JP3576289B2 - ポリエチレン組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は透明性、柔軟性が良好で衝撃強度、引き裂き強度が改良されたフィルム、シートを得るに好適なポリエチレン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣料や布団などの包装に用いられるフィルムは、透明性、引張強度、引き裂き強度が優れ、適度な柔軟性があり、ブロッキングせず、かつ、そのフィルムから製造された包装袋に内容物を入れてチャックやホックなどで封緘したのち開封する際にフィルムが伸びて変型しないこと、すなわちフィルムの降伏点強度が高いことなどが要求される。一般のポリエチレンでは、中低圧法で重合される高密度ポリエチレンは、高結晶のため降伏点が高い利点はあるが、柔軟性、引き裂き強度が不足し透明性が劣る欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの欠点を解決する手段として、高密度ポリエチレンに、透明性、柔軟性、引き裂き強度を付与するために高圧法低密度ポリエチレンないし中低圧法直鎖状低密度ポリエチレンをブレンドすることが一般に行われている。しかし、高圧法低密度ポリエチレンを高密度ポリエチレンにブレンドした場合強度が低下し、チーグラー系触媒などによる直鎖状低密度ポリエチレンを添加した場合、透明性の改良が不十分であったり、フィルム表面のべたつきによるブロッキング性が問題視され、これらの点の解決が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる現状を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、高密度ポリエチレンに特定の触媒で重合されたエチレン・α−オレフィン重合体を添加することにより、降伏点強度や成形性を低下させることなく、透明性、引き裂き強度、ヒートシール特性が改良され、さらにブロッキングが少なく、しかも外観の優れたフィルム、シートを与える組成物が得られることを見いだし本発明に到達した。
すなわち、本発明は、
(A)密度が0.945〜0.980g/cmの範囲にある高密度ポリエチレン98〜50重量%、
(B)(イ)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物を少なくとも1種含む触媒の存在下にエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合させることにより得られる
(ロ)密度0.86〜0.945g/cm未満、
(ハ)メルトフロレート0.01〜50g/10分、
(ニ)分子量分布Mw/Mn1.5〜4.5、
(ホ)組成分布パラメーターCbが1.01〜1.2
であるエチレンの共重合体2〜50重量%、
からなることを特徴とするエチレン・α−オレフィン共重合体組成物である。
【0005】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明でいう密度が0.945〜0.980g/cmの範囲にある高密度ポリエチレン(A)とは、いわゆるチーグラー型触媒または遷移金属酸化物型触媒あるいは類似の触媒と有機金属触媒の存在下、エチレン単独もしくはエチレンと10モル%以下のα−オレフィンとを中、低圧で重合して得られる重合体あるいはこれらの混合物などである。このα−オレフィンとしては、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、などが挙げられる。
【0006】
本発明の(B)エチレン・α−オレフィン共重合体はエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンより選ばれた一種以上との共重合体である。この炭素3〜20のα−オレフィンとしては、好ましくは炭素数3〜12のものであり、具体的にはプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、などが挙げられる。また、これらのα−オレフィンの含有量は、合計で通常30モル%以下、好ましくは20モル%以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0007】
前記(B)エチレン・α−オレフィン共重合体を製造する触媒である(イ)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物のシクロペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1〜10の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた少なくとも1種の置換基を有する置換シクロペンタジエニル基等である。該置換シクロペンタジエニル基の置換基は2個以上有していてもよく、また係る置換基同士が互いに結合して環を形成してもよい。
【0008】
上記炭素数3〜10の炭素水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等のアラルキル基等が例示される。これらの中でもアルキル基が好ましい。
置換シクロペンタジエニル基の好適なものとしては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル基、1,3−n−プロピルメチルエチルシクロペンタジエニル基などが具体的に挙げられる。本発明の置換シクロペンタジエニル基としては、これらの中でも炭素数3以上のアルキル基が置換したシクロペンタジエニル基が好ましく、特に1,3−置換シクロペンタジエニル基が好ましい。
