JP3573865B2 - 光起電力装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光起電力装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光起電力装置は、実公平5−37481号公報に開示があるように、時計の文字盤として用いることによって、時計の電源としても使用されている。
【0003】
第8図は、この時計の文字盤として用いられる光起電力装置の平面図を示し、この製造工程を、以下に説明する。
【0004】
1は基板であり、その中心には時計の針の回転軸を通すための開穴1aが設けられている。A〜Dは基板1上に形成された複数の発電領域である。
【0005】
まず、 基板1に開けられた開穴1aを中心としてその周囲の基板1の絶縁表 面上に金属からなる第1電極層2a〜2dが分割配置される。これら第1電極層2a〜2dは、各々中心角が略90°の扇形の形を有し、これらは相互の間に所定間隔を隔てて全体として円形をなすように配置されている。更に、第1電極層2a〜2cの各々は、これらに隣接する発電領域B〜Dの外方に延在する接続部2ae、2be、2ceを有する。
【0006】
次に、基板1上において、発電領域毎に分割することなく半導体光活性層3が略円形に形成される。
【0007】
そして、半導体光活性層上に透明導電層からなる第2電極層4が発電領域毎に分割されることなく略円形に形成される。これら第2電極層4は、第1電極層2a、2b、2cの接続部2ae、2be、2ceと重合して電気接続するために隣接する発電領域B、C、Dから各々延出する接続部4be、4ce、4deを有している。
【0008】
次に、各発電領域間に位置する半導体光活性層3及び第2電極層4の積層体に、エネルギービームを照射することで分割溝5、5・・を形成し、発電領域A〜Dに対応した半導体光活性層3a〜3d、第2電極層4a〜4dに分割され、発電領域A〜Dが直列接続された光起電力装置が完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の略円形の半導体光活性層を形成するに際しては、半導体光活性層の形成時に、被着してはならないところを金属マスクで覆うマスキング法が用いれる。しかしながら、この金属マスクを用いたマスキング法には、次に示す問題等がある。
【0010】
▲1▼半導体光活性層の形成に際し、非晶質シリコンを成膜する場合には、シランなどのシリコン化合物雰囲気中でのグロ−放電により形成される。金属マスクを基板に装着してグロ−放電中に配置した場合、金属マスクに放電が集中し、金属マスクの近傍の被着部においては膜厚が小さくなる。つまり、マスク近傍の被着部ほど膜厚が徐々に小さくなる。従って、金属マスク近傍に被着した半導体光活性層においては、膜厚に応じた干渉色が縞状に発生し、製品の外観上問題がある。
【0011】
▲2▼半導体光活性層の形成時に、基板に対して半導体光活性層が被着すべき所定箇所を露出させた状態に装着する必要があり、正確な位置決めが要求されると共に、この繁雑な装着作業が必要とされるものである。そして、当然のことながら、マクス費用が必要である。
【0012】
▲3▼マスクが正確な位置に装着されたとしても、マスクと基板表面との間にわずかながらも隙間が形成されるため、この隙間に半導体材料が回り込み、発電領域における半導体光活性層の周辺部分に上記半導体材料が回り込むことにより、沁み出し部分が発生しパターン精度の低下を招く。この半導体材料の回り込みは半導体光活性層の形成時に加熱されたマスクが基板との熱膨張係数の差や熱歪みに基づき撓んだ際に大きくなる。この半導体光活性層の沁み出しが激しい場合は、接続部2ae、2be、2ceと接続部4be、4ce、4deとの各々の間に介在し、電気接続に支障をきたす。
【0013】
本発明はこのような問題点を解決するために成されたものであり、半導体光活性層のパタ−ニングに際して、従来のマスキング法の持つ欠点を解決しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の光起電力装置の製造方法は、
絶縁表面を有する基板上の隣接する発電領域の境界線上における前記発電領域の外側に開穴を設ける工程と、
前記発電領域から外側に向かって延出した延長部分を有する第1電極層を分割配置する工程と、
前記基板上のほぼ全面に半導体光活性層を設ける工程と、
隣接した前記発電領域の前記第1電極層の前記延長部分と電気接続するための延長部分を有する第2電極層を、前記各発電領域毎に分割することなく配置する工程と、
前記開穴を開始点又は終了点として、隣接する前記発電領域間にエネルギービームを照射する工程とからなることを特徴とする。
【0015】
