JP3573851B2 - 追い焚き機能付き給湯機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、台所や浴室の蛇口やシャワー等の給湯部に温水を供給するとともに、浴室に設置されている浴槽内の風呂水を循環させつつ加熱することにより、この風呂水の再加熱を行う追い焚き機能を備えた給湯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、追い焚き機能を備えた給湯機の一例として、単一の熱交換器内に、給湯用の温水供給管路に接続された給湯用伝熱管と、風呂水を循環させる風呂水循環管路に接続された風呂水用伝熱管とを配設しておき、これらの両伝熱管を単一のバーナによって加熱することにより、給湯用水の加熱と風呂水の加熱とを行わせるようにした構成が知られている。
【0003】
一方、風呂水の追い焚きを行う場合、風呂水を設定温度まで加熱するために、従来の給湯機においては、浴槽から熱交換器へ至る間の風呂水循環管路に温度センサを設けておき、この温度センサによって、前記浴槽から熱交換器へ送り込まれる風呂水の温度を検出し、その検出結果を設定温度との比較に基づきバーナの燃焼状態や風呂水循環管路内の風呂水の流量を制御することにより、風呂水に与える熱量を制御して、その温度を漸次前記設定値へ近づけるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の給湯機においては、つぎのような改善すべき問題点が残されている。
【0005】
すなわち、追い焚き時における風呂水の温度管理を、浴槽から熱交換器に流れ込む風呂水温度を検出することによって行っているが、熱交換器から浴槽へ供給される再加熱された風呂水の温度が把握されていないことから、過度に加熱された風呂水が浴槽へ供給されてしまうことが想定されるといった問題点である。
【0006】
特に、単一のバーナと熱交換器によって給湯と追い焚きとを行わせるようにした熱交換器においては、給湯用伝熱管と風呂水用伝熱管とが同一の熱交換器内に設置されていることから、給湯用伝熱管内に蓄積されている熱が風呂水用伝熱管内の風呂水に伝わり、かつ、その熱伝達量が前記給湯用伝熱管に蓄積されている熱量によって変動することから、浴槽に供給される再加熱された風呂水が必要以上に加熱されてしまい易い。
【0007】
本発明は、前述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、追い焚き時において、浴槽に過度に加熱された風呂水が供給されることを防止し得る追い焚き機能付き給湯機を提供することを解決すべき課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の追い焚き機能付き給湯機は、前述した課題を解決するために、バーナにて加熱される熱交換器と、この熱交換器に水を供給するとともに、加熱された温水を給湯部へ供給する温水供給管路と、前記熱交換器と浴槽との間に設けられ、風呂水循環ポンプを介して前記浴槽内の風呂水を熱交換器に循環させる風呂水循環管路とを備え、前記熱交換器が、前記温水供給管路の一部を構成する給湯用伝熱管と、前記風呂水循環管路一部を構成する風呂水用伝熱管との双方を有し、かつ、これらの給湯用伝熱管および風呂水用伝熱管が平行に接続されているとともに、前記温水供給管路の一部と前記風呂水循環管路の一部が平行に接続されている追い焚き機能付き給湯機において、前記風呂水循環管路は、前記熱交換器よりも上流側に配設されて浴槽から熱交換器に送り込まれる風呂水の温度を検出する第1の温度センサと、前記熱交換器よりも下流側に配設されて熱交換器から浴槽に送り込まれる風呂水の温度を検出する第2の温度センサとを有し、かつ、追い焚き時において、前記第1の温度センサの検出温度が、設定された追い焚き温度以上のときに前記バーナの燃焼を停止させ、前記第2の温度センサの検出温度が、設定された最高温度以上のときに前記バーナの燃焼を停止させるとともに前記風呂水循環ポンプの駆動を停止させるように制御する制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1および図2は、本実施形態に係わる追い焚き機能付き給湯機(以下、給湯機と略称する)の全体装置を示すもので、これらの図において符号1で示す給湯機は、矩形筒状のハウジング2と、このハウジング2の下部開口を閉塞するようにして取り付けられた底板3と、前記ハウジング2の上部開口を閉塞するようにして取り付けられた天板4と、前記底板3上に取り付けられた基台5と、この基台5上に設置された燃焼筒6と、この燃焼筒6上に連設された熱交換器7と、この熱交換器7の上部に取り付けられた消