JP2000075121A - カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子

Info

Publication number
JP2000075121A
JP2000075121A JP24071598A JP24071598A JP2000075121A JP 2000075121 A JP2000075121 A JP 2000075121A JP 24071598 A JP24071598 A JP 24071598A JP 24071598 A JP24071598 A JP 24071598A JP 2000075121 A JP2000075121 A JP 2000075121A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
color filter
substrate
liquid crystal
colored layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24071598A
Other languages
English (en)
Inventor
Takafumi Hasegawa
隆文 長谷川
Naohiko Ishimaru
直彦 石丸
Yorisuke Ikuta
順亮 生田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP24071598A priority Critical patent/JP2000075121A/ja
Publication of JP2000075121A publication Critical patent/JP2000075121A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】インクジェット法で平坦で色純度が高いカラー
フィルタを得る。 【解決手段】画素の周囲に凸部2を形成し、それにより
区切られた凹部にインクを吹き付けして着色層を形成
し、凸部を除去する。この際、凸部の厚みHと、着色層
3の焼成後の厚みをC3 、インク中の固形分の体積割合
をs、インク中の沸点が150℃を超える溶媒成分の体
積割合をfとしたとき、0.7H≦C3 ×(s+f)/
s≦1.8Hという関係を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット方
式を用いたカラーフィルタの製造方法及びそれを用いた
液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子等のカラーフィルタの形成
方法は各種の方式が提案されている。特に、基板として
のガラス基板のセル内壁側に着色層を形成してカラーフ
ィルタを製造する方法にはいくつかの方法が知られてい
る。
【0003】例えば、着色インクをオフセット印刷法な
どによりパターン印刷し、着色層を形成する方法がある
が、印刷パターンの精細化には限界があり、生産歩留ま
りの低下などの問題がある。
【0004】また、着色された紫外線硬化性インクを基
板上に全面塗布し、決められたパターンのマスクを用い
て紫外線照射し、不要部分を洗浄溶解することによりカ
ラーフィルタパターンを作成する方法では、赤、緑、青
の三原色のカラーフィルタを作成するためには、インク
塗布、紫外線照射、現像工程をそれぞれ3回行うことを
要し、製造工程が極めて煩雑である。
【0005】その他、電着塗装法を利用したカラーフィ
ルタの製造方法では、電着塗装される部分にあらかじめ
パターン状の透明電極を作成しておき、3色のカラーフ
ィルタを製造するために、順次それぞれに対応する電極
に通電し、透明電極上にカラーフィルタ膜を形成する。
この方法では3回の電着操作を必要とするうえ、色の重
なりによる混色を防ぐ操作を要し、また、3色に対応す
る透明電極を要するため、最終的な液晶表示セルが電極
の形状の制限をうけることもある。
【0006】一方近年、開口率向上を目的に、対向基板
側ではなく能動素子基板側にカラーフィルタ層を設ける
方法が検討されている。この方法では基板が能動素子を
含むためカラーフィルタをパターニングする際のプロセ
スに制限が大きい。例えば現像液中のアルカリは能動素
子の電気的特性等に悪影響を与えることが懸念される。
