JP3576288B2 - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ(表示装置)のようなフラットパネルディスプレイに用いられるカラーフィルタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年フラットパネルディスプレイは、高画質、薄形、軽量などから、携帯型パソコン、自動車ナビゲーションシステム、テレビ、ゲーム機などの分野で急激に用途が広がりつつある。フラットパネルディスプレイの中でも特に液晶ディスプレイは、軽量、低価格等の理由で、OA機器の表示装置を中心にその使用領域が拡大している。
【0003】
ところで、自発的な発色のない液晶ディスプレイのカラー化においては、カラーフィルタが使用されており、バックライトからの白色光がカラーフィルタを透過することで色彩が表現されている。
【0004】
一般にカラーフィルタは、ガラス基板上にブラックマトリックスと呼ばれる遮光層と着色層とをそれぞれ設け、その上に透明なオーバーコート層(保護膜)と透明電極とを順に形成して構成されており、着色層においては、R( Red)、G( Green)、B(Blue)の各色素が、液晶ディスプレイパネル上の各画素電極ごとに1対1に対応し、モザイク配列、ストライプ配列、トライアングル配列等のパターンに配列されている。そして、このようなカラーフィルタの着色層を形成するには、従来から染色法、顔料分散法、印刷法、電着法等種々の方法が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこれらの方法においては、以下に詳述するように、それぞれに一長一短があって未だ改善すべき点が少なくなく、全般的に工程の煩雑さに起因する歩留りの悪さやコストの高さ等の問題点を有している。
【0006】
染色法は、量産レベルの実用的技術として従来から最も一般的に行なわれてきた方法であり、ゼラチン、フィシュグルー等の天然たんぱく質や、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリイミド等の合成樹脂のような可染性の感光性物質を、ガラス基板上に塗布して有機基材層を形成し、さらに露光、現像のフォトファブリケーションプロセスを経て透明パターンを形成した後、この透明パターンを所定の染料溶液に浸漬して染色し、この工程をR、G、Bの3色について繰り返して行なって着色層を形成する方法である。
【0007】
この方法では、透過率や分光特性が良く色調の鮮やかなカラーフィルタを得ることができるが、染色、防染処理など工程が複雑であるばかりでなく、着色層が温度や湿度に対して退色しやすく、耐熱性、耐薬品性、耐候性等の点で信頼性に乏しいという欠点がある。
【0008】
顔料分散法は、現在広く用いられているTFT(薄膜トランジスタ)駆動方式の液晶ディスプレイ用カラーフィルタの製造に、主として用いられている。この方法は、退色しやすい染料に代わって安定性の良い顔料粉体を使用し、これをポリイミド等の基質に分散させた溶液をガラス基板上に塗布して色素層を形成し、次いで露光、現像プロセスを経て着色パターンを形成する処理を、R、G、Bの3色についてそれぞれ行なう方法である。ここで、着色パターンの形成には、フォトレジストを別途顔料層の上に塗布する方法と、顔料をフォトレジストに分散させて色素層自体に感光性を持たせる方法との2通りの方法が実用化されており、両者とも、染色法に比較して工程が簡略で低コスト化が可能な方法として期待されている。またこの方法で得られるカラーフィルタは、明るさや色合い等の分光特性の点では染色法に劣るものの、使用する顔料が 250℃でも退色しないため、熱安定性が良好であり、かつ着色層の上に配設する透明電極の低抵抗化が可能であるという利点を有している。
【0009】
しかしこのような顔料分散法においては、塗料(顔料分散塗料)の塗布方法としてスピンコート法が用いられ、回転カップ、背面自動リンス機構など塗料特性に合わせて改良が施された専用のスピンコータが使用されているが、この方法では高価な塗料の90%以上が無駄になるため、塗布方式の改良が望まれている。塗料使用効率の改良された塗布方式として、近年、マイクロロッドバー方式、毛細管現象を利用したノズル下面塗布方式、オリフィスを応用したノズル上面塗布方式等のいくつかの方式が提案されているが、いずれの塗布方式も、膜厚分布を均一に制御することが難しいばかりでなく、基板端面に膜厚が厚い部分が生じるなどの問題がある。また、塗布プロセスのタクトタイムが30秒以上と非常に長くかかるうえに、ガラス基板に対するダメージが大きく歩留りが悪いなどの問題がある。
