JP3573389B2 - フランジ成形の容易な二回冷延仕上げ溶接缶用鋼板及びその製造方法 - Google Patents

フランジ成形の容易な二回冷延仕上げ溶接缶用鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フランジ加工性の優れた二回冷延仕上げの溶接缶用薄鋼板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
3ピース缶と称される天蓋、円筒状の胴、底蓋からなる鋼製容器の成形法は、半田付け、樹脂接着による方法および溶接による方法で行われている。その中で、接合代が少なく素材歩留り向上に有利な溶接による方法が近年の主流である。
【0003】
この溶接による胴成形後、その両端の径を縮めるネックイン加工が行われ、フランジ加工を施して天蓋、底蓋を捲き締めて3ピース溶接缶が完成するが、このフランジ部の形成時に溶接部近傍の熱影響部(以下HAZ部と称す)で、フランジ加工歪みが集中することに起因する局部的なくびれ(以下ネッキングと称す)やネッキングが長じてフランジ割れが生じやすくなる欠点がある。
【0004】
フランジ割れ、ネッキングを生じる要因として、溶接による接合不良、鋼板の加工性不良、鋼板中の介在物、溶接部の著しい硬化、HAZ部の著しい軟化などがある。
【0005】
このうち、HAZ部の軟化が原因でフランジ加工時に当該部が局部的にくびれしてネッキングさらにフランジ割れとなることが溶接缶製造における最大の問題点である。
【0006】
近年、省資源の観点から缶用素材の板厚は薄くなっており、それに伴って鋼板はより硬質化しているが、このような鋼板として、熱延鋼板を冷間圧延後、焼鈍し、調質圧延段階で再度冷延を行う2回冷延法により製造した鋼板、いわゆる2CR鋼板がある(以下、2CR、2CR鋼板と称す)。
【0007】
この2CR鋼板は、溶接後フランジ加工でフランジ割れを起こす傾向が強い。その原因は、溶接熱によって高強度を生じていたHAZ部の冷延歪みが開放され減少し、軟化するするといういわゆる歪み取り焼鈍効果と、結晶粒の再配列と、粒成長によるいわゆる2次粒成長効果が重なりHAZ部が局部的に軟化する現象にある。この局部軟化したHAZ部に、フランジ加工による張出し歪みが集中することにより一方的な変形によるくびれが生じ、フランジ割れに至ると考えられる。
【0008】
特に、連続焼鈍材は箱焼鈍材に比べてフランジ割れの発生率は大きいものがある。しかし、箱焼鈍材は連続焼鈍材に比較して、その製造に長時間の焼鈍を要することや材料特性に不均一が生じやすい等の欠点があるため、生産性および品質向上の観点から、目下、連続焼鈍材への製法転換が種々研究されている。
【0009】
そして、この連続焼鈍材の難点を克服するフランジ加工性に優れた溶接缶薄鋼板の製造方法に関しては、特開昭60−24327号公報、特開昭62−15610号公報の発明が提案されている。
【0010】
特開昭60−24327号公報の発明は、熱間圧延の仕上温度を800〜600℃として、通常の仕上温度よりも低い温度域で仕上圧延を行い、冷延、焼鈍後の結晶粒を大きくして、溶接時のHAZ部軟化の防止、粗大粒化の防止を行い、加えて固溶C量を少なくすることで軟化の抑制を図りフランジ加工性を向上する方法であり、特開昭62−15610号公報の発明は、熱間仕上圧延後の捲取温度もしくは均熱保持温度をフェライトとオーステナイトの2層域温度とすることで、焼鈍後の結晶粒を大きくし、冷延蓄積歪み量の軽減にもとずくHAZ部軟化の防止を図り、更に固溶C量を少なくすることで軟化の抑制に配慮してフランジ加工性を向上する方法である。
【0011】