【実施例】
以下に、本発明の光起電力装置の製造方法の一実施例を、図1〜5を用いて詳細に説明する。
【0016】
まず、図1において、点線で区分されたA〜Dは、後述する第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層の積層体で構成される発電領域である。そして、図1に示す工程において、基板10の隣接する発電領域間中央部、各領域の隣接境界線上における領域の外側に開穴11、12、13、14、15を設ける。中央部の開穴11は、この光起電力装置が時計用の電源として用いられるときは、時計の針の軸が通る開穴としても機能する。そして、基板10は、可撓性を有するステンレスやアルミニウム等の金属シートとこの上に形成されたポリイミド等の絶縁樹脂膜からなる基板、又は、ポリイミド等の樹脂からなるフィルムの基板であり、透光性でも、非透光性でもよい。
【0017】
次に、図2に示す工程において、発電領域A〜Dに対応した第1電極層20a〜20dが分割配置される。これら第1電極層20a〜20dは、各々中心角が略90°の扇形の形を有し、これらは相互の間に所定間隔を隔てて全体として円形をなすように配置されている。更に、第1電極層20a〜20cの各々は、これらに隣接する発電領域B〜Dの外方に延在する接続部20ae、20be、20ceを有し、また、第1電極層20dは、発電領域Dから外側に延出する出力延出部20deを有している。ここで、第1電極層20a〜20dは、厚さ約0.1〜1.0μmで、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅等の金属膜からなる。
【0018】
図3の工程において、基板10上の略全面に、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイド、アモルファスシリコンゲルマニウム等をpnまたはpinに積層した半導体光活性層30(厚さ約0.3〜1.0μm)を形成する。
【0019】
次に、図4に示すように、半導体光活性層30上に第2電極層40が発電領域毎に分割されることなく略円形に形成される。この第2電極層40は、第1電極層の接続部20ae、20be、20ceと半導体光活性層30を挟んで対向する電気接続するための接続部40be、40ce、40deを有し、発電領域Aに形成された第2電極層40は、この領域の外側に延出する出力端子40atを有している。更に、第1電極層20dの出力延出部20deと半導体光活性層30を挟んで対向して、第2電極層40と同一材料からなる島状の出力端子40dtが形成される。そして、第2電極層40は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(SnO2)等の透明導電膜(厚さ約0.3〜1.0 μm)からなる。
【0020】
図5に示す工程において、隣接する発電領域間に、各層の形成面側よりエネルギービームを照射することにより、各発電領域間に位置する第2電極層及び半導体光活性層を除去し、分割溝50、50・・を形成する。これら分割溝50、50・・によって、第2電極層40が、発電領域A〜D毎に、第2電極層40a〜40dに分割される。
【0021】
このエネルギービームの照射は、例えば、下方に位置する開穴12上より照射を開始し、上方向に直進して中央部の開穴11を通過して、上方に位置する開穴14にて、照射を終了する。また、横方向の照射に関しても、左方に位置する開穴13より照射を開始し、中央部の開穴11を通過して、右方の開穴15にて、照射を終了する。エネルギービームは、レーザビーム又は電子ビ−ム等が利用でき、レーザビームの場合は、波長1.06μmのYAGレーザ−又はこの第2高調波(0.53μm)レーザーを用いることができる。
【0022】
次に、このエネルギービームの照射を、開穴にて開始又は終了することの理由を説明する。図6は、図5におけるX−X線断面図であり、図に示されるように、エネルギービームの照射により、照射部分の半導体光活性層及び第2電極層の積層体が除去される一方、分割溝50の両側に半導体光活性層が照射の熱により微結晶化し、低抵抗化された領域31が形成される。ここで、図7は、本発明の開穴(図5においては開穴15)が設けられなかったときの問題点を説明する図である。図に示すように、分割溝50の両側に低抵抗化した微結晶層31が形成されると共に、エネルギービームの終端においても、端部微結晶層32が形成される。よって、分割された発電領域C、Dに対応する第2電極層40c、40dの間で、微結晶層31、32を介して電流が漏れ、出力特性(特に、開放電圧、フィルファクタ−)が低下する。一方、本発明においては、エネルギービームの終端部分において、開穴が設けられていることより、端部微結晶層32が形成されることなく、従って低抵抗化した導通路が形成されず、電流が漏れることはない。また、エネルギービームの照射開始点についても、同様の問題が発生し、本発明では開始点においても開穴を設けることにより、この問題を解決している。
