JP3575838B2 - ロッキングダイプレス - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、先端に可動金型を備えた旋回軸を、固定金型の中心軸線に対して所定角度傾斜した状態で配置し、その旋回軸を固定金型の中心軸線の周りで旋回させながら、両金型間において被加工物を塑性加工するロッキングダイプレスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4に、この種のロッキングダイプレスの概略構成を示す。同図に示すように、固定金型としての下金型31の上方には、旋回軸32が下金型31の中心軸線L1に対して所定角度傾斜した傾斜軸線L2上に配置され、その旋回軸32の先端には円錐状の加工面33aを有する可動金型としての上金型33が取り付けられている。そして、下金型31上に被加工物Wが設置された状態で、同下金型31が上昇されることにより、両金型31,33間に被加工物Wが挟まれる。この状態で、旋回軸32が前記中心軸線L1の周りで旋回されることにより、両金型31,33間において被加工物Wが塑性加工されるようになっている。
【0003】
上記ロッキングダイプレスにおいて、旋回軸32が自身の中心軸線すなわち傾斜軸線L2の周りで回転可能に設けられているものが従来よりある。この従来技術においては、旋回軸32が中心軸線L1の周りを旋回されるとき、上金型33がその加工面33aと被加工物Wとの接触摩擦により同被加工物W上を滑ることなく転動する。このため、旋回軸32は中心軸線L1の周りを旋回するのに伴い、傾斜軸線L2の周りで回転される。
【0004】
ここで、被加工物Wの上面が前記中心軸線L1と直交する平面であって、その平面と前記傾斜軸線L2との間の角度をαとする。又、中心軸線L1と傾斜軸線L2との交点Oが被加工物Wの上面の中心にあり、その交点Oを中心とした被加工物Wの半径をrとする。この場合、旋回軸32の旋回に伴い上金型33の加工面33aが被加工物W上を滑ることなく転動した場合において、前記交点Oを中心とした半径rの位置における両者33a,Wの接触点Pは、被加工物W上及び加工面33a上を次のように移動される。即ち、接触点Pは、被加工物W上において半径rの円弧上を移動され、加工面33a上においてはその円錐面上をr・sinαの半径で移動されることになる。従って、図5に示すように、接触点Pが被加工物W上を一周した場合には、その移動距離が2πrとなるが、接触点Pが加工面33a上を一周した場合には、その移動距離が2πr・sinαとなる。このため、旋回軸32の旋回に伴い、接触点Pが加工面33a上を一周して元の位置に戻っても、その接触点Pが被加工物W上を一周するためには、まだ2πr−2πr・sinα=2πr(1−sinα)の距離が残ることになる。
【0005】
つまり、旋回軸32が中心軸線L1の周りを360度旋回されて、上金型33が被加工物W上を一周されたとき、上金型33の加工面33aは下金型31に対して2πr(1−sinα)分の位相ズレを生じることになる。このため、被加工物Wに対する上金型33の加工面33aの接触位置を常に一定にすることができない。その結果、上金型33の加工面33a上に所定の凹凸模様を形成して、その凹凸模様を被加工物W上に鍛造するような場合には、被加工物W上に鍛造された凹凸模様の上に更に凹凸模様がずれて鍛造されて、被加工物W上の凹凸模様が崩れたりすることになる。従って、上記ロッキングダイプレスにおいては、上金型33の加工面33a上に形成した所定の凹凸模様を被加工物W上に正確に鍛造することが不可能であった。
【0006】
このような下金型に対する上金型の位相ズレを防止するための機構として、従来より、例えば特公昭49−40065号公報に開示されているような技術が知られている。この従来技術においては、下金型の周囲に下リングギアが固定配置されるとともに、上金型の周囲には下リングギアに噛合される上リングギアが固定配置されている。そして、両リングギアが常に噛み合いながら旋回軸が旋回されることにより、下金型に対する上金型の位相ズレが防止されるようになっている。
【0007】
又、特開平2−30350号公報には、一方のリングギアを他方のリングギアに向かって押圧付勢するバネを設けて、両リングギアの噛み合いを確実にするようにしたものが開示されている。
【0008】