これらの発明は、いずれも焼鈍後の結晶粒径を大きくし、固溶Cを低減することで、溶接熱によるHAZ部再結晶の遅滞、つまり再結晶温度の高温化現象を利用することにより溶接時の軟化抑制を図り、フランジ加工性の向上を図るものである。
【0012】
ところが、かかる方法では、素材製造において結晶粒径が大きくなるほど鋼板の所要強度を得るために2CR率を上げねばならず、鋼板の冷延蓄積歪みが増加して再結晶温度が低温化し、HAZ部の軟化が進むジレンマがある。さらに粗粒化によって結晶粒界が脆化して、フランジ加工性劣化につながり、HAZ部への加工歪みの集中を緩和する手段として不十分なものである。
【0013】
加えて固溶Cを低減するために連続焼鈍時またはその後に過時効処理などのコアトアップ製法を取らねばならないという欠点もある。
【0014】
このような従来の公知技術には、溶接熱によるHAZ部軟化を抑制し、フランジ加工による歪みの集中を緩和するという共通した着想があるが、溶接作業は鋼の融着を生じるほどの高温の溶接熱を利用するものであるからHAZ部の軟化は避けようがなく、HAZ部の熱変化の抑制によってネッキング、割れ防止を図るという考えには根本的な改善策とはなりえないのである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、箱焼鈍法による溶接缶用薄鋼板と同等またはそれ以上の伸びを持ち、フランジ成形割れが生じない連続焼鈍法による溶接缶用薄鋼板およびその製造方法を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
現在使用されている箱焼鈍材について連続焼鈍材よりもフランジ割れが少ない要因について検討すると、箱焼鈍材の伸び値が連続焼鈍材よりも明らかに大きい点にあると考えられる。即ち、箱焼鈍材を使用した溶接缶にもHAZ部軟化はあるが、それがフランジ割れに進展しないのは、溶接部以外の缶端円周部の伸びが大きいため、フランジ加工時に缶円周全域も同時に変形してHAZ部への応力集中が緩和されるためである。つまり、HAZ部以外の母材の延性を大きくすれば、HAZ部の変形は小さくなるということである。
【0017】
従って、連続焼鈍材においても伸びを大きくすれば良いことになるが、箱焼鈍に比べ急速加熱及び急速冷却が特徴の連続焼鈍の焼鈍プロセスでは不均一で細粒な結晶粒と固溶C、固溶Nが多量に残留するため、連続焼鈍材に2CR法を施すと冷延蓄積歪み量が著しく増加して、箱焼鈍材に比べ極めて小さい伸びしか得られないとういのが、これまでの技術常識である。そのため、従来技術では、連続焼鈍工程を種々工夫して連続焼鈍材を箱焼鈍材の材質に近ずけるようにしていた。
【0018】
ところが本発明において、連続焼鈍材の熱延後、焼鈍後、2CR後の素材特性を改めて精査した結果、2CR冷延前の焼鈍ままの鋼板であれば、箱焼鈍材以上の伸びがあることを確認した。これは、連続焼鈍ままの鋼板には固溶C、固溶Nが多量に残留しているため連続焼鈍材特有の降伏点伸び(YPEL)現象が生じるためで、YPELの分だけ箱焼鈍材より伸びが大きくなると考えられる。通常、このYPELは、2CR圧延で多量に発生した転位に固溶C、固溶Nのほとんどがトラップされてしまうため消失し、連続焼鈍材の伸びは、結果として非常に小さいものとなる。
【0019】
逆に、2CR圧延後の連続焼鈍材中に転位に固着されない固溶C、固溶Nが存在すれば、焼鈍ままの鋼板同様に降伏点伸び(YPEL)が鋼板特性として残り、YPELの分だけ現行連続焼鈍材より伸びが大きくなると考えられる。従って、2CR材に降伏点伸び(YPEL)を持たせることが出来れば、大きな伸びが得られて、フランジ割れを箱焼鈍材なみに小さく改善できる。加えて、多量の固溶C、固溶Nの存在で2CR率を下げて高強度材が製造できるため、再結晶温度の高温化現象も利用できてHAZ部が軟化し難くなるとの着想のもとに本発明を完成させた。