置換基同士すなわち炭化水素同士が互いに結合して1または2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエニル基としては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換インデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換フルオレニル基等が好適なものとして挙げられる。
【0009】
前記(イ)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等が挙げられ、特にジルコニウムが好ましい。
該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては通常1〜3個を有し、また2個以上有する場合は架橋基により互いに結合していてもよい。なお、係る架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン基、アルキルシランジイル基、シランジイル基などが挙げられる。
【0010】
周期律表第IV族の遷移金属化合物においてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜20の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基などが挙げられる。
【0011】
これらの具体例としては以下のものがある。ジアルキルメタロセンとして、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジフェニルなどがある。モノアルキルメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムフェニルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロライドなどがある。
またモノシクロペンタジエニルチタノセンであるペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルチタニウムトリクロライド)、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルなどが挙げられる。
【0012】
置換ビス(シクロペンタジエニル)チタニウム化合物としては、ビス(インデニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタジエニルチタニウム化合物としては、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス(1,2−ジエチルシクロペンタジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライドまたは他のジハライド錯体、シリコン、アミンまたは炭素連結シクロペンタジエン錯体としてはジメチルシリルジシクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライド、メチレンジシクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジクロライド、他のジハライド錯体が挙げられる。
【0013】
ジルコノセン化合物としては、ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニル、アルキル置換シクロペンタジエンとしては、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、それらのハロアルキルまたはジハライド錯体、ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタジエンとしてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、およびそれらのジハライド錯体、シリコン、炭素連結シクロペンタジエン錯体としては、ジメチルシリルジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライドなどが挙げられる。
【0014】
さらに他のメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス(シクロペンタジエニル)バナジウムジクロライドなどが挙げられる。
【0015】
本発明の他の周期律表第IV族の遷移金属化合物の例として、下記一般式で示されるシクロペンタジエニル骨格を有する配位子とそれ以外の配位子および遷移金属原子が環を形成するものも挙げられる。
【0016】
【数1】
Figure 0003576289
【0017】
式中、Cpは前記シクロペンタジエニル骨格を有する配位子、Xは水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル基、アリールシリル基、アリールオキシ基、アルコキシ基、アミド基、シリルオキシ基等を表し、Yは−O−,−S−,−NR−,−PR−またはOR,SR,NR,PRからなる群から選ばれる2価中性リガンド、ZはSiR,CR,SiRSiR,CRCR,CR=CR,SiRCR,BR,BRからなる群から選ばれる2価基を示す。ただし、Rは水素または炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シリル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、またはY,ZまたはYとZの双方からの2個またはそれ以上のR基は縮合環系を形成するものである。Mは周期律表第IV族の遷移金属原子を表す。
【0018】