【0007】これらの問題点を解決した生産性が良いカ
ラーフィルタの製造方法として、特開昭59−7520
5にはインクジェット方式で着色インクを吹き付けして
着色層を形成することが提案されている。インクジェッ
ト方式で着色を行う場合、その液滴径が数十μmであ
り、一方カラーフィルタの画素はおおむね短辺数十μ
m、長辺数百μm程度である。
【0008】このため、ガラス基板にあらかじめ画素の
周囲に凸部を形成して画素を規定する区画を設け、この
凸部により区分けされた凹部へインクジェット方式でイ
ンクを吹き付け、区画内にインクを広げることで、均一
な画素を得ることができる。また能動素子などにダメー
ジを与える懸念のある現像などの湿式のプロセスも最低
限に抑えることができる。
【0009】従来、ガラス基板に対し濡れ性の良いイン
クを用いる場合には、インクに対して濡れ性の悪い物質
であらかじめ境界となる凸部を印刷しておく方法が知ら
れている。また、ガラスに対して濡れ性の悪いインクを
使う場合には、インクとの濡れ性の良い材料であらかじ
めガラスにパターンを形成しておき、インクが定着する
のを助ける方法が提案されている。さらに、特開平6−
347637ではインクに対して画素部は濡れやすく、
遮光層は濡れにくい組み合わせを用いることが提案され
ている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インクジェッ
ト方式ではインクの粘度に制限があるので、インク中の
固形分を高めることが難しい。このため、画素の着色層
はインクを吹き付け後に、低い固形分濃度から溶媒の乾
燥過程を経て形成されるが、通常平らな基板に着色した
場合液滴はドーム状になるため、当然最終的な画素もレ
ンズ状となりやすい。
【0011】画素形状としては、色分布の点、液晶層の
厚さの均一性という観点から、画素の有効範囲内では膜
厚が均一であることが望ましく、このようなレンズ形状
は好ましくない。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、基板上に凸部を形成
し、その凸部により区切られた凹部にインクジェット方
式によってインクを吹き付けて凹部にインクを堆積させ
て着色層を形成し、凸部を除去して着色層を残すカラー
フィルタの製造方法において、凸部の厚みをHとし、着
色層の焼成後の厚みをC3 、インク中の固形分の体積割
合をs、インク中の沸点が150℃を超える溶媒成分の
体積割合をfとしたとき、0.7H≦C3 ×(s+f)
/s≦1.8Hという関係を満足するようにしたことを
特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0013】また、基板上に凸部を形成し、その凸部よ
り区切られた凹部にインクジェット方式によってインク
を吹き付けて凹部にインクを堆積させて着色層を形成
し、凸部を除去して着色層を残すカラーフィルタの製造
方法において、凸部の厚みをHとし、着色層の自然乾燥
後の厚みをC2 としたとき、0.8H≦C2 ≦2.0H
という関係を満足するようにしたことを特徴とするカラ
ーフィルタの製造方法を提供する。
【0014】また、そのインク中の固形分の体積割合を
sとし、沸点が150℃を超える溶媒成分の体積割合を
fとしたときに、0.2f≦s≦5fとされることを特
徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
【0015】また、それらのいずれかの製造方法により
製造したカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶
表示素子を提供する。
【0016】また、液晶表示素子が、基板上にスイッチ
ング素子とそれに接続された画素電極を有する能動素子
基板と、上記画素電極に対向する対向電極を有する対向
電極基板と、上記両基板に狭持された液晶物質からなる
アクティブマトリックス型液晶表示素子であり、能動素
子基板上に着色層と遮光層とが形成されていることを特
徴とする液晶表示素子を提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明のカラーフィルタの製造方
法は、ガラス基板等の基板上に凸部からなる画素を区分
けする堰をあらかじめ形成し、この堰により区切られた