【0020】
本発明の解決手段は、以下の通りである。
【0021】
(1) 重量%で、C:0.01〜0.04%、Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含有し、かつ、鋼板中に固溶するCおよびNの合計が、40ppm≦固溶C+固溶N≦150ppmの範囲であって、2%以上の降伏点伸び(YPEL)を有することを特徴とするフランジ成形性に優れた15〜25%の圧下率で2CR溶接缶用薄鋼板。
【0022】
削除
【0023】
上記(1)に記載の溶接缶用薄鋼板において、圧延方向の強度(TS)が49kgf/mm以上で、板厚が0.22mm以下であることを特徴とするフランジ成形性に優れた15〜25%の圧下率で2CR溶接缶用薄鋼板。
【0024】
) 重量%で、C:0.01〜0.04%、Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含有する連続鋳造鋼片を素材とし、1150℃以上に加熱して熱間圧延して熱延鋼板となし、冷却速度20℃/sec以上の連続焼鈍法及び圧下率が15%以上25%以下の調質圧延を施して、鋼板中に固溶するC及びNの合計が40ppm≦固溶C+固溶N≦150ppmの範囲として、鋼板中に2%以上の降伏点伸び(YPEL)を付与したことを特徴とするフランジ成形性に優れた2CR溶接缶用薄鋼板の製造方法。
【0025】
) 上記()に記載の溶接缶用薄鋼板の製造方法において、鋼板中に固溶するCおよびNの合計が50ppm≦固溶C+固溶N≦150ppmの範囲としたことを特徴とするフランジ成形性に優れた2CR溶接缶用薄鋼板の製造方法。
【0026】
)上記()または()に記載の溶接缶用薄鋼板の製造方法において、調質圧延によって圧延方向の強度(TS)が49kgf/mm以上で、板厚が0.22mm以下としたことを特徴とするフランジ成形性に優れた2CR溶接缶用薄鋼板の製造方法。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明では、2CR後も降伏点伸び(YPEL)が発生する固溶C、固溶N残留型の連続焼鈍2CR圧延材について検討した。その結果、塗装焼き付け後の鋼板でYPELが2%以上生じた連続焼鈍材は、箱焼鈍材と同等以上の伸び特性(全伸び3%以上)を有し、従来材より優れたネッキング、フランジ割れ抑制効果を持つことが確認できた。
【0028】
即ち、図1の引張り試験のチャートの模式図に示すように、従来の箱焼鈍材(a)では鋼板中の固溶C、固溶Nが殆んど存在していないため、降伏点伸び(YPEL)は発現していないが伸びEは大きい。また従来の連続焼鈍材(b)は2CR歪みによって鋼板中の固溶C、固溶Nが転位の固着に消費されているためYPELは発現していないが、2CR歪み蓄積の影響で伸びEは著しく小さい。一方、本発明の連続焼鈍材(c)は鋼板中に固溶C、固溶Nが存在するため、焼鈍ままの状態同様にYPELが発現して伸びEは従来の箱焼鈍材(a)以上に大きい。
【0029】
図2に示すように、YPELが発現すると箱焼鈍材の伸びよりも連続焼鈍材の伸びが大きくなり、さらに本発明の実施例1と2の比較のように2CR圧下率が高いほど、全伸びに占める降伏点伸びの割合が大きくなる傾向があることも新しく知見された。
【0030】
このYPELの現象を利用してフランジ成形すると、溶接による熱影響部の存在にもかかわらずフランジ出しが可能となり、フランジ割れが生じない。しかし、少なくとも2%以上の降伏点伸び(YPEL)が存在しなければフランジ割れは効果的に防止できない。しかもYPELが出れば出るほど、フラッジ成形時の割れ防止に役立ち、特に硬質材であるほど、この効果は顕著である。
【0031】
