JP3574387B2 - 電磁波シールド材の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波シールド材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
布状又はシート状の電磁波シールド材として特開昭61−35599号公報に記載のものが知られている。この電磁波シールド材は、炭素繊維又は活性炭繊維の表面に金属を溶射した導電性シートから成るものあって、炭素と金属それぞれの電磁波シールド効果を兼ね備えているばかりではなく、非常に薄いものも容易に形成でき、しかも種々の形状に加工でき、製造方法も簡単であり大量生産に適するとされている(同公報の特許請求の範囲(1)、第2頁左下欄第1〜10行)。この電磁波シールド材に用いられる炭素繊維の例としては、フェノール系ノボラック繊維布(700μm厚)を不活性ガス雰囲気下で炭化して成る炭素繊維布(目付90g/m2)が挙げられている(同公報の第2頁左下欄第12〜14行)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記電磁波シールド材では、炭素繊維布による電磁波シールド効果の不足を補うために、その布の表面に金属層を形成しているものと考えられる。しかし、炭素繊維布自体の電磁波シールド効果を十分に高くすることができれば、更に金属層を形成する必要がなくなるため、生産設備の簡素化及び生産コストの低減を行う上で有利である。本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、大規模な生産設備を用いることなく、加工性に優れた炭素繊維製の電磁波シールド材を製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る電磁波シールド材の製造方法は、
酵素で精錬処理された絹繊維から成る布材を作成する布材作成工程、
前記布材を焼成炉に入れ、該焼成炉の内部を無酸素状態にし、輻射熱により該布材を焼成する焼成工程、及び
前記焼成工程で焼成された布材を冷却することにより製品を得る製品回収工程を備えることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に係る方法では、絹繊維(フィブロイン繊維)から成る布材を無酸素状態の焼成炉内で輻射熱により焼成する。これにより絹繊維が炭化し、布材が電磁波シールド性を獲得する。焼成条件(焼成炉内の雰囲気の組成、圧力、焼成温度、焼成時間等)は、絹繊維の主体であるフィブロイン繊維が焼成により所望の炭化状態を呈するようになるように決定される。布材は織布でも不織布でもよい。焼成炉としては電気炉が好適に利用できる。
【0006】
絹繊維の原料である繭糸はフィブロイン繊維の表面をセシリンが膜状に被覆した構造を有している。布材の作成においてセシリンが完全に除去されずに残留すると、そのセシリンが焼成工程においてガス化し、焼成炉に備えられた吸気装置の通気口等に付着して目詰まりを起こしたり、焼成炉の内壁面に付着する等の問題を発生させるおそれがある。このような問題を考慮し、本発明では、酵素で精錬処理を行った絹繊維から成る布材を使用している。酵素による絹繊維の精錬処理ではフィブロイン繊維を被覆しているセシリンが完全に除去される。
【0007】
また、上記精錬処理は、布材を構成する絹繊維に付着する不純物の除去にも有効である。
【0008】
絹繊維から成る布材の作成には、例えば特許第2690070号公報に記載の技術を利用するとよい。この公報には、安価に入手可能ないわゆる三角真綿を利用して絹不織布を作成する方法が開示されている。この方法では、まず、3.5cm〜5.0cmの四角形に裁断された三角真綿を酵素で精錬処理することによりフィブロイン繊維を主体とする絹繊維を得る。精錬処理後の絹繊維は硬い板状を呈している。この板状の絹繊維を紡毛カードで櫛梳開繊することにより絹繊維のシート状物が得られる。この櫛梳開繊処理は、絹繊維をシート状に成形することの他、自然の産物である三角真綿に付着又は混入している異物を除去することも目的としている。こうして得られた絹繊維のシート状物は繊維方向が一方向に揃っており、繊維の長手方向における引っ張り強度は大であるが、それに直交する方向における引っ張り強度は小さい。そこで、複数のシート状物をその繊維方向を異ならせて積層し、ニードリングにより繊維を絡み合わせることにより、各方向に強度の均一な一枚の不織布を得る。積層するシート状物の枚数を変えることにより、様々な目付の不織布を得ることができる。こうして得られた不織布を本発明の布材として利用する。この布材では、隣接する2枚のシート状物の間に境界面が形成されており、これが電磁波シールド(反射)効果を高めている。