凹部にインクジェット方式にて着色インクを吹き付けし
て着色層を形成し、その後凸部を取り除きカラーフィル
タを形成するものである。
【0018】図1〜図5は、本発明のカラーフィルタの
製造工程を模式的に示す断面図である。工程順に説明す
ると、図2はインク吹き付け直後の状態を示す。図3は
自然乾燥後の状態を示す。図1は焼成後の状態を示す。
図4は凸部を除去した後の状態を示す。図5はさらに遮
光層、絶縁層、導電層を形成した状態を示す。
【0019】図1〜図5において、1は基板、2は凸
部、3、4、5は凹部に形成された着色層、6は着色層
間の遮光層、7は絶縁層、8は導電層を示している。な
お、着色層4はインク吹き付け直後の溶媒がほとんど揮
発していない状態の着色層を示し、着色層5は乾燥工程
により低沸点の溶媒が揮発した状態の着色層を示し、着
色層3は焼成により溶媒がほとんど揮発した状態の着色
層を示す。
【0020】図中、Hは凸部の厚みを示している。C1
はインク吹き付け直後の溶媒がほとんど揮発していない
状態の着色層のピーク部分の厚みを示す。C2 は乾燥工
程により低沸点の溶媒が揮発した状態の着色層の平均厚
みを示す。C3 は焼成により溶媒がほとんど揮発した状
態の着色層の平均厚みを示す。
【0021】これらの図では、わかりやすくするために
凸部による堰を2〜4個、着色層を1〜3個のみ示して
いるが、これは必要な数設けられる。たとえば、ストラ
イプ状のカラーフィルタの場合であって、640画素分
必要な場合には、1画素当りRGBの3個のカラーフィ
ルタが必要なので、堰は1921個、着色層は1920
個必要になる。液晶表示素子では基板間隙の精密性から
表示を行わない表示画素の周辺までカラーフィルタパタ
ーンを形成することもあり、その場合にはもっと増え
る。
【0022】ストライプ状のパターンの場合には、その
パターン長手方向には堰が形成されなくてもよいが、画
素の周囲を完全に遮光層で囲むこともあるので、長手方
向にも堰を形成することもある。特に、モザイク状のカ
ラーフィルタの場合には、画素の周囲は遮光層で囲まれ
るので、堰で囲まれる。
【0023】通常画素と画素の間隙には、表示品位向上
のため遮光層が設けられるのが普通である。従来主流で
あった駆動素子と対向する基板にカラーフィルタを設け
る場合には、カラーフィルタ形成前にもっぱら遮光を目
的とする遮光層をパターニングし、それを堰又は堰の一
部として用い、画素を形成する例が多いが、カラーフィ
ルタを駆動素子側に設ける場合には、駆動素子の一部や
配線などが遮光層又はその一部を兼ねたり、カラーフィ
ルタ形成部分とは空間的に隔たった位置に設けられた
り、場合によっては遮光層のみ対向基板側に設けられた
りと、種々の構成が考えられる。
【0024】本発明ではこれらに対応するため、遮光層
とは全く独立に画素を形成できることが特長の一つであ
る。さらに遮光層と直接隣接するケースでも、例えば本
発明の手法により着色層を形成後、感光性樹脂を含む黒
色着色樹脂を塗布し、基板の背後から画素をマスクとし
て露光、現像し、間隙に黒色樹脂からなる遮光層を設け
る方法なども採用できる。図5はそのような方法で遮光
層を設けさらに絶縁層と導電層を形成した状態を示す。
【0025】本発明で用いられる基板には、一般的には
耐熱性の面からガラス基板が用いられる。また、この基
板には通常は透明基板を用いるが、反射性の基板や白色
に着色したような基板でも本発明は適用できる。この基
板は、必要に応じてアルカリ溶出防止用やガスバリア性
付与その他の目的の表面処理を施したものも用いうる。
また、反射性の基板の上に形成することもできる。
【0026】本発明で着色層を区切るための凸部による
堰は、基板上に線状や格子状に形成される。この堰の形
状は、それにより区切られた凹部が画素に対応するよう
にされればよい。例えば、ストライプ状のカラーフィル
タを形成する場合には線状に形成され、四角の画素に対
応させるためには格子状に形成される。これは、画素の
形状により適宜定められるので、放射状、円周状等種々
の形状も考えられる。
【0027】また、通常液晶表示素子では、高品位な画
像を得るために画素間に遮光層を設けるが、この遮光層
で遮光される部分にカラーフィルタがはみ出すことも構
成によっては差し支えなく、この場合有効な画素部分よ
り一回り大きな凹部を形成するように堰を配置しても差
し支えない。