【0023】
本実施例においては、各層の形成に先立ち、開穴を基板に設けているが、これに代わって、各層形成後又はどの工程の後においても、開穴を設けることにより上記問題点を解決できる。
【0024】
また、図5に示す工程において、第2電極層の接続部40be、40ce、40de、出力端子40dt上より、エネルギービームを照射することにより、各々が対向する第1電極層と溶着され、直列接続部60ab、60bc、60cd、出力電気接続部60dtが形成される。これにより、発電領域A〜Dが直列接続され、出力が出力端子40at、40dtより取り出される。更に、別の方法としては、開穴11を中心にして、接続部40be、40ce、40de、出力端子40dtが存在する円周上に、パルスレーザを照射することによって、円周上全体に点在する照射点を形成する。これにより、接続部40be、40ce、40de、出力端子40dt上の照射点のみが、電気接続部として機能し電気接続ができる。また、上記工程に代わって、第1電極層上に半導体光活性層を形成後、エネルギービームを照射して半導体光活性層を除去して、第1電極層を露出させ、ここに透明導電膜を形成して、電気接続部を形成してもよい。
【0025】
更には、上記実施例においては、第2電極層40a〜40dを透明として、この側より光を入射しているが、第1電極層20a〜20dと基板10とを透明として、この側より光を入射させてもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明の光起電力装置の製造方法は、以上の構成であり、半導体光活性層を金属マスクを用いることなく基板上全面に形成する方法なので、金属マスクを用いることの問題点を解決することができる。更に、隣接する発電領域の境界線上における発電領域の外側に開穴を設け、隣接する発電領域間にこの開穴を開始点又は終了点としてエネルギービームを照射して各発電領域に分割しているので、各発電領域が不所望に導通することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における第1工程を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施例における第2工程を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例における第3工程を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施例における第4工程を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施例における第5工程を示す平面図である。
【図6】図5のX−X線断面図である。
【図7】本発明の開穴が設けられなかったときの問題点を説明する要部平面図である。
【図8】従来の光起電力装置を示す平面図である。
【符号の説明】
10 基板
11、12、13、14、15 開穴
20a〜20d 第1電極層
20ae、20be、20ce 延長部
30 半導体光活性層
40a〜40d 第2電極層
40be、40ce、40de 延長部
50 分割溝
【産業上の利用分野】
本発明は、光起電力装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光起電力装置は、実公平5−37481号公報に開示があるように、時計の文字盤として用いることによって、時計の電源としても使用されている。
【0003】
第8図は、この時計の文字盤として用いられる光起電力装置の平面図を示し、この製造工程を、以下に説明する。
【0004】
1は基板であり、その中心には時計の針の回転軸を通すための開穴1aが設けられている。A〜Dは基板1上に形成された複数の発電領域である。
【0005】
まず、 基板1に開けられた開穴1aを中心としてその周囲の基板1の絶縁表 面上に金属からなる第1電極層2a〜2dが分割配置される。これら第1電極層2a〜2dは、各々中心角が略90°の扇形の形を有し、これらは相互の間に所定間隔を隔てて全体として円形をなすように配置されている。更に、第1電極層2a〜2cの各々は、これらに隣接する発電領域B〜Dの外方に延在する接続部2ae、2be、2ceを有する。
【0006】
次に、基板1上において、発電領域毎に分割することなく半導体光活性層3が略円形に形成される。
【0007】
