JP2004038574A - 非接触icカード通信システム、リーダ/ライタ及び非接触icカード - Google Patents
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Abstract
【課題】リーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードをより短時間で取得することができる非接触ICカード通信システム、リーダ/ライタ及び非接触ICカードを提供する。
【解決手段】リーダ/ライタは、応答信号送信条件を含む呼出信号201を送信する。呼出信号201を受信した非接触ICカードA、B、Cは自らの応答信号送信条件情報と応答信号送信条件とを比較し、これらが一致した非接触ICカードBのみが、リーダ/ライタに対して、自己のIDコードを含む応答信号202を返信する。リーダ/ライタは、応答信号送信条件を変更して呼出信号211を送信し、当該応答信号送信条件に合致する応答信号送信条件情報を有する非接触ICカードAからIDコードを取得する。そして、取得したIDコードを用いて、データ処理を実行する。
【選択図】 図2
【解決手段】リーダ/ライタは、応答信号送信条件を含む呼出信号201を送信する。呼出信号201を受信した非接触ICカードA、B、Cは自らの応答信号送信条件情報と応答信号送信条件とを比較し、これらが一致した非接触ICカードBのみが、リーダ/ライタに対して、自己のIDコードを含む応答信号202を返信する。リーダ/ライタは、応答信号送信条件を変更して呼出信号211を送信し、当該応答信号送信条件に合致する応答信号送信条件情報を有する非接触ICカードAからIDコードを取得する。そして、取得したIDコードを用いて、データ処理を実行する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカードとリーダ/ライタとが無線通信を行う非接触ICカード通信システムに関し、特に、リーダ/ライタが複数のICカードと並行して無線通信を行う際の通信性能を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線通信機能を備えたICを埋設したICカードやICタグ、RFID(radio frequency identification)タグ等といった装置が、テレフォンカードや公共交通機関の乗車券に始まって、FA(Factory Automation)や物流管理に至る、さまざまな分野に適用されている。以下、これらICカードやICタグ、RFID等の装置を総称して非接触ICカードという。
【0003】
非接触ICカードは、リーダ/ライタとの間で無線通信を行うことにより、新たなデータの書込み要求を受け付けたり、或いは、既に記録しているデータの読み出し要求を受け付けたりする。リーダ/ライタは、所定の領域(以下、「交信領域」という。)内に存在する非接触ICカードとのみ無線通信することができる。
【0004】
また、当初、リーダ/ライタは、その交信領域内に存在する非接触ICカードがひとつだけである場合にしか無線通信を実行できなかったが、近年では、リーダ/ライタの交信領域内に存在する非接触ICカードが複数である場合であっても、目的とする非接触ICカードと無線通信をすることができるようになってきている。
【0005】
すなわち、個々の非接触ICカードには、それぞれ固有のIDコードが割り当てられており、リーダ/ライタは当該IDコードを指定することによって、交信領域内に存在する各非接触ICカードと無線通信する。このため、リーダ/ライタは、非接触ICカードとの無線通信に先立って、そのIDコードを取得しなければならず、このIDコードを取得するための技術開発が盛んに進められている。
【0006】
例えば、現今、テレフォンカード等に適用されている国際標準規格(ISO/IEC 14443−3, ”Identification cards − Contactless integrated circuit(s) cards− Proximity cards − Part 3:Initialization and anticollision”, October 1999.)においては、タイムスロットを用いた時分割多重方式が規定されている(Annex C(informative):Type A#timeslot−Initialization and anticollision)。
【0007】
当該国際標準規格によれば、リーダ/ライタ(PCD:Proximity Coupling Device)は、先ず、REQA_t(Request Command of Type A#timeslot)を送信する。そして、当該REQA_tに対する応答であるATQA_t(Answer to Request of Type A#timeslot)を受信したら、交信領域内に非接触ICカード(PICC:Proximity Integrated Circuit(s) Cards)が存在していると判断して、非接触ICカードのIDコードの取得を開始する。
【0008】
図10は、当該国際標準規格にて規定されたIDコードの取得手順を示すシーケンス図であって、リーダ/ライタの交信領域内に3台の非接触ICカードX、Y、Zが存在している場合が示されている。図10に示すように、リーダ/ライタは非接触ICカードのIDコードを取得するために、呼出信号(REQ−ID:Request−ID Command)601を無線送信する。
【0009】
非接触ICカードX、Y、Zは、リーダ/ライタから呼出信号601を無線受信すると、IDコードを格納した応答信号(ATQ−ID:Answer To REQ−ID)を無線返信する。この場合において、非接触ICカードX、Y、Zが応答すべき期間は複数のタイムスロット(図10においては4つ。)に分割されており、各非接触ICカードは擬似乱数を発生させ、その結果に応じて応答信号を返信するタイムスロットをそれぞれ選択する。
【0010】
1のタイムスロットにおいて、応答信号を返信する非接触ICカードがひとつだけである場合には、リーダ/ライタはその応答信号を正常に受信することが出来る。しかし、1のタイムスロットにおいて、応答信号を返信する非接触ICカードが2以上ある場合、又はひとつも無い場合にはリーダ/ライタは、応答信号を受信することが出来ない。
【0011】
図10に示すように、リーダ/ライタが呼出信号601を送信した後、1番目のタイムスロットにおいては、いずれの非接触ICカードも応答していない。2番目のタイムスロットにおいては、非接触ICカードXが応答信号602を送信すると共に、非接触ICカードYも応答信号を送信している。その結果、これらの応答信号が衝突するので、リーダ/ライタは応答信号を受信することができず、IDコードを取得することができない。
【0012】
3番目のタイムスロットにおいては、応答信号を送信しているのは非接触ICカードZのみである。したがって、応答信号の衝突が発生しないので、リーダ/ライタは、非接触ICカードZのIDコードを取得することが出来る。4番目のタイムスロットにおいては、いずれの非接触ICカードも応答していないので、リーダ/ライタはIDコードを取得することができない。
【0013】
4つのタイムスロットからなる応答期間が経過した後、リーダ/ライタは、呼出信号611を送信する。非接触ICカードX、Y、Zは、呼出信号611を受信すると、再び擬似乱数によりタイムスロットを選択する。1番目のタイムスロットにおいては、非接触ICカードY、Zの応答信号が衝突するため、また、2番目と4番目のタイムスロットにおいては無応答であるために、リーダ/ライタはIDコードを取得することができない。
【0014】
一方、3番目のタイムスロットにおいては、非接触ICカードXのみが応答信号を送信するので、リーダ/ライタは、当該非接触ICカードのIDコードを取得することができる。
また、呼出信号621に対しては、1番目と3番目のタイムスロットにおいては無応答のため、また、2番目のタイムスロットにおいては応答信号の衝突により、リーダ/ライタは、IDコードを取得することができないが、4番目のタイムスロットにおいては非接触ICカードYのIDコードを取得することができる。
【0015】
このように、リーダ/ライタは、呼出信号を繰り返し送信し、これに対する応答信号を参照することによって、交信領域内に存在する非接触ICカードのIDコードを取得する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術においては、1の交信領域内に存在する非接触ICカード数が増加すると、リーダ/ライタが送信する呼出信号に対する非接触ICカードの応答が衝突する確率が増大する。この結果、非接触ICカードのIDコードが取得できるまで、リーダ/ライタが何回も呼出信号を送信しなければならず、IDコードを取得するための処理時間が増大してしまうという問題がある。
【0017】
これに対して、スロット数を増やすことによって、非接触ICカードからの応答が衝突する確率を低減することはできる。しかし、1スロット当たりの通信時間を短縮するには限界があるので、スロット数を増加させるとやはり処理時間の増大を招く結果となる。
一般に、非接触ICカードは、移動しながらでもリーダ/ライタからアクセスできる点を特徴としているため、リーダ/ライタは非接触ICカードがその交信領域内を通過する間に通信を完了しなければならない。したがって、上記のような理由によって、通信の前処理であるIDコードの取得に長時間を要するようでは、本来の通信のために十分な時間を確保することができない。
【0018】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであって、リーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードをより短時間で取得することができる非接触ICカード通信システム、リーダ/ライタ及び非接触ICカードを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る非接触ICカード通信システムは、リーダ/ライタと非接触ICカードとを備える非接触ICカード通信システムであって、前記リーダ/ライタは、第1のデータを含む呼出信号を送信する呼出信号送信手段と、前記呼出信号に対する、非接触ICカードからの応答信号を受信する応答信号受信手段と、前記応答信号からIDコードを取得するIDコード取得手段とを備え、前記非接触ICカードは、第2のデータを保持するデータ保持手段と、前記呼出信号を受信する呼出信号受信手段と、前記呼出信号受信手段にて受信した前記呼出信号に係る第1のデータと前記第2のデータとを照合して、応答信号を送信するか否かを決定する応答信号送信決定手段と、前記応答信号送信決定手段の決定にしたがって、自らのIDコードを含む応答信号を送信する応答信号送信手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
特に、前記第1のデータと前記第2のデータとは、いずれも、前記IDコードよりもデータサイズが小さいことを特徴とし、また、前記リーダ/ライタは、前記応答信号を受信しなかったときは、前記第1のデータを変更するデータ変更手段を備え、前記呼出信号送信手段は、変更後の第1のデータを含む呼出信号を送信することを特徴とするので、リーダ/ライタからの呼出信号に対する非接触ICカードの応答が衝突するのを回避して、交信領域内に存在する非接触ICカードのIDコードをより短い時間で取得することができる。
【0021】
また、前記第1のデータ(以下、「応答信号送信条件」という。)と前記第2のデータ(以下、「応答信号送信条件情報」という。)との照合に際しては、前記応答信号送信決定手段は、前記第1のデータと前記第2のデータとが一致するときに、前記応答信号を送信すると決定するとしても良い。このようにすれば、いずれの応答信号送信条件情報を有する非接触ICカードについても、漏れなくIDコードを応答させることができる。
【0022】
また、上記の照合に際しては、前記第1のデータのデータ長は、前記第2のデータのデータ長以下であり、かつ、前記応答信号送信決定手段は、前記第2のデータの所定の部分が前記第1のデータと一致するときに、前記応答信号を送信すると決定するとしても良い。特に、前記データ変更手段は、第1のデータのデータ長を増加させるとすれば、リーダ/ライタの交信領域内に存在する非接触ICカードのIDコードを更に早く取得することができる。
【0023】
また、前記リーダ/ライタは、前記IDコードを取得した非接触ICカードに対して、第2のデータのデータ長の増加を指示するデータ長増加指示を送信するデータ長増加指示送信手段を備え、前記非接触ICカードは、前記データ長増加指示を受信すると、第2のデータのデータ長を増加させるデータ長増加手段を備えることを特徴とする。
【0024】
このようにすれば、一旦、非接触ICカードとの通信を打ち切った後、再度、当該非接触カードのIDコードを取得して、通信しようとする場合であって、かつ、通信の中断中に前記非接触ICカードと同じ応答信号送信条件情報を有する非接触ICカードが交信領域内に入ってきたような場合であっても、前回通信した非接触ICカードの応答信号送信条件情報のデータ長が増加されているので、当該非接触ICカードのIDコードを再度、取得することができる。
【0025】
本発明に係るリーダ/ライタは、非接触ICカードと通信するリーダ/ライタであって、第1のデータを含む呼出信号を送信する呼出信号送信手段と、前記呼出信号に対する、前記非接触ICカードからの応答信号を受信する応答信号受信手段と、前記応答信号から前記非接触ICカードのIDコードを取得するIDコード取得手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
特に、前記リーダ/ライタは、前記応答信号を受信しなかったときは、前記第1のデータを変更するデータ変更手段を備え、前記呼出信号送信手段は、変更後の第1のデータを含む呼出信号を送信することを特徴とし、また、前記データ変更手段は、第1のデータのデータ長を増加させることを特徴とするので、上記非接触ICカード通信システムと同様に、呼出信号に対する非接触ICカードの応答が衝突するのを回避して、交信領域内に存在する非接触ICカードのIDコードをより短い時間で取得することができる。
【0027】
また、前記リーダ/ライタは、前記IDコードを取得した非接触ICカードに対して、第2のデータのデータ長の増加を指示するデータ長増加指示を送信するデータ長増加指示送信手段を備えることを特徴とする。従って、上記のように、一旦通信を打ち切った非接触ICカードと再度、通信しようとする場合に有効である。
【0028】
