JP3575671B2 - 対導線列の端部接合方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば回転電機のコイル導体に用いられる対導線列の端部接合方法及びそれを用いた回転電機の巻線製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オルタネータなどの回転電機や電磁石などの種々の電機機器において、多数の電線をそれらの延線方向と直角の方向へ一列に並べ、電気絶縁性樹脂膜が剥離された各平角線の端部を隣接する二本ずつ、近接あるいは密着させて対導線となし、各対導線の両平角線の端部同士を対導線列の端面側から加熱エネルギーを与えて接合していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の対導線列の端部を対導線列の端面側から加熱エネルギーを与えて接合する方法は、端面部分又はこの端面部分に被着された溶融性接合材(はんだやろう材)を溶融させて行われるので、端面全体に溶融エネルギーを与える必要があり、その結果、溶融した対導線の端部が自己の表面張力により略半球状に変形し、これにより、冷却後に対導線の端部が対導線の元の側面よりも、隣接対導線側へ膨出するという現象が生じた。
【0004】
このため、対導線列の配列ピッチを、この膨出長を見込んで設定しなければならず、対導線列を高密度配列することができないという問題があった。
なお、対導線の接合用側面すなわち被接合部材の接合面にろう材を被着し、加熱炉で加熱することによりろう材だけを溶融させる従来方法を採用して上記膨出を発生させることなく、接合を行うことも考えられる。
【0005】
しかし、この方法では、どうしてもろう材が溶融してから再び固化するまでの時間が長くなるため、この間に溶融したろう材が垂れたりして上記ブリッジ接続が発生したり、接合部のろう材が不足して接合信頼性が低下するというおそれが生じる上、生産性が悪く、製造設備が大規模となるという不具合も生じた。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、接合信頼性の低下を招くことなく、効率よく高密度配列が可能な対導線列の端部接合方法を提供することを、その目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の対導線列の端部接合方法によれば、対導線列を構成する各平角線は端部を略一列に揃えて延線方向一方側へ平行に配置され、各端部のうち互いに隣接する一対の端部づつ、接合される。当然、同一の対導線を構成する両平角線の端部は側面を密接させて又は微小間隔を隔てて配置されるとともに、異なる対導線に属して隣接する二本の平角線間には所定のギャップ(絶縁用ギャップ)が確保される。
【0007】
本構成では特に、互いに隣接して同一の対導線を構成する一対の平角線よりも低融点のろう材を、対導線の端部の両接合用側面の間に介設した後、加熱ビームを対導線の端面側から照射する。
このようにすれば、低融点のろう材の溶融が平角線よりも格段に優先するので、ろう材を用いない場合に比較してはるかに深い部分まで接合を行うことができ、結局、対導線の端部の溶融部分を、対導線列の配列方向(以下、配列方向とも称する)よりもその延線方向(以下、深さ方向とも称する)に選択的に大きく設定することができ、これによりビームのスポット径を絞るなどして平角線の反接合用側面の溶融を抑止しつつ、必要な深さだけ接合を行うことができる。
【0008】
これにより、必要な接合深さを確保しつつ対導線の端部の配列方向への膨出量を減らせるので、隣接対導線間のブリッジ短絡を抑止しつつ対導線列の配列ピッチ縮小によるその高密度化を実現することができる。また、接合を高速に行うことができるので、生産性を向上することができる。
なお、ここでいう「平角線」とは延線方向と直角な断面が略長方形又は正方形である導体線をいうものとするがそれらの角部は面取りされていてもよいことは当然である。
【0009】
「加熱ビーム」として、電子線パルスビーム又はレーザー光パルスビームを用いることができる。「他の対導線の接合用側面を順次接合」とは隣接する複数の対導線の接合処理を同時に行う場合を含むものとする。
請求項2記載の方法によれば請求項1記載の対導線列の端部接合方法において更に、加熱ビームのエネルギーの時間パターンを調整することにより、主としてろう材を溶融させる。なお、ここでいう主としてろう材を溶融するというのは、全溶融体積の70%以上をろう材とするものとする。主としてろう材を溶融させるには、融点が低いろう材を用いたり、加熱ビームの単位時間当たりのパワーを低下(調節)して被照射部材の最高温度を必要部位のろう材溶融に十分なレベルで低下させるなどの手法が考えられる。
【0010】
請求項3記載の方法によれば請求項1又は2記載の対導線列の端部接合方法において更に、ろう材はテープ状に形成されて複数の微小間隔にわたって連続して配設されるので、十分な量のろう材を簡単な工程で配設することができる。なお、このテープ状のろう材は、溶融により自動分離されるが、上記複数の微小間隙に介設した後、加熱ビーム照射前に個々に切断してもよい。
