JP3577549B2

JP3577549B2 - 調理パック

Info

Publication number: JP3577549B2
Application number: JP2002000196A
Authority: JP
Inventors: 澤茂男小
Original assignee: 株式会社オフィスオザワ
Priority date: 2002-01-04
Filing date: 2002-01-04
Publication date: 2004-10-13
Anticipated expiration: 2022-01-04
Also published as: JP2003200978A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子レンジのような、電磁波を用いた外部加熱手段により食品素材を調理する際に利用される調理パックに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、調理の手間を省くため、電子レンジで加熱するだけで、簡単に食すことができるように、生鮮食品を冷凍した冷凍食品、もしくは、一次あるいは二次加工食品（所謂、レトルト食品）などが広く利用されている。また、電子レンジによる加熱だけで、生鮮食品、一次あるいは二次加工食品に湯水あるいは蒸気を添加して、温かく飲食できる状態にする手段として、例えば、特公平７−２２５４７号公報に所載の飲食品調理パックが既に提唱されている。
【０００３】
ここに開示されている調理パックは、上面に蒸気抜き孔が形成された耐熱性の外袋と、前記外袋内で、食品素材を収納した飲食品収納部、および、前記蒸気抜き孔に接した状態で、前記飲食品収納袋上に重ねて配置された耐熱性の液体収納袋とから構成され、前記飲食収納部は、熱湯あるいは蒸気を透過する耐熱性の膜を介して、前記液体収納袋に対峙しており、前記液体収納袋が、電子レンジの加熱で、内部の液体を気化し、膨張する過程で、内部の液体あるいは蒸気を、所定の個所から前記外袋内に放出し、耐熱性の膜を介して、前記飲食収納部に透過し、その中の食品素材を湿潤するのである。これにより、食品素材も電子レンジによる加熱作用を受けつつ、調理される。この過程で、前記外袋内の過剰な蒸気は、蒸気抜き孔から排出される。
【０００４】
しかしながら、このような構成では、前記飲食品収納部を液体収納袋と区画する特殊な膜を前記外袋内に構成しなければならず、調理パックとしての構造を複雑にする。しかも、一般には、袋の素材として、塩化ビニルなどの材料が用いられるので、廃棄処分された後の、燃焼処理で、塩化水素などのダイオキシン発生源（環境汚染源）となる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、様々な生鮮食品、加工食品などに適応可能な、汎用性があり、手軽に調理でき、しかも、構造が簡単で、廃棄処分された後の燃焼処理においても、環境汚染をもたらさない調理パックを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、食品素材を袋状の収納容器に封入すると共に、電磁波を用いた外部加熱手段により調理が行えるようにした調理パックであって、
前記収納容器の本体をポリオレフィン系の材料で形成すると共に、その本体に通気性のある合成樹脂材料で構成した自動調圧チップを設けることにより、前記外部加熱手段による加熱で内圧が高まった時でも前記食品素材に対応する所定内圧を維持するように構成したことを特徴とする。
【０００７】
このような構成では、袋状本体に、自動調圧チップを供えるだけの簡単な構造であり、それでも、剥離する方式と対比して信頼性が優れ、十分な食品素材の調理が達成できる。また、廃棄処分に際しても、環境汚染をもたらす畏れがない。即ち、自動調圧チップは、水に強く通気性に優れた、合成樹脂を使用することで、その圧縮密度、通気方向の厚さなどを選択することで、袋状本体に、例えば、窒素ガスなどの不活性ガスと共に密封した食品素材の種類に適合した内圧を維持することができ、その調理に見合った加熱状態を確保できる。
【０００８】
なお、本発明の実施の形態として、前記自動調圧チップは、前記収納容器の本体のほぼ中央部に設けられた気体吹き出し孔に装備されていること、また、前記収納容器の内部には、液状の調味料を収納した調味袋が前記食品素材と共に装填されており、前記調味袋には、前記外部加熱手段による加熱で内圧が高まった時、破断・開口する封止部が設けられ、前記封止部の開口で、前記収納容器内に調味料を流出させ、前記食品素材を湿潤することが有効である。
【０００９】
