JP3574935B2 - 冷凍サイクルのレトロフィット装置及びレトロフィット方法 - Google Patents

冷凍サイクルのレトロフィット装置及びレトロフィット方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は冷凍サイクルのレトロフィット装置およびレトロフィット方法に関し、特に冷凍機油および冷媒を別の新しい冷凍機油および冷媒に交換するレトロフィット作業を実施するための冷凍サイクルのレトロフィット装置およびレトロフィット方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の冷凍サイクルのレトロフィット装置およびレトロフィット方法に関する技術として、例えば特開平6−174341号公報に示された「冷凍機油除去装置及び冷媒交換方法」がある。図18はこの特開平6−174341号公報に「空調機回路内の冷凍機油回収交換方法を実施するための装置」として示された一実施例の説明図であり、同図に示される冷凍サイクルにおいて、1は冷媒を圧縮する圧縮機、3は熱を放出して冷媒を液化させる凝縮器、5は膨張弁、7は熱を奪いつつ冷媒を蒸発させてガスとする蒸発器、9は冷媒と冷凍機油とを互いに分離するオイルセパレータ(油分離器)である。
【0003】
またP1は圧縮機1から凝縮器3に繋がる流路、P2は流路P1と並列的に設けられた付加流路であり、該付加流路P2の途中にオイルセパレータ9が配されている。そしてオイルセパレータ9には冷媒ガスと冷凍機油を分離した後に、冷凍機油を回収するための取出口91が設けられている。
【0004】
次に、従来の技術の冷凍機油回収および冷媒交換方法について説明する。まず冷凍機油の回収に先立ち真空引きを行い、次に付加流路P2の流路を開き、そして空調機すなわち冷凍サイクルのスイッチを入れて運転状態にする。圧縮機1からオイルセパレータ9に付加流路P2を介して冷媒と冷凍機油が送り込まれ、ここでオイルセパレータ9は冷媒と冷凍機油とを分離して冷凍機油を取出口91から回収し、次に冷媒を抜き取る。この作業が終了すると、付加流路P2を遮断してオイルセパレータ9を取り除き、通常の運転時と同様な流通状態に戻し、その後圧縮機1に新しい冷媒用の冷凍機油を充填するとともに、真空引きによって新たな冷媒を充填する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の冷凍サイクルのレトロフィット装置およびレトロフィット方法には以下のような問題点があった。
すなわち、オイルセパレータ(油分離器)は一般的に冷媒と冷凍機油を分離するために内部にスチールウール等のメッシュが挿入されており、これに冷媒と冷凍機油が混合した流体が衝突し、流体の流速を減じて冷凍機油を分離するものであり、冷媒と冷凍機油が混合した流体の流れに対しては流路抵抗となるものである。よって、圧縮機と凝縮器に繋がるメインの流路P1に対して並列的に設けられた付加流路P2に流路抵抗となるオイルセパレータを配した場合には、付加流路P2はメインの流路P1に比べ流路抵抗が大きく、冷媒と冷凍機油が混合した流体の多くは流路抵抗の小さいメインの流路P1の方を流れ、付加流路P2にはあまり冷媒と冷凍機油が混合した流体は流れない。そのためオイルセパレータに流入する流体量が少なく、冷凍機油の回収には多大な時間を要するだけでなく、全量の回収は不可能であり、多くの冷凍機油が冷凍サイクル内に残り、確実な冷凍機油の交換ができないのである。
【0006】
また、従来技術の方法では冷凍機油と冷媒を抜き取った後で、新しい冷凍機油を充填する旨が記載されているが、冷凍機油を供給することなく冷凍サイクル運転状態で冷凍機油を回収していけば、冷凍サイクル中の冷凍機油が不足し油枯渇となり、冷凍機油により潤滑している圧縮機の軸受等が焼き付いて、圧縮機の運転が不可能、すなわち冷凍サイクルの運転が不可能となってしまうという問題点もあった。
【0007】
さらに、従来技術には新しい冷凍機油の具体的な充填方法については何等開示されておらず、いかにして新しい冷凍機油を充填するかが不明であった。
【0008】
この発明はかかる問題点を解決するためになされたもので、圧縮機の運転が不可能となるようなことがなく、作業性および作業効率に優れ、そして信頼性の高い冷凍サイクルのレトロフィット装置およびレトロフィット方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に直列的に配された油分離器と、該油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を前記圧縮機に戻す油戻し管と、該油戻し管に配されて通過流体の圧力を減じる減圧部とを有する冷凍サイクルから冷凍機油を除去する冷凍サイクルのレトロフィット装置であって、前記油戻し管に配されて通過流体の圧力を減じる減圧部と、該減圧部と前記油分離器との間に配される第1開閉弁と、該第1開閉弁と前記油分離器間で前記油戻し管から分岐する油抽出管と、該油抽出管に配される第2開閉弁とを備えたものである。
【0010】
請求項2記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、冷凍サイクルから冷凍機油を除去する冷凍サイクルのレトロフィット装置であって、圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に直列に配される油分離器と、該油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を前記圧縮機に戻す油戻し管と、該油戻し管に配されて通過流体の圧力を減じる減圧部と、該減圧部と前記油分離器との間に配される第1開閉弁と、該第1開閉弁と前記油分離器間で前記油戻し管から分岐する油抽出管と、該油抽出管に配される第2開閉弁とを備えたものである。
【0011】
請求項3記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、前記第2開閉弁を介して前記油抽出管に接続される油抽出容器と、一端側が前記油抽出容器の上部に接続され、他端側が前記油戻し管における前記減圧部と前記第1開閉弁間に少なくとも1個の開閉弁を介して接続される冷媒ガス戻し管とを備えたものである。
【0012】
請求項4記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、油抽出容器に、該油抽出容器内の液面を確認する液面計を備えたものである。
【0013】
請求項5記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、油抽出容器に、該抽出容器内部を観察可能とする覗き窓を備えたものである。
【0014】
請求項6記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、前記油抽出容器に接続される前記油抽出管の先端部を前記油抽出容器内に導くとともに、該油抽出管の開口部を前記油抽出容器の内壁に対向配置したものである。
【0015】
請求項7記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、油抽出容器に、真空引きを行うための真空引き口を開閉弁を介して設けたものである。
【0016】
請求項8記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、冷凍サイクルに冷凍機油を供給する冷凍サイクルのレトロフィット装置であって、圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に直列に配される油分離器と、該油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を前記圧縮機に戻す油戻し管と、一端が前記油戻し管に接続される少なくとも1個の開閉弁を有する油供給管と、該油供給管の他端に接続される供給用の油を貯溜する油供給容器と、該油供給容器の上部に接続される開閉弁を有する高圧ガス導入管とを備えたものである。
【0017】
請求項9記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、冷凍サイクルに冷凍機油を供給する冷凍サイクルのレトロフィット装置であって、圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に直列に配される油分離器と、該油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を前記圧縮機に戻す油戻し管と、該油戻し管に配されて通過流体の圧力を減じる減圧部と、前記油戻し管における前記減圧部と前記油分離器の間に接続される少なくとも1個の開閉弁を有する油供給管と、該油供給管に接続される供給用の油を貯溜する油供給容器と、該油供給容器の上部に接続される開閉弁を有する高圧ガス導入管とを備えたものである。
【0018】
請求項10記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、冷凍機油の除去及び供給を行う冷凍サイクルのレトロフィット装置であって、圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に直列に配される油分離器と、該油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を前記圧縮機に戻す油戻し管と、該油戻し管に配されて通過流体の圧力を減じる減圧部と、該減圧部と前記油分離器との間に配される第1開閉弁と、該第1開閉弁と前記油分離器間で前記油戻し管から分岐する油抽出管と、該油抽出管に配される第2開閉弁と、該第2開閉弁を介して前記油抽出管に接続される油抽出容器と、一端側が前記油抽出容器の上部に接続され、他端側が前記油戻し管における前記減圧部と前記第1開閉弁間に少なくとも1個の開閉弁を介して接続される冷媒ガス戻し管と、一端が前記冷媒ガス戻し管に接続される少なくとも1個の開閉弁を有する油供給管と、該油供給管の他端に接続される供給用の冷凍機油を貯溜する油供給容器と、該油供給容器の上部に接続される開閉弁を有する高圧ガス導入管とを備え、前記冷媒ガス戻し管を前記油供給管の一部または全部として併用するようにしたものである。
【0019】
請求項11記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、油供給管に、管路内部を観察可能とするサイトグラスを設けたものである。
【0020】
請求項12記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、油供給容器に接続された高圧ガス導入管に接続されるとともに、冷凍サイクルに使用されるのと同一冷媒が封入された高圧冷媒ボンベを備えたものである。
