JP3576141B2 - 通信確立方法、リーダライタ、非接触icカード、通信確立プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

通信確立方法、リーダライタ、非接触icカード、通信確立プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカードとリーダライタを有してなる非接触ICカードシステムで用いられる技術であって、ICカードとリーダライタ、リーダライタ相互の間において異なる通信インターフェイスが含まれていても、その間における通信の確立を効率的に行う通信確立方法、リーダライタ、非接触ICカード、通信確立プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ICチップを内蔵したカードであってリーダライタと非接触で通信する非接触ICカードは、カードという構造的条件などによって機能面での技術的な制約が多く存在していた。そして、非接触ICカードとリーダライタからなる従来の非接触ICカードシステムは、単一の通信インターフェイスを備え、その通信インターフェイスに対応した非接触ICカード及びリーダライタの間、リーダライタ相互間でのみ通信することが可能であった。
【0003】
また、非接触ICカードシステムの製造業者の違いにより多くの通信インターフェイスが存在しており、通信インターフェイスが異なるシステム間(非接触ICカードとリーダライタ間、リーダライタ相互間)では相互に通信することができない状態であった。近年、通信インターフェイスについて国際的に標準化しようとする機運が高まり、現在では、いくつかの通信インターフェイスに関しては標準化作業が進行中である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、ICカードシステムの利用拡大及びIC製造技術の向上に伴なって、非接触ICカードで用いられるICチップの機能が向上してきたため、複数の通信インターフェイスに対応することが出来るICカード用ICチップが実現できる可能性がでてきた。
【0005】
しかしながら、このような複数の通信インターフェイスに対応可能な非接触ICカードとリーダライタとの間の通信では、製造業者の違いや設計者の設計思想の違いにより、通信接続を確立する過程である初期接続過程での通信のタイミングの取り方が問題となって、効率良く通信接続の確立をすることができない可能性がある。
【0006】
即ち、非接触ICカードが複数の通信インターフェイスに対応可能であって、リーダライタも複数の通信インターフェイスに対応可能であり、相互に共通の通信インターフェイスを持つ非接触ICカードシステムを開発しても、初期接続過程において送信信号(通信要求命令)の通信インターフェイスと、受信側の通信インターフェイスが一致しなければ通信接続を確立することができず、その通信インターフェイスを一致させるのに長時間かかってしまう、又は通信接続の確立が不成功となる、あるいは複雑で大規模なシステムを開発しなければならないという問題点が生じる可能性がある。
【0007】
ここにおいて、本発明の解決すべき主要な目的は以下の通りである。
即ち、本発明の第1の目的は、複数の通信インターフェイスに対応することが可能な非接触ICカードとリーダライタとの間において、効率良く通信接続の確立をすることを可能とする通信確立方法、リーダライタ、非接触ICカード、通信確立プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供せんとするものである。
【0008】
本発明の第2の目的は、複数の通信インターフェイスに対応することが可能な非接触ICカードとリーダライタとの間において、通信の初期接続過程における通信インターフェイスの不一致を回避して、効率良く通信接続の確立をすることを可能とする通信確立方法、リーダライタ、非接触ICカード、通信確立プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供せんとするものである。
【0009】
本発明の第3の目的は、通信インターフェイスの切替機能を有して、複数の通信インターフェイスに対応することが可能な非接触ICカードとリーダライタとの間において、通信の初期接続過程における通信インターフェイスの不一致を回避して、効率良く通信接続の確立をすることを可能とする通信確立方法、リーダライタ、非接触ICカード、通信確立プログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体を提供せんとするものである。
【0010】
本発明の他の目的は、明細書、図面、特に、特許請求の範囲における各請求項の記載から自ずと明らかとなろう。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明方法は、上記課題の解決に当たり、通信接続を確立する過程において、逐次に通信インターフェイスを切替え、各通信インターフェイスで通信要求命令を逐次送信するときに、各通信要求命令を送信する時の時間間隔を変更する構成手法を講じる特徴を有する。
【0012】
本発明装置は、上記課題の解決に当たり、非接触ICカード又は非接触ICカードのリーダライタをなすものであって、複数の通信インターフェイスと、通信インターフェイスを切替える手段と、通信インターフェイスを切替える時間間隔を変更する手段と、を有してなる構成手段を講じる特徴を有する。
【0013】
本発明プログラムは、上記課題の解決に当たり、通信インターフェイスを逐次切替える切替手順と、当該切替手順で切替えられた通信インターフェイスによって通信要求命令を逐次に送信する送信手順と、当該送信手順で前記通信要求命令を出す時間間隔を変更する時間間隔変更手順とを、非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に実行させる構成手順を講じる特徴を有する。
【0014】
本発明記録媒体は、上記課題の解決に当たり、通信インターフェイスを逐次切替える切替手順と、当該切替手順で切替えられた通信インターフェイスによって通信要求命令を逐次に送信する送信手順と、当該送信手順で前記通信要求命令を出す時間間隔を変更する時間間隔変更手順とによるプログラムを記録媒体に実録した構成手続を講じる特徴を有する。
【0015】
更に、具体的詳細に述べると、当該課題の解決では、本発明が次に列挙する上位概念から下位概念にわたる新規な特徴的構成手法、手段、手順又は手続を採用することにより、上記目的を達成するように為される。
【0016】
即ち、本発明方法の第1の特徴は、自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立するための通信確立方法であって、前記初期接続過程において、前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方が、該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に保持された選択確率に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替処理と、この切替処理で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、所定の切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信処理と、この送受信処理が実施されるたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断する判断処理と、この判断処理において前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記選択確率を所定割合増加させて保持する通信確立後切替処理とを有してなる、通信確立方法の構成採用にある。
【0017】
本発明方法の第2の特徴は、自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立するための通信確立方法であって、前記初期接続過程において、前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方が、該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替処理と、この切替処理で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に保持された該当する切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信処理と、この送受信処理が実施されるたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断する判断処理と、この判断処理において前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記切替待ち時間を所定時間長くして保持する通信確立後切替処理とを有してなる、通信確立方法の構成採用にある。
【0018】
本発明方法の第3の特徴は、自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立するための通信確立方法であって、前記初期接続過程において、前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方が、該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替処理と、この切替処理で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信処理と、前記切替処理が実施されるたびに、該当する前記切替待ち時間を乱数を用い変化させて設定する処理とを有してなる、通信確立方法の構成採用にある。
【0019】
本発明方法の第4の特徴は、自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立するための通信確立方法であって、前記初期接続過程において、前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方が、該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替処理と、この切替処理で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信処理と、前記初期接続過程を経るたびに、全ての前記切替待ち時間を乱数を用いて一括変化させて設定する処理とを有してなる、通信確立方法の構成採用にある。
【0020】
本発明装置の第1の特徴は、自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくとも非接触ICカードを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能なリーダライタであって、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎の選択確率を保持する選択確率リストと、前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、前記選択確率リストに保持された前記選択確率に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、所定の切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、前記通信要求命令の送信又は受信のたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断し、前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手段の処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記選択確率を所定割合増加させて前記選択確率リストに保持するよう構成されてなる、リーダライタの構成採用にある。
【0021】
本発明装置の第2の特徴は、自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくとも非接触ICカードを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能なリーダライタであって、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎の切替待ち時間を保持する切替待ち時間リストと、前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記切替待ち時間リストに保持された該当する前記切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、前記通信要求命令の送信又は受信のたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断し、前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手段の処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記切替待ち時間を所定時間長くして前記切替待ち時間リストに保持するよう構成されてなる、リーダライタの構成採用にある。
【0022】
本発明装置の第3の特徴は、自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくとも非接触ICカードを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能なリーダライタであって、前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、前記切替手段の処理が実施されるたびに、該当する前記切替待ち時間を乱数を用い変化させて設定するよう構成されてなる、リーダライタの構成採用にある。
【0023】
本発明装置の第4の特徴は、自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくとも非接触ICカードを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能なリーダライタであって、前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、前記初期接続過程を経るたびに、全ての前記切替待ち時間を乱数を用いて一括変化させて設定するよう構成されてなる、リーダライタの構成採用にある。
【0024】
本発明装置の第5の特徴は、自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくともリーダライタを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能な非接触ICカードであって、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎の選択確率を保持する選択確率リストと、前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、前記選択確率リストに保持された前記選択確率に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、所定の切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、前記通信要求命令の送信又は受信のたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断し、前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手段の処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記選択確率を所定割合増加させて前記選択確率リストに保持するよう構成されてなる、非接触ICカードの構成採用にある。
【0025】
本発明装置の第6の特徴は、自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくともリーダライタを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能な非接触ICカードであって、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎の切替待ち時間を保持する切替待ち時間リストと、前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記切替待ち時間リストに保持された該当する前記切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、前記通信要求命令の送信又は受信のたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断し、前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手段の処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記切替待ち時間を所定時間長くして前記切替待ち時間リストに保持するよう構成されてなる、非接触ICカードの構成採用にある。
