JP3576012B2 - 現像剤回収装置、及び、現像剤搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置に用いられる現像剤回収装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置に用いられる現像剤回収装置としては、像担持体上に供給された像形成物質としての現像剤であるトナーのうち、転写工程を経た後に像担持体上に残留し、クリーニング装置によって除去された廃トナーを回収するために設けられたトナー回収装置がある。
【0003】
このトナー回収装置による廃トナーの回収方法としては、廃トナーをパイプを通過させて廃トナーの収容部である廃トナータンクに誘導し、回収するものが種々提案されている。
例えば、特開平5−94121号公報においては、像担持体から除去した廃トナーを水平なパイプ内に配設したスクリュウコンベアによって廃トナータンク上方まで誘導し、この位置で下方に向けて設けられた円筒状のトナー排出口から自重で廃トナータンクへ落下させ、最終的に廃トナータンク内に回収するものが提案されている。
また、特開平5−204281号公報においては、像担持体から除去された廃トナーが落下する搬送路形成部材としてのパイプと、パイプ内部に設けられたスクリュウとスクリュウ端部のパイプに連結された残留トナー回収部とを有し、スクリュウによってパイプ内を水平方向に搬送されてきた廃トナーを、パイプの端部から自重で残留トナー回収部に回収するものも提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特開平5−94121号公報で提案されているトナー回収装置においては、廃トナーを水平方向に搬送する搬送経路としての水平なパイプに垂直方向に向かう円筒状のトナー排出路を設けているため、水平方向及び垂直方向の両方向にスペースが必要となり、画像形成装置本体内でのトナー回収装置のスペースや配置の上での制約が多くなってしまう。また、廃トナーが通過する経路に上記トナー排出路をエルボー状に接続するための溶接等が必要になり、コストアップになってしまう。
一方、上記特開平5−204281号公報で提案されているトナー回収装置においては、搬送スクリュウの配設されたパイプ端部から廃トナーを排出するよう構成されているためトナー排出路をエルボー状に接続する必要はないが、搬送スクリュウ端部を排出口として開口させているため排出口側のスクリュウの軸を軸受けで受けていない。このため、スクリュウが回転すると軸が振動しやすく、ばたついて異音が生じたり、スクリュウとパイプとの間で摺動してスクリュウ外周とそれに対向するパイプの内壁とが摩耗するため耐久性が低下したりする恐れがある。
【0005】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その第1の目的とするところは、画像形成装置におけるスペースや配置上の制約を低減しつつ耐久性の良い現像剤回収装置を提供することである。
また、第2の目的とするところは、スペースや配置上の制約を低減しつつ耐久性の良い現像剤搬送装置を提供することである。
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1の現像剤回収装置は、像担持体上に残留しクリーニング装置により除去された被除去現像剤を収容する現像剤収容部と、該被除去現像剤を上記クリーニング装置から上記現像剤収容部に向けて搬送する現像剤搬送部とを有する現像剤回収装置において、上記現像剤搬送部を、現像剤が搬送される空間を形成する搬送路形成部材と、該搬送路形成部材内に設けられ、軸部と該軸部上に設けられた送り部とを有し該軸部の回転により現像剤を搬送する現像剤搬送部材とから構成し、該現像剤搬送部材の軸端部を受けるための軸受けを該軸部の上記現像剤収容部側端部に設け、該軸受けを、該搬送経路形成部材の内壁に対して摺動する外周部と、該現像剤搬送部材の軸部に固設された内周部と、該外周部と該内周部とを連結する壁部と、該外周部、該内周部及び該壁部によって形成され、該軸受けが設けられている位置での現像剤搬送部材軸方向への現像剤の通過が可能となる現像剤通過用空間とから構成し、上記壁部を該軸受けの回転により現像剤を積極的に上記現像剤収容部方向に搬送するスパイラル形状のフィンとしたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項1の現像剤回収装置においては、被除去現像剤を、現像剤搬送部材で該現像剤搬送部材の軸方向下流側に搬送する際に、現像剤搬送部材の軸受け位置も現像剤を通過させて更に下流側の現像剤収容部に向けて搬送する。これにより、軸受け位置で現像剤の移動を妨げることなく通過させることができ、搬送路形成部材における軸受け位置の手前に現像剤排出路としてのエルボーを設ける必要がなくなる。また、軸受けに設けた現像剤通過用空間と、現像剤搬送手段によって軸受けを通過する現像剤を積極的に搬送方向下流側に移動させ、搬送路形成部材内を現像剤がスムースに移動するようにする。