【0009】
また、布材を有酸素雰囲気で高温焼成すると、布材が燃焼してしまったり、たとえ燃焼しなくても、得られる製品が所望の状態(固体)ではなく粉状又はタール状になってしまう。この問題を考慮し、本発明では、焼成炉内を無酸素状態にして布材を焼成する。無酸素状態は、例えば真空ポンプで焼成炉内の空気を除去することにより達成することができる。焼成温度及び焼成時間は、焼成炉の構成、焼成対象とする布材の量、形状、寸法等を考慮して決定する。
【0010】
焼成工程において布材を一気に高温で焼成すると、布材を構成する繊維が激しく損傷する。このことを考慮し、本発明の好ましい形態においては、前記焼成工程は
第一の温度で布材の焼成を行う第一焼成工程、
前記第一焼成工程で焼成された布材を冷却する冷却工程、及び
前記第一の温度よりも高い第二の温度で布材の焼成を行う第二焼成工程
を含む。第一の温度及び第二の温度は、絹繊維を構成するアミノ酸の分解温度及び溶解温度を目安として設定する。このように布材を2段階で焼成することにより、より品質の安定した製品が得られる。
【0011】
また、本発明の好ましい形態においては、前記製品回収工程で得られた電磁波シールド材をフッ素ガス雰囲気(温度100〜150℃。好ましくは120〜130℃)中に通すフッ素処理工程を更に設ける。これにより製品の強度が高められる。なお、好ましくはこのフッ素処理工程は2回行うようにする。
【0012】
【発明の効果】
本発明に係る電磁波シールド材の製造方法は、炭素繊維布材の表面に金属等の導電性物質を定着させたり炭素繊維と他の導電性繊維とを混合して布材を織成する従来の方法とは異なり、炭素繊維以外の導電性物質又は材料を必要としないため、生産設備の簡素化が図れる。また、本発明に係る方法で得られる電磁波シールド材は炭素繊維から成るシート状製品であるため、柔軟性に富み、加工性に優れている。
【0013】
【実施例】
以下のような手順で電磁波シールド材を製造した。
【0014】
(第一工程) 特許第2690070号公報に記載の方法で三角真綿から絹不織布(目付100〜200g/m2)を作成した。
(第二工程) 第一工程で得られた絹不織布を中外炉工業株式会社製の電気炉内に80%の体積量で積層し、炉内の気圧0.03Torr、温度350〜450℃という焼成条件で1時間、輻射熱による焼成を行った。
(第三工程) 第二工程の後、炉の内壁に油を吹き付けることにより炉内温度を下げ、絹不織布を十分に冷却した。
(第四工程) 第三工程の後、気圧0.03Torr、温度1000〜1200℃という焼成条件で1時間30分、輻射熱による二度目の焼成を行った。
(第五工程) 第四工程を経た絹不織布を自然放熱により冷却し、電磁波シールド材の製品を得た。
【0015】
上記のようにして得られた製品を用いて、通電性テスト、電磁波シールド効果のテストを行った。シールド対象とする電磁波は主として、日常生活で発生する電磁波、例えばテレビ、ラジオ、携帯電話、リモコン、コンピュータ等の電気機器から発生する電磁波を対象とした。これらのテストの結果、上記製品の通電性及び電磁波シールド効果は、十分に実用化可能な程度のものであることが確認できた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波シールド材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