【0010】
印刷法は、色素(顔料)を含有する印刷インキを用いた、最も量産性に優れ製造コストの低廉化が可能な方法であり、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷等いくつかの印刷方式が試みられている。そして近年、3色同時塗布により工程の簡略化、歩留りの向上等が図られており、耐熱性、耐候性に優れたカラーフィルタが得られている。特に、R、G、Bの各色素層を印刷方向に沿ってストライプ状に形成するストライプ配列のカラーフィルタでは、実用化の目途がついている。
【0011】
しかしこの方法では、未硬化で流動性の高いインキを使用するため、エッジにボケやにじみが生じるなど、エッジの切れに難点があるばかりでなく、印刷されるパターンの寸法精度も低いため、画素の微細化や表示画面の大型化に対応することが困難である。また、印刷面の平滑性が低く、かつゴミ等の混入に起因してピンホールや色むらのような欠陥が発生しやすいため、歩留りが悪いという問題がある。
【0012】
電着法は、色素(主に顔料)を電解液中でイオン化し、ガラス基板の表面に形成された電極パターンに電気的に吸着(電着)させる方法であり、電着用の電極としては透明電極(ITO)が使用されている。この方法では、着色層の形成に、工程が煩雑なフォトリソグラフィプロセスを使用する必要がなく、かつ着色層の位置や着色濃度を高精度に制御することができるという利点を有している。また最近では、このような電着法に関連して、電着法で形成した着色層をガラス側に転写する方法や、ブラックマトリックスを着色層の隙間に形成する方法、あるいは電着用のITO電極を全面に形成し、その前面をレジストでマスクした後露光、現像により必要部分のみを開口し、その開口部に塗料を電着する方法、顔料の分散強度を上げ透過率を向上させる方法など、新しい試みもなされている。
【0013】
しかし電着法においては、一般にブラックマトリックスの形成が難しく、また電着用電極として形成されたITO電極上に着色層が形成され、その上にさらに液晶セルの電極用としてITO電極が設けられるため、光透過率が低下するという問題がある。さらにドットマトリックス状のカラーフィルタでは、ITOパターンの制約から下電極の抵抗値が高くなり、作製が困難であるなどの問題がある。 さらに、カラーフィルタの着色層形成に係わる方法としては、これらの方法の他に、プローブでインキを飛ばし基板上に被着させて着色層を形成するインキジェット法、カラープリンタと同様に染料を熱で昇華させて着色する方法、銀塩フィルムで一度にR、G、Bパターンを形成する方法、電子写真方式で顔料粉体を帯電塗装して色パターンを形成する方法、R、G、B各色のドライフィルムレジストをガラス基板に直接ラミネートし、露光プロセスによりパターニングするドライフィルム法等が新規に開発され検討されている。
【0014】
以上のように、液晶ディスプレイ用等のカラーフィルタの着色層を形成する方法としては、さまざまな方法が提案されているが、いずれの方法も量産性、製造コスト、タクトタイム、欠陥対策、歩留り等の点で問題があり、市場の要求を完全に満足させる方法は未だ開発されていないのが現状であった。
【0015】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもので、工程の煩雑さに起因する歩留りの悪さや製造コストの高さなどを解消し、製造工程が簡易で低コスト化が実現でき、しかも耐熱性、耐薬品性、寸法精度等に優れたカラーフィルタを得ることができるカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、透明基板上に、少なくとも3種類の異なる色の着色層を所定の配置パターンで設けるカラーフィルタの製造方法において、前記各色について、着色材が分散された樹脂組成物からなる着色固化膜を主層として有するドライフィルムから、所定のパターンを有する凹版面に前記着色固化膜の不要部分を移行させて除去した後、前記ドライフィルムに残留する所定のパターンの着色固化膜を前記透明基板上に転写することを特徴とする。
【0017】