【0013】
さらに、請求項1の現像剤回収装置においては、クリーニング装置により除去した被除去現像剤を回収する際に、現像剤搬送部材を回転させると現像剤搬送部材と共に軸受けも回転し、軸受けに設けたフィンが回転し、現像剤搬送部材による現像剤搬送方向に現像剤を押し出す。
【0014】
また、上記第2の目的を達成するために、請求項2の現像剤搬送装置は、現像剤が搬送される空間を形成する搬送路形成部材と、該搬送路形成部材内に設けられ、軸部と該軸部上に設けられた送り部とを有し、該軸部の回転により現像剤を搬送する現像剤搬送部材とを有し、上記現像剤搬送部材の軸部を受けるための軸受けを上記搬送路形成部材内に設け、該軸受けを、該搬送経路形成部材の内壁に対して摺動する外周部と、該現像剤搬送部材の軸部に固設された内周部と、該外周部と該内周部とを連結する壁部と、該外周部、該内周部及び該壁部によって形成され、該軸受けが設けられている位置での現像剤搬送部材軸方向への現像剤の通過が可能となる現像剤通過用空間とから構成し、上記壁部を現像剤を積極的に搬送する現像剤搬送手段としたことを特徴とするものである。
【0015】
請求項2の現像剤搬送装置は、現像剤を現像剤搬送部材で該現像剤搬送部材の軸方向下流側に搬送する際に、現像剤搬送部材の軸受け位置も現像剤を通過させて更に下流側に向けて搬送する。これにより、軸受け位置で現像剤の移動を妨げることなく通過させることができるようにし、現像剤搬送部材の現像剤搬送方向下流側端部に現像剤の排出口を開口するだけで現像剤を搬送路形成部材から排出ことができ、現像剤の排出のための現像剤排出路を搬送路形成部材における軸受け位置の手前にエルボー状に設ける必要がなくなる。また、軸受けに設けた現像剤通過用空間と、現像剤搬送手段によって軸受けを通過する現像剤を積極的に搬送方向下流側に移動させ、搬送路形成部材内を現像剤がスムースに移動するようにする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の現像剤回収装置を画像形成装置である電子写真複写機に適用した一実施形態について説明する。
【0017】
図1は本実施形態に係る現像剤回収装置を有する複写機の像担持体及び像担持体近傍の部分拡大図である。
この複写機は矢印a方向に回転する感光体1を備えている。感光体1の回りには、感光体1に接触してその表面を帯電する帯電装置2と、矢印Lで示すレーザビームを発する図示しない露光装置と、感光体1上の静電潜像をトナー像化する図示しない現像装置と、感光体1表面上のトナー像を転写紙上に転写する図示しない転写装置と、感光体1表面の残留トナーを除去するクリーニング装置9とが配設されている。
【0018】
上述のように構成された複写機における画像形成動作について説明する。帯電装置2によって一様に帯電された感光体1の表面に、露光装置からのレーザビームLが入射して露光され、静電潜像が形成される。感光体1上の静電潜像は、現像装置の現像ローラ4によって供給されるトナーにより現像されてトナー像となる。感光体1上のトナー像は、転写装置により転写紙上に転写される。一方、感光体1上に残ったトナーは、クリーニング装置9により感光体表面から除去される。
そして、クリーニング装置により感光体1表面から除去された被除去現像剤としてのトナーは、現像剤回収装置で回収される。
【0019】
図2(a)は、本発明の特徴部である現像剤回収装置の部分拡大図である。この現像剤回収装置は、図示を省略した現像剤収容部と、クリーニング装置で除去したトナーを現像剤収容部に向けて搬送するための搬送路形成部材としてのパイプ10と、パイプ10内に設けられ現像剤搬送部材としての搬送スクリュウ11と、搬送スクリュウ軸11aの現像剤収容部側端部に設けられ搬送スクリュウ軸11aを支持する軸受け12とから成っている。
図2(b)は、本実施形態の現像剤回収装置に用いられる軸受け12の拡大斜視図である。この図において、軸受け12には、パイプ10の内周面に勘合する外周12aと、搬送スクリュウ軸11aに摺動可能に設けられた内周12bとがあり、この摺動部Aにおいて軸受け12と搬送スクリュウ軸11aとの間へのトナーの浸入を防ぐためのシール部材13が軸受け12の軸線方向両端部に設けられている。