【0011】
請求項4記載の方法によれば請求項3記載の対導線列の端部接合方法において更に、絶縁用ギャップを、平角線の絶縁用ギャップの方向における厚さの10〜100%に設定するので、主としてビーム照射により受熱した平角線からの熱伝導によりろう材を溶融させて、絶縁ギャップに存在するこのテープ状のろう材を自己の表面張力などにより、隣接する両側の対導線のそれぞれへ分かれて移動させることができる。
【0012】
請求項5記載の方法によれば請求項3記載の対導線列の端部接合方法において更に、絶縁用ギャップを0.2〜2.0mmに設定するので、主としてビーム照射により受熱した平角線からの熱伝導によりろう材を溶融させて、絶縁ギャップに存在するこのテープ状のろう材を自己の表面張力などにより、隣接する両側の対導線のそれぞれへ分かれて移動させることができる。
【0013】
請求項6記載の方法によれば請求項1記載の対導線列の端部接合方法において更に、平角線の端部の反接合用側面を溶融させないエネルギー量及びスポット径で加熱ビーム照射を行うので、上記膨出をほとんど防止でき、高密度の対導線配列が可能となる。
上記課題を解決する請求項7記載の対導線列の端部接合方法によれば、請求項1記載の対導線列において抵抗溶接により接合を行う。
【0014】
すなわち、この接合方法では、対導線列の端部の端面側の部分ではなく、対導線列の端部の接合用側面(対向側面)部分を選択的に接合するために、両平角線の一対の反接合用側面側に電極をあてて抵抗溶接を行う。
このようにすれば、従来の端面側から加熱エネルギーを与えるのと違って、対導線の端部の端面部分がほとんど溶融することがなく、その結果としてこの部分が自己の表面張力により配列方向へ膨出することがなく、これにより絶縁用ギャップを縮小することができる。
【0015】
更に説明する。
この方法では、溶融部分は上記微小ギャップに介設されたろう材のみであり、このろう材融液も配列方向へ膨出しようとする。しかし、平角線自体は溶融しないので融液の量が少なく、かつ、上記微小ギャップは両側の平角線の端部が溶融しないので一定に保持されているため、ろう材融液の配列方向への膨出はほとんど無視できる。したがって、高密度の対導線列を実現できる。
【0016】
請求項8記載の方法によれば請求項7記載の対導線列の端部接合方法において更に、対導線の端部の反接合用側面にローラ電極を接触されて各接合用側面を順次接合するので、生産性が優れる。
請求項9記載の方法によれば請求項7又は8記載の対導線列の端部接合方法において更に、ろう材はテープ状に形成されて複数の微小間隔にわたって連続して配設されるので、十分な量のろう材を簡単な工程で配設することができる。なお、このテープ状のろう材は、溶融により自動分離されるが、上記複数の微小間隙に介設した後、抵抗加熱前に個々に切断してもよい。
【0017】
請求項10記載の方法によれば請求項7又は8記載の対導線列の端部接合方法において更に、絶縁用ギャップを、平角線の絶縁用ギャップの方向における厚さの10〜100%に設定するので、主としてビーム照射により受熱した平角線からの熱伝導によりろう材を溶融させて、絶縁ギャップに存在するこのテープ状のろう材を自己の表面張力などにより、隣接する両側の対導線のそれぞれへ分かれて移動させることができる。
【0018】
請求項11記載の方法によれば請求項7又は8記載の対導線列の端部接合方法において更に、絶縁用ギャップを0.2〜2.0mmに設定するので、主としてビーム照射により受熱した平角線からの熱伝導によりろう材を溶融させて、絶縁ギャップに存在するこのテープ状のろう材を自己の表面張力などにより、隣接する両側の対導線のそれぞれへ分かれて移動させることができる。
【0020】
請求項12記載の方法では請求項1乃至11のいずれか記載の対導線列の端部接合方法において更に、互いに隣接する一対の対導線の端部は、延線方向へ溶融領域の長さ以上ずらして配置される。
【0021】
このようにすれば、互いに隣接する一対の対導線の端部の上記膨出部分が接触することがなく、絶縁用ギャップを縮小させて高密度配列を実現することができる。
請求項13記載の構成によれば請求項1乃至11のいずれか記載の対導線列の端部接合方法において更に、互いに隣接する一対の対導線の端部は、接合用側面に平行な方向(延線方向及び配列方向と直角な方向)へ溶融領域の長さ以上ずらして配置される。
【0022】
このようにすれば、互いに隣接する一対の対導線の端部の上記膨出部分が接触することがなく、絶縁用ギャップを縮小させて高密度配列を実現することができる。
請求項14記載の構成によれば請求項1記載の対導線列の端部接合方法において更に、互いに隣接する一対の対導線の端部の間にろう材よりも高い軟化点及び電気絶縁性を有し、各絶縁用ギャップ間につづら折り状に配設されるフィルム又は布を接合前の時点で介設する。
【0023】
このようにすれば、隣接する接合部がブリッジ接続することを良好に防止でき、かつ、各接合部を同時に溶接することもできるので、生産性を向上することができる。
【0024】
【発明を実施するための態様】
本発明の好適な態様を以下の実施例により説明する。
