JP7270501B2 - 発泡成形体の押出製造装置、押出製造方法および発泡成形体押出製造装置用スクリュ - Google Patents
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Description
熱可塑性樹脂が可塑化溶融して溶融樹脂となる可塑化ゾーンと、前記溶融樹脂が飢餓状態となる複数の飢餓ゾーンとを有し、複数の前記飢餓ゾーンそれぞれへの物理発泡剤の導入口が設けられたシリンダと、
前記シリンダの内部に、軸回りに回転自在に設けられたスクリュと、
一定圧力の前記物理発泡剤を、前記各導入口を介して前記各飢餓ゾーンに導入し、前記各飢餓ゾーンを常時前記一定圧力に保持する圧力調整容器とを備え、
前記スクリュは、前記各飢餓ゾーンにおいて多条フライト構造となっているとともに、前記スクリュの軸方向において隣り合う多条フライト構造間に設けられた増圧部を備えていることを特徴とする。
前記シリンダの内部に配置される前記スクリュは、前記各飢餓ゾーンにおいて多条フライト構造となっているとともに、前記スクリュの軸方向において隣り合う多条フライト構造間に設けられた増圧部を備えていることを特徴とする。
前記押出製造方法は、
前記可塑化ゾーンにおいて、熱可塑性樹脂を可塑化溶融して溶融樹脂とする工程と、
前記複数の飢餓ゾーンに一定圧力の前記物理発泡剤を導入して、前記飢餓ゾーンを常時前記一定圧力に保持する工程と、
前記複数の飢餓ゾーンにおいて、前記多条フライト構造により前記溶融樹脂の移送経路を分割し、それぞれを飢餓状態とする工程と、
飢餓状態の前記溶融樹脂と前記一定圧力の物理発泡剤とを接触させる工程と、
前記増圧部によって前記溶融樹脂に対する物理発泡剤の浸透を促進する工程と、
前記一定圧力の物理発泡剤と接触した前記溶融樹脂を押し出して発泡成形体に成形する工程とを有することを特徴とする。
換言すると、飢餓ゾーンを比較的低圧の物理発泡剤で加圧する押出製造装置において、装置をより大型化した場合、すなわちスクリュ径をより大径とした場合でも、飢餓ゾーンにおけるフライト構造が多条フライト構造となっていることで、シングルフライトの場合と同一量の溶融樹脂が複数に分割して移送される。このとき、隣接するスクリュフライト間の容積が過度に大きいものとならないため、そこに堆積する溶融樹脂の量を低減できる。このため、物理発泡剤と溶融樹脂との接触面積の低下が抑制されるとともに、物理発泡剤の溶融樹脂への浸透時間が確保される。これにより、成形体の発泡性能が低下することのない良好な発泡成形を実現でき、成形体の内部に微細な発泡セルを安定的に形成することができる。
また、複数の飢餓ゾーンで段階的に物理発泡剤を溶解させていくことにより、押出製造装置のダイスから押し出される溶融樹脂は幅方向においても長さ方向においても常に均一に物理発泡剤が溶融した状態のものとなる。すなわち、押出製造装置(押出成形機)に求められる溶融樹脂の均一性が達成可能となる。
さらに、スクリュの軸方向において隣り合う多条フライト構造間に増圧部が設けられているので、この増圧部により、溶融樹脂に対する物理発泡剤の浸透が促進され、溶融樹脂からの物理発泡剤の分離も抑制される。また、増圧部により、溶融樹脂と物理発泡剤の混錬が行われ、再度飢餓ゾーンにて減圧されることにより、溶融樹脂に溶けなくなった余剰な発泡剤は分離する。つまり、溶解せずに分離した状態で溶融樹脂中に巻き込まれた物理発泡剤を除去する効果が期待できる。
熱可塑性樹脂が可塑化溶融して溶融樹脂となる可塑化ゾーンと、前記溶融樹脂が飢餓状態となる複数の飢餓ゾーンとを有し、前記飢餓ゾーンそれぞれへの物理発泡剤の導入口が設けられたシリンダと、
前記シリンダの内部に、軸回りに回転自在に設けられたスクリュと、
一定圧力の前記物理発泡剤を、前記各導入口を介して前記各飢餓ゾーンに導入し、前記各飢餓ゾーンを常時前記一定圧力に保持する圧力調整容器とを備え、