【0026】
本発明装置の第7の特徴は、自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくともリーダライタを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能な非接触ICカードであって、前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、前記切替手段の処理が実施されるたびに、該当する前記切替待ち時間を乱数を用い変化させて設定するよう構成されてなる、非接触ICカードの構成採用にある。
【0027】
本発明装置の第8の特徴は、自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくともリーダライタを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能な非接触ICカードであって、前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、前記初期接続過程を経るたびに、全ての前記切替待ち時間を乱数を用いて一括変化させて設定するよう構成されてなる、非接触ICカードの構成採用にある。
【0028】
本発明プログラムの第1の特徴は、自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立させるために、当該非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に導入して使用される通信確立プログラムであって、当該通信確立プログラムが、該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に保持された選択確率に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手順と、この切替手順で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、所定の切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手順と、この送受信手順が実行されるたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断する判断手順と、この判断手順において前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手順に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記選択確率を所定割合増加させて保持する通信確立後切替手順とを、該当する前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に実行させてなる、通信確立プログラムの構成採用にある。
【0029】
本発明プログラムの第2の特徴は、自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立させるために、当該非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に導入して使用される通信確立プログラムであって、当該通信確立プログラムが、該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手順と、この切替手順で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に保持された該当する切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手順と、この送受信手順が実行されるたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断する判断手順と、この判断手順において前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手順に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記切替待ち時間を所定時間長くして保持する通信確立後切替手順とを、該当する前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に実行させてなる、通信確立プログラムの構成採用にある。
【0030】
本発明プログラムの第3の特徴は、自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立させるために、当該非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に導入して使用される通信確立プログラムであって、当該通信確立プログラムが、該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手順と、この切替手順で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手順と、前記切替手順が実行されるたびに、該当する前記切替待ち時間を乱数を用い変化させて設定する手順とを、該当する前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に実行させてなる、通信確立プログラムの構成採用にある。
【0031】
本発明プログラムの第4の特徴は、自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立させるために、当該非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に導入して使用される通信確立プログラムであって、当該通信確立プログラムが、該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手順と、この切替手順で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手順と、前記初期接続過程を経るたびに、全ての前記切替待ち時間を乱数を用いて一括変化させて設定する手順とを、該当する前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に実行させてなる、通信確立プログラムの構成採用にある。
【0032】
本発明記録媒体の第1の特徴は、上記本発明プログラムの第1、第2、第3又は第4の特徴における通信確立プログラムをコンピュータ読取り可能に記録してなる、通信確立プログラムを記録した記録媒体の構成採用にある。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を装置例、方法例、記録媒体例及びプログラム例につき説明する。
【0034】
なお、本発明は、リーダライタと非接触ICカードとの間での通信を確立する際に、通信要求命令を出す時間間隔を可変にするものであるが、本実施形態では、リーダライタから非接触ICカードに向けて通信要求命令を出す形態を挙げて説明するも、本発明はこれ等に限定されるものではなく非接触ICカードからリーダライタに向けて通信要求命令を出す形態にも適用出来る。
【0035】
(装置例)
図1は、本発明の装置例を示す非接触ICカードシステムの概念模式図である。
図中、1はリーダライタ、2は非接触ICカードである。リーダライタ1は、非接触ICカード2に向けて電力(パワー)とデータを送出する。非接触ICカードは、リーダライタ1から電力の供給を受けるとともに、リーダライタ1から送出されたデータに応答するデータをリーダライタ1に送出する。そして、リーダライタ1と非接触ICカード2との間で通信をする。
【0036】
ここで、リーダライタ1は、複数種類の非接触ICカード2と通信することが可能なものである。即ち、非接触ICカードシステムの製造業者の違いにより、相互に異なる通信インターフェイスを持つ複数の非接触ICカード2それぞれに対して、リーダライタ1は通信することが出来るものである。
【0037】
図2は、同上のリーダライタ1及び非接触ICカード2の要部概念ブロック図である。
リーダライタ1は、各種の非接触ICカード2と通信するために備えられた複数の通信インターフェイス11と、送受信内容についての情報処理をする情報処理部12と、通信インターフェイス11を逐次切替える切替手段13と、送信手段(受信手段)15と、送信手段(受信手段)15を制御する時間間隔変更手段14と、初期値設定手段16とを有している。
【0038】
ここで、送信手段(受信手段)15は、非接触ICカード2との通信接続の確立をするための信号である通信要求命令を、切替手段13によって逐次切替えられる通信インターフェイス11で、当該切替毎に、逐次送信するものである。そして、時間間隔変更手段14は、送信手段(受信手段)15が通信要求命令を送信する時間間隔を変更するものである。
【0039】
また、送信手段(受信手段)15は、複数の通信要求命令の送信を1単位にした通信要求命令群として、逐次送信するものとしてもよい。そして、時間間隔変更手段14は、送信手段(受信手段)15が通信要求命令群を送信する時間間隔を変更するものとしてもよい。
【0040】
初期値設定手段16は、時間間隔変更手段14において変更される通信要求命令又は通信要求命令群の時間間隔の初期値を、リーダライタ1に固有の識別情報(例えば、識別番号あるいはID番号)に基づいて設定するものである。
【0041】
非接触ICカード2は、各種のリーダライタ1と通信するために備えられた複数の通信インターフェイス21と、送受信内容についての情報処理をする情報処理部22と、通信インターフェイス21を逐次切替える切替手段23と、送信手段(受信手段)25と、送信手段(受信手段)25を制御する時間間隔変更手段24と、初期値設定手段26とを有している。
【0042】
ここで、非接触ICカード2は、時間間隔変更手段24及び初期値設定手段26は備えず、複数の通信インターフェイス21と、情報処理部22と、切替手段23と、送信手段(受信手段)25を備えるものとしてもよい。
【0043】
送信手段(受信手段)25は、リーダライタ1との通信接続の確立をするための信号である通信要求命令を、切替手段23によって逐次切替えられる通信インターフェイス21で、当該切替毎に、逐次送信するものである。そして、時間間隔変更手段24は、送信手段(受信手段)25が通信要求命令を送信する時間間隔を変更するものである。
【0044】
また、送信手段(受信手段)25は、複数の通信要求命令の送信を1単位にした通信要求命令群として、逐次送信するものとしてもよい。そして、時間間隔変更手段24は、送信手段(受信手段)25が通信要求命令群を送信する時間間隔を変更するものとしてもよい。
【0045】
初期値設定手段26は、時間間隔変更手段24において変更される通信要求命令又は通信要求命令群の時間間隔の初期値を、非接触ICカード2に固有の識別情報(例えば、識別番号あるいはID番号)に基づいて設定するものである。
【0046】
(方法例1)
図3は、前記装置例における通信接続過程のタイミングチャートである。
前記装置例では、1台のリーダライタ1について、複数の非接触ICカード2が応答可能となるようにしている。即ち、複数の製造業者でそれぞれ作成され、それぞれ異なる通信インターフェイス21を持つ非接触ICカード2に、1台のリーダライタ1で対応可能にしている。これを実現するために、リーダライタ1及び非接触ICカード2のそれぞれが、複数の通信インターフェイス11,21を実装している。
【0047】
そして、通信接続を確立する過程である初期接続過程では、リーダライタ1の通信インターフェイス11(A’,B’,C’)が、図3に示すように、逐次切替えられている(切替処理)。そして、各通信インターフェイス11(A’,B’,C’)毎に、通信要求命令を非接触ICカード2に送信している(送信処理)。また、非接触ICカード2の通信インターフェイス21(A,B,C,D)も、逐次切替えられている。
【0048】
なお、通信インターフェイス11の(A’)と通信インターフェイス21の(A)、通信インターフェイス11の(B’)と通信インターフェイス21の(B)、通信インターフェイス11の(C’)と通信インターフェイス21の(C)は、それぞれ同一のインターフェイスである。
【0049】
ここで、各通信要求命令を送信する時間間隔、即ち、リーダライタ1の通信インターフェイス11の種類を切替える時間間隔が固定であって、非接触ICカード2の通信インターフェイス21の種類を切替える時間間隔も固定である場合は、図3に示すように、リーダライタ1の通信インターフェイス11と非接触ICカード2の通信インターフェイス21とがいつまでも一致しないか、一致するまでに長時間を要する場合が生ずる。この問題点を解決するものが、以下に説明する本発明の方法例である。
【0050】
図4は、前記装置例に適用する本実施形態の方法例1の処理を実施するタイミングチャートである。
方法例1は、リーダライタ1の通信インターフェイス11と非接触ICカード2の通信インターフェイス21とにおける片方、又は両方の通信インターフェイスの種類を切替える時間間隔を、変えることによって、通信インターフェイスが一致する確率を高めるとともに、その一致するまでに要する時間の短縮を図るものである。
【0051】
図4では、リーダライタ1の通信インターフェイス11の種類を切替える時間間隔を変えている(時間間隔変更処理)。なお、図4とは逆に、非接触ICカード2の通信インターフェイス21の種類を切替える時間間隔を変えるものとしてもよい。
【0052】
そして、リーダライタ1(又は非接触ICカード2)から出された通信要求命令(通信インターフェイスA’)に対して、非接触ICカード2(又はリーダライタ1)の通信可能時間間隔(通信インターフェイスA)が合致した場合は、非接触ICカード2は即座に通信要求応答を送信する。引き続き、受信したリーダライタ1は通信条件送信命令を発信し、非接触ICカード2は通信条件応答を返信する。
【0053】
その結果、非接触ICカード2は、合致した通信インターフェイスAのままで交信可能状態となり、通信終了まで、通信インターフェイスAを維持する。ここで、リーダライタ1も、通信要求応答を受信した場合は、合致した通信インターフェイスAを通信終了まで維持する。
通信終了後は、リーダライタ1及び非接触ICカード2ともに、通信インターフェイス11,21を逐次切替えて、上述の図4に示す動作を繰り返す。
【0054】
(記録媒体例1、プログラム例1)
前記装置例を制御し、前記方法例1を実施する本実施形態の記録媒体例1及びプログラム例1を図面を参照して説明する。
図5は、本記録媒体例1及びプログラム例1の手順を実行するためのフローチャートである。
【0055】
本プログラム例1は、複数の通信インターフェイス21を有する非接触ICカード2と、複数の通信インターフェイス11を有するリーダライタ1と、の間における通信接続を確立する通信確立プログラムである。
【0056】
本記録媒体例1は、本プログラム例1をリーダライタ1において読取り可能に記録したものである。また、本記録媒体例1は、本プログラム例を非接触ICカード2において読取り可能に記録したものとしてもよい。
【0057】
図5を参照して、本記録媒体例の実行手順について詳細に説明する。先ず、例えば、リーダライタ1において、切替手段13を制御して、通信インターフェイス11を切替える切替手順を行う(ST51)。
【0058】
その後、切替手順(ST51)で切替えられた通信インターフェイスを用いて、通信要求命令を送信手段(受信手段)15から送信する送信手順を行う(ST52)。
【0059】
その後、送信手順(ST52)における通信要求命令を出す時間間隔を変更すべく、送信手順(ST52)における送信についての待ち時間を生成する時間間隔変更手順を行う(ST53)。ここで、待ち時間は、送信手順(ST52)が実行される毎に変更される。
【0060】
その後、送信手順(ST52)でリーダライタ1から送信された通信要求命令の通信インターフェイス11と、通信要求命令を受信した非接触ICカード2の通信インターフェイス21とが合致した場合に、非接触ICカード2から応答される信号である通信要求応答が、あったか判断する応答判断手順を行う(ST54)。この応答判断手順(ST54)で、通信要求応答があったと判断されなかった場合は、上述のST51からST54の手順を繰り返す。
【0061】