【0025】
【実施例1】
本発明の対導線列の端部接合方法を用いた車両用交流発電機(いわゆるオルタネータ)の固定子コイルの製造方法の関連部分を図1に示す工程図を参照して以下に説明する。
(工程1)
まず銅系の平角線(被覆電線)1を準備し、その端部2の電気絶縁性樹脂膜3を除去して端部2を露出させる。
【0026】
なお、4は端部2の端面、5は端部2の接合用側面、6は端部2の反接合用側面、7は端部2の配列方向(厚さ方向)側面である。
(工程2)
次に、各平角線1を一対づつ、各対の接合用側面5が微小間隙9を隔てて対面するように配列して対導線10を必要数作製し、更に、各対導線10の端部2の端面4を延線方向同位置に揃えつつ、各対導線10を所定の絶縁用ギャップdを挟んで平角線1の厚さ方向へ配列して対導線列とし、この対導線列を図示しない治具により保持する。
(工程3)
次に、上記配列状態を維持しつつ、配列方向へ一直線に並ぶ上記各微小間隙9に、リボン状(テープ状)のろう材11を挿入する。
【0027】
このろう材11の組成はたとえばSn100はんだの他に、PbーSn系はんだ、SnーZn系はんだ、Sn系はんだ、Pb系はんだ、Zn系はんだなどであり、各々のろう材に適合した所定のフラックスを用いることも当然好ましいことである。
(工程4)
次に、上記配列状態を維持しつつ、略延線方向(延線方向に対して30度以内)の入射角で電子線パルスビーム又はレーザー光パルスビーム12を、上記対導線列の一端に位置する対導線10の端面4,4の、特に微小間隙9の近傍部分に集中して照射し、対導線10の接合用側面5を含む小領域を溶融させる。
【0028】
ここでビームのスポット径、更に好ましくは溶融領域(=接合領域)13の最大径は平角線1の厚さ以下とされることが好ましい。
このようにすれば、図2に示すように、対導線1の溶融領域13の溶融時における表面張力による配列方向への膨出はわずかとなり、絶縁用ギャップdを広く設定する必要がないため、対導線列を高密度化することができる。
【0029】
更に説明すると、上述のように加熱ビーム12のスポット径を狭くしているにもかかわらず、ろう材11が深さ方向へ設けられているので、平角線1の端部2全体が溶融することなく、ろう材11のみを選択的に深さ方向へ溶融させることができ、そして照射停止とともに速やかに固化させることができる。
加熱ビーム12は対導線10の配列方向へ順次移動しつつ、レーザー光パルスビーム又は電子線パルスビームを間欠的に発射して次々と対導線10の一対の平角線1,1の端部を接合していく。
【0030】
なお、ろう材11は、テープ状のものを用い、その溶融により自動的に(表面張力により)相互分離させたが、微小間隔9に挿入後、各対導線10ごとに分断してから嵌合2を照射してもよい。
この実施例では特に、隣接する対導線10間の絶縁ギャップdは、平角線1の厚さWの10〜100%とされている。更にこの実施例では、上記絶縁ギャップdを0.2〜2.0mmとしている。絶縁ギャップdをこれらの数値範囲内とすることにより、隣接する対導線10間の絶縁ギャップdに存在するろう材がその溶融時に確実に両側の対導線のそれぞれに分かれて移動する。しかも隣接する対導線10間の絶縁ギャップdに存在するろう材がその溶融時に脱落することもない。
【0031】
(変形態様)
上記実施例では、ろう材11としてリボン状のものを用いたが、浸漬、めっき、塗布などの方法で被着してもよいことは当然である。ただし、ろう材11は、平角線1の端部2の接合用側面5に接してのみ設けることが重要である。
(変形態様)
上記実施例では、ろう材11を用いてスポット径に比して深く溶融領域13を形成したが、平角線1の端部2の端面4全体を溶融させるのでなければ、溶融しなかった端部2の残部の影響により溶融領域13が半球状になることがなく、その分、溶融領域13の配列方向への膨出を抑止できるのでろう材11を省略することも可能である。
【0032】
スポット径は小さい方が好ましく、平角線1の配列方向幅(厚さ)未満とされることが好ましい。
(変形態様)
上記実施例では、各対導線10の端部2の接合用側面5,5の位置はその幅方向において等しいとしたが、図3に示すように隣接する2つの対導線10の接合用側面5,5の位置をその幅方向において十分に(溶融領域13の幅方向の寸法)以上異ならせてもよい。
【0033】
このようにすれば、絶縁用ギャップdを挟んで隣接する膨出部分が接触しないので絶縁用ギャップdを縮小することができる。
(変形態様)
上記実施例では、各対導線10の端面4はその延線方向において等しいとしたが、図4に示すように隣接する2つの対導線10の端面4の位置をその延線方向において十分に(溶融領域13の延線方向の寸法)以上異ならせてもよい。
【0034】
このようにすれば、絶縁用ギャップdを挟んで隣接する膨出部分が接触しないので絶縁用ギャップdを縮小することができる。
(変形態様)
上記実施例では、各対導線10間の絶縁用ギャップdは単なる空隙としたが、図5に示すようにこの間にたとえばガラス不織布のような薄い耐熱性及び電気絶縁性を有する絶縁部材を各絶縁用ギャップdにつづら折り状に設けてもよい。
【0035】