布状又はシート状の電磁波シールド材として特開昭61−35599号公報に記載のものが知られている。この電磁波シールド材は、炭素繊維又は活性炭繊維の表面に金属を溶射した導電性シートから成るものあって、炭素と金属それぞれの電磁波シールド効果を兼ね備えているばかりではなく、非常に薄いものも容易に形成でき、しかも種々の形状に加工でき、製造方法も簡単であり大量生産に適するとされている(同公報の特許請求の範囲(1)、第2頁左下欄第1〜10行)。この電磁波シールド材に用いられる炭素繊維の例としては、フェノール系ノボラック繊維布(700μm厚)を不活性ガス雰囲気下で炭化して成る炭素繊維布(目付90g/m2)が挙げられている(同公報の第2頁左下欄第12〜14行)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記電磁波シールド材では、炭素繊維布による電磁波シールド効果の不足を補うために、その布の表面に金属層を形成しているものと考えられる。しかし、炭素繊維布自体の電磁波シールド効果を十分に高くすることができれば、更に金属層を形成する必要がなくなるため、生産設備の簡素化及び生産コストの低減を行う上で有利である。本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、大規模な生産設備を用いることなく、加工性に優れた炭素繊維製の電磁波シールド材を製造する方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る電磁波シールド材の製造方法は、
酵素で精錬処理された絹繊維から成る布材を作成する布材作成工程、
前記布材を焼成炉に入れ、該焼成炉の内部を無酸素状態にし、輻射熱により該布材を焼成する焼成工程、及び
前記焼成工程で焼成された布材を冷却することにより製品を得る製品回収工程を備えることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に係る方法では、絹繊維(フィブロイン繊維)から成る布材を無酸素状態の焼成炉内で輻射熱により焼成する。これにより絹繊維が炭化し、布材が電磁波シールド性を獲得する。焼成条件(焼成炉内の雰囲気の組成、圧力、焼成温度、焼成時間等)は、絹繊維の主体であるフィブロイン繊維が焼成により所望の炭化状態を呈するようになるように決定される。布材は織布でも不織布でもよい。焼成炉としては電気炉が好適に利用できる。
【0006】
絹繊維の原料である繭糸はフィブロイン繊維の表面をセシリンが膜状に被覆した構造を有している。布材の作成においてセシリンが完全に除去されずに残留すると、そのセシリンが焼成工程においてガス化し、焼成炉に備えられた吸気装置の通気口等に付着して目詰まりを起こしたり、焼成炉の内壁面に付着する等の問題を発生させるおそれがある。このような問題を考慮し、本発明では、酵素で精錬処理を行った絹繊維から成る布材を使用している。酵素による絹繊維の精錬処理ではフィブロイン繊維を被覆しているセシリンが完全に除去される。
【0007】
また、上記精錬処理は、布材を構成する絹繊維に付着する不純物の除去にも有効である。
【0008】
絹繊維から成る布材の作成には、例えば特許第2690070号公報に記載の技術を利用するとよい。この公報には、安価に入手可能ないわゆる三角真綿を利用して絹不織布を作成する方法が開示されている。この方法では、まず、3.5cm〜5.0cmの四角形に裁断された三角真綿を酵素で精錬処理することによりフィブロイン繊維を主体とする絹繊維を得る。精錬処理後の絹繊維は硬い板状を呈している。この板状の絹繊維を紡毛カードで櫛梳開繊することにより絹繊維のシート状物が得られる。この櫛梳開繊処理は、絹繊維をシート状に成形することの他、自然の産物である三角真綿に付着又は混入している異物を除去することも目的としている。こうして得られた絹繊維のシート状物は繊維方向が一方向に揃っており、繊維の長手方向における引っ張り強度は大であるが、それに直交する方向における引っ張り強度は小さい。そこで、複数のシート状物をその繊維方向を異ならせて積層し、ニードリングにより繊維を絡み合わせることにより、各方向に強度の均一な一枚の不織布を得る。積層するシート状物の枚数を変えることにより、様々な目付の不織布を得ることができる。こうして得られた不織布を本発明の布材として利用する。この布材では、隣接する2枚のシート状物の間に境界面が形成されており、これが電磁波シールド(反射)効果を高めている。
【0009】