本発明に係る非接触ICカードは、リーダ/ライタと通信する非接触ICカードであって、前記リーダ/ライタから、第1のデータを含む呼出信号を受信する呼出信号受信手段と、第2のデータを保持するデータ保持手段と、前記呼出信号受信手段にて受信した前記呼出信号に係る第1のデータと前記第2のデータとを照合して、応答信号を送信するか否かを決定する応答信号送信決定手段と、前記応答信号送信決定手段の決定にしたがって、自らのIDコードを含む応答信号を送信する応答信号送信手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
また、前記応答信号送信決定手段は、前記第1のデータと前記第2のデータとが一致するときに、前記応答信号を送信すると決定することを特徴とし、或いは、前記第1のデータのデータ長は前記第2のデータのデータ長以下であり、かつ、前記応答信号送信決定手段は、前記第2のデータの所定の部分が前記第1のデータと一致するときに、前記応答信号を送信すると決定することを特徴とするので、上記非接触ICカード通信システムにおいて得られる効果と同様の効果を奏することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る非接触ICカード通信システムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] 第1の実施の形態
[1−1] システムの構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムのシステム構成、並びに、当該非接触ICカード通信システムを構成する各機器、すなわち、リーダ/ライタと非接触ICカードとの各装置構成を示す構成図である。なお、図1においては、リーダ/ライタの交信領域内に存在する非接触ICカードとして1の非接触ICカードのみが示されているが、これは一例に過ぎず、当該交信領域内に複数の非接触ICカードが存在しても良いことは言うまでもない。
【0031】
さて、図1に示すように、非接触ICカード通信システム1は、リーダ/ライタ10に接続されたコントローラ(不図示)が、当該リーダ/ライタ10を介して非接触ICカード11と通信する。
リーダ/ライタ10は、制御部101、変調部102、復調部103、アンテナ104、およびメモリ105を備えている。制御部101は、コントローラからの送信要求を受け付けると、変調部102へ送信データを出力する。変調部102は、制御部101から受け付けた送信データをASK変調(Amplitude Shift Keying:振幅変調)した後、13.56MHzの搬送波にのせて、アンテナ104に送信信号を出力する。
【0032】
アンテナ104は、変調部102から送信信号を受け付けると、当該送信信号を電波に変換し、非接触ICカード11に向けて発信する。アンテナ104は、また、非接触ICカード11から負荷変調波を受信して電気信号に変換する。そして、この電気信号を受信信号として復調部103に出力する。復調部103は、アンテナ104から受け付けた受信信号を復調して、制御部101に出力する。
【0033】
制御部101は、復調部103から受け付けた受信データのうち、コントローラへ出力すべきデータを抽出して、コントローラへ出力する。また、メモリ104は、制御部101に、作業メモリ等として使用されたり、或いは、制御されたデータのリードやライトを実行させたりする。
非接触ICカード11は、制御部111、変調部112、復調部113、アンテナ114、およびメモリ115を備えている。アンテナ114は、前記アンテナ104が発信した電波を受信して、受信信号を復調部113に出力する。復調部113は、アンテナ114から受け付けた受信信号を復調して、受信データを制御部111へ出力する。
【0034】
制御部111は、復調部113から受け付けた受信データを解析して、不揮発性メモリ115にデータを書き込んだり、或いは不揮発性メモリ115からデータを読み出したりする。非接触ICカード11のIDコードは、当該不揮発性メモリ115に格納されている。また、不揮発性メモリ115には、後述する、応答信号送信条件情報も格納されている。
【0035】
制御部111は、IDコード等のデータをリーダ/ライタ10へ送信する際には、送信データを変調部112に出力する。変調部112は、制御部111から受け付けた送信データで13.56MHzの搬送波を負荷変調して、アンテナ114に送信信号を出力する。アンテナ114は、変調部112から受け付けた送信信号をリーダ/ライタ10に向けて送信する。
【0036】
非接触ICカード11は、アンテナ114にて受信した電波から受信信号を抽出する他に、クロック信号を抽出したり、電力の供給を受けたりする。また、非接触ICカード11を構成する制御部111や不揮発性メモリ115等は、フィルム基板その他の基板上に実装されており、全体としてカード形状に仕上げられている。
【0037】
[1−2] 通信手順
次に、リーダ/ライタ10と非接触ICカード11との間の通信手順であって、特に、リーダ/ライタ10が非接触ICカード11のIDコードを取得するための通信手順について説明する。
リーダ/ライタ10と通信を行う非接触ICカードにおいては、その不揮発性メモリに非接触ICカード固有のIDコードの他、応答信号送信条件情報が格納されている。当該応答信号送信条件情報は、1バイトのデータであって、非接触ICカード毎にランダムな値が与えられている。リーダ/ライタ10は呼出信号を送信する際に、併せて応答信号送信条件を指定する。
【0038】
これに対して、非接触ICカード11は、呼出信号とともに応答信号送信条件を受信すると、不揮発性メモリ115に格納されている応答信号送信条件情報を読み出す。そして、リーダ/ライタから受信した応答信号送信条件と、読み出した応答信号送信条件情報とが一致した場合には、不揮発性メモリ115からIDコードを読み出して、これをリーダ/ライタ10に返信する。
【0039】
図2は、本実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードからIDコードを取得する際に実行される通信手順を示すシーケンス図であって、特に、リーダ/ライタの交信領域内に3台の非接触ICカードA、B、Cが存在している場合について示す図である。
図2に示すように、リーダ/ライタは、コントローラから呼出しの要求を受け付けると、応答信号送信条件を指定した呼出信号201を送信する。呼出信号201を受信した非接触ICカードA、B、Cは、それぞれ自己の不揮発性メモリから読み出した応答信号送信条件情報と、リーダ/ライタから受信した応答信号送信条件とを比較する。
【0040】
図2においては、非接触ICカードBが有する応答信号送信条件情報と呼出信号01に係る応答信号送信条件とが一致する場合が示されており、非接触ICカードBは、リーダ/ライタに対して、自己のIDコードを含む応答信号202を返信する。また、非接触ICカードA、Cが有する応答信号送信条件情報と呼出信号201に係る応答信号送信条件とは一致せず、非接触ICカードA、CはIDコードを返信しない。
【0041】
次に、リーダ/ライタは呼出信号201に係る応答信号送信条件とは別の応答信号送信条件を指定して、呼出信号211を送信する。すると、上記と同様に、各非接触ICカードは、自己の応答信号送信条件情報と呼出信号211に係る応答信号送信条件とを比較する。
図2には、呼出信号211に係る応答信号送信条件が非接触ICカードAの応答信号送信条件情報と一致する場合であって、非接触ICカードB、Cの応答信号送信条件情報とは一致しない場合が図示されている。したがって、非接触ICカードAのみが、リーダ/ライタに対して、応答信号212を返信することにより、自己のIDコードを通知する。
【0042】
リーダ/ライタは、非接触ICカードA、BのIDコードを取得すると、IDコードを取得するための通信手順を終了する。そして、IDコードを取得できた非接触ICカードであって、コントローラが処理を要求した非接触ICカードとのデータ処理を実行する。
すなわち、リーダ/ライタは、コントローラからの処理要求に応じて、非接触ICカードAのIDコードを指定した処理要求信号221を送信し、当該信号に対する処理結果信号222を非接触ICカードAから受信する。また、同様にして、リーダ/ライタは、コントローラからの処理要求に応じて、非接触ICカードBのIDコードを指定した処理要求信号231を送信して、処理結果信号232を受信する。
【0043】
[1−3] 情報パケットのフォーマット
次に、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムにおいて送受信される情報パケットのフォーマットについて説明する。図3は、各情報パケットのフォーマットを示す図である。以下、図3に基づき、各フォーマットについて説明する。
【0044】
[1−3−1] 呼出信号の情報パケット・フォーマット
図3(a)は、リーダ/ライタが送信する呼出信号に相当する情報パケットのフォーマットを示している。図3(a)に示すように、情報パケット301は、先頭からコマンド・フィールドと応答信号送信条件フィールドとの2つのフィールドからなっている。
【0045】
コマンド・フィールドは、1バイトのフィールドであって、情報パケットの種別を表す1バイトのコマンド・コードが格納される。情報パケット301においては、次の応答信号送信条件に合致する非接触ICカードに対してIDコードの送信を要求するアンチコリジョン呼出コマンドである旨を表わすコマンド・コードが格納される。応答信号送信条件フィールドもまた1バイトのフィールドであって、上述の応答信号送信条件が格納される。
【0046】
[1−3−2] 応答信号の情報パケット・フォーマット
図3(b)は、リーダ/ライタが送信した呼出信号に応えて、非接触ICカードが送信する応答信号に相当する情報パケットのフォーマットを示している。図3(b)に示すように、情報パケット302は、先頭からコマンド・フィールド、応答信号送信条件情報フィールド、およびIDコード・フィールドの3つのフィールドからなっている。
【0047】
コマンド・フィールドは、上記情報パケット301と同様に、情報パケットの種別を表すコマンド・コードが格納される1バイトのフィールドである。情報パケット302では、前記アンチコリジョン呼出コマンドに対する応答である旨を表わすコマンド・コードが格納される。
応答信号送信条件情報フィールドもまた1バイトのフィールドであって、情報パケット302を送信した非接触ICカードの不揮発性メモリから読み出された応答信号送信条件情報が格納される。
【0048】
IDコード・フィールドは、当該非接触ICカードのIDコードが格納されるフィールドである。非接触ICカードに割り当てられるIDコードのデータ・サイズは、一般的に、数十バイトから数百バイト程度であることが多い。本実施の形態においては、IDコードのデータ・サイズを256バイトとしており、これに合わせて、IDコード・フィールドのフィールド長も256バイトとなっている。
【0049】
[1−3−3] データ処理における情報パケット・フォーマット
以下、コントローラからの処理要求に応じてなされるデータ処理に用いられる情報パケットのフォーマットについて、非接触ICカードへのデータの書込み処理要求とその応答、並びに非接触ICカードからのデータの読出し処理要求とその応答を例にとって説明する。
【0050】
(1) データ書込み処理
図3(c)は、コントローラからのデータ書込み処理の要求に応じて、リーダ/ライタが送信する情報パケットのフォーマットを示している。図3(c)に示すように、情報パケット303は、先頭からコマンド・フィールド、IDコード・フィールド、アドレス・フィールド、およびデータ・フィールドの4つのフィールドからなっている。
【0051】
コマンド・フィールドには、データ書込み処理要求コマンドである旨を表わすコマンド・コードが格納される。また、IDコード・フィールドにはデータの書込み処理を要求する非接触ICカードのIDコードが格納される。
アドレス・フィールドは、2バイトのフィールドであって、IDコード・フィールドに格納されたIDコードを有する非接触ICカードの不揮発性メモリのアドレスが格納される。また、データ・フィールドは、1バイトのフィールドであって、前記アドレス・フィールドにて指定されたアドレスに書き込まれるべきデータが格納されている。
【0052】
上記のようなデータ書込み処理の要求を受け付けた非接触ICカードは、リーダ/ライタに処理結果を応答する。図3(d)は、リーダ/ライタからデータ書込み処理要求コマンドに係る情報パケットを受信した非接触ICカードが返信する情報パケットのフォーマットを示している。図3(d)に示すように、情報パケット304は、先頭からコマンド・フィールド、IDコード・フィールド、および処理結果フィールドの3つのフィールドからなっている。
【0053】
コマンド・フィールドには、データ書込み処理要求コマンドに係る情報パケットに対する応答である旨を表わすコマンド・コードが格納される。また、IDコード・フィールドには、当該情報パケットを送信する非接触ICカードのIDコードが格納される。
処理結果フィールドには、データ書込み処理要求の受信を契機に実行した処理の結果を表わす処理結果コードが格納される。処理結果コードには、例えば、データの書込み処理が正常に終了した旨を表わす処理結果コードや、リーダ/ライタから受信した情報パケットのアドレス・フィールドに格納されたアドレスが不正である旨を表わす処理結果コード等がある。
【0054】
(2) データ読出し処理
図3(e)は、コントローラからのデータ読出し処理の要求に応じて、リーダ/ライタが送信する情報パケットのフォーマットを示している。図3(e)に示すように、情報パケット305は、先頭からコマンド・フィールド、IDコード・フィールド、およびアドレス・フィールドの3つのフィールドからなっている。
【0055】
コマンド・フィールドには、データ読出し処理要求コマンドである旨を表わすコマンド・コードが格納される。また、IDコード・フィールドにはデータの読出し処理を要求する非接触ICカードのIDコードが格納される。
アドレス・フィールドは、前記IDコードに係る非接触ICカードの不揮発性メモリのアドレスが格納される2バイトのフィールドである。すなわち、情報パケット305は、当該アドレス・フィールドにて指定されたアドレスに格納されているデータの読出し処理を要求する情報パケットである。
【0056】
上記のようなデータ読出し処理の要求を受け付けた非接触ICカードは、リーダ/ライタに処理結果を応答する。図3(d)は、データ読出し処理要求コマンドに係る情報パケットに対して非接触ICカードが返信する情報パケットのフォーマットを示している。図3(d)に示すように、情報パケット306は、先頭からコマンド・フィールド、IDコード・フィールド、処理結果フィールド、およびデータ・フィールドの4つのフィールドからなっている。
【0057】
コマンド・フィールドには、データ読出し処理要求コマンドに係る情報パケットに対する応答である旨を表わすコマンド・コードが格納される。また、IDコード・フィールドには、当該情報パケットを送信する非接触ICカードのIDコードが格納される。