応答判断手順(ST54)で通信要求応答があったと判断された場合は、合致した通信インターフェイス11を、所望の通信が終了するまで維持する交信状態維持手順を行う(ST55、ST56)。所望の通信が終了した後は、上述のST51からST56の手順を繰り返す。
【0062】
(方法例2)
図6は、前記装置例に適用する本実施形態の方法例2の処理を実施するタイミングチャートである。
【0063】
本方法例2では、それぞれ異なる通信インターフェイスで送出される複数の通信要求命令を1単位とした通信要求命令群(通信インターフェイスA,B,C,D)を、リーダライタ1又は非接触ICカード2が逐次一括送信する。そして、通信要求命令群の送信相互の時間間隔を変えることによって、通信インターフェイスが一致する確率を高めるとともに、その一致するまでに要する時間の短縮を図る。
【0064】
図6では、リーダライタ1が通信要求命令群を送信して、通信要求命令群の送信相互の時間間隔を変えているが、図6とは逆に、非接触ICカード2が通信要求命令群を一括送信して、通信要求命令群の送信相互の時間間隔を変えるものとしてもよい。
【0065】
この方法例の場合は、複数の通信インターフェイス間の通信プロトコルが変調方式などが共通するなどにより、応答によって通信インターフェイスの違いが認識出来ることが必要である。即ち、変調方式は共通だが符号化方式が異なる複数の通信インターフェイス間で本方法例は効果的に適用でき、符号化方式のみならず変調方式も異なる通信インターフェイス間では本方法例の適用は困難である。
【0066】
このようにして、通信可能状態になった場合は、通信インターフェイス11と通信インターフェイス21とにおいて、交信終了時まで、通信可能状態になった特定の通信インターフェイスを維持する。そして、通信終了後は、上述の図6に示す動作を繰り返す。
【0067】
(記録媒体例2、プログラム例2)
前記装置例を制御し、前記方法例2を実施する本実施形態の記録媒体例2及びプログラム例2を図面を参照して説明する。
図7は、本記録媒体例2及びプログラム例2の手順を実行するためのフローチャートである。
【0068】
本プログラム例2は、複数の通信インターフェイス21を有する非接触ICカード2と、複数の通信インターフェイス11を有するリーダライタ1と、の間における通信接続を確立する通信確立プログラムである。
【0069】
本記録媒体例2は、本プログラム例2をリーダライタ1において読取り可能に記録したものである。また、本記録媒体例2は、本プログラム例を非接触ICカード2において読取り可能に記録したものとしてもよい。
【0070】
図7を参照して、本記録媒体例の実行手順について詳細に説明する。先ず、例えば、リーダライタ1において、切替手段13を制御して、後述の通信要求命令群送信手順(ST72)における送信についての待ち時間を生成する時間間隔変更手順を行う(ST71)。これは、通信要求命令群送信手順(ST72)における通信要求命令群の送信相互の時間間隔を変更する手順である。
【0071】
その後、通信接続のために逐次に且つそれぞれ異なる通信インターフェイス11で送出される複数の通信要求命令を、1単位としたものからなる通信要求命令群として、逐次に送信手段(受信手段)15から送信する通信要求命令群送信手順を行う(ST72)。
【0072】
その後、通信要求命令群送信手順(ST72)でリーダライタ1から送信された通信要求命令の通信インターフェイス11と、通信要求命令を受信した非接触ICカード2の通信インターフェイス21とが合致した場合に、非接触ICカード2から応答される信号である通信要求応答が、あったか判断する応答判断手順を行う(ST73)。この応答判断手順(ST73)で、通信要求応答があったと判断されなかった場合は、上述のST71からST73の手順を繰り返す。
【0073】
応答判断手順(ST73)で通信要求応答があったと判断された場合は、合致した通信インターフェイス11を、所望の通信が終了するまで維持する交信状態維持手順を行う(ST74、ST75)。所望の通信が終了した後は、上述のST71からST75の手順を繰り返す。
【0074】
(方法例3)
本方法例3は、前記方法例1における通信インターフェイス11の種類を切替える時間間隔、又は前記方法例2における通信要求命令群の送信相互の時間間隔の初期値を、設定する方法である。これらの時間間隔の初期値につき、送信要求命令を送信するリーダライタ1(又は非接触ICカード2)を特定する固有の識別情報、例えば識別番号、ID番号などに基づいて、設定する。
【0075】
このように、時間間隔の初期値を設定することで、当該時間間隔が変更される範囲を狭めることが可能となるので、リーダライタ1と非接触ICカード2の両者間の初期接続過程における通信要求命令(通信要求命令群)を受ける時間間隔が、任意となり、リーダライタ1と非接触ICカード2の両者が通信要求命令(通信要求命令群)を送信する時間間隔を変える場合でも、当該両者間で通信インターフェイスが一致する確立を高めるとともに、その一致するまでに要する時間の短縮を図ることが可能となる。
【0076】
(記録媒体例3、プログラム例3)
前記装置例を制御し、前記方法例3の処理を実施する本実施形態の記録媒体例3及びプログラム例3につき説明する。
本記録媒体例3及び本プログラム例3は、上述の記録媒体例1及びプログラム例1における時間間隔変更手順(ST53)、並びに、上述の記録媒体例2及びプログラム例2における時間間隔変更手順(ST71)において、待ち時間(時間間隔)の初期値を、リーダライタ1(又は非接触ICカード2)を特定する識別情報(識別番号、ID番号など)に基づいて設定する手順を行うものである。
【0077】
【実施例】
続いて、前述のプログラム例1(記録媒体例1)及びこれにより実現される方法例1において説明した通信インターフェイス(A,B,C)の切替手順(切替処理)の詳細を、全部で13例の実施例を挙げてより具体的に説明する。
【0078】
但し、ここでは、非接触ICカード2における通信インターフェイス21の切替手順のみを説明し、これと等価なリーダライタ1における通信インターフェイス11の切替手順については説明を省略する。また、各実施例は、対応する各プログラム例により説明し、当該各プログラム例を記録した各記録媒体例及びこれらにより実現される各方法例の説明は省略する。
【0079】
まず、各実施例の説明に先立ち、リーダライタ1と非接触ICカード2との間の通信形態を説明する。
図8は、リーダライタ1から放出される電磁波と非接触ICカード2の動作状態との関連を示す図であり、図9は、非接触ICカード2における各通信インターフェイスの切替待ち時間を示す図である。
【0080】
図8に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1から放出される電磁波が不存在(又は通信可能エリア外)の場合は停止中(非活性化状態)を維持し、その後、リーダライタ1から電磁波が放出されて、当該電磁波のキャリア(搬送波)3から起電力を得たときに動作中(活性化状態)となる。このとき、非接触ICカード2は、停止中から動作中へ移行した瞬間にリセット(初期化)され、以降、キャリア3が消滅した(又は通信可能エリア外へ出た)時点で動作を終了し、再び停止中(非活性化状態)となる。
【0081】
動作中にある非接触ICカード2は、図9に示すように、各通信インターフェイス(A,B,C)毎に規定された切替待ち時間が経過するまで、順次、リーダライタ1との間で通信要求及び応答を繰り返す。以降に説明する各実施例は、各通信インターフェイス(A,B,C)の切替順序、選択確率、及び上記切替待ち時間を単独又は同時に変化させることにより、リーダライタ1と非接触ICカード2の間で通信確立が図られるまでの時間を短縮しようとするものである。
【0082】
(実施例1)
図10は、実施例1における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例1は、各通信インターフェイス(A,B,C)の最も基本的な切替手順を示すものであり、当該各通信インターフェイスの切替順序及び各切替待ち時間を固定とした例である(選択確率は不適用)。
【0083】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1から放出される電磁波のキャリア3により電力の供給が開始された時点で、まず、カード初期化手順として、自身に内蔵されたRAM(ランダムアクセスメモリ。以下、各実施例において図示せず)に設定される現在の通信インターフェイス切替回数cに「−1」をセットする(ST110)。そして、同非接触ICカード2は、続く通信初期化手順において、上記RAMに設定される自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットすると共に、上記通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を初期値の「0」にセットする(ST120)。
【0084】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、図示の関数findex(c mod n,P)を計算して(Pはベクトル)、その値を、RAMに設定される現在の通信インターフェイス番号kにセットする。
【0085】
ここで、上記関数中のPは、非接触ICカード2に内蔵されたROM(リードオンリメモリ。以下、各実施例において図示せず)に固定的に記憶された通信インターフェイスの切替パターンリストであり、その各要素P({P,P,…,Pn−1},要素数:n,0≦i≦n−1)には、非接触ICカード2がサポートしている複数の通信インターフェイスp({p,p,…,pm−1},要素数:m,0≦i≦m−1)が重複を許容して設定される。即ち、当該切替パターンリストPは、複数の通信インターフェイスの切替順序を固定的に規定するものであり、本例では、3種類の通信インターフェイスp,p,pが5要素にわたって設定された切替パターンリストP:{p,p,p,p,p}が規定されているものとする。
【0086】
また、上記関数中のc mod nは、現在の通信インターフェイス切替回数cを切替パターンリストPの要素数nで除したときの「余り」を表し、ここでは、当該切替パターンリストPの要素Pの番号(本例では「0」〜「4」)を表している。
【0087】
そして、上記関数findex(c mod n,P)は、c mod nで表された切替パターンリストP中の所定の要素Pに設定されている所定の通信インターフェイスpの番号(本例では「0」〜「2」)を、上記通信インターフェイス番号kとして抽出する。この結果、非接触ICカード2は、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスp(初期値p)に関する通信要求の受信を開始する(ST130)。
【0088】
次に、非接触ICカード2は、受信判断手順として、上記通信インターフェイスpによりリーダライタ1と通信できたか否かを判別し(ST140)、通信が確立できない場合(ST140;No)には、続く待ち時間判断手順において、そのときのタイマtの値が、上記ROMに記憶された切替待ち時間T(全通信インターフェイスpにつき共通)に達したか否を判別する(ST150)。
【0089】
そして、非接触ICカード2は、タイマtの値が切替待ち時間Tに達するまで上記手順を繰り返し(ST150;≧)、通信インターフェイスpによるリーダライタ1との通信が確立できないまま、タイマtの値が切替待ち時間Tに達してしまった場合(ST150;<)には、前述のST120の通信初期化手順において通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を「1」にセットする。
【0090】
そして以下、非接触ICカード2は、ST130の切替手順以降において、リーダライタ1との間で、切替パターンリストP:{p,p,p,p,p}に規定された後続の通信インターフェイスp,p,p,pによる通信が確立できるか否かを順次検証し、所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点(ST140;Yes)で、続く交信状態維持手順において、そのリーダライタ1との間で所要の各種通信及び処理を行う(ST170)。
【0091】
以上に説明した各手順を行った場合、非接触ICカード2における各通信インターフェイスpの実際の切替手順は、同図(b)に示すようなものとなる。
【0092】
即ち、非接触ICカード2は、図示のカード動作Iにおいて、切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い(p→p→p→p→p→p)、リセット後のカード動作IIにおいても、上記と同様に、同切替パターンリストPの先頭に位置する通信インターフェイスpから所要の切替手順を行うようになる(p→p→p→p→p→p→…)。
【0093】
(実施例2)
図11は、実施例2における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例2は、前述の実施例1のように、各通信インターフェイスpの切替順序及び各切替待ち時間を固定としながらも、前回の通信確立時に最後に選択した通信インターフェイスpの種別に基づいて、所要の切替手順を切替パターンリストPの先頭以外の通信インターフェイスpから開始できるようにした例である。なお、本実施例2で採用する種々の変数及び定数並びにステップの番号は、実施例1で説明したものと同じである(以下、各実施例において同じ)。
【0094】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、カード初期化手順として、現在の通信インターフェイス切替回数cに「r+x−1」なる値をセットする(ST111)。
【0095】
ここで、上記rは、非接触ICカード2に内蔵された不揮発性メモリ(以下、各実施例において図示せず)に設定される変数であり、前回の通信確立時に最後に選択した通信インターフェイスpが設定されている切替パターンリストP中の所定の要素Pの番号を表すものである。また、上記xは、非接触ICカード2に内蔵されたROMに固定的に記憶された定数であり、前回の通信確立時に最後に選択した通信インターフェイスpが設定されている切替パターンリストP中の所定の要素Pからの移動量を表すものである。
【0096】
例えば、非接触ICカード2に、実施例1と同様な通信インターフェイスpの重複を許容した切替パターンリストP:{p,p,p,p,p}が規定されている場合、同図(b)に示すように、カード動作Iにおいて最後に選択した通信インターフェイスがpであり、当該通信インターフェイスpを与えた切替パターンリストP中の要素がPであったときには、要素Pの番号rは「2」となる。また、当該要素Pからの移動量xとしては、例えば「2」などの値が設定される。従って、この例の場合、現在の通信インターフェイス切替回数cには「3」がセットされる。
【0097】
次に、非接触ICカード2は、続く通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットすると共に、上記通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を初期値の「4」にセットする(ST120)。
【0098】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、c mod nを計算して、その値を切替パターンリストP中の要素Pの番号rにセットし直すと共に、関数findex(r,P)を計算して、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットし、以下、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスpに関する通信要求の受信を開始する(ST131)。
【0099】
この結果、切替パターンリストP中の要素Pの番号rが「4」、現在の通信インターフェイス番号kが「2」となるため、同図(b)に示すように、カード動作Iに引き続くカード動作IIにおいては、最初に、通信インターフェイスpが選択されるようになる。
【0100】
そして以下、非接触ICカード2は、続く受信判断手順(ST140)及び待ち時間判断手順(ST150)において、切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い(p→p→p→p→p→p→p→…)、リーダライタ1との間で所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点で、交信状態維持手順(ST170)を行う。
【0101】
(実施例3)
図12は、実施例3における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例3は、前述の実施例1のように、各通信インターフェイスpの切替順序及び各切替待ち時間を固定としながらも、前回の通信確立時に最初に選択した通信インターフェイスpの種別に基づいて、所要の切替手順を切替パターンリストPの先頭以外の通信インターフェイスpから開始できるようにした例である。