【0021】
請求項13記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置は、油供給容器に接続された高圧ガス導入管を圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に接続したものである。
【0022】
請求項14記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット方法は、油供給容器に、開閉弁を有する真空引き兼冷凍機油の封入口を設けたものである。
【0023】
請求項15記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット方法は、新冷凍機油を冷凍サイクルに供給する新冷凍機油供給工程と、供給された新冷凍機油と従来冷凍機油とを混合する洗浄運転工程と、混合された冷凍機油を新冷凍機油の供給量とほぼ同等あるいはそれ以下の量を冷凍サイクル外へ抽出する第1冷凍機油抽出工程と、冷凍サイクル内の混合冷凍機油に対する従来冷凍機油の濃度を確認する濃度確認工程と、該濃度が規定値以下になるまで前記新冷凍機油供給工程、前記洗浄運転工程、第1冷凍機油抽出工程及び濃度確認工程を繰り返す濃度調整工程と、前記濃度が規定値以下になった後に、冷凍サイクル内の冷凍機油の量が規定量になるまで、混合された冷凍機油を冷凍サイクル外へ抽出する第2冷凍機油抽出工程と、冷凍サイクル内の従来冷媒を除去する冷媒除去工程と、冷凍サイクルを真空引きした後、新冷媒を充填する冷媒充填工程とを備えたものである。
【0024】
請求項16の発明における冷凍サイクルのレトロフィット方法は、新冷凍機油を冷凍サイクルに供給する新冷凍機油供給工程と、供給された新冷凍機油と従来冷凍機油とを混合する洗浄運転工程と、混合された冷凍機油を新冷凍機油の供給量とほぼ同等あるいはそれ以下の量を冷凍サイクル外へ抽出する第1冷凍機油抽出工程と、冷凍サイクル内の混合冷凍機油に対する従来冷凍機油の濃度が規定値以下になった後に、冷凍サイクル内の冷凍機油の量が規定量になるまで、混合された冷凍機油を冷凍サイクル外へ抽出する第2冷凍機油抽出工程と、冷凍サイクル内の従来冷媒を除去する冷媒除去工程と、冷凍サイクルを真空引きした後、新冷媒を充填する冷媒充填工程とを備えたものである。
請求項17記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット方法は、新冷凍機油供給工程を請求項8〜14のいずれかに記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置を用いて行い、第1、第2冷凍機油抽出工程を請求項1〜7記載のいずれかに記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置を用いて行うようにしたものである。
【0025】
【作用】
請求項1記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、定常運転時は第1開閉弁を開き、第2開閉弁を閉じることにより、油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を通常の冷凍サイクルと同様に圧縮機に戻し、また冷凍機油抽出運転時は第1開閉弁を閉じ、第2開閉弁を開くことにより冷凍機油を冷凍サイクル外へ抽出する。
【0026】
請求項2記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置いおいては、油分離器が搭載されていない冷凍サイクルにおいても、レトロフィット装置に具備した油分離器が冷凍機油を冷媒と分離する機能を果たす。そして、定常運転時は第1開閉弁を開き、第2開閉弁を閉じることにより、油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を圧縮機に戻し、また冷凍機油抽出運転時は第1開閉弁を閉じ、第2開閉弁を開くことにより冷凍機油を冷凍サイクル外へ抽出する。
【0027】
請求項3記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、油抽出容器が油抽出管から排出される冷凍機油を貯溜する。また、冷媒ガス戻し管は冷凍機油とともに油抽出容器内に排出された冷媒ガスを冷凍サイクルへ戻す。
【0028】
請求項4記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、液面計が油抽出容器内の液面高さを観察可能にする。そして、液面高さを確認することによって抽出された冷凍機油の体積油量を知ることができる。
【0029】
請求項5記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、覗き窓が油抽出容器内の液面高さを観察可能にする。そして、液面高さを確認することによって抽出された冷凍機油の体積油量を知ることができる。
【0030】
請求項6記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、油抽出管を通って油抽出容器に抽出される冷凍機油が、油抽出容器の内壁に衝突することで、流速が急激に減じられ、抽出された冷凍機油に溶け込んでいる冷媒が分離される。そして、分離した冷媒は冷媒ガス戻し管を通って冷凍サイクルに戻される。
【0031】
請求項7記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、冷凍機油抽出運転時に空気等が冷凍サイクルに流入しないための真空引きを、冷凍サイクルが定常運転している状態において真空引き口より実施可能とする。
【0032】
請求項8記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、冷凍機油供給運転時において高圧ガス導入管から油供給容器に高圧のガスを導き、油供給管に設置した開閉弁を開き、油供給管を流通可能な状態にする。これによって、油供給容器と冷凍サイクルとの圧力差によって、油供給容器に封入された冷凍機油を油供給管を通って冷凍サイクルに供給する。
【0033】
請求項9記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、冷凍機油供給運転時において高圧ガス導入管から油供給容器に高圧のガスを導き、油供給管に設置した開閉弁を開き、油供給管を流通可能な状態にする。これによって、油供給容器と冷凍サイクルとの圧力差によって、油供給容器に封入された冷凍機油を油供給管に供給する。このとき、供給された油は油戻し管の減圧部において減圧されるので、低圧な冷媒循環流路に高圧な冷媒が流入することが防止できる。
【0034】
請求項10記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、油抽出管の一部として組み込まれた冷媒ガス戻し管を、冷凍機油を冷凍サイクルに供給する油供給管として共用できるので、油戻し管に接続する配管の量を少なくすることができる。
【0035】
請求項11記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においは、サイトグラスから油供給管を流れる冷凍機油の状態の観察が可能となり、冷凍機油の供給が完了したかどうかの確認ができる。
【0036】
請求項12記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、冷媒ボンベに封入された高圧な冷媒ガスを高圧ガス導入管から油供給容器に導入する。
【0037】
請求項13記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、冷凍サイクル上の高圧な冷媒ガスを高圧ガス導入管から油供給容器に導入する。
【0038】
請求項14記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット装置においては、冷凍サイクルが定常運転している状態において、油封入口から油供給容器内へ冷凍機油を封入可能とし、また冷凍機油供給運転時空気等が冷凍サイクルに供給されないための真空引きも併せて油封入口より実施可能とした。
【0039】
請求項15記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット方法においては、新冷凍機油を冷凍サイクルに供給し、供給された新冷凍機油と従来冷凍機油とを混合する。次に、混合された冷凍機油を新冷凍機油の供給量とほぼ同等あるいはそれ以下の量を冷凍サイクル外へ抽出し、この抽出した冷凍機油を用いて冷凍サイクル内の混合冷凍機油に対する従来冷凍機油の濃度を確認する。そして、従来冷凍機油の濃度が規定値以下になるまで新冷凍機油の供給、新冷凍機油と従来冷凍機油の混合、及び濃度の確認を繰り返す。濃度が規定値以下になると、冷凍サイクル内の冷凍機油の量が規定量になるまで、混合された冷凍機油を冷凍サイクル外へ抽出し、抽出後冷凍サイクル内の従来冷媒を除去する。さらにに、冷凍サイクルを真空引きした後、最後に新冷媒を充填してレトロフィット作業を完了する。
【0040】
請求項16記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット方法においては、新冷凍機油を冷凍サイクルに供給し、供給された新冷凍機油と従来冷凍機油とを混合する。次に、混合された冷凍機油を新冷凍機油の供給量とほぼ同等あるいはそれ以下の量を冷凍サイクル外へ抽出する。そして、従来冷凍機油の濃度が規定値以下になるまで新冷凍機油の供給、新冷凍機油と従来冷凍機油の混合を繰り返す。濃度が規定値以下になると、冷凍サイクル内の冷凍機油の量が規定量になるまで、混合された冷凍機油を冷凍サイクル外へ抽出し、抽出後冷凍サイクル内の従来冷媒を除去する。さらに、冷凍サイクルを真空引きした後、最後に新冷媒を充填してレトロフィット作業を完了する。
請求項17記載の発明における冷凍サイクルのレトロフィット方法においては、請求項8〜14のいずれかに記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置を用いることによって、新冷凍機油供給工程を迅速かつ確実に行うことができ、また請求項1〜7のいずれかに記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置を用いることによって、第1、第2冷凍機油抽出工程を迅速かつ確実に行うことができる。
【0041】
【実施例】
実施例1.
