径方向で生じるが、周方向
での反りは非常に小さく、径方向での反りがレーザ光の
フォーカシングや反射光の受光において問題になる。
【0011】すなわち、図7に、基板104の片側に記
録部105が形成された光ディスクに対して、対物レン
ズ103を介して基板104側からレーザ光Lを照射し
た様子を示す。なお、この光ディスクは、基板104側
が凸面となるように反った状態にある。
【0012】このような光ディスクの径方向の反り量
は、水平面に対する、基板の記録部が形成されている側
の面(記録部形成面)の反り角θで表される。例えば基
板の記録部形成面上の内周側の点Aを含む水平面を基準
にすると、外周側の点Bにおける反り角θ(mrad)
は、次式で表される。
【0013】θ=tan-1(Δd/ΔR) Δd:点Aと点Bの高さ差 ΔR:点Aと点Bの水平方向での距離 このような反り角θを有している光ディスクでは、照射
位置を点Aから点Bに移動(図中、M1方向に移動)し
てレーザ光Lを照射する場合、光学系の対物レンズ10
3を上方向(図中、M2方向)にΔdだけ移動させるこ
とが必要である。このためΔdがあまり大きくなると、
対物レンズの移動がそれに追従できなくなり、正確なフ
ォーカシングが行われなくなる。
【0014】また、光ディスクが径方向に反りを有して
いると、レーザ光が基板に対して垂直に入射せず、光デ
ィスクからの反射光が対物レンズ等の受光部に対してず
れて入射されるといった不都合が生じる。これにより、
サーボはずれが生じたり、記録ピットの検出が正確に行
われなくなる。
【0015】そこで、このような吸湿による反りの発生
を抑えるために、特開平4−295645号公報、特開
昭62−20156号公報等において、基板の記録部が
形成されていない側に、水分の浸透を遮断する透湿防止
層を形成することが提案されている。
【0016】例えば、特開平4−295645号公報で
は、透湿係数P(g/cm・sec・mmHg)と膜厚
d(μm)の比で表される特性パラメータαが次のよう
な条件を満たす透湿防止層を用いることが報告されてい
る。
【0017】α=(p/d)×1012≦0.006 この透湿防止層の材料としては、レーザ光に対して透明
であり且つ透湿防止効果に優れることから、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリ−3−フッ化塩化エチレン等が挙げられ
ている。
【0018】また、特開昭62−20156号公報にお
いては、基板の記録部が形成されていない側に、ポリ塩
化ビニリデンよりなる透湿防止層を形成し、さらにその
上にシリコン系ハードコート膜を重ねて形成することが
報告されている。これは、透湿防止層によって吸水によ
る基板の反りを防止するとともに、ハードコート膜によ
って表面硬さを付与し、傷つきの防止を図ろうとするも
のである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の透湿防止層に適した材料膜は、一般に表面抵抗が高
く、帯電し易い。このため、ほこり等の異物が吸着し、
これが光ディスクの記録再生特性を悪化させるといった
問題がある。
【0020】この対策のため、特開平4−364248
号公報には伝導性粉末を用いることが提案されている。
すなわち、ポリ塩化ビニリデン、ポリ3フッ化塩化エチ
レン等の有機化合物の他に、SiO2、SiO、Al2
3、SiN、SiAlN、AlN等の透明な無機材料を
添加した透湿防止層上に、アクリルウレタン系紫外線硬
化樹脂にSnO2、SiO2−Sb25、In23、In
23−SnO2からなる透明伝導性粉末を添加したハー
ドコート膜を重ねて形成することによって、基板の反
り、傷付き及び帯電を防止しようとしている。
【0021】ところが、この帯電防止剤として添加され
る透明伝導性粉末は、樹脂に対する分散性が低く、帯電
防止層内に均一に分散させることができない。また、こ
のような透明伝導性粉末を含有する帯電防止層は、長時
間使用において、密着性や表面性が損なわれ、その効果
を維持するのが難しいといった問題がある。
【0022】そこで、本発明はこのような従来の実情に
鑑みて提案されたものであり、単板構成の光ディスクで
あって、環境湿度変化による反り変化量が小さく抑えら
れるとともに、ディスクの帯電による埃等の付着が防止
され、良好な記録再生特性を発揮する光ディスクを提供
することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、紫外線硬化樹
脂に添加する帯電防止剤としては透明伝導性粉末よりも
界面活性剤の方が適していることを見いだすに至った。
【0024】本発明の光ディスクは、このような知見に
基づいて完成されたものであり、基板の一主面上に、少
なくとも一層の機能膜よりなる記録部が形成されてなる
光ディスクであって、上記基板の記録部が形成された側
とは反対側の面に、透湿防止層と界面活性剤を含有する
帯電防止層が形成されていることを特徴とするものであ
る。
【0025】すなわち、この光ディスクでは、帯電防止
層に含有させる帯電防止剤として界面活性剤を用いる。
界面活性剤は、親水性部と疎水性部を有しており、帯電
防止効果に優れるとともに、樹脂に対して良好な分散性
を示す。このため、このような界面活性剤を帯電防止剤
として用いると、SnO2等の伝導性粉末を用いる場合
のように層の密着性や表面性が損なわれることがなく、
帯電防止効果に優れるとともに強度の高い帯電防止層が
得られる。
【0026】したがって、透湿防止層とこの帯電防止層
が、基板の記録部形成面と反対側の面に形成された光デ
ィスクでは、透湿防止層によってこの面からの水の出入
りが防止され、環境湿度変化による反り変化が防止され
る。また、帯電防止層によってディスクの帯電や傷付き
が防止される。その結果、基板の反り、帯電による埃の
付着、傷付き等の影響を受けず、良好な記録再生特性が
得られる。
【0027】なお、帯電防止層に含有させる界面活性剤
としては、4級アンモニウム塩を含有する陽イオン性界
面活性剤が好適である。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な実施の形
態について説明する。
【0029】本発明の光ディスクは、プラスチック基板
上に記録部が形成され、この記録部が形成された側とは
反対側の面に、透湿防止層と、界面活性剤を含有する帯
電防止層がこの順に形成されて構成されている。
【0030】上記透湿防止層は、基板の記録部が形成さ
れていない側から外部環境の水分が浸透するのを遮断す
るためのものである。これを設けることで、環境湿度変
化に依存して基板の記録部が形成されていない側から水
が出入りするのが防止され、この水の出入りによる基板
の反り変化が抑えられる。
【0031】この透湿防止層としては、透湿防止効果に
優れるとともにレーザ光に対して透明な材料が用いら
れ、無機材料であっても有機材料であっても良い。
【0032】無機材料としては、SiN、AlN、Zn
S、Al23、SiO2、SiAlOH等が挙げられ
る。これらの無機材料で透湿防止層を構成する場合、層
の膜厚は3〜300nmとするのが適当である。層の膜
厚が3nm未満である場合には、透湿防止効果を十分に
得ることができない。また、層の膜厚を300nmを越
えて厚くしても、それ以上に透湿防止効果を大きくする
ことはできず、むしろスパッタリング等の成膜工程に要
する時間が長くなるといった不都合が生じる。
【0033】一方、有機材料としては、ポリ塩化ビニリ
デン樹脂、ポリ−3−フッ化塩化エチレン樹脂等が挙げ
られる。
【0034】この透湿防止層上に形成される帯電防止層
は、透湿防止層が比較的帯電し易く、また硬度が低いこ
とから、それを補償するために設けられる。すなわち、
ディスクの帯電を抑え、帯電による埃の付着を防止する
とともに、ディスクに硬度を付与し、傷付きを防止する
ための層である。
【0035】この帯電防止層は、本発明の光ディスクで
は、特に樹脂を主体とし、これに界面活性剤が添加され
て構成される。界面活性剤は、親水性部と疎水性部を有
しており、帯電防止効果に優れるとともに、樹脂に対し
て良好な分散性を示す。このため、このような界面活性
剤を帯電防止剤として用いると、SnO2等の伝導性粉
末を帯電防止剤として用いる場合のように層の密着性や
表面性が損なわれることがなく、帯電防止効果に優れる
とともに強度の高い帯電防止層が得られる。
【0036】この帯電防止層で用いる界面活性剤として
は、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドのような
4級アンモニウム塩を含有する陽イオン性界面活性剤、
脂肪族スルホン酸塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリエ
チレングリコール等の非イオン性界面活性剤、ベタイン
等の両性界面活性剤等がいずれも使用可能である。な
お、特に4級アンモニウム塩を含有する陽イオン性界面
活性剤が好適である。
【0037】これら界面活性剤は、帯電防止層の表面抵
抗が所望の値、すなわち1×1013Ω/□以下になるよ
うな量で樹脂中に混合される。その適正な添加量は、界
面活性剤の表面配向性によっても異なるが、一般に樹脂
に対して1〜15重量%程度である。界面活性剤の添加
量がこの量よりも少ないと帯電防止剤としての効果が不
十分になる。また、添加量がこの量よりも多くなると樹
脂との整合性が悪化し、層の密着性の低下や表面へのブ
リードアウトが生じる虞れがある。
【0038】なお、この帯電防止層で用いる樹脂として
は、レーザ光に対して透明であり、且つ高い硬度が得ら
れることから紫外線硬化樹脂、例えばアクリル系の紫外
線硬化樹脂が適当である。
【0039】本発明の光ディスクでは、このような透湿
防止層と帯電防止層がプラスチック製の基板上に設けら
れる。
【0040】この基板は、厚さ数mm程度の円板状の透
明基板であって、その材質としては、アクリル樹脂,ポ
リカーボネート樹脂,ポリオレフィン樹脂,エポキシ樹
脂等のプラスチック材料が使用される。
【0041】また、この基板の、透湿防止層と帯電防止
層が設けられた側とは反対側の面には記録部が形成され
る。
【0042】この記録部には、光ディスクの用途に合わ
せて各種機能膜が用いられる。
【0043】例えば、光磁気ディスクでは、記録磁性層
や誘電体層、反射層によって記録部が構成される。
【0044】上記記録磁性層は、膜面に垂直な方向に磁
化容易方向を有する非晶質の磁性薄膜であって、磁気光
学特性に優れることは勿論、室温にて大きな保磁力を持
ち、且つ200℃近辺にキュリー点を持つことが望まし
い。このような条件に叶った記録材料としては、希土類
−遷移金属合金非晶質薄膜等が挙げられ、なかでもTb
FeCo系非晶質薄膜が好適である。この記録磁性層に
は、耐蝕性を向上させる目的で、Cr等の添加元素が添
加されていてもよい。
【0045】上記誘電体層としては、酸化物や窒化物等
が使用可能であるが、誘電体中の酸素が記録磁性層に悪
影響を及ぼす虞れがあることから窒化物がより好まし
く、酸素および水分を透過せず且つ使用レーザ光を十分
に透過し得る物質として窒化珪素あるいは窒化アルミニ
ウム等が好適である。
【0046】反射層は、誘電体層との境界でレーザ光を
70%以上反射する高反射率の膜により構成することが
好ましく、非磁性金属の蒸着膜が好適である。また、こ
の反射層は、熱的良導体であることが望ましく、入手の
容易さや成膜の容易さ等を考慮すると、アルミニウムが
適している。
【0047】光磁気ディスクの記録部は、これら各機能
膜が例えば第1の誘電体層、記録磁性層、第2の誘電体
層、反射層の順に積層されて構成される。
【0048】また、本発明は、追記型光ディスクや再生
専用型の光ディスクに適用することもできる。
【0049】追記型光ディスクでは、例えば、低融点金
属薄膜,相変化膜,有機色素を含有する膜等が記録部と
して形成される。
【0050】また、再生専用型の光ディスクでは、情報
信号が凹凸パターンとして転写された基板上にAl等よ
りなる反射層が形成されることで記録部が構成される。
【0051】
【実施例】本発明の具体的な実施例を実験結果に基づい
て説明する。
【0052】実施例1 まず、以下のようにして図1に示す構成の光磁気ディス
クを作成した。
【0053】厚さ1.2mm、半径60mmの円板状ポ
リカーボネート(PC)基板を用意した。そして、図2
に示すように、この基板1の中心部近傍を除いた領域、
すなわち半径20〜60mmの領域に記録部2を形成し
た。
【0054】なお、記録部2は、膜厚110nmの第1
のSi−N誘電体層4、膜厚23nmのTbFeCo記
録磁性層5、膜厚35nmの第2のSi−N誘電体層
6、膜厚55nmのAl反射層7を順次成膜することで
形成した。
【0055】そして、この記録部上に紫外線硬化樹脂を
塗布することで保護層3を形成した。この保護層の平均
膜厚は15μmである。
【0056】次に、基板1の記録部形成面1aとは反対
側の面1bに、膜厚5nmのSiN膜を高周波(RF)
スパッタリング法によって成膜し、透湿防止層9を形成
した。
【0057】続いて、この透湿防止層9上に、多官能の