【0102】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、カード初期化手順として、図示の変数rに「(r+x)mod n」なる値をセットすると共に、これにより得た新たな変数rから「1」を減算した値を、現在の通信インターフェイス切替回数cにセットする(ST112)。
【0103】
ここで、上記rは、非接触ICカード2に内蔵された不揮発性メモリに設定される変数であり、前回の通信確立時に最初に選択した通信インターフェイスpが設定されている切替パターンリストP中の所定の要素P(j≠i)の番号を表すものである。また、上記xは、非接触ICカード2に内蔵されたROMに固定的に記憶された定数であり、前回の通信確立時に最初に選択した通信インターフェイスpが設定されている切替パターンリストP中の所定の要素Pからの移動量を表すものである。
【0104】
例えば、非接触ICカード2に、通信インターフェイスpの重複を許容した切替パターンリストP:{p,p,p,p,p}が規定されている場合、同図(b)に示すように、カード動作Iにおいて最初に選択した通信インターフェイスがpであり、当該通信インターフェイスpを与えた切替パターンリストP中の要素がPであったときには、要素Pの番号rは「3」となる。また、当該要素Pからの移動量xとしては、例えば「2」などの値が設定される。従って、この例の場合、新たな要素Pの番号rには「0」がセットし直され、この結果、現在の通信インターフェイス切替回数cには「−1」がセットされる。
【0105】
次に、非接触ICカード2は、続く通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットすると共に、上記通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を初期値の「0」にセットする(ST120)。
【0106】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、関数findex(c mod n,P)を計算して、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットし、以下、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスpに関する通信要求の受信を開始する(ST130)。
【0107】
この結果、c mod nで示される切替パターンリストP中の要素Pの番号が「0」、現在の通信インターフェイス番号kが「1」となるため、同図(b)に示すように、カード動作Iに引き続くカード動作IIにおいては、最初に、通信インターフェイスpが選択されるようになる。
【0108】
そして以下、非接触ICカード2は、続く受信判断手順(ST140)及び待ち時間判断手順(ST150)において、切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い(p→p→p→p→p→p→…)、リーダライタ1との間で所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点で、交信状態維持手順(ST170)を行う。
【0109】
(実施例4)
図13は、実施例4における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例4は、各通信インターフェイスpの切替順序をランダムとし、それらの各切替待ち時間を固定とした例である。
【0110】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、カード初期化手順として、現在の通信インターフェイス切替回数cに「−1」をセットし(ST110)、さらに、続く通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットすると共に、上記通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を初期値の「0」にセットする(ST120)。
【0111】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、関数findex(c mod n,P)を計算して、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットする。
【0112】
ここで、上記関数中のPは、非接触ICカード2に内蔵された不揮発性メモリに定常的に保持された通信インターフェイスpの切替パターンリストであり、その各要素Pには、非接触ICカード2がサポートしている複数の通信インターフェイスpが重複を許容して設定される。即ち、当該切替パターンリストPは、前回の通信確立時に適用した複数の通信インターフェイスpの切替順序を定常的に保持するものであり、本例では、通信インターフェイスpの重複がない切替パターンリストP:{p,p,p}が保持されているものとする。
【0113】
以上の切替パターンリストPを適用した場合、c mod nで示される切替パターンリストP中の要素Pの番号が「0」、現在の通信インターフェイス番号kが「0」となるため、非接触ICカード2は、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスp(初期値p)に関する通信要求の受信を開始する(ST130)。
【0114】
次に、非接触ICカード2は、続く受信判断手順(ST140)及び待ち時間判断手順(ST150)において、切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い、リーダライタ1との間で所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点で、続く通信確立後切替手順において、切替パターンリストPの要素Pをランダムに並べ替えたリストを生成するための図示の関数fmoveRandom(P)を計算して、その値を、次回の通信確立時に供する新たな切替パターンリストPとしてセットし直し(ST160)、その後、リーダライタ1との間で交信状態維持手順(ST170)を行う。
【0115】
なお、以上の通信確立後切替手順は、場合により、ST110におけるカード初期化手順の直後に行わせるようにしてもよい。
【0116】
以上に説明した各手順を行った場合、非接触ICカード2における各通信インターフェイスpの実際の切替手順は、同図(b)に示すようなものとなる。
【0117】
即ち、非接触ICカード2は、図示のカード動作Iにおいて、当初の切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い(p→p→p→p→p→p)、リセット後のカード動作IIにおいては、ランダムにセットし直された切替パターンリストPに沿って所要の切替手順を行うようになる(p→p→p→p→p→p→…)。
【0118】
(実施例5)
図14は、実施例5における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例5は、各通信インターフェイスpの切替順序を、前回の通信確立時における通信インターフェイスpの種別に基づいて変更可能とし、それらの各切替待ち時間を固定とした例である。
【0119】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、カード初期化手順として、現在の通信インターフェイス切替回数cに「−1」をセットし(ST110)、さらに、続く通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットすると共に、上記通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を初期値の「0」にセットする(ST120)。
【0120】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、関数findex(c mod n,P)を計算して、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットする。
【0121】
ここで、上記関数中のPは、非接触ICカード2に内蔵された不揮発性メモリに定常的に保持された通信インターフェイスpの切替パターンリストである。即ち、当該切替パターンリストPは、前回の通信確立時に適用した複数の通信インターフェイスpの切替順序を定常的に保持するものであり、本例では、実施例1と同様な通信インターフェイスpの重複を許容した切替パターンリストP:{p,p,p,p,p}が保持されているものとする。
【0122】
以上の切替パターンリストPを適用した場合、c mod nで示される切替パターンリストP中の要素Pの番号が「0」、現在の通信インターフェイス番号kが「0」となるため、非接触ICカード2は、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスp(初期値p)に関する通信要求の受信を開始する(ST130)。
【0123】
次に、非接触ICカード2は、続く受信判断手順(ST140)及び待ち時間判断手順(ST150)において、切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い、リーダライタ1との間で所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点で、続く通信確立後切替手順において、図示の関数fmoveTo(x,c mod n,P)を計算して、その値を、次回の通信確立時に供する新たな切替パターンリストPとしてセットし直す(ST161)。
【0124】
ここで、上記関数中のxは、非接触ICカード2に内蔵されたROMに固定的に記憶された定数であり、前回の通信確立時の通信インターフェイスpが設定されている切替パターンリストP中の所定の要素Pの、当該切替パターンP中における前方又は後方への移動量(正の値のとき前方へ移動)を表すものであり、例えば「1」などの値が設定される。
【0125】
そして、関数fmoveTo(x,c mod n,P)は、c mod nで示される切替パターンリストP中の要素Pを、移動量xだけ移動させたリストを新たに生成するものである。但し、x>0かつx>c mod nの場合には、当該要素Pを先頭に移動させたリストを生成し、x<0かつ(c mod n)−x≧nの場合には、当該要素Pを最後尾に移動させたリストを生成する。
【0126】
そして、非接触ICカード2は、最後に、リーダライタ1との間で交信状態維持手順(ST170)を行う。
【0127】
以上に説明した各手順を行った場合、非接触ICカード2における各通信インターフェイスpの実際の切替手順は、同図(b)に示すようなものとなる。
【0128】
即ち、非接触ICカード2は、図示のカード動作Iにおいて、当初の切替パターンリストP:{p,p,p,p,p}に沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い(p→p→p)、リセット後のカード動作IIにおいては、カード動作Iにおいて通信確立が為された通信インターフェイスpを保持している切替パターンリストPの要素P(p)を、移動量xの値(「1」)に応じて1つ前方(左方)に移動させた切替パターンリストP:{p,p,p,p,p}に沿って所要の切替手順を行うようになる(p→p→p→p→p→p→…)。
【0129】
(実施例6)
図15は、実施例6における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例6は、実施例5と同様に、各通信インターフェイスpの切替順序を、前回の通信確立時における通信インターフェイスpの種別に基づいて変更可能とし、それらの各切替待ち時間を固定とした他の例である。
【0130】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、カード初期化手順として、現在の通信インターフェイス切替回数cに「−1」をセットし(ST110)、さらに、続く通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットすると共に、上記通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を初期値の「0」にセットする(ST120)。
【0131】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、関数findex(c mod n,P)を計算して、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットする。
【0132】
ここで、上記関数中のPは、実施例5におけるそれと同様な通信インターフェイスpの切替パターンリストである。即ち、当該切替パターンリストPは、前回の通信確立時に適用した複数の通信インターフェイスpの切替順序を定常的に保持するものであり、本例では、実施例5と同様な通信インターフェイスpの重複を許容した切替パターンリストP:{p,p,p,p,p}が保持されているものとする。
【0133】
以上の切替パターンリストPを適用した場合、c mod nで示される切替パターンリストP中の要素Pの番号が「0」、現在の通信インターフェイス番号kが「0」となるため、非接触ICカード2は、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスp(初期値p)に関する通信要求の受信を開始する(ST130)。
【0134】
次に、非接触ICカード2は、続く受信判断手順(ST140)及び待ち時間判断手順(ST150)において、切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い、リーダライタ1との間で所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点で、続く通信確立後切替手順において、図示の関数fshiftTo(q,c mod n,P)を計算して、その値を、次回の通信確立時に供する新たな切替パターンリストPとしてセットし直す(ST162)。
【0135】
ここで、上記関数中のqは、前回の通信確立時の通信インターフェイスpが設定されている切替パターンリストP中の所定の要素Pの前方に位置する1以上の要素を、当該切替パターンP中において後方へ移動させるための一括移動量を表すものであり、例えば「2」などの値が設定される。
【0136】
そして、関数fshiftTo(q,c mod n,P)は、c mod nで示される切替パターンリストP中の要素Pの前方に位置する一括移動量qの値に応じた1以上の要素を、当該一括移動量qだけ後方に移動させたリストを新たに生成するものである。但し、q+(c mod n)≧nの場合には、当該1以上の要素を最後尾に移動させたリストを生成する。
【0137】
そして、非接触ICカード2は、最後に、リーダライタ1との間で交信状態維持手順(ST170)を行う。
【0138】
以上に説明した各手順を行った場合、非接触ICカード2における各通信インターフェイスpの実際の切替手順は、同図(b)に示すようなものとなる。
【0139】
即ち、非接触ICカード2は、図示のカード動作Iにおいて、当初の切替パターンリストP:{p,p,p,p,p}に沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い(p→p→p)、リセット後のカード動作IIにおいては、カード動作Iにおいて通信確立が為された通信インターフェイスpを保持している切替パターンリストPの要素Pの前方に位置する2つの要素P及びP(p及びp)を、一括移動量qの値(「2」)に応じて2つ後方(右方)に移動させた切替パターンリストP:{p,p,p,p,p}に沿って所要の切替手順を行うようになる(p→p→p→p→p→p→…)。
【0140】
(実施例7)
図16は、実施例7における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例7は、各通信インターフェイスpの選択確率を、前回の通信確立時における通信インターフェイスpの種別に基づいて変更可能とし、それらの各切替待ち時間を固定とした例である。
【0141】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットする(ST121)。
【0142】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、関数frandom(Z,P)を計算して(Zはベクトル)、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットする。
【0143】