【0028】インクジェット法でインクを吹き付けし、
着色層を形成しようとした場合、図2のように吹き付け
直後にはインクが高く盛り上がった状態になる。これは
インクが大量の溶媒を含むためである。これから乾燥工
程を経て、低沸点の溶媒が揮発すると、この着色層の高
さが低下してくる。この段階では、まだ大量の溶媒が存
在しているので、溶媒の揮発に伴い着色層の高さは減少
してきて、中央部の凸形状も是正されてくる。
【0029】ここで、焼成前の自然乾燥工程後の着色層
の厚みC2 をうまく調整してやれば、焼成後の着色層が
ほぼ平坦化される。この焼成前の着色層が平坦である
と、焼成時には固形分濃度が高く粘性が高くなっている
ので、ほぼその平坦性が保たれたまま厚みが平均して減
少して行き、焼成した後も平坦になりやすいことが分か
った。このためには、焼成前の自然乾燥工程後の着色層
の厚みC2 がC2 ≒1.0Hとすることが好ましい。
【0030】この許容範囲としては、C2 <1.0Hの
側では、0.8H≦C2 の範囲であれば、画素の着色層
の中央はあまりへこまないので、ほぼ平坦性が保たれ
る。また、この焼成前の自然乾燥工程後の着色層は凸の
方が凹の場合よりも許容範囲が広いので、C2 ≦2.0
Hの範囲であれば、やはり焼成後に着色層はほぼ平坦に
なる。
【0031】なお、本発明でいう自然乾燥とは、100
℃を超えるような焼成温度での焼成前の乾燥を意味す
る。このため、通常は室温程度で10〜60分程度での
自然乾燥ではあるが、乾燥時間を短縮するためにたとえ
ば60℃程度に加温することも可能である。
【0032】しかし、本発明では徐々に温度を上げてゆ
き乾燥から焼成に移っていくような工程を採りうる。こ
のような場合には、自然乾燥の工程が明確に識別されな
いので、インク中の固形分の体積割合sと沸点が150
℃を超える溶媒成分の体積割合fとが、0.7H≦C3
×(s+f)/s≦1.8Hという関係を満足するよう
に設定する。前記の自然乾燥の条件を満たす場合にも、
0.7H≦C3 ×(s+f)/s≦1.8Hという関係
を満たすようにされることが好ましい。
【0033】この範囲が、前記したC2 の範囲よりもや
や低い値になっているのは、通常の自然乾燥では高沸点
でない溶媒の一部の溶媒が着色層に残るため、自然乾燥
後の着色層の厚みはインク中の固形分の体積割合sと高
沸点溶媒成分の体積割合fとの計算値よりもやや厚くな
るためである。なお、このインク中の固形分の体積割合
sは、焼成後に残る固形分の体積割合を意味する。
【0034】これにより、焼成前の自然乾燥工程後の着
色層の厚みC2 を0.8H≦C2 ≦2.0Hとしやす
い。上記範囲にすることにより、焼成後の着色層をほぼ
平坦にすることができる。これもC3 ×(s+f)/s
<0.7Hの場合には、画素の着色層の中央が凹になり
やすい。また、この場合も着色層は凸の方が凹の場合よ
りも許容範囲が広いが、1.8<C3 ×(s+f)/s
の場合には、やはり着色層の中央が凸になりやすい。
【0035】本発明における凸部は、インクジェット法
によりインクを吹き付けて着色層を形成するときには設
けられているが、最終的には取り除かれる。このため、
遮光、非遮光を問わず用いることができる。この凸部の
形成方法としては、ネガ型の感光性材料又はポジ型感光
性材料を用いて露光現像する方法等種々の方法が使用で
きる。
【0036】凸部の除去は、インクを吹き付けして着色
層を形成し、その着色層がほぼ流れなくなった後に行わ
れればよい。具体的には、加熱乾燥により高沸点溶媒も
含めて溶媒がほぼ揮発した後又は着色層が焼成された後
に除去されることが好ましい。この除去される時期は、
着色層の形状の維持性(流れにくさ)と凸部の剥離工程
での薬品等による着色層の減損を考慮して決めればよ
い。
【0037】この凸部を、ポジ型レジストを用いて形成
しておけば、剥離工程ではポジ型レジスト側から光を照
射してこの凸部を容易に剥離できるので、好ましい。
【0038】本発明では、基本的には以下のような工程
を採ることが好ましい。
【0039】(1)基板に凸部形成用のレジストを塗布
する工程 (2)レジストをパターニングして、レジストによる凸
部を形成する工程 (3)インクジェット法によりインクを吹き付けして着
色層を形成する工程 (4)凸部を剥離する工程
【0040】この凸部は、インクジェット法により着色