本発明においてドライフィルムとしては、主層として、顔料のような着色材が分散された樹脂組成物からなる固形または固化した着色膜(着色固化膜)を有するフィルムが使用される。なお、着色固化膜とは、常温では外力により容易に形状や体積が変化することがない固形あるいは固体状態の着色膜を意味し、乾燥の程度により溶剤成分の一部が残留した実質的に流動しない膜が含まれることは言うまでもない。そして、このようなドライフィルムは、ベースフィルムの上に顔料分散型塗料を塗布し、乾燥あるいは硬化等の必要な処理を加えて塗布層を固化した後、所望に応じてその上にカバーフィルムを被着することによって得られる。 ここで、ドライフィルムの基材となるベースフィルムとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド(PI)等のプラスチックからなるフィルム、金属箔、あるいは前記したプラスチックフィルムと金属箔とをラミネートした多層フィルム等を使用することができる。本発明においては、特に 3〜 200μm 厚のPETフィルムの使用が好ましいが、ドライフィルムの基材として必要とされる要求に沿うものであれば、材質、厚さともに限定されない。フィルム幅は、使用される透明基板等のサイズに応じて決定され、長さに関しては特に限定するものではない。
【0018】
またこのようなベースフィルムにおいては、主面に、着色固化膜との接着性を減じ剥離性を増大する処理を施しておくことが望ましい。接着性を低減させる処理としては、シリコーン系ポリマーや有機パラフィンのような剥離性の良好な材料からなる層を形成する方法や、カーボンその他の無機化合物を蒸着、スパッタリング等の物理的方法で成膜して、ベースフィルムの平滑性を向上させ表面エネルギーを低減する方法などがある。ベースフィルムの主面にこのような接着性低減処理を施しておくことにより、ドライフィルムから凹版面への着色固化膜の移行の効率を高めるとともに、ドライフィルムに残った着色固化膜の透明基板への転写の効率も高め、転写の際の不良を大幅に低減することができる。
【0019】
本発明において、このようなベースフィルム上に塗布される顔料分散型の塗料としては、通常カラーフィルタの着色層形成用として開発・使用されているものであれば、特に限定されない。例えばR、G、B各色の顔料を、酢酸ビニル系、アクリル系等の樹脂溶液中に分散してなる塗料の使用が好適する。また本発明においては、このような塗料のベースとなる樹脂として、ウレタン−アクリレート系やエポキシ−アクリレート系などの感光性樹脂(紫外線硬化型樹脂)を使用するとともに、このような感光性樹脂を含む着色固化膜を透明基板に転写する工程で、露光を行なって前記感光性樹脂を硬化させるように構成することにより、着色固化膜の透明基板との接着性をより向上させ、転写不良をなくすことができる。 このような顔料分散型塗料の塗布方式としては、リバースコート方式、グラビアコート方式、マイクログラビアコート方式、バーコート方式、ワイヤーバーコート方式、ギャップコート方式、ナイフコート方式、ノズルコート方式、カーテンコート方式、スプレーコート方式、エアロコート方式など、各種の方式が例示される。着色層として必要とされる厚みが確保される手法であれば、どのような塗布方法を用いても良いが、特に薄膜性や量産性に優れたマイクログラビアコート方式やノズルコート方式が好適する。また、塗布層の厚さは特に限定されないが、転写効率を考慮して、R、G、B各色のうち1番目に転写する着色層の厚さ<2番目に転写する着色層の厚さ<3番目に転写する着色層の厚さと、後から転写する着色層ほど厚さを増すようにすることが望ましい。さらに、このような塗料の塗布層の上に被着されるカバーフィルムとしては、PET、PPS、PE、PP、PIのようなプラスチックフィルムを使用することができる。特に 3〜50μm 厚のPEあるいはPPフィルムの使用が好ましいが、カバーフィルムとして必要な要求に沿うものであれば、材質、厚さともに特に限定されない。フィルム幅および長さは、それぞれ使用されるベースフィルムのサイズに合わせて決定される。
【0020】
本発明において、このようなドライフィルムの着色固化膜の不要部分を、それ自体の版面に転写移行させてドライフィルムの主層から除去する凹版としては、各色の着色パターンに対応する配列パターンの凹部を有するものであれば、全体の形状は特に限定されない。例えば柱状、平板状、曲面状、ロール状、シート状等の支持体の表面に凹版面を設けたものが使用される。凹版を構成する材料としては、金属、金属酸化物、セラミックス等の無機材料や弾性に富む有機高分子材料等を使用することができる。特に合成樹脂からなる凹版では、ドライフィルムから凹版への着色固化膜不要部分の移行効率が著しく向上し、透明基板への転写の不良を大幅に低減することができる。また、このような凹版面を有する版全体を、ガラス、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エポキシ樹脂のような透明な材料により構成することができ、その場合には、上方から透明な版を透かして透明基板の転写面を視認することができるので、2色目以降の着色パターン転写の際の位置合わせが容易になるという利点がある。