音器8と、前記燃焼筒6の側壁に取り付けられたガンタイプ石油バーナ等のバーナ9と、このバーナ9の下方で、前記基台5の側部において前記底板3に取り付けられて支持された風呂水循環用ポンプ10と、前記熱交換器7に給湯用水を送り込む給水管11と、前記熱交換器7において生成された給湯水を、後述する蛇口12やシャワーノズル13等の給湯部に供給する給湯管14と、風呂水を、後述する浴槽15から前記風呂水循環用ポンプ10を経て前記熱交換器7へ送り込む風呂水戻し管16と、前記熱交換器7において再加熱された風呂水を前記浴槽15へ送り込む風呂水供給管17と、前記風呂水戻し管16の途中に設置された第1の温度センサ18と、前記風呂水供給管17の途中に設置された第2の温度センサ19とによって概略構成されている。
【0012】
さらに詳述すれば、前記消音器8の下流側の端部には排気筒20が連設されており、この排気筒20が、前記天板4を貫通して外部に突出させられており、前記熱交換器7において熱交換を終えた燃焼ガスを排気ガスとして外部へ排出するようになされている。
【0013】
また、前記給水管11と給湯管14の途中には、前記給水管11から供給される水を前記給湯管14内を流れる給湯水へ混合させる温水混合弁21が設けられ、さらに、前記給湯管14の前記温水混合弁21よりも上流側には、給湯水温度を検出するための温度センサ22が取り付けられている。
【0014】
さらに、前記バーナ9には、燃焼用空気を送り込むための送風ファン23が取り付けられており、この送風ファン23には、前記天板4を貫通して外部へ突出させられた吸気筒24が接続されている。
【0015】
そして、前記風呂水戻し管16および風呂水供給管17は、図3に示すように、浴槽15の給排水部15aへ接続され、また、前記給湯管14は、同じく図3に示すように、台所や浴室等に設置されている蛇口12や、浴室に設置されているシャワーノズル13に接続され、さらに、前記各温度センサ18・19・22およびバーナ9は、給湯温度や追い焚き時の風呂水温度を制御するコントロールユニット25へ接続され、このコントロールユニット25には、浴室あるいは台所等に設置されているリモートコントローラ26が接続されており、このリモートコントローラ26において給湯や追い焚きの開始や停止ならびにこれらの温度設定を行うようになされている。
【0016】
一方、本実施形態においては、前記給水管11と給湯管14とによって温水供給管路が構成されているとともに、前記風呂水戻し管16と風呂水供給管17とによって風呂水循環管路が構成され、さらに、前記温水供給管路の途中で、前記給水管11と給湯管14との間、および、前記風呂水循環管路の途中で、風呂水戻し管16と風呂水供給管17との間には、前記熱交換器7の内部に設置される給湯用伝熱管27および風呂水用伝熱管28が設けられている。
【0017】
そして、本実施形態においては、前記各給湯用伝熱管27と風呂水用伝熱管28とが、図1に示すように、上下方向に積層された状態で接続され、また、前記風呂水戻し管16および給水管11の下流側の端部同士が上下方向に積層された状態で接続されているとともに、前記燃焼筒6の外周面に巻回されている。
【0018】
また、図1および図2において符号29は、前述した温水供給管路内、および、風呂水循環管路内を流れる水の流量を検出する流量センサを示す。
【0019】
ついで、このように構成された本実施形態の給湯機1の作用について、図3に基づき説明する。まず、給湯機能について説明する。
【0020】
給湯を行うためには、まず、リモートコントローラ26によって運転開始の指令を行った後に、給湯温度の設定を行う。この温度設定が完了した後に、蛇口12やシャワーノズル13からの出水が開始されると、温水供給管路内の水の流れが流量センサ29によって検出されて、その流量が所定量に至った時点で、コントロールユニット25からバーナ9へ点火指令が出力されてバーナ9が着火されるとともに、熱交換器7において、前記バーナ9の燃焼熱により給湯用伝熱管27内を流れる給湯用水が加熱され、給湯管14を経て蛇口12やシャワーノズル13へ供給される。
【0021】
そして、前記熱交換器7を経て給湯管14へ送り込まれる温水温度が、前記給湯管14に取り付けられている温度センサ22によって検出されるとともに、この検出温度が前記コントロールユニット25において、前記リモートコントローラ26によって設定された温度との比較がなされ、この比較に基づき、前記コントロールユニット25によるバーナ9の燃焼状態の制御がなされ、これによって前記蛇口12やシャワーノズル13から設定温度の給湯が行われる。
【0022】