処理結果フィールドには、データ読出し処理要求の受信を契機に実行した処理の結果を表わす1バイトの処理結果コードが格納される。処理結果コードには、例えば、データの読出し処理が正常に終了した旨を表わす処理結果コードや、リーダ/ライタから受信した情報パケットのアドレス・フィールドに格納されたアドレスが不正である旨を表わす処理結果コード等がある。
【0058】
データ・フィールドは、非接触ICカードがその不揮発性メモリの指定されたアドレスから読み出したデータが格納される1バイトのフィールドである。なお、当該データ・フィールドに格納されているデータは、前記処理結果フィールドに格納された処理結果コードが読出し処理の正常終了を表わしている場合にのみ有効であり、それ以外の場合には無効である。
【0059】
[1−4] 本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムの動作
次に、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムの動作であって、特に、リーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際におけるリーダ/ライタ並びに非接触ICカードの動作について説明する。
[1−4−1] リーダ/ライタの動作
図4は、本実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。図4に示すように、リーダ/ライタは、コントローラからの呼出指示を受け付けると、応答信号送信条件Cを「0」に設定し(ステップS100)、当該応答信号送信条件Cを含む呼出信号を送信する(ステップS101)。
【0060】
その後、リーダ/ライタは応答信号の衝突が検出されず(ステップS102:No)、正常に応答信号を受信したら(ステップS103:No)、当該応答信号に含まれているIDコードを記録する(ステップS104)。リーダ/ライタは、応答信号の衝突を検出した場合(ステップS102:Yes)や応答信号を受信しなかった場合(ステップS103:Yes)、或いはステップS104の処理の後、応答信号送信条件Cを1だけ増加させる(ステップS105)。
【0061】
そして、リーダ/ライタは、非接触ICカードのIDコードを取得する処理の終了条件をチェックして、終了すべきでなければ(ステップS106:No)、ステップS101へ進んで、新しい応答信号送信条件を指定した呼出信号を送信する。終了条件が満足されていたら(ステップS106:Yes)、IDコードの取得処理を終了する。
【0062】
なお、IDコードの取得を終了して、データ処理に移行するための終了条件については、例えば、1台の非接触ICカードについてIDコードを取得できた時点を終了条件としても良いし、2台の非接触ICカードについてIDコードを取得できた時点を終了条件としても良い。或いは、また、他の条件を適用するとしても良い。
【0063】
[1−4−2] 非接触ICカードの動作
図5は、本実施の形態に係る非接触ICカードが呼出信号に応えて、自己のIDコードをリーダ/ライタに送信する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。図5に示すように、非接触ICカードは、リーダ/ライタからの呼出信号を受信したかどうかをチェックして、受信していなければ(ステップS200:No)、そのまま呼出信号を待つ。
【0064】
呼出信号を受信したことを確認したら(ステップS200:Yes)、当該呼出信号に含まれている応答信号送信条件と自己の不揮発性メモリから読み出した応答信号送信条件情報とが一致しているかをチェックする。非接触ICカードは、これらが一致していることが確認されると(ステップS201:Yes)、リーダ/ライタに対して、IDコードを格納した応答信号を送信する(ステップS202)。
【0065】
非接触ICカードは、受信した応答信号送信条件と自己の応答信号送信条件情報とが一致しなかった場合(ステップS201:No)、または、ステップS202の処理が終了した後、ステップS200へ進んで、次の呼出信号を待つ。
[1−5] 本実施の形態の効果
以上、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムおいては、IDコードの取得に際して、応答信号送信条件を用いて、非接触ICカードからの応答が衝突するのを回避するので、リーダ/ライタの交信領域内に複数の非接触ICカードが存在する場合であっても、IDコードを効率的に獲得することができる。したがって、当該交信領域に複数枚の非接触ICカードが存在する場合に、データ処理時間の短縮を図ることができる。
【0066】
本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムを公共交通機関の乗車券やテレフォンカード等に適用すれば、一人の人物がこれら乗車券やテレフォンカードとして複数枚の非接触ICカードを所持しているような場合に有効である。すなわち、これら複数枚の非接触ICカードにそれぞれ異なる応答信号送信条件情報を割り当てておけば、公共交通機関の改札口にて改札を受ける場合やテレフォンカードを用いて通話を行う場合に、リーダ/ライタは、当該人物が所持する複数の非接触ICカードから応答の衝突を回避して、目的とする非接触ICカードとの間で短時間にデータ処理を完了することができるので有効である。
【0067】
[2] 第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムについて説明する。
本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムは、上記第1の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムと概ね同様の構成を備えており、応答信号送信条件の取扱いに特徴を有している。この応答信号送信条件の取扱いの差は、専ら、通信手順の違い並びに情報パケットのフォーマットの違いとなって現われるので、以下においては通信手順と情報パケットのフォーマットとを中心に説明を進めることとする。
【0068】
[2−1] 通信手順
本実施の形態においても、1バイトの応答信号送信条件情報を用いて、非接触ICカードからの応答の衝突を回避する点においては、第1の実施の形態と同様であるが、リーダ/ライタが応答信号送信条件を送信する方法が相違している。
すなわち、本実施の形態に係るリーダ/ライタは、まず、1バイト(8ビット)の応答信号送信条件の最上位ビットのみを指定して、呼出信号を送信する。
【0069】
図6は、本実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行される通信手順を示すシーケンス図であって、前述の図2と同様に、リーダ/ライタの交信領域内には3台の非接触ICカードA、B、Cが存在している。
図6に示すように、リーダ/ライタは、応答信号送信条件のデータ長として1ビットを指定し、応答信号送信条件の最上位ビットを「0」とした呼出信号401を送信する。非接触ICカードA、B、Cは、呼出信号401を受信すると、呼出信号401に係る応答信号送信条件と自己の応答信号送信条件情報とを比較して、指定されたビットが一致しているかを確認する。
【0070】
図6においては、非接触ICカードD、Eの応答信号送信条件情報の最上位ビットが前記応答信号送信条件の最上位ビットと一致し、非接触ICカードFの応答信号送信条件情報の最上位ビットは前記応答信号送信条件の最上位ビットとは一致していない場合が示されている。この場合、非接触ICカードD、Eは共に自己のIDコードを応答するが、当該応答信号402、403は衝突するので、リーダ/ライタはいずれのIDコードも取得することができない。
【0071】
リーダ/ライタは応答信号の衝突を検出すると、応答信号送信条件について指定したデータ長が不十分であったと判断して、応答信号送信条件のデータ長を2ビットとする。そして、応答信号送信条件の最上位2ビットを「00」とした呼出信号411を送信する。非接触ICカードA、B、Cは、呼出信号411を受信すると、呼出信号411に係る応答信号送信条件と自己の応答信号送信条件情報とを比較して、指定されたビットが一致しているかを確認する。
【0072】
図6においては、非接触ICカードDの応答信号送信条件情報のみが指定ビットについて前記応答信号送信条件と一致し、非接触ICカードE、Fの応答信号送信条件情報は指定ビットについて前記応答信号送信条件とは一致していない場合が示されている。したがって、非接触ICカードDのみが自己のIDコードを応答し、他の非接触ICカードは応答信号を送信しないので、リーダ/ライタは応答信号412を受信することによって、非接触ICカードDのIDコードを取得することができる。
【0073】
次に、リーダ/ライタは応答信号送信条件のデータ長は2ビットのままとして、応答信号送信条件の最上位2ビットを「01」とした呼出信号421を送信する。呼出信号421を受信した非接触ICカードA、B、Cは、呼出信号421に係る応答信号送信条件と自己の応答信号送信条件情報とを比較して、指定されたビットが一致しているかを確認する。
【0074】
図6においては、非接触ICカードEの応答信号送信条件情報のみが指定ビットについて前記応答信号送信条件と一致し、非接触ICカードD、Fの応答信号送信条件情報は指定ビットについて前記応答信号送信条件とは一致していない場合が示されている。したがって、非接触ICカードEのみが自己のIDコードを格納した応答信号412を送信し、他の非接触ICカードは応答信号を送信しないので、リーダ/ライタは、非接触ICカードEのIDコードを取得することができる。
【0075】
リーダ/ライタは、非接触ICカードD、EのIDコードを取得すると、IDコードの取得を終了して、コントローラが指定した非接触ICカードとのデータ処理を実行する。すなわち、リーダ/ライタは、コントローラからの処理要求に応じて、非接触ICカードDのIDコードを指定した処理要求信号431を送信し、非接触ICカードDから処理結果信号432を受信する。同様に、リーダ/ライタは、非接触ICカードEのIDコードを指定した処理要求信号441を送信して、処理結果信号442を受信する。
【0076】
[2−2] 情報パケットのフォーマット
次に、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムにおいて送受信される情報パケットのフォーマットについて説明する。ここでは特に、リーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に送受信される情報パケットのフォーマットについて説明する。
【0077】
データ処理時に送受信される情報パケットについては、例えば、上記第1の実施の形態と同様にすれば良い。図7は、各情報パケットのフォーマットを示す図である。以下、図7に基づき、各フォーマットについて説明する。
[2−2−1] 呼出信号の情報パケット・フォーマット
図7(a)は、リーダ/ライタが送信する呼出信号に相当する情報パケットのフォーマットを示している。図7(a)に示すように、情報パケット501は、先頭からコマンド・フィールド、データ長指定フィールド、および応答信号送信条件フィールドの3つのフィールドからなっている。
【0078】
コマンド・フィールドは、情報パケットの種別を表す1バイトのコマンド・コードが格納される1バイトのフィールドであって、前記情報パケット301と同様に、アンチコリジョン呼出コマンドである旨を表わすコマンド・コードが格納される。応答信号送信条件フィールドもまた1バイトのフィールドであって、上述の応答信号送信条件が格納される。
【0079】
データ長指定フィールドは、前記応答信号送信条件フィールドの格納されたデータのうち、最上位ビットを含む有効なデータ長が格納される。例えば、データ長指定フィールドにデータ長「3」ビットが格納されていたら、前記応答信号送信条件フィールドに格納されたデータのうち、最上位ビットを含む上位3ビットが有効とされ、非接触ICカードはこの3ビットについて、自己の応答信号送信条件情報との比較を行う。
【0080】
[2−2−2] 応答信号の情報パケット・フォーマット
図7(b)は、リーダ/ライタが送信した呼出信号に応えて、非接触ICカードが送信する応答信号に相当する情報パケットのフォーマットを示している。図7(b)に示すように、情報パケット502は、先頭からコマンド・フィールドとIDコード・フィールドとの2つのフィールドからなっている。
【0081】
コマンド・フィールドは、上記情報パケット302と同様に、前記アンチコリジョン呼出コマンドに対する応答である旨を表わすコマンド・コードを格納するための、1バイトのフィールドである。IDコード・フィールドは、当該非接触ICカードのIDコードを格納するための、256バイトのフィールドである。
なお、前記情報パケット302とは異なって、情報パケット502には、当該非接触ICカードの不揮発性メモリから読み出された応答信号送信条件情報を格納する応答信号送信条件情報フィールドが設けられていない。このようにすれば、情報パケットのパケット長を小さくすることができるので、データ処理に要する時間を多少、短縮することができる。
【0082】
[2−3] 本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムの動作
次に、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムの動作であって、特に、リーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際におけるリーダ/ライタ並びに非接触ICカードの動作について説明する。
[2−3−1] リーダ/ライタの動作
図8は、本実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。図8に示すように、リーダ/ライタは、コントローラからの呼出指示を受け付けると、応答信号送信条件のデータ長指定Nを「1」に設定する(ステップS300)。また、応答信号送信条件の最上位ビットからNビット目のビットを「0」に設定して(ステップS301)、当該応答信号送信条件を含む呼出信号を送信する(ステップS302)。
【0083】
その後、リーダ/ライタは、応答信号の衝突が検出されず(ステップS303:No)、正常に応答信号を受信したら(ステップS304:No)、当該応答信号に含まれているIDコードを記録する(ステップS305)。リーダ/ライタは、応答信号を受信しなかった場合(ステップS304:Yes)、または、ステップS305の処理の後、第1の実施の形態におけるのと同様にして、終了条件をチェックする。
【0084】