そして、半導体光活性層上に透明導電層からなる第2電極層4が発電領域毎に分割されることなく略円形に形成される。これら第2電極層4は、第1電極層2a、2b、2cの接続部2ae、2be、2ceと重合して電気接続するために隣接する発電領域B、C、Dから各々延出する接続部4be、4ce、4deを有している。
【0008】
次に、各発電領域間に位置する半導体光活性層3及び第2電極層4の積層体に、エネルギービームを照射することで分割溝5、5・・を形成し、発電領域A〜Dに対応した半導体光活性層3a〜3d、第2電極層4a〜4dに分割され、発電領域A〜Dが直列接続された光起電力装置が完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記の略円形の半導体光活性層を形成するに際しては、半導体光活性層の形成時に、被着してはならないところを金属マスクで覆うマスキング法が用いれる。しかしながら、この金属マスクを用いたマスキング法には、次に示す問題等がある。
【0010】
▲1▼半導体光活性層の形成に際し、非晶質シリコンを成膜する場合には、シランなどのシリコン化合物雰囲気中でのグロ−放電により形成される。金属マスクを基板に装着してグロ−放電中に配置した場合、金属マスクに放電が集中し、金属マスクの近傍の被着部においては膜厚が小さくなる。つまり、マスク近傍の被着部ほど膜厚が徐々に小さくなる。従って、金属マスク近傍に被着した半導体光活性層においては、膜厚に応じた干渉色が縞状に発生し、製品の外観上問題がある。
【0011】
▲2▼半導体光活性層の形成時に、基板に対して半導体光活性層が被着すべき所定箇所を露出させた状態に装着する必要があり、正確な位置決めが要求されると共に、この繁雑な装着作業が必要とされるものである。そして、当然のことながら、マクス費用が必要である。
【0012】
▲3▼マスクが正確な位置に装着されたとしても、マスクと基板表面との間にわずかながらも隙間が形成されるため、この隙間に半導体材料が回り込み、発電領域における半導体光活性層の周辺部分に上記半導体材料が回り込むことにより、沁み出し部分が発生しパターン精度の低下を招く。この半導体材料の回り込みは半導体光活性層の形成時に加熱されたマスクが基板との熱膨張係数の差や熱歪みに基づき撓んだ際に大きくなる。この半導体光活性層の沁み出しが激しい場合は、接続部2ae、2be、2ceと接続部4be、4ce、4deとの各々の間に介在し、電気接続に支障をきたす。
【0013】
本発明はこのような問題点を解決するために成されたものであり、半導体光活性層のパタ−ニングに際して、従来のマスキング法の持つ欠点を解決しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の光起電力装置の製造方法は、
絶縁表面を有する基板上の隣接する発電領域の境界線上における前記発電領域の外側に開穴を設ける工程と、
前記発電領域から外側に向かって延出した延長部分を有する第1電極層を分割配置する工程と、
前記基板上のほぼ全面に半導体光活性層を設ける工程と、
隣接した前記発電領域の前記第1電極層の前記延長部分と電気接続するための延長部分を有する第2電極層を、前記各発電領域毎に分割することなく配置する工程と、
前記開穴を開始点又は終了点として、隣接する前記発電領域間にエネルギービームを照射する工程とからなることを特徴とする。
【0015】
【実施例】
以下に、本発明の光起電力装置の製造方法の一実施例を、図1〜5を用いて詳細に説明する。
【0016】
まず、図1において、点線で区分されたA〜Dは、後述する第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層の積層体で構成される発電領域である。そして、図1に示す工程において、基板10の隣接する発電領域間中央部、各領域の隣接境界線上における領域の外側に開穴11、12、13、14、15を設ける。中央部の開穴11は、この光起電力装置が時計用の電源として用いられるときは、時計の針の軸が通る開穴としても機能する。そして、基板10は、可撓性を有するステンレスやアルミニウム等の金属シートとこの上に形成されたポリイミド等の絶縁樹脂膜からなる基板、又は、ポリイミド等の樹脂からなるフィルムの基板であり、透光性でも、非透光性でもよい。
【0017】
次に、図2に示す工程において、発電領域A〜Dに対応した第1電極層20a〜20dが分割配置される。これら第1電極層20a〜20dは、各々中心角が略90°の扇形の形を有し、これらは相互の間に所定間隔を隔てて全体として円形をなすように配置されている。更に、第1電極層20a〜20cの各々は、これらに隣接する発電領域B〜Dの外方に延在する接続部20ae、20be、20ceを有し、また、第1電極層20dは、発電領域Dから外側に延出する出力延出部20deを有している。ここで、第1電極層20a〜20dは、厚さ約0.1〜1.0μmで、アルミニウム、チタン、ニッケル、銅等の金属膜からなる。