また、布材を有酸素雰囲気で高温焼成すると、布材が燃焼してしまったり、たとえ燃焼しなくても、得られる製品が所望の状態(固体)ではなく粉状又はタール状になってしまう。この問題を考慮し、本発明では、焼成炉内を無酸素状態にして布材を焼成する。無酸素状態は、例えば真空ポンプで焼成炉内の空気を除去することにより達成することができる。焼成温度及び焼成時間は、焼成炉の構成、焼成対象とする布材の量、形状、寸法等を考慮して決定する。
【0010】
焼成工程において布材を一気に高温で焼成すると、布材を構成する繊維が激しく損傷する。このことを考慮し、本発明の好ましい形態においては、前記焼成工程は
第一の温度で布材の焼成を行う第一焼成工程、
前記第一焼成工程で焼成された布材を冷却する冷却工程、及び
前記第一の温度よりも高い第二の温度で布材の焼成を行う第二焼成工程
を含む。第一の温度及び第二の温度は、絹繊維を構成するアミノ酸の分解温度及び溶解温度を目安として設定する。このように布材を2段階で焼成することにより、より品質の安定した製品が得られる。
【0011】
また、本発明の好ましい形態においては、前記製品回収工程で得られた電磁波シールド材をフッ素ガス雰囲気(温度100〜150℃。好ましくは120〜130℃)中に通すフッ素処理工程を更に設ける。これにより製品の強度が高められる。なお、好ましくはこのフッ素処理工程は2回行うようにする。
【0012】
【発明の効果】
本発明に係る電磁波シールド材の製造方法は、炭素繊維布材の表面に金属等の導電性物質を定着させたり炭素繊維と他の導電性繊維とを混合して布材を織成する従来の方法とは異なり、炭素繊維以外の導電性物質又は材料を必要としないため、生産設備の簡素化が図れる。また、本発明に係る方法で得られる電磁波シールド材は炭素繊維から成るシート状製品であるため、柔軟性に富み、加工性に優れている。
【0013】
【実施例】
以下のような手順で電磁波シールド材を製造した。
【0014】
(第一工程) 特許第2690070号公報に記載の方法で三角真綿から絹不織布(目付100〜200g/m2)を作成した。
(第二工程) 第一工程で得られた絹不織布を中外炉工業株式会社製の電気炉内に80%の体積量で積層し、炉内の気圧0.03Torr、温度350〜450℃という焼成条件で1時間、輻射熱による焼成を行った。
(第三工程) 第二工程の後、炉の内壁に油を吹き付けることにより炉内温度を下げ、絹不織布を十分に冷却した。
(第四工程) 第三工程の後、気圧0.03Torr、温度1000〜1200℃という焼成条件で1時間30分、輻射熱による二度目の焼成を行った。
(第五工程) 第四工程を経た絹不織布を自然放熱により冷却し、電磁波シールド材の製品を得た。
【0015】
上記のようにして得られた製品を用いて、通電性テスト、電磁波シールド効果のテストを行った。シールド対象とする電磁波は主として、日常生活で発生する電磁波、例えばテレビ、ラジオ、携帯電話、リモコン、コンピュータ等の電気機器から発生する電磁波を対象とした。これらのテストの結果、上記製品の通電性及び電磁波シールド効果は、十分に実用化可能な程度のものであることが確認できた。
Claims (3)
- 酵素で精錬処理された絹繊維から成る布材を作成する布材作成工程、
前記布材を焼成炉に入れ、該焼成炉の内部を無酸素状態にし、輻射熱により該布材を焼成する焼成工程であって、
第一の温度で前記布材の焼成を行う第一焼成工程、
前記第一焼成工程で焼成された布材を冷却する冷却工程、及び
前記第一の温度よりも高い第二の温度で布材の焼成を行う第二焼成工程
を含む焼成工程、並びに、
前記焼成工程で焼成された布材を冷却することにより製品を得る製品回収工程
を備えることを特徴とする電磁波シールド材の製造方法。 - 前記布材作成工程は、
絹繊維原料を酵素で精錬処理する工程、
精錬処理された絹繊維原料を櫛梳開繊してシート状物とする工程、及び
複数の前記シート状物を繊維方向を異ならせて積層し、ニードリングして成る絹不織布を前記布材として得る工程
を含むことを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド材の製造方法。 - 前記製品回収工程で得られた電磁波シールド材をフッ素ガス雰囲気中に通すフッ素処理工程を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波シールド材の製造方法。
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