更に、特開平2−197345号公報には、旋回軸の一部に係合片を設け、この係合片を、装置のフレームに回転可能に支持された軸の先端の溝内に係合させることにより、旋回軸の傾斜軸線の周りでの回転を阻止して、下金型に対する上金型の位相ズレを防止するようにしたものが開示されている。
【0009】
又、従来、特開平3−221234号公報に開示されているような技術も知られている。この従来技術においては、装置のフレームに環状の部材が固定され、その部材の内周側には直径方向に延びる一対の第1の軸を介して第1の環状体が支持されている。従って、第1の環状体は第1の軸を中心として揺動可能であるとともに、第1の軸の軸線方向に沿って移動可能である。又、第1の環状体の内周側には、前記第1の軸と直交する方向に延びる一対の第2の軸を介して第2の環状体が支持されている。従って、第2の環状体は第2の軸を中心として揺動可能であるとともに、第2の軸の軸線方向に沿って移動可能である。そして、旋回軸がこの第2の環状体に対して軸線方向に相対移動可能に且つ相対回転不能に挿通されている。このような構成により、旋回軸は下金型の中心軸線の周りで自由に旋回することができるが、傾斜軸線の周りでの回転は規制され、その結果、下金型に対する上金型の位相ズレが防止される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特公昭49−40065号公報に開示されているものにおいては、両リングギアがそれらの周方向における一箇所でのみ噛み合いながら旋回軸が旋回される。このため、被加工物の鍛造時において旋回軸が傾斜軸線の周りで回転しようとする力を、両リングギアの噛み合いだけで受け止めることが困難になって、その噛み合いが外れたりリングギアが破損したりするというおそれが生じるものであった。これに対して、特開平2−30350号公報に開示されているものにおいては、上記したような問題が生じることを極力防止することはできる。
【0011】
しかしながら、これら2つの従来技術において、下金型に対する上金型の位相ズレを確実に防止するためには、バックラッシュ等の影響を極力小さくするために、リングギアを極めて精密に加工する必要があり、その加工が面倒になるものであった。しかも、各金型の全周に亘ってリングギアが配置されているので、それらリングギアが両金型間における被加工物の加工状況を確認する際の邪魔になるという不具合もあった。
【0012】
又、上記特開平2−197345号公報に開示されているものにおいては、旋回軸の一部に設けられた係合片が、装置のフレーム側に支持された軸の先端の溝内に係合されているだけである。このため、構成は簡単であるが、被加工物の鍛造時において旋回軸が傾斜軸線の周りで回転しようとする力を、係合片と軸の溝との係合部分の一箇所でのみ受け止める必要がある。従って、係合片や軸の強度を充分なものとするために、それらの部材を大型化する必要が生じたり、或いは係合部分の損耗が激しくなったりするという問題が生じるものであった。
【0013】
更に、上記特開平3−221234号公報に開示されているものにおいては、装置のフレームに固定された環状の部材と第1の環状体、及び第1の環状体と第2の環状体とが、それぞれ第1又は第2の軸により連結されているだけである。このため、両金型間において被加工物を押圧したときの反力や、被加工物の鍛造時において旋回軸が傾斜軸線の周りで回転しようとする力を、それらの軸により確実に受け止めることが困難になり、それらの軸が変形したり折損したりするというおそれがあった。
【0014】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、下金型に対する上金型の位相ズレを確実に防止することができるとともに、被加工物を塑性加工する際に働く各種の力が位相ズレ防止機構に作用しても、それらの力を確実に受け止めることができ、しかも被加工物の加工状況を容易に確認することができ且つ構造が簡単なロッキングダイプレスを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明では、旋回軸に相対回転不能に取り付けられ、一方の面に球状の接触面を備えた第1の環状体と、一方の面に前記第1の環状体の接触面と球面接触する球状の第1の接触面を備えるとともに、他方の面に球状の第2の接触面を備えた第2の環状体と、装置のフレームに固定され、一方の面に前記第2の環状体の第2の接触面と球面接触する球状の接触面を備えた第3の環状体と、第1及び第2の環状体間においてそれらの直径方向であるX方向に延びるように設けられ、両者をそれらの接触面に沿ったX方向にのみ相対移動可能に係合させる第1の係合手段と、第2及び第3の環状体間において前記X方向とほぼ直交する直径方向であるY方向に延びるように設けられ、両者をそれらの接触面に沿ったY方向にのみ相対移動可能に係合させる第2の係合手段とよりなる位相ズレ防止機構を設けたものである。