層を形成後、除去するので、容易に剥離することができ
ることが好ましい。このことからパターニングの容易さ
と剥離の容易さを兼ね備えたポジ型感光性樹脂を用いる
ことが好ましい。
【0041】本発明における凸部は、インクジェット法
によってインクを吹き付けする際に、吹き付けたインク
が他の画素に流れ込んだり滲んだりすることを防止する
役割を果たす。
【0042】また、隣接画素への混色や、凸部の上面に
インクが残存することを防ぐために、凸部の上面を撥イ
ンク性にすることが好ましい。その撥インク性は、その
着色に用いるインクとの接触角が70°以上のときに、
隣接画素へのインクの流出や凸部上へのインクの残存を
防止しやすく好ましい。
【0043】凸部に撥インク性を付与する方法として
は、処理剤によって撥インク処理をした後、フォトリソ
などの方法で凸部をパターニングする方法が好ましい。
これには種々の方法を採りうるが、前述の凸部の好まし
い形成方法との組み合わせで、以下のような工程が好ま
しく用いられうる。
【0044】(1)基板に凸部形成用のポジ型レジスト
を塗布する工程 (2)ポジ型レジスト上に撥インク処理剤を塗布する工
程 (3)フォトマスクを用い、露光し現像することによ
り、ポジ型レジストをパターニングして、ポジ型レジス
トによる凸部を形成する工程 (4)インクジェット法によりインクを吹き付けして着
色層を形成する工程 (5)ポジ型レジスト層側より全面に露光する工程 (6)ポジ型レジストによる凸部を剥離する工程
【0045】この撥インク処理剤としては、特に限定さ
れないが、水性インクを用いた場合、たとえば下記式1
で表される化合物、下記式2で表されるモノマー、下記
式2で表されるモノマーに基づく重合単位を含むポリマ
ーが挙げられる。
【0046】 Rf −Si−X123 ・・・式1 CH2 =CZCOO(CH2nF ・・・式2
【0047】式1、式2において、各記号は以下の意味
を示す。 Rf :フッ素原子を含む炭化水素基。 X1 、X2 、X3 :それぞれ独立に、水酸基、メチル
基、炭素数が1〜3のアルコキシ基、イソシアネート
基、又は塩素原子。 Zは水素原子又はメチル基。 RF :パーフルオロアルキル基。 n:1〜10の整数。
【0048】本発明では、インクジェット法によりイン
クを吹き付けて着色層を形成する。インクジェット法と
しては、帯電したインクを連続的に噴射し、電場によっ
て制御する方法、圧電素子を用いて間欠的にインクを噴
射する方法、インクを加熱しその発泡を利用して間欠的
に噴射する方法等、各種の方法を採用できる。
【0049】用いるインクは油性、水性ともに使用でき
るが、表面張力の関係から水をベースにした水系インク
の使用がより好ましい。また、そのインクに含まれる着
色材は染料、顔料ともに使用でき、耐久性の面からは顔
料の使用がより好ましい。
【0050】本発明のインクには、着色後の工程を考慮
し、加熱によって硬化する又は紫外線などのエネルギー
線によって硬化する成分を添加することもできる。特
に、本発明では画素部形成後に凸部を除去する必要があ
るので、凸部の除去時に画素部が溶解、剥離、膨潤しな
いように、凸部の除去を阻害しない程度の低温で硬化す
ることが好ましい。
【0051】硬化する成分としては、各種の熱硬化性樹
脂が広く用いられ、またエネルギー線によって硬化する
成分としては、たとえばアクリレート誘導体又はメタク
リレート誘導体に光反応開始剤を添加したものを例示で
きる。光硬化性樹脂を用いた場合には、ポジ型レジスト
の剥離性を上げるための露光と着色層の硬化を一度の露
光で同時に達成でき、特に好ましい。
【0052】また、基板、特にガラス面との密着性を確
保するためにシランカップリング剤(たとえばγ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン)を加えることも
効果がある。これらのアクリレート誘導体、メタクリレ
ート誘導体などは水溶性のものが好ましく、水に難溶性
のものでもエマルション化するなどして使用できる。
【0053】本発明における焼成とは、熱硬化性樹脂を
用いた場合には、高沸点溶媒の除去と樹脂の硬化を温度
を昇温しながら同時に行うことを意味する。また、光硬
化性樹脂を用いた場合にも、高沸点溶媒の除去のために
加熱を行うので、これを意味する。