その結果、終了条件が満足されている場合には(ステップS306:Yes)、リーダ/ライタはIDコードを取得する処理を終了する。終了条件が満足されていない場合、リーダ/ライタは、応答信号送信条件の最上位ビットからNビット目のビットを「1」に設定して(ステップS307)、当該応答信号送信条件を含む呼出信号を送信する(ステップS308)。
【0085】
その後、リーダ/ライタは、応答信号の衝突が検出されず(ステップS309:No)、正常に応答信号を受信したら(ステップS310:No)、当該応答信号に含まれているIDコードを記録する(ステップS311)。リーダ/ライタは、応答信号の衝突を検出した場合(ステップS303:Yes、ステップS309:Yes)、応答信号を受信しなかった場合(ステップS310:Yes)、または、ステップS311の処理の後、応答信号送信条件のデータ長指定Nを1だけ増加させる(ステップS312)。
【0086】
そして、リーダ/ライタは終了条件をチェックし、その結果、終了条件が満足されている場合には(ステップS313:Yes)、リーダ/ライタはIDコードを取得する処理を終了する。終了条件が満足されていない場合、リーダ/ライタは、ステップS301に進んで、非接触ICカードのIDコードを取得する処理を継続する。
【0087】
[2−3−2] 非接触ICカードの動作
図9は、本実施の形態に係る非接触ICカードが呼出信号に応えて、自己のIDコードをリーダ/ライタに送信する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。図5に示すように、非接触ICカードは、リーダ/ライタからの呼出信号を受信したかどうかをチェックして、受信していなければ(ステップS400:No)、そのまま呼出信号を待つ。
【0088】
呼出信号を受信したことを確認したら(ステップS400:Yes)、当該呼出信号に含まれている応答信号送信条件と自己の不揮発性メモリから読み出した応答信号送信条件情報とが最上位ビットから指定されたデータ長だけ一致しているかをチェックする。非接触ICカードは、これらが一致していることが確認されると(ステップS401:Yes)、リーダ/ライタに対して、IDコードを格納した応答信号を送信する(ステップS402)。
【0089】
非接触ICカードは、受信した応答信号送信条件と自己の応答信号送信条件情報とが最上位ビットから指定されたデータ長だけ一致しなかった場合(ステップS401:No)、または、ステップS402の処理が終了した後、ステップS400へ進んで、次の呼出信号を待つ。
[2−4] 本実施の形態の効果
以上、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムおいては、IDコードの取得に際して、より少ないデータ長の応答信号送信条件から始めて、非接触ICカードのIDコードを探索するので、リーダ/ライタの交信領域内に複数の非接触ICカードが存在する場合であっても、IDコードを効率的に獲得することができる。
【0090】
したがって、リーダ/ライタの交信領域内に複数枚の非接触ICカードが存在する場合に、データ処理時間の更なる短縮を図ることができる。特に、リーダ/ライタの交信領域内に存在する非接触ICカードが多い場合や、応答信号送信条件のデータ長が大きい場合には、本実施の形態を適用してより顕著な効果を得ることができる。
【0091】
[3] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記実施の形態においては、非接触ICカードがその不揮発性メモリに格納している応答信号送信条件情報は固定としたが、これに代えて、リーダ/ライタからの要求に応じて、応答信号送信条件情報を変更するとしても良い。
【0092】
例えば、リーダ/ライタが、非接触ICカード(以下、「非接触ICカードG」という。)とのデータ処理を終了した後、次にIDコードの取得を開始するまでの期間に、当該リーダ/ライタの交信領域内に新たに非接触ICカード(以下、「非接触ICカードH」という。)が入ってきた場合であって、非接触ICカードG、Hの応答信号送信条件情報が互いに一致する場合について考える。
【0093】
このような場合に、リーダ/ライタが再度、非接触ICカードのIDコードを取得しようとすると、前回は非接触ICカードGのIDコードを取得することができたにも関わらず、今回は、非接触ICカードGの応答信号と非接触ICカードHの応答信号とが衝突するために、いずれのIDコードも取得することができない。
【0094】
このような問題に対して、リーダ/ライタが非接触ICカードにアクセスする際に、アクセスした非接触ICカードの応答信号送信条件情報の有効なデータ長を増加させることとすれば、上記のように非接触ICカードG、Hの応答信号が衝突した場合であっても、続いてより大きなデータ長の応答信号送信条件を指定することにより、非接触ICカードGのIDコードを取得することができる。
【0095】
なお、この場合において、非接触ICカードは、応答信号送信条件情報に加えて、当該応答信号送信条件情報の有効なデータ長を不揮発性メモリに保持しておく必要がある。
また、リーダ/ライタは、非接触ICカードにその応答信号送信条件情報の有効なデータ長を問い合わせてから新たに有効なデータ長を指示するとしても良いし、単にデータ長を指定して、指定したデータ長分だけ有効なデータ長を増加させるように指示しても良い。更に、有効なデータ長を増加させる指示と併せて、増加させたビット数分の応答信号送信条件情報の内容を指定するとしても良い。
【0096】
本変形例の応用分野としては、例えば、FA分野が挙げられる。すなわち、ひとつの生産ラインで多品種に亘る製品を生産するような場合において、部品を組み付けるたびに、応答信号送信条件情報を追加してゆけば、組み立ての履歴情報が応答信号送信条件情報として残る。
したがって、リーダ/ライタが特定の品種の製品に添付された非接触ICカードにアクセスしたい場合には、その品種固有の組み立ての履歴から決定される応答信号送信条件情報が予め分かるので、より短時間で効率よく目指す品種の製品に添付された非接触ICカードのIDコードを取得することができる。
【0097】
(2) 上記実施の形態においては応答信号送信条件や応答信号送信条件情報は1バイトのデータであるとしたが、本発明はこれに限定されず、IDコードよりもデータ長が小さいのであれば、1バイト以外のデータ長をとるとしても良い。この応答信号送信条件情報のデータ長を決定する際に、有効な判断基準として、ひとつのリーダ/ライタの交信領域内に存在し得る非接触ICカードの数が挙げられる。
【0098】
すなわち、1の交信領域内に存在する非接触ICカードの数が少ない場合には、応答信号送信条件のデータ長が小さくても、非接触ICカード間で応答信号送信条件情報が一致する確率が低く、応答信号が衝突する確率は低い。一方、1の交信領域内に存在する非接触ICカードの数が多い場合には、非接触ICカード間で応答信号送信条件情報が一致する確率が高く、応答信号送信条件のデータ長が小さいと応答信号が衝突する確率が高くなる。
【0099】
したがって、1のリーダ/ライタの交信領域内に存在し得る非接触ICカードの数が多い場合には、応答信号送信条件及び応答信号送信条件情報のデータ長を大きくすれば、応答信号が衝突する確率を低減することができるので、好適である。
なお、非接触ICカードは、リーダ/ライタが発信する電波から電力を得て動作するので、1のリーダ/ライタの交信領域内で動作することができる非接触ICカードの数の上限はリーダ/ライタが発信する電波の電力の制約を受ける。したがって、当該制約によって決定される非接触ICカードの数の上限を考慮して、応答信号送信条件等のデータ長を決定するのが好ましい。
【0100】
(3) 上記第2の実施の形態においては、応答信号送信条件のデータ長を最上位ビットから順に増やしてゆく場合について説明したが、応答信号送信条件におけるビットの指定の仕方はこれに限定されず、他の指定の仕方を採用するとしても良い。例えば、最下位ビットから順に増やしてゆくとしても良いし、奇数ビット目のビットから順に増やしてゆくとしても良い。
【0101】
ただし、上記第2の実施の形態において説明したように、データ長は1ビットずつ増やしてゆくのが好ましい。例えば、2ビットずつ増やしたとしても、当該応答信号送信条件に適合する応答信号送信条件情報を有する非接触ICカードがなければ、1ビットずつ増やすのと同等の処理をしなければならないからである。
【0102】
(4) 上記実施の形態においては、非接触ICカードが保有する応答信号送信条件情報とIDコードとは別体であって、当該非接触ICカードが備える不揮発性メモリのそれぞれ異なるアドレスに格納されるとしたが、これに代えて、応答信号送信条件情報とIDコードとは一体であるとし、IDコードの一部を応答信号送信条件情報として用いるとしても良い。
【0103】
具体的には、リーダ/ライタから1バイトの応答信号送信条件を受信した場合に、受信した応答信号送信条件と自己のIDコードの最上位1バイトとを照合するとしても良い。また、これとは逆に、受信した応答信号送信条件と自己のIDコードの最下位ビットとを照合するとしても良い。
なお、IDコードは非接触ICカード毎に固有かつ固定であるので、本変形例の場合にあっては、上記変形例に記載したように、応答信号送信条件情報を書き換えることはできないので注意を要する。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、IDコードよりもデータ量が小さい応答信号送信条件情報を各非接触ICカードに割り当てて、応答信号送信条件を指定することにより、非接触ICカードからのIDコードを含む応答信号の衝突を回避することができるので、より短時間に効率よく非接触ICカードのIDコードを取得することができる。
【0105】
また、本発明によれば、応答信号送信条件情報を指定して非接触ICカードにそのIDコードを応答させるので、例えば、上記第2の実施の形態のようにして、応答信号送信条件の指定の仕方を工夫することによって、より短時間に効率よく非接触ICカードのIDコードを取得することができる。
また、本発明によれば、上記変形例(1)のように、リーダ/ライタ毎に非接触ICカードの応答信号送信条件情報のデータ長を増加させるので、非接触ICカードが保持する応答信号送信条件情報に情報を持たせることができる。したがって、応答信号送信条件情報に持たせた情報を利用して、IDコードを取得するための時間を短縮することができる。
【0106】
また、リーダ/ライタが非接触ICカードの応答信号送信条件情報をコントローラに通知するとすれば、コントローラにおける処理の用に供することもできる。例えば、FAシステムにおいては、コントローラに応答信号送信条件情報を参照させることによって、その非接触ICカードを付された製品の種別等を判別させる等ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムのシステム構成、並びに当該非接触ICカード通信システムを構成する各機器、すなわち、リーダ/ライタと非接触ICカードとの各装置構成を示す構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードからIDコードを取得する際に実行される通信手順を示すシーケンス図であって、特に、リーダ/ライタの交信領域内に3台の非接触ICカードA、B、Cが存在している場合について示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムにおいて送受信される各情報パケットのフォーマットを示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態に係る非接触ICカードが呼出信号に応えて、自己のIDコードをリーダ/ライタに送信する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行される通信手順を示すシーケンス図である。
【図7】第2の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムにおいて送受信される各情報パケットのフォーマットを示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係る非接触ICカードが呼出信号に応えて、自己のIDコードをリーダ/ライタに送信する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。
【図10】国際標準規格(ISO/IEC 14443−3)にて規定されたIDコードの取得手順を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1…………………非接触ICカード通信システム
10………………リーダ/ライタ
11………………非接触ICカード
101、111…制御部
102、112…変調部
103、113…復調部
104、114…アンテナ
105……………メモリ
115……………不揮発性メモリ
201等…………呼出信号
202等…………応答信号
221等…………処理要求信号
222等…………処理結果信号
301等…………情報パケット・フォーマット
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカードとリーダ/ライタとが無線通信を行う非接触ICカード通信システムに関し、特に、リーダ/ライタが複数のICカードと並行して無線通信を行う際の通信性能を改善する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、無線通信機能を備えたICを埋設したICカードやICタグ、RFID(radio frequency identification)タグ等といった装置が、テレフォンカードや公共交通機関の乗車券に始まって、FA(Factory Automation)や物流管理に至る、さまざまな分野に適用されている。以下、これらICカードやICタグ、RFID等の装置を総称して非接触ICカードという。
【0003】
非接触ICカードは、リーダ/ライタとの間で無線通信を行うことにより、新たなデータの書込み要求を受け付けたり、或いは、既に記録しているデータの読み出し要求を受け付けたりする。リーダ/ライタは、所定の領域(以下、「交信領域」という。)内に存在する非接触ICカードとのみ無線通信することができる。
【0004】
また、当初、リーダ/ライタは、その交信領域内に存在する非接触ICカードがひとつだけである場合にしか無線通信を実行できなかったが、近年では、リーダ/ライタの交信領域内に存在する非接触ICカードが複数である場合であっても、目的とする非接触ICカードと無線通信をすることができるようになってきている。
【0005】
