JP3577260B2 - 発泡体の押出し成形方法および押出し成形装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリンダバレルと、該シリンダバレル内に回転駆動可能に設けられているスクリューとからなる押出機により樹脂材料を溶融すると共に、溶融樹脂中に圧力、温度において超臨界状態の二酸化炭素、窒素等の不活性流体を注入し、注入された超臨界状態の流体が溶解され拡散、浸透した発泡材料をギヤーポンプで加圧してダイスから大気中へ押し出して発泡体を得る、発泡体の押出し成形方法およびこの方法の実施に使用される押出し成形装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
押出機を使用した熱可塑性樹脂製の発泡体の製造方法あるいは製造装置は、例えば特許第2625576号公報、特開平11−147943号公報等により多数提案されている。上記特許第2625576号公報に開示されている発泡体の製造装置は、図2の(イ)に示されているように、概略的には押出バレル70、この押出バレル70の先端部に設けられているシートダイ74、シートダイ74から押し出されるシート状発泡材料が受け入れられる圧力チャンバー75、圧力チャンバー75から送られる発泡材料を発泡させるアニーリングチャンバー76等からなっている。したがって、押出バレル70内の二軸混練スクリュー71、71を回転駆動して、ホッパ72から樹脂材料を押出バレル70に供給すると、樹脂材料は先方へ送られる過程で、従来周知のようにして溶融される。このとき、二酸化炭素供給装置73から超臨界状態の二酸化炭素流体を押出バレル70に供給すると、二酸化炭素流体は溶融樹脂中に飽和され、そしてシートダイ74から圧力チャンバー75に導入される。この圧力チャンバー75は、押出バレル70の圧力よりも低く制御されており、このこの圧力チャンバー75内で気泡核が形成される。次いで、チルドローラ77によりアニーリングチャンバー76に移送されて発泡する。これにより、シート状の発泡体が得られる。
【0003】
一方、上記特開平11−147943号公報には、押出機の先方にギヤーポンプを備えた発泡体の製造装置が開示されている。この製造装置は、図2の(ロ)に示されているように押出機80、ギヤーポンプ83、ミキサー84、ダイ85等からなっている。したがって、ホッパー86から樹脂材料をシリンダバレル81に供給する共に、スクリュー82を回転駆動すると、樹脂材料は溶融する。定量注入ポンプ87から超臨界状態の二酸化炭素流体を注入すると、二酸化炭素流体が注入された溶融樹脂はギヤーポンプ83により加圧されてミキサー84に送られる。このミキサー84において、二酸化炭素流体が溶融樹脂中に分散されて発泡材料となり、そしてダイ85から大気中に押し出され、発泡する。
【0004】
また、図3に示されているような押出機からなる発泡体の押出成形装置も知られている。この押出成形装置は、シリンダバレル90と、このシリンダバレル90内に回転駆動されるように設けられているスクリュー91とからなり、シリンダバレル90の先端部にはダイ92が設けられている。スクリュー91は、樹脂材料供給口93が設けられている部分は深溝94から構成され、その下流側は一様の浅溝から構成されている。そして、二酸化炭素流体を溶融樹脂中に注入するための流体注入口95は、浅溝の部分に開口している。したがって、駆動装置97によりスクリューを回転駆動し、樹脂材料供給口93から樹脂材料を供給すると、樹脂材料は溶融しながら浅溝部へ送られる。そこで、流体注入口95から超臨界状態の二酸化炭素流体を注入すると、溶融樹脂は二酸化炭素流体が溶融、拡散されて発泡材料となり、そしてダイ85から大気中に押し出され、発泡する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の押出機を使用した発泡体の製造装置によっても発泡体を製造することはできるし、特に連続的に製造できる利点はある。しかしながら、問題点もある。例えば、図2の(イ)に示されている製造装置は、シリンダバレル70内の溶融樹脂の圧力あるいは二酸化炭素流体の注入口からダイ74までの圧力管理が行われていないので、ダイ74に達する前に発泡を開始する恐れがある。すなわち、二酸化炭素流体が注入された発泡材料は、超臨界圧力および温度以上例えば二酸化炭素の場合は臨界圧力7.38MPa、臨界温度31.1℃以上に保つ必要があるが、注入部分の圧力は超臨界圧力以上になっていても、スクリュー71、71の形状、構造から見て、圧力が高くなるとホッパ72の方へ逆流することが予想される。逆流すると、臨界圧力以上に保持されないことになる。圧力が臨界圧力以下に下がると、二酸化炭素流体はガス状態へと状態が変化し、充分に溶融樹脂中に溶解されない状態で局部的な発泡が始まり、気泡がはじけてガス状となりダイスから逃げて発泡の少ない成形品となる。さらには、不活性流体の注入圧力あるいはシリンダバレル70内の溶融樹脂の圧力により、注入された超臨界流体の溶融樹脂への溶解量は変化し、これが発泡体の発泡倍率、発泡を構成するセル径等に影響を及ぼすが、上記した従来の押出機は構造から見てシリンダバレル70内の圧力を管理することは困難と思われ、所望の品質の発泡体が得られないことが予想される。
【0006】