【0054】本発明では、インクジェット法で通常はR
GB3色のインクを吹き付けて3色の着色層を形成す
る。この着色層によるカラーフィルタは、液晶表示素
子、電気泳動表示素子、エレクトロクロミック表示素
子、PLZT等と組合せて表示素子として用いられる。
カラーカメラやその他のカラーフィルタを用いる用途に
も使用できる。
【0055】図6は、インクジェット法でカラーフィル
タを製造する装置の代表的な例の正面図である。
【0056】図6において、11はインクジェットヘッ
ド、12はガイドレール、13は着色層を形成する基
板、14は基板を載置するスライドテーブル、15はス
ライドテーブルの基台を示す。
【0057】凸部を形成した基板13をスライドテーブ
ル14の上におき、インクジェットヘッド11がガイド
レール12に沿って移動し(図の左右方向)、スライド
テーブル14がそれに直交する方向(図の奥行き方向)
に移動して、走査を行う。もちろん、インクジェットヘ
ッド自体が図の左右及び図の奥行き方向に移動して走査
するような装置であってもよい。
【0058】図7は、液晶表示素子に使用した場合の例
を示す模式的な断面図である。図7において、21は基
板、22は遮光層、23は着色層、24はその表面を覆
う樹脂等による絶縁層、25はIn23 −SnO2
(ITO)、SnO2 等の導電層、26はポリイミド、
ポリアミド、SiO等の配向膜、27は他方の基板、2
8は他方の電極、29は配向膜、30はその電極間に挟
まれる液晶層である。必要に応じて、この液晶セルの外
側に偏光膜、反射板、位相差板、光源等を配置して液晶
表示素子として用いうる。
【0059】本発明では、図7の例で絶縁層24を設け
ずに直接導電層25を着色層23の上に形成してもよい
し、導電層25、28と配向膜26、29との間にSi
2、TiO2 等の絶縁層を介在させたり、各画素に能
動素子を配置したり、反射膜や反射電極を形成したりす
る等公知の液晶表示素子に使用されている構成を採って
もよい。
【0060】
【実施例】例1 ガラス基板に、ポジ型レジスト(東京応化社製「PME
R P−6030」)を3.0μmとなるよう塗布し、
さらに式3で表される撥インク処理剤をパーフルオロ
(2−ブチルテトラヒドロフラン)で、0.1重量%に
希釈し、ポジレジスト膜上にスピンコート法により塗布
した。次いでマスクを用いて露光し現像して、凸部を形
成した。
【0061】この凸部(H=3.0μm)を形成した基
板に、インクジェット法により表1に示す組成のインク
1で焼成後の平均膜厚が1μmとなるように吹き付け
た。次いで、30分自然乾燥を行い、さらに150℃で
乾燥した。その後、凸部側全体に紫外線露光し、水酸化
ナトリウム溶液に浸漬し、ポジ型レジストを剥離して凸
部を除去した。この基板を最終的に230℃1時間焼成
しカラーフィルタ基板を得た。この結果を表2に示す。
【0062】着色層の焼成後の厚みC3 =1.0μm、
インク中の焼成後の固形分(顔料+樹脂+光硬化剤+シ
ラン)の体積割合s:沸点が150℃を超える溶媒成分
(高沸点溶媒)の体積割合f≒5.3:8.9であり、
H=3.0μmであるので、C3 ×(s+f)/sをH
0 と定義するとき、H0 =2.7μmとなり、0.7H
≦C3 ×(s+f)/s≦1.8Hという関係を満足し
た。
【0063】また、着色層の自然乾燥後の厚みC2
3.1μmであり、0.8H≦C2 ≦2.0Hという関
係も満した。
【0064】
【化1】
【0065】例2〜4 例1において用いるインクを表1のインク2、インク
3、インク4に変更した他は例1と同様にしたものをそ
れぞれ例2、例3、例4とした。結果を表2に示す。
【0066】例5 ポジ型レジストの膜厚を2.2μmとした以外は例3と
同様にしたものを例5とした。その結果を表2に示す。
【0067】例6 例4においてインクジェット法により着色層を形成した
後の加熱乾燥を180℃としたものを例6とした。その
結果を表2に示す。
【0068】例7(比較例) ポジ型レジストの膜厚を1.0μmとした以外は例3と
同様にしたものを例7とした。その結果を表2に示す。
【0069】
【表1】
【0070】なお、表1中の高沸点溶媒は150℃以上
の沸点を有する溶媒であり、GLはグリセリン(沸点2
90℃)を、EGはエチレングリコール(沸点197
℃)を、MEAはモノエタノールアミン(沸点170.