すなわち、個々の非接触ICカードには、それぞれ固有のIDコードが割り当てられており、リーダ/ライタは当該IDコードを指定することによって、交信領域内に存在する各非接触ICカードと無線通信する。このため、リーダ/ライタは、非接触ICカードとの無線通信に先立って、そのIDコードを取得しなければならず、このIDコードを取得するための技術開発が盛んに進められている。
【0006】
例えば、現今、テレフォンカード等に適用されている国際標準規格(ISO/IEC 14443−3, ”Identification cards − Contactless integrated circuit(s) cards− Proximity cards − Part 3:Initialization and anticollision”, October 1999.)においては、タイムスロットを用いた時分割多重方式が規定されている(Annex C(informative):Type A#timeslot−Initialization and anticollision)。
【0007】
当該国際標準規格によれば、リーダ/ライタ(PCD:Proximity Coupling Device)は、先ず、REQA_t(Request Command of Type A#timeslot)を送信する。そして、当該REQA_tに対する応答であるATQA_t(Answer to Request of Type A#timeslot)を受信したら、交信領域内に非接触ICカード(PICC:Proximity Integrated Circuit(s) Cards)が存在していると判断して、非接触ICカードのIDコードの取得を開始する。
【0008】
図10は、当該国際標準規格にて規定されたIDコードの取得手順を示すシーケンス図であって、リーダ/ライタの交信領域内に3台の非接触ICカードX、Y、Zが存在している場合が示されている。図10に示すように、リーダ/ライタは非接触ICカードのIDコードを取得するために、呼出信号(REQ−ID:Request−ID Command)601を無線送信する。
【0009】
非接触ICカードX、Y、Zは、リーダ/ライタから呼出信号601を無線受信すると、IDコードを格納した応答信号(ATQ−ID:Answer To REQ−ID)を無線返信する。この場合において、非接触ICカードX、Y、Zが応答すべき期間は複数のタイムスロット(図10においては4つ。)に分割されており、各非接触ICカードは擬似乱数を発生させ、その結果に応じて応答信号を返信するタイムスロットをそれぞれ選択する。
【0010】
1のタイムスロットにおいて、応答信号を返信する非接触ICカードがひとつだけである場合には、リーダ/ライタはその応答信号を正常に受信することが出来る。しかし、1のタイムスロットにおいて、応答信号を返信する非接触ICカードが2以上ある場合、又はひとつも無い場合にはリーダ/ライタは、応答信号を受信することが出来ない。
【0011】
図10に示すように、リーダ/ライタが呼出信号601を送信した後、1番目のタイムスロットにおいては、いずれの非接触ICカードも応答していない。2番目のタイムスロットにおいては、非接触ICカードXが応答信号602を送信すると共に、非接触ICカードYも応答信号を送信している。その結果、これらの応答信号が衝突するので、リーダ/ライタは応答信号を受信することができず、IDコードを取得することができない。
【0012】
3番目のタイムスロットにおいては、応答信号を送信しているのは非接触ICカードZのみである。したがって、応答信号の衝突が発生しないので、リーダ/ライタは、非接触ICカードZのIDコードを取得することが出来る。4番目のタイムスロットにおいては、いずれの非接触ICカードも応答していないので、リーダ/ライタはIDコードを取得することができない。
【0013】
4つのタイムスロットからなる応答期間が経過した後、リーダ/ライタは、呼出信号611を送信する。非接触ICカードX、Y、Zは、呼出信号611を受信すると、再び擬似乱数によりタイムスロットを選択する。1番目のタイムスロットにおいては、非接触ICカードY、Zの応答信号が衝突するため、また、2番目と4番目のタイムスロットにおいては無応答であるために、リーダ/ライタはIDコードを取得することができない。
【0014】
一方、3番目のタイムスロットにおいては、非接触ICカードXのみが応答信号を送信するので、リーダ/ライタは、当該非接触ICカードのIDコードを取得することができる。
また、呼出信号621に対しては、1番目と3番目のタイムスロットにおいては無応答のため、また、2番目のタイムスロットにおいては応答信号の衝突により、リーダ/ライタは、IDコードを取得することができないが、4番目のタイムスロットにおいては非接触ICカードYのIDコードを取得することができる。
【0015】
このように、リーダ/ライタは、呼出信号を繰り返し送信し、これに対する応答信号を参照することによって、交信領域内に存在する非接触ICカードのIDコードを取得する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術においては、1の交信領域内に存在する非接触ICカード数が増加すると、リーダ/ライタが送信する呼出信号に対する非接触ICカードの応答が衝突する確率が増大する。この結果、非接触ICカードのIDコードが取得できるまで、リーダ/ライタが何回も呼出信号を送信しなければならず、IDコードを取得するための処理時間が増大してしまうという問題がある。
【0017】
これに対して、スロット数を増やすことによって、非接触ICカードからの応答が衝突する確率を低減することはできる。しかし、1スロット当たりの通信時間を短縮するには限界があるので、スロット数を増加させるとやはり処理時間の増大を招く結果となる。
一般に、非接触ICカードは、移動しながらでもリーダ/ライタからアクセスできる点を特徴としているため、リーダ/ライタは非接触ICカードがその交信領域内を通過する間に通信を完了しなければならない。したがって、上記のような理由によって、通信の前処理であるIDコードの取得に長時間を要するようでは、本来の通信のために十分な時間を確保することができない。
【0018】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであって、リーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードをより短時間で取得することができる非接触ICカード通信システム、リーダ/ライタ及び非接触ICカードを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る非接触ICカード通信システムは、リーダ/ライタと非接触ICカードとを備える非接触ICカード通信システムであって、前記リーダ/ライタは、第1のデータを含む呼出信号を送信する呼出信号送信手段と、前記呼出信号に対する、非接触ICカードからの応答信号を受信する応答信号受信手段と、前記応答信号からIDコードを取得するIDコード取得手段とを備え、前記非接触ICカードは、第2のデータを保持するデータ保持手段と、前記呼出信号を受信する呼出信号受信手段と、前記呼出信号受信手段にて受信した前記呼出信号に係る第1のデータと前記第2のデータとを照合して、応答信号を送信するか否かを決定する応答信号送信決定手段と、前記応答信号送信決定手段の決定にしたがって、自らのIDコードを含む応答信号を送信する応答信号送信手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
特に、前記第1のデータと前記第2のデータとは、いずれも、前記IDコードよりもデータサイズが小さいことを特徴とし、また、前記リーダ/ライタは、前記応答信号を受信しなかったときは、前記第1のデータを変更するデータ変更手段を備え、前記呼出信号送信手段は、変更後の第1のデータを含む呼出信号を送信することを特徴とするので、リーダ/ライタからの呼出信号に対する非接触ICカードの応答が衝突するのを回避して、交信領域内に存在する非接触ICカードのIDコードをより短い時間で取得することができる。
【0021】
また、前記第1のデータ(以下、「応答信号送信条件」という。)と前記第2のデータ(以下、「応答信号送信条件情報」という。)との照合に際しては、前記応答信号送信決定手段は、前記第1のデータと前記第2のデータとが一致するときに、前記応答信号を送信すると決定するとしても良い。このようにすれば、いずれの応答信号送信条件情報を有する非接触ICカードについても、漏れなくIDコードを応答させることができる。
【0022】
また、上記の照合に際しては、前記第1のデータのデータ長は、前記第2のデータのデータ長以下であり、かつ、前記応答信号送信決定手段は、前記第2のデータの所定の部分が前記第1のデータと一致するときに、前記応答信号を送信すると決定するとしても良い。特に、前記データ変更手段は、第1のデータのデータ長を増加させるとすれば、リーダ/ライタの交信領域内に存在する非接触ICカードのIDコードを更に早く取得することができる。
【0023】
また、前記リーダ/ライタは、前記IDコードを取得した非接触ICカードに対して、第2のデータのデータ長の増加を指示するデータ長増加指示を送信するデータ長増加指示送信手段を備え、前記非接触ICカードは、前記データ長増加指示を受信すると、第2のデータのデータ長を増加させるデータ長増加手段を備えることを特徴とする。
【0024】
このようにすれば、一旦、非接触ICカードとの通信を打ち切った後、再度、当該非接触カードのIDコードを取得して、通信しようとする場合であって、かつ、通信の中断中に前記非接触ICカードと同じ応答信号送信条件情報を有する非接触ICカードが交信領域内に入ってきたような場合であっても、前回通信した非接触ICカードの応答信号送信条件情報のデータ長が増加されているので、当該非接触ICカードのIDコードを再度、取得することができる。
【0025】
本発明に係るリーダ/ライタは、非接触ICカードと通信するリーダ/ライタであって、第1のデータを含む呼出信号を送信する呼出信号送信手段と、前記呼出信号に対する、前記非接触ICカードからの応答信号を受信する応答信号受信手段と、前記応答信号から前記非接触ICカードのIDコードを取得するIDコード取得手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
特に、前記リーダ/ライタは、前記応答信号を受信しなかったときは、前記第1のデータを変更するデータ変更手段を備え、前記呼出信号送信手段は、変更後の第1のデータを含む呼出信号を送信することを特徴とし、また、前記データ変更手段は、第1のデータのデータ長を増加させることを特徴とするので、上記非接触ICカード通信システムと同様に、呼出信号に対する非接触ICカードの応答が衝突するのを回避して、交信領域内に存在する非接触ICカードのIDコードをより短い時間で取得することができる。
【0027】
また、前記リーダ/ライタは、前記IDコードを取得した非接触ICカードに対して、第2のデータのデータ長の増加を指示するデータ長増加指示を送信するデータ長増加指示送信手段を備えることを特徴とする。従って、上記のように、一旦通信を打ち切った非接触ICカードと再度、通信しようとする場合に有効である。
【0028】
本発明に係る非接触ICカードは、リーダ/ライタと通信する非接触ICカードであって、前記リーダ/ライタから、第1のデータを含む呼出信号を受信する呼出信号受信手段と、第2のデータを保持するデータ保持手段と、前記呼出信号受信手段にて受信した前記呼出信号に係る第1のデータと前記第2のデータとを照合して、応答信号を送信するか否かを決定する応答信号送信決定手段と、前記応答信号送信決定手段の決定にしたがって、自らのIDコードを含む応答信号を送信する応答信号送信手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
また、前記応答信号送信決定手段は、前記第1のデータと前記第2のデータとが一致するときに、前記応答信号を送信すると決定することを特徴とし、或いは、前記第1のデータのデータ長は前記第2のデータのデータ長以下であり、かつ、前記応答信号送信決定手段は、前記第2のデータの所定の部分が前記第1のデータと一致するときに、前記応答信号を送信すると決定することを特徴とするので、上記非接触ICカード通信システムにおいて得られる効果と同様の効果を奏することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る非接触ICカード通信システムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[1] 第1の実施の形態
[1−1] システムの構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムのシステム構成、並びに、当該非接触ICカード通信システムを構成する各機器、すなわち、リーダ/ライタと非接触ICカードとの各装置構成を示す構成図である。なお、図1においては、リーダ/ライタの交信領域内に存在する非接触ICカードとして1の非接触ICカードのみが示されているが、これは一例に過ぎず、当該交信領域内に複数の非接触ICカードが存在しても良いことは言うまでもない。
【0031】
さて、図1に示すように、非接触ICカード通信システム1は、リーダ/ライタ10に接続されたコントローラ(不図示)が、当該リーダ/ライタ10を介して非接触ICカード11と通信する。
リーダ/ライタ10は、制御部101、変調部102、復調部103、アンテナ104、およびメモリ105を備えている。制御部101は、コントローラからの送信要求を受け付けると、変調部102へ送信データを出力する。変調部102は、制御部101から受け付けた送信データをASK変調(Amplitude Shift Keying:振幅変調)した後、13.56MHzの搬送波にのせて、アンテナ104に送信信号を出力する。
【0032】
アンテナ104は、変調部102から送信信号を受け付けると、当該送信信号を電波に変換し、非接触ICカード11に向けて発信する。アンテナ104は、また、非接触ICカード11から負荷変調波を受信して電気信号に変換する。そして、この電気信号を受信信号として復調部103に出力する。復調部103は、アンテナ104から受け付けた受信信号を復調して、制御部101に出力する。
【0033】
制御部101は、復調部103から受け付けた受信データのうち、コントローラへ出力すべきデータを抽出して、コントローラへ出力する。また、メモリ104は、制御部101に、作業メモリ等として使用されたり、或いは、制御されたデータのリードやライトを実行させたりする。
非接触ICカード11は、制御部111、変調部112、復調部113、アンテナ114、およびメモリ115を備えている。アンテナ114は、前記アンテナ104が発信した電波を受信して、受信信号を復調部113に出力する。復調部113は、アンテナ114から受け付けた受信信号を復調して、受信データを制御部111へ出力する。