ここで、上記関数中のPは、非接触ICカード2に内蔵されたROMに固定的に記憶された通信インターフェイスpの切替パターンリストであり、その各要素Pには、非接触ICカード2がサポートしている複数の通信インターフェイスpが重複を許容せずに設定される。即ち、当該切替パターンリストPは、種類の異なる複数の通信インターフェイスpを固定的に規定するものであり、本例では、2種類の通信インターフェイスpのみからなる切替パターンリストP:{p,p}が規定されているものとする。
【0144】
また、上記関数中のZは、非接触ICカード2に内蔵された不揮発性メモリに定常的に保持された各通信インターフェイスp毎の選択確率リストであり、その各要素Z({Z,Z,…,Zm−1},要素数:m,0≦i≦m−1,ΣZ=1)には、上記切替パターンリストPに規定された各通信インターフェイスpの選択確率が設定される。即ち、当該選択確率リストZは、前回の通信確立時に適用した各通信インターフェイスp毎の選択確率を定常的に保持するものであり、本例では、上記切替パターンリストPにおける通信インターフェイスpの要素数に対応した選択確率リストZ:{2/3,1/3}(要素数:m=2)が保持されているものとする。
【0145】
そして、関数frandom(Z,P)は、選択確率リストZ中の各要素Zを選択確率としながら、切替パターンリストP中の所定の要素Pに設定されている所定の通信インターフェイスpの番号(本例では「0」又は「1」)を、上記通信インターフェイス番号kとして抽出する。この結果、非接触ICカード2は、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスp(初期値p又はp)に関する通信要求の受信を開始する(ST132)。
【0146】
次に、非接触ICカード2は、続く受信判断手順(ST140)及び待ち時間判断手順(ST150)において、切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い、リーダライタ1との間で所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点で、続く通信確立後切替手順において、図示の関数fselect(k,Z)を計算して、その値を、次回の通信確立時に供する新たな選択確率リストZとしてセットし直す(ST163)。
【0147】
ここで、上記関数fselect(k,Z)は、現在の通信インターフェイス番号kで示される選択確率リストZ中の要素Zをy(1−Z)だけ増加させ、それ以外の各要素Zをy(1−Z)/(m−1)だけ減少させたリストを新たに生成するものである。但し、上記yは、非接触ICカード2に内蔵されたROMに固定的に記憶された定数であり、前回の通信確立時の通信インターフェイスpに対応する選択確率リストZ中の所定の要素Zの値を増加させるための割合であり、例えば「1/4」などの値が設定される。
【0148】
そして、非接触ICカード2は、最後に、リーダライタ1との間で交信状態維持手順(ST170)を行う。
【0149】
以上に説明した各手順を行った場合、非接触ICカード2における各通信インターフェイスpの実際の切替手順は、同図(b)に示すようなものとなる。
【0150】
即ち、非接触ICカード2は、図示のカード動作Iにおいて、当初の選択確率リストZ:{2/3,1/3}に従った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い(p→p→p)、リセット後のカード動作IIにおいては、カード動作Iにおいて通信確立が為された通信インターフェイスpに対応する選択確率リストZ中の要素Zの値を増加させ、他の要素Zの値を減少させた新たな選択確率リストZ:{1/2,1/2}に従って所要の切替手順を行うようになる(p→p→p→p→p→p→p→…)。
【0151】
(実施例8)
図17は、実施例8における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例8は、各通信インターフェイスpの選択確率を、過去の通信確立時における通信インターフェイスpの履歴に基づいて変更可能とし、それらの各切替待ち時間を固定とした例である。
【0152】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットする(ST121)。
【0153】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、関数frandom(Z,P)を計算して、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットする。
【0154】
ここで、上記関数中のPは、実施例7におけるそれと同様な通信インターフェイスpの切替パターンリストである。即ち、当該切替パターンリストPは、種類の異なる複数の通信インターフェイスpを固定的に規定するものであり、本例では、実施例7と同様な2種類の通信インターフェイスpのみからなる切替パターンリストP:{p,p}が規定されているものとする。
【0155】
また、上記関数中のZは、実施例7におけるそれと同様な各通信インターフェイスp毎の選択確率リストである。即ち、当該選択確率リストZは、前回の通信確立時に適用した各通信インターフェイスp毎の選択確率を定常的に保持するものであり、本例では、上記切替パターンリストPにおける通信インターフェイスpの要素数に対応した選択確率リストZ:{7/10,3/10}(要素数:m=2)が保持されているものとする。
【0156】
そして、関数frandom(Z,P)は、選択確率リストZ中の各要素Zを選択確率としながら、切替パターンリストP中の所定の要素Pに設定されている所定の通信インターフェイスpの番号(本例では「0」又は「1」)を、上記通信インターフェイス番号kとして抽出する。この結果、非接触ICカード2は、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスp(初期値p又はp)に関する通信要求の受信を開始する(ST132)。
【0157】
次に、非接触ICカード2は、続く受信判断手順(ST140)及び待ち時間判断手順(ST150)において、切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い、リーダライタ1との間で所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点で、続く通信確立後切替手順において、履歴リストHに現在の通信インターフェイスpを追加すると共に(Hはベクトル)、図示の関数fselect(H)を計算して、その値を、次回の通信確立時に供する新たな選択確率リストZとしてセットし直す(ST164)。
【0158】
ここで、上記履歴リストHは、非接触ICカード2に内蔵された不揮発性メモリに定常的に保持され、その各要素H({H,H,…,H},最大要素数:n,最小要素数:m,n≧m,1≦i≦n)には、上記切替パターンリストPに規定された各通信インターフェイスpが、重複を許容しながら最も新しいものから順に配置される。なお、本例では、最大要素数:n=4の履歴リストH:{p,p,p,p}が保持されているものとする。
【0159】
なお、履歴リストHの作成に際し、要素Hの数が最大要素数nを超えた場合には、まず、最も古い要素Hを削除して各要素Hを1つずつ後方へ移動させ、この結果、各要素H中に1つも存在しない通信インターフェイスpがある場合には、当該通信インターフェイスpを最後尾の要素Hに配置し、さらに、それでも存在しない他の通信インターフェイスpがある場合には、当該他の通信インターフェイスpを最後尾より1つ前方の要素Hn−1に配置するといった操作を繰り返す(例えば、最大要素数:n=4の履歴リストH:{p,p,p,p}に通信インターフェイスpを追加する場合、(1)H:{p,p,p,p}→(2)H:{p,p,p,p}→(3)H:{p,p,p,p}のように書き換える)。
【0160】
また、上記関数fselect(H)は、履歴リストHの中の各要素Hに配置された各通信インターフェイスpの選択確率(H)に対し、当該各通信インターフェイスpの履歴に応じて(履歴の新しいものから順に)重み付けを行って、新たな選択確率リストZを生成するものである。
【0161】
そして、非接触ICカード2は、最後に、リーダライタ1との間で交信状態維持手順(ST170)を行う。
【0162】
ここで、上記関数fselect(H)の詳細を説明すれば、以下のようになる。
図18は、図17の通信確立後切替手順で適用される関数fselect(H)の計算手順を示すフローチャートである。
【0163】
同図に示すように、非接触ICカード2は、関数fselect(H)の計算に際し、まず、現在計算中の履歴番号jに履歴リストHの最大要素数n(例えば「4」)をセットすると共に、現在の選択確率リストZの各要素Zに「0」をセットすることにより(ST181)、当該選択確率リストZをクリアする。
【0164】
次に、非接触ICカード2は、現在計算中の通信インターフェイス番号iに「0」をセットし(ST182)、履歴リストHにおける現在計算中の要素H(H)に配置された通信インターフェイスが、p(p)であるか否かを判別する(ST183)。
【0165】
ここで、履歴リストHにおける現在計算中の要素Hが通信インターフェイスpであった場合(ST183;=)、非接触ICカード2は、選択確率リストZにおける現在計算中の要素Z(初期値「0」)に、2j/{n(n+1)}なる値(重み付けの割合を決定する値)を加算して、これを新たな要素Zとしてセットし直し(ST184)、現在の通信インターフェイス番号iに「1」を加算する(ST185)。また、現在計算中の要素Hが通信インターフェイスpでなかった場合(ST183;≠)、非接触ICカード2は、上記要素Zの更新手順を行うことなく、現在の通信インターフェイス番号iに「1」を加算する。
【0166】
次に、非接触ICカード2は、新たに設定された通信インターフェイス番号iが、選択確率リストZの要素数m(例えば「2」)から「1」を減じた値(選択確率リストZの最終の要素Zm−1の番号)に至ったか否かを判別し(ST186)、当該通信インターフェイス番号iがm−1に至るまで(ST186;≦)、履歴リストH中の所定の要素H(H)に配置された通信インターフェイスpの種別に応じながら、選択確率リストZ中の所定の要素Zに対する更新手順を繰り返し行う。
【0167】
次に、非接触ICカード2は、通信インターフェイス番号iがm−1を上回った時点(ST186;>)で、現在の履歴番号jから「1」を減算し(ST187)、その履歴番号jの値が「1」に至ったか否かを判別する(ST188)。
【0168】
そして、非接触ICカード2は、上記履歴番号が「1」に至るまで(ST188;≧)、履歴リストH中の以降の要素H(H→H→H)に配置された通信インターフェイスpの種別に応じながら、選択確率リストZ中の所定の要素Zに対する更新手順を繰り返し行い、上記履歴番号が「1」を下回った時点(ST188;<)で、所要の関数fselect(H)の計算手順を終了する。
【0169】
この結果、履歴リストH:{H,H,H,H}には、それぞれ、{4/10,3/10,2/10、1/10}なる重みが設定され、さらに、同一の通信インターフェイスp毎にその重みの和が計算されて、所要の新たな選択確率リストZが得られるようになる。
【0170】
以上に説明した各手順を行った場合、非接触ICカード2における各通信インターフェイスpの実際の切替手順は、図17(b)に示すようなものとなる。
【0171】
即ち、非接触ICカード2は、図示のカード動作Iにおいて、当初の選択確率リストZ:{7/10,3/10}に従った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行うと共に(p→p→p)、通信確立が為された通信インターフェイスpを先頭に配置してなる新たな履歴リストH:{p,p,p,p}を生成し、リセット後のカード動作IIにおいては、履歴リストHへの重み付けに基づく新たな選択確率リストZ:{1/2,1/2}に従って所要の切替手順を行うようになる(p→p→p→p→p→p→p→…)。
【0172】
(実施例9)
図19は、実施例9における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例9は、各通信インターフェイスpの各切替待ち時間をそれぞれ異ならせ、その切替順序を固定とした基本例である(選択確率は不適用)。
【0173】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、カード初期化手順として、現在の通信インターフェイス切替回数cに「−1」をセットし(ST110)、さらに、続く通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットすると共に、上記通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を初期値の「0」にセットする(ST120)。
【0174】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、関数findex(c mod n,P)を計算して、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットする。
【0175】
ここで、上記関数中のPは、実施例1におけるそれと同様な通信インターフェイスpの切替パターンリストである。即ち、当該切替パターンリストPは、種類の異なる複数の通信インターフェイスpを重複を許容しつつ固定的に規定するものであり、本例では、通信インターフェイスpの重複がない切替パターンリストP:{p,p,p}が規定されているものとする。
【0176】
以上の切替パターンリストPを適用した場合、c mod nで示される切替パターンリストP中の要素Pの番号が「0」、現在の通信インターフェイス番号kが「0」となるため、非接触ICカード2は、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスp(初期値p)に関する通信要求の受信を開始する(ST130)。
【0177】
次に、非接触ICカード2は、続く受信判断手順として、上記通信インターフェイスpによりリーダライタ1と通信できたか否かを判別し(ST140)、通信が確立できない場合(ST140;No)には、続く待ち時間判断手順において、そのときのタイマtの値が、各通信インターフェイスP毎に事前に設定された切替待ち時間Tに達したか否を判別する(ST151)。
【0178】
ここで、上記切替待ち時間Tは、非接触ICカード2に内蔵されたROMに固定的に記憶された通信インターフェイスの切替待ち時間リストの要素であり、その各要素T({T,T,…,Tm−1},要素数:m,0≦i≦m−1)には、非接触ICカード2がサポートしている各通信インターフェイスp毎の切替待ち時間が設定される。即ち、当該切替待ち時間リストTは、各通信インターフェイスp毎の切替待ち時間を固定的に規定するものであり、本例では、上記切替パターンリストPにおける通信インターフェイスの要素数に対応した切替待ち時間リストT:{3ms,2ms,1ms}(要素数:m=3.msはミリ秒)が規定されているものとする。
【0179】
そして、非接触ICカード2は、タイマtの値が切替待ち時間T(T)に達するまで上記手順を繰り返し(ST151;≧)、通信インターフェイスpによるリーダライタ1との通信が確立できないまま、タイマtの値が切替待ち時間T(T)に達してしまった場合(ST151;<)には、前述のST120の通信初期化手順において通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を「1」にセットする。
【0180】
そして以下、非接触ICカード2は、ST130の切替手順以降において、リーダライタ1との間で、切替パターンリストP:{p,p,p}に規定された後続の通信インターフェイスp及びpによる通信が確立できるか否かを順次検証し、所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点(ST140;Yes)で、続く交信状態維持手順において、そのリーダライタ1との間で所要の各種通信及び処理を行う(ST170)。
【0181】
以上に説明した各手順を行った場合、非接触ICカード2における各通信インターフェイスpの実際の切替手順は、同図(b)に示すようなものとなる。
【0182】
即ち、非接触ICカード2は、図示のカード動作Iにおいて、切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を、当該各通信インターフェイスp毎の切替待ち時間Tに応じて繰り返して行い(p→p→p)、リセット後のカード動作IIにおいても、上記と同様に、同切替パターンリストPの先頭に位置する通信インターフェイスpから所要の切替手順を行うようになる(p→p→p→p→…)。
【0183】
(実施例10)
