JP3573358B2 - 放射線感応性組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用可能性】
本発明は、必須成分として
a)水に不溶であるが、アルカリ性水溶液には可溶であるか、または少なくとも膨潤性であるポリマー(マトリックスレジン)、
b)酸により開裂し得る化合物、またはb´ )酸により架橋される化合物、
c)照射により酸を形成する化合物
を含み、
d)成分a)、b)及びc)又は成分a)、b´ )及びc)に加えて、線幅を安定化するための放射線感応性塩基を含む放射線感応性組成物に関する。
【0002】
本発明は、この組成物から製造した、フォトレジスト、電子部品、印刷版の製造、または放射線感応性複写材料にも関する。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
構造的寸法が益々小型化するにつれ(例えばチップ製造で)、1ミクロン未満の領域におけるリソグラフィー技術の改良が必要とされている。その様な技術では、高エネルギーUV光、電子線およびX線を露光に使用する。このリソグラフィーの改良により、放射線感応性組成物に対する必要条件も変化している。これらの必要条件は、例えばC.G. Wilson 「有機レジスト材料−理論と化学」[マイクロリソグラフィー入門、理論、材料、および処理、編集者L.F. Thompson 、C.G. Wilson 、M.J. Bowden 、ACS Symp. Ser., 219, 87(1983), American Chemical Society, Washington]にまとめられている。従って、好ましくは広いスペクトル領域で感応性があり、従って従来のフォトリソグラフィーに、あるいは感度の低下なしに、近紫外線または遠紫外線もしくはディープUV、電子線またはX線リフォグラフィーの様な最新の技術に使用できる放射線感応性組成物に対する需要が増加している。
【0004】
高エネルギー放射に対して高い感度を有する放射線感応性混合物を製造するために、最初にIto ら[H. ItoおよびC. G. Wilson, Polym. Eng. Sci., Vol. 23, 1012(1983) ]により開示された化学的に増幅されたレジストが広く使用されている。一般的に、照射中に生じたプロトンが、放射線感応性混合物の化学的組成に応じて、室温または室温より高い温度で触媒的に反応する。この触媒反応により放射線感応性混合物に高い感度が与えられる。
【0005】
半導体工業では、放射線感応性組成物(以下、レジスト材料もしくはレジスト配合物と呼ぶことがある)はアルカリ性溶液を使用して現像可能であることが必要条件である。好ましくは、このアルカリ溶液は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の2〜3%水溶液の様な有機塩基溶液である。
【0006】
この目的には、ノボラック樹脂またはビニルフェノールの単独重合体およびその共重合体が最も適している。フォトリソグラフィーには、ノボラックの使用は、短波長における吸収が高いために、300nmより長波長の放射線に限られている。吸光度の悪影響により、レジスト画像が、壁が極度に傾斜したプロファイルを有する様になる。ビニルフェノール性樹脂は、所望の溶解特性が高い光学的透過性と組み合わされた場合にのみディープUVリソグラフィーに使用できる。ポリ(4−ビニルフェノール)単独では溶解速度がかなり高く、したがってそれ自体は使用に適していない。溶解速度を望ましい値に低下する方法の一つは、4−ビニルフェノールを他のアルキル置換フェノールと共重合させることである。その様な共重合体は、ヨーロッパ特許第0307752号および第0307751号、および特開平2−166105号に記載されている。4−ヒドロキシスチレンの他の共重合体は、それらのアルカリ性水溶液に対する溶解度に関係ないが、丸善石油化学(株)により「高分子」第38巻、571頁(1989)に記載されている。
【0007】