また、このようなバーナ9の燃焼制御は、前記蛇口12やシャワーノズル13からの出水が停止させられた際に、前記バーナ9の燃焼が停止させられて待機状態となされ、さらに、給湯の運転指令が解除された時点で前述した待機状態も解除される。
【0023】
一方、追い焚きを行う場合には、リモートコントローラ26によって追い焚き温度の設定を行った後に、追い焚き開始の指令をコントロールユニット25へ出力する。
【0024】
これに伴って、前記コントロールユニット25から風呂水循環用ポンプ10へ駆動信号が出力されて、浴槽15内の風呂水が風呂水戻し管16によって熱交換器7へ導かれるとともに、この風呂水の流れが流量センサ30によって検出され、この流量センサ30において検出される流量が所定量となった時点で、前記コントロールユニット25からバーナ9へ点火指令が出力されてバーナ9が着火される。
【0025】
このようにしてバーナ9が着火されると、その燃焼熱によって熱交換器7内を流れる風呂水が加熱されるとともに、前記風呂水供給管17を経て前記浴槽15へと循環される。
【0026】
そして、前記浴槽15から熱交換器7へ送り込まれる風呂水の温度が、風呂水戻し管16に取り付けられている第1の温度センサ18によって検出されて、この検出温度と前記設定された追い焚き温度との比較がコントロールユニット25において行われるとともに、熱交換器7を経て浴槽15へ送り込まれる風呂水の温度が風呂水供給管17に設けられている第2の温度センサ19によって検出される。
【0027】
ここで、前記第1の温度センサ18において検出された温度と設定された追い焚き温度との比較に基づき、これらの温度が一致するまで前記バーナ9の燃焼ならびに風呂水の循環が継続して行われ、一致した時点で、あるいは、リモートコントローラ26から追い焚き停止指令が出力された時点でバーナ9の燃焼が停止させられる。
【0028】
また、前記コントロールユニット25には、前記浴槽15へ送り込む風呂水の最高温度が設定されており、この設定された最高温度を超えた風呂水が熱交換器7から出湯された場合、その温度情報が前記第2の温度センサ19からコントロールユニット25へ出力されるとともに、この温度情報に基づき、前記コントロールユニット25からバーナ9へ停止信号が出力されて、このバーナ9の燃焼が停止されるとともに、前記風呂水循環用ポンプ10へ停止信号が出力されて、風呂水の循環が停止させられる。
【0029】
したがって、浴槽15内の風呂水の温度が、設定された追い焚き温度まで加熱されていない場合であっても、過度の温度まで加熱された風呂水が供給されようとした時点で、その供給動作が停止させられる。
【0030】
また、このようにして風呂水の供給が停止させられた場合において、リモートコントローラ26からの追い焚き停止指令がない場合には、前記第2の温度センサ19からの温度情報に基づき、熱交換器7からの出湯温度が設定値以下となったことを条件として再加熱操作が開始される。
【0031】
このように、本実施形態に係わる給湯機1においては、何等かの原因で、浴槽15へ供給される風呂水が過剰に加熱された場合においても、設定された上限値以上の温度の風呂水が浴槽15へ供給されるてしまうことが防止され、浴槽15へ供給される風呂水温度の制御が精度よく行われる。
【0032】
特に、前記実施形態に示したように、温水供給管路の加熱部と風呂水循環管路の加熱部とが、単一の熱交換器7内に併存させられた構成の給湯機1であって、高温水が供給される温水供給管路の熱的な影響が風呂水循環管路内の風呂水に大きく作用するような給湯機1においても、追い焚き動作時における温度管理が良好に行われる。
【0033】
ただし、このような構成の給湯機1においては、前記温水供給管路に蓄熱された熱量が適当である場合には、風呂水循環管路への熱的影響が、風呂水の予熱作用となって、給湯機1の熱効率が高められる利点がある。
【0034】
したがって、給湯機1の熱効率を高めつつ、追い焚き時の風呂水の温度管理が精度よく行われる。
【0035】
たとえば、前記風呂水供給管17から供給される風呂水温度を、設定される追い焚き温度と一致させることにより、設定された温度以上の風呂水が浴槽15へ供給されることがなく、また、設定される追い焚き温度に対して数度高めの温度に設定しておくことにより、供給される風呂水の温度に対する違和感を最小限度に抑えつつ追い焚き時間の短縮化を図ることも可能である。
【0036】