【0034】
制御部111は、復調部113から受け付けた受信データを解析して、不揮発性メモリ115にデータを書き込んだり、或いは不揮発性メモリ115からデータを読み出したりする。非接触ICカード11のIDコードは、当該不揮発性メモリ115に格納されている。また、不揮発性メモリ115には、後述する、応答信号送信条件情報も格納されている。
【0035】
制御部111は、IDコード等のデータをリーダ/ライタ10へ送信する際には、送信データを変調部112に出力する。変調部112は、制御部111から受け付けた送信データで13.56MHzの搬送波を負荷変調して、アンテナ114に送信信号を出力する。アンテナ114は、変調部112から受け付けた送信信号をリーダ/ライタ10に向けて送信する。
【0036】
非接触ICカード11は、アンテナ114にて受信した電波から受信信号を抽出する他に、クロック信号を抽出したり、電力の供給を受けたりする。また、非接触ICカード11を構成する制御部111や不揮発性メモリ115等は、フィルム基板その他の基板上に実装されており、全体としてカード形状に仕上げられている。
【0037】
[1−2] 通信手順
次に、リーダ/ライタ10と非接触ICカード11との間の通信手順であって、特に、リーダ/ライタ10が非接触ICカード11のIDコードを取得するための通信手順について説明する。
リーダ/ライタ10と通信を行う非接触ICカードにおいては、その不揮発性メモリに非接触ICカード固有のIDコードの他、応答信号送信条件情報が格納されている。当該応答信号送信条件情報は、1バイトのデータであって、非接触ICカード毎にランダムな値が与えられている。リーダ/ライタ10は呼出信号を送信する際に、併せて応答信号送信条件を指定する。
【0038】
これに対して、非接触ICカード11は、呼出信号とともに応答信号送信条件を受信すると、不揮発性メモリ115に格納されている応答信号送信条件情報を読み出す。そして、リーダ/ライタから受信した応答信号送信条件と、読み出した応答信号送信条件情報とが一致した場合には、不揮発性メモリ115からIDコードを読み出して、これをリーダ/ライタ10に返信する。
【0039】
図2は、本実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードからIDコードを取得する際に実行される通信手順を示すシーケンス図であって、特に、リーダ/ライタの交信領域内に3台の非接触ICカードA、B、Cが存在している場合について示す図である。
図2に示すように、リーダ/ライタは、コントローラから呼出しの要求を受け付けると、応答信号送信条件を指定した呼出信号201を送信する。呼出信号201を受信した非接触ICカードA、B、Cは、それぞれ自己の不揮発性メモリから読み出した応答信号送信条件情報と、リーダ/ライタから受信した応答信号送信条件とを比較する。
【0040】
図2においては、非接触ICカードBが有する応答信号送信条件情報と呼出信号01に係る応答信号送信条件とが一致する場合が示されており、非接触ICカードBは、リーダ/ライタに対して、自己のIDコードを含む応答信号202を返信する。また、非接触ICカードA、Cが有する応答信号送信条件情報と呼出信号201に係る応答信号送信条件とは一致せず、非接触ICカードA、CはIDコードを返信しない。
【0041】
次に、リーダ/ライタは呼出信号201に係る応答信号送信条件とは別の応答信号送信条件を指定して、呼出信号211を送信する。すると、上記と同様に、各非接触ICカードは、自己の応答信号送信条件情報と呼出信号211に係る応答信号送信条件とを比較する。
図2には、呼出信号211に係る応答信号送信条件が非接触ICカードAの応答信号送信条件情報と一致する場合であって、非接触ICカードB、Cの応答信号送信条件情報とは一致しない場合が図示されている。したがって、非接触ICカードAのみが、リーダ/ライタに対して、応答信号212を返信することにより、自己のIDコードを通知する。
【0042】
リーダ/ライタは、非接触ICカードA、BのIDコードを取得すると、IDコードを取得するための通信手順を終了する。そして、IDコードを取得できた非接触ICカードであって、コントローラが処理を要求した非接触ICカードとのデータ処理を実行する。
すなわち、リーダ/ライタは、コントローラからの処理要求に応じて、非接触ICカードAのIDコードを指定した処理要求信号221を送信し、当該信号に対する処理結果信号222を非接触ICカードAから受信する。また、同様にして、リーダ/ライタは、コントローラからの処理要求に応じて、非接触ICカードBのIDコードを指定した処理要求信号231を送信して、処理結果信号232を受信する。
【0043】
[1−3] 情報パケットのフォーマット
次に、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムにおいて送受信される情報パケットのフォーマットについて説明する。図3は、各情報パケットのフォーマットを示す図である。以下、図3に基づき、各フォーマットについて説明する。
【0044】
[1−3−1] 呼出信号の情報パケット・フォーマット
図3(a)は、リーダ/ライタが送信する呼出信号に相当する情報パケットのフォーマットを示している。図3(a)に示すように、情報パケット301は、先頭からコマンド・フィールドと応答信号送信条件フィールドとの2つのフィールドからなっている。
【0045】
コマンド・フィールドは、1バイトのフィールドであって、情報パケットの種別を表す1バイトのコマンド・コードが格納される。情報パケット301においては、次の応答信号送信条件に合致する非接触ICカードに対してIDコードの送信を要求するアンチコリジョン呼出コマンドである旨を表わすコマンド・コードが格納される。応答信号送信条件フィールドもまた1バイトのフィールドであって、上述の応答信号送信条件が格納される。
【0046】
[1−3−2] 応答信号の情報パケット・フォーマット
図3(b)は、リーダ/ライタが送信した呼出信号に応えて、非接触ICカードが送信する応答信号に相当する情報パケットのフォーマットを示している。図3(b)に示すように、情報パケット302は、先頭からコマンド・フィールド、応答信号送信条件情報フィールド、およびIDコード・フィールドの3つのフィールドからなっている。
【0047】
コマンド・フィールドは、上記情報パケット301と同様に、情報パケットの種別を表すコマンド・コードが格納される1バイトのフィールドである。情報パケット302では、前記アンチコリジョン呼出コマンドに対する応答である旨を表わすコマンド・コードが格納される。
応答信号送信条件情報フィールドもまた1バイトのフィールドであって、情報パケット302を送信した非接触ICカードの不揮発性メモリから読み出された応答信号送信条件情報が格納される。
【0048】
IDコード・フィールドは、当該非接触ICカードのIDコードが格納されるフィールドである。非接触ICカードに割り当てられるIDコードのデータ・サイズは、一般的に、数十バイトから数百バイト程度であることが多い。本実施の形態においては、IDコードのデータ・サイズを256バイトとしており、これに合わせて、IDコード・フィールドのフィールド長も256バイトとなっている。
【0049】
[1−3−3] データ処理における情報パケット・フォーマット
以下、コントローラからの処理要求に応じてなされるデータ処理に用いられる情報パケットのフォーマットについて、非接触ICカードへのデータの書込み処理要求とその応答、並びに非接触ICカードからのデータの読出し処理要求とその応答を例にとって説明する。
【0050】
(1) データ書込み処理
図3(c)は、コントローラからのデータ書込み処理の要求に応じて、リーダ/ライタが送信する情報パケットのフォーマットを示している。図3(c)に示すように、情報パケット303は、先頭からコマンド・フィールド、IDコード・フィールド、アドレス・フィールド、およびデータ・フィールドの4つのフィールドからなっている。
【0051】
コマンド・フィールドには、データ書込み処理要求コマンドである旨を表わすコマンド・コードが格納される。また、IDコード・フィールドにはデータの書込み処理を要求する非接触ICカードのIDコードが格納される。
アドレス・フィールドは、2バイトのフィールドであって、IDコード・フィールドに格納されたIDコードを有する非接触ICカードの不揮発性メモリのアドレスが格納される。また、データ・フィールドは、1バイトのフィールドであって、前記アドレス・フィールドにて指定されたアドレスに書き込まれるべきデータが格納されている。
【0052】
上記のようなデータ書込み処理の要求を受け付けた非接触ICカードは、リーダ/ライタに処理結果を応答する。図3(d)は、リーダ/ライタからデータ書込み処理要求コマンドに係る情報パケットを受信した非接触ICカードが返信する情報パケットのフォーマットを示している。図3(d)に示すように、情報パケット304は、先頭からコマンド・フィールド、IDコード・フィールド、および処理結果フィールドの3つのフィールドからなっている。
【0053】
コマンド・フィールドには、データ書込み処理要求コマンドに係る情報パケットに対する応答である旨を表わすコマンド・コードが格納される。また、IDコード・フィールドには、当該情報パケットを送信する非接触ICカードのIDコードが格納される。
処理結果フィールドには、データ書込み処理要求の受信を契機に実行した処理の結果を表わす処理結果コードが格納される。処理結果コードには、例えば、データの書込み処理が正常に終了した旨を表わす処理結果コードや、リーダ/ライタから受信した情報パケットのアドレス・フィールドに格納されたアドレスが不正である旨を表わす処理結果コード等がある。
【0054】
(2) データ読出し処理
図3(e)は、コントローラからのデータ読出し処理の要求に応じて、リーダ/ライタが送信する情報パケットのフォーマットを示している。図3(e)に示すように、情報パケット305は、先頭からコマンド・フィールド、IDコード・フィールド、およびアドレス・フィールドの3つのフィールドからなっている。
【0055】
コマンド・フィールドには、データ読出し処理要求コマンドである旨を表わすコマンド・コードが格納される。また、IDコード・フィールドにはデータの読出し処理を要求する非接触ICカードのIDコードが格納される。
アドレス・フィールドは、前記IDコードに係る非接触ICカードの不揮発性メモリのアドレスが格納される2バイトのフィールドである。すなわち、情報パケット305は、当該アドレス・フィールドにて指定されたアドレスに格納されているデータの読出し処理を要求する情報パケットである。
【0056】
上記のようなデータ読出し処理の要求を受け付けた非接触ICカードは、リーダ/ライタに処理結果を応答する。図3(d)は、データ読出し処理要求コマンドに係る情報パケットに対して非接触ICカードが返信する情報パケットのフォーマットを示している。図3(d)に示すように、情報パケット306は、先頭からコマンド・フィールド、IDコード・フィールド、処理結果フィールド、およびデータ・フィールドの4つのフィールドからなっている。
【0057】
コマンド・フィールドには、データ読出し処理要求コマンドに係る情報パケットに対する応答である旨を表わすコマンド・コードが格納される。また、IDコード・フィールドには、当該情報パケットを送信する非接触ICカードのIDコードが格納される。
処理結果フィールドには、データ読出し処理要求の受信を契機に実行した処理の結果を表わす1バイトの処理結果コードが格納される。処理結果コードには、例えば、データの読出し処理が正常に終了した旨を表わす処理結果コードや、リーダ/ライタから受信した情報パケットのアドレス・フィールドに格納されたアドレスが不正である旨を表わす処理結果コード等がある。
【0058】
データ・フィールドは、非接触ICカードがその不揮発性メモリの指定されたアドレスから読み出したデータが格納される1バイトのフィールドである。なお、当該データ・フィールドに格納されているデータは、前記処理結果フィールドに格納された処理結果コードが読出し処理の正常終了を表わしている場合にのみ有効であり、それ以外の場合には無効である。
【0059】
[1−4] 本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムの動作
次に、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムの動作であって、特に、リーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際におけるリーダ/ライタ並びに非接触ICカードの動作について説明する。
[1−4−1] リーダ/ライタの動作
図4は、本実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。図4に示すように、リーダ/ライタは、コントローラからの呼出指示を受け付けると、応答信号送信条件Cを「0」に設定し(ステップS100)、当該応答信号送信条件Cを含む呼出信号を送信する(ステップS101)。
【0060】
その後、リーダ/ライタは応答信号の衝突が検出されず(ステップS102:No)、正常に応答信号を受信したら(ステップS103:No)、当該応答信号に含まれているIDコードを記録する(ステップS104)。リーダ/ライタは、応答信号の衝突を検出した場合(ステップS102:Yes)や応答信号を受信しなかった場合(ステップS103:Yes)、或いはステップS104の処理の後、応答信号送信条件Cを1だけ増加させる(ステップS105)。
【0061】
そして、リーダ/ライタは、非接触ICカードのIDコードを取得する処理の終了条件をチェックして、終了すべきでなければ(ステップS106:No)、ステップS101へ進んで、新しい応答信号送信条件を指定した呼出信号を送信する。終了条件が満足されていたら(ステップS106:Yes)、IDコードの取得処理を終了する。
【0062】
なお、IDコードの取得を終了して、データ処理に移行するための終了条件については、例えば、1台の非接触ICカードについてIDコードを取得できた時点を終了条件としても良いし、2台の非接触ICカードについてIDコードを取得できた時点を終了条件としても良い。或いは、また、他の条件を適用するとしても良い。
【0063】
[1−4−2] 非接触ICカードの動作
図5は、本実施の形態に係る非接触ICカードが呼出信号に応えて、自己のIDコードをリーダ/ライタに送信する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。図5に示すように、非接触ICカードは、リーダ/ライタからの呼出信号を受信したかどうかをチェックして、受信していなければ(ステップS200:No)、そのまま呼出信号を待つ。