また、残留した固溶C、固溶Nは、2CR圧延後にYPELを発現するばかりでなく、冷延歪みを効率的に蓄積するため、固溶C低減を前提とした従来連続焼鈍法よりも2CR率を軽減して、容易に所定の素材強度が得られる利点もある。
【0032】
このため、本発明では15〜25%の圧下率の2CR圧延で所定の素材強度を得ることができる。
【0033】
ただし、固溶Nは焼鈍時に微細析出物として再結晶を抑制し結晶粒のバラツキを助長し、不均一な再結晶組織による伸び特性の劣化をまねく要因に機能するため、YPEL発現には固溶Cを主に利用することが望ましい。
【0034】
鋼成分として、C量が多い場合には焼鈍板の再結晶粒成長が抑制され、不均一な組織となり、伸び値を小さくすること、さらに結晶粒界に固溶Cが速やかに析出してYPELが得にくくなる等の問題を生じるので、上限を0.04%とする。なお、一般的にC量が少ないほど素材の軟化温度(HAZ部の再結晶温度)が高くフランジ加工性に対して好ましい影響をあたえるが、YPELが得られる最小の固溶Cを確保するため下限は0.01%とする。
【0035】
AL量が多い場合には焼鈍加熱時にALNとして析出し、焼鈍板の再結晶粒成長が抑制され、不均一な組織となるほか、固溶N量の減少でYPELが得にくくなる等の問題を生じるので、AL量の上限を0.1%とした。
【0036】
N量は多いほど強化元素として製品を著しく硬質化し、製缶加工性全般を阻害するのでN量の上限を0.01%とした。
【0037】
圧下率15〜25%の2CR法で生成した加工歪は、40ppm未満の固溶C+固溶NのYPEL発現を抑制するので、伸び値は1%程度で大きくならない。したがって、固溶C+固溶Nの下限を40ppmmとした。しかし、安定してYPELが生じてフランジ割れを無くすには、50ppm以上を確保することが望ましい。一方、150ppmを越えると強化元素として製品を著しく硬質化し、製缶加工性全般を阻害するので上限をl50ppmとした。
【0038】
焼鈍板に圧下率15〜25%の2CR圧延を施すと、圧延方向強度(TS)が49kgf/mm以上の硬質の製品が得られる。また、省資源のニーズから溶接缶用鋼板の板厚は、0.22mm以下とする。
【0039】
本発明の溶接缶用鋼板の鋼成分としては、固溶C+固溶Nを含有させて降伏点伸び(YPEL)を実現するために、重量%で
C:0.01〜0.04%、
Al:0.1%以下、
N:0.01%以下
を含有することが必要であるが、公知の溶接缶用鋼板中に一般的に含有される成分元素を含有しても良い。例えば、Si:0.02%以下、Mn:0.6%以下、P:0.02%以下、S:0.05%以下、Cr:0.10%以下、Cu:0.20%以下、Ni:0.15%以下、Mo:0.05%以下、B:0.0020%以下、Ti、Nb、Zr、V等の1種または2種以上を0.3%以下、或は、Ca:0.01%以下等の成分元素を目的に応じ、降伏点伸びを実現できる範囲内において含有させることができる。
【0040】
本発明の製造方法では、重量%で、
C:0.01〜0.04%、AL:0.1%以下、N:0.01%以下を含有する連続鋳造鋼片を素材とし、これを1150℃以上に加熱して熱間圧延して熱延鋼板となし、冷却速度20℃/sec以上の連続焼鈍法を施すものである。この鋼成分、加熱温度、連続焼鈍法の条件により鋼板中に多量の固溶Cおよび固溶Nを残留させることが可能となる。そして、15%以上25%以下の二回冷延仕上を施すことにより固溶Cおよび固溶Nを40ppm≦固溶C+固溶N≦150ppmの範囲とし、2%以上の降伏点伸び(YPEL)及び圧延方向の強度(TS)が49kgf/mm以上を鋼板に付与することができる。
【0041】
【実施例】
以下に本発明の実施例を比較例と対比して説明する。
【0042】
表1に示す成分及び製造条件で0.20mmの板厚の溶接缶用鋼板を製造した。そして、得られた鋼板の特性及び加工性を表2に示した。表1及び表2中のNo.1とNo.2は本発明の例であり、No.3は従来連続焼鈍法による比較例で、No.4は従来箱焼鈍法による比較例である。No.1とNo.2は、多量の固溶Cと固溶Nを含有しているためYPEL値が高い。これに対して、比較例No.3は2CRの転位に固溶C、固溶Nが固着されているためYPEL値が0%となっており、比較例No.4は、箱焼鈍法によって固溶C、固溶Nが析出物となり固溶元素量は微量であるため、これもYPEL値が0%となっている。
【0043】
即ち、表2から明らかなようにNo.1とNo.2の鋼板は、TS値が49kgf/mmを越える硬質の鋼板であっても、伸びがNo.3およびNo.4の比較例に比較して著しく優れた鋼板となっていることを示している。
【0044】
【表1】
Figure 0003573389
【0045】
【表2】
Figure 0003573389
【0046】
【発明の効果】
従来の連続焼鈍材は、HAZ部の軟化抑制にのみ対策を取ってきた結果、不十分な改善効果しか得られなかった。特に、固溶C、固溶N量を極力低減してHAZ部の熱変化を抑えてきたため、素材の硬質化が思うように達成できず、また2CR圧延によって伸び値が大きくならないためフランジ加工によって強い歪み集中がHAZ部に生じて、耐フランジ割れ性に関して箱焼鈍材より劣った素材となっている。
【0047】
本発明においては、従来は否定的に扱われてきた残留固溶C、固溶Nを鋼板中に積極的に存在させ、YPELを発現させることによって製品の伸び値を箱焼鈍材以上に大きくし、優れたフランジ加工性を得えられるようになったことは、省資源、省エネルギーに寄与するところ大であり、経済的効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶接缶用鋼板の引張り試験のチャートの模式図である。
【図2】本発明と比較例の伸び値と降伏点伸び値を示した図である。

Claims (4)

  1. 重量%で、
    C:0.01〜0.04%、
    Al:0.1%以下、
    N:0.01%以下を含有し、かつ、鋼板中に固溶するCおよびNの合計が、40ppm≦固溶C+固溶N≦150ppmの範囲であって、2%以上の降伏点伸び(YPEL)を有することを特徴とするフランジ成形性に優れた15〜25%の圧下率で二回冷延仕上げの溶接缶用薄鋼板
  2. 請求項1に記載の溶接缶用薄鋼板において、圧延方向の強度(TS)が49kgf/mm 以上で、板厚が0.22mm以下であることを特徴とするフランジ成形性に優れた15〜25%の圧下率で二回冷延仕上げの溶接缶用薄鋼板。
  3. 重量%で、C:0.01〜0.04%、Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含有する連続鋳造鋼片を素材とし、1150℃以上に加熱して熱間圧延して熱延鋼板となし、冷却速度20℃/sec以上の連続焼鈍法及び圧下率が15%以上25%以下の二回冷延仕上げを施して、鋼板中に固溶するCおよびNの合計が、40ppm≦固溶C+固溶N≦150ppmの範囲として、鋼板中に2%以上の降伏点伸び(YPEL)を付与したことを特徴とするフランジ成形性に優れた二回冷延仕上げの溶接缶用薄鋼板の製造方法。
  4. 請求項3に記載の溶接缶用薄鋼板の製造方法において、調質圧延によって圧延方向の強度(TS)が49kgf/mm 以上で、板厚が0.22mm以下としたことを特徴とするフランジ成形性に優れた二回冷延仕上げの溶接缶用薄鋼板の製造方法。
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