前記スクリュは、前記シリンダの軸方向の下流側の前記飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数が上流側の前記飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数より多くなっているとともに、条数が異なるフライト構造間に設けられた増圧部を備えていることを特徴とする。
前記スクリュは、前記シリンダの軸方向の下流側の前記飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数が上流側の前記飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数より多くなっているとともに、条数が異なるフライト構造間に設けられた増圧部を備えていることを特徴とする。
前記押出製造方法は、
前記可塑化ゾーンにおいて、熱可塑性樹脂を可塑化溶融して溶融樹脂とする工程と、
前記複数の飢餓ゾーンに一定圧力の前記物理発泡剤を導入して、前記飢餓ゾーンを常時前記一定圧力に保持する工程と、
前記複数の飢餓ゾーンにおいて、前記フライト構造により前記溶融樹脂の移送経路を分割し、それぞれを飢餓状態とする工程と、
飢餓状態の前記溶融樹脂と前記一定圧力の物理発泡剤とを接触させる工程と、
前記増圧部によって前記溶融樹脂に対する物理発泡剤の浸透を促進する工程と、
前記一定圧力の物理発泡剤と接触した前記溶融樹脂を押し出して発泡成形体に成形する工程とを有することを特徴とする。
また、シリンダは、複数の飢餓ゾーンを有し、複数の飢餓ゾーンそれぞれへの物理発泡剤の導入口が設けられているので、複数の飢餓ゾーンに物理発泡剤を導入することによって、複数の飢餓ゾーン全体により均一に物理発泡剤を導入して、溶融樹脂と均一に混錬できる。
さらに、シリンダの軸方向の下流側の飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数が上流側の飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数より多くなっているので、上流側の飢餓ゾーンにおいて、フライト構造の条数を少なくでき、その結果、スクリュの費用を軽減できる。
また、条数が異なるフライト構造間に増圧部が設けられているので、この増圧部により、溶融樹脂に対する物理発泡剤の浸透が促進され、溶融樹脂からの物理発泡剤の分離も抑制される。
また、ギヤポンプの入口側の圧力を出口側の圧力より低めることによって、飢餓ゾーンの飢餓状態を保持することが可能となり、さらに、ギヤポンプによって出口側の圧力を制御することによって、飢餓ゾーンの飢餓率を制御できる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態では、図1に示す押出製造装置1Aを用いて発泡成形体を製造する。押出製造装置1Aは、主に、可塑化シリンダ(シリンダ)10と、シリンダ10の内部に軸回りに回転自在に配置された可塑化スクリュ(スクリュ)20と、物理発泡剤をシリンダ10に供給するボンベ(物理発泡剤供給機構)50と、シリンダ10の前端部に設けられたダイス200と、スクリュ20等を動作制御するための制御装置(図示せず)とを備えている。
シリンダ10内において、可塑化溶融された溶融樹脂は、図1における右手から左手に向かって流動するようになっている。以下、シリンダ10の内部において、図1における右手を「上流」または「後方」とし、図1における左手を「下流」または「前方」とする。
シリンダ10の上部側面には、上流側から順に、熱可塑性樹脂をシリンダ10に供給するための樹脂供給口25、および物理発泡剤をシリンダ10内に導入するための導入口2A,2Bが設けられている。
樹脂供給口25には、樹脂供給用のホッパー30、およびフィードスクリュ31が配設され、導入口2A,2Bには、圧力調整容器(導入速度調整容器)5,5が接続されている。
増圧ゾーン15は、飢餓状態の溶融樹脂を一時増圧することにより、溶融樹脂に対する物理発泡剤の浸透を促進して溶解度を上げるとともに、溶融樹脂からの物理発泡剤の分離を抑制するゾーンである。