上記のようなことは、図2の(ロ)に示されている従来の製造装置についても言える。特に、この製造装置はシリンダバレル81の下流端にギヤーポンプ83が設けられているので、このギヤーポンプ83により加圧してダイ85に供給できる利点はあるが、ギヤーポンプ83が設けられているので、ギヤーポンプ83の吸込側の溶融樹脂の圧力すなわちシリンダバレル81内の溶融樹脂の圧力は下がり、超臨界圧力以下になっていることが予想される。このことは、ギヤーポンプ83の下流側のミキサー84において、ギヤーポンプ83により加圧されて超臨界圧力となり、そして二酸化炭素流体が溶解、混合されていると推量されることからも予想される。さらには、特開平11−147943号公報の「第2段の推進機構(ギヤーポンプ83)以降における溶融樹脂圧力を10MPa以上の加圧下に保持することが望ましい。」の記載からみて、1段目すなわちシリンダバレル81内の溶融樹脂の圧力は、第2段の推進機構により加圧される以前の樹脂圧力であるので、超臨界圧力よりも低いことからも予想される。このように、シリンダバレル81内の溶融樹脂の圧力が臨界圧力よりも低いと、上記したような超臨界状態が維持されない問題が生じる。
【0007】
また、図3に示されている押出成形装置によっても発泡体を製造することはできるが、スクリュー91の溝が浅い圧縮部において二酸化炭素流体が注入されるようになっているので、スクリュー91の溝間の容積が小さく、局部的な圧力降下が発生し、ダイ92から押し出される前に発泡する恐れがある。また、注入圧力あるいはシリンダバレル90内の溶融樹脂の圧力により、注入された超臨界流体の溶融樹脂への溶解量は変化し、これが発泡体の発泡倍率、発泡を構成するセル径等に影響を及ぼすが、本押出成形装置も構造から見てシリンダバレル90内の圧力を管理することは困難と思われ、所望の品質の発泡体が得られないことが予想される。
本発明は、このような問題点を解決した発泡体の押出し成形方法および押出し成形装置を提供することを目的とし、具体的には不活性流体の注入口からダイスまでの発泡を抑え、発泡程度の調整ができ、品質の高い微細な発泡体を連続的に得ることができる発泡体の押出し成形方法およびこの成形方法の実施に使用される押出し成形装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、押出機の先端部とダイスとの間にギヤーポンプを設けると共に、ギヤーポンプの吸込側と吐出側の発泡材料の圧力および温度を超臨界状態以上に保って成形することにより、望ましくは吸込側すなわち超臨界流体の注入部からギヤーポンプの吸込口までの発泡材料の圧力および温度を超臨界状態以上に保と共に、吐出側の発泡材料の圧力および温度をこれ以上超臨界状態に保って成形することにより達成される。すなわち、請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、シリンダバレルと、該シリンダバレル内に回転駆動可能に設けられているスクリューとからなる押出機により樹脂材料を溶融すると共に、又は、他押出機から溶融体をフイードして、溶融樹脂中に超臨界状態の二酸化炭素、窒素等の不活性流体を注入し、注入された超臨界状態の不活性流体が溶解され拡散、浸透した発泡材料をギヤーポンプで加圧してダイスから大気中へ押し出して発泡体を得るとき、前記不活性流体を、シール部の下流側の、前記ギヤーポンプの上流側の不活性流体の溶解・拡散・浸透部(Y)に対応した位置の上流側に注入し、材料供給量と前記スクリューと前記ギヤポンプとを関連制御することにより、前記ギヤーポンプの吐出側の発泡材料を超臨界状態以上に保つと共に、超臨界状態の二酸化炭素、窒素等の不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分も超臨界状態以上に保つように構成される。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の押出し成形方法において、不活性流体が二酸化炭素流体であるように、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の押出し成形方法において、超臨界状態の二酸化炭素、窒素等の不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分の発泡材料の圧力が臨界圧力以上で、ギヤーポンプの吐出側の発泡材料の圧力も臨界圧力以上であるように、そして請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の押出し成形方法において、ギヤポンプの吸込側の発泡材料の圧力が10MPa以上で、吐出側の発泡材料の圧力が20MPa以上であるように構成される。
請求項5に記載の発明は、シリンダバレルと、該シリンダバレル内で回転駆動されるスクリューと、樹脂材料を前記シリンダバレルに供給する材料供給装置と、発泡剤である不活性流体を前記シリンダバレルに供給する不活性流体供給装置と、溶融樹脂に不活性流体が溶解され、拡散、浸透した発泡材料を大気中へ押し出すダイスとからなり、前記シリンダバレルの先端部と前記ダイスとの間には、発泡材料を加圧するギヤーポンプが介装されていると共に、前記スクリューは、材料供給装置に対応した位置の下流部が可塑化・溶融部で、その下流部がシール部、該シール部の下流側の前記ギヤポンプの上流側が不活性流体が溶融樹脂に溶解、拡散、浸透する不活性流体の溶解・拡散・浸透部(Y)となり、不活性流体の注入部は前記不活性流体の溶解・拡散・浸透部(Y)に対応した位置の上流側に選定され、前記材料供給装置と前記スクリューと前記ギヤーポンプは、前記シリンダバレルの不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分の発泡材料の圧力と、前記ギヤーポンプの吐出側における発泡材料の圧力とが共に臨界圧力以上に保たれるように、関連して制御されるように構成される。