【0016】
請求項2の発明では、第1の環状体において接触面は凹面であり、第2の環状体において第1の接触面は凸面で第2の接触面は凹面であり、第3の環状体において接触面は凸面である。
【0017】
請求項3の発明では、第1の係合手段は、第1の環状体の接触面及び第2の環状体の第1の接触面に形成されたX方向に延びるキー溝と、両環状体の対向するキー溝間に挿通されたキーとよりなり、第2の係合手段は、第2の環状体の第2の接触面及び第3の環状体の接触面に形成されたY方向に延びるキー溝と、両環状体の対向するキー溝間に挿通されたキーとよりなるものである。
【0018】
【作用】
従って、本発明によれば、旋回軸が固定金型の中心軸線の周りで旋回されながら、固定金型と可動金型との間において被加工物が塑性加工される。このとき、位相ズレ防止機構における第1の環状体は、旋回軸に対して相対回転不能に固定されているとともに、第2の環状体に対して球状の接触面に沿ってX方向にのみ相対移動可能である。又、第2の環状体は、第3の環状体に対して球状の接触面に沿ってY方向にのみ相対移動可能である。即ち、旋回軸は、前記中心軸線の周りでの旋回は許容されるが、自身の中心軸線つまり傾斜軸線を中心とした回転のみは確実に規制される。このため、旋回軸が中心軸線の周りを旋回されても、固定金型に対する可動金型の位相ズレは生じることがなく、両金型間には常に同一の回転位置関係が保持される。
【0019】
又、被加工物を塑性加工する際に働く各種の力が位相ズレ防止機構に作用しても、それらの力は各環状体の大きな接触面で確実に受け止められる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を具体化した一実施例を図面に基づいて説明する。
図3に示すように、昇降台2は本体フレーム1の下部に図示しない昇降機構により昇降可能に支持され、その上面には台座3を介して固定金型としての下金型4が固定配置されている。支持ブロック5は本体フレーム1の上部に支持され、その下面に形成された取付凹所5aには半球状の凹部6aを有する球面座6が固定されている。支持ブロック5及び球面座6はその中心軸線が下金型4の中心軸線L1と一致するように配置され、その中心軸線L1上に位置する貫通孔5b,6bを有している。旋回軸7はその下端に半球状をなす笠部7aを一体に有しており、旋回軸7が前記貫通孔5b,6bに挿通された状態で、この笠部7aが球面座6の凹部6aに摺動可能に接触される。可動金型としての上金型8は前記下金型4と対向するように笠部7bの下面に取り付けられ、その下面には円錐状の加工面8aが形成されている。
【0021】
円筒状をなす回転体9は本体フレーム1の上部にスリーブ10を介して図示しない回転機構により回転可能に支持されている。回転体9はその中心軸線が前記中心軸線L1と一致するように配置され、同中心軸線L1の周りで回転されるようになっている。この回転体9には支持孔9aが中心軸線L1に対して偏心して形成され、その支持孔9a内には前記旋回軸7の上端がベアリング11を介して回転可能に且つ揺動可能に挿入支持されている。その結果、旋回軸7は前記中心軸線L1に対して所定角度傾斜した傾斜軸線L2上に配置されるとともに、上金型8の加工面8aの先端が、中心軸線L1と傾斜軸線L2との交点O上に配置される。そして、回転体9の回転に伴い、旋回軸7が中心軸線L1の周りで旋回される。
【0022】
位相ズレ防止機構12は前記支持ブロック5と旋回軸7との間に介装され、この位相ズレ防止機構12により、旋回軸7が中心軸L1の周りで旋回されたときの、下金型4に対する上金型8の位相ズレが防止されるようになっている。ここで、その位相ズレ防止機構12の構成について、図1及び図2に従って説明する。図1及び図2に示すように、第1の環状体13は旋回軸7の中間部にキー14を介して相対回転不能に挿通され、旋回軸7に形成されたネジ部15に一対のナット16を螺着して締め付けることにより、旋回軸7に対して固定される。この第1の環状体13の下面は接触面としての球状の凹面13aとなっており、その凹面13aには直径方向(X方向)に延びる一対のキー溝17が形成されている。