【0018】
図3の工程において、基板10上の略全面に、アモルファスシリコン、アモルファスシリコンカーバイド、アモルファスシリコンゲルマニウム等をpnまたはpinに積層した半導体光活性層30(厚さ約0.3〜1.0μm)を形成する。
【0019】
次に、図4に示すように、半導体光活性層30上に第2電極層40が発電領域毎に分割されることなく略円形に形成される。この第2電極層40は、第1電極層の接続部20ae、20be、20ceと半導体光活性層30を挟んで対向する電気接続するための接続部40be、40ce、40deを有し、発電領域Aに形成された第2電極層40は、この領域の外側に延出する出力端子40atを有している。更に、第1電極層20dの出力延出部20deと半導体光活性層30を挟んで対向して、第2電極層40と同一材料からなる島状の出力端子40dtが形成される。そして、第2電極層40は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(SnO2)等の透明導電膜(厚さ約0.3〜1.0 μm)からなる。
【0020】
図5に示す工程において、隣接する発電領域間に、各層の形成面側よりエネルギービームを照射することにより、各発電領域間に位置する第2電極層及び半導体光活性層を除去し、分割溝50、50・・を形成する。これら分割溝50、50・・によって、第2電極層40が、発電領域A〜D毎に、第2電極層40a〜40dに分割される。
【0021】
このエネルギービームの照射は、例えば、下方に位置する開穴12上より照射を開始し、上方向に直進して中央部の開穴11を通過して、上方に位置する開穴14にて、照射を終了する。また、横方向の照射に関しても、左方に位置する開穴13より照射を開始し、中央部の開穴11を通過して、右方の開穴15にて、照射を終了する。エネルギービームは、レーザビーム又は電子ビ−ム等が利用でき、レーザビームの場合は、波長1.06μmのYAGレーザ−又はこの第2高調波(0.53μm)レーザーを用いることができる。
【0022】
次に、このエネルギービームの照射を、開穴にて開始又は終了することの理由を説明する。図6は、図5におけるX−X線断面図であり、図に示されるように、エネルギービームの照射により、照射部分の半導体光活性層及び第2電極層の積層体が除去される一方、分割溝50の両側に半導体光活性層が照射の熱により微結晶化し、低抵抗化された領域31が形成される。ここで、図7は、本発明の開穴(図5においては開穴15)が設けられなかったときの問題点を説明する図である。図に示すように、分割溝50の両側に低抵抗化した微結晶層31が形成されると共に、エネルギービームの終端においても、端部微結晶層32が形成される。よって、分割された発電領域C、Dに対応する第2電極層40c、40dの間で、微結晶層31、32を介して電流が漏れ、出力特性(特に、開放電圧、フィルファクタ−)が低下する。一方、本発明においては、エネルギービームの終端部分において、開穴が設けられていることより、端部微結晶層32が形成されることなく、従って低抵抗化した導通路が形成されず、電流が漏れることはない。また、エネルギービームの照射開始点についても、同様の問題が発生し、本発明では開始点においても開穴を設けることにより、この問題を解決している。
【0023】
本実施例においては、各層の形成に先立ち、開穴を基板に設けているが、これに代わって、各層形成後又はどの工程の後においても、開穴を設けることにより上記問題点を解決できる。
【0024】
また、図5に示す工程において、第2電極層の接続部40be、40ce、40de、出力端子40dt上より、エネルギービームを照射することにより、各々が対向する第1電極層と溶着され、直列接続部60ab、60bc、60cd、出力電気接続部60dtが形成される。これにより、発電領域A〜Dが直列接続され、出力が出力端子40at、40dtより取り出される。更に、別の方法としては、開穴11を中心にして、接続部40be、40ce、40de、出力端子40dtが存在する円周上に、パルスレーザを照射することによって、円周上全体に点在する照射点を形成する。これにより、接続部40be、40ce、40de、出力端子40dt上の照射点のみが、電気接続部として機能し電気接続ができる。また、上記工程に代わって、第1電極層上に半導体光活性層を形成後、エネルギービームを照射して半導体光活性層を除去して、第1電極層を露出させ、ここに透明導電膜を形成して、電気接続部を形成してもよい。
【0025】