このようにすれば、隣接する接合部がブリッジ接続することを良好に防止でき、かつ、各接合部を同時に溶接することもできるので、生産性を向上することができ、更に、この絶縁部材はその後の各対導線10間の電気絶縁性も向上することができる。
【0036】
【実施例2】
本発明の対導線列の端部接合方法の他の実施例を図6を参照して説明する。ただし、説明を簡素化するために実施例1と主要機能が共通する構成要素には同一符号を附す。
この実施例では、対導線列の配列方向は円形となっており、したがって同じ対導線10に属する両平角線1,1は放射方向に配置されている。ろう材20は平角線1に比べて高抵抗かつ低融点である。ろう材20は、テープ状のものを円筒形状に形成してなる。このろう材20は、平角線1,1間に挿入されている。しかも、ろう材20は、平角線1,1からなる対導線の複数にわたって配置されている。すなわち、ひとつのテープ状のろう材20が複数の対導線の微小間隔に配置されている。
【0037】
21,22はローラー電極であり、ローラー電極21は径外側の平角線1の反接合用側面6に接するように自転、公転し、ローラー電極22は径外側の平角線1の反接合用側面6に接するように自転、公転する。ただし、両ローラー電極21,22は常に同じ角度位置となるようにする。
ローラー電極21,22間に通電することにより、ろう材20を抵抗溶接により溶融して各対導線列を個別に接合することができる。
【0038】
図7にローラー電極22の断面を拡大図示する。
この実施例では特に、周方向に隣接する対導線10間の絶縁ギャップdは、平角線1の厚さWの10〜100%とされている。更にこの実施例では、上記絶縁ギャップdを0.2〜2.0mmとしている。絶縁ギャップdをこれらの数値範囲内とすることにより、隣接する対導線10間の絶縁ギャップdに存在するろう材がその溶融時に確実に周方向両側の対導線10のそれぞれに分かれて移動する。しかも隣接する対導線10間の絶縁ギャップdに存在するろう材がその溶融時に脱落することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の対導線列の端部接合方法を示す工程図である。
【図2】図1の対導線列の一部平面図である。
【図3】対導線列の端部接合方法の変形例を示す斜視図である。
【図4】対導線列の端部接合方法の変形例を示す斜視図である。
【図5】対導線列の端部接合方法の変形例を示す斜視図である。
【図6】対導線列の端部接合方法の他の実施例を示す模式図である。
【図7】図6に示すローラー電極の拡大平面図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば回転電機のコイル導体に用いられる対導線列の端部接合方法及びそれを用いた回転電機の巻線製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、オルタネータなどの回転電機や電磁石などの種々の電機機器において、多数の電線をそれらの延線方向と直角の方向へ一列に並べ、電気絶縁性樹脂膜が剥離された各平角線の端部を隣接する二本ずつ、近接あるいは密着させて対導線となし、各対導線の両平角線の端部同士を対導線列の端面側から加熱エネルギーを与えて接合していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の対導線列の端部を対導線列の端面側から加熱エネルギーを与えて接合する方法は、端面部分又はこの端面部分に被着された溶融性接合材(はんだやろう材)を溶融させて行われるので、端面全体に溶融エネルギーを与える必要があり、その結果、溶融した対導線の端部が自己の表面張力により略半球状に変形し、これにより、冷却後に対導線の端部が対導線の元の側面よりも、隣接対導線側へ膨出するという現象が生じた。
【0004】
このため、対導線列の配列ピッチを、この膨出長を見込んで設定しなければならず、対導線列を高密度配列することができないという問題があった。
なお、対導線の接合用側面すなわち被接合部材の接合面にろう材を被着し、加熱炉で加熱することによりろう材だけを溶融させる従来方法を採用して上記膨出を発生させることなく、接合を行うことも考えられる。
【0005】
しかし、この方法では、どうしてもろう材が溶融してから再び固化するまでの時間が長くなるため、この間に溶融したろう材が垂れたりして上記ブリッジ接続が発生したり、接合部のろう材が不足して接合信頼性が低下するというおそれが生じる上、生産性が悪く、製造設備が大規模となるという不具合も生じた。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、接合信頼性の低下を招くことなく、効率よく高密度配列が可能な対導線列の端部接合方法を提供することを、その目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の対導線列の端部接合方法によれば、対導線列を構成する各平角線は端部を略一列に揃えて延線方向一方側へ平行に配置され、各端部のうち互いに隣接する一対の端部づつ、接合される。当然、同一の対導線を構成する両平角線の端部は側面を密接させて又は微小間隔を隔てて配置されるとともに、異なる対導線に属して隣接する二本の平角線間には所定のギャップ(絶縁用ギャップ)が確保される。