請求項6に記載の発明は、シリンダバレルと、該シリンダバレル内で回転駆動されるスクリューと、樹脂材料を前記シリンダバレルに供給する材料供給装置と、発泡剤である不活性流体を前記シリンダバレルに供給する不活性流体供給装置と、溶融樹脂に不活性流体が溶解され、拡散、浸透した発泡材料を大気中へ押し出すダイスとからなり、前記シリンダバレルの先端部と前記ダイスとの間には、発泡材料を加圧するギヤーポンプが介装されていると共に、前記スクリューは、単軸で、材料供給装置に対応した位置の下流部が可塑化・溶融部で、そのさらに下流部がシール部、該シール部の下流側の前記ギヤポンプの上流側が不活性流体が溶融樹脂に溶解、拡散、浸透する不活性流体の溶解・拡散・浸透部となり、不活性流体の注入部は前記不活性流体の溶解・拡散・浸透部に対応した位置の上流側に選定され、前記材料供給装置と前記スクリューと前記ギヤポンプは、前記シリンダバレルの不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分の発泡材料の圧力と、前記ギヤーポンプの吐出側における発泡材料の圧力とが共に臨界圧力以上に保たれるように、関連して制御されるように構成される。
請求項7に記載の発明は、シリンダバレルと、該シリンダバレル内で回転駆動されるスクリューと、樹脂材料を前記シリンダバレルに供給する材料供給装置と、発泡剤である不活性流体を前記シリンダバレルに供給する不活性流体供給装置と、溶融樹脂に不活性流体が溶解され、拡散、浸透した発泡材料を大気中へ押し出すダイスとからなり、前記シリンダバレルの先端部と前記ダイスとの間には、発泡材料を加圧するギヤーポンプが介装されていると共に、前記スクリューは、単軸のフルフライトスクリューで、材料供給装置に対応した位置の下流部が可塑化・溶融部で、そのさらに下流部がシール部、該シール部の下流側の前記ギヤポンプの上流側が溶融樹脂に溶解、拡散、浸透する不活性流体の溶解・拡散・浸透部となり、不活性流体の注入部は前記不活性流体の溶解・拡散・浸透部に対応した位置の上流側に選定され、前記スクリューのシール部のスクリュー溝は浅く、前記不活性流体の溶解・拡散・浸透部のスクリュー溝は深くなり、前記材料供給装置と前記スクリューと前記ギヤポンプは、前記シリンダバレルの不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分の発泡材料の圧力と、前記ギヤーポンプの吐出側における発泡材料の圧力とが共に臨界圧力以上に保たれるように、関連して制御されるように構成される。請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の押出し成形装置において、不活性流体の注入部は、不活性流体の溶解・拡散・浸透部の上流側に位置し、前記不活性流体の溶解・拡散・浸透部のスクリューのフライトは、混練機能を持ったピンもしくは切欠フライトであるように構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1によって本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態の形態に係わる発泡体の押出し成形装置は、概略的には、押出機本体1、この押出機本体1のスクリューを回転駆動するスクリュー駆動装置10、樹脂材料を押出機本体1に供給する材料供給装置20、押出機本体1の下流側に設けられているギヤーポンプ30、さらにその下流先端部に選択的に取り付けられるダイス35、二酸化炭素ガス等の不活性ガスを超臨界状態の流体に加圧、加温する超臨界流体発生装置40、図に示されていない制御装置等からなっている。
【0010】
押出機本体1のシリンダバレル2は、軸方向に所定長さを有し、その上流側すなわち図1において左側に寄った位置においてシリンダバレル2の外部から内部に達する樹脂材料供給孔3が開けられている。また、下流側に寄った位置に超臨界状態の不活性流体を供給するための流体供給孔4が、そして最下流端に溶融樹脂あるいは発泡材料の圧力を計測するための圧力検出孔5がそれぞれ明けられている。なお、図1には示されていないが、シリンダバレル2、ギヤーポンプ30のケーシング32および吐出管33の外周部には個々に発熱温度が設定される複数個のヒータが設けられている。
【0011】
シリンダバレル2内に回転駆動可能に設けられているスクリュー6は、シリンダバレル2に対応した長さで、上流側が可塑化・溶融部K、その下流側がシール部S、最下流側が不活性流体の溶解・拡散・浸透部Yとなっている。そして、本実施の形態によると、スクリュー6のフライト7はフルフライト形状で、可塑化溶融部Kに対応した部分は、スクリュー軸が中央部分よりも細くなってスクリュー溝8は深くなっている。また、不活性流体の溶解・拡散・浸透部Yもスクリュー軸が細くなって深いスクリュー溝8になっている。これに対し、シール部Sは他の部分よりも太くなってスクリュー溝8’は浅くなっている。このように、可塑化・溶融部Kと不活性流体の溶解・拡散・浸透部Yのスクリュー溝8、8は深くなっているので、これらの部分K、Y内の圧力は、スクリュー溝8’が浅いシール部Sよりも低くなり、樹脂材料および超臨界状態の不活性流体は比較的供給し易くなっている。これを利用して、可塑化・溶融部Kに対応した位置の上流側に前述した樹脂材料供給孔3が、不活性流体が溶融樹脂中に溶解され、拡散、浸透する不活性流体の溶解・拡散・浸透部Yに対応した位置の上流側に流体供給孔4がそれぞれ明けられている。また、浅いスクリュー溝8’は、可塑化中に溶融樹脂で充満されることになる。これにより、溶融樹脂あるいは注入された二酸化炭素流体が材料供給孔3の方へ逆流することが防止される。