なお、前記実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、前記熱交換器が、前記温水供給管路の一部を構成する給湯用伝熱管と、前記風呂水循環管路一部を構成する風呂水用伝熱管との双方を有し、かつ、これらの給湯用伝熱管および風呂水用伝熱管が平行に接続されているとともに、前記温水供給管路の一部と前記風呂水循環管路の一部が平行に接続されている追い焚き機能付き給湯機において、前記風呂水循環管路は、前記熱交換器よりも上流側に配設されて浴槽から熱交換器に送り込まれる風呂水の温度を検出する第1の温度センサと、前記熱交換器よりも下流側に配設されて熱交換器から浴槽に送り込まれる風呂水の温度を検出する第2の温度センサとを有し、かつ、追い焚き時において、前記第1の温度センサの検出温度が、設定された追い焚き温度以上のときに前記バーナの燃焼を停止させ、前記第2の温度センサの検出温度が、設定された最高温度以上のときに前記バーナの燃焼を停止させるとともに前記循環ポンプの駆動を停止させるように制御する制御手段を備えた構成であるから、給湯用の温水の加熱と風呂水の加熱の双方を一つの熱交換器を用いて行うようにした追い焚き機能付き給湯機において、風呂水循環管路に温水供給管路の熱的影響が作用した場合でも、浴槽へ供給される風呂水の温度管理を確実に行うとともに、過度に加熱された風呂水が浴槽へ供給されてしまうことを防止できるのはもちろんのこと、第1の温度センサと第2の温度センサを、風呂水循環管路の熱交換器よりも上流側と下流側にそれぞれ設けたので、一方の温度センサが故障しても、他方の温度センサが働くため、危険状態には至らず、安全性が向上する。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる給湯機の縦断面正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる給湯機の縦断面側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる給湯機が適用された給湯システムのシステム構成図である。
【符号の説明】
1 給湯機
7 熱交換器
9 バーナ
10 風呂水循環用ポンプ
11 給水管(温水供給管路)
14 給湯管(温水供給管路)
15 浴槽
16 風呂水戻し管(風呂水循環管路)
17 風呂水供給管(風呂水循環管路)
18 第1の温度センサ
19 第2の温度センサ
25 コントロールユニット(制御手段)
26 リモートコントローラ
27 給湯用伝熱管
28 風呂水用伝熱管
Claims (1)
- バーナにて加熱される熱交換器と、この熱交換器に水を供給するとともに、加熱された温水を給湯部へ供給する温水供給管路と、前記熱交換器と浴槽との間に設けられ、風呂水循環ポンプを介して前記浴槽内の風呂水を熱交換器に循環させる風呂水循環管路とを備え、前記熱交換器が、前記温水供給管路の一部を構成する給湯用伝熱管と、前記風呂水循環管路一部を構成する風呂水用伝熱管との双方を有し、かつ、これらの給湯用伝熱管および風呂水用伝熱管が平行に接続されているとともに、前記温水供給管路の一部と前記風呂水循環管路の一部が平行に接続されている追い焚き機能付き給湯機において、
前記風呂水循環管路は、前記熱交換器よりも上流側に配設されて浴槽から熱交換器に送り込まれる風呂水の温度を検出する第1の温度センサと、前記熱交換器よりも下流側に配設されて熱交換器から浴槽に送り込まれる風呂水の温度を検出する第2の温度センサとを有し、
かつ、追い焚き時において、前記第1の温度センサの検出温度が、設定された追い焚き温度以上のときに前記バーナの燃焼を停止させ、前記第2の温度センサの検出温度が、設定された最高温度以上のときに前記バーナの燃焼を停止させるとともに前記循環ポンプの駆動を停止させるように制御する制御手段を備えたことを特徴とする追い焚き機能付き給湯機。
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JP29680695A JP3573851B2 (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 追い焚き機能付き給湯機 |
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JPH09137998A JPH09137998A (ja) | 1997-05-27 |
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Family Applications (1)
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-
1995
- 1995-11-15 JP JP29680695A patent/JP3573851B2/ja not_active Expired - Fee Related
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