【0007】
本構成では特に、互いに隣接して同一の対導線を構成する一対の平角線よりも低融点のろう材を、対導線の端部の両接合用側面の間に介設した後、加熱ビームを対導線の端面側から照射する。
このようにすれば、低融点のろう材の溶融が平角線よりも格段に優先するので、ろう材を用いない場合に比較してはるかに深い部分まで接合を行うことができ、結局、対導線の端部の溶融部分を、対導線列の配列方向(以下、配列方向とも称する)よりもその延線方向(以下、深さ方向とも称する)に選択的に大きく設定することができ、これによりビームのスポット径を絞るなどして平角線の反接合用側面の溶融を抑止しつつ、必要な深さだけ接合を行うことができる。
【0008】
これにより、必要な接合深さを確保しつつ対導線の端部の配列方向への膨出量を減らせるので、隣接対導線間のブリッジ短絡を抑止しつつ対導線列の配列ピッチ縮小によるその高密度化を実現することができる。また、接合を高速に行うことができるので、生産性を向上することができる。
なお、ここでいう「平角線」とは延線方向と直角な断面が略長方形又は正方形である導体線をいうものとするがそれらの角部は面取りされていてもよいことは当然である。
【0009】
「加熱ビーム」として、電子線パルスビーム又はレーザー光パルスビームを用いることができる。「他の対導線の接合用側面を順次接合」とは隣接する複数の対導線の接合処理を同時に行う場合を含むものとする。
請求項2記載の方法によれば請求項1記載の対導線列の端部接合方法において更に、加熱ビームのエネルギーの時間パターンを調整することにより、主としてろう材を溶融させる。なお、ここでいう主としてろう材を溶融するというのは、全溶融体積の70%以上をろう材とするものとする。主としてろう材を溶融させるには、融点が低いろう材を用いたり、加熱ビームの単位時間当たりのパワーを低下(調節)して被照射部材の最高温度を必要部位のろう材溶融に十分なレベルで低下させるなどの手法が考えられる。
【0010】
請求項3記載の方法によれば請求項1又は2記載の対導線列の端部接合方法において更に、ろう材はテープ状に形成されて複数の微小間隔にわたって連続して配設されるので、十分な量のろう材を簡単な工程で配設することができる。なお、このテープ状のろう材は、溶融により自動分離されるが、上記複数の微小間隙に介設した後、加熱ビーム照射前に個々に切断してもよい。
【0011】
請求項4記載の方法によれば請求項3記載の対導線列の端部接合方法において更に、絶縁用ギャップを、平角線の絶縁用ギャップの方向における厚さの10〜100%に設定するので、主としてビーム照射により受熱した平角線からの熱伝導によりろう材を溶融させて、絶縁ギャップに存在するこのテープ状のろう材を自己の表面張力などにより、隣接する両側の対導線のそれぞれへ分かれて移動させることができる。
【0012】
請求項5記載の方法によれば請求項3記載の対導線列の端部接合方法において更に、絶縁用ギャップを0.2〜2.0mmに設定するので、主としてビーム照射により受熱した平角線からの熱伝導によりろう材を溶融させて、絶縁ギャップに存在するこのテープ状のろう材を自己の表面張力などにより、隣接する両側の対導線のそれぞれへ分かれて移動させることができる。
【0013】
請求項6記載の方法によれば請求項1記載の対導線列の端部接合方法において更に、平角線の端部の反接合用側面を溶融させないエネルギー量及びスポット径で加熱ビーム照射を行うので、上記膨出をほとんど防止でき、高密度の対導線配列が可能となる。
上記課題を解決する請求項7記載の対導線列の端部接合方法によれば、請求項1記載の対導線列において抵抗溶接により接合を行う。
【0014】
すなわち、この接合方法では、対導線列の端部の端面側の部分ではなく、対導線列の端部の接合用側面(対向側面)部分を選択的に接合するために、両平角線の一対の反接合用側面側に電極をあてて抵抗溶接を行う。
このようにすれば、従来の端面側から加熱エネルギーを与えるのと違って、対導線の端部の端面部分がほとんど溶融することがなく、その結果としてこの部分が自己の表面張力により配列方向へ膨出することがなく、これにより絶縁用ギャップを縮小することができる。
【0015】
更に説明する。
この方法では、溶融部分は上記微小ギャップに介設されたろう材のみであり、このろう材融液も配列方向へ膨出しようとする。しかし、平角線自体は溶融しないので融液の量が少なく、かつ、上記微小ギャップは両側の平角線の端部が溶融しないので一定に保持されているため、ろう材融液の配列方向への膨出はほとんど無視できる。したがって、高密度の対導線列を実現できる。
【0016】
請求項8記載の方法によれば請求項7記載の対導線列の端部接合方法において更に、対導線の端部の反接合用側面にローラ電極を接触されて各接合用側面を順次接合するので、生産性が優れる。
請求項9記載の方法によれば請求項7又は8記載の対導線列の端部接合方法において更に、ろう材はテープ状に形成されて複数の微小間隔にわたって連続して配設されるので、十分な量のろう材を簡単な工程で配設することができる。なお、このテープ状のろう材は、溶融により自動分離されるが、上記複数の微小間隙に介設した後、抵抗加熱前に個々に切断してもよい。