【0012】
シリンダバレル2の後端部に設けられているスクリュー駆動装置10は、電動モータ11、減速機構12等からなり、減速機構12の出力軸13がスクリュー6の後端部に機械的に接続されている。なお、この電動モータ11は、詳しくは後述するように、材料供給装置20から供給される樹脂材料の供給量、ギヤーポンプ30の能力、ダイス35の大きさ、形状、温度等に関連して、制御装置によりその回転速度が制御される。
【0013】
材料供給装置20は、機械的定量供給装置すなわちスクリューフイーダ21を備えている。このスクリューフイーダ21は、従来周知のように、シリンダ22と、このシリンダ22内で電動モータ23により回転駆動されるスクリュー24とからなっている。そして、シリンダ22の下流端部に材料供給管25が接続され、この供給管25の下端部が、前述したシリンダバレル2の材料供給孔3に挿入された状態で取り付けられている。シリンダ22の上流側に寄った位置には、ホッパ26の供給管27の下端部が開口している。なお、この電動モータ23も、前述したスクリュー6を回転駆動する電動モータ11の回転速度、ギヤーポンプ30の能力、ダイス35の大きさ、形状、温度等に関連して制御装置によりその回転速度が制御される。
【0014】
ギヤーポンプ30は、従来周知のように、一対の歯車31、31からなり、アダプタを兼ねたそのケーシング32がシリンダバレル2の後端部に接続されている。ダイス35には、大きさ、形状等が異なる複数個のダイスが用意され、そしてギヤーポンプ30の吐出側の吐出管33に選択して取り付けられるようになっている。ギヤーポンプ30の吐出管33には、第2の圧力センサS2が取り付けられ、この第2の圧力センサS2で計測される発泡材料の圧力値は、制御装置に入力されるようになっている。また、ギヤーポンプ30の吸込側の発泡材料の圧力値は、圧力検出孔5に取り付けられている第1の圧力センサS1で計測され、そして制御装置に同様に入力されるようになっている。なお、一対の歯車31、31を回転駆動する電動モータは、図1には示されていないが、この電動モータの回転速度すなわち一対の歯車31、31の回転速度も制御装置により制御される。
【0015】
超臨界流体発生装置40は、二酸化炭素ガス、窒素ガス等の不活性ガスを超臨界状態以上、例えば二酸化炭素ガスの場合は臨界圧力7.38MPa以上の圧力に加圧する加圧ポンプ、超臨界温度以上例えば二酸化炭素ガスの場合は31.1℃以上に加熱するヒータ、圧力制御弁等からなっている。そして、超臨界流体発生装置40で得られる超臨界状態の不活性流体は、電磁弁42が介装されている流体供給管41により、シリンダバレル2の流体供給孔4からシリンダバレル2内に供給されるようになっている。
【0016】
本実施の形態によると、押出し成形装置は制御装置も備えている。この制御装置には、第1、2の圧力センサS1、S2で計測される発泡材料の圧力値が入力され、そして第1の圧力センサS1により計測される圧力値が臨界圧力以上に維持され、第2の圧力センサS2で計測される圧力値は、これよりも高い圧力に維持されるように、樹脂材料の供給量、スクリュー6、ギヤーポンプ30等の回転速度等が関連して制御される。このために、制御装置は演算機能を備え、材料供給装置20の電動モータ23、スクリュー6を駆動する電動モータ11、ギヤーポンプ31を回転駆動する電動モータ等の回転速度が、ダイス35の口径、形状、温度等に応じて制御される。また、この制御装置に、設定器によりシリンダバレル2、ギヤーポンプ30のケーシング32および吐出管33の外周部に設けられている複数個のヒータの発熱温度を設定すると、例えばフイードバック制御により、シリンダバレル2、ケーシング32および吐出管33の内部は設定温度に維持される。さらには、制御装置に備わっている設定器により、可塑化に必要な各種の値、例えば不活性ガスの圧力の上下限値、温度の上下限値等を設定することもできる。
【0017】
次に、上記発泡体の押出し成形装置を使用した発泡体の成形例について説明する。ホッパ26に例えばフレーク状のポリエチレンテレフタレートと高活性触媒とからなる樹脂材料を入れる。制御装置に付属している設定器により、ギヤーポンプ30の吸込側の圧力値が例えば10MPaと吐出側の圧力値が例えば20MPaとなるように、樹脂材料の供給量、スクリュー6の回転数およびギヤーポンプ30の回転数を設定する。また、シリンダバレル2、ギヤーポンプ30のケーシング32および吐出管33の外周部に設けられている複数個のヒータの発熱温度を設定する。さらには、不活性ガスの圧力の上下限値、温度の上下限値等を設定する。また、適当な口径、形状のダイス35を取り付ける。
【0018】