なお、図示は省略するが、計量ゾーン14と飢餓ゾーン16Aとの間に、溶融樹脂の移動速度を調整するゾーンや、溶融樹脂を混錬するフライト構造が設けられたゾーンをさらに設けてもよい。
(1)熱可塑性樹脂を可塑化溶融する。
まず、シリンダ10の可塑化ゾーン40において、熱可塑性樹脂を可塑化溶融し、溶融樹脂とする(図2のステップS1)。熱可塑性樹脂としては、目的とする耐熱性や成形体の用途に応じて種々の樹脂を使用できる。具体的には、例えば、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、アモルファスポリオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂)、ポリフェニレンスルファイド、シンジオタックポリスチレン、ポリアミドイミド、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の熱可塑性樹脂、及びこれらの複合材料を用いることができる。特に結晶性樹脂が微細セルを形成しやすいので望ましい。これら熱可塑性樹脂は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。また、これらの熱可塑性樹脂にガラス繊維、タルク、カーボン繊維、セラミック等の各種無機フィラー、セルロースナノファイバー、セルロース、木粉等の有機フィラーを混練したものを用いることもできる。熱可塑性樹脂には、発泡核剤として機能する無機フィラー、有機フィラーや溶融張力を高める添加剤を混合することが好ましい。これらを混合することで、発泡セルを微細化することができる。また、熱可塑性樹脂は、必要に応じてその他の汎用の各種添加剤を含むものであってもよい。
次に、一定圧力の物理発泡剤を圧力調整容器5,5に供給し、圧力調整容器5,5から飢餓ゾーン16A,16Bに一定圧力の加圧流体を導入して、飢餓ゾーン16A,16Bを前記一定圧力に保持する(図2のステップS2)。
なお、溶融樹脂を加圧する物理発泡剤の圧力が「一定である」とは、所定圧力に対する圧力の変動幅が、好ましくは±20%以内、より好ましくは±10%以内であることを意味する。飢餓ゾーン16A,16Bの圧力は、例えば、シリンダ10の導入口2A,2Bに対向する位置に設けられた圧力センサ(図示せず)により測定される。
また、複数の飢餓ゾーン16A,16Bは同一の圧力になっているが、複数の飢餓ゾーン16A,16Bに差圧があってもよい。この場合上流の飢餓ゾーン16Aから下流の飢餓ゾーン16Bにいくほど圧力を高くするのが好ましい。これにより、上流から各飢餓ゾーンを通過するにしたがって段階的に物理発泡剤を溶解させていくことがより効果的に達成することができ、溶融樹脂の均一性もさらに良くすることができる。
次に、溶融樹脂を飢餓ゾーン16A,16Bに流動させ、飢餓ゾーン16A,16Bにおいて溶融樹脂を飢餓状態とする(図2のステップS3)。本実施形態では、溶融樹脂が圧縮されて圧力が高まる圧縮ゾーン13を、飢餓ゾーン16A,16Bの上流に設けることにより、飢餓ゾーン16A,16Bにおいて溶融樹脂を飢餓状態としている。飢餓状態は、飢餓ゾーン16A,16Bの上流から飢餓ゾーン16A,16Bへの溶融樹脂の送り量と、飢餓ゾーン16A,16Bからその下流への溶融樹脂の送り量とのバランスにより決定される。飢餓ゾーン16A,16Bは、前者の方が少ないと飢餓状態となる。
また、飢餓ゾーン16Aと飢餓ゾーン16Bとの間には増圧ゾーン15が設けられ、この増圧ゾーン15において、飢餓状態の溶融樹脂を一時増圧することにより、溶融樹脂に対する物理発泡剤の浸透を促進して(物理発泡剤の浸透を促進する工程)、溶解度を上げるとともに溶融樹脂からの物理発泡剤の分離を抑制する。
第1移行部20Aは、圧縮ゾーン13に位置している。第1浅溝部20Bは、計量ゾーン14に位置している。深溝部20D1は、飢餓ゾーン16Aに位置しており、この飢餓ゾーン16Aに位置しているスクリュ20は多重(2重)フライト構造となっている。増圧部20Gは増圧ゾーン15に位置している。深溝部20D2は飢餓ゾーン16Bに位置しており、この飢餓ゾーン16Bに位置しているスクリュ20は多重(2重)フライト構造となっている。第2移行部20Eは、再圧縮ゾーン17に位置している。第2浅溝部20Fは、再計量ゾーン18に位置している。