以下、この発明の実施例1を図について説明する。なお、本明細書において、レトロフィット装置というときは、レトロフィット作業に用いる冷凍機油抽出装置、冷凍機油供給装置及びこれら冷凍機油抽出装置と冷凍機油供給装置をセットにしたものをいうものとする。
図1は後述する実施例1に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置を取り付ける前の一般的な冷凍サイクルの簡略回路図であり、同図において11は冷媒を圧縮する圧縮機、12は熱を放出して冷媒を液化させる凝縮器、13は高圧の冷媒を低圧に減圧する膨張弁、14は熱を奪いながら冷媒を蒸発させる蒸発器、15は余剰冷媒を溜めておくアキュームレータである。16は圧縮機11から凝縮器12に繋がる高圧冷媒循環流路であり、この高圧冷媒循環流路16の途中に油分離器17が配されており、圧縮機11で圧縮され、高圧冷媒循環流路16に吐出された冷凍機油を含む高圧な冷媒の全量がこの油分離器17に流入される。
【0042】
18は蒸発器14と圧縮機11に繋がる低圧冷媒循環流路である。前記アキュームレータ15はこの低圧冷媒循環流路18に配されてる。19は油分離器17の底部と低圧冷媒循環流路18を繋ぎ、油分離器17にて冷媒と分離された冷凍機油を冷媒循環流路とは別に圧縮機11に戻す油戻し管で、途中には毛細管で形成される減圧部19aを有しており、低圧冷媒循環流路18に高圧冷媒循環流路16の高圧流体が急激に流入することを防止する。
【0043】
上記のように構成された一般的な冷凍サイクルにおいては、圧縮機11で圧縮され、高圧冷媒循環流路16に吐出された冷凍機油を含む高圧な冷媒の全量が油分離器17に流入し、油分離器17内にあるスチールウール等のメッシュ17aに衝突し、急激に流速を減じられることで冷凍機油が冷媒と分離される。分離された冷凍機油は油分離器17の底部に落下し、圧力差により油戻し管19を通って低圧冷媒循環流路18に流入し、圧縮機11に戻される。この時減圧部19aにより低圧冷媒循環流路18には急激に高圧流体は流入されない。なおここでは減圧部19aは毛細管により形成されているが、電磁弁等の弁により形成されているものもある。
【0044】
一方、冷媒はガスであることからその大部分は、油分離器17内に侵入している高圧冷媒循環流路16へと再び流れるが、一部は冷凍機油に溶け込んだ状態で、あるいはガスのままで油戻し管19に流入する。なおこの時冷凍機油の一部は分離されずに冷媒とともに高圧冷媒循環流路19へと再び流れ、冷媒とともに冷凍サイクルを循環し、アキュームレータ15に一旦溜められ、アキュームレータ15内に侵入されている圧縮機11と繋がる低圧冷媒循環流路18に形成された図示しない穴から低圧循環流路18に流入し圧縮機11に戻される。
【0045】
図2は図1における油分離器17近傍のみの拡大図であり、後述する本実施例との対比を明確にするためのものである。図3はこの発明の実施例1である冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図であり、図2に示される油戻し管19を改造して構成されるものである。図2において、20は油戻し管19上で油分離器17と油戻し管の減圧部19aの間に配される第1開閉弁、21はこの第1開閉弁20と油分離器17の間で油戻し管19から分岐した第1油抽出管である。この第1油抽出管21の一端は油戻し管19に連結されているが、他端側には第2開閉弁22を有している。これら第1開閉弁20、第1油抽出管21、第2開閉弁22で構成される図3における1点鎖線で囲まれる部分が冷凍機油を抽出するレトロフィット装置23である。
【0046】
次に、この実施例1の作用について説明する。この冷凍機油抽出装置23が取り付けられた冷凍サイクルは、第1開閉弁20を閉じ、第2開閉弁22を開くことで冷凍機油抽出運転が可能となる。すなわち、油分離器17で冷媒と分離され、油戻し管19に流入した冷凍機油は第1開閉弁20が閉塞されていることで第1油抽出管21に流入する。ここで第1開閉弁20が閉塞された状態のまま第2開閉弁22を開けば、冷凍サイクル外すなわち大気との圧力差により冷凍機油は冷凍サイクル外へと抽出できるのである。この状態では油分離器17で冷媒と分離され、油戻し管19に流入した冷凍機油の全てが第1油抽出管21を通って、第2開閉弁22から冷凍サイクル外へと確実に抽出可能となる。なお、油分離器17は高圧冷媒循環流路16に直列的に配されているので、圧縮機11で圧縮され、高圧冷媒循環流路16に吐出された冷凍機油を含む高圧な冷媒の全量が油分離器17に流入することになるので、短時間の冷凍機油抽出運転で必要量の冷凍機油を冷凍サイクル外へ抽出できる。以上のように、本実施例によればレトロフィット作業の1つである冷凍機油の回収が単純な構成と簡単な作業でしかも短時間で確実に実施することができる。
【0047】
また、逆に第1開閉弁20を開き、第2開閉弁22を閉じることで油戻し管19は油分離器17と低圧冷媒循環流路18のみに連通し、冷凍機油抽出装置23を取り付ける前の状態と同様な通常の油戻し機構を有する定常運転が可能となる。これにより新冷凍機油と元々封入されていた従来冷凍機油を混合させるための洗浄運転を冷凍機油抽出装置23を取り付けたままの状態で実施することができる。
【0048】
なお、冷凍機油抽出装置23の取り付けは、冷凍サイクルから一旦冷媒を抜き去り、図2に示される油戻し管19を油分離器17と減圧部19aの間で切断し、そこに冷凍機油抽出装置23を溶着させればよい。その後第2開閉弁22を閉じた状態で冷凍サイクルを真空引きし、冷媒を封入する。
【0049】
冷凍サイクルによっては油戻し管19がすべて毛細管で形成されているものもあり、この場合は油戻し管すべてが減圧部となる。このような時は毛細管のみで形成された油戻し管19を油分離器17から取り外し、その部分にある程度の内径を有する管を含んだ冷凍機油抽出装置23を、内径すべてが油分離器17の内部に開口するように取り付け、取り外した毛細管を第1開閉弁20と繋げれば同様な効果を奏でる。
【0050】
実施例2.
図4は後述する実施例2の冷凍サイクルのレトロフィット装置を取り付ける前の一般的な冷凍サイクルの簡略回路図であり、図1と異なり油分離器17とそれに付随する油戻し管19が装備されていない冷凍サイクルである。他の部分は図1と同様であり、その説明は省略する。図4に示される冷凍サイクルでは圧縮機11で圧縮され、高圧冷媒循環流路16に吐出された高圧な冷媒に含まれる冷凍機油は、冷媒とともに冷凍サイクルを循環し、アキュームレータ15に一旦溜められ、アキュームレータ15内に侵入されている圧縮機11と繋がる低圧冷媒循環流路18に形成された図示しない穴から低圧冷媒循環流路18に流入した圧縮機11に戻される。
【0051】
図5はこの発明の実施例2の冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図であり、17は圧縮機11と凝縮器12間の高圧冷媒循環流路16に直列的に配された油分離器、19は途中に毛細管や電磁弁等で形成される減圧部19aを有し、一端を油分離器17の底部に他端を低圧冷媒循環流路18に接続された油戻し管、20は油戻し管19上で油分離器17と油戻し管の減圧部19aの間に配される第1開閉弁である。21はこの第1開閉弁20と油分離器17の間で油戻し管19から分岐した第1油抽出管であり、この第1油抽出管21は一端を油戻し管19に連結され、他端には第2開閉弁22を有している。24は油分離器17と高圧冷媒循環流路16を繋ぐ高圧側接続配管、25は油戻し管19と低圧冷媒循環流路18を繋ぐ低圧側接続配管である。これら油分離器17、油戻し管19、第1開閉弁20、第1油抽出管21、第2開閉弁22、高圧側接続配管24、低圧側接続配管25で構成される図5における1点鎖線で囲まれる部分が冷凍機油を抽出するレトロフィット装置23である。
【0052】
上記のように構成された実施例によればは、図4に示すような油分離機構が予め搭載されていない冷凍サイクルにおいても、油分離器17をも含む冷凍機油抽出装置23を取り付けることで、実施例1と同様な構成を確保できる。よって、その作用は実施例1と同様で、この冷凍機油抽出装置23が取り付けられた冷凍サイクルは、第1開閉弁20を閉じ、第2開閉弁22を開くことで冷凍機油抽出運転が可能となる。すなわち、油分離器17で冷媒と分離され、油戻し管19に流入した冷凍機油は第1開閉弁20が閉塞されていることで第1油抽出管21に流入する。
【0053】
ここで第1開閉弁20が閉塞された状態のまま第2開閉弁22を開けば、冷凍サイクル外すなわち大気との圧力差により冷凍機油は冷凍サイクル外へと抽出できるのである。この状態では油分離器17で冷媒と分離され、油戻し管19に流入した冷凍機油の全てが第1油抽出管21を通って、第2開閉弁22から冷凍サイクル外へと確実に抽出可能となる。
なお、油分離器17は高圧冷媒循環流路16に直列的に配されているので、圧縮機11で圧縮され、高圧冷媒循環流路16に吐出された冷凍機油を含む高圧な冷媒の全量が油分離器17に流入することになるので、短時間の冷凍機油抽出運転で必要量の冷凍機油を冷凍サイクル外へ抽出できる。以上のように、本実施例によればレトロフィット作業の1つである冷凍機油の回収が単純な構成と簡単な作業でしかも短時間で確実に実施することができる。
【0054】
また、逆に第1開閉弁20を開き、第2開閉弁22を閉じることで油戻し管19は油分離器17と低圧冷媒循環流路18のみに連通し、冷凍機油抽出装置23を取り付ける前の状態と同様な通常の油戻し機構を有する定常運転が可能となる。これにより新冷凍機油と元々封入されていた従来冷凍機油を混合させるための洗浄運転を冷凍機油抽出装置23を取り付けたままの状態で実施することができる。
【0055】
なお、実施例2に示す冷凍機油抽出装置23の取り付けは、冷凍サイクルから一旦冷媒を抜き去り、高圧冷媒循環流路16間に高圧側接続配管24を、低圧冷媒循環流路18間に低圧側接続配管25を装着することで簡単に取り付けられ、その後第2開閉弁22を閉じた状態で冷凍サイクルを真空引きし、冷媒を封入する。また、低圧冷媒循環流路18にサービスポートがある場合は油戻し管19をサービスポートと接続してもよい。
【0056】
実施例1の最後に示した油戻し管19がすべて毛細管で形成されている冷凍サイクルについても、油分離器17や油戻し管19等の油分離機構部を冷凍サイクルから取り外し、代わりに実施例2に示す冷凍機油抽出装置23を取り付けることで同様な効果を奏でることができる。
【0057】
実施例3.