そうして、スクリュー駆動装置10の電動モータ11、材料供給装置20の電動モータ23およびギヤーポンプ30の電動モータを起動する。そうすると、ホッパ26から供給される樹脂材料は、スクリュ24の回転作用でシリンダバレル2へ所定量宛供給される。スクリュー駆動装置10の電動モータ11によりスクリュー6が回転駆動され、供給された樹脂材料は先方へ送られる過程で、従来周知のように外部から加えられる熱と、スクリュー6の回転による剪断作用、摩擦作用等により生じる熱とにより、主として可塑化・溶融部Kにおいて溶融され、そしてシール部Sを経て不活性流体が溶解、拡散、浸透する不活性流体の溶解・拡散・浸透部Yへと送られる。溶解・拡散・浸透部Yにおいて、超臨界流体発生装置40から超臨界状態の例えば二酸化炭素流体が注入される。注入された二酸化炭素流体は、不活性流体の溶解・拡散・浸透部Yにおいて、溶融樹脂中に溶解され、拡散、浸透して発泡材料となる。このとき、ギヤーポンプ30の上流側における発泡を抑えると共に、不活性流体の溶解・拡散・浸透部Yにおける滞留時間を長くして、不活性流体の溶解、拡散、浸透を促進させる。そして、ギヤーポンプ30により加圧されてダイス35から大気中へ押し出されて発泡する。これにより、ダイス35の大きさ、形状に合った発泡体が得られる。
【0019】
上記のようにして発泡体を得ているときに、ギヤーポンプ30の吸込側の圧力値すなわち不活性流体の流体供給孔4からギヤーポンプ30までの圧力値と吐出側の圧力値は、それぞれ10MPaと20MPaに維持されるように制御されるが、初めに吐出側の圧力値20MPaから先に制御される。すなわち、吐出側の検出圧力値が20MPaになるようにギヤーポンプ30の回転速度が制御装置により、まず制御される。次いで、吐出側の検出圧力値を20MPaに保って、ギヤーポンプ30の吸込側の圧力値が10MPaになるように、樹脂材料の供給量および押出機本体1のスクリュー6の回転速度が制御される。これにより、ギヤーポンプ30の吸込側の圧力値が10MPaに保たれる。
【0020】
ところで、本実施の形態によると、主として可塑化・溶融部Kで溶融されたれた溶融樹脂は、不活性流体の溶解・拡散・浸透部Yへと送られるが、このときスクリュー溝8’の浅いシール部Sを経て送られるので、溶融樹脂はシール部Sで圧縮される。これにより、注入される二酸化炭素流体が可塑化・溶融部Kの方へ逆流することが防止される。すなわち、溶融樹脂によりシールされる。したがって、シリンダバレル2の流体供給孔4からギヤーポンプ30の吸込側までの圧力値が10MPaに保たれることになる。また、不活性流体の溶解・拡散・浸透部Yのスクリュー溝8は深くなって昇圧能力が低いので、不活性流体が入り易く昇圧能力を抑え、急激な圧力変化を防止することができ、この溶解・拡散・浸透部Yはシリンダバレル2内での発泡を抑えると共に滞留時間を長くし一層の浸透が図れるチャンバーの役割もしている。
【0021】
本発明は、色々な形で実施できる。例えば、上記実施の形態では、スクリュー6のシール部Sは、スクリュー溝8’が浅くなってシール作用を奏するようになっているが、フライト7、7間のピッチを小さくしても、あるいはフライトの幅を厚くしても実施できることは明らかである。さらには、スクリュー溝8’を浅くすると共に、ピッチを小さくしても実施できる。また、可塑化・溶融部Kと、不活性流体が溶解、拡散、浸透する不活性流体の溶解・拡散・浸透部Yのスクリュー溝8は、深くなってフライト7、7間の容積は大きくなっているが、スクリュー溝8を深くする代わりに、フライト7の幅を狭くしてフライト7、7間の容積を大きくすることもできる。さらには、フライト7のピッチを広げ、フライト7、7間の容積を大きくすることも、またスクリュ溝8を深くすると共にフライト7の幅を狭くし、ピッチを広げることができることも明らかである。また、不活性流体の溶解・拡散・浸透部Yにおけるフライト7は、混練作用を持たせるためにピンもしくは切欠フライトで実施できることも明らかである。さらには、電動モータに代えて油圧回転モータでも実施できる。また、上記実施の形態では、押出機は単軸押出機からなっているが、シール部の形状を工夫すれば、例えばフライトのピッチ、幅を変更すれば二軸押機でも実施できることも明らかである。なお、図1に示されている実施の形態では、樹脂材料が直接シリンダバレル2に供給されるようになっているが、図に示されていない他の押出機で予め溶融した溶融樹脂をシール部Sの上流側に供給するように実施することもできる。
【0022】
以下、本発明の実施例および比較例を説明する。また、実施例および比較例にける製造条件およびその評価を表1に示す。なお、評価は従来周知の方法により、例えば電子顕微鏡による断面写真等により行った。主な製造条件は下記の通りである。
テスト機:株式会社日本製鋼所製のP50−32AB型の単軸押出機で、スクリュー径Dが50mm、有効長さLとの比L/Dは32。なお、スクリューは図1に示されているように浅いスクリュー溝を有する本発明のものと、スクリュー溝が一様な従来のものとを組み替えてテストした。
樹脂材料:ポリエチレンテレフタレートのフレークのリサイクル材。なお、リサイクル材ではあるが、改質したので物理的にバージン材に近かった。
発泡剤: 二酸化炭素
供給量: 15kg/h
押出機のスクリュー回転数:30rpm
ギヤーポンプの回転数: 26rpm
シリンダバレルの可塑化・溶融部の設定温度(表1におけるT1):263℃
シリンダバレルの溶解・拡散・浸透部の設定温度(同じT2):268℃
ギヤーポンプ吸入部の設定温度(同じT4):266℃
ギヤーポンプ吐出部の設定温度(同じT5):268℃