これにより、食品素材の水分量が少ない場合でも、追加された調味袋の調味料を使うことで、変化に富んだ、適正な調理を達成できる。食品素材が、うなぎ、穴子などの鮮魚であった場合、このような調理パックで調理することは有効である。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図１から図３を参照して具体的に説明する。即ち、本発明の調理用具は、食品素材２、例えば、図１に示すようなブロッコリーなどの生鮮野菜の調理が、電子レンジなどの、電磁波を用いた外部加熱手段１０（図３を参照）により行える調理パック１であって、その袋状本体３（収納容器）をポリオレフィン系の材料で構成すると共に、外部加熱手段１０により、袋状本体３内の食品素材２が加熱されて、袋状本体３の内圧が高まった時、食品素材２に対応する所定内圧を維持する自動調圧チップ５を袋状本体３に設け、袋状本体３内の気体を外部に導出することができる。なお、図中、符号３ａは、袋状本体３の入口部４から食品素材を封入した後の熱封着部である。
【００１１】
なお、本発明の実施の形態では、自動調圧チップ５は、袋状本体３のほぼ中央部に設けられた気体吹き出し孔８に装備され、袋状本体３の内圧が所定値になった時、外部との連通を果たす通気性の合成樹脂材料で構成されている。また、図２に示す袋状本体３の内部には、液状の調味料を収納した調味袋６が食品素材２（魚を示す）と共に装填されており、調味袋６には、外部加熱手段１０（図３参照）による加熱で内圧が高まった時、破断・開口する封止部７（内圧で容易に破断する帯状の領域）が設けられており、封止部７の開口で、袋状本体３内に調味料を流出させ、食品素材２を湿潤することができる。
【００１２】
即ち、自動調圧チップ５に、水に強く通気性に優れた、連続気泡性の発泡ポリエステル、植毛ウレタンフォーム、防水性ポリエステル織布などの合成樹脂を使用するが、その圧縮密度、通気方向の厚さなどを選択することで、袋状本体３に、例えば、窒素ガスなどの不活性ガスと共に密封した食品素材２の種類に適合した内圧を維持することができ、その調理に見合った加熱状態を確保できる。
【００１３】
また、調味袋６を備えることで、食品素材の水分量が少ない場合でも、電子レンジによる加熱作用で、破断・開口された調味袋６内の調味料を流出させ、これを使うことで、食品素材２に対して、変化に富んだ、適正な調理を達成できる。しかも、特に調理鍋を必要とせず、手軽に調理が達成でき、また、廃棄処分に際しても、環境汚染をもたらす畏れがない。調理される食品素材として、ブロッコリーや魚を示したが、うなぎ、穴子など鮮魚を調理する際に好適に利用できる。
【００１４】
本発明は、以上詳述したようになり、食品素材の調理が電磁波を用いた外部加熱手段により行える調理パックであって、その袋状本体をポリオレフィン系の材料で構成すると共に、前記外部加熱手段により、前記袋状本体内の食品素材が加熱されて、袋状本体の内圧が高まった時、前記食品素材に対応する所定内圧を維持する自動調圧チップを前記袋状本体に設け、袋状本体内の気体を外部に導出することを特徴とする。
【００１５】
従って、袋状本体に、自動調圧チップを供えるだけの簡単な構造であり、それでも、十分な食品素材の調理が達成でき、また、廃棄処分に際しても、環境汚染をもたらす畏れがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る実施の形態を示す調理パックの説明図である。
【図２】同じく、調理パックでの味付けの例を示す説明図である。
【図３】外部加熱手段で加熱する状況を説明するための概略図である。
【符号の説明】
１調理パック
２食品素材
３袋状本体
３ａ熱封着部
４入口部
５自動調圧チップ
６調味袋
７封止部
８気体吹き出し孔
１０外部加熱手段

Claims

食品素材を袋状の収納容器に封入すると共に、電磁波を用いた外部加熱手段により調理が行えるようにした調理パックであって、
前記収納容器の本体をポリオレフィン系の材料で形成すると共に、その本体に通気性のある合成樹脂材料で構成した自動調圧チップを設けることにより、前記外部加熱手段による加熱で内圧が高まった時でも前記食品素材に対応する所定内圧を維持するように構成したことを特徴とする調理パック。
前記自動調圧チップは、前記収納容器の本体のほぼ中央部に設けられた気体吹き出し孔に装備されていることを特徴とする請求項１に記載の調理パック。
前記収納容器の内部には、液状の調味料を収納した調味袋が前記食品素材と共に装填されており、前記調味袋には、前記外部加熱手段による加熱で内圧が高まった時、破断・開口する封止部が設けられ、前記封止部の開口で、前記収納容器内に調味料を流出させ、前記食品素材を湿潤することを特徴とする請求項１または２に記載の調理パック。
前記食品素材が、うなぎ、穴子などの鮮魚であることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の調理パック。