【0023】
第2の環状体18はその上面が第1の接触面としての球状の凸面18aとなっており、旋回軸7に挿通された状態で、その凸面18aが前記第1の環状体13の凹面13aに摺動可能に接触される。又、凸面18aには直径方向(X方向)に延びる一対のキー溝19が形成され、各キー溝19内にはそれぞれキー20が挿通固定されている。そして、このキー20が前記凹面13a上のキー溝17に係合されることにより、第1及び第2の環状体13,18が互いに球面接触された状態でX方向にのみ相対移動可能となっている。本実施例では、キー溝17,19及びキー20により第1の係合手段が構成されている。
【0024】
尚、第2の環状体18の中心部に形成された挿通孔21は、両環状体13,18がX方向に相対移動されたときに、旋回軸7と第2の環状体18とが干渉しないような大きさに形成されている。又、第2の環状体18の下面は第2の接触面としての球状の凹面18bとなっており、その凹面18bには前記キー溝19と直交する直径方向(Y方向)に延びる一対のキー溝22が形成されている。
【0025】
第3の環状体23はその中心軸線が前記中心軸線L1と一致するように前記支持ブロック5上に固定され、その上面が接触面としての球状の凸面23aとなっている。そして、第3の環状体23は旋回軸7に挿通された状態で、その凸面23aが前記第2の環状体18の凹面18bに摺動可能に接触される。又、凸面23aには直径方向(Y方向)に延びる一対のキー溝24が形成され、各キー溝24内にはそれぞれキー25が挿通固定されている。そして、このキー25が前記凹面18b上のキー溝22に係合されることにより、第2の環状体18が第3の環状体23に対して球面接触された状態でY方向にのみ相対移動可能となっている。本実施例では、キー溝22,24及びキー25により第2の係合手段が構成されている。尚、第3の環状体23の中心部に形成された挿通孔26は、両環状体18,23がY方向に相対移動されたときに、旋回軸7と第3の環状体23とが干渉しないような大きさに形成されている。
【0026】
次に、前記のように形成されたロッキングダイプレスの作用を説明する。
さて、下金型4上に被加工物Wが設置された状態で、図示しない昇降機構により昇降台2が上昇されることにより、下金型4と上金型8との間に被加工物Wが挟まれる。この状態で、図示しない回転機構により回転体9が回転されると、旋回軸7が前記中心軸線L1の周りで旋回されて、両金型4,8間において被加工物Wが塑性加工される。
【0027】
このとき、位相ズレ防止機構12における第1の環状体13は、旋回軸7に対して相対回転不能に固定されているとともに、第2の環状体18に対して球面接触しながらX方向にのみ相対移動可能である。又、第2の環状体18は、第3の環状体23に対して球面接触しながら、前記X方向と直交するY方向にのみ相対移動可能である。即ち、旋回軸7は、回転体9の回転に伴い中心軸線L1の周りでの旋回は許容されるが、傾斜軸線L2を中心とした回転のみは確実に規制される。このため、旋回軸7が中心軸線L1の周りを旋回しても、下金型4に対する上金型8の位相ズレは生じることがなく、両金型4,8間には常に同一の回転位置関係が保持される。
【0028】
従って、本実施例では、上金型8の加工面8aに凹凸模様を形成して、その凹凸模様を被加工物W上に鍛造するようにしても、被加工物W上に鍛造された凹凸模様の上に更に凹凸模様がずれて鍛造されるということはなく、上金型8上の凹凸模様を被加工物W上に正確かつ確実に鍛造することができる。
【0029】
又、本実施例では、被加工物Wを塑性加工する際に働く各種の力が位相ズレ防止機構12に作用しても、それらの力を各環状体13,18,23の全周に亘る大きな接触面13a,18a,18b,23aで確実に受け止めることができる。このため、位相ズレ防止機構12を構成する各種の部材が損傷したりするおそれがなく、耐久性や信頼性に優れ、旋回軸7の旋回運動を円滑に行わせることができるとともに、上金型8の位相ズレを一層確実に防止することができる。
【0030】
又、この位相ズレ防止機構12は、両金型4,8の周囲に設けられているわけではなく、両金型4,8の配設位置とは関係のない旋回軸7の中間部に設けられている。このため、被加工物Wの塑性加工時、その加工状況を外部から容易に確認することができる。