ダイスの設定温度(同じT6):278℃
なお、テストの経過により、ギヤーポンプの回転数、シリンダバレルおよびダイスの設定温度は多少変更した。また、ダイスの先端に冷却およびアニーリングローラを設け、表面にスキン層を持たせ深部の発泡が表面に出るのを抑えた。
【0023】
実施例1:スクリューにはシール部に浅いスクリュー溝を有し溶解・拡散・浸透部が深溝の本願発明と同様なスクリューを使用した。ギヤーポンプの吸込側と吐出側の樹脂圧力は同圧の7.5MPaに設定した。二酸化炭素の注入圧力も7.5MPaにし、温度は常温に近い20℃とした。
結果:写真観察の結果、発泡状態は不良で、セル径は50〜100μmで、セルが疎らに有る程度であった。理由としては、二酸化炭素の注入時に超臨界状態(臨界圧力7.38MPa、臨界温度31.1℃)に達しなかっので、液体の状態で注入され、シリンダバレルの下流側領域において溶解、拡散が始まり、十分な浸透に至らなかったからと推量される。設定圧力および温度が低いので、シール部に浅いスクリュー溝を有するスクリューを使用した効果は認められなかった。
【0024】
比較例1:スクリューには、可塑化・溶融部は深溝で、シール部以降が浅溝のスクリュー溝を有する従来形のスクリューを使用した。他は実施例1と同様な同じ条件でテストした。実施例1と同様な理由により、発泡状態は不良であった。
【0025】
比較例2:比較例1のスクリューを使用して、二酸化炭素を35℃に加熱した。他は比較例1と同じ条件でテストした。二酸化炭素を35℃に加熱したので、二酸化炭素ガスは液体(流体)となって注入され、写真観察の結果セル径も50〜70μm程度となり、成形体の略全域に発泡が行き渡ったが、微細な発泡ではなかった。
【0026】
比較例3:比較例1のスクリューを使用してギヤーポンプの吸込側と吐出側の樹脂圧力は同圧の7.5MPaに設定した。他は比較例1と同じであった。セル径は比較例1の径よりも小さかったが、セル密度は小さく、良い発泡は得られなかった。良い発泡は得られなかった理由は、二酸化炭素の加熱温度が超臨界温度に達していないので、液体状態で注入され、そして液体から加熱され気体となった二酸化炭素ガスがホッパの方へバックフローした結果と考えられる。なお、シリンダバレルの温度を10℃程度下げたが、シリンダバレルの内部圧力は、設定の10MPaには達しなかった。
【0027】
比較例4:比較例1のスクリューを使用して二酸化炭素の加熱温度を35℃とし、他は比較例3と同じ条件でテストした。二酸化炭素は、超臨界状態の流体となって注入されたので、二酸化炭素は溶融樹脂中に拡散、浸透し成形体全域に発泡が観察されたが、ギヤポンプの吸込側の圧力が10MPaに達しなかったので、微細な発泡は得られなかった。また、この状態でギヤーポンプの吐出側の圧力を14MPaにしたが、加圧した効果はなかった。
【0028】
実施例2:実施例1のスクリューを使用して二酸化炭素の圧力を10MPa、加熱温度を35℃とし、ギヤーポンプの吸込側までの溶融樹脂の圧力を10MPaになるように調整した。他は実施例1と同じ条件でテストした。発泡セル径が30μm程度で成形体の全域で発泡していることが、写真観察された。このような良好な発泡体が得られた理由は、スクリューにスクリュー溝が浅いシール部があり、シリンダバレル内の樹脂圧力を容易に10MPa近傍に調整でき、また注入された超臨界状態の二酸化炭素流体がホッパの方へ逆流することが防止され、注入口近傍から即溶解し、急激に拡散、浸透したためと考えられる。
【0029】
実施例3:二酸化炭素流体の注入圧力と、シリンダバレルの内部圧力とを11MPaに変更し、他は実施例2と同じ条件でテストした。セルが発泡体の周囲にも充分行き渡っていることが観察された。
【0030】
実施例4:ギヤーポンプの吐出側の圧力を20MPaに加圧するように調整し、他は実施例2と同じ条件でテストした。なお、ギヤーポンプの吐出側の圧力は、本明細書でも述べられているように、樹脂材料の供給量、ギヤーポンプの回転数、ダイスの開口面積、ダイスの温度等に影響されるので、本テストではダイスの開口面積を加減して、ギヤーポンプの吐出側の圧力が20MPaになるように調整した。その結果、写真観察から発泡状況が格段に向上したことが判明した。発泡セル径は20〜30μmの均質な発泡成形体であった。セル密度も大きくなった。
【0031】
実施例5:実施例4の条件から、二酸化炭素の注入圧力を12MPaに、加熱温度を45℃に、ガス注入口からギヤーポンプの吸入口までの樹脂圧力を12MPaに、そしてギヤーポンプの吐出側の圧力を25MPaに調整して、テストした。得られた発泡体の発泡セル径は、さらに小さく15〜20μmで、1・108個/cm3程度のセル密度をもった均質で、重量も無発泡のものに比較して1/8程度の軽量なものであった。
【0032】
上記実施例の結果から、二酸化炭素を超臨界状態の流体で注入し、注入した二酸化炭素流体が溶融樹脂に溶解され、拡散、浸透される発泡材料の圧力を、二酸化炭素流体の注入口からギヤーポンプの吸込口までを臨界圧力以上、好ましくは10MPa以上に保ち、そしてギヤーポンプにより臨界圧力以上、好ましくは20MPa以上に加圧して、そしてダイスから押し出して急激に圧力を開放すると、微細なセルを有する発泡体が得られることが判明した。なお、二酸化炭素の注入状態が、圧力において臨界圧力以上に加圧した液体の二酸化炭素を注入しても、シリンダバレル内で直ちに臨界温度に達して、流体となり、そして溶融樹脂中に溶解され、拡散、浸透するので、同程度に近い微細なセルを有する発泡体が得られことが明らかとなった。
