JP3575577B2 - アクチュエータおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定磁気ディスク装置等に使用され、磁気ヘッドを円弧軌道に沿って駆動させるスイング型のアクチュエータおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内壁が円筒状の形状を有するロータリキャリッジ部分と、これによって一端が保持されたアームとを備えたアクチュエータおよびその製造方法は、特開平6−351215号公報、特開平7−143720号公報、米国特許公報5,382,851号等に開示されている。
【0003】
上記日本国の各公開公報のものでは、ロータリキャリッジ部分を構成する円筒状のボス部材に、複数アームの各高さを規定するための凹溝を設け、これらの凹溝に複数アームの各端部を嵌合させ、そしてボス部材の周囲を樹脂で覆うことにより、ボス部材と複数アームとを一体化するようにしている。
【0004】
また、上記米国特許公報のものにおいては、端部に、良好な結合を得るためのノッチ(アームの板面方向に湾状に凹んだ部分)を有するアームをインサートとして、アームを一体化したロータリキャリッジ部分を樹脂で成形するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各公開公報のものにおいては、ボス部材を必要とするという不都合がある。また、上記米国特許のものにおいては、ボス部材は不要であるが、ロータリキャリッジ部分とアームとの間に、がたつきを生じやすいという不都合がある。また、これらのいずれの場合においても、ロータリキャリッジ部分に対するアームの固定力が、アーム方向については弱いという問題もある。
【0006】
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、第1に、ロータリキャリッジ部分に対するアームの固定力を、アーム方向について向上させたアクチュエータおよびその製造方法を提供することにある。また、第2に、アームと一体化させたキャリッジ部分の成形を樹脂のみで行うことができ、かつロータリキャリッジ部分とアーム間を、がたつきなく確実に固定したアクチュエータおよびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
これらの目的を達成するため、本発明のアクチュエータは、内壁が円筒状の形状を有するロータリキャリッジ部分と、これによって一端が保持されたアームとを備えたアクチュエータにおいて、前記アームの一端には、前記円筒形状に適合してその円周方向に伸びたフランジ部が形成されており、前記ロータリキャリッジ部分は、前記アームの、フランジ部を有する一端が埋め込まれた樹脂製のものであることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のアクチュエータの製造方法は、内壁が円筒状の形状を有するロータリキャリッジ部分と、これによって一端が保持されたアームとを有するアクチュエータの製造方法であって、一端に前記円筒形状に適合してその円周方向に伸びたフランジ部を有するアームをインサートとし、前記円筒形状の円周方向に沿って溶融樹脂が流れて充填されるように、溶融樹脂をキャビイティ内に注入することにより、前記フランジ部を有する一端が埋め込まれたロータリキャリッジ部分を射出成形することを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の好ましい一実施形態に係るアクチュエータのアームおよびキャリッジ部分ならびにアームをインサートとするキャリッジ部分の成形方法を示す模式的な断面図であり、図2は、そのアームおよびキャリッジ部分を分離して示した模式的な斜視図である。
【0010】
これらの図に示すように、このアクチュエータは、内壁が円筒状の形状を有するロータリキャリッジ部分4と、これによって一端が保持された3つのアーム1とを備える。各アーム1の一端には、前記円筒形状に適合してその円周方向に伸びたフランジ部2が形成されている。ロータリキャリッジ部分4は樹脂製のものであり、各アーム1の、フランジ部2を有する一端が埋め込まれている。各アーム1も樹脂製である。ロータリキャリッジ部分4はまた、全体として円筒形状である。
【0011】
フランジ部2の前記円周方向に垂直な断面の形状はT字状であり、例えば、その高さaは200μm、厚さbは50μmである。なお、3はヘッドサスペンションを取り付けるための穴であり、9はヘッドサスペンションを取り付けるための部材である。ヘッドサスペンションは図示されていない。
【0012】
この各アーム1が一体化されたロータリキャリッジ部分4は、各アーム1をインサートとした射出成形により成形される。このとき、各アーム1の高さは、各アーム1を固定する金型部分6a、6b、6c、6dにより規定される。したがって、金型部分6a、6b、6c、6dとして、それぞれ高さが異なるものを用意しておき、適宜選択して使用することにより、各アーム1の高さを所望の高さにかつ高精度に設定することができる。また、7はロータリキャリッジ部分4の内壁を成形するためのスライドコアであり、矢印8方向に移動可能である。
【0013】
溶融樹脂の注入は、ロータリキャリッジ部分4の円周方向に沿って溶融樹脂が流れて充填されるように、矢印5の方向へ、かつロータリキャリッジ部分4の軸方向になるべく均一となるようにキャビイティ内に注入する。したがって、溶融樹脂は、フランジ部2に沿ってその長さ方向に流れる。
【0014】
このようにして充填された溶融樹脂は、固化に際して収縮し、各アーム1のフランジ部2を、ロータリキャリッジ部分4の半径方向に確実に固定する。したがって、得られる成形体においては、各アーム1はロータリキャリッジ部分4の半径方向に対してもしっかりと固定され、各アーム1およびロータリキャリッジ部分4間のがたつきも生じない。これに比べ、従来のものは、いずれもアーム端部がアームの板面方向については平坦であるため、アーム方向の十分な固定力を得ることができない。
【0015】
このようして、各アーム1が一体化されたロータリキャリッジ部分4に対して回転力を与えるためのコイル等を取り付け、また各アーム1の先端にヘッドサスペンションを取り付けるなどしてアクチュエータを構成することができる。
【0016】