式1で表される化合物の例としては、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、(エチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニル)メチレンタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド、(フェニルホスフィド)ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライドなどが挙げられる。
【0019】
本発明でいう助触媒としては、前記周期律表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になしうる、または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を均衡させうるものをいう。
本発明において用いられる助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンなどのランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの中でもアルミノキサンが最も好ましい。
【0020】
また、触媒は無機または有機化合物の担体に担持して使用されてもよい。該担体としては無機または有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的にはSiO,Al,MgO,ZrO,TiO,B,CaO,ZnO,BaO,ThO等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO−Al,SiO−V,SiO−TiO,SiO−MgO,SiO−Cr等が挙げられる。
【0021】
有機アルミニウム化合物として、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハライド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキルアルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイドライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられる。
【0022】
本発明の(B)エチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法は、前記触媒の存在下、実質的に溶媒の存在しない気相重合法、スラリー重合法、溶液重合法等で製造され、実質的に酸素、水等を断った状態で、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等に例示される不活性炭化水素溶媒の存在下または不存在下で製造される。重合条件は特に限定されないが、重合温度は通常15〜350℃、好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは50〜110℃であり、重合圧力は低中圧法の場合通常常圧〜70kg/cmG、好ましくは常圧〜20kg/cmGであり、高圧法の場合通常1500kg/cmG以下が望ましい。重合時間は低中圧法の場合通常3分〜10時間、好ましくは5分〜5時間程度が望ましい。高圧法の場合、通常1分〜30分、好ましくは2分〜20分程度が望ましい。また、重合は一段重合法はもちろん、水素濃度、モノマー濃度、重合圧力、重合温度、触媒等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段重合法など特に限定されるものではない。
【0023】
上記触媒で得られる本発明の特定の(B)エチレン・α−オレフィン共重合体は、従来のチーグラー型触媒やフィリップス型触媒(以下総称してチーグラー型触媒という)で得られるこれらのエチレン・α−オレフィン共重合体とは性状が異なるものである。すなわち、上記触媒で得られる本発明の特定の(B)エチレン・α−オレフィン共重合体は、触媒の活性点が均一であるため分子量分布が狭くなることと、組成分布が狭くなるものである。このため短鎖分岐が効率良く融点を低下させるため、密度の割には、融点が低くなる。このため低温でのヒートシール強度が強く、短鎖分岐量が極めて多い成分や低分子量成分が少ないため樹脂表面へのにじみ出しが少なく(低溶出性)、また抗ブロッキング性も良好であり、しかも強度、透明性も優れたものである。
【0024】
本発明の(B)エチレン・α−オレフィン共重合体の(a)密度は、0.860〜0.945g/cm、好ましくは0.88〜0.945g/cm、より好ましくは0.90〜0.93g/cmの範囲である。密度が0.86未満では抗ブロッキング性が劣り、0.945を超えると透明性、耐衝撃性が十分でない。
【0025】
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の(b)MFRは0.01〜50g/10min、好ましくは0.1〜20g/10min、さらに好ましくは0.5〜10g/10minの範囲にあることが望ましい。
【0026】
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の分子量分布(c)Mw/Mnの算出方法は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、この比Mw/Mnを求めるものである。
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体のMw/Mnは1.5〜4.5であり、好ましくは1.8〜4.0の範囲にあることが望ましい。
【0027】