【表1】
【0033】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、シリンダバレルと、該シリンダバレル内に回転駆動可能に設けられているスクリューとからなる押出機により樹脂材料を溶融すると共に、又は、他押出機から溶融体をフイードして、溶融樹脂中に超臨界状態の二酸化炭素、窒素等の不活性流体を注入し、注入された超臨界状態の不活性流体が溶解され拡散、浸透した発泡材料をギヤーポンプで加圧してダイスから大気中へ押し出して発泡体を得るとき、前記不活性流体を、シール部の下流側の、前記ギヤーポンプの上流側の不活性流体の溶解・拡散・浸透部(Y)に対応した位置の上流側に注入するので、換言するとシール部とギヤポンプとで仕切られたチャンバに供給するので、不活性流体は早期に溶融樹脂中へ溶解、拡散し、そして浸透する。また、材料供給量と前記スクリューと前記ギヤポンプとを関連制御することにより、前記ギヤーポンプの吐出側の発泡材料を超臨界状態以上に保つと共に、超臨界状態の二酸化炭素、窒素等の不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分も超臨界状態以上に保つので、ダイスから押し出されるまで発泡が抑えられる。したがって、本発明によると、品質の高い微細な発泡体を連続的に得ることができるという本発明に特有な効果が得られる。また、超臨界状態の二酸化炭素、窒素等の不活性流体の注入部からギヤーポンプの吸込側に至る部分の発泡材料の圧力が10MPa以上で、吐出側の発泡材料の圧力が20MPa以上である発明によると、ダイスから押し出されるとき高い圧力から一気に開放されるので、さらに微細なセルを有する発泡体が得られる。また、シリンダバレルと、該シリンダバレル内で回転駆動されるスクリューと、樹脂材料を前記シリンダバレルに供給する材料供給装置と、発泡剤である不活性流体を前記シリンダバレルに供給する不活性流体供給装置と、溶融樹脂に不活性流体が溶解され、拡散、浸透した発泡材料を大気中へ押し出すダイスとからなり、前記シリンダバレルの先端部と前記ダイスとの間には、発泡材料を加圧するギヤーポンプが介装されていると共に、前記スクリューは、単軸で、材料供給装置に対応した位置の下流部が可塑化・溶融部で、そのさらに下流部がシール部および不活性流体が溶融樹脂に溶解、拡散、浸透する不活性流体の溶解・拡散・浸透部となり、不活性流体の注入部は前記不活性流体の溶解・拡散・浸透部に対応した位置の上流側に選定され、前記材料供給装置と前記スクリューと前記ギヤポンプは、前記シリンダバレルの不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分の発泡材料の圧力と、前記ギヤーポンプの吐出側における発泡材料の圧力とが共に臨界圧力以上に保たれるように、関連して制御される発明によると、シール部において発泡材料および不活性流体が材料供給装置の方へ逆流することが防止され、シール部から先端部における発泡材料の圧力を臨界圧力以上に容易に保つことができる。また、逆流が防止されるので、シール部から先端部における発泡材料の圧力を容易にコントロールすることができ、ギヤーポンプによる加圧作用と相まって、所望の微細なセルを有する発泡体を成形できる効果も得られる。さらに他の発明によると、不活性流体の溶解・拡散・浸透部のスクリュー溝は深くなっているので、不活性流体が入り込み易く、昇圧能力は抑えられ、急激な圧力変動を防止することで、スクリュー先端部での発泡を抑えると共に、この溶解・拡散・浸透部は、滞留時間を長くして一層の不活性流体の浸透を促進させるチャンバーの役目もしている。また、昇圧能力が低いので、不活性流体の注入部からギヤーポンプまでの圧力を、注入する二酸化炭素流体の注入圧力でコントロールすることもできる効果も得られる。さらに他の発明によると、不活性流体の注入部は、不活性流体の溶解・拡散・浸透部の上流側に位置し、不活性流体の溶解・拡散・浸透部のスクリューのフライトは、混練機能を持ったピンもしくは切欠フライトであるので、上記効果に加えて二酸化炭素流体の溶解、拡散、浸透が短時間に行われる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる発泡体の押出し成形装置の一部を断面にして模式的に示す正面図である。
【図2】従来例を示す図で、その(イ)は従来の押出し成形装置の、そしてその(ロ)は他の従来の押出し成形装置を一部断面にして示す正面図である。
【図3】さらに他の従来の発泡体の押出し成形装置を一部断面にして示す正面図である。
【符号の説明】
1 押出機本体 2 シリンダバレル
6 スクリュー 8、8’ スクリュー溝
10 スクリュー駆動装置 11 電動モータ
20 材料供給装置 30 ギヤーポンプ
35 ダイス 40 超臨界流体発生装置
K 可塑化・溶融部 S シール部
Y 不活性流体の溶解・拡散・浸透部
Claims (8)
- シリンダバレルと、該シリンダバレル内に回転駆動可能に設けられているスクリューとからなる押出機により樹脂材料を溶融すると共に、又は、他押出機から溶融体をフイードして、溶融樹脂中に超臨界状態の二酸化炭素、窒素等の不活性流体を注入し、注入された超臨界状態の不活性流体が溶解され拡散、浸透した発泡材料をギヤーポンプで加圧してダイスから大気中へ押し出して発泡体を得るとき、