なお、ロータリキャリッジ部分4を構成するための溶融樹脂としては、例えば、高流動性を重視し、GF含有 III型LCP(グラスファイバ含有の液晶ポリマ)を用いることができる。
【0017】
また、各アーム1は、やはり射出成形により成形したものであるが、それを構成する樹脂の融点は、ロータリキャリッジ部4に用いる溶融樹脂の温度よりもかなり高いことが必要である。アーム1の成形には、例えば、高剛性および高耐熱性を重視し、CF含有I型LCP(カーボンファイバ含有の液晶ポリマ)を用いることができる。
【0018】
好ましくは、アーム1を構成する樹脂の融点(DSCにより測定)は、ロータリキャリッジ部4を構成する樹脂の融点(同じくDSCにより測定)よりも10℃以上、さらに好ましくは20℃以上高い樹脂を使用する。より高い融点とするためには、樹脂自身高融点の樹脂を選択するほか、充填剤の種類、配合量等を適宜に選択、配合することでも対応することが可能である。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、アームの一端に例えば断面がT字形のフランジ部を設け、これをロータリキャリッジ部分を構成する樹脂中に埋め込むようにしたため、ロータリキャリッジ部分に対するアームの固定力を、アーム方向について向上させることができる。また、金属製のボス部材等で端部を固定しなくても、ロータリキャリッジ部分とアーム間を、がたつきなく確実に固定することができる。したがって、アームとの間にがたつきが生じないロータリキャリッジ部分を、金属製のボス部材等のインサートなしに成形することができる。
【0020】
また、フランジ部を有するアームは樹脂により容易に成形することができるため、アームを樹脂製とすることにより、アクチュエータの軽量化を図ることができる。
【0021】
また、ロータリキャリッジ部分の円周方向に沿って溶融樹脂が流れて充填されるように、溶融樹脂をキャビイティ内に注入して、フランジ部を有する一端が埋め込まれたロータリキャリッジ部分を射出成形するようにしたため、フランジ部周辺の樹脂の強度を均一かつ高くし、アームをより確実に固定することができる。
【0022】
また、アームを金型内にセットするときにその高さを規定する金型部分を交換可能とし、その金型部分を選択することによりアームの高さを調整できるようにしたため、アームが複数であっても、各アームの高さを所望の値に調整することができる。また、アームの高さも高い精度で規定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい一実施形態に係るアクチュエータのアームおよびキャリッジ部分ならびにアームをインサートとするキャリッジ部分の成形方法を示す模式的な断面図である。
【図2】図1のアームおよびキャリッジ部分を分離して示した模式的な斜視図である。
【符号の説明】
1:アーム、2:フランジ部、3:穴、4:ロータリキャリッジ部分、5,8:矢印、6a、6b、6c、6d:金型部分、7:スライドコア、9:ヘッドサスペンションを取り付けるための部材。
Claims (9)
- 内壁が円筒状の形状を有するロータリキャリッジ部分と、これによって一端が保持されたアームとを備えたアクチュエータにおいて、前記アームの一端には、前記円筒形状に適合してその円周方向に伸びたフランジ部が形成されており、前記ロータリキャリッジ部分は、前記アームの、フランジ部を有する一端が埋め込まれた樹脂製のものであることを特徴とするアクチュエータ。
- 前記アームは複数でかつ樹脂製であることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ。
- 前記フランジ部の前記円周方向に垂直な断面の形状はT字状であることを特徴とする請求項1または2記載のアクチュエータ。
- 前記ロータリキャリッジ部分は全体として円筒形状であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のアクチュエータ。
- 内壁が円筒状の形状を有するロータリキャリッジ部分と、これによって一端が保持されたアームとを有するアクチュエータの製造方法であって、一端に前記円筒形状に適合してその円周方向に伸びたフランジ部を有するアームをインサートとし、前記円筒形状の円周方向に沿って溶融樹脂が流れて充填されるように、溶融樹脂をキャビイティ内に注入することにより、前記フランジ部を有する一端が埋め込まれたロータリキャリッジ部分を射出成形することを特徴とするアクチュエータの製造方法。
- 前記アームは複数でかつ樹脂製であることを特徴とする請求項5記載の製造方法。
- 前記フランジ部の前記円周方向に垂直な断面の形状はT字状であることを特徴とする請求項5または6記載の製造方法。
- 前記ロータリキャリッジ部分は全体として円筒形状であることを特徴とする請求項5〜7いずれかに記載の製造方法。
- 前記アームを金型内にセットするときにその高さを規定する金型部分は交換可能であり、その金型部分を選択することにより前記アームの高さを調整することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の製造方法。
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JP26505396A JP3575577B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | アクチュエータおよびその製造方法 |
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JP26505396A JP3575577B2 (ja) | 1996-09-17 | 1996-09-17 | アクチュエータおよびその製造方法 |
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JP3276948B2 (ja) * | 1999-11-02 | 2002-04-22 | 長瀬産業株式会社 | 揺動型アクチュエータの製造方法 |
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1996
- 1996-09-17 JP JP26505396A patent/JP3575577B2/ja not_active Expired - Fee Related
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