第1移行部20Aは、上流側から下流側に向かって、スクリュ軸の直径dが徐々に大きくなり、フライト深さhが段階的に小さくなるように形成されている。この第1移行部20Aは、上流側のフィードゾーン12に位置する部分と比較して、スクリュ軸の直径dが大きくなっており、フライト深さhが小さくなっている。第1移行部20Aは、隣接するスクリュフライト7間の溝が上流側から下流側に向かって段階的に浅くなるように形成されているということもできる。なお、第2移行部20Eは、第1移行部20Aと略同様であるため、重複する説明を省略する。
計量ゾーン14において、スクリュが1回転することに伴い下流側に移動する(送り出される)溶融樹脂の最大量は、隣接するスクリュフライト7間の軸回り1周あたりの容積となる。(これを容積Aとする。)また、飢餓ゾーン16Aにおいて、スクリュが1回転することに伴い下流側に移動する(送り出される)溶融樹脂の最大量は、隣接するスクリュフライト21間の軸回り1周あたりの容積となる。(これを容積Bとする。)
図3に戻り説明する。本実施形態では、深溝部20D1(飢餓ゾーン16Aに対応する部分)および深溝部20D2(飢餓ゾーン16Aに対応する部分)は、多条フライト構造となっている。
図3では、多条フライト構造の一例として2条フライト構造(ダブルフライト構造)としている。深溝部20D1,20D2は、スクリュ軸の外周面に形成された第1スクリュフライト21と、第2スクリュフライト22とを備えている。多条フライト構造によれば、溶融樹脂を複数のフライトに分配して移送することができる。
また、多重フライト構造とすることで、シングルフライトとした場合と同一量の溶融樹脂を、複数に分割して移送することができる。これにより、押出製造装置1Aをより大型化し、スクリュ径Dをより大径とした場合でも、隣接するスクリュフライト間の容積を過度に増大させることなく、溶融樹脂を下流に送ることができる。また、多条フライト構造によれば、スクリュ径Dをより大径とした場合でも、隣接するフライト間の容積が増大するのを抑えることができる。このため、隣接するフライト間に堆積する溶融樹脂の量を低減でき、飢餓状態を安定させることができる。これにより、物理発泡剤と溶融樹脂との接触面積の低下が抑制され(物理発泡剤と溶融樹脂との接触面積を増やすことができ)、物理発泡剤の溶融樹脂への浸透時間が確保されるため、飢餓ゾーン16A,16Bにおける物理発泡剤の浸透性を高めることができる。
なお、本実施形態において、飢餓ゾーン16A,16Bの長さは、スクリュ20において、スクリュ20の軸の直径およびスクリュフライトの深さが一定である部分の長さ、すなわち深溝部20D1,20D2の長さと略同一となっている。
次に、飢餓ゾーン16A,16Bを一定圧力に保持した状態で、飢餓ゾーン16A,16Bにおいて、飢餓状態の溶融樹脂と、一定圧力の物理発泡剤とを接触させる(図2のステップS4)。すなわち、飢餓ゾーン16A,16Bにおいて、溶融樹脂を物理発泡剤により一定圧力で加圧する。飢餓ゾーン16A,16Bは、溶融樹脂が未充満(飢餓状態)であり物理発泡剤が存在できる空間があるため、物理発泡剤と溶融樹脂とを効率的に接触させることができる。溶融樹脂に接触した物理発泡剤は、溶融樹脂に浸透して消費される。物理発泡剤が消費されると、圧力調整容器5,5中に滞留している物理発泡剤が飢餓ゾーン16A,16Bに円滑に供給される。これにより、飢餓ゾーン16A,16Bの圧力は一定圧力に保持され、溶融樹脂は一定圧力の物理発泡剤に接触し続ける。
また、飢餓ゾーン16A,16B間に増圧ゾーン15が設けられているので、この増圧ゾーン15において、飢餓ゾーン16Aにおける飢餓状態の溶融樹脂を一時増圧することにより、溶融樹脂に対する物理発泡剤の浸透を促進して溶解度を上げるとともに、溶融樹脂からの物理発泡剤の分離を抑制する。このようにして物理発泡剤がさらに混錬された溶融樹脂が飢餓ゾーン16Bに移送される。