図20は、実施例10における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例10は、各通信インターフェイスpの各切替待ち時間を、前回の通信確立時における通信インターフェイスpの種別に基づいて変更可能とし、その切替順序を固定とした例である。
【0184】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、カード初期化手順として、現在の通信インターフェイス切替回数cに「−1」をセットし(ST110)、さらに、続く通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットすると共に、上記通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を初期値の「0」にセットする(ST120)。
【0185】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、関数findex(c mod n,P)を計算して、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットする。
【0186】
ここで、上記関数中のPは、実施例9におけるそれと同様な通信インターフェイスpの切替パターンリストである。即ち、当該切替パターンリストPは、種類の異なる複数の通信インターフェイスpを重複を許容しつつ固定的に規定するものであり、本例では、実施例9と同様な通信インターフェイスpの重複がない切替パターンリストP:{p,p,p}が規定されているものとする。
【0187】
以上の切替パターンリストPを適用した場合、c mod nで示される切替パターンリストP中の要素Pの番号が「0」、現在の通信インターフェイス番号kが「0」となるため、非接触ICカード2は、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスp(初期値p)に関する通信要求の受信を開始する(ST130)。
【0188】
次に、非接触ICカード2は、続く受信判断手順(ST140)及び待ち時間判断手順(ST151)において、上記切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い、リーダライタ1との間で所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点で、続く通信確立後切替手順において、図示の関数fwait(c mod n,T)を計算して、その値を、次回の通信確立時に供する新たな切替待ち時間リストTとしてセットし直す(ST165)。
【0189】
ここで、上記切替待ち時間リストTは、非接触ICカード2に内蔵された不揮発性メモリに定常的に保持され、その各要素Tには、各通信インターフェイスp毎の切替待ち時間が設定される。即ち、当該切替待ち時間リストTは、各通信インターフェイスp毎の切替待ち時間を定常的に保持するものであり、本例では、実施例9と同様な切替待ち時間リストT:{3ms,2ms,1ms}が規定されているものとする。
【0190】
そして、非接触ICカード2は、最後に、リーダライタ1との間で交信状態維持手順(ST170)を行う。
【0191】
ここで、上記関数fwait(c mod n,T)の詳細を説明すれば、以下のようになる。
図21は、図20の通信確立後切替手順で適用される関数fwait(c mod n,T)の計算手順を示すフローチャートである。
【0192】
同図に示すように、非接触ICカード2は、関数fwait(c mod n,T)の計算に際し、まず、現在計算中の通信インターフェイス番号iに「0」をセットし(ST211)、当該通信インターフェイス番号iが、c mod nで表された切替パターンリストP中の所定の要素Pの番号z(即ち、前回の通信確立時における通信インターフェイスpを格納する当該要素Pの番号z)に等しいか否かを判別する(ST212)。
【0193】
ここで、通信インターフェイス番号iが、切替パターンリストP中の所定の要素Pの番号zに等しい場合(ST212;=)、非接触ICカード2は、切替待ち時間リストTにおける現在の要素Tに、自身に内蔵されたROMに固定的に記憶された定数である待ち時間変動量d(例えば{d,d,d}={1ms,2ms,4ms})を加算して、これを新たな要素Tとしてセットし直し(ST213)、さらに、当該要素Tと、上記ROMに固定的に記憶された定数である待ち時間最大値Tmax(例えば{Tmax,Tmax,Tmax}={3ms,5ms,8ms})との大小関係を比較する(ST214)。
【0194】
以上の比較の結果、現在の要素Tが待ち時間最大値Tmaxを上回った場合(ST214;>)には、非接触ICカード2は、その待ち時間最大値Tmaxの値を要素Tにセットし直して(ST215)、現在の通信インターフェイス番号iに「1」を加算する(ST216)。また、現在の要素Tが待ち時間最大値Tmax以下となった場合(ST214;≦)には、非接触ICカード2は、上記要素Tの更新手順を行うことなく、現在の通信インターフェイス番号iに「1」を加算する。
【0195】
次に、非接触ICカード2は、新たに設定された通信インターフェイス番号iが、切替待ち時間リストTの要素数m(例えば「3」)から「1」を減じた値(切替待ち時間リストTの最終の要素Tm−1の番号)に至ったか否かを判別し(ST217)、当該通信インターフェイス番号iがm−1に至るまで(ST217;≦)、切替待ち時間リストT中の各要素Zに対する上記更新手順を繰り返し行う。
【0196】
一方、前述のST212において、通信インターフェイス番号iが、切替パターンリストP中の所定の要素Pの番号zに等しくない場合(ST212;≠)、非接触ICカード2は、切替待ち時間リストTにおける現在の要素Tから、d/(m−1)なる値を減算して、これを新たな要素Tとしてセットし直し(ST218)、さらに、当該要素Tと、上記ROMに固定的に記憶された定数である待ち時間最小値Tmin(例えば{Tmin,Tmin,Tmin}={1ms,1ms,1ms})との大小関係を比較する(ST219)。
【0197】
以上の比較の結果、現在の要素Tが待ち時間最小値Tminを下回った場合(ST219;<)には、非接触ICカード2は、その待ち時間最大値Tminの値を要素Tにセットし直して(ST220)、前述のST216にて現在の通信インターフェイス番号iに「1」を加算する。また、現在の要素Tが待ち時間最小値Tmin以上となった場合(ST219;≧)には、非接触ICカード2は、上記要素Tの更新手順を行うことなく、現在の通信インターフェイス番号iに「1」を加算する。
【0198】
そして、非接触ICカード2は、前述のST217の処理において、現在の通信インターフェイス番号iがm−1に至った時点(ST217;>)で、所要の関数fwait(c mod n,T)の計算手順を終了する。
【0199】
以上に説明した各手順を行った場合、非接触ICカード2における各通信インターフェイスpの実際の切替手順は、図20(b)に示すようなものとなる。
【0200】
即ち、非接触ICカード2は、図示のカード動作Iにおいて、当初の切替待ち時間リストT:{3ms,2ms,1ms}に応じた通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い(p→p)、リセット後のカード動作IIにおいては、カード動作Iにおいて通信確立が為された通信インターフェイスpに対応する切替待ち時間リストT中の要素Tを所定時間だけ長くし、他の要素T及びTを均等に短くした切替待ち時間リストT:{2ms,5ms,1ms}に応じて所要の切替手順を行うようになる(p→p→p→p→…)。
【0201】
(実施例11)
図22は、実施例11における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例11は、各通信インターフェイスpの各切替待ち時間を、過去の通信確立時における通信インターフェイスpの履歴に基づいて変更可能とし、その切替順序を固定とした例である。
【0202】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、カード初期化手順として、現在の通信インターフェイス切替回数cに「−1」をセットし(ST110)、さらに、続く通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットすると共に、上記通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を初期値の「0」にセットする(ST120)。
【0203】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、関数findex(c mod n,P)を計算して、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットする。
【0204】
ここで、上記関数中のPは、実施例9におけるそれと同様な通信インターフェイスpの切替パターンリストである。即ち、当該切替パターンリストPは、種類の異なる複数の通信インターフェイスpを重複を許容しつつ固定的に規定するものであり、本例では、実施例9と同様な通信インターフェイスpの重複がない切替パターンリストP:{p,p,p}が規定されているものとする。
【0205】
以上の切替パターンリストPを適用した場合、c mod nで示される切替パターンリストP中の要素Pの番号が「0」、現在の通信インターフェイス番号kが「0」となるため、非接触ICカード2は、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスp(初期値p)に関する通信要求の受信を開始する(ST130)。
【0206】
次に、非接触ICカード2は、続く受信判断手順(ST140)及び待ち時間判断手順(ST151)において、上記切替パターンリストPに沿った通信インターフェイスpの切替を繰り返して行い、リーダライタ1との間で所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点で、続く通信確立後切替手順において、履歴リストHに現在の通信インターフェイスpを追加すると共に、図示の関数fwait(H)を計算して、その値を、次回の通信確立時に供する新たな切替待ち時間リストTとしてセットし直す(ST166)。
【0207】
ここで、上記履歴リストHは、非接触ICカード2に内蔵された不揮発性メモリに定常的に保持され、その各要素Hには、上記切替パターンリストPに規定された各通信インターフェイスpが配置される。なお、本例では、最大要素数:n=3の履歴リストH:{p,p,p}が保持されているものとする。
【0208】
なお、履歴リストHの作成に際し、要素Hの数が最大要素数nを超えた場合には、最も古い要素Hを削除して各要素Hを1つずつ後方へ移動させるようにする(各要素H中に1つも存在しない通信インターフェイスpがあっても差し支えない)。
【0209】
また、上記関数fwait(H)は、履歴リストHの中の各要素Hに配置された各通信インターフェイスpの選択確率(H)に対し、当該各通信インターフェイスpの履歴に応じて(履歴の新しいものから順に)重み付けを行って、新たな切替待ち時間リストTを生成するものである。
【0210】
そして、非接触ICカード2は、最後に、リーダライタ1との間で交信状態維持手順(ST170)を行う。
【0211】
ここで、上記関数fwait(H)の詳細を説明すれば、以下のようになる。
図23は、図22の通信確立後切替手順で適用される関数fwait(H)の計算手順を示すフローチャートである。
【0212】
同図に示すように、非接触ICカード2は、関数fwait(H)の計算に際し、まず、現在計算中の履歴番号jに履歴リストHの最大要素数n(例えば「3」)をセットすると共に、現在の切替待ち時間リストTの各要素Tに、自身に内蔵された不揮発性メモリに定常的に保持された変数である各通信インターフェイスpの待ち時間最小値Tmin(例えば{Tmin,Tmin,Tmin}={1ms,1ms,1ms})をセットする(ST231)。
【0213】
次に、非接触ICカード2は、現在計算中の通信インターフェイス番号iに「0」をセットし(ST232)、履歴リストHにおける現在計算中の要素H(H)に配置された通信インターフェイスが、p(p)であるか否かを判別する(ST233)。
【0214】
ここで、履歴リストHにおける現在計算中の要素Hが通信インターフェイスpであった場合(ST232;=)、非接触ICカード2は、切替待ち時間リストTにおける現在計算中の要素Tに、2j/{n(n+1)}なる値(重み付けの割合を決定する値)にTmax−Tminを乗じた値を加算して、これを新たな要素Tとしてセットし直し(ST234)、現在の通信インターフェイス番号iに「1」を加算する(ST235)。また、現在計算中の要素Hが通信インターフェイスpでなかった場合(ST233;≠)、非接触ICカード2は、上記要素Tの更新手順を行うことなく、現在の通信インターフェイス番号iに「1」を加算する。
【0215】
なお、上記Tmaxは、Tminと同様に上記不揮発性メモリに定常的に保持された変数である各通信インターフェイスpの待ち時間最大値であり、その具体値としては、例えば、{Tmax,Tmax,Tmax}={3ms,3ms,3ms}などが設定される。
【0216】
次に、非接触ICカード2は、新たに設定された通信インターフェイス番号iが、切替待ち時間リストTの要素数m(例えば「2」)から「1」を減じた値(切替待ち時間リストZの最終の要素Tm−1の番号)に至ったか否かを判別し(ST236)、当該通信インターフェイス番号iがm−1に至るまで(ST236;≦)、履歴リストH中の所定の要素H(H)に配置された通信インターフェイスpの種別に応じながら、切替待ち時間リストT中の所定の要素Tに対する更新手順を繰り返し行う。
【0217】
次に、非接触ICカード2は、通信インターフェイス番号iがm−1を上回った時点(ST236;>)で、現在の履歴番号jから「1」を減算し(ST237)、その履歴番号jの値が「1」に至ったか否かを判別する(ST188)。
【0218】
そして、非接触ICカード2は、上記履歴番号が「1」に至るまで(ST238;≧)、履歴リストH中の以降の要素H(H→H)に配置された通信インターフェイスpの種別に応じながら、切替待ち時間リストT中の所定の要素Tに対する更新手順を繰り返し行い、上記履歴番号が「1」を下回った時点(ST238;<)で、所要の関数fwait(H)の計算手順を終了する。
【0219】
この結果、履歴リストHには、各通信インターフェイスpの待ち時間最小値Tminから同待ち時間最大値Tmaxまでの間で値が変化し得る重みが設定され、さらに、同一の通信インターフェイスp毎にその重みの和が計算されて、所要の新たな切替待ち時間リストTが得られるようになる。
【0220】
以上に説明した各手順を行った場合、非接触ICカード2における各通信インターフェイスpの実際の切替手順は、図22(b)に示すようなものとなる。
【0221】
即ち、非接触ICカード2は、図示のカード動作Iにおいて、当初の切替待ち時間リストT:{3ms,2ms,1ms}に応じた通信インターフェイスpの切替を繰り返して行うと共に(p→p)、通信確立が為された通信インターフェイスpを先頭に配置してなる新たな履歴リストH:{p,p,p}を生成し、リセット後のカード動作IIにおいては、履歴リストHへの重み付けに基づく新たな切替待ち時間リストT:{1.67ms,1ms,1.17ms}に応じて所要の切替手順を行うようになる(p→p→p→p→…)。
【0222】
(実施例12)
図24は、実施例12における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例12は、各通信インターフェイスpの各切替待ち時間をその切替のたびに微小に変更可能とし、その切替順序を固定とした例である。
【0223】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、カード初期化手順として、現在の通信インターフェイス切替回数cに「−1」をセットし(ST110)、さらに、続く通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットすると共に、上記通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を初期値の「0」にセットする(ST120)。
【0224】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、関数findex(c mod n,P)を計算して、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットすると共に、自身に内蔵されたROMに固定的に記憶された切替待ち時間リストTの各要素Tを乱数により変化させる関数frandom(c mod n,T)を計算して、その値を、現在の通信インターフェイスpの可変切替待ち時間Trにセットする。
【0225】