紫外線硬化樹脂モノマー、単官能の紫外線硬化樹脂モノ
マー、界面活性剤、光重合開始剤、レベリング剤及び重
合禁止剤よりなる樹脂組成物を塗布し、硬化することで
平均膜厚が8μmの帯電防止層8を形成した。なお、界
面活性剤としてはドデシルトリメチルアンモニウムクリ
ロド(4級アンモニウム塩)を用い、これを樹脂組成物
に5重量%なる割合で混合した。また、この帯電防止層
8は、表面抵抗が温度25℃相対湿度50%環境下で1
×1012Ω/□、硬度が鉛筆硬度で2Hであり、表面抵
抗、硬度ともに十分に適正な値であった。
【0058】実施例2 透湿防止層9として、SiN膜を設ける代わりに厚さ1
0μmのポリ塩化ビニリデンのフィルムを紫外線硬化樹
脂を介して基板に接着させたこと以外は実施例1と同様
にして光磁気ディスクを作成した。なお、この光磁気デ
スクにおいて、帯電防止層は、表面抵抗が温度25℃相
対湿度50%環境下で1×1012Ω/□、硬度が鉛筆硬
度で2Hであった。
【0059】比較例1 透湿防止層9を形成せず、基板の記録部が形成された側
の面に直接帯電防止層を設けたこと以外は実施例1と同
様にして光磁気ディスクを作成した。なお、この光磁気
デスクにおいて、帯電防止層は、表面抵抗が温度25℃
相対湿度50%環境下で1×1012Ω/□、硬度が鉛筆
硬度で2Hであった。
【0060】以上のようにして作成された光磁気ディス
クを、恒温恒湿槽内に放置し、その槽内の湿度を変化さ
せたときの径方向での基板の反り(ラジアススキュー)
変化量を調べた。
【0061】なお、この恒温恒湿槽内の環境条件は、図
3に示すようなタイムコースで制御した。すなわち、光
磁気ディスクを槽内に搬入した後、温度25℃相対湿度
90%の条件に長期間保持し、この後、温度25℃相対
湿度30%の条件に一瞬の間に変化させた。なお、温度
25℃相対湿度90%の条件で放置している間に、基板
内の含水率は平衡に達していたものとする。
【0062】また、この光磁気ディスクの反り変化量
は、恒温恒湿槽内に配置したスキュー測定機によって測
定した。このスキュー測定機は、レーザ光を照射する光
学系を有してなるものであり、この光学系がディスクの
径方向に移動自在とされており、また基板の記録部形成
面1aに焦点が合うように光学系の対物レンズが移動制
御されるようになっている。この測定機では、光学系の
対物レンズの径方向における移動距離と、その移動に際
する対物レンズの上下方向の移動距離が検出される。し
たがって、これら値によって反り角θが算出される。な
お、ここでは中心から60mmの位置(記録領域の最外
周位置)において、このラジアルスキューの測定を行う
ようにした。
【0063】環境湿度を90%から30%の変えた時点
でのラジアルスキューを0mradとしたときの、ラジ
アルスキューの経時変化量を図4及び図5に示す。
【0064】図5からわかるように、基板に透湿防止層
を形成していない比較例1の光磁気ディスクでは、環境
湿度を降下させた直後に、ラジアルスキューが大きく変
化し、この変化量は測定開始から8時間経過後に最大、
すなわち−8mradになる。そして、この条件で放置
している間に徐々に元のラジアルスキューに戻る。この
ようにラジアルスキューが変化するのは、基板の記録部
が形成されていない面1bから水分の出入りが生じるか
らである。
【0065】一方、図4からわかるように、基板にSi
Nよりなる透湿防止層を形成した実施例1の光磁気ディ
スクでは、環境湿度を降下させてもラジアルスキューは
ほとんど変化せず、この後も元のラジアルスキューに保
たれる。また、ポリ塩化ビニリデンよりなる透湿防止層
を形成した実施例2の光磁気ディスクにおいても、環境
湿度を降下させることで若干ラジアルスキューが変化す
るが、この変化量は比較例1の光磁気ディスク比べて小
さく抑えられている。
【0066】このことから、基板の記録部が形成されて
いない側の面に透湿防止層を形成することは、この面か
ら水分が出入りするのを防止し、基板の厚さ方向で含水
率分布が生じることで起こるディスクの反り変化を抑え
る上で有効であることがわかった。
【0067】比較例2 SiNよりなる透湿防止層上に、界面活性剤の代わりに
SnO2(透明伝導性粉末)を7重量%なる割合で混合
した樹脂組成物を塗布し、硬化することで帯電防止層を
形成すること以外は実施例1と同様にして光磁気ディス
クを作成した。
【0068】この光磁気ディスクの帯電防止層は、表面