前記不活性流体を、シール部(S)の下流側の、前記ギヤーポンプ(30)の上流側の不活性流体の溶解・拡散・浸透部(Y)に対応した位置の上流側に注入し、
材料供給量と前記スクリューと前記ギヤポンプとを関連制御することにより、
前記ギヤーポンプの吐出側の発泡材料を超臨界状態以上に保つと共に、超臨界状態の二酸化炭素、窒素等の不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分も超臨界状態以上に保つことを特徴とする発泡体の押出し成形方法。 - 請求項1に記載の押出し成形方法において、不活性流体が二酸化炭素流体である、発泡体の押出し成形方法。
- 請求項1または2に記載の押出し成形方法において、超臨界状態の二酸化炭素、窒素等の不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分の発泡材料の圧力が臨界圧力以上で、ギヤーポンプの吐出側の発泡材料の圧力も臨界圧力以上である、発泡体の押出し成形方法
- 請求項3に記載の押出し成形方法において、ギヤポンプの吸込側の発泡材料の圧力が10MPa以上で、吐出側の発泡材料の圧力が20MPa以上である、発泡体の押出し成形方法。
- シリンダバレルと、該シリンダバレル内で回転駆動されるスクリューと、樹脂材料を前記シリンダバレルに供給する材料供給装置と、発泡剤である不活性流体を前記シリンダバレルに供給する不活性流体供給装置と、溶融樹脂に不活性流体が溶解され、拡散、浸透した発泡材料を大気中へ押し出すダイスとからなり、
前記シリンダバレルの先端部と前記ダイスとの間には、発泡材料を加圧するギヤーポンプが介装されていると共に、
前記スクリューは、材料供給装置に対応した位置の下流部が可塑化・溶融部(K)で、その下流部がシール部(S)、該シール部の下流側の前記ギヤポンプ(30)の上流側が不活性流体が溶融樹脂に溶解、拡散、浸透する不活性流体の溶解・拡散・浸透部(Y)となり、不活性流体の注入部は前記不活性流体の溶解・拡散・浸透部(Y)に対応した位置の上流側に選定され、
前記材料供給装置と前記スクリューと前記ギヤーポンプは、前記シリンダバレルの不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分の発泡材料の圧力と、前記ギヤーポンプの吐出側における発泡材料の圧力とが共に臨界圧力以上に保たれるように、関連して制御されることを特徴とする発泡体の押出し成形装置。 - シリンダバレルと、該シリンダバレル内で回転駆動されるスクリューと、樹脂材料を前記シリンダバレルに供給する材料供給装置と、発泡剤である不活性流体を前記シリンダバレルに供給する不活性流体供給装置と、溶融樹脂に不活性流体が溶解され、拡散、浸透した発泡材料を大気中へ押し出すダイスとからなり、
前記シリンダバレルの先端部と前記ダイスとの間には、発泡材料を加圧するギヤーポンプが介装されていると共に、
前記スクリューは、単軸で、材料供給装置に対応した位置の下流部が可塑化・溶融部(K)で、そのさらに下流部がシール部(S)、該シール部の下流側の前記ギヤポンプ(30)の上流側が不活性流体が溶融樹脂に溶解、拡散、浸透する不活性流体の溶解・拡散・浸透部(Y)となり、不活性流体の注入部は前記不活性流体の溶解・拡散・浸透部(Y)に対応した位置の上流側に選定され、
前記材料供給装置と前記スクリューと前記ギヤポンプは、前記シリンダバレルの不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分の発泡材料の圧力と、前記ギヤーポンプの吐出側における発泡材料の圧力とが共に臨界圧力以上に保たれるように、関連して制御される発泡体の押出し成形装置。 - シリンダバレルと、該シリンダバレル内で回転駆動されるスクリューと、樹脂材料を前記シリンダバレルに供給する材料供給装置と、発泡剤である不活性流体を前記シリンダバレルに供給する不活性流体供給装置と、溶融樹脂に不活性流体が溶解され、拡散、浸透した発泡材料を大気中へ押し出すダイスとからなり、
前記シリンダバレルの先端部と前記ダイスとの間には、発泡材料を加圧するギヤーポンプが介装されていると共に、
前記スクリューは、単軸のフルフライトスクリューで、材料供給装置に対応した位置の下流部が可塑化・溶融部(K)で、そのさらに下流部がシール部(S)、該シール部の下流側の前記ギヤポンプ(30)の上流側が溶融樹脂に溶解、拡散、浸透する不活性流体の溶解・拡散・浸透部(Y)となり、不活性流体の注入部は前記不活性流体の溶解・拡散・浸透部に対応した位置の上流側に選定され、
前記スクリューのシール部のスクリュー溝は浅く、前記不活性流体の溶解・拡散・浸透部(Y)のスクリュー溝は深くなり、
前記材料供給装置と前記スクリューと前記ギヤポンプは、前記シリンダバレルの不活性流体の注入部から前記ギヤーポンプの吸込側に至る部分の発泡材料の圧力と、前記ギヤーポンプの吐出側における発泡材料の圧力とが共に臨界圧力以上に保たれるように、関連して制御される発泡体の押出し成形装置。 - 請求項6または7に記載の押出し成形装置において、不活性流体の注入部は、不活性流体の溶解・拡散・浸透部の上流側に位置し、前記不活性流体の溶解・拡散・浸透部のスクリューのフライトは、混練機能を持ったピンもしくは切欠フライトである発泡体の押出し成形装置。
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