【0021】
さらに、このような凹版面を、感光性レジストを用いてフォトリソグラフィーのプロセスにより形成することができる。このように凹版面を形成した場合は、凹版面の配列パターンの寸法精度が向上し、より高精度の着色パターンを形成することができる。ここで、感光性樹脂としては、光や紫外線の照射により溶剤に溶解しやすくなるポジ型のレジストと、光や紫外線の照射により重合または硬化して溶剤に溶解しにくくなるネガ型のレジストとがあり、ネガ型レジスト・ポジ型レジストともに使用可能であるが、ネガ型レジストである光重合型ポリイミド樹脂の使用が望ましい。
【0022】
またさらに、本発明においてドライフィルムから前記した凹版面への着色固化膜不要部分の転写除去は、版面またはドライフィルムを加熱して行なうことができ、ドライフィルムから透明基板への着色固化膜パターン部分の転写も、同様にドライフィルムを加熱して行なうことができる。加熱温度は版面およびドライフィルムのベースフィルムを構成する材料の耐熱性によって異なるが、着色固化膜の表面の温度が50〜 200℃になるように加熱して行なうことが望ましい。このように版面等を適当な温度に加熱することにより、着色固化膜を軟化あるいは一部溶融させた状態で転写を行なうことができ、これにより、ドライフィルムから版面への着色固化膜の転写除去効率、並びに残留する着色固化膜の透明基板への転写効率をそれぞれ高め、転写不良の発生を低減することができる。
【0023】
本発明において、このように凹版面により不要部分が転写除去された所定パターンの着色固化膜が、最終的に転写される透明基板としては、ガラス基板または透明合成樹脂からなる基板を使用することができる。ガラス基板としては、液晶ディスプレイ用ガラス基板として通常使用されている、コーニング社の7059タイプやNHテクノグラス社のNA45タイプのガラス基板を例示することができる。
【0024】
また透明合成樹脂からなる基板としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素化アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリアリレート樹脂、4−メチル −ペンテン−1樹脂のような、透明度が高く着色固化膜との接着性の良好な合成樹脂から成形された板状体、または厚さがより薄くロール状に巻装された状態での取扱いが可能なフィルム等を使用することができる。このような透明合成樹脂からなる板状体またはフィルムは通常単独で使用されるが、転写される面が合成樹脂面となるように、ガラス基板等と貼り合わせて使用することも可能である。このような透明合成樹脂基板を使用した場合には、ガラス基板を使用した場合と比べて、軽量性の観点から利点が大きいうえに、着色固化膜の転写効率が高く歩留りが良好である。
【0025】
さらに、透明合成樹脂基板としては、アモレックス(藤森工業株式会社製の光等方性フィルムの商品名)のような光学異方性が極めて小さい透明合成樹脂フィルムの使用が望ましい。透明基板としてこのようなフィルムを用いた場合には、光透過率が極めて高く視認性の大きいカラーフィルタを製造することができる。このような透明基板(ガラス基板あるいは透明合成樹脂基板)においては、着色固化膜の転写前に紫外線を照射することにより、転写面の汚れを除去して清浄化するとともに、転写面を化学的に活性化し、着色固化膜あるいは後述する接着層との密着性を向上させることもできる。さらに、必要に応じてこのような紫外線照射処理を行なった後、透明基板の転写面に接着層を形成し、その上に着色固化膜を転写するように構成することにより、ドライフィルムから透明基板への着色固化膜の転写をより安定して完全に行なうことができる。ここで接着層を形成する方法としては、ポリイソシアネート系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系などの有機高分子系の接着剤やゲル状シリカのような無機化合物系の接合剤の層を設ける方法、あるいはコロナ放電処理のようなプラズマ接触処理により、透明基板の表面にフリーラジカルを生成し接着性を向上させる方法などがある。
【0026】