また、本実施形態では、物理発泡剤が常に溶融樹脂に接触しているため、必要十分な量の物理発泡剤が溶融樹脂内に浸透するようになっている。これにより、本実施形態に係る押出製造装置1Aで製造する発泡成形体は、従来の物理発泡剤を用いた成形方法と比較して、低圧の物理発泡剤を用いているにもかかわらず、発泡セルが微細となっている。
次に、物理発泡剤を接触させた溶融樹脂を発泡成形体に成形する(図2のステップS5)。シリンダ10には、飢餓ゾーン16Bの下流に隣接する再圧縮ゾーン17が設けられている。スクリュ20の回転により、飢餓ゾーン16Bの溶融樹脂は再圧縮ゾーン17に流動するようになっている。再圧縮ゾーン17では、溶融樹脂が再圧縮され、圧力が高まるようになっている。物理発泡剤を含む溶融樹脂は、再圧縮ゾーン17において圧力調整され、スクリュ20の前方に押し出されて計量される。シリンダ10には、当該計量を行うためのゾーンとして、再圧縮ゾーン17の下流に隣接する再計量ゾーン18が設けられている。
そして、スクリュ20によって前方に押し出された溶融樹脂は、ダイス200から大気中に押し出されることにより、押出成形される。ダイス200は例えば押出口が直線(フラット)状のT形ダイスを用い、当該ダイス200の押出口からシート状の発泡成形体が押し出される。なお、溶融樹脂をダイス200の押出口の隙間の大きさの数倍(5倍程度)に発泡させ、所定の厚みのシートが得られる。
さらに、スクリュ20の軸方向において隣り合う多条フライト構造間に増圧部20Gが設けられているので、この増圧部20Gにより、溶融樹脂に対する物理発泡剤の浸透が促進され、溶融樹脂からの物理発泡剤の分離も抑制される。
図8は、第2の実施形態の押出製造装置1Bを示す概略構成図である。この図に示す押出製造装置1Bが、図1に示す押出製造装置1Aと異なる点は、シリンダ10の下流側の端部(前端部)と、ダイス200との間にギヤポンプ60を設けた点であるので、以下ではこの点について説明し、第1の実施形態の押出製造装置1Aと同一構成には同一符号を付してその説明を省略する。
ギヤポンプ60は、回転ポンプに属するポンプで、2つのギヤ61,61を備えており、スクリュ20によって搬送・供給された溶融樹脂(物理発泡剤が浸透した溶融樹脂)を混練・可塑化しつつ、ギヤケース62の内周部とギヤ61,61とのクリアランスに規制される容積の単位吐出量に応じた定量の溶融樹脂をギヤ61,61の歯数と回転数によって定まる流量でダイス200に向けて押出す。なお、ギヤポンプ60のギヤ数は3以上の複数であってもよい。
また、押出製造装置1Bでは、スクリュ20によって押し出される溶融樹脂の内圧が一定となり難く、圧力変動が生じ易いが、ギヤポンプ60によって、その入口側の圧力(物理発泡剤が浸透した溶融樹脂の内圧)を高めることによって、圧力変動を抑えて、溶融樹脂を安定的にダイス200に供給することが可能となる。
また、ギヤポンプ60の入口側の圧力を出口側の圧力より低めることによって、飢餓ゾーン16Bの飢餓状態を保持することが可能となり、さらに、ギヤポンプ60によって出口側の圧力を制御することによって、飢餓ゾーン16Bの飢餓率を制御できる。
上述した第1の実施形態の押出製造装置1Aおよび第2の実施形態の押出製造装置1Bでは、2つの飢餓ゾーン16A,16Bにおいて、スクリュ20はいずれも等しい条数の多条フライト構造(ダブルフライト構造)であったが、シリンダ10の軸方向の下流側に位置する下流側多条フライト構造の条数を、上流側に位置する上流側多条フライト構造の条数より多くしてもよい。つまり、スクリュ20において、飢餓ゾーン16Bの方が飢餓ゾーン16Aよりフライト構造のスクリュフライトの数を多くしてもよい。
例えば、下流側多条フライト構造の条数を図7に示すように、3条とし、上流側多条フライト構造の条数を図6に示すように、2条とするように、下流側多条フライト構造の条数を、上流側多条フライト構造の条数より少なくすればよい。