図6はこの発明の実施例3の冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図であり、実施例1または実施例2に抽出した冷凍機油を貯溜する油抽出容器26を設置したものである。実施例1および実施例2と同一または相当する部分については同一符号を付しその説明は省略する。
26は下部に第3開閉弁27を有する油排出口28を備えた油抽出容器であり、内部に空間を有する密閉容器によって形成されている。油抽出容器26の上部には油抽出容器26の内部と連通する接続管A30と接続管B34が装着され、接続管A30の一端には開閉弁A30aが、また接続管B34の一端には開閉弁B34aがそれぞれ取り付けられている。29は第2開閉弁22と開閉弁A30aを接続する第2抽出管であり、第2開閉弁22を開くことで第1油抽出管21は第2油抽出管29と連通し、開閉弁A30aを介して油抽出容器26と連通する。よって接続管A30は油抽出管の一部といえる。
【0058】
31は油戻し管19における第1開閉弁20と減圧部19aの間に一端を接続し、他端側に第4開閉弁32を有する第1冷媒ガス戻し管である。33は第4開閉弁32と開閉弁B34aを接続する第2冷媒ガス戻し管であり、第4開閉弁32を開くことで第1冷媒ガス戻し管31は第2冷媒ガス戻し管33と連通し、開閉弁B34aを介して油抽出容器26と連通する。よって接続管B34は冷媒ガス戻し管の一部といえる。
【0059】
本実施例3では第1冷媒ガス戻し管31と第4開閉弁32をも含んで冷凍機油抽出装置23が構成される。すなわち、実施例1に対応した場合は第1開閉弁20、第1油抽出管21、第2開閉弁22、油抽出容器26、第2抽出管29、開閉弁A30a、接続管A30、第1冷媒ガス戻し管31、第4開閉弁32、第2冷媒ガス戻し管33、開閉弁B34a及び接続管B34により冷凍機油抽出装置が構成される。また、実施例2に対応した場合には油分離器17、油戻し管19、第1開閉弁20、第1油抽出管21、第2開閉弁22、高圧側接続配管24、低圧側接続配管25、油抽出容器26、第2抽出管29、開閉弁A30a、接続管A30、第1冷媒ガス戻し管31、第4開閉弁32、第2冷媒ガス戻し管33、開閉弁B34a及び接続管B34により冷凍機油抽出装置が構成される。
これら場合におけるそれぞれの冷凍機油抽出装置の冷凍サイクルへの取り付けは対応する実施例1および2で述べた方法と同様である。
【0060】
次に、この実施例3の作用について説明する。このレトロフィット装置が取り付けられた冷凍サイクルにおいては、第1開閉弁20を閉じ、第2開閉弁22、開閉弁A30a、開閉弁B34aおよび第4開閉弁32を開いて冷凍機油抽出運転を実施する。このとき、低圧冷媒循環流路18との圧力差によって第1油抽出管21および第2油抽出管29を通って冷凍機油は油抽出容器26内に導かれる。また、開閉弁B34および第4開閉弁32が開かれているので、第1冷媒ガス戻し管31および第2冷媒ガス戻し管33は流通可能な状態となっており、そのため冷凍機油とともに油抽出容器26内へ排出されてしまった冷媒ガスや冷凍機油に溶け込んでいて油抽出容器26内であるいは第1油抽出管21および第2油抽出管29内で冷凍機油と分離した冷媒ガスを冷凍サイクルへ戻すことができ、冷媒の冷凍サイクルからの流出を防止できる。これは油抽出容器26の上部に存在する冷媒ガスが、油抽出容器26と低圧冷媒循環流路18の圧力差により第2冷媒ガス戻し管33および第1冷媒ガス戻し管31を通って、第1開閉弁20と減圧部19aの間の油戻し管19に流入し、減圧部19aを通過して低圧冷媒循環流路18に戻るからである。
【0061】
この時、減圧部19aを通過することで高圧な冷媒ガスは減圧されるため、低圧冷媒循環流路18に急激に高圧流体が流入されることはない。なお、第2冷媒ガス戻し管33は油抽出容器26の上部と連通しているので、オーバーフローしない限り冷凍機油は第2冷媒ガス戻し管33に流入することはなく、油抽出容器26内に保持される。油抽出容器26内に保持された冷凍機油は、第3開閉弁27を開くことで油排出口28から外部へ抽出できる。なお、この油抽出容器26を重量計上に載せておけば、重量の増加から油抽出容器26に抽出された冷凍機油の重量がわかり、冷凍機油の密度(単位体積あたりの重量)で増加重量を除すことで、抽出した冷凍機油の体積油量を知ることができる。
以上のように、本実施例3に示したレトロフィット装置を用いれば、レトロフィット作業の1つである冷凍機油の回収が実施例1および2と同様に短時間でしかも確実に実施することができるだけでなく、冷凍サイクルからの冷媒の流出も防止できる。そのため、冷媒の補充等の作業が必要なくなり、更なる時間の短縮化が図れる。また大気中への冷媒の放出が全くないので、環境保護の観点からも優れたものである。
【0062】
また、第1開閉弁20を開き、第2開閉弁22および第4開閉弁32を閉じることで油戻し管19は油分離器17と低圧冷媒循環流路18のみに連通し、通常の油戻し機構を有した定常運転が可能となる。これにより新冷凍機油と元々封入されていた従来冷凍機油を混合させるための洗浄運転を本レトロフィット装置が取り付いたままの状態で実施することができる。
【0063】
なお、第2油抽出管29および第2冷媒ガス戻し管33は、ゴムホースやフレキシブル配管等の可撓性の大きい配管を用いることで、接続に伴う作業性を良好にでき、また省スペースでの油抽出容器26の取り付けが可能となる。
【0064】
実施例4.
図7はこの発明の実施例4の冷凍サイクルのレトロフィット装置の油抽出容器を説明する図であり、実施例3と同一または相当する部分については同一符号を付しその説明は省略する。本実施例の油抽出容器26は油抽出容器26の上部と下部の双方で油抽出容器26内部に連通する液面計35が取り付けられている。この液面計35によって油抽出容器26内の液面高さがわかるので、予め液面高さと内部の液体の体積油量の関係を調査しておくことで、冷凍機油抽出運転時に油抽出容器26内に抽出された冷凍機油の体積油量を重量計を用いることなく知ることができる。また、内部の冷凍機油の液面高さがわかることで、簡単に冷凍機油が油抽出容器26をオーバーフローしていないか確認できる。なお液面計35だけでなく、図8に示すように、油抽出容器26内部を観察可能とする覗き窓36を複数個油抽出容器26に取り付けても油抽出容器26内の液面高さがわかるので、同様な効果を奏でることができる。
【0065】
実施例5.
図9はこの発明の実施例5に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の油抽出容器を説明する図であり、実施例3および実施例4と同一または相当する部分については同一符号を付しその説明は省略する。本実施例においては、第2油抽出管29と連通される接続管A30の端部が油抽出容器26の内部に挿入されており、その開口部30bが油抽出容器26の内壁に対向して配置されている。そのため第2油抽出管29を通って油抽出容器26内へ抽出される冷凍機油は、開口部30bから排出され、油抽出容器26の内壁に衝突する。衝突したことにより流速は急激に減じられ、抽出された冷凍機油に溶け込んでいる冷媒を分離することができる。分離された冷媒ガスは実施例3に示すのと同様に、第2冷媒ガス戻し管33および第1冷媒ガス戻し管31を通って冷凍サイクルへと戻される。
【0066】
よって本実施例によれば、抽出された冷凍機油に溶け込んでいた冷媒を確実に分離できるので、冷媒が冷凍機油に溶け込んだまま油排出口28から外部に流出してしまうことを防止できる。これにより冷媒の補充等の作業が必要なくなり、更なる時間の短縮化が図れる。また大気中への冷媒の放出が全くないので、環境保護の観点からも優れたものである。なお、この時油抽出容器26内に抽出された冷凍機油の液面高さが接続管B30の開口部30bを越えないように、実施例4の方法や増加重量検査によって確認し、越えそうな場合は油排出口28から冷凍機油を排出するようにする。
【0067】
実施例6.
図10はこの発明の実施例6の冷凍サイクルのレトロフィット装置の油抽出容器を説明する図であり、実施例3および4と同一または相当する部分については同一符号を付しその説明は省略する。本実施例は油抽出容器26の上部には第5開閉弁37を有する真空引き口38を設けたものである。
第1油抽出管21、第2開閉弁22、第1冷媒ガス戻し管32及び第4開閉弁が取り付けられ、第1開閉弁20を開き、第2開閉弁22および第4開閉弁32を閉じて定常運転わ実施している状態で、第2油抽出管29を閉じられた第2開閉弁22に、第2冷媒ガス戻し管33を閉じられた第4開閉弁32にそれぞれ接続することで油抽出容器26を取り付けることができる。
【0068】
そして、開閉弁A30aと開閉弁B34aを開き、第3開閉弁27を閉じて、第5開閉弁37に真空ポンプを接続すれば、真空引き口38から第2油抽出管29、第2冷媒ガス戻し管33と油抽出容器26そして接続管A30と接続管B34の真空引きが可能となる。これによって、第1開閉弁20を閉じ、第2開閉弁22および第4開閉弁32を開いて、実施例3で示した冷凍機油抽出運転を実施したときに、第2冷媒ガス戻し管33および第1冷媒ガス戻し管31を通って冷凍サイクルに空気が混入してしまうことが防止できる。また、新冷凍機油と元々封入されていた従来冷凍機油を混合させるための洗浄運転を実施したたままの状態で、油抽出容器26の取り付けと真空引きができるので、レトロフィット作業の作業時間が短縮できる。
【0069】
実施例7.