【0017】
請求項10記載の方法によれば請求項7又は8記載の対導線列の端部接合方法において更に、絶縁用ギャップを、平角線の絶縁用ギャップの方向における厚さの10〜100%に設定するので、主としてビーム照射により受熱した平角線からの熱伝導によりろう材を溶融させて、絶縁ギャップに存在するこのテープ状のろう材を自己の表面張力などにより、隣接する両側の対導線のそれぞれへ分かれて移動させることができる。
【0018】
請求項11記載の方法によれば請求項7又は8記載の対導線列の端部接合方法において更に、絶縁用ギャップを0.2〜2.0mmに設定するので、主としてビーム照射により受熱した平角線からの熱伝導によりろう材を溶融させて、絶縁ギャップに存在するこのテープ状のろう材を自己の表面張力などにより、隣接する両側の対導線のそれぞれへ分かれて移動させることができる。
【0020】
請求項12記載の方法では請求項1乃至11のいずれか記載の対導線列の端部接合方法において更に、互いに隣接する一対の対導線の端部は、延線方向へ溶融領域の長さ以上ずらして配置される。
【0021】
このようにすれば、互いに隣接する一対の対導線の端部の上記膨出部分が接触することがなく、絶縁用ギャップを縮小させて高密度配列を実現することができる。
請求項13記載の構成によれば請求項1乃至11のいずれか記載の対導線列の端部接合方法において更に、互いに隣接する一対の対導線の端部は、接合用側面に平行な方向(延線方向及び配列方向と直角な方向)へ溶融領域の長さ以上ずらして配置される。
【0022】
このようにすれば、互いに隣接する一対の対導線の端部の上記膨出部分が接触することがなく、絶縁用ギャップを縮小させて高密度配列を実現することができる。
請求項14記載の構成によれば請求項1記載の対導線列の端部接合方法において更に、互いに隣接する一対の対導線の端部の間にろう材よりも高い軟化点及び電気絶縁性を有し、各絶縁用ギャップ間につづら折り状に配設されるフィルム又は布を接合前の時点で介設する。
【0023】
このようにすれば、隣接する接合部がブリッジ接続することを良好に防止でき、かつ、各接合部を同時に溶接することもできるので、生産性を向上することができる。
【0024】
【発明を実施するための態様】
本発明の好適な態様を以下の実施例により説明する。
【0025】
【実施例1】
本発明の対導線列の端部接合方法を用いた車両用交流発電機(いわゆるオルタネータ)の固定子コイルの製造方法の関連部分を図1に示す工程図を参照して以下に説明する。
(工程1)
まず銅系の平角線(被覆電線)1を準備し、その端部2の電気絶縁性樹脂膜3を除去して端部2を露出させる。
【0026】
なお、4は端部2の端面、5は端部2の接合用側面、6は端部2の反接合用側面、7は端部2の配列方向(厚さ方向)側面である。
(工程2)
次に、各平角線1を一対づつ、各対の接合用側面5が微小間隙9を隔てて対面するように配列して対導線10を必要数作製し、更に、各対導線10の端部2の端面4を延線方向同位置に揃えつつ、各対導線10を所定の絶縁用ギャップdを挟んで平角線1の厚さ方向へ配列して対導線列とし、この対導線列を図示しない治具により保持する。
(工程3)
次に、上記配列状態を維持しつつ、配列方向へ一直線に並ぶ上記各微小間隙9に、リボン状(テープ状)のろう材11を挿入する。
【0027】
このろう材11の組成はたとえばSn100はんだの他に、PbーSn系はんだ、SnーZn系はんだ、Sn系はんだ、Pb系はんだ、Zn系はんだなどであり、各々のろう材に適合した所定のフラックスを用いることも当然好ましいことである。
(工程4)
次に、上記配列状態を維持しつつ、略延線方向(延線方向に対して30度以内)の入射角で電子線パルスビーム又はレーザー光パルスビーム12を、上記対導線列の一端に位置する対導線10の端面4,4の、特に微小間隙9の近傍部分に集中して照射し、対導線10の接合用側面5を含む小領域を溶融させる。
【0028】
ここでビームのスポット径、更に好ましくは溶融領域(=接合領域)13の最大径は平角線1の厚さ以下とされることが好ましい。
このようにすれば、図2に示すように、対導線1の溶融領域13の溶融時における表面張力による配列方向への膨出はわずかとなり、絶縁用ギャップdを広く設定する必要がないため、対導線列を高密度化することができる。
【0029】
更に説明すると、上述のように加熱ビーム12のスポット径を狭くしているにもかかわらず、ろう材11が深さ方向へ設けられているので、平角線1の端部2全体が溶融することなく、ろう材11のみを選択的に深さ方向へ溶融させることができ、そして照射停止とともに速やかに固化させることができる。
加熱ビーム12は対導線10の配列方向へ順次移動しつつ、レーザー光パルスビーム又は電子線パルスビームを間欠的に発射して次々と対導線10の一対の平角線1,1の端部を接合していく。
【0030】
なお、ろう材11は、テープ状のものを用い、その溶融により自動的に(表面張力により)相互分離させたが、微小間隔9に挿入後、各対導線10ごとに分断してから嵌合2を照射してもよい。