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の(d)組成分布パラメーターCbは1.01〜1.20である必要がある。この値が1.2を超える場合は、低温ヒートシール特性、透明性、抗ブロッキング性、透明性、強度が劣る。
【0028】
なお本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体の組成分布パラメーターCbの測定法は下記の通りである。
【0029】
試料に耐熱安定剤を加え、オルソジクロルベンゼン(ODCB)に試料濃度が0.2重量%となるように135℃で加熱溶解する。この加熱溶液を、けい藻土(セライト545)を充填したカラムに移送し充満後0.1℃/minで25℃まで冷却し、試料をセライト表面に析出沈着する。次に、このカラムにODCBを一定流量で流しながら、カラム温度を5℃きざみに120℃まで段階的に昇温しながら、各温度において、試料を溶解した溶液を採取する。この溶液を冷却後メタノールで試料を再沈後、ろ過、乾燥し、各溶出温度における試料を得る。この分別された試料の重量分率および分岐度(炭素数1000個あたりの分岐数)を測定する。分岐度の測定は13C−NMRにより求める。
【0030】
このような方法で30℃から90℃で採取した各フラクションについては次のような、分岐度の補正を行う。すなわち、溶出温度に対して測定した分岐度をプロットし、相関関係を最小自乗法で直線に近似し、検量線を作成する。この近似の相関係数は十分大きい。この検量線により求めた値を各フラクションの分岐度とする。なお、溶出温度95℃以上で採取したフラクションについては溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成立しないのでこの補正は行わない。
【0031】
次にそれぞれのフラクションの重量分率wを、溶出温度5℃当たりの分岐度bの変化量(b−bi−1 )で割って相対濃度cを求め、分岐度に対して相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラメーターCbを算出する。
【0032】
【数2】
Figure 0003576289
【0033】
ここでcとbはそれぞれj番目の区分の相対濃度と分岐度である。組成分布パラメーターCbは試料の組成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広がるに従って値が大きくなる。
【0034】
なお、エチレン・α−オレフィン共重合体の組成分布を記述する方法は多くの提案がなされている。例えば特開昭60−88016号では、試料を溶剤分別して得た各分別試料の分岐数に対して、累積重量分率が特定の分布(対数正規分布)をすると仮定して数値処理を行い、重量平均分岐度(Cw)と数平均分岐度(Cn)の比を求めている。この近似計算は、試料の分岐数と累積重量分率が対数正規分布からずれると精度が下がり、市販のLLDPEについて測定を行うと相関係数R2 はかなり低く、値の精度は充分でない。このCw/Cnと本発明のCbとは、定義および測定方法が異なる。
【0035】
本発明のエチレン・α−オレフィン共重合体(B)の製造方法は、気相法、スラリー法、溶液法等で製造され、一段重合法、多段重合法など特に限定されるものではないが、物性と経済性等のバランスの点から気相法で製造されることが望ましい。
【0036】
前記(A)成分と(B)成分の配合割合は(A)成分が95〜50重量%、(B)成分は5〜50重量%からなる組成物である。エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の量が5重量%未満では透明性、耐衝撃性、耐引き裂き性などが改良されず、一方50重量%を越えると降伏点強度、剛性、耐熱性が低下するので好ましくない。
【0037】
本発明のポリエチレン組成物を得るには、前記高密度ポリエチレン(A)および特定の触媒により重合されたエチレン・α−オレフィン共重合体(B)を前記範囲で種々公知の方法、たとえばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーミキサーなどで混合する方法、あるいは混合後、一軸押出機、二軸押出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混練後、造粒あるいは粉砕する方法を取り得る。
【0038】
本発明の組成物はフィルムやシートとして用いられる際に特に有効なものである。
これらフィルムあるいはシートは従来公知のすべての方法で成形できるものであるが、衣料、寝具の包装袋、ごみ袋、ショッピングバッグ、規格袋、クリーニング袋等に使用される厚さ約5〜200μmのフィルムは空冷式あるいは水冷式のインフレーション成形法が好ましく用いられる。本発明の組成物の成形は、通常使用されているフルフライト型スクリューではなく、発熱を抑えたスクリューを用いることが望ましい。また、冷却が充分におこなえるエアーリングを取り付けるとフィルムが急冷され透明なものが得られるため好ましい。
また、広幅の厚さ50〜500μm程度のフィルムあるいはシート成形の場合にはT−ダイによりキャストフィルム成形法が好ましく用いられる。
【0039】
本発明の組成物には、さらにフェノール系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、チオエーテル系の酸化防止剤を添加することによって、高温、高速成形時の熱劣化によるフィッシュアイ生成、着色等を防止できる。また紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物などの光安定剤を添加することによって、その耐候性を改善することができる。
【0040】