本発明において、透明基板上へのブラックマトリックスの設置は必須の要素ではないが、必要に応じて設けることが可能である。形成方法としては、通常のCrのスパッタ法や蒸着法などの物理的方法、感光性レジストによる化学的方法、印刷による方法、ドライフィルムを転写、露光、現像してパターンを得る方法、あるいは本発明における着色層の形成と同様に、ドライフィルムからマトリックスパターンを転写する方法など、さまざまな方法を用いることができることは言うまでもない。さらに、こうして得られたカラーフィルタにおいては、着色層の上に、必要に応じてオーバーコート層、ITO膜等の透明電極、強化層、ガスバリア層、耐熱層、ハードコート層等を設けることもできる。
【0027】
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、少なくとも3種類の異なる色のパターンが所定の形状に配設された着色層の形成に際して、凹部が所定のパターンで形成された凹版面に、ドライフィルムの着色固化膜の不要部分が厚さ方向に破断することなく移行することにより、ドライフィルムの主層から除去された後、残った所定パターンの着色固化膜が透明基板上に転写されるようになっているので、着色固化膜のパターン部分が効率よく透明基板上に転写され、寸法精度が良好でエッジの変形やパターン形状の歪み等がない着色パターンを形成することができる。
【0028】
さらに、現像や露光のフォトファブリケーションプロセス、洗浄プロセスをはじめとする液体処理工程(湿式工程)が少ないうえに、熱処理を要する工程も短縮されているので、生産性が高く低コスト化が実現される。また、透明基板に与えるダメージが少なく、欠陥の発生が抑えられるうえに、工程数が少なくタクトタイムを大幅に短縮することができる。またさらに、ドライフィルムにおける着色固化膜の利用効率に関しては、版のずらし量を制御することにより、90%以上の高い利用効率を達成することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0030】
実施例
まず、R、G、B用のドライフィルムをそれぞれ作製した。すなわち、図1
(a)に示すように、ベースフィルム( 100μm 厚の PETフィルム)1上に、マイクログラビアコータを用いて顔料分散型塗料を 1.8μm の厚さに塗布し、乾燥硬化させることにより、Rの着色塗膜2を形成した後、図1(b)に示すように、この着色塗膜2の上に、カバーフィルム(20μm 厚のPEフィルム)3を被着してR用ドライフィルム4を得た。同様にして、G用ドライフィルムとB用ドライフィルムをそれぞれ作製した。
【0031】
次に、図2(a)に示すように、R用ドライフィルム4の着色塗膜2の不要部分(パターン以外の部分)を、角柱状の凹版5の主面(凹版面6)に転写し、ドライフィルム4から除去した。すなわち、図3に示すようなドット状のパターンが深さ 5μm の凹部7として形成された凹版面6を、R用ドライフィルム4の着色塗膜2上に押し当てて、着色塗膜2の不要部分を凹版面6の平面部に移行させ、ドット状の着色パターン2aを残した。次いで、図2(b)に示すように、予めスパッタ法等によりCrのブラックマトリックスが形成されたガラス基板(コーニング社の7059)8の主面に、ドライフィルム4を裏返してその主面を押し当て、主面に残った着色パターン2aをガラス基板8上に転写した。
【0032】
さらに、G、Bの各色についても、同様にしてガラス基板8上にドット状の着色パターンを形成した後、最後にベーク(ポストベーク)を行なって、R、G、Bの3色がモザイク状に配列された着色層を完成した。
【0033】
こうして得られたカラーフィルタについて、ベースフィルム1における着色塗膜2の利用効率と歩留りおよび着色パターンの寸法精度をそれぞれ調べたところ、いずれも極めて良好であった。
【0034】
そして、本実施例で得られたカラーフィルタを用いてTFT駆動の液晶表示素子を製造した。すなわち、このカラーフィルタの着色層上に、アクリル系樹脂等のオーバーコート層をスピンコート法により設け、さらに平坦化処理を施した後、ITO膜をスパッタ法により形成し、さらに配向処理を施して液晶表示素子の前面側基板とした。これをTFT駆動素子や画像電極等の貼設されたTFT基板(図示省略。)と対向するように配置し、これらの基板間に液晶組成物を挟持させて液晶表示素子を得た。このような液晶表示素子にテストパターンを表示させたところ、白ピンホールや色むら、変色などの表示画像の欠陥は見受けられず、良好な表示が実現されることが確認された。
【0035】