図11はこの発明の実施例7の冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図であり、前記実施例と同一または相当する部分については同一符号を付しその説明は省略する。図11において、39は油戻し管19における減圧部19aと低圧冷媒循環流路18との間で油戻し管19から分岐した第1油供給管であり、この第1油供給管39の一端は油戻し管19に連結されているが、他端には第6開閉弁40を有している。41は上部に第7開閉弁42を有する高圧ガス導入管43を備えた油供給容器であり、内部に空間を有する密閉容器によって形成されている。油供給容器41の下部には油供給容器41の内部と連通する接続管C44一端側が装着され、また接続管C44の他端側には開閉弁C44aが取り付けられている。45は第6開閉弁40と開閉弁C44aを接続する第2油供給管であり、第6開閉弁40を開くことで第1油供給管39は第2供給管45と連通し、開閉弁C44aを介して油供給容器41と連通する。よって接続管C44は油供給管の一部といえる。
【0070】
次に、この実施例7の作用について説明する。第1開閉弁20を開き、第2開閉弁22、第4開閉弁32および第6開閉弁40を閉じた状態で冷凍サイクルは定常運転される。また、油供給容器41内には冷凍サイクルに供給するべき冷凍機油を封入し、第7開閉弁42を介して高圧ガス導入管43から低圧冷媒循環流路18より圧力の高いガスを油供給容器41に導き、油供給容器41内部の圧力を低圧冷媒循環流路18より高圧とする。この状態から開閉弁C44aおよび第6開閉弁40を開けば、油供給容器41内の冷凍機油を冷凍サイクルへ供給する冷凍機油供給運転が可能となる。
【0071】
すなわち、油供給容器41と低圧冷媒循環流路18の圧力差によって、油供給容器41内の冷凍機油は第2油供給管45および第1油供給管39を通って、油戻し管19を経て低圧冷媒循環流路18へと流入し、圧縮機11へ導かれるのである。冷凍機油の供給が終了したならば第6開閉弁40を閉じることで冷凍サイクルは定常運転に戻される。冷凍機油の供給終了の確認方法としては、油供給容器41を重量計に載せて、油供給容器41に封入した冷凍機油の重量分の重量が減じることを確認すればよい。
以上のように本実施例7に示したレトロフィット装置を用いることでレトロフィット作業の1つである冷凍機油の冷凍サイクルへの供給が圧縮機11を取り外したりすることもなく、単純な構成と簡単な作業でしかも冷凍サイクルを定常運転したままで確実に実施することができる。開閉弁C44aおよび第6開閉弁40の開度を調整することで、急激に供給する冷凍機油が低圧冷媒循環流路18へと流入することは避けられる。
【0072】
なお、第1油供給管39の油戻し管19への取り付けは、実施例1に基づいた場合は、一旦冷媒を抜き去った後の冷凍機油抽出装置23の取り付け時に同時に減圧部19aと低圧冷媒循環流路18間の油戻し管19を切断し、第1油供給管39を溶着し、第6開閉弁40も閉じて真空引きをすればよい。また、実施例2に基づく場合は、冷凍機油抽出装置23の一部として予め減圧部19aと低圧側接続配管25間に第1油供給管39を装備しておけば、一旦冷媒を抜き去った後の冷凍機油抽出装置23の取り付け時に同時に取り付けられる。そして冷凍サイクルの真空引き時は第2開閉弁22、第4開閉弁32とともに第6開閉弁40も閉じて実施する。
【0073】
また、第1油供給管39は低圧冷媒循環流路18に直接連通するように装着されても、同様な効果を奏でる。この場合、低圧冷媒循環流路18にサービスポートがあれば、第1油供給管39はそのサービスポートに接続してもよい。
【0074】
実施例8.
図12はこの発明の実施例8の冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図であり、前記実施例と同一または相当する部分については同一符号を付しその説明は省略する。図12において、39は油戻し管19における第1開閉弁20と減圧部19aの間で油戻し管19から分岐した第1油供給管であり、この第1油供給管39の一端は油戻し管19に連結されているが、他端には第8開閉弁46を有している。41は上部に第7開閉弁42を有する高圧ガス導入管43を備えた油供給容器であり、内部に空間を有する密閉容器によって形成されている。油供給容器41の下部には油供給容器41の内部と連通する接続管C44が装着され、接続管C44の一端には開閉弁C44aが取り付けられている。45は第8開閉弁46と開閉弁C44aを接続する第2油供給管であり、第8開閉弁46を開くことで第1油供給管39は第2油供給管45と連通し、開閉弁C44aを介して油供給容器41と連通する。よって接続管C44は油供給管の一部といえる。
【0075】
次にこの実施例8の作用について説明する。第1開閉弁20を開き、第2開閉弁22、第4開閉弁32および第8開閉弁46が閉じられた状態で冷凍サイクルは定常運転される。また、油供給容器41内には冷凍サイクルに供給するべき冷凍機油を封入し、第7開閉弁42を介して高圧ガス導入管43から高圧冷媒循環流路16とほぼ同等な圧力のガスを油供給容器41に導き、油供給容器41内部の圧力を低圧冷媒循環流路18より高圧とする。
この状態から開閉弁C44aおよび第8開閉弁46を開けば、油供給容器41内の冷凍機油を冷凍サイクルへ供給する冷凍機油供給運転をすることが可能となる。油供給容器41と低圧冷媒循環流路18の圧力差によって、油供給容器41内の冷凍機油は第2油供給管45および第1油供給管39を通って、減圧部19aを経て低圧冷媒循環流路18へと流入し、圧縮機11へ導かれるのである。冷凍機油の供給が終了したならば第8開閉弁46を閉じることで冷凍サイクルは定常運転に戻される。
【0076】
本実施例においては、供給される冷凍機油が減圧部19aを通過するようにしたので、開閉弁C44aおよび第8開閉弁46の開度を調整することなく低圧冷媒循環流路18に急激に高圧流体が流入されることが防止できる。また、減圧部19aによって流量も制限されるため急激に多量の冷凍機油が圧縮機11に流入することも防止できる。
以上のように本実施例8に示したレトロフィット装置を用いることでレトロフィット作業の1つである冷凍機油の冷凍サイクルへの供給が圧縮機11を取り外したりすることもなく、単純な構成と簡単な作業でしかも冷凍サイクルを定常運転したままで確実に、さらに急激に圧縮機11に冷凍機油が流入されることなく実施することができる。
【0077】
なお、油供給容器41内の圧力が低圧循環流路18よりは高いが高圧循環流路16より低い場合は、第1開閉弁20を閉じればよい。そのときは冷凍機油の供給終了後に第8開閉弁46を閉じ、第1開閉弁20を開いて定常運転に戻る。また油供給容器41内の圧力が高圧循環流路16よりかなり高くなったときも、第1開閉弁20を閉じれば供給される冷凍機油が油分離器17へ逆流してしまうことはない。
【0078】
また、第1油供給管39の油戻し管19への取り付けは、冷凍機油抽出装置23の一部として予め第1開閉弁20と減圧部19a間に第1油供給管39を装備しておけば、一旦冷媒を抜き去った後の冷凍機油抽出装置23の取り付け時に同時に取り付けられる。そして冷凍サイクルの真空引き時は第2開閉弁22、第4開閉弁32とともに第8開閉弁46も閉じて実施する。
【0079】
また、実施例7も含めて第2油供給管45は、ゴムホースやフレキシブル配管等の可撓性の大きい配管を用いることで、接続に伴う作業性を良好にでき、また省スペースでの油供給容器26の取り付けが可能となる。
【0080】
実施例9.
図13はこの発明の実施例9の冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図であり、前記実施例と同一または相当する部分については同一符号を付しその説明は省略する。図13においては図12における第8開閉弁46が第4開閉弁32に、また図12における第1油供給管39が第1冷媒ガス戻し管31に代用され、第4開閉弁32に第2油供給管45が接続される構成である。よって、第4開閉弁32を開くことで、第1冷媒ガス戻し管31は第2油供給管45と連通し、開閉弁C44aを介して油供給容器41と連通するので、実施例8と同様の冷凍機油供給運転が可能となる。
【0081】
すなわち、冷凍機油は第2油供給管45の後、第1冷媒ガス戻し管31を通って油戻し管19へと流入するのである。したがって、第1油供給管39および第8開閉弁46は不要となり、冷凍機油抽出装置23に第1油供給管39を予め装備する必要がなくなる。
以上のように、本実施例においては油供給管の一部を冷媒ガス戻し管の一部と共用する、すなわち第1油供給管39を第1冷媒ガス戻し管32で代用するようにしたので、第1油供給管31の装備が不要となりレトロフィット装置を簡素化できるとともに、実施例8と同様にレトロフィット作業の1つである冷凍機油の冷凍サイクルへの供給が圧縮機を取り外したりすることもなく、簡単な作業でしかも冷凍サイクルを定常運転したままで確実に、さらに急激に圧縮機に冷凍機油が流入されることなく実施することができる。
【0082】
なお、第1油供給管39だけでなく、第2油供給管45もあわせて図6における第2冷媒ガス戻し管33に代用させてもよい。
【0083】
実施例10.
図14はこの発明の実施例10の冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図であり、前記実施例と同一または相当する部分については同一符号を付しその説明は省略する。本実施例は第2油供給管45の途中に第2油供給管45の内部を観察可能とするサイトグラス47を装備したものである。サイトグラス47を観察することで、液体とガスの流れの様子の違いから冷凍機油の供給終了が確認できる。よって、重量計を用いることなく冷凍機油の供給終了が確認できる。
【0084】
なお、サイトグラス47の位置は第2油供給管45の途中でなく、接続管C44や第1油供給管39(図13に対応する場合は第1冷媒ガス戻し管31)の途中でも、また接続管C44と開閉弁C44aの間、開閉弁C44aと第2油供給管45の間、第2油供給管45と第8開閉弁46(図13に対応する場合は第4開閉弁32)の間、第8開閉弁46(図13に対応する場合は第4開閉弁32)と第1油供給管39(図13に対応する場合は第1冷媒ガス戻し管31)の間であっても同様な効果を奏でる。
【0085】
実施例11.