そして、この軸受け12には、外周と内周の間に軸線方向両端に開口した現像剤通過用空間としての空間12cが形成されている。また、軸受け12のトナー搬送方向下流側のパイプ10先端には現像剤収容部に向けたチューブ15が取り付けられている。
上記構成において、クリーニング装置9で除去されたトナーは、パイプ10内の搬送スクリュウ11の回転によって搬送スクリュウ軸方向における下流側(図中右方向)に搬送される。トナーが搬送スクリュウ軸11a端部に設けられている軸受け12位置に来ると、この軸受け12に形成されている空間12c内を通過して更に下流側に搬送される。そして、パイプ10後端からチューブ15内に流出し、チューブ15を伝って現像剤収容部に回収される。
【0020】
上記構成によれば、搬送スクリュウ軸11aのトナー搬送方向下流側にも軸受け12を設けているので、軸受け12を設けない場合に比して搬送スクリュウ11駆動時のばたつきを抑えることができ、振動や異音の発生を低減できると共に、搬送スクリュウ11の外周とパイプ10内壁との摺動を防止できるので搬送スクリュウ11及びパイプ10の耐久性を増すことができる。
また、搬送スクリュウ11の軸受け位置もトナーを通過させて更に下流側の現像剤収容部に向けて搬送することができるので、軸受け位置の手前でトナー排出口をエルボー状に形成する必要がなくなる。従って、軸受け12を設けたまま搬送スクリュウ11の軸方向にトナーを排出することができ、トナー排出口を軸受け12の手前でエルボー状に溶接する場合にかかる費用が必要がなくなり、低コスト化を実現できる。
また、現像剤排出路をエルボー状に設ける場合に考慮が必要となる現像剤回収装置のスペースや配置の上での制約を低減することができる。
また、本実施形態のように、パイプ10先端にチューブ15を取り付け、チューブ15を通してトナーを排出すれば、トナー搬送路の経路を比較的自由に変形することができ、装置内でのレイアウトの自由度が増す。
【0021】
図3(a)は、本発明の変形例にかかる現像剤回収装置の部分拡大図である。また、図3(b)は、変形例に係る軸受け14の拡大斜視図である。この変形例も、パイプ10、搬送スクリュウ11、軸受け14の設けられる位置等は上記図2(a)で説明したものと同様なので、説明を省略する。
図3(b)において、軸受け14は、パイプ10の内壁に対して摺動する外周14aと、搬送スクリュウ11の軸11aに固設された内周14bとがあり、この摺動部Aにおいて軸受け14とパイプ10の内周面との間へのトナーの浸入を防ぐためのシール部材15が軸受け14の軸線方向両端部に設けられている。
そして、この軸受け14には、外周と内周の間に軸線方向両端に開口した現像剤通過用空間としての空間14cが形成され、その空間14cを軸受け14の周方向に3つの空間14cに分離する壁がスパイラル形状に設けられてフィン14dを構成している。また、軸受け14のトナー搬送方向下流側のパイプ10先端には図2(a)と同様に現像剤収容部に向けたチューブ15が取り付けられている。
上記構成において、クリーニング装置で除去されたトナーを搬送するために搬送スクリュウ11が回転すると、搬送スクリュウ軸11aの回転に伴って軸受け14も回転する。そして、トナーが搬送スクリュウ11によって搬送され軸受け位置で軸受け14の空間14cに進入すると、軸受け14とともに回転するフィン14dによってさらにトナー搬送方向下流側に向かって積極的に搬送される。そして、軸受け14に形成されている空間14c内を通過して更に下流側に搬送されたトナーは、パイプ10後端からチューブ15内に流出し、チューブ15を伝って現像剤収容部に回収される。
【0022】
上記構成によれば、軸受け14の空間14cに進入したトナーがフィン14dによって積極的に下流側に搬送されるので、トナーが現像剤搬送部内をスムースに移動する。従って、トナーの搬送性を向上させることができ、効率よくトナーを現像剤収容部に回収することができる。
【0023】
尚、上記実施形態において、クリーニング装置9で除去されたトナーが現像剤収容部に回収されるまでの間に設けているトナー搬送装置は、現像剤回収装置のみに限らず、パイプ内部に設けたスクリュウによってトナー又は現像剤を搬送するものであれば種々の装置に適用することができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1の現像剤回収装置によれば、現像剤搬送部材に軸受けを設けつつ、現像剤搬送部材の現像剤搬送方向下流側端部から現像剤を現像剤収容部に回収できるので、現像剤排出路をエルボー状に設ける必要がなくなり、現像剤回収装置のスペースや配置の上での制約を低減することができるという優れた効果がある。