更には、上記実施例においては、第2電極層40a〜40dを透明として、この側より光を入射しているが、第1電極層20a〜20dと基板10とを透明として、この側より光を入射させてもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明の光起電力装置の製造方法は、以上の構成であり、半導体光活性層を金属マスクを用いることなく基板上全面に形成する方法なので、金属マスクを用いることの問題点を解決することができる。更に、隣接する発電領域の境界線上における発電領域の外側に開穴を設け、隣接する発電領域間にこの開穴を開始点又は終了点としてエネルギービームを照射して各発電領域に分割しているので、各発電領域が不所望に導通することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における第1工程を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施例における第2工程を示す平面図である。
【図3】本発明の一実施例における第3工程を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施例における第4工程を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施例における第5工程を示す平面図である。
【図6】図5のX−X線断面図である。
【図7】本発明の開穴が設けられなかったときの問題点を説明する要部平面図である。
【図8】従来の光起電力装置を示す平面図である。
【符号の説明】
10 基板
11、12、13、14、15 開穴
20a〜20d 第1電極層
20ae、20be、20ce 延長部
30 半導体光活性層
40a〜40d 第2電極層
40be、40ce、40de 延長部
50 分割溝
Claims (3)
- 絶縁表面を有する基板上の隣接する発電領域の境界線上における前記発電領域の外側に開穴を設ける工程と、
前記発電領域から外側に向かって延出した延長部分を有する第1電極層を分割配置する工程と、
前記基板上のほぼ全面に半導体光活性層を設ける工程と、
隣接した前記発電領域の前記第1電極層の前記延長部分と電気接続するための延長部分を有する第2電極層を、前記各発電領域毎に分割することなく配置する工程と、
前記開穴を開始点又は終了点として、隣接する前記発電領域間にエネルギービームを照射する工程とからなることを特徴とする光起電力装置の製造方法。 - 絶縁表面を有する基板上に、第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層を積層してなる複数の発電領域を有し、これら発電領域は全体としては略円形と成すと共に、前記円形の中心点を通る直線にて前記発電領域が分割されるものであり、これら複数の発電領域を直列接続した光起電力装置の製造方法であって、
前記発電領域の外側に位置して、前記直線上において前記中心点が間に位置するように一対の開穴を設ける工程と、
前記発電領域から外側に向かって延出した延長部分を有する第1電極層を分割配置する工程と、
前記基板上のほぼ全面に半導体光活性層を設ける工程と、
隣接した前記発電領域の前記第1電極層の前記延長部分と電気接続するための延長部分を有する第2電極層を、前記各発電領域毎に分割することなく配置する工程と、
前記一対の開穴の一方を開始点とし他方を終了点として、エネルギービームを直線的に照射する工程とからなることを特徴とする光起電力装置の製造方法。 - 絶縁表面を有する基板上に、第1電極層、半導体光活性層及び第2電極層を積層してなる4つの発電領域を有し、前記基板上の点で直交する2つの直線にて前記4つの発電領域が隣接する順番に第1、第2、第3及び第4発電領域に区分されるものであり、これら4つの発電領域を直列接続した光起電力装置の製造方法であって、
前記発電領域の外側に位置して、前記各直線上において前記中心点が間に位置するように一対の開穴を設ける工程と、
前記第1、第2及び第3発電領域では各々の発電領域から外側に向かって延出した延長部分を有する第1電極層と、前記第4発電領域では該領域の部分からなる第1電極層を分割配置する工程と、
前記基板上のほぼ全面に半導体光活性層を設ける工程と、
前記第1、第2及び第3発電領域の延長部分と前記半導体光活性層を挟んで対向する電気接続するための前記第2、第3及び第4発電領域から各々延出する延長部分を有する第2電極層を、前記半導体光活性層上において、前記各発電領域毎に分割することなく形成する工程と、
前記一対の開穴の一方を開始点とし他方を終了点として、エネルギービームを直線的に照射する工程とからなることを特徴とする光起電力装置の製造方法。
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