5℃)を表す。熱硬化性樹脂のはスチレン−アクリル酸
樹脂を、光硬化性樹脂は2−ヒドロキシエチルアクリレ
ートを表す。シランはγ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランを表す。
【0071】
【表2】
【0072】なお、表2中、平坦性は着色層の平坦性
を、剥離性は凸部(ポジ型レジスト)の剥離のし易さ
を、画素耐性は画素部の着色層が凸部の剥離時に一緒に
剥離されないかどうかの度合いを表し、◎は特に良好な
もの、○は良好、△は可、×は不良を示す。また、H、
0 、C2 の単位はμmである。
【0073】例8 例3のカラーフィルタの着色層の間の空隙部(凸部を除
去した後)に黒色レジストを充填して硬化させて遮光層
を形成した。この上にITOを形成し、それをパターニ
ングし、さらに樹脂の配向膜を形成し、ラビングして第
1の基板を形成した。次いで、ガラス基板上にITOを
形成し、それをパターニングし、さらに樹脂の配向膜を
形成し、ラビングして第2の基板を形成した。この第1
の基板と第2の基板とを電極面が相対向するように配置
して、周辺をシールして空セルを形成した。
【0074】この空セル内にネマチック液晶を注入し、
注入口を封止して液晶セルを形成した。この液晶セルの
両側に位相差板と偏光板を配置してFSTN型の液晶表
示素子を製造した。この液晶表示素子は美しいカラー表
示が可能であった。
【0075】
【発明の効果】本発明は、着色層を形成する画素の周囲
に凸部を形成して、生産性の良いインクジェット方式で
インクを吹き付けし、その後に凸部を除去する工程を採
り、その際に凸部の高さと特定のインクとを用いること
により、色の分離性が良く、かつ平坦性の良いカラーフ
ィルタを容易に得ることができる。
【0076】インク吹き付け時には、凸部により高い堰
が形成され、吹き付けられたインクが堰を越えて隣接画
素に流れ込みにくい。特に、凸部の上部を撥インク処理
しておくことにより、より流れ込みにくくなる。これに
より、溶媒比率が高いインクを用いても吹き付けが容易
になり、インクジェットヘッドの目詰まりを生じにくく
なり、生産性が上がる。
【0077】また、インクを吹き付けし、乾燥焼成して
後、凸部は除去されるので、後で遮光層を着色層とがほ
ぼ同じ高さになるように形成すれば、着色層の表面が平
坦になり、かつ遮光層と着色層とがほぼ同じ高さにでき
るので、全体の平坦性を極めて良くすることができる。
これにより、このカラーフィルタを用いて液晶表示素子
に組んだ時に、基板間隙が精密になり美しいカラー画像
が得られる。
【0078】本発明は、本発明の効果を損しない範囲内
で種々の応用が可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラーフィルタの製造工程で焼成後の
状態を示す断面図。
【図2】本発明のカラーフィルタの製造工程でインク吹
き付け直後の状態を示す断面図。
【図3】本発明のカラーフィルタの製造工程で自然乾燥
後の状態を示す断面図。
【図4】本発明のカラーフィルタの製造工程で凸部を除
去した状態を示す断面図。
【図5】本発明のカラーフィルタ上に導電層を形成した
状態を示す断面図。
【図6】本発明のカラーフィルタの製造方法に用いる製
造装置の例の正面図。
【図7】本発明によるカラーフィルタを用いて液晶表示
素子にした例の断面図。
【符号の説明】
1 :基板 2 :凸部 3、4、5:着色層 6 :遮光層 7 :絶縁層 8 :導電層
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FB01 FB08 2H048 BA64 BB02 BB42 2H091 FA02Y FA34Y FC01 GA13 LA12 LA15 LA30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に凸部を形成し、その凸部により区
    切られた凹部にインクジェット方式によってインクを吹
    き付けて凹部にインクを堆積させて着色層を形成し、凸
    部を除去して着色層を残すカラーフィルタの製造方法に
    おいて、凸部の厚みをHとし、着色層の焼成後の厚みを
    3 、インク中の固形分の体積割合をs、インク中の沸
    点が150℃を超える溶媒成分の体積割合をfとしたと
    き、0.7H≦C3 ×(s+f)/s≦1.8Hという
    関係を満足するようにしたことを特徴とするカラーフィ
    ルタの製造方法。
  2. 【請求項2】基板上に凸部を形成し、その凸部より区切
    られた凹部にインクジェット方式によってインクを吹き
    付けて凹部にインクを堆積させて着色層を形成し、凸部
    を除去して着色層を残すカラーフィルタの製造方法にお
    いて、凸部の厚みをHとし、着色層の自然乾燥後の厚み
    をC2 としたとき、0.8H≦C2 ≦2.0Hという関
    係を満足するようにしたことを特徴とするカラーフィル
    タの製造方法。
  3. 【請求項3】インク中の固形分の体積割合をsとし、沸
    点が150℃を超える溶媒成分の体積割合をfとしたと
    きに、0.2f≦s≦5fとされることを特徴とする請
    求項1又は2記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか記載の製造方法に
    より製造したカラーフィルタを用いたことを特徴とする
    液晶表示素子。
  5. 【請求項5】液晶表示素子が、基板上にスイッチング素
    子とそれに接続された画素電極を有する能動素子基板
    と、上記画素電極に対向する対向電極を有する対向電極
    基板と、上記両基板に狭持された液晶物質からなるアク
    ティブマトリックス型液晶表示素子であり、能動素子基
    板上に着色層と遮光層とが形成されていることを特徴と
    する請求項4記載の液晶表示素子。
JP24071598A 1998-08-26 1998-08-26 カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子 Pending JP2000075121A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24071598A JP2000075121A (ja) 1998-08-26 1998-08-26 カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24071598A JP2000075121A (ja) 1998-08-26 1998-08-26 カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000075121A true JP2000075121A (ja) 2000-03-14

Family

ID=17063639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24071598A Pending JP2000075121A (ja) 1998-08-26 1998-08-26 カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000075121A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001007941A1 (fr) * 1999-07-28 2001-02-01 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede de fabrication d'un filtre colore, filtre colore et dispositif a cristaux liquides