本発明の組成物には、その他必要に応じて、シリカやタルクなどからなる抗ブロッキング剤、滑剤、重金属不活性剤、造核剤、金属石鹸、顔料、充填剤、可塑剤、エポキシ化合物、発泡剤、難燃剤、加工助剤、極性基含有ポリオレフィン等を包含させることができる。
【0041】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお行った試験法を以下に示す。
【0042】
(物性試験方法)
密度 :JIS K6760に準拠した。
メルトフローレート :JIS K6760に準拠した。
【0043】
(フィルム成形法)
(インフレーションフィルム成形条件)
装置 :モダンマシナリー(株)製
押出機スクリュー径 :50mmφ
ダイ :直径100mmφ
ブローアップ比 :1.9
押出量 :20kg/hr
ダイリップギャップ :3mm
引取速度 :20m/min
成形樹脂温度 :200℃
フィルム厚み :30μm
スクリーンメッシュ :80メッシュ/120メッシュ/80メッシュ
【0044】
(フィルム評価法)
曇り度 :ASTM D1003に準拠した。
ダート強度 :JIS K7124に準拠した。
抗ブロッキング性 :幅20mmの短冊にカットしたフィルムを長さ5cmだけ2枚重ね、5kgの重りをのせ60℃に保たれたエアーオーブン中に5時間放置後、室温23℃、湿度50%で24時間状態調節し、引張試験機で500mm/minの速度で引っ張り、その荷重を測定した。
引き裂き強度 :ASTM D689に準拠した。
【0045】
(シート成形法、評価法)
組成物をロールで均一化した後、切断してチップ状とし、これを180℃でプレス成形しシートを得た。
引張衝撃試験 :ASTM D1822に準拠した。
【0046】
(エチレン・α−オレフィン共重合体Bの重合)
攪拌機を付したステンレス製オートクレーブを窒素置換し、精製トルエンを入れた。次いで、ブテン−1を添加し、更にビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド(Zrとして0.02mモル)メチルアルモキサン[MAO](MAO/Zr=500[モル比])の混合溶液を加えた後、80℃に昇温した。次にエチレンを張り込み重合を開始した。エチレンを連続的に重合しつつ全圧を維持しながら1時間重合を行った。なお、後述の実施例に必要な量はこれらの重合を繰り返し製造した。得られたエチレン・ブテン−1共重合体の物性は以下の通りであった。
Figure 0003576289
【0047】
実施例及び比較例で使用した試料および添加剤を次に示す。
Figure 0003576289
【0048】
(実施例1〜3)
本発明の効果を調べたもので、表1に示した成分を加えペレット化し前記の条件でインフレーション成形を行いフィルムを得た。得られたフィルムについて前記の方法で各種試験を行った。その結果を表1に併せて示した。
【0049】
(比較例1)
実施例1、2で用いた成分(B)のB1、B2の代わりに直鎖状低密度ポリエチレンB3を用いる以外は実施例1、2と同様に行った。結果を表1に示す。
【0050】
(比較例2)
実施例1、2で用いた成分(B)のB1、B2の代わりに高圧法低密度ポリエチレンB4を用いる以外は実施例1、2と同様に行った。結果を表1に示す。
【0051】
(比較例3)
実施例で用いた組成物の代わりに高密度ポリエチレンを単独で用いる以外は実施例1、2と同様に行った。結果を表1に示す。
【0052】
【発明の効果】
本発明によって、高密度ポリエチレンに、特定の触媒で重合された分子量分布が狭く、組成分布が適度に広いエチレン・α−オレフィン共重合体を配合することにより、高い強度を保ったまま、透明性、柔軟性、衝撃強度などが改良されたフィルムを得るのに適した組成物が得られる。
【0053】
【表1】
Figure 0003576289
【0054】
【表2】
Figure 0003576289

Claims (6)

  1. (A)密度が0.945〜0.980g/cm3 の範囲にある高密度ポリエチレンが50重量%を超え、95重量%までと、(B)(イ)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物を少なくとも1種含む触媒の存在下にエチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンを共重合させることにより得られる(ロ)密度0.86〜0.945g/cm3 未満、(ハ)メルトフロレート0.01〜50g/10分、(ニ)分子量分布Mw/Mn 1.5〜4.5、(ホ)組成分布パラメーターCb 1.01〜1.2であり、実質的に長鎖分岐を有しないエチレンとα―オレフィンとの共重合体5重量%〜50重量%未満とを含むことを特徴とするポリエチレン組成物。
  2. 前記(B)成分のエチレン−α・オレフィン共重合体の密度が0.920〜0.945g/cm3未満であることを特徴とする請求項1に記載のポリエチレン組成物。
  3. (A)高密度ポリエチレンが95〜70重量%、(B)エチレン共重合体5〜30重量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエチレン組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリエチレン組成物からなることを特徴とするフィルムもしくはシート。
  5. フィルムが、インフレーション成形法による厚さ5〜200μmのフィルムであることを特徴とする請求項4に記載のフィルムまたはシート。
  6. フィルムまたはシートが、Tダイ成形法による厚さ50〜500μm成形することを特徴とする請求項4に記載のフィルムまたはシート。
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