【0064】
呼出信号を受信したことを確認したら(ステップS200:Yes)、当該呼出信号に含まれている応答信号送信条件と自己の不揮発性メモリから読み出した応答信号送信条件情報とが一致しているかをチェックする。非接触ICカードは、これらが一致していることが確認されると(ステップS201:Yes)、リーダ/ライタに対して、IDコードを格納した応答信号を送信する(ステップS202)。
【0065】
非接触ICカードは、受信した応答信号送信条件と自己の応答信号送信条件情報とが一致しなかった場合(ステップS201:No)、または、ステップS202の処理が終了した後、ステップS200へ進んで、次の呼出信号を待つ。
[1−5] 本実施の形態の効果
以上、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムおいては、IDコードの取得に際して、応答信号送信条件を用いて、非接触ICカードからの応答が衝突するのを回避するので、リーダ/ライタの交信領域内に複数の非接触ICカードが存在する場合であっても、IDコードを効率的に獲得することができる。したがって、当該交信領域に複数枚の非接触ICカードが存在する場合に、データ処理時間の短縮を図ることができる。
【0066】
本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムを公共交通機関の乗車券やテレフォンカード等に適用すれば、一人の人物がこれら乗車券やテレフォンカードとして複数枚の非接触ICカードを所持しているような場合に有効である。すなわち、これら複数枚の非接触ICカードにそれぞれ異なる応答信号送信条件情報を割り当てておけば、公共交通機関の改札口にて改札を受ける場合やテレフォンカードを用いて通話を行う場合に、リーダ/ライタは、当該人物が所持する複数の非接触ICカードから応答の衝突を回避して、目的とする非接触ICカードとの間で短時間にデータ処理を完了することができるので有効である。
【0067】
[2] 第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムについて説明する。
本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムは、上記第1の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムと概ね同様の構成を備えており、応答信号送信条件の取扱いに特徴を有している。この応答信号送信条件の取扱いの差は、専ら、通信手順の違い並びに情報パケットのフォーマットの違いとなって現われるので、以下においては通信手順と情報パケットのフォーマットとを中心に説明を進めることとする。
【0068】
[2−1] 通信手順
本実施の形態においても、1バイトの応答信号送信条件情報を用いて、非接触ICカードからの応答の衝突を回避する点においては、第1の実施の形態と同様であるが、リーダ/ライタが応答信号送信条件を送信する方法が相違している。
すなわち、本実施の形態に係るリーダ/ライタは、まず、1バイト(8ビット)の応答信号送信条件の最上位ビットのみを指定して、呼出信号を送信する。
【0069】
図6は、本実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行される通信手順を示すシーケンス図であって、前述の図2と同様に、リーダ/ライタの交信領域内には3台の非接触ICカードA、B、Cが存在している。
図6に示すように、リーダ/ライタは、応答信号送信条件のデータ長として1ビットを指定し、応答信号送信条件の最上位ビットを「0」とした呼出信号401を送信する。非接触ICカードA、B、Cは、呼出信号401を受信すると、呼出信号401に係る応答信号送信条件と自己の応答信号送信条件情報とを比較して、指定されたビットが一致しているかを確認する。
【0070】
図6においては、非接触ICカードD、Eの応答信号送信条件情報の最上位ビットが前記応答信号送信条件の最上位ビットと一致し、非接触ICカードFの応答信号送信条件情報の最上位ビットは前記応答信号送信条件の最上位ビットとは一致していない場合が示されている。この場合、非接触ICカードD、Eは共に自己のIDコードを応答するが、当該応答信号402、403は衝突するので、リーダ/ライタはいずれのIDコードも取得することができない。
【0071】
リーダ/ライタは応答信号の衝突を検出すると、応答信号送信条件について指定したデータ長が不十分であったと判断して、応答信号送信条件のデータ長を2ビットとする。そして、応答信号送信条件の最上位2ビットを「00」とした呼出信号411を送信する。非接触ICカードA、B、Cは、呼出信号411を受信すると、呼出信号411に係る応答信号送信条件と自己の応答信号送信条件情報とを比較して、指定されたビットが一致しているかを確認する。
【0072】
図6においては、非接触ICカードDの応答信号送信条件情報のみが指定ビットについて前記応答信号送信条件と一致し、非接触ICカードE、Fの応答信号送信条件情報は指定ビットについて前記応答信号送信条件とは一致していない場合が示されている。したがって、非接触ICカードDのみが自己のIDコードを応答し、他の非接触ICカードは応答信号を送信しないので、リーダ/ライタは応答信号412を受信することによって、非接触ICカードDのIDコードを取得することができる。
【0073】
次に、リーダ/ライタは応答信号送信条件のデータ長は2ビットのままとして、応答信号送信条件の最上位2ビットを「01」とした呼出信号421を送信する。呼出信号421を受信した非接触ICカードA、B、Cは、呼出信号421に係る応答信号送信条件と自己の応答信号送信条件情報とを比較して、指定されたビットが一致しているかを確認する。
【0074】
図6においては、非接触ICカードEの応答信号送信条件情報のみが指定ビットについて前記応答信号送信条件と一致し、非接触ICカードD、Fの応答信号送信条件情報は指定ビットについて前記応答信号送信条件とは一致していない場合が示されている。したがって、非接触ICカードEのみが自己のIDコードを格納した応答信号412を送信し、他の非接触ICカードは応答信号を送信しないので、リーダ/ライタは、非接触ICカードEのIDコードを取得することができる。
【0075】
リーダ/ライタは、非接触ICカードD、EのIDコードを取得すると、IDコードの取得を終了して、コントローラが指定した非接触ICカードとのデータ処理を実行する。すなわち、リーダ/ライタは、コントローラからの処理要求に応じて、非接触ICカードDのIDコードを指定した処理要求信号431を送信し、非接触ICカードDから処理結果信号432を受信する。同様に、リーダ/ライタは、非接触ICカードEのIDコードを指定した処理要求信号441を送信して、処理結果信号442を受信する。
【0076】
[2−2] 情報パケットのフォーマット
次に、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムにおいて送受信される情報パケットのフォーマットについて説明する。ここでは特に、リーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に送受信される情報パケットのフォーマットについて説明する。
【0077】
データ処理時に送受信される情報パケットについては、例えば、上記第1の実施の形態と同様にすれば良い。図7は、各情報パケットのフォーマットを示す図である。以下、図7に基づき、各フォーマットについて説明する。
[2−2−1] 呼出信号の情報パケット・フォーマット
図7(a)は、リーダ/ライタが送信する呼出信号に相当する情報パケットのフォーマットを示している。図7(a)に示すように、情報パケット501は、先頭からコマンド・フィールド、データ長指定フィールド、および応答信号送信条件フィールドの3つのフィールドからなっている。
【0078】
コマンド・フィールドは、情報パケットの種別を表す1バイトのコマンド・コードが格納される1バイトのフィールドであって、前記情報パケット301と同様に、アンチコリジョン呼出コマンドである旨を表わすコマンド・コードが格納される。応答信号送信条件フィールドもまた1バイトのフィールドであって、上述の応答信号送信条件が格納される。
【0079】
データ長指定フィールドは、前記応答信号送信条件フィールドの格納されたデータのうち、最上位ビットを含む有効なデータ長が格納される。例えば、データ長指定フィールドにデータ長「3」ビットが格納されていたら、前記応答信号送信条件フィールドに格納されたデータのうち、最上位ビットを含む上位3ビットが有効とされ、非接触ICカードはこの3ビットについて、自己の応答信号送信条件情報との比較を行う。
【0080】
[2−2−2] 応答信号の情報パケット・フォーマット
図7(b)は、リーダ/ライタが送信した呼出信号に応えて、非接触ICカードが送信する応答信号に相当する情報パケットのフォーマットを示している。図7(b)に示すように、情報パケット502は、先頭からコマンド・フィールドとIDコード・フィールドとの2つのフィールドからなっている。
【0081】
コマンド・フィールドは、上記情報パケット302と同様に、前記アンチコリジョン呼出コマンドに対する応答である旨を表わすコマンド・コードを格納するための、1バイトのフィールドである。IDコード・フィールドは、当該非接触ICカードのIDコードを格納するための、256バイトのフィールドである。
なお、前記情報パケット302とは異なって、情報パケット502には、当該非接触ICカードの不揮発性メモリから読み出された応答信号送信条件情報を格納する応答信号送信条件情報フィールドが設けられていない。このようにすれば、情報パケットのパケット長を小さくすることができるので、データ処理に要する時間を多少、短縮することができる。
【0082】
[2−3] 本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムの動作
次に、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムの動作であって、特に、リーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際におけるリーダ/ライタ並びに非接触ICカードの動作について説明する。
[2−3−1] リーダ/ライタの動作
図8は、本実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。図8に示すように、リーダ/ライタは、コントローラからの呼出指示を受け付けると、応答信号送信条件のデータ長指定Nを「1」に設定する(ステップS300)。また、応答信号送信条件の最上位ビットからNビット目のビットを「0」に設定して(ステップS301)、当該応答信号送信条件を含む呼出信号を送信する(ステップS302)。
【0083】
その後、リーダ/ライタは、応答信号の衝突が検出されず(ステップS303:No)、正常に応答信号を受信したら(ステップS304:No)、当該応答信号に含まれているIDコードを記録する(ステップS305)。リーダ/ライタは、応答信号を受信しなかった場合(ステップS304:Yes)、または、ステップS305の処理の後、第1の実施の形態におけるのと同様にして、終了条件をチェックする。
【0084】
その結果、終了条件が満足されている場合には(ステップS306:Yes)、リーダ/ライタはIDコードを取得する処理を終了する。終了条件が満足されていない場合、リーダ/ライタは、応答信号送信条件の最上位ビットからNビット目のビットを「1」に設定して(ステップS307)、当該応答信号送信条件を含む呼出信号を送信する(ステップS308)。
【0085】
その後、リーダ/ライタは、応答信号の衝突が検出されず(ステップS309:No)、正常に応答信号を受信したら(ステップS310:No)、当該応答信号に含まれているIDコードを記録する(ステップS311)。リーダ/ライタは、応答信号の衝突を検出した場合(ステップS303:Yes、ステップS309:Yes)、応答信号を受信しなかった場合(ステップS310:Yes)、または、ステップS311の処理の後、応答信号送信条件のデータ長指定Nを1だけ増加させる(ステップS312)。
【0086】
そして、リーダ/ライタは終了条件をチェックし、その結果、終了条件が満足されている場合には(ステップS313:Yes)、リーダ/ライタはIDコードを取得する処理を終了する。終了条件が満足されていない場合、リーダ/ライタは、ステップS301に進んで、非接触ICカードのIDコードを取得する処理を継続する。
【0087】
[2−3−2] 非接触ICカードの動作
図9は、本実施の形態に係る非接触ICカードが呼出信号に応えて、自己のIDコードをリーダ/ライタに送信する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。図5に示すように、非接触ICカードは、リーダ/ライタからの呼出信号を受信したかどうかをチェックして、受信していなければ(ステップS400:No)、そのまま呼出信号を待つ。
【0088】
呼出信号を受信したことを確認したら(ステップS400:Yes)、当該呼出信号に含まれている応答信号送信条件と自己の不揮発性メモリから読み出した応答信号送信条件情報とが最上位ビットから指定されたデータ長だけ一致しているかをチェックする。非接触ICカードは、これらが一致していることが確認されると(ステップS401:Yes)、リーダ/ライタに対して、IDコードを格納した応答信号を送信する(ステップS402)。
【0089】
非接触ICカードは、受信した応答信号送信条件と自己の応答信号送信条件情報とが最上位ビットから指定されたデータ長だけ一致しなかった場合(ステップS401:No)、または、ステップS402の処理が終了した後、ステップS400へ進んで、次の呼出信号を待つ。
[2−4] 本実施の形態の効果
以上、本実施の形態に係る非接触ICカード通信システムおいては、IDコードの取得に際して、より少ないデータ長の応答信号送信条件から始めて、非接触ICカードのIDコードを探索するので、リーダ/ライタの交信領域内に複数の非接触ICカードが存在する場合であっても、IDコードを効率的に獲得することができる。
【0090】
したがって、リーダ/ライタの交信領域内に複数枚の非接触ICカードが存在する場合に、データ処理時間の更なる短縮を図ることができる。特に、リーダ/ライタの交信領域内に存在する非接触ICカードが多い場合や、応答信号送信条件のデータ長が大きい場合には、本実施の形態を適用してより顕著な効果を得ることができる。
【0091】
[3] 変形例
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。