この実施例では特に、隣接する対導線10間の絶縁ギャップdは、平角線1の厚さWの10〜100%とされている。更にこの実施例では、上記絶縁ギャップdを0.2〜2.0mmとしている。絶縁ギャップdをこれらの数値範囲内とすることにより、隣接する対導線10間の絶縁ギャップdに存在するろう材がその溶融時に確実に両側の対導線のそれぞれに分かれて移動する。しかも隣接する対導線10間の絶縁ギャップdに存在するろう材がその溶融時に脱落することもない。
【0031】
(変形態様)
上記実施例では、ろう材11としてリボン状のものを用いたが、浸漬、めっき、塗布などの方法で被着してもよいことは当然である。ただし、ろう材11は、平角線1の端部2の接合用側面5に接してのみ設けることが重要である。
(変形態様)
上記実施例では、ろう材11を用いてスポット径に比して深く溶融領域13を形成したが、平角線1の端部2の端面4全体を溶融させるのでなければ、溶融しなかった端部2の残部の影響により溶融領域13が半球状になることがなく、その分、溶融領域13の配列方向への膨出を抑止できるのでろう材11を省略することも可能である。
【0032】
スポット径は小さい方が好ましく、平角線1の配列方向幅(厚さ)未満とされることが好ましい。
(変形態様)
上記実施例では、各対導線10の端部2の接合用側面5,5の位置はその幅方向において等しいとしたが、図3に示すように隣接する2つの対導線10の接合用側面5,5の位置をその幅方向において十分に(溶融領域13の幅方向の寸法)以上異ならせてもよい。
【0033】
このようにすれば、絶縁用ギャップdを挟んで隣接する膨出部分が接触しないので絶縁用ギャップdを縮小することができる。
(変形態様)
上記実施例では、各対導線10の端面4はその延線方向において等しいとしたが、図4に示すように隣接する2つの対導線10の端面4の位置をその延線方向において十分に(溶融領域13の延線方向の寸法)以上異ならせてもよい。
【0034】
このようにすれば、絶縁用ギャップdを挟んで隣接する膨出部分が接触しないので絶縁用ギャップdを縮小することができる。
(変形態様)
上記実施例では、各対導線10間の絶縁用ギャップdは単なる空隙としたが、図5に示すようにこの間にたとえばガラス不織布のような薄い耐熱性及び電気絶縁性を有する絶縁部材を各絶縁用ギャップdにつづら折り状に設けてもよい。
【0035】
このようにすれば、隣接する接合部がブリッジ接続することを良好に防止でき、かつ、各接合部を同時に溶接することもできるので、生産性を向上することができ、更に、この絶縁部材はその後の各対導線10間の電気絶縁性も向上することができる。
【0036】
【実施例2】
本発明の対導線列の端部接合方法の他の実施例を図6を参照して説明する。ただし、説明を簡素化するために実施例1と主要機能が共通する構成要素には同一符号を附す。
この実施例では、対導線列の配列方向は円形となっており、したがって同じ対導線10に属する両平角線1,1は放射方向に配置されている。ろう材20は平角線1に比べて高抵抗かつ低融点である。ろう材20は、テープ状のものを円筒形状に形成してなる。このろう材20は、平角線1,1間に挿入されている。しかも、ろう材20は、平角線1,1からなる対導線の複数にわたって配置されている。すなわち、ひとつのテープ状のろう材20が複数の対導線の微小間隔に配置されている。
【0037】
21,22はローラー電極であり、ローラー電極21は径外側の平角線1の反接合用側面6に接するように自転、公転し、ローラー電極22は径外側の平角線1の反接合用側面6に接するように自転、公転する。ただし、両ローラー電極21,22は常に同じ角度位置となるようにする。
ローラー電極21,22間に通電することにより、ろう材20を抵抗溶接により溶融して各対導線列を個別に接合することができる。
【0038】
図7にローラー電極22の断面を拡大図示する。
この実施例では特に、周方向に隣接する対導線10間の絶縁ギャップdは、平角線1の厚さWの10〜100%とされている。更にこの実施例では、上記絶縁ギャップdを0.2〜2.0mmとしている。絶縁ギャップdをこれらの数値範囲内とすることにより、隣接する対導線10間の絶縁ギャップdに存在するろう材がその溶融時に確実に周方向両側の対導線10のそれぞれに分かれて移動する。しかも隣接する対導線10間の絶縁ギャップdに存在するろう材がその溶融時に脱落することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の対導線列の端部接合方法を示す工程図である。
【図2】図1の対導線列の一部平面図である。
【図3】対導線列の端部接合方法の変形例を示す斜視図である。
【図4】対導線列の端部接合方法の変形例を示す斜視図である。
【図5】対導線列の端部接合方法の変形例を示す斜視図である。
【図6】対導線列の端部接合方法の他の実施例を示す模式図である。
【図7】図6に示すローラー電極の拡大平面図である。
Claims (14)
- それぞれの端部の接合用側面が所定の微小間隔を隔てて対面するか又は密着した姿勢で延線方向へ平行配置される一対の平角線からなる対導線を複数準備し、