図15はこの発明の実施例11の冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図であり、前記実施例と同一または相当する部分については同一符号を付しその説明は省略する。図15において、48は冷凍サイクルと同一の高圧な冷媒が封入された冷媒ボンベであり、第7開閉弁42に接続されている。冷媒ボンベ48には圧力調整器49が取り付けられ、冷媒ボンベ48から高圧ガス導入管43を介して油供給容器41に導かれる冷媒ガスの圧力を調整する。よって、冷凍サイクルと同一の冷媒ガスが油供給容器41に導かれるので、冷凍機油供給運転時に冷凍機油とともに高圧ガスが冷凍サイクルに流入してしまっても、冷凍サイクルと同一の冷媒ガスであるため、冷凍サイクルへの異種流体の混入とはならず、信頼性の点から優れたものとなる。しかも適切な圧力すなわち低圧冷媒循環流路18より高く高圧循環流路16よりも過度に高くない圧力で油供給容器41に導くことができる。
【0086】
また、圧力調整器49がなくとも、第7開閉弁42の開度を調整することで適切な圧力で油供給容器41に導くことができる。
【0087】
図16はこの発明の実施例12の冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図であり、前記実施例と同一または相当する部分については同一符号を付しその説明は省略する。図16において、50は圧縮機11と凝縮器12間の高圧冷媒循環流路16から分岐された分岐管であり、その一端には開閉弁D51が取り付けられている。そして、第7開閉弁42と開閉弁D51がゴムホース等の接続配管52によって連結されている。ここで開閉弁D51と第7開閉弁42を開けば、高圧ガス導入管43を介して高圧冷媒循環流路16と油供給容器41は連通し、高圧冷媒循環流路16を流れる冷媒ガスを油供給容器41に導くことができる。つまり、油供給容器41に導く高圧ガスとして最も適切である冷凍サイクルと同一な冷媒でかつ圧力が高圧循環流路16と同等なガスを確実に油供給容器41内に導くことができるのである。冷凍機油の供給とともに、油供給容器41内のガスが冷凍サイクルへと流入しても、元々冷凍サイクルにあった冷媒であるので、異種流体の混入とならずまた冷凍サイクルへの冷媒の過剰供給ともならない。
【0088】
なお図16においては、図13に示すレトロフィット装置に対応して構成した例を示したが、図11および図12に示すレトロフィット装置に対応して構成することもでき、この場合でも図16に示したものと同様な効果を奏でる。
【0089】
なお、分岐管50の高圧冷媒循環流路16への取り付けは、実施例1に基づく場合は、一旦冷媒を抜き去った後の冷凍機油抽出装置23の取り付け時に同時に高圧冷媒循環流路16を切断し、分岐管50を溶着し開閉弁D51も閉じて真空引きをすればよい。また、実施例2に基づく場合は、冷凍機油抽出装置23の一部として予め高圧側接続管24に分岐管50を装備しておけば、一旦冷媒を抜き去った後の冷凍機油抽出装置23の取り付け時に同時に取り付けられる。そして冷凍サイクルの真空引きは開閉弁D51も閉じて実施するようにする。
【0090】
また、分岐管50は高圧冷媒循環流路16にサービスポートがある場合はそれに接続すれば、分岐管50の取り付け作業が大きく軽減できる。
【0091】
図17はこの発明の実施例13の冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図であり、前記実施例と同一または相当する部分については同一符号を付しその説明は省略する。本実施例における油供給容器41の上部には第9開閉弁53を有する油封入口54が設けられている。第1開閉弁20が開き、第2開閉弁22および第4開閉弁32と開閉弁D51が閉じられ定常運転が実施されている状態で、第2油抽出管45を閉じられた第4開閉弁32に、接続配管52を閉じられた開閉弁D51にそれぞれ接続することで油供給容器41が取り付けられる。
【0092】
そして、開閉弁C44aと第7開閉弁42を開き、第9開閉弁53に真空ポンプを接続すれば、油封入口54から接続配管52、第2油供給管45と油供給容器41そして接続管C44の真空引きが可能となる。その後大気との圧力差によって油供給容器41内に、冷凍サイクルに供給する冷凍機油を油封入口54を通して封入する。この時開閉弁C44aは閉じておく。この冷凍機油の封入時に少しの空気が入る場合もあるので再び第9開閉弁53に真空ポンプを接続し、真空引きを行う。これによって開閉弁D51と第7開閉弁42を開き、高圧冷媒ガスを油供給容器41に導き、開閉弁C44aと第4開閉弁32を開いて冷凍機油供給運転を実施したときに、第2油供給管45および第1油供給管の代用である第1冷媒ガス戻し管31を通って冷凍サイクルに空気が混入してしまうことが防止できる。また、冷凍サイクルを定常運転したままで油供給容器41の取り付けと真空引きそして油供給容器41への冷凍機油の封入をすることができる。
【0093】
なお、図17は図16に示すレトロフィット装置に対応して構成されているが、図11乃至図15に示すレトロフィット装置のいずれの油供給容器41に油封入口54と第9開閉弁53が装着されても同様な効果を奏でる。
【0094】
実施例14.
次にこの発明の実施例14として、前記のレトロフィット装置を用いた冷凍サイクルのレトロフィット方法について説明する。ここではレトロフィット作業をされる前の元々冷凍サイクルにあった冷媒と冷凍機油をそれぞれ従来冷媒、従来冷凍機油と呼び、レトロフィット作業により交換する冷媒と冷凍機油をそれぞれ新冷媒、新冷凍機油と呼ぶこととする。
【0095】
まず、冷凍サイクルから従来冷媒を一旦抜き去り、冷凍機油抽出装置23、第1油供給管39、第6開閉弁40あるいは第8開閉弁46、分岐管50及び開閉弁D51を冷凍サイクルに装着し、冷凍サイクルを真空引き後、再び抜き去った従来冷媒と同一の冷媒をほぼ同量封入する。第1油供給管39と第8開閉弁46を第1冷媒ガス戻し管31と第4開閉弁32で代用する実施例9の場合は、第1油供給管39と第8開閉弁46の装着は不要であり、また油供給容器41に導く高圧冷媒ガスが高圧冷媒循環流路16からの冷媒ガスとしない場合には分岐管50と開閉弁D51の装着は不要である。
【0096】
次に、第1開閉弁20を開き、油戻し管19の流路を確保して冷凍サイクルを定常運転させる。この状態において油供給容器41を取り付け、油供給容器41には新冷凍機油を封入し、新冷凍機油を冷凍サイクルに供給する冷凍機油供給運転を行う。冷凍機油供給運転は実施例7から13のいずれかの冷凍サイクルのレトロフィット装置を用いて、そこで示した方法で行えばよく、また実施例7から13のいくつかが組み合わされた冷凍サイクルのレトロフィット装置を用いてもよい。新冷凍機油の冷凍サイクルへの供給量は圧縮機11をはじめとして冷凍サイクルを構成する種々の供給に支障が生じない程度する。
【0097】
そのまま冷凍サイクルは運転を続けるが、この運転中は供給した新冷凍機油と従来冷凍機油が混合される洗浄運転となる。供給された新冷凍機油は圧縮機11へと導かれるが、ここで圧縮機11内にある従来冷凍機油とまず混合される。また、圧縮機11の油量が増加するため、圧縮機11の油上がりすなわち高圧冷媒循環流路16への冷凍機油の吐出量が増加する。そして、油分離器17で分離され再び圧縮機11に戻されるが、油分離器17に流入する混合された冷凍機油の油量が多いため、分離されずに従来冷媒とともに冷凍サイクルを循環する油量も増加する。これにより冷凍サイクル上にある従来冷凍機油も併せて混合される。洗浄運転をしばらく続けることで、新冷凍機油と従来冷凍機油は充分混合される。なお、冷凍サイクルにアキュームレータ15が存在する場合は、冷凍サイクルを循環した混合冷凍機油は一旦アキュームレータ15に貯留され、圧縮機11に少しずつ戻されるので、アキュームレータ15が存在する場合には存在しない場合に比べ、供給する新冷凍機油の油量を多くすることができる。
【0098】
洗浄運転を実施中に油供給容器41を取り外し、次に第1開閉弁20を閉じて、新冷凍機油と従来冷凍機油の混合した冷凍機油の回収、すなわち冷凍サイクル外へ抽出する冷凍機油抽出運転を行う。冷凍機油抽出運転は、実施例1から6のいずれの冷凍サイクルのレトロフィット装置を用いて、そこで示した方法で行えばよく、また実施例1から6のいくつかが組み合わされた冷凍サイクルのレトロフィット装置を用いてもよい。なお実施例3から6のレトロフィット装置を用いる場合は、洗浄運転を実施中に油抽出容器26を取り付け、真空引きを実施しておくことで、時間の短縮が図れる。混合された冷凍機油の抽出量は、新冷凍機油の供給油量と同等またはそれ以下の量とする。
【0099】
冷凍機油抽出運転が終了したならば、冷凍サイクルは第1開閉弁20を開いて定常運転に戻し、実施例3から6のレトロフィット装置を用いる場合は油抽出容器26を取り外す。そして抽出した混合冷凍機油から、混合冷凍機油に対する従来冷凍機油の濃度を確認する。この濃度はそのときの冷凍サイクル内にある混合冷凍機油に対する従来冷凍機油の濃度と同等である。なお濃度確認は屈折計を使った方法など少量の混合冷凍機油で確認できる場合は、冷凍機油抽出運転中に実施すればよい。
【0100】
そして、混合冷凍機油に対する従来冷凍機油の濃度が、規定した条件(例えば1%以下)を満足していなければ、再び油供給容器41を取り付け、新冷凍機油の供給運転を行い、前記した洗浄運転と冷凍機油抽出運転そして濃度確認を繰り返す。混合冷凍機油に対する従来冷凍機油の濃度が、規定した条件を満足するまでこの作業サイクルを繰り返す。なお濃度は、
X=前回時の冷凍サイクルの残油量*前回時の従来冷凍機油の濃度
(Xは冷凍サイクル内の従来冷凍機油の油量を意味する)
Y=前回時の冷凍サイクルの残油量+供給した新冷凍機油の油量
(Yは冷凍サイクルの混合冷凍機油の総油量を意味する)
として、
濃度=X/Y
で求めることもできる。この算出式からもわかるように冷凍機油供給運転で供給する新冷凍機油の油量が多いほど、1サイクルの作業での従来冷凍機油の濃度が低くでき、規定した条件を満足するまでの前記した作業サイクルの繰り返し数を少なくできる。
【0101】
冷凍サイクル内の混合冷凍機油に対する従来冷凍機油の濃度が、規定した条件を満足したならば、冷凍サイクル内の従来冷凍機油は新冷凍機油に交換されたことになり、実施例1から6に示したいずれかまたはいくつかの組み合わせによる冷凍サイクルのレトロフィット装置により、冷凍サイクルの冷凍機油の油量が規定油量すなわちレトロフィット作業をする前の従来冷凍機油の油量とほぼ同等の油量となるまで、引き続き冷凍サイクル外へ抽出する。これによりレトロフィット作業のうち冷凍機油の交換すなわち従来冷凍機油を別の新冷凍機油と交換する作業が終了する。