基本的に、アルカリに可溶なポリ(4−ビニルフェノール)およびその共重合体を放射線感応性組成物として使用する2つの方法がある。一つの方法は、酸により開裂し得る保護基を水酸基に、重合体が不溶になる様に完全に、または部分的に付加することである。その様な保護された重合体および以下に記載する光酸発生剤の混合物を製造し、その混合物が放射線の照射により酸を発生し、その形成された酸が、酸に敏感な保護基を離脱させる。保護基としては、tert.−ブチルオキシカルボニルオキシまたはその誘導体(Ito ら、J. Photopolym. Sci., & Tech., Vol.6, No. 4, 1993, 547 頁)、テトラヒドロピラニル基(Hattoriら、J. Photopolym. Sci., & Tech., Vol.6, No. 4, 1993, 497 頁)がある。もう一つの方法は、Pawlowski ら、J. Photopolym. Sci., & Tech., Vol.15, No. 1(1992) 55頁により記載されているポリアセタールの様な、酸に敏感な溶解防止剤と混合することである。この混合物は、露光前は水性アルカリ現像剤に不溶であるが、ディープUV光に露出することにより溶解防止剤が開裂し、混合物がアルカリ性現像剤に可溶になる。
【0008】
放射線照射により酸を発生する化合物、例えばHSbF6 、HAsF6 の様な非求核性酸のホスホニウム塩、スルホニウム塩およびヨードニウム塩などのオニウム塩が、J. V. Crivello, Polym. Eng. Sci., 23(1983) 953に記載されている様にこれまで使用されている。さらに、ハロゲン化合物、特にトリクロロメチルトリアジン誘導体またはトリクロロメチルオキサジアゾール誘導体、o−キノンジアジド スルホニルクロリド、o−キノンジアジド−4−スルホン酸エステル、有機金属/有機ハロゲンの組合わせ、ビス−(スルホニル)ジアゾメタン、スルホニルカルボニルジアゾメタン(DE−A 3,930,087)またはニトロベンジルトシレートがF. M. Houlian ら、SPIE Proc., Adv. in Resist Tech. and Proc. 920(1988) 67 により推奨されている。
【0009】
上記の化合物に加えて、放射線感応性組成物は、コントラストを強化し、線幅の減少を制御するために他の添加剤を含むこともできる。
【0010】
放射線感応性組成物は、透明度が高く、基材に対する良好な接着性を有し、現像後に良好なパターンプロファイルを示し、定在波が少なく、良好な熱的安定性および耐エッチング性を示すことが重要である。その様な単独の混合物は入手不可能であり、これらの問題を克服した、実際に使用できる、感度の高いレジスト材料が必要とされている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
発明の概要
本発明の目的は、好ましくはKrFエキシマレーザー光線のようなディープUV光線等に対する透過率が高く、これらの光源、電子線、およびX線等に露出した時の感度が高く、優れた耐熱性を有し、基材に対する接着性が著しく優れており、パターンの経時寸法変化を示さない、高精度の、0.3ミクロン未満でも定在波を示さないパターンを得ることができるポジ型およびネガ型の両方の放射線感応性組成物、特にレジスト材料を提供することにある。
【0012】
本発明は、
a)一般式(1)
−(CH2 −CHR)m −(CH2 −CR1 R2 )n −
(式中、
Rは水酸基により置換されたおよび所望によりさらにアルキル基により置換されたアリールであり、前記水酸基は酸により開裂し得る基により部分的に保護されていることができ、R1 は水素またはメチル基であり、R2 はフェニル、アルキル置換されたフェニル、ハロゲン化フェニル、またはアクリル酸エステル基であり、mおよびnは1以上の数である。)
で表される重合体、
b)一般式(2)
−(CHR3 −O−R4 −X−NR5 −)p
(式中、
R3 はアルキルまたはアリールまたは置換されたアリール基であり、
R4 はアルキル、シクロアルキル、アルケン、アルキンであり、
R5 はアルキル、アルケン、アルキン、シクロアルキル基であり、
Xは−OCO−、−CO−、または−NHCO−であり、
pは1以上の数である。)
で表される溶解防止剤、または、
b´ )ヘキサメチルメラミンヘキサメチルエーテルの様な架橋剤、
c)放射線に露出した時に酸を発生し得る放射線感応性化合物、
d)所望により、線幅の安定化に有効な、放射線の照射により分解し得る少量の塩基、および
e)成分a、bまたはb´ 、cおよびdを溶解させるための溶剤
からなる放射線感応性組成物を提供する。成分b)が選択される場合がポジ型、成分b´ )が選択される場合がネガ型となる。
【0013】
また本発明は、フィルムを選択的に放射線に露出し、フィルムを加熱し、そのフィルムを現像し、ポジ型の場合は露出部分を除去し、ネガ型の場合は非露出部分を除去することを含む、パターン形成方法をも提供する。
発明の具体的説明
本発明で使用する重合体は、一般式(1)
−(CH2 −CHR)m −(CH2 −CR1 R2 )n −
(式中、
Rは水酸基により置換されたおよび所望によりさらにアルキルにより置換されたