JP3573764B2 - 帯電防止剤 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は帯電防止剤に関し、更に詳しくはビニルベンジルホスホニウム塩又はその重合体を有効成分とすることを特徴とする高分子材料用帯電防止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年,静電気障害を防止する方法はいろいろ提案されているが,多くの場合,帯電防止剤の使用によって解決が図られている。帯電防止剤は,その使用方法によって,外部用帯電防止剤と内部用帯電防止剤に大別される。
【0003】
外部用帯電防止剤は,外部から吹き付け,浸漬,塗布などの手段によって使用されるもので,ほとんどが水溶性の界面活性剤である。このため経日,洗浄などによって簡単に帯電防止効果がなくなるといった欠点ある。
【0004】
内部用帯電防止剤は,高分子材料中に添加剤を加えることによって使用されるものであるが,添加する材料としては界面活性剤を使用する方法と導電性微粒子を添加する方法とがある。
導電性微粒子としては金属粉やカ−ボン等が使用されているが,これら微粒子を均一に高分子材料中に分散させ導電性を得るにはかなりの量を添加する必要があり,高分子材料の物性が変化する恐れや透明なものが得にくい等の欠点がある。
【0005】
それに対して,帯電防止剤として用いられる界面活性剤は,アニオン系,カチオン系,非イオン系がある。その分子中に親水性部分と新油性部分が共存しているため,ある物質の内部に添加しても界面に浸出して出てくるという利点があり,多くの種類の中から適宜選択され,広く応用されている。
【0006】
しかしながら,アニオン系界面活性剤は,相溶性が悪く,均一分散が難しいことや加熱時に分解劣化を生じたりする。また,第4級アンモニウム基を有するカチン系界面活性剤は,帯電防止性には優れているが耐熱性が非常に悪く,極く限定された範囲でしか使用できない。さらに非イオン性界面活性剤は,すぐれた帯電防止性があるが,高分子材料への相溶性熱安定性の低下などの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記事実に鑑み、優れた帯電防止性と高い耐熱性を有した帯電防止剤を得るべく鋭意研究を行った結果、ビニルベンジルホスホニウム塩又は/及び該ビニルベンジルホスホニウム塩をモノマ−成分として少なくとも含有するポリマ−を有効成分とする帯電防止剤が優れた帯電防止性を示すという事実を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明が提供しようとする高分子材料用帯電防止剤は、下記の一般式(1)
【0009】
【化2】
(式中、R1 ,R2 およびR3 は、炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、アルキル基,アリール基およびアラルキル基はヒドロキシ基またはアルコキシ基で置換されていてもよい。X-はアニオンを示す。)で表されるビニルベンジルホスホニウム塩又は/及び該ビニルベンジルホスホニウム塩をモノマ−成分として少なくとも含有するポリマ−(以下,「ビニルベンジルホスホニウム化合物」という)を有効成分とすることを構成上の特徴とするものである。
【0010】
以下、本発明をさらに詳細に説明をする。
本発明に係る帯電防止剤は,前記に示すごとく,ビニルベンジルホスホニウム化合物を帯電防止作用の有効成分としてなるものであり,主に次に示す三つの態様として挙げられる。
【0011】
(1)上記ホスホニウム塩系帯電防止剤
(2)上記ホスホニウム塩をモノマ−成分として少なくとも含有するポリマ−を有効成分とする帯電防止剤
(3)上記ホスホニウム塩および該塩をモノマ−成分として少なくとも含有するポリマ−を有効成分とする帯電防止剤
【0012】
本発明に係るビニルベンジルホスホニウム化合物において,ビニルベンジルホシホニウム塩は下記の一般式(1)で示されるが,
【化3】
その式中、R1 〜R3 の具体例としては、メチル,エチル,ブチル,プロピル,ペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,ドデシル,イソプロピル等の炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル,トリル,キシリル等のアリール基;ベンジル,フェニチル等のアラルキル基;前記アルキル基,アリール基およびアラルキル基はヒドロキシ基またはアルコキシ基で置換されているものでもよい;等が挙げられる。好ましくは、アルキル基,アリール基である。また、R1 、R2 およびR3 は、同一の基でも又は異なっている基であってもよい。
【0013】
また、アニオン(X− )としては、例えばフッ素,塩素,臭素またはヨウ素等のハロゲンイオン、ギ酸,酢酸,シュウ酸等のカルボキシルイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、メチルまたはジメチルリン酸イオン、エチルまたはジエチルリン酸イオン、フッ化アンチモンイオン、フッ化リンイオン、フッ化ヒ素イオン、フッ化ホウ素イオン、過塩素酸イオン等が挙げられ、それらの中でもハロゲンイオンが好ましい。
【0014】
なお、X− が、フッ化アンチモンイオン、フッ化リンイオン、フッ化ヒ素イオン、フッ化ホウ素イオン、過塩素酸イオンである場合は、水不溶性となり、また溶解性の如何は、R1 〜R3 を変えることによっても変化する。
次に、一般式(1)で示されるビニルベンジルホスホニウム塩を更に具体的に示すと、例えば
トリエチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド,トリブチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド,トリフェニル−3−(および4)−4−ビニルベンジルホスホニウムクロライド,トリオクチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド,トリエチル−3−(および4)−4−ビニルベンジルホスホニウムブロマイド,トリエチル−3−(および4)−4−ビニルベンジルホスホニウムテトラフロロボレート,
を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
次に、一般式(1)で示されるホスホニウム塩をモノマーとして構成単位に含有するポリマーとしては、下記の一般式(2)
【化4】
(式中、R1 〜R3 ,X− は前記と同じものを示す。nは2以上の整数を示す。)
に示される、上記一般式(1)で示されるビニルベンジルホスホニウム塩のホモポリマー又は/及び上記ビニルベンジルホスホニウム塩と該塩と共重合可能な不飽和二重結合をもつ化合物との共重合体が挙げられる。
【0016】
前記一般式(2)に示されるポリマーの重合度は特に限定する必要はないけれども2以上で、多くの場合5以上、好ましくは10〜200の範囲である。
次に、一般式(1)で示されるビニルベンジルホスホニウム塩と共重合可能な不飽和二重結合をもつ化合物としては、例えばエチレン,プロピレン,ブチレン,イソブチレン,ジイソブチレン,塩化ビニル,塩化ビニリデン,臭化ビニル,(メタ)アクリル酸,(メタ)アクリル酸アルキルエステル,(メタ)アクリルアミド,ビニルアルコール,ビニル酢酸,アクリロニトリル,ビニルスルホン酸塩,N−ビニル−2−ピロリドン,マレイン酸,フマール酸,スチレン,ビニルトルエン,桂皮酸,ビニルチオフェン,ビニルピリジン又はビニルイミダゾールなどが代表的に挙げられ、これらは1種又は2種以上であってもよい。
【0017】
これらの不飽和二重結合をもつ化合物とビニルベンジルホスホニウム塩との共重合体の中におけるビニルベンジルホスホニウム塩の構造単位の割合は、通常1〜99モル%、好ましくは5〜50モル%が望ましい。また、不飽和二重結合をもつ化合物の構造単位の割合は、通常99〜1モル%、好ましくは95〜50モル%が望ましい。
【0018】
また、この共重合体における各構造単位の重合形態は様々であり、ランダム、ブロックおよびグラフトの何れであってもよい。
なお、かかる共重合体の重合度は特に限定する必要はないけれども、多くの場合5以上、好ましくは40〜200の範囲である。
【0019】
本発明に係る帯電防止剤は,ビニルベンジルホスホニウム化合物の物性の如何によって水溶性又は油溶性のいづれも採りうるもので,その使用にあっては,必要に応じて酸化防止剤,紫外線防止剤,耐候剤,ブロッキング防止剤,顔料,補強剤,滑剤や他の帯電防止剤を配合しても差し支えない。
【0020】
本発明に係る帯電防止剤を,高分子材料に付与する方法は,いかなる方法によってもよいが,例えばポリマ−製造時や加工時に上記帯電防止剤を直接,又はマスタ−チップの形として添加混合して用いることができる。これら内部添加法により好ましい帯電防止能を得るためには,成形物に対して本発明の帯電防止剤を0.1〜10重量%,好ましくは0.3〜5重量%が適当である。
【0021】
また,帯電防止能を付与する他の方法としては,本発明に係る帯電防止剤を含有する溶液,分散液,乳化液を浸漬法,スプレ−法,ロ−ラ−コ−ト法,グラビアコ−ト法等各種の手段で実施することが可能であり,さらに,増感剤を用い高圧水銀等で光グラフト重合反応をさせてポリマ−基材表面に帯電防止能を付与させることもできる。
【0022】
【実施例】
以下,実施例によって本発明をさらに説明をする。
【0023】
(1)ビニルベンジルホスホニウム化合物の合成
(i) 十分に,窒素置換したフラスコに,クロロメチルスチレン9.85重量部およびトリオクチルホスフィン10.88重量部を入れ、次いでn−ヘキサンを20容量部加えた。
フラスコ内の液温を25℃とし、24時間反応させて、白色結晶の生成物を得た。この結晶を濾過し、n−ヘキサンで十分洗浄を行った。得られた生成物を減圧、室温下で乾燥して、トリオクチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド(試料Aとする)8.84重量部を得た。
【0024】
(ii)トリオクチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド2.00重量部を水20容量部に溶解し、2,2−アゾビス−(2−アミノジプロパン)塩酸塩0.0367重量部を加えて脱気封管した。これを60℃で6時間放置して重合させた後、大過剰のテトラヒドロフランに注ぎ込み、析出する沈澱を濾過し、採取した。ポリトリオクチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド(試料Bとする)0.97重量部が得られた。
【0025】
(iii)トリブチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド2.00重量部を水20容量部に溶解し、2,2−アゾビス−(2−アミノジプロパン)塩酸塩0.0367重量部を加えて脱気封管した。これを60℃で6時間放置して重合させた後、大過剰のテトラヒドロフランに注ぎ込み、析出する沈澱を濾過し、採取した。ポリトリブチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド(試料Cとする)0.97重量部が得られた。
【0026】
(iv)トリブチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド1.50重量部とアクリルアミド0.31重量部をジメチルホルムアミド10重量部に溶解し、アゾビスイソブチロニトリル0.0181重量部を添加して脱気封管した。これを60℃で6時間放置して重合させた後、大過剰のアセトン中に注ぎ込み、析出する沈澱を濾過して採取すると、ポリ(トリブチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド:アクリルアミド)共重合体(試料Dとする)1.11重量部が得られた。
【0027】
(2)試験
上記の帯電防止剤(試料A〜D)をポリメチルメタクリレ−ト,ポリエチレン100重量部に対して表1に示す重量部を混合し,得られた樹脂組成物をホットプレスで成型し,厚さ2mmのシ−トを作成した。
表面固有抵抗は,23℃,相対湿度50%の条件下に保存したサンプルを,同じ条件下で超絶縁抵抗計で測定し,その結果を表1に示した。
【0028】
【0029】
【発明の効果】
本発明に係る帯電防止剤は,各種の合成樹脂やゴムに対し,体積固有抵抗を低下させて導電性を付与するので良好な帯電防止能を発揮させることができる。
また,本発明に係る帯電防止剤は,熱安定性が良いので樹脂やゴムの加工温度において分解することなく耐久性をもって,その効果を持続することができる。
さらに,このベンジルホスホニウム化合物は各種の菌種に対して強力な抗菌作用も有し帯電防止剤と共に抗菌剤としても機能する。
【産業上の利用分野】
本発明は帯電防止剤に関し、更に詳しくはビニルベンジルホスホニウム塩又はその重合体を有効成分とすることを特徴とする高分子材料用帯電防止剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年,静電気障害を防止する方法はいろいろ提案されているが,多くの場合,帯電防止剤の使用によって解決が図られている。帯電防止剤は,その使用方法によって,外部用帯電防止剤と内部用帯電防止剤に大別される。
【0003】
外部用帯電防止剤は,外部から吹き付け,浸漬,塗布などの手段によって使用されるもので,ほとんどが水溶性の界面活性剤である。このため経日,洗浄などによって簡単に帯電防止効果がなくなるといった欠点ある。
【0004】
内部用帯電防止剤は,高分子材料中に添加剤を加えることによって使用されるものであるが,添加する材料としては界面活性剤を使用する方法と導電性微粒子を添加する方法とがある。
導電性微粒子としては金属粉やカ−ボン等が使用されているが,これら微粒子を均一に高分子材料中に分散させ導電性を得るにはかなりの量を添加する必要があり,高分子材料の物性が変化する恐れや透明なものが得にくい等の欠点がある。
【0005】
それに対して,帯電防止剤として用いられる界面活性剤は,アニオン系,カチオン系,非イオン系がある。その分子中に親水性部分と新油性部分が共存しているため,ある物質の内部に添加しても界面に浸出して出てくるという利点があり,多くの種類の中から適宜選択され,広く応用されている。
【0006】
しかしながら,アニオン系界面活性剤は,相溶性が悪く,均一分散が難しいことや加熱時に分解劣化を生じたりする。また,第4級アンモニウム基を有するカチン系界面活性剤は,帯電防止性には優れているが耐熱性が非常に悪く,極く限定された範囲でしか使用できない。さらに非イオン性界面活性剤は,すぐれた帯電防止性があるが,高分子材料への相溶性熱安定性の低下などの問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記事実に鑑み、優れた帯電防止性と高い耐熱性を有した帯電防止剤を得るべく鋭意研究を行った結果、ビニルベンジルホスホニウム塩又は/及び該ビニルベンジルホスホニウム塩をモノマ−成分として少なくとも含有するポリマ−を有効成分とする帯電防止剤が優れた帯電防止性を示すという事実を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明が提供しようとする高分子材料用帯電防止剤は、下記の一般式(1)
【0009】
【化2】
(式中、R1 ,R2 およびR3 は、炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示し、アルキル基,アリール基およびアラルキル基はヒドロキシ基またはアルコキシ基で置換されていてもよい。X-はアニオンを示す。)で表されるビニルベンジルホスホニウム塩又は/及び該ビニルベンジルホスホニウム塩をモノマ−成分として少なくとも含有するポリマ−(以下,「ビニルベンジルホスホニウム化合物」という)を有効成分とすることを構成上の特徴とするものである。
【0010】
以下、本発明をさらに詳細に説明をする。
本発明に係る帯電防止剤は,前記に示すごとく,ビニルベンジルホスホニウム化合物を帯電防止作用の有効成分としてなるものであり,主に次に示す三つの態様として挙げられる。
【0011】
(1)上記ホスホニウム塩系帯電防止剤
(2)上記ホスホニウム塩をモノマ−成分として少なくとも含有するポリマ−を有効成分とする帯電防止剤
(3)上記ホスホニウム塩および該塩をモノマ−成分として少なくとも含有するポリマ−を有効成分とする帯電防止剤
【0012】
本発明に係るビニルベンジルホスホニウム化合物において,ビニルベンジルホシホニウム塩は下記の一般式(1)で示されるが,
【化3】
その式中、R1 〜R3 の具体例としては、メチル,エチル,ブチル,プロピル,ペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,ドデシル,イソプロピル等の炭素原子数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル,トリル,キシリル等のアリール基;ベンジル,フェニチル等のアラルキル基;前記アルキル基,アリール基およびアラルキル基はヒドロキシ基またはアルコキシ基で置換されているものでもよい;等が挙げられる。好ましくは、アルキル基,アリール基である。また、R1 、R2 およびR3 は、同一の基でも又は異なっている基であってもよい。
【0013】
また、アニオン(X− )としては、例えばフッ素,塩素,臭素またはヨウ素等のハロゲンイオン、ギ酸,酢酸,シュウ酸等のカルボキシルイオン、硫酸イオン、リン酸イオン、メチルまたはジメチルリン酸イオン、エチルまたはジエチルリン酸イオン、フッ化アンチモンイオン、フッ化リンイオン、フッ化ヒ素イオン、フッ化ホウ素イオン、過塩素酸イオン等が挙げられ、それらの中でもハロゲンイオンが好ましい。
【0014】
なお、X− が、フッ化アンチモンイオン、フッ化リンイオン、フッ化ヒ素イオン、フッ化ホウ素イオン、過塩素酸イオンである場合は、水不溶性となり、また溶解性の如何は、R1 〜R3 を変えることによっても変化する。
次に、一般式(1)で示されるビニルベンジルホスホニウム塩を更に具体的に示すと、例えば
トリエチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド,トリブチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド,トリフェニル−3−(および4)−4−ビニルベンジルホスホニウムクロライド,トリオクチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド,トリエチル−3−(および4)−4−ビニルベンジルホスホニウムブロマイド,トリエチル−3−(および4)−4−ビニルベンジルホスホニウムテトラフロロボレート,
を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0015】
次に、一般式(1)で示されるホスホニウム塩をモノマーとして構成単位に含有するポリマーとしては、下記の一般式(2)
【化4】
(式中、R1 〜R3 ,X− は前記と同じものを示す。nは2以上の整数を示す。)
に示される、上記一般式(1)で示されるビニルベンジルホスホニウム塩のホモポリマー又は/及び上記ビニルベンジルホスホニウム塩と該塩と共重合可能な不飽和二重結合をもつ化合物との共重合体が挙げられる。
【0016】
前記一般式(2)に示されるポリマーの重合度は特に限定する必要はないけれども2以上で、多くの場合5以上、好ましくは10〜200の範囲である。
次に、一般式(1)で示されるビニルベンジルホスホニウム塩と共重合可能な不飽和二重結合をもつ化合物としては、例えばエチレン,プロピレン,ブチレン,イソブチレン,ジイソブチレン,塩化ビニル,塩化ビニリデン,臭化ビニル,(メタ)アクリル酸,(メタ)アクリル酸アルキルエステル,(メタ)アクリルアミド,ビニルアルコール,ビニル酢酸,アクリロニトリル,ビニルスルホン酸塩,N−ビニル−2−ピロリドン,マレイン酸,フマール酸,スチレン,ビニルトルエン,桂皮酸,ビニルチオフェン,ビニルピリジン又はビニルイミダゾールなどが代表的に挙げられ、これらは1種又は2種以上であってもよい。
【0017】
これらの不飽和二重結合をもつ化合物とビニルベンジルホスホニウム塩との共重合体の中におけるビニルベンジルホスホニウム塩の構造単位の割合は、通常1〜99モル%、好ましくは5〜50モル%が望ましい。また、不飽和二重結合をもつ化合物の構造単位の割合は、通常99〜1モル%、好ましくは95〜50モル%が望ましい。
【0018】
また、この共重合体における各構造単位の重合形態は様々であり、ランダム、ブロックおよびグラフトの何れであってもよい。
なお、かかる共重合体の重合度は特に限定する必要はないけれども、多くの場合5以上、好ましくは40〜200の範囲である。
【0019】
本発明に係る帯電防止剤は,ビニルベンジルホスホニウム化合物の物性の如何によって水溶性又は油溶性のいづれも採りうるもので,その使用にあっては,必要に応じて酸化防止剤,紫外線防止剤,耐候剤,ブロッキング防止剤,顔料,補強剤,滑剤や他の帯電防止剤を配合しても差し支えない。
【0020】
本発明に係る帯電防止剤を,高分子材料に付与する方法は,いかなる方法によってもよいが,例えばポリマ−製造時や加工時に上記帯電防止剤を直接,又はマスタ−チップの形として添加混合して用いることができる。これら内部添加法により好ましい帯電防止能を得るためには,成形物に対して本発明の帯電防止剤を0.1〜10重量%,好ましくは0.3〜5重量%が適当である。
【0021】
また,帯電防止能を付与する他の方法としては,本発明に係る帯電防止剤を含有する溶液,分散液,乳化液を浸漬法,スプレ−法,ロ−ラ−コ−ト法,グラビアコ−ト法等各種の手段で実施することが可能であり,さらに,増感剤を用い高圧水銀等で光グラフト重合反応をさせてポリマ−基材表面に帯電防止能を付与させることもできる。
【0022】
【実施例】
以下,実施例によって本発明をさらに説明をする。
【0023】
(1)ビニルベンジルホスホニウム化合物の合成
(i) 十分に,窒素置換したフラスコに,クロロメチルスチレン9.85重量部およびトリオクチルホスフィン10.88重量部を入れ、次いでn−ヘキサンを20容量部加えた。
フラスコ内の液温を25℃とし、24時間反応させて、白色結晶の生成物を得た。この結晶を濾過し、n−ヘキサンで十分洗浄を行った。得られた生成物を減圧、室温下で乾燥して、トリオクチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド(試料Aとする)8.84重量部を得た。
【0024】
(ii)トリオクチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド2.00重量部を水20容量部に溶解し、2,2−アゾビス−(2−アミノジプロパン)塩酸塩0.0367重量部を加えて脱気封管した。これを60℃で6時間放置して重合させた後、大過剰のテトラヒドロフランに注ぎ込み、析出する沈澱を濾過し、採取した。ポリトリオクチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド(試料Bとする)0.97重量部が得られた。
【0025】
(iii)トリブチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド2.00重量部を水20容量部に溶解し、2,2−アゾビス−(2−アミノジプロパン)塩酸塩0.0367重量部を加えて脱気封管した。これを60℃で6時間放置して重合させた後、大過剰のテトラヒドロフランに注ぎ込み、析出する沈澱を濾過し、採取した。ポリトリブチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド(試料Cとする)0.97重量部が得られた。
【0026】
(iv)トリブチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド1.50重量部とアクリルアミド0.31重量部をジメチルホルムアミド10重量部に溶解し、アゾビスイソブチロニトリル0.0181重量部を添加して脱気封管した。これを60℃で6時間放置して重合させた後、大過剰のアセトン中に注ぎ込み、析出する沈澱を濾過して採取すると、ポリ(トリブチル−3−(および4)−ビニルベンジルホスホニウムクロライド:アクリルアミド)共重合体(試料Dとする)1.11重量部が得られた。
【0027】
(2)試験
上記の帯電防止剤(試料A〜D)をポリメチルメタクリレ−ト,ポリエチレン100重量部に対して表1に示す重量部を混合し,得られた樹脂組成物をホットプレスで成型し,厚さ2mmのシ−トを作成した。
表面固有抵抗は,23℃,相対湿度50%の条件下に保存したサンプルを,同じ条件下で超絶縁抵抗計で測定し,その結果を表1に示した。
【0028】
【0029】
【発明の効果】
本発明に係る帯電防止剤は,各種の合成樹脂やゴムに対し,体積固有抵抗を低下させて導電性を付与するので良好な帯電防止能を発揮させることができる。
また,本発明に係る帯電防止剤は,熱安定性が良いので樹脂やゴムの加工温度において分解することなく耐久性をもって,その効果を持続することができる。
さらに,このベンジルホスホニウム化合物は各種の菌種に対して強力な抗菌作用も有し帯電防止剤と共に抗菌剤としても機能する。
Claims (1)
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JP35855292A JP3573764B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 帯電防止剤 |
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JP35855292A JP3573764B2 (ja) | 1992-12-28 | 1992-12-28 | 帯電防止剤 |
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JPH06200239A JPH06200239A (ja) | 1994-07-19 |
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JP5407200B2 (ja) * | 2007-07-13 | 2014-02-05 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 帯電防止剤およびその用途 |
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1992
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