【0031】
更に、位相ズレ防止機構12は、球状の凹面或いは凸面を有する3つの環状体13,18,23を重ねて配置するとともに、各環状体13,18,23間にそれらの相対移動方向を規制するためのキー溝やキーを設けるだけの簡単な構造であるので、その製作が容易である。しかも、旋回軸7の傾斜角度を変更するような場合でも、同一の位相ズレ防止機構12を使用して容易に対処することができる。
【0032】
尚、この発明は、前記実施例に限定されるものではなく、各部の構成を例えば以下のように変更して具体化してもよい。
(1)第1の環状体13の上面側に第2の環状体18を配置するとともに、第2の環状体18の上面側に第3の環状体23を配置するように構成すること。この場合には、第1の環状体13において接触面を凸面とし、第2の環状体18において第1の接触面を凹面とするとともに第2の接触面を凸面とし、第3の環状体23において接触面を凹面とする。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、下金型に対する上金型の位相ズレを確実に防止することができるとともに、被加工物を塑性加工する際に働く各種の力が位相ズレ防止機構に作用しても、それらの力を確実に受け止めることができ、しかも被加工物の加工状況を容易に確認することができ且つ構造が簡単であるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化したロッキングダイプレスの一実施例における位相ズレ防止機構を拡大して示す要部正断面図。
【図2】位相ズレ防止機構を拡大して示す要部側断面図。
【図3】ロッキングダイプレスのほぼ全体を示す正断面図。
【図4】上金型の位相ズレを説明するための概略正断面図。
【図5】上金型の位相ズレを説明するための概略平面図。
【符号の説明】
1…本体フレーム、4…固定金型としての下金型、7…旋回軸、8…可動金型としての上金型、12…位相ズレ防止機構、13…第1の環状体、13a…接触面としての凹面、14…キー、17…第1の係合手段を構成するキー溝、18…第2の環状体、18a…第1の接触面としての凸面、18b…第2の接触面としての凹面、19…第1の係合手段を構成するキー溝、20…第1の係合手段を構成するキー、22…第2の係合手段を構成するキー溝、23…第3の環状体、23a…接触面としての凸面、24…第2の係合手段を構成するキー溝、25…第2の係合手段を構成するキー、L1…中心軸線、L2…傾斜軸線。
Claims (3)
- 固定金型と、その固定金型の中心軸線に対して所定角度傾斜した傾斜軸線上に配置された旋回軸と、その旋回軸の先端に取り付けられた可動金型とを備え、旋回軸を前記中心軸線の周りで旋回させながら、両金型間において被加工物を塑性加工するロッキングダイプレスにおいて、
前記旋回軸に相対回転不能に取り付けられ、一方の面に球状の接触面を備えた第1の環状体と、
一方の面に前記第1の環状体の接触面と球面接触する球状の第1の接触面を備えるとともに、他方の面に球状の第2の接触面を備えた第2の環状体と、
装置のフレームに固定され、一方の面に前記第2の環状体の第2の接触面と球面接触する球状の接触面を備えた第3の環状体と、
第1及び第2の環状体間においてそれらの直径方向であるX方向に延びるように設けられ、両者をそれらの接触面に沿ったX方向にのみ相対移動可能に係合させる第1の係合手段と、
第2及び第3の環状体間において前記X方向とほぼ直交する直径方向であるY方向に延びるように設けられ、両者をそれらの接触面に沿ったY方向にのみ相対移動可能に係合させる第2の係合手段と
よりなる位相ズレ防止機構を設けたロッキングダイプレス。 - 第1の環状体において接触面は凹面であり、第2の環状体において第1の接触面は凸面で第2の接触面は凹面であり、第3の環状体において接触面は凸面である請求項1に記載のロッキングダイプレス。
- 第1の係合手段は、第1の環状体の接触面及び第2の環状体の第1の接触面に形成されたX方向に延びるキー溝と、両環状体の対向するキー溝間に挿通されたキーとよりなり、第2の係合手段は、第2の環状体の第2の接触面及び第3の環状体の接触面に形成されたY方向に延びるキー溝と、両環状体の対向するキー溝間に挿通されたキーとよりなる請求項1又は2に記載のロッキングダイプレス。
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