ここで、上記関数findex(c mod n,P)中のPは、実施例9におけるそれと同様な通信インターフェイスpの切替パターンリストである。即ち、当該切替パターンリストPは、種類の異なる複数の通信インターフェイスpを重複を許容しつつ固定的に規定するものであり、本例では、通信インターフェイスpの重複がない切替パターンリストP:{p,p,p}が規定されているものとする。
【0226】
また、上記切替待ち時間リストTは、非接触ICカード2に内蔵されたROMに固定的に記憶され、その各要素Tには、各通信インターフェイスp毎の切替待ち時間が設定される。即ち、当該切替待ち時間リストTは、各通信インターフェイスp毎の切替待ち時間を固定的に規定するものであり、本例では、実施例9と同様な切替待ち時間リストT:{3ms,2ms,1ms}が規定されているものとする。
【0227】
以上の切替パターンリストPを適用した場合、c mod nで示される切替パターンリストP中の要素Pの番号が「0」、現在の通信インターフェイス番号kが「0」となるため、非接触ICカード2は、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスp(初期値p)に関する通信要求の受信を開始する(ST133)。
【0228】
次に、非接触ICカード2は、続く受信判断手順として、上記通信インターフェイスpによりリーダライタ1と通信できたか否かを判別し(ST140)、通信が確立できない場合(ST140;No)には、続く待ち時間判断手順において、そのときのタイマtの値が、各通信インターフェイスP毎に変化させられた可変切替待ち時間Trに達したか否を判別する(ST152)。
【0229】
そして、非接触ICカード2は、タイマtの値が可変切替待ち時間Trに達するまで上記手順を繰り返し(ST152;≧)、通信インターフェイスpによるリーダライタ1との通信が確立できないまま、タイマtの値が可変切替待ち時間Trに達してしまった場合(ST152;<)には、前述のST120の通信初期化手順において通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を「1」にセットする。
【0230】
そして以下、非接触ICカード2は、ST133の切替手順以降において、リーダライタ1との間で、切替パターンリストP:{p,p,p}に規定された後続の通信インターフェイスp及びpによる通信が確立できるか否かを、各通信インターフェイスp毎に設定される可変切替待ち時間Trを用いながら順次検証し、所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点(ST140;Yes)で、続く交信状態維持手順において、そのリーダライタ1との間で所要の各種通信及び処理を行う(ST170)。
【0231】
ここで、上記関数frandom(c mod n,T)の詳細を説明すれば、以下のようになる。
図25は、図24の通信確立後切替手順で適用される関数frandom(c mod n,T)の計算手順を示すフローチャートである。
【0232】
同図に示すように、非接触ICカード2は、関数frandom(c mod n,T)の計算に際し、切替待ち時間リストTにおける現在の要素Tに、図示のTdifにrand()−0.5なる値を乗じた値を加算して、これを可変切替待ち時間Trにセットし(ST251)、以上により、所要の関数frandom(c mod n,T)の計算手順を終了する。
【0233】
ここで、上記Tdifは、ROM内に各通信インターフェイスq毎に固定的に規定された待ち時間振り幅であり、上記rand()−0.5は、数値0〜1の間で一様な乱数を発生する一様乱数発生関数である。
【0234】
以上に説明した各手順を行った場合、非接触ICカード2における各通信インターフェイスpの実際の切替手順は、図24(b)に示すようなものとなる。
【0235】
即ち、非接触ICカード2は、図示のカード動作Iにおいて、切替待ち時間リストT:{3ms,2ms,1ms}の乱数適用値に応じた通信インターフェイスpの切替を繰り返して行うと共に(p→p→p)、リセット後のカード動作IIにおいても、上記と同様に、同切替待ち時間リストTの先頭に位置する通信インターフェイスpから所要の切替手順を行うようになる(p→p→p→p→…)。
【0236】
(実施例13)
図26は、実施例13における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。本実施例13は、各通信インターフェイスpの各切替待ち時間を非接触ICカード2のリセットのたびに微小に変更可能とし、その切替順序を固定とした例である。
【0237】
同図(a)に示すように、非接触ICカード2は、リーダライタ1からの電力供給の開始と共に、まず、カード初期化手順として、現在の通信インターフェイス切替回数cに「−1」をセットすると共に、切替待ち時間リストTの全ての要素Tをそれぞれ一定の割合で乱数的に変化させたリストを生成する関数frandom(T)を計算して、その値を可変切替待ち時間リストTr(ベクトル)に一括してセットする(ST113)。
【0238】
ここで、上記切替待ち時間リストTは、非接触ICカード2に内蔵されたROMに固定的に記憶され、その各要素Tには、各通信インターフェイスp毎の切替待ち時間が設定される。即ち、当該切替待ち時間リストTは、各通信インターフェイスp毎の切替待ち時間を固定的に規定するものであり、本例では、実施例12と同様な切替待ち時間リストT:{3ms,2ms,1ms}が規定されているものとする。
【0239】
次に、非接触ICカード2は、続く通信初期化手順において、自動カウントアップを行うタイマtに「0」をセットすると共に、上記通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を初期値の「0」にセットする(ST120)。
【0240】
次に、非接触ICカード2は、所要の切替手順として、関数findex(c mod n,P)を計算して、その値を現在の通信インターフェイス番号kにセットし、以下、通信インターフェイスをpに変更して、当該通信インターフェイスpに関する通信要求の受信を開始する(ST130)。
【0241】
ここで、上記関数findex(c mod n,P)中のPは、実施例9におけるそれと同様な通信インターフェイスpの切替パターンリストである。即ち、当該切替パターンリストPは、種類の異なる複数の通信インターフェイスpを重複を許容しつつ固定的に規定するものであり、本例では、通信インターフェイスpの重複がない切替パターンリストP:{p,p,p}が規定されているものとする。
【0242】
次に、非接触ICカード2は、続く受信判断手順として、上記通信インターフェイスpによりリーダライタ1と通信できたか否かを判別し(ST140)、通信が確立できない場合(ST140;No)には、続く待ち時間判断手順において、そのときのタイマtの値が、一括してセットされた可変切替待ち時間リストTr中における該当する可変切替待ち時間Tr(k:現在の通信インターフェイス番号)に達したか否を判別する(ST153)。
【0243】
そして、非接触ICカード2は、タイマtの値が可変切替待ち時間Trに達するまで上記手順を繰り返し(ST153;≧)、通信インターフェイスpによるリーダライタ1との通信が確立できないまま、タイマtの値が可変切替待ち時間Trに達してしまった場合(ST153;<)には、前述のST120の通信初期化手順において通信インターフェイス切替回数cに「1」を加算して、その値を「1」にセットする。
【0244】
そして以下、非接触ICカード2は、ST130の切替手順以降において、リーダライタ1との間で、切替パターンリストP:{p,p,p}に規定された後続の通信インターフェイスp及びpによる通信が確立できるか否かを、一括してセットされた可変切替待ち時間リストTrを用いながら順次検証し、所定の通信インターフェイスpによる通信が確立できた時点(ST140;Yes)で、続く交信状態維持手順において、そのリーダライタ1との間で所要の各種通信及び処理を行う(ST170)。
【0245】
以上に説明した各手順を行った場合、非接触ICカード2における各通信インターフェイスpの実際の切替手順は、同図(b)に示すようなものとなる。
【0246】
即ち、非接触ICカード2は、図示のカード動作Iにおいて、切替待ち時間リストT:{3ms,2ms,1ms}の乱数適用値に応じた通信インターフェイスpの切替を繰り返して行うと共に(p→p→p)、リセット後のカード動作IIにおいても、上記と同様に、同切替待ち時間リストTの先頭に位置する通信インターフェイスpから所要の切替手順を行うようになる(p→p→p→p→…)。
【0247】
以上、本発明の実施例を13例にわたり説明したが、これら各実施例を任意に組み合せることにより、さらに多くの変形例を得ることが可能である。その詳細については敢えて説明はしないが、該当する種々の変形例は、言うまでもなく本発明の基本概念に包括されるものである。
【0248】
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、本発明は、必ずしも上記した事項に限定されるものではなく、本発明の目的を達し、下記する効果を奏する範囲において、適宜変更実施可能である。例えば、本発明における通信確立は、リーダライタ1と非接触ICカード2との間のみではなく、リーダライタ1同士の間、或いは非接触ICカード2同士の間で適用してもよい。
【0249】
また、本発明は、非接触ICカードの代わりに、他の携帯記録媒体、例えば、接触ICカードに適用してもよい。
【0250】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の通信インターフェイスに対応可能な非接触ICカードとリーダライタとの間における通信接続の確立において、通信インターフェイスを逐次切替えながら、通信要求命令を出す時間間隔を変更するので、通信の初期接続過程における通信インターフェイスの不一致を回避して、通信接続が確立する確率を高めるとともに、効率良く迅速に通信接続の確立をすることが可能となる。
【0251】
また、複数の通信インターフェイスに対応可能な非接触ICカードとリーダライタとの間における通信接続の確立において、通信要求命令群を出す時間間隔を変更することによっても、通信の初期接続過程における通信インターフェイスの不一致を回避して、通信接続が確立する確率を高めるとともに、効率良く迅速に通信接続の確立をすることが可能となる。
【0252】
また、通信要求命令を出す時間間隔或いは通信要求命令群を出す時間間隔を変更するときに、その時間間隔の初期値を、非接触ICカード又はリーダライタのいずれかを特定する固有の情報をなす識別情報に基づいて、設定することにより、時間間隔を変更すべき範囲を限定することが可能となるので、通信接続が確立する確率をさらに高めるとともに、さらに効率良く迅速に通信接続の確立をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である装置例の概念模式図である。
【図2】同上のリーダライタ1及び非接触ICカード2の要部概念ブロック図である。
【図3】同上における通信接続過程のタイミングチャートである。
【図4】本発明の実施形態である方法例1の処理を実施するタイミングチャートである。
【図5】同上を制御する記録媒体例1及びプログラム例1の実行手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態である方法例2の処理を実施するタイミングチャートである。
【図7】同上を制御する記録媒体例2及びプログラム例2の実行手順を示すフローチャートである。
【図8】リーダライタ1から放出される電磁波と非接触ICカード2の動作状態との関連を示す図である。
【図9】非接触ICカード2における各通信インターフェイスの切替待ち時間を示す図である。
【図10】実施例1における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図11】実施例2における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図12】実施例3における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図13】実施例4における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図14】実施例5における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図15】実施例6における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図16】実施例7における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図17】実施例8における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図18】図17の通信確立後切替手順で適用される関数fselect(H)の計算手順を示すフローチャートである。
【図19】実施例9における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図20】実施例10における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図21】図20の通信確立後切替手順で適用される関数fwait(c mod n,T)の計算手順を示すフローチャートである。
【図22】実施例11における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図23】図22の通信確立後切替手順で適用される関数fwait(H)の計算手順を示すフローチャートである。
【図24】実施例12における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【図25】図24の通信確立後切替手順で適用される関数frandom(c mod n,T)の計算手順を示すフローチャートである。
【図26】実施例13における実行手順を示すフローチャート(a)及びタイミングチャート(b)である。
【符号の説明】
1…リーダライタ
2…非接触ICカード
3…キャリア(搬送波)
11,21…通信インターフェイス
12,22…情報処理部
13,23…切替手段
14,24…時間間隔変更手段
15…送信手段(受信手段)
16,26…初期値設定手段
25…受信手段(送信手段)

Claims (17)

  1. 自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立するための通信確立方法であって、
    前記初期接続過程において、前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方が、
    該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に保持された選択確率に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替処理と、
    この切替処理で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、所定の切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信処理と、
    この送受信処理が実施されるたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断する判断処理と、
    この判断処理において前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記選択確率を所定割合増加させて保持する通信確立後切替処理とを有する、
    ことを特徴とする通信確立方法。
  2. 自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立するための通信確立方法であって、
    前記初期接続過程において、前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方が、
    該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替処理と、
    この切替処理で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に保持された該当する切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信処理と、
    この送受信処理が実施されるたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断する判断処理と、