抵抗が温度25℃、相対湿度50%環境下で3×1012
Ω/□と十分小さく、帯電防止性能としては問題がなか
った。しかし、この帯電防止層には塗りムラが発生して
おり、また温度80℃、相対湿度85%環境下に200
0時間保管するといった加速試験を行うと、帯電防止層
に自然剥離が発生した。
【0069】このことから、SnO2は、光磁気ディス
クの帯電防止層に添加する帯電防止剤としては、不適当
であるものと判断された。
【0070】透湿防止層の膜厚の検討 Si−Nよりなる透湿防止層の厚さを1nm、3nm、
5nm、10nmと変化させたこと以外は実施例1と同
様にして光磁気ディスクを作成した。なお、これら光磁
気デスクにおいて、帯電防止層は、表面抵抗が温度25
℃相対湿度50%環境下で1×1012Ω/□、硬度が鉛
筆硬度で2Hであった。
【0071】そして、作成した光磁気ディスクについ
て、上述と同様にして、放置条件を高湿度から低湿度に
変化させ、ラジアルスキューの経時変化量を測定した。
その結果を図6に示す。
【0072】図6に示すように、透湿防止層の厚さを3
nm、5nm、10nmとした光磁気ディスクでは、環
境湿度を降下させてもラジアルスキューはほとんど変化
せず、ラジアルスキューの変化量は−2mrad以下に
抑えらている。
【0073】これに対して、透湿防止層の厚さを1nm
とした光磁気ディスクでは、放置条件の湿度を降下させ
た直後にラジアルスキューが大きく変化し、この変化量
は測定開始から8時間経過後に−8mradに至る。
【0074】このことから、SiNよりなる透湿防止層
によって、ディスクの反りを十分に抑えるためには、そ
の厚さを3nm以上とするのが良いことがわかった。
【0075】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の光ディスクでは、基板の記録部が形成されていない
側に、透湿防止層と、界面活性剤を含有する帯電防止層
が設けられているので、透湿防止層によって環境湿度変
化による反り変化が防止されるとともに、帯電防止層に
よってディスクの帯電や傷付きが防止され、基板の反
り、帯電による埃の付着、傷付き等の影響を受けず、良
好な記録再生特性を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光ディスクの一構成例を示す
断面図である。
【図2】上記光ディスクの斜視図である。
【図3】光ディスクの環境湿度変化による反り変化量を
調べるための環境湿度のタイムコースを示す模式図であ
る。
【図4】透湿防止層を形成した光ディスクの、環境湿度
を変化させた後におけるラジアルスキューの経時変化量
を示す特性図である。
【図5】透湿防止層を形成していない光ディスクの、環
境湿度を変化させた後におけるラジアルスキューの経時
変化量を示す特性図である。
【図6】透湿防止層の厚さが異なる各種光ディスクの、
環境湿度を変化させた後におけるラジアルスキューの経
時変化量を示す特性図である。
【図7】基板の径方向での反り角θを説明するための模
式図である。
【符号の説明】
1 基板 2 記録部 9 透湿防止層 8 帯電防止層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック基板の一主面上に、少なく
    とも一層の機能膜よりなる記録部が形成されてなる光デ
    ィスクにおいて、 上記基板の記録部が形成された側とは反対側の面に、透
    湿防止層と界面活性剤を含有する帯電防止層が形成され
    ていることを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 透湿防止層は、無機材料よりなることを
    特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  3. 【請求項3】 透湿防止層の厚さが、3〜300nmで
    あることを特徴とする請求項2記載の光ディスク。
  4. 【請求項4】 透湿防止層は、有機材料よりなることを
    特徴とする請求項1記載の光ディスク。
  5. 【請求項5】 帯電防止層の界面活性剤が、4級アンモ
    ニウム塩を含有する陽イオン性界面活性剤であることを
    特徴とする請求項1記載の光ディスク。
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