また、現像剤排出路をエルボー状に接続するための溶接等が必要なくなり、コストを低減することができるという優れた効果がある。
更に、現像剤搬送部材の軸の現像剤搬送方向下流側にも軸受けを設けているので、軸受けを設けない場合に比して振動や異音の発生を低減できるとともに、現像剤搬送部材の耐久性を増すことができるという優れた効果がある。
更に、搬送路形成部材内を現像剤がスムースに移動するようにできるので、現像剤の搬送性を向上させることができ、効率よく現像剤を現像剤収容部に回収することができるという優れた効果がある。
【0027】
また、請求項1の現像剤回収装置によれば、軸受けに設けたフィンが現像剤を積極的に押し出すので、搬送路形成部材内の現像剤の搬送性を確実に向上させることができるという優れた効果がある。
【0028】
請求項2の現像剤搬送装置によれば、現像剤搬送部材に軸受けを設けつつ、現像剤搬送部材の現像剤搬送方向下流側端部から現像剤を排出できるので、現像剤排出路をエルボー状に設ける必要がなくなり、現像剤搬送装置のスペースや配置の上での制約を低減することができるという優れた効果がある。
また、現像剤排出路をエルボー状に接続するための溶接等が必要なくなり、コストを低減することができるという優れた効果がある。
更に、現像剤搬送部材の軸の現像剤搬送方向下流側にも軸受けを設けることができるので、軸受けを設けない場合に比して振動や異音の発生を低減できるとともに、現像剤搬送部材の耐久性を増すことができるという優れた効果がある。
更に、搬送経路内を現像剤がスムースに移動するようにできるので、現像剤の搬送性を向上させることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る現像剤回収装置を有する複写機の部分拡大図。
【図2】(a)は、本発明の特徴部である現像剤回収装置の部分拡大図。
(b)は、同現像剤回収装置に用いられる軸受けの拡大斜視図。
【図3】(a)は、本発明の変形例にかかる現像剤回収装置の部分拡大図。
(b)は、同変形例にかかる軸受けの拡大斜視図。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電装置
4 現像ローラ
9 クリーニング装置
10 パイプ
11 搬送スクリュウ
12、14 軸受け
12c、14c 空間
13 シール部材
14d フィン
15 チューブ
A 摺動部
Claims (2)
- 像担持体上に残留しクリーニング装置により除去された被除去現像剤を収容する現像剤収容部と、該被除去現像剤を上記クリーニング装置から上記現像剤収容部に向けて搬送する現像剤搬送部とを有する現像剤回収装置において、
上記現像剤搬送部を、現像剤が搬送される空間を形成する搬送路形成部材と、該搬送路形成部材内に設けられ、軸部と該軸部上に設けられた送り部とを有し該軸部の回転により現像剤を搬送する現像剤搬送部材とから構成し、
該現像剤搬送部材の軸端部を受けるための軸受けを該軸部の上記現像剤収容部側端部に設け、
該軸受けを、該搬送経路形成部材の内壁に対して摺動する外周部と、該現像剤搬送部材の軸部に固設された内周部と、該外周部と該内周部とを連結する壁部と、
該外周部、該内周部及び該壁部によって形成され、該軸受けが設けられている位置での現像剤搬送部材軸方向への現像剤の通過が可能となる現像剤通過用空間とから構成し、
上記壁部を該軸受けの回転により現像剤を積極的に上記現像剤収容部側に搬送するスパイラル形状のフィンとしたことを特徴とする現像剤回収装置。 - 現像剤が搬送される空間を形成する搬送路形成部材と、
該搬送路形成部材内に設けられ、軸部と該軸部上に設けられた送り部とを有し、該軸部の回転により現像剤を搬送する現像剤搬送部材とを有し、
上記現像剤搬送部材の軸部を受けるための軸受けを上記搬送路形成部材内に設け、
該軸受けを、該搬送経路形成部材の内壁に対して摺動する外周部と、該現像剤搬送部材の軸部に固設された内周部と、該外周部と該内周部とを連結する壁部と、
該外周部、該内周部及び該壁部によって形成され、該軸受けが設けられている位置での現像剤搬送部材軸方向への現像剤の通過が可能となる現像剤通過用空間とから構成し、
上記壁部を該軸受けの回転により現像剤を積極的に現像剤搬送方向に搬送するスパイラル形状のフィンとしたことを特徴とする現像剤搬送装置。
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