また、スクリュ20は、シリンダ10の下流側の一方の飢餓ゾーン16Bにおいて多条フライト構造(2条フライト構造)となっているとともに、シリンダ10の上流側の他方の飢餓ゾーン16Aにおいてシングルフライト構造となっている。
また、スクリュ20において、飢餓ソーン16A,16B間(条数が異なるフライト構造間)に増圧部20G設けられている。つまり、多条フライト構造とシングルフライト構造との間には増圧部20Gが設けられている。
また、多条フライト構造とシングルフライト構造との間に増圧部が設けられているので、この増圧部により、溶融樹脂に対する物理発泡剤の浸透が促進されて(物理発泡剤の浸透を促進する工程)溶解度が高まり、溶融樹脂からの物理発泡剤の分離も抑制できる。
2A,2B 導入口
5 圧力調整容器
7 (計量ゾーンの)スクリュフライト
10 可塑化シリンダ(シリンダ)
14 計量ゾーン
16A,16B 飢餓ゾーン
20 スクリュ
20G 増圧部
21,22,23 (飢餓ゾーンの)スクリュフライト
40 可塑化ゾーン
60 ギヤポンプ
200 ダイス
Claims (11)
- 発泡成形体の押出製造装置であって、
熱可塑性樹脂が可塑化溶融して溶融樹脂となる可塑化ゾーンと、前記溶融樹脂が飢餓状態となる複数の飢餓ゾーンとを有し、複数の前記飢餓ゾーンそれぞれへの物理発泡剤の導入口が設けられたシリンダと、
前記シリンダの内部に、軸回りに回転自在に設けられたスクリュと、
一定圧力の前記物理発泡剤を、前記各導入口を介して前記各飢餓ゾーンに導入し、前記各飢餓ゾーンを常時前記一定圧力に保持する圧力調整容器とを備え、
前記スクリュは、前記各飢餓ゾーンにおいて多条フライト構造となっているとともに、前記スクリュの軸方向において隣り合う多条フライト構造間に設けられた増圧部を備えていることを特徴とする発泡成形体の押出製造装置。 - 前記シリンダの軸方向の下流側に位置する下流側多条フライト構造の条数が、上流側に位置する上流側多条フライト構造の条数より多くなっていることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体の押出製造装置。
- 発泡成形体の押出製造装置であって、
熱可塑性樹脂が可塑化溶融して溶融樹脂となる可塑化ゾーンと、前記溶融樹脂が飢餓状態となる複数の飢餓ゾーンとを有し、前記飢餓ゾーンそれぞれへの物理発泡剤の導入口が設けられたシリンダと、
前記シリンダの内部に、軸回りに回転自在に設けられたスクリュと、
一定圧力の前記物理発泡剤を、前記各導入口を介して前記各飢餓ゾーンに導入し、前記各飢餓ゾーンを常時前記一定圧力に保持する圧力調整容器とを備え、
前記スクリュは、前記シリンダの軸方向の下流側の前記飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数が上流側の前記飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数より多くなっているとともに、条数が異なるフライト構造間に設けられた増圧部を備えていることを特徴とする発泡成形体の押出製造装置。 - 前記シリンダの下流側の端部とダイスとの間に設けられたギヤポンプを備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の発泡成形体の押出製造装置。
- 熱可塑性樹脂が可塑化溶融して溶融樹脂となる可塑化ゾーンと、前記溶融樹脂が飢餓状態となる複数の飢餓ゾーンとを有するシリンダを備え、物理発泡剤が前記各飢餓ゾーンに導入され、前記各飢餓ゾーンが常時一定圧力に保持される発泡成形体押出製造装置に用いられるスクリュであって、
前記シリンダの内部に配置される前記スクリュは、前記各飢餓ゾーンにおいて多条フライト構造となっているとともに、前記スクリュの軸方向において隣り合う多条フライト構造間のうちの少なくとも一つの多条フライト構造間に設けられた増圧部を備えていることを特徴とする発泡成形体押出製造装置用スクリュ。 - 前記シリンダの軸方向の下流側に位置する下流側多条フライト構造の条数が、上流側に位置する上流側多条フライト構造の条数より多くなっていることを特徴とする請求項5に記載の発泡成形体押出製造装置用スクリュ。