【0102】
冷凍機油の交換が終了したならば従来冷媒を抜き取り、冷凍機油抽出装置23等を取り外し、冷凍サイクルを元の状態に復元する。そして冷凍サイクルを真空引き後、新冷媒を規定量充填することで、レトロフィット作業が終了する。
【0103】
以上のように、本実施例で示した冷凍サイクルのレトロフィット方法は、従来冷凍機油と従来冷媒を別の新冷凍機油と新冷媒に交換するレトロフィット作業が、単純な構成と簡単な作業で、しかも短時間で確実に実施できる。また冷凍サイクルの冷凍機油の油量が少なくなることはないので、冷凍機油が枯渇して圧縮機の運転が不可能となったりすることもなく、作業性と作業効率の優れたそして信頼性の高い冷凍サイクルのレトロフィット方法である。
【0104】
【発明の効果】
請求項1記載の発明においては、第1開閉弁を閉じ、第2開閉弁を開くことで冷凍サイクルの冷凍機油抽出運転ができるようにしたので、レトロフィット作業の1つである冷凍機油の回収が、単純な構成と簡単な操作でしかも短時間で確実に実施することのできる作業性および作業効率の優れた冷凍サイクルのレトロフィット装置が得られる。
また、逆に第1開閉弁を開き、第2開閉弁を閉じることで定常運転が可能となるので、新冷凍機油と従来冷凍機油を混合させるための洗浄運転をレトロフィット装置が取り付いたままの状態で実施することができる。
【0105】
請求項2記載の発明においては、油分離器を高圧冷媒循環流路に直列に配するようにしたので、油分離器が搭載されていない冷凍サイクルにおいても、冷凍機油を冷媒と分離できるとともに、第1開閉弁を閉じ、第2開閉弁を開くことで冷凍サイクルの冷凍機油抽出運転ができる。また、油分離器には高圧冷媒循環流路に吐出された冷凍機油を含む高圧な冷媒の全量が流入することから、短時間の冷凍機油抽出運転で必要量の冷凍機油を冷凍サイクル外へ抽出でき、レトロフィット作業の1つである冷凍機油の回収が、単純な構成と簡単な操作でしかも短時間で確実に実施することのできる。
また、逆に第1開閉弁を開き、第2開閉弁を閉じることで定常運転が可能となり、新冷凍機油と従来冷凍機油を混合させるための洗浄運転を冷凍機油抽出装置が取り付いたままの状態で実施することができる。
【0106】
請求項3記載の発明においては、冷凍機油抽出運転時に冷凍機油とともに排出されてしまった冷媒ガスや冷凍機油に溶け込んでいた冷媒ガスを冷凍サイクルへ戻すことができるので、冷凍サイクルからの冷媒の流出が防止でき、そのため冷媒の補充等の作業が必要なくなり、更なるレトロフィット作業時間の短縮化が達成できる。また、大気中への冷媒の放出が全くないので、環境保護の観点からも優れたものである。
【0107】
請求項4及び5記載の発明においては、冷凍機油抽出運転時に油抽出容器内に抽出された冷凍機油の体積油量を重量計を用いることなく知ることができるので、重量計をセッティングする作業を省くことができ、レトロフィットの作業性および作業効率を向上できる。
【0108】
請求項6記載の発明においては、油抽出容器内へ抽出される冷凍機油に溶け込んでいる冷媒を確実に分離して回収するようにしたので、冷凍機油に溶け込んだまま、冷媒が油排出口から外部に流出してしまうことを防止でき、冷媒の補充等の作業が必要なくなり、更なる作業時間の短縮化が達成できる。また大気中への冷媒の放出が全くないので、環境保護の観点からも優れたものである。
【0109】
請求項7記載の発明においては、真空引き口から油抽出容器の真空引を可能としたので、冷凍機油抽出運転時冷媒ガス戻し管を通って冷凍サイクルに空気が混入してしまうことが防止でき、信頼性を高めることができる。また、新冷凍機油と従来冷凍機油を混合させるための洗浄運転を実施したままの状態で、油抽出容器の取り付けとこの真空引きができるので、作業効率を高めることができる。
【0110】
請求項8記載の発明においては、油供給管に設置した開閉弁を開くことで、油供給容器内の冷凍機油を冷凍サイクルへ供給できるようにしたので、レトロフィット作業の1つである冷凍機油の冷凍サイクルへの供給が、単純な構成と簡単な作業でしかも冷凍サイクルを定常運転したままで確実に実施することができる。
【0111】
請求項9記載の発明においては、油供給容器内の冷凍機油を減圧部を通過して冷凍サイクルへ供給するようにしたので、低圧冷媒循環流路に急激に高圧流体が流入されることが防止でき、信頼性を高めることができる。また、請求項8記載の発明と同様に単純な構成と簡単な作業でしかも冷凍サイクルを定常運転したままで確実に実施することができる。
【0112】
請求項10記載の発明においては、油供給管の一部を冷媒ガス戻し管と共用したので、レトロフィット装置の配管の数を減少させることができ、更なる構成の簡素化と装備に伴う時間の短縮化が達成できる。
【0113】
請求項11記載の発明においては、油供給管に管路内部を観察可能とするサイトグラスを具備したので、サイトグラスを観察することで冷凍機油供給運転の終了の確認が可能となり、重量計をセッティングする等の作業を省くことができ、作業性および作業効率を高めることができる。
【0114】
請求項12記載の発明においては、高圧ガス導入管に、冷凍サイクルに使用されるのと同一冷媒が封入された高圧な冷媒ボンベに接続したので、冷凍機油供給運転時に油供給容器内のガスが冷凍サイクルに混入しても、冷凍サイクルに関係のない異種流体が冷凍サイクルに供給されることがなく、信頼性が高く保たれる。
【0115】
請求項13記載の発明においては、冷凍サイクル上の高圧な冷媒ガスを高圧ガス導入管から油供給容器に導入するようにしたので、油供給容器に導くガスとして最も適切な種類と圧力のガスを得ることができる。すなわち、冷凍サイクルと同一な冷媒でかつ圧力が高圧循環流路と同等なガスを圧力調整することなく確実に油供給容器内に導くことができるのである。また、冷凍機油の供給とともに油供給容器内のガスが冷凍サイクルへ流入しても、冷凍サイクルに関係のない異種流体の混入とはならず、さらに冷媒の過剰供給ともならない。
【0116】
請求項14記載の発明においては、油封入口から油供給容器の真空引きが可能となるので、冷凍機油供給運転を実施したときに、油供給管を通って冷凍サイクルに空気が混入してしまうことが防止できる。また、冷凍サイクルを定常運転したままで油供給容器の取り付け、真空引き及び油供給容器への冷凍機油の封入をすることができるので、作業効率が良くなる。
【0117】
請求項15記載の冷凍サイクルのレトロフィット方法によれば、従来冷凍機油と従来冷媒を別の新冷凍機油と新冷媒に交換するレトロフィット作業が、単純な構成と簡単な作業で、しかも短時間で確実に実施できる。また、作業中に冷凍サイクルの冷凍機油の油量が少なくなることはないので、冷凍機油が枯渇して圧縮機の運転が不可能となったりすることもなく、信頼性の面でもすぐれている。
【0118】
請求項16記載の冷凍サイクルのレトロフィット方法によれば、従来冷凍機油と従来冷媒を別の新冷凍機油と新冷媒に交換するレトロフィット作業が、単純な構成と簡単な作業で、しかも短時間で確実に実施できる。また、作業中に冷凍サイクルの冷凍機油の油量が少なくなることはないので、冷凍機油が枯渇して圧縮機の運転が不可能となったりすることもなく、信頼性の面でもすぐれている。
請求項17記載の冷凍サイクルのレトロフィット方法によれば、上記請求項15又は16記載の発明の効果に加えて、単純な構成と簡単な操作でレトロフィット作業ができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置を取り付ける前の一般的な冷凍サイクルの回路図である。
【図2】図1における油分離器近傍のみの拡大図である。
【図3】この発明の実施例1に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図である。
【図4】この発明の実施例2に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置を取り付ける前の一般的な冷凍サイクルの回路図である。
【図5】この発明の実施例2に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図である。
【図6】この発明の実施例3に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図である。
【図7】この発明の実施例4に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の油抽出容器を説明する図である。
【図8】この発明の実施例4に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の別の油抽出容器を説明する図である。
【図9】この発明の実施例5に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の油抽出容器を説明する図である。
【図10】この発明の実施例6に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の油抽出容器を説明する図である。
【図11】この発明の実施例7に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図である。
【図12】この発明の実施例8に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図である。
【図13】この発明の実施例9に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図である。
【図14】この発明の実施例10に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図である。
【図15】この発明の実施例11に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図である。
【図16】この発明の実施例12に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図である。
【図17】この発明の実施例13に示す冷凍サイクルのレトロフィット装置の説明図である。
【図18】従来例に示された空調機回路内の冷凍機油回収交換装置の説明図である。
【符号の説明】