各前記対導線を所定幅の絶縁用ギャップを隔てて前記延線方向及び前記接合用側面と略直角な方向へ一列に並べるとともに、各前記平角線の前記端部を前記延線方向略同位置に配置して対導線列を形成し、
前記平角線よりも低融点のろう材を、前記各対導線の間の前記微小間隙に後述の接合前に介設しておき、
その後、前記各対導線の所定の一つをなす一対の前記平角線の端面と前記接合用側面との境界をなす角部に合焦させた状態でほぼ前記延線方向から前記端部の前記端面に向けて加熱ビームを照射して少なくとも前記ろう材を溶融させて前記接合側面を接合し、
その後、他の前記対導線の前記接合用側面を順次接合することを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項1記載の対導線列の端部接合方法において、
前記照射により主として前記ろう材を溶融させることを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項1又は2記載の対導線列の端部接合方法において、
前記ろう材はテープ状に形成されて複数の前記微小間隔に配設されることを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項3記載の対導線列の端部接合方法において、
前記絶縁用ギャップは、前記平角線の前記絶縁用ギャップの方向における厚さの10〜100%に設定されることを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項3記載の対導線列の端部接合方法において、
前記絶縁用ギャップは、0.2〜2.0mmに設定されることを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項1記載の対導線列の端部接合方法において、
前記平角線の前記端部の反接合用側面を溶融させないエネルギー量及びスポット径で前記加熱ビーム照射を行うことを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - それぞれの端部の接合用側面が所定の微小間隔を隔てて対面する姿勢で延線方向へ平行配置される一対の平角線からなる対導線を複数準備し、
各前記対導線を所定幅の絶縁用ギャップを隔てて前記延線方向及び前記接合用側面と略直角な方向へ一列に並べるとともに、各前記平角線の前記端部を前記延線方向略同位置に配置して対導線列を形成し、
前記平角線よりも低融点及び高電気抵抗値をもつろう材を、前記各対導線の間の前記微小間隙に後述の接合前に介設しておき、
前記一対の平角線の前記端部の反接合用側面間に通電して前記ろう材のみを溶融して前記接合用側面を接合することを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項7記載の対導線列の端部接合方法において、
前記一対の平角線の前記端部の反接合用側面に個別に密着可能な一対のローラー電極を設け、前記両ローラー電極間に通電しつつ前記各対導線に対して相対移動させることにより、前記各対導線列の前記接合用側面を順次接合していくことを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項7又は8記載の対導線列の端部接合方法において、
前記ろう材はテープ状に形成されて複数の前記微小間隔に配設されることを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項9記載の対導線列の端部接合方法において、
前記絶縁用ギャップは、前記平角線の前記絶縁用ギャップの方向における厚さの10〜100%に設定されることを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項9記載の対導線列の端部接合方法において、
前記絶縁用ギャップは、0.2〜2.0mmに設定されることを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項1乃至11のいずれか記載の対導線列の端部接合方法において、
互いに隣接する一対の前記対導線の前記端部は、前記延線方向において溶融領域の前記延線方向長さ以上異なる位置を有することを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項1乃至11のいずれか記載の対導線列の端部接合方法において、
互いに隣接する一対の前記対導線の前記端部は、前記接合用側面に平行な方向において溶融領域の前記接合用側面に平行な方向の長さ以上異なる位置を有することを特徴とする対導線列の端部接合方法。 - 請求項1記載の対導線列の端部接合方法において、
互いに隣接する一対の前記対導線の前記端部の間に前記ろう材よりも高い軟化点及び電気絶縁性を有し、各前記絶縁用ギャップ間につづら折り状に配設されるフィルム又は布を前記接合前の時点で介設することを特徴とする対導線列の端部接合方法。
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