- 熱可塑性樹脂が可塑化溶融して溶融樹脂となる可塑化ゾーンと、前記溶融樹脂が飢餓状態となる複数の飢餓ゾーンとを有するシリンダを備え、物理発泡剤が前記各飢餓ゾーンに導入され、前記各飢餓ゾーンが常時一定圧力に保持される発泡成形体押出製造装置に用いられるスクリュであって、
前記シリンダの内部に配置される前記スクリュは、前記シリンダの軸方向の下流側の前記飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数が上流側の前記飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数より多くなっているとともに、条数が異なるフライト構造間に設けられた増圧部を備えていることを特徴とする発泡成形体押出製造装置用スクリュ。 - 発泡成形体の押出製造方法であって、
可塑化ゾーンと複数の飢餓ゾーンとを有し、前記複数の飢餓ゾーンそれぞれへの物理発泡剤の導入口が設けられたシリンダと、前記シリンダの内部に、軸回りに回転自在に設けれ、前記複数の飢餓ゾーンにおいてそれぞれ多条フライト構造となっているとともに、前記スクリュの軸方向において隣り合う多条フライト構造間に設けられた増圧部を備えたスクリュと、前記物理発泡剤を、前記各導入口を介して前記飢餓ゾーンに導入する圧力調整容器とを用い、
前記押出製造方法は、
前記可塑化ゾーンにおいて、熱可塑性樹脂を可塑化溶融して溶融樹脂とする工程と、
前記複数の飢餓ゾーンに一定圧力の前記物理発泡剤を導入して、前記飢餓ゾーンを常時前記一定圧力に保持する工程と、
前記複数の飢餓ゾーンにおいて、前記多条フライト構造により前記溶融樹脂の移送経路を分割し、それぞれを飢餓状態とする工程と、
飢餓状態の前記溶融樹脂と前記一定圧力の物理発泡剤とを接触させる工程と、
前記増圧部によって前記溶融樹脂に対する物理発泡剤の浸透を促進する工程と、
前記一定圧力の物理発泡剤と接触した前記溶融樹脂を押し出して発泡成形体に成形する工程とを有することを特徴とする発泡成形体の押出製造方法。 - 前記シリンダの軸方向の下流側に位置する下流側多条フライト構造の条数が、上流側に位置する上流側多条フライト構造の条数より多くなっていることを特徴とする請求項8に記載の発泡成形体の押出製造方法。
- 発泡成形体の押出製造方法であって、
可塑化ゾーンと複数の飢餓ゾーンとを有し、前記複数の飢餓ゾーンそれぞれへの物理発泡剤の導入口が設けられたシリンダと、前記シリンダの内部に、軸回りに回転自在に設けられ、前記シリンダの軸方向の下流側の前記飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数が上流側の前記飢餓ゾーンに位置するフライト構造の条数より多くなっているとともに、条数が異なるフライト構造間に設けられた増圧部を備えたスクリュと、前記物理発泡剤を、前記各導入口を介して前記飢餓ゾーンに導入する圧力調整容器とを用い、
前記押出製造方法は、
前記可塑化ゾーンにおいて、熱可塑性樹脂を可塑化溶融して溶融樹脂とする工程と、
前記複数の飢餓ゾーンに一定圧力の前記物理発泡剤を導入して、前記飢餓ゾーンを常時前記一定圧力に保持する工程と、
前記複数の飢餓ゾーンにおいて、前記フライト構造により前記溶融樹脂の移送経路を分割し、それぞれを飢餓状態とする工程と、
飢餓状態の前記溶融樹脂と前記一定圧力の物理発泡剤とを接触させる工程と、
前記増圧部によって前記溶融樹脂に対する物理発泡剤の浸透を促進する工程と、
前記一定圧力の物理発泡剤と接触した前記溶融樹脂を押し出して発泡成形体に成形する工程とを有することを特徴とする発泡成形体の押出製造方法。 - 前記シリンダの下流側の端部とダイスとの間に設けられたギヤポンプを備えることを特徴とする請求項8~10のいずれか1項に記載の発泡成形体の押出製造方法。
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