(1) 上記実施の形態においては、非接触ICカードがその不揮発性メモリに格納している応答信号送信条件情報は固定としたが、これに代えて、リーダ/ライタからの要求に応じて、応答信号送信条件情報を変更するとしても良い。
【0092】
例えば、リーダ/ライタが、非接触ICカード(以下、「非接触ICカードG」という。)とのデータ処理を終了した後、次にIDコードの取得を開始するまでの期間に、当該リーダ/ライタの交信領域内に新たに非接触ICカード(以下、「非接触ICカードH」という。)が入ってきた場合であって、非接触ICカードG、Hの応答信号送信条件情報が互いに一致する場合について考える。
【0093】
このような場合に、リーダ/ライタが再度、非接触ICカードのIDコードを取得しようとすると、前回は非接触ICカードGのIDコードを取得することができたにも関わらず、今回は、非接触ICカードGの応答信号と非接触ICカードHの応答信号とが衝突するために、いずれのIDコードも取得することができない。
【0094】
このような問題に対して、リーダ/ライタが非接触ICカードにアクセスする際に、アクセスした非接触ICカードの応答信号送信条件情報の有効なデータ長を増加させることとすれば、上記のように非接触ICカードG、Hの応答信号が衝突した場合であっても、続いてより大きなデータ長の応答信号送信条件を指定することにより、非接触ICカードGのIDコードを取得することができる。
【0095】
なお、この場合において、非接触ICカードは、応答信号送信条件情報に加えて、当該応答信号送信条件情報の有効なデータ長を不揮発性メモリに保持しておく必要がある。
また、リーダ/ライタは、非接触ICカードにその応答信号送信条件情報の有効なデータ長を問い合わせてから新たに有効なデータ長を指示するとしても良いし、単にデータ長を指定して、指定したデータ長分だけ有効なデータ長を増加させるように指示しても良い。更に、有効なデータ長を増加させる指示と併せて、増加させたビット数分の応答信号送信条件情報の内容を指定するとしても良い。
【0096】
本変形例の応用分野としては、例えば、FA分野が挙げられる。すなわち、ひとつの生産ラインで多品種に亘る製品を生産するような場合において、部品を組み付けるたびに、応答信号送信条件情報を追加してゆけば、組み立ての履歴情報が応答信号送信条件情報として残る。
したがって、リーダ/ライタが特定の品種の製品に添付された非接触ICカードにアクセスしたい場合には、その品種固有の組み立ての履歴から決定される応答信号送信条件情報が予め分かるので、より短時間で効率よく目指す品種の製品に添付された非接触ICカードのIDコードを取得することができる。
【0097】
(2) 上記実施の形態においては応答信号送信条件や応答信号送信条件情報は1バイトのデータであるとしたが、本発明はこれに限定されず、IDコードよりもデータ長が小さいのであれば、1バイト以外のデータ長をとるとしても良い。この応答信号送信条件情報のデータ長を決定する際に、有効な判断基準として、ひとつのリーダ/ライタの交信領域内に存在し得る非接触ICカードの数が挙げられる。
【0098】
すなわち、1の交信領域内に存在する非接触ICカードの数が少ない場合には、応答信号送信条件のデータ長が小さくても、非接触ICカード間で応答信号送信条件情報が一致する確率が低く、応答信号が衝突する確率は低い。一方、1の交信領域内に存在する非接触ICカードの数が多い場合には、非接触ICカード間で応答信号送信条件情報が一致する確率が高く、応答信号送信条件のデータ長が小さいと応答信号が衝突する確率が高くなる。
【0099】
したがって、1のリーダ/ライタの交信領域内に存在し得る非接触ICカードの数が多い場合には、応答信号送信条件及び応答信号送信条件情報のデータ長を大きくすれば、応答信号が衝突する確率を低減することができるので、好適である。
なお、非接触ICカードは、リーダ/ライタが発信する電波から電力を得て動作するので、1のリーダ/ライタの交信領域内で動作することができる非接触ICカードの数の上限はリーダ/ライタが発信する電波の電力の制約を受ける。したがって、当該制約によって決定される非接触ICカードの数の上限を考慮して、応答信号送信条件等のデータ長を決定するのが好ましい。
【0100】
(3) 上記第2の実施の形態においては、応答信号送信条件のデータ長を最上位ビットから順に増やしてゆく場合について説明したが、応答信号送信条件におけるビットの指定の仕方はこれに限定されず、他の指定の仕方を採用するとしても良い。例えば、最下位ビットから順に増やしてゆくとしても良いし、奇数ビット目のビットから順に増やしてゆくとしても良い。
【0101】
ただし、上記第2の実施の形態において説明したように、データ長は1ビットずつ増やしてゆくのが好ましい。例えば、2ビットずつ増やしたとしても、当該応答信号送信条件に適合する応答信号送信条件情報を有する非接触ICカードがなければ、1ビットずつ増やすのと同等の処理をしなければならないからである。
【0102】
(4) 上記実施の形態においては、非接触ICカードが保有する応答信号送信条件情報とIDコードとは別体であって、当該非接触ICカードが備える不揮発性メモリのそれぞれ異なるアドレスに格納されるとしたが、これに代えて、応答信号送信条件情報とIDコードとは一体であるとし、IDコードの一部を応答信号送信条件情報として用いるとしても良い。
【0103】
具体的には、リーダ/ライタから1バイトの応答信号送信条件を受信した場合に、受信した応答信号送信条件と自己のIDコードの最上位1バイトとを照合するとしても良い。また、これとは逆に、受信した応答信号送信条件と自己のIDコードの最下位ビットとを照合するとしても良い。
なお、IDコードは非接触ICカード毎に固有かつ固定であるので、本変形例の場合にあっては、上記変形例に記載したように、応答信号送信条件情報を書き換えることはできないので注意を要する。
【0104】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、IDコードよりもデータ量が小さい応答信号送信条件情報を各非接触ICカードに割り当てて、応答信号送信条件を指定することにより、非接触ICカードからのIDコードを含む応答信号の衝突を回避することができるので、より短時間に効率よく非接触ICカードのIDコードを取得することができる。
【0105】
また、本発明によれば、応答信号送信条件情報を指定して非接触ICカードにそのIDコードを応答させるので、例えば、上記第2の実施の形態のようにして、応答信号送信条件の指定の仕方を工夫することによって、より短時間に効率よく非接触ICカードのIDコードを取得することができる。
また、本発明によれば、上記変形例(1)のように、リーダ/ライタ毎に非接触ICカードの応答信号送信条件情報のデータ長を増加させるので、非接触ICカードが保持する応答信号送信条件情報に情報を持たせることができる。したがって、応答信号送信条件情報に持たせた情報を利用して、IDコードを取得するための時間を短縮することができる。
【0106】
また、リーダ/ライタが非接触ICカードの応答信号送信条件情報をコントローラに通知するとすれば、コントローラにおける処理の用に供することもできる。例えば、FAシステムにおいては、コントローラに応答信号送信条件情報を参照させることによって、その非接触ICカードを付された製品の種別等を判別させる等ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムのシステム構成、並びに当該非接触ICカード通信システムを構成する各機器、すなわち、リーダ/ライタと非接触ICカードとの各装置構成を示す構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードからIDコードを取得する際に実行される通信手順を示すシーケンス図であって、特に、リーダ/ライタの交信領域内に3台の非接触ICカードA、B、Cが存在している場合について示す図である。
【図3】第1の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムにおいて送受信される各情報パケットのフォーマットを示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態に係る非接触ICカードが呼出信号に応えて、自己のIDコードをリーダ/ライタに送信する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。
【図6】第2の実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行される通信手順を示すシーケンス図である。
【図7】第2の実施の形態に係る非接触ICカード通信システムにおいて送受信される各情報パケットのフォーマットを示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係るリーダ/ライタが非接触ICカードのIDコードを取得する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態に係る非接触ICカードが呼出信号に応えて、自己のIDコードをリーダ/ライタに送信する際に実行する処理フローを示すフローチャートである。
【図10】国際標準規格(ISO/IEC 14443−3)にて規定されたIDコードの取得手順を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
1…………………非接触ICカード通信システム
10………………リーダ/ライタ
11………………非接触ICカード
101、111…制御部
102、112…変調部
103、113…復調部
104、114…アンテナ
105……………メモリ
115……………不揮発性メモリ
201等…………呼出信号
202等…………応答信号
221等…………処理要求信号
222等…………処理結果信号
301等…………情報パケット・フォーマット
Claims (14)
- リーダ/ライタと非接触ICカードとを備える非接触ICカード通信システムであって、
前記リーダ/ライタは、
第1のデータを含む呼出信号を送信する呼出信号送信手段と、
前記呼出信号に対する、非接触ICカードからの応答信号を受信する応答信号受信手段と、
前記応答信号からIDコードを取得するIDコード取得手段とを備え、
前記非接触ICカードは、
第2のデータを保持するデータ保持手段と、
前記呼出信号を受信する呼出信号受信手段と、
前記呼出信号受信手段にて受信した前記呼出信号に係る第1のデータと前記第2のデータとを照合して、応答信号を送信するか否かを決定する応答信号送信決定手段と、
前記応答信号送信決定手段の決定にしたがって、自らのIDコードを含む応答信号を送信する応答信号送信手段とを備える
ことを特徴とする非接触ICカード通信システム。 - 前記第1のデータと前記第2のデータとは、いずれも、前記IDコードよりもデータサイズが小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード通信システム。 - 前記リーダ/ライタは、前記応答信号を受信しなかったときは、前記第1のデータを変更するデータ変更手段を備え、
前記呼出信号送信手段は、変更後の第1のデータを含む呼出信号を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード通信システム。 - 前記応答信号送信決定手段は、前記第1のデータと前記第2のデータとが一致するときに、前記応答信号を送信すると決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の非接触ICカード通信システム。 - 前記第1のデータのデータ長は、前記第2のデータのデータ長以下であり、かつ、
前記応答信号送信決定手段は、前記第2のデータの所定の部分が前記第1のデータと一致するときに、前記応答信号を送信すると決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の非接触ICカード通信システム。 - 前記データ変更手段は、第1のデータのデータ長を増加させることを特徴とする請求項5に記載の非接触ICカード通信システム。
- 前記リーダ/ライタは、前記IDコードを取得した非接触ICカードに対して、第2のデータのデータ長の増加を指示するデータ長増加指示を送信するデータ長増加指示送信手段を備え、
前記非接触ICカードは、前記データ長増加指示を受信すると、第2のデータのデータ長を増加させるデータ長増加手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の非接触ICカード通信システム。 - 非接触ICカードと通信するリーダ/ライタであって、
第1のデータを含む呼出信号を送信する呼出信号送信手段と、
前記呼出信号に対する、前記非接触ICカードからの応答信号を受信する応答信号受信手段と、
前記応答信号から前記非接触ICカードのIDコードを取得するIDコード取得手段とを備える
ことを特徴とするリーダ/ライタ。 - 前記リーダ/ライタは、前記応答信号を受信しなかったときは、前記第1のデータを変更するデータ変更手段を備え、
前記呼出信号送信手段は、変更後の第1のデータを含む呼出信号を送信する
ことを特徴とする請求項8に記載のリーダ/ライタ。 - 前記データ変更手段は、第1のデータのデータ長を増加させる
ことを特徴とする請求項9に記載のリーダ/ライタ。 - 前記リーダ/ライタは、前記IDコードを取得した非接触ICカードに対して、第2のデータのデータ長の増加を指示するデータ長増加指示を送信するデータ長増加指示送信手段を備える
ことを特徴とする請求項8に記載の非接触ICカード通信システム。 - リーダ/ライタと通信する非接触ICカードであって、
前記リーダ/ライタから、第1のデータを含む呼出信号を受信する呼出信号受信手段と、
第2のデータを保持するデータ保持手段と、
前記呼出信号受信手段にて受信した前記呼出信号に係る第1のデータと前記第2のデータとを照合して、応答信号を送信するか否かを決定する応答信号送信決定手段と、
前記応答信号送信決定手段の決定にしたがって、自らのIDコードを含む応答信号を送信する応答信号送信手段とを備える
ことを特徴とする非接触ICカード。 - 前記応答信号送信決定手段は、前記第1のデータと前記第2のデータとが一致するときに、前記応答信号を送信すると決定する
ことを特徴とする請求項12に記載の非接触ICカード。 - 前記第1のデータのデータ長は前記第2のデータのデータ長以下であり、かつ、
前記応答信号送信決定手段は、前記第2のデータの所定の部分が前記第1のデータと一致するときに、前記応答信号を送信すると決定する
ことを特徴とする請求項12に記載の非接触ICカード。
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