11 圧縮機、12 凝縮器、16 高圧冷媒循環流路、17 油分離器、18 低圧冷媒循環流路、19 油戻し管、19a 減圧部、20 第1開閉弁、21 第1油抽出管、22 第2開閉弁、26 油抽出容器、27 第3開閉弁、28 油排出口、29 第2油抽出管、31 第1冷媒ガス戻し管、32 第4開閉弁、33 第2冷媒ガス戻し管、35 液面計、36 覗き窓、37 第5開閉弁、38 真空引き口、39 第1油供給管、40 第6開閉弁、41 油供給容器、42 第7開閉弁、43 高圧ガス導入管、45 第2油供給管、46 第8開閉弁、47 サイトグラス、48 冷媒ボンベ、50 分岐管、51 開閉弁D、52 接続配管、53 第9開閉弁、54 油封入口。

Claims (17)

  1. 圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に直列的に配された油分離器と、該油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を前記圧縮機に戻す油戻し管と、該油戻し管に配されて通過流体の圧力を減じる減圧部とを有する冷凍サイクルから冷凍機油を除去する冷凍サイクルのレトロフィット装置であって、
    前記油戻し管に配されて通過流体の圧力を減じる減圧部と、
    該減圧部と前記油分離器との間に配される第1開閉弁と、
    該第1開閉弁と前記油分離器間で前記油戻し管から分岐する油抽出管と、
    該油抽出管に配される第2開閉弁とを備えたことを特徴とする冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  2. 冷凍サイクルから冷凍機油を除去する冷凍サイクルのレトロフィット装置であって、
    圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に直列に配される油分離器と、
    該油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を前記圧縮機に戻す油戻し管と、
    該油戻し管に配されて通過流体の圧力を減じる減圧部と、
    該減圧部と前記油分離器との間に配される第1開閉弁と、
    該第1開閉弁と前記油分離器間で前記油戻し管から分岐する油抽出管と、
    該油抽出管に配される第2開閉弁とを備えたことを特徴とする冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  3. 前記第2開閉弁を介して前記油抽出管に接続される油抽出容器と、
    一端側が前記油抽出容器の上部に接続され、他端側が前記油戻し管における前記減圧部と前記第1開閉弁間に少なくとも1個の開閉弁を介して接続される冷媒ガス戻し管とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  4. 前記油抽出容器に、該油抽出容器内の液面を確認する液面計を備えたことを特徴とする請求項3記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  5. 前記油抽出容器に、該抽出容器内部を観察可能とする覗き窓を備えたことを特徴とする請求項3記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  6. 前記油抽出容器に接続される前記油抽出管の先端部を前記油抽出容器内に導くとともに、該油抽出管の開口部を前記油抽出容器の内壁に対向配置したことを特徴とする請求項3、4または5のいずれか記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  7. 前記油抽出容器に、真空引きを行うための真空引き口を開閉弁を介して設けたことを特徴とする請求項3、4、5、6のいずれか記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  8. 冷凍サイクルに冷凍機油を供給する冷凍サイクルのレトロフィット装置であって、
    圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に直列に配される油分離器と、
    該油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を前記圧縮機に戻す油戻し管と、
    一端が前記油戻し管に接続される少なくとも1個の開閉弁を有する油供給管と、
    該油供給管の他端に接続される供給用の冷凍機油を貯溜する油供給容器と、
    該油供給容器の上部に接続される開閉弁を有する高圧ガス導入管とを備えたことを特徴とする冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  9. 冷凍サイクルに冷凍機油を供給する冷凍サイクルのレトロフィット装置であって、
    圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に直列に配される油分離器と、
    該油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を前記圧縮機に戻す油戻し管と、
    該油戻し管に配されて通過流体の圧力を減じる減圧部と、
    前記油戻し管における前記減圧部と前記油分離器の間に接続される少なくとも1個の開閉弁を有する油供給管と、
    該油供給管に接続される供給用の冷凍機油を貯溜する油供給容器と、
    該油供給容器の上部に接続される開閉弁を有する高圧ガス導入管とを備えたことを特徴とする冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  10. 冷凍機油の除去及び供給を行う冷凍サイクルのレトロフィット装置であって、
    圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に直列に配される油分離器と、
    該油分離器にて冷媒と分離された冷凍機油を前記圧縮機に戻す油戻し管と、
    該油戻し管に配されて通過流体の圧力を減じる減圧部と、
    該減圧部と前記油分離器との間に配される第1開閉弁と、
    該第1開閉弁と前記油分離器間で前記油戻し管から分岐する油抽出管と、
    該油抽出管に配される第2開閉弁と、
    該第2開閉弁を介して前記油抽出管に接続される油抽出容器と、
    一端側が前記油抽出容器の上部に接続され、他端側が前記油戻し管における前記減圧部と前記第1開閉弁間に少なくとも1個の開閉弁を介して接続される冷媒ガス戻し管と、
    一端が前記冷媒ガス戻し管に接続される少なくとも1個の開閉弁を有する油供給管と、
    該油供給管の他端に接続される供給用の冷凍機油を貯溜する油供給容器と、
    該油供給容器の上部に接続される開閉弁を有する高圧ガス導入管とを備え、
    前記冷媒ガス戻し管を前記油供給管の一部または全部として併用することを特徴とする冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  11. 前記油供給管に、管路内部を観察可能とするサイトグラスを設けたことを特徴とする請求項8、9または10のいずれかに記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  12. 前記油供給容器に接続された高圧ガス導入管に接続されるとともに、冷凍サイクルに使用されるのと同一冷媒が封入された高圧冷媒ボンベを備えたことを特徴とする請求項8、9、10または11のいずれかに記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  13. 前記油供給容器に接続された高圧ガス導入管を圧縮機と凝縮器間の高圧冷媒循環流路に接続したことを特徴とする請求項8、9または10記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  14. 前記油供給容器に、開閉弁を有する真空引き兼冷凍機油の封入口を設けたことを特徴とする請求項8、9、10または13のいずれかに記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置。
  15. 新冷凍機油を冷凍サイクルに供給する新冷凍機油供給工程と、
    供給された新冷凍機油と従来冷凍機油とを混合する洗浄運転工程と、
    混合された冷凍機油を新冷凍機油の供給量とほぼ同等あるいはそれ以下の量を冷凍サイクル外へ抽出する第1冷凍機油抽出工程と、
    冷凍サイクル内の混合冷凍機油に対する従来冷凍機油の濃度を確認する濃度確認工程と、
    該濃度が規定値以下になるまで前記新冷凍機油供給工程、前記洗浄運転工程、第1冷凍機油抽出工程及び濃度確認工程を繰り返す濃度調整工程と、
    前記濃度が規定値以下になった後に、冷凍サイクル内の冷凍機油の量が規定量になるまで、混合された冷凍機油を冷凍サイクル外へ抽出する第2冷凍機油抽出工程と、
    冷凍サイクル内の従来冷媒を除去する冷媒除去工程と、
    冷凍サイクルを真空引きした後、新冷媒を充填する冷媒充填工程と、
    を備えたことを特徴とする冷凍サイクルのレトロフィット方法。
  16. 新冷凍機油を冷凍サイクルに供給する新冷凍機油供給工程と、
    供給された新冷凍機油と従来冷凍機油とを混合する洗浄運転工程と、
    混合された冷凍機油を新冷凍機油の供給量とほぼ同等あるいはそれ以下の量を冷凍サイクル外へ抽出する第1冷凍機油抽出工程と、
    冷凍サイクル内の混合冷凍機油に対する従来冷凍機油の濃度が規定値以下になった後に、冷凍サイクル内の冷凍機油の量が規定量になるまで、混合された冷凍機油を冷凍サイクル外へ抽出する第2冷凍機油抽出工程と、
    冷凍サイクル内の従来冷媒を除去する冷媒除去工程と、
    冷凍サイクルを真空引きした後、新冷媒を充填する冷媒充填工程と、を備えたことを特徴とする冷凍サイクルのレトロフィット方法。
  17. 前記新冷凍機油供給工程を請求項8〜14のいずれかに記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置を用いて行い、
    前記第1、第2冷凍機油抽出工程を請求項1〜7記載のいずれかに記載の冷凍サイクルのレトロフィット装置を用いて行うことを特徴とする請求項15又は1 6記載の冷凍サイクルのレトロフィット方法。
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