JP2002055221A (ja) * 2000-08-11 2002-02-20 Canon Inc 光学素子とその製造方法、液晶素子
US7014521B1 (en) 1999-08-05 2006-03-21 Canon Kabushiki Kaisha Display panel having a color filter and a protective layer of heat melted material and method of manufacturing the display panel
US7055932B2 (en) 2002-03-19 2006-06-06 Seiko Epson Corporation Method of filling liquid into function liquid droplet ejection head, and ejection apparatus; method of manufacturing LCD device, organic EL device, electron emission device, PDP device, electrophoretic display device, color filter, and organic EL; and method of forming spacer, metallic wiring, lens, resist, and light diffusion member

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001007941A1 (fr) * 1999-07-28 2001-02-01 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Procede de fabrication d'un filtre colore, filtre colore et dispositif a cristaux liquides
US7014521B1 (en) 1999-08-05 2006-03-21 Canon Kabushiki Kaisha Display panel having a color filter and a protective layer of heat melted material and method of manufacturing the display panel
JP2002055221A (ja) * 2000-08-11 2002-02-20 Canon Inc 光学素子とその製造方法、液晶素子
JP4521949B2 (ja) * 2000-08-11 2010-08-11 キヤノン株式会社 光学素子の製造方法及び液晶素子の製造方法
US7055932B2 (en) 2002-03-19 2006-06-06 Seiko Epson Corporation Method of filling liquid into function liquid droplet ejection head, and ejection apparatus; method of manufacturing LCD device, organic EL device, electron emission device, PDP device, electrophoretic display device, color filter, and organic EL; and method of forming spacer, metallic wiring, lens, resist, and light diffusion member

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09230129A (ja) カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子
JPH09203803A (ja) カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子
JP3190219B2 (ja) 液晶用カラーフィルターの製造方法及び液晶用カラーフィルター及び該カラーフィルターを具備する液晶パネル
JP2000035511A (ja) カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子
JPH11194211A (ja) カラーフィルタ基板とその製造方法、該基板を用いた液晶素子
JP2001183513A (ja) カラーフィルタおよびその製造方法、カラー液晶表示装置
JP4138130B2 (ja) カラーフィルターの製造方法および液晶表示装置の製造方法
JP2000180841A (ja) 液晶表示素子の製造方法
JP4065475B2 (ja) カラーフィルタの製造方法、この製造方法で製造されたカラーフィルタを用いた液晶素子及びインクジェットヘッド
JPH08227012A (ja) カラーフィルタの製造方法
JP2000075121A (ja) カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子
JPH09127327A (ja) カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子
JPH10123315A (ja) カラーフィルターの製造方法
JP2002341128A (ja) カラーフィルターおよび液晶表示素子の製造方法
JPH10115703A (ja) カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子
JPH0895024A (ja) カラーフィルター、その製造方法、及び同カラーフィルターを組込んだ液晶表示パネル
JP2000009918A (ja) カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子
JP2001154008A (ja) カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子
JP3576288B2 (ja) カラーフィルタの製造方法
JP2001183514A (ja) カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子
JPH10186123A (ja) カラーフィルタの製造方法及びカラーフィルタ
JP3644118B2 (ja) カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子
JP3692631B2 (ja) カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子
JP2003161824A (ja) カラーフィルタ及びそのオーバーコート形成方法及びこれを用いた液晶表示素子
JPH1062617A (ja) カラーフィルタの製造方法及びそれを用いた液晶表示素子