次に、比較のために、以下の3つの方法でそれぞれTFT−LCD用のドットマトリックスタイプのカラーフィルタを作製した。
【0036】
比較例1(顔料分散法)
まずRについて、ガラス基板上にバーコータを使用して顔料レジスト(顔料分散型レジスト)を塗布し乾燥してから、露光・現像・洗浄のフォトリソグラフィ工程を行ない、その後ベーク(ポストベーク)をしてR色のドットパターンを形成した。次いで、G、Bの各色についても同様にしてドットパターンを形成し、カラーフィルタを作製した。こうして得られたカラーフィルタについて、顔料分散型レジストの利用効率、歩留りおよび着色パターンの寸法精度をそれぞれ調べたところ、いずれも良好ではあるが、本実施例で得られたカラーフィルタより劣ることがわかった。
【0037】
比較例2(オフセット印刷法)
まずRについて、凹版に保持された顔料インキをブランケット胴の表面ゴム層に転移させ、次いでブランケット胴からガラス基板上に転写した後、ベークしてドットパターンを形成した。次いで、G、Bの各色についても同様にしてドットパターンを形成し、カラーフィルタを作製した。こうして得られたカラーフィルタについて、顔料インキの利用効率、歩留り、着色パターンの寸法精度をそれぞれ調べたところ、インキの利用効率は本実施例で得られたカラーフィルタと同等に極めて良好であるが、得られた着色パターンの寸法精度が劣り、歩留りも低かった。
【0038】
比較例3(ドライフィルムを用いた露光・現像法)
まず、感光性の顔料レジストを用い、本実施例と同様にしてR、G、B用のドライフィルムをそれぞれ作製した。次いで、R用ドライフィルムの感光性レジストをガラス基板上に転写し、露光・現像・洗浄のフォトリソグラフィ工程を行なった後ベークして、R色のドットパターンを形成した。次いで、G、Bの各色についても同様にしてドットパターンを形成し、カラーフィルタを作製した。こうして得られたカラーフィルタについて、顔料レジストの利用効率、歩留り、着色パターンの寸法精度をそれぞれ調べたところ、いずれも良好ではあるが、本実施例で得られたカラーフィルタより劣ることがわかった。特に、歩留りは大幅に低かった。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のカラーフィルタの製造方法においては、ドライフィルムの着色固化膜の不要部分が、所定のパターンを有する凹版面に転写されて除去され、着色固化膜の残りの部分が透明基板上に転写されるように構成されているので、所定パターンの着色固化膜が効率よく透明基板上に転写され、寸法精度が良好でエッジの変形やパターン形状の歪み等がない着色パターンが形成される。また、本発明の製造方法は、現像や露光のフォトファブリケーションプロセス、洗浄プロセス等をはじめとする液体処理工程を要さず、工程数が少なく簡易化されている。
【0040】
したがって、本発明の方法によれば、工程の煩雑さに起因する歩留りの悪さやコストの高さ等の問題が解消され、耐熱性、耐薬品性等が良好で寸法精度に優れたカラーフィルタを、歩留り良く製造することができる。そして、こうして得られたカラーフィルタを使用することにより、色彩特性、耐環境性に優れたカラーフラットパネルディスプレイを提供することが可能となり、特にTFT方式、STN方式に代表される液晶ディスプレイ用カラーフィルタとして好適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造方法の実施例において、ドライフィルムを製造する工程を説明するための図。
【図2】同実施例において、着色塗膜をドライフィルムからガラス基板に転写する工程を説明するための図。
【図3】同実施例において、凹版面に形成されたドット状のパターンを模式的に示す図。
【符号の説明】
2……着色塗膜
2a……着色パターン
4……ドライフィルム
6……凹版面
7……凹部
8……ガラス基板

Claims (1)

  1. 透明基板上に、少なくとも3種類の異なる色の着色層を所定の配置パターンで設けるカラーフィルタの製造方法において、
    前記各色について、着色材が分散された樹脂組成物からなる着色固化膜を主層として有するドライフィルムから、所定のパターンを有する凹版面に前記着色固化膜の不要部分を移行させて除去した後、前記ドライフィルムに残留する所定のパターンの着色固化膜を前記透明基板上に転写することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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