    この判断処理において前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記切替待ち時間を所定時間長くして保持する通信確立後切替処理とを有する、
    ことを特徴とする通信確立方法。
  3. 自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立するための通信確立方法であって、
    前記初期接続過程において、前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方が、
    該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替処理と、
    この切替処理で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信処理と、
    前記切替処理が実施されるたびに、該当する前記切替待ち時間を乱数を用い変化させて設定する処理とを有する、
    ことを特徴とする通信確立方法。
  4. 自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立するための通信確立方法であって、
    前記初期接続過程において、前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方が、
    該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替処理と、
    この切替処理で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信処理と、
    前記初期接続過程を経るたびに、全ての前記切替待ち時間を乱数を用いて一括変化させて設定する処理とを有する、
    ことを特徴とする通信確立方法。
  5. 自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくとも非接触ICカードを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能なリーダライタであって、
    前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎の選択確率を保持する選択確率リストと、
    前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、前記選択確率リストに保持された前記選択確率に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、
    この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、所定の切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、
    前記通信要求命令の送信又は受信のたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断し、
    前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手段の処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記選択確率を所定割合増加させて前記選択確率リストに保持するよう構成される、
    ことを特徴とするリーダライタ。
  6. 自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくとも非接触ICカードを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能なリーダライタであって、
    前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎の切替待ち時間を保持する切替待ち時間リストと、
    前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、
    この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記切替待ち時間リストに保持された該当する前記切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、
    前記通信要求命令の送信又は受信のたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断し、
    前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手段の処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記切替待ち時間を所定時間長くして前記切替待ち時間リストに保持するよう構成される、
    ことを特徴とするリーダライタ。
  7. 自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくとも非接触ICカードを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能なリーダライタであって、
    前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、
    この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、
    前記切替手段の処理が実施されるたびに、該当する前記切替待ち時間を乱数を用い変化させて設定するよう構成される、
    ことを特徴とするリーダライタ。
  8. 自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくとも非接触ICカードを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能なリーダライタであって、
    前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、
    この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、
    前記初期接続過程を経るたびに、全ての前記切替待ち時間を乱数を用いて一括変化させて設定するよう構成される、
    ことを特徴とするリーダライタ。
  9. 自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくともリーダライタを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能な非接触ICカードであって、
    前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎の選択確率を保持する選択確率リストと、
    前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、前記選択確率リストに保持された前記選択確率に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、
    この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、所定の切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、
    前記通信要求命令の送信又は受信のたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断し、
    前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手段の処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記選択確率を所定割合増加させて前記選択確率リストに保持するよう構成される、
    ことを特徴とする非接触ICカード。
  10. 自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくともリーダライタを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能な非接触ICカードであって、
    前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎の切替待ち時間を保持する切替待ち時間リストと、
    前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、
    この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記切替待ち時間リストに保持された該当する前記切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、
    前記通信要求命令の送信又は受信のたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断し、
    前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手段の処理に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記切替待ち時間を所定時間長くして前記切替待ち時間リストに保持するよう構成される、
    ことを特徴とする非接触ICカード。
  11. 自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくともリーダライタを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能な非接触ICカードであって、
    前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、
    この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、
    前記切替手段の処理が実施されるたびに、該当する前記切替待ち時間を乱数を用い変化させて設定するよう構成される、
    ことを特徴とする非接触ICカード。
  12. 自身に実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能を有し、少なくともリーダライタを通信相手としながら、当該通信相手との間の初期接続過程において通信接続を確立することの可能な非接触ICカードであって、
    前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手段と、
    この切替手段で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信相手との前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手段とを有し、
    前記初期接続過程を経るたびに、全ての前記切替待ち時間を乱数を用いて一括変化させて設定するよう構成される、
    ことを特徴とする非接触ICカード。
  13. 自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立させるために、当該非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に導入して使用される通信確立プログラムであって、
    当該通信確立プログラムは、
    該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に保持された選択確率に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手順と、
    この切替手順で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、所定の切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手順と、
    この送受信手順が実行されるたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断する判断手順と、
    この判断手順において前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手順に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記選択確率を所定割合増加させて保持する通信確立後切替手順とを、
    該当する前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に実行させる、
    ことを特徴とする通信確立プログラム。
  14. 自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立させるために、当該非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に導入して使用される通信確立プログラムであって、
    当該通信確立プログラムは、
    該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手順と、
    この切替手順で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に保持された該当する切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手順と、
    この送受信手順が実行されるたびに前記通信接続が確立できたか否かを判断する判断手順と、
    この判断手順において前記通信接続が確立できたと判断された場合に、次回の初期接続過程における前記切替手順に供するため、当該通信確立時における前記通信インターフェイスの前記切替待ち時間を所定時間長くして保持する通信確立後切替手順とを、
    該当する前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に実行させる、
    ことを特徴とする通信確立プログラム。
  15. 自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立させるために、当該非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に導入して使用される通信確立プログラムであって、
    当該通信確立プログラムは、
    該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手順と、
    この切替手順で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手順と、
    前記切替手順が実行されるたびに、該当する前記切替待ち時間を乱数を用い変化させて設定する手順とを、
    該当する前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に実行させる、
    ことを特徴とする通信確立プログラム。
  16. 自身にそれぞれ実装された複数の通信インターフェイスを順次切替える機能をそれぞれ有する非接触ICカードとリーダライタとの組み合せに適用され、当該非接触ICカードと当該リーダライタとの間の初期接続過程において通信接続を確立させるために、当該非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に導入して使用される通信確立プログラムであって、
    当該通信確立プログラムは、
    該当する前記複数の通信インターフェイスの中から1つを、所定の切替順序に従って選択し、それまで選択されていた通信インターフェイスを当該選択された通信インターフェイスに切替える切替手順と、
    この切替手順で切替えられた当該通信インターフェイスを用いながら、前記複数の通信インターフェイスのそれぞれ毎に設定された切替待ち時間が経過するまで、前記通信接続を確立するための通信要求命令の送信及び受信のいずれか一方を繰り返す送受信手順と、
    前記初期接続過程を経るたびに、全ての前記切替待ち時間を乱数を用いて一括変化させて設定する手順とを、
    該当する前記非接触ICカード及びリーダライタの少なくとも一方に実行させる、
    ことを特徴とする通信確立プログラム。
  17. 請求項13、14、15又は16に記載の通信確立プログラムをコンピュータ読取り可能に記録してなる、
    ことを特徴とする通信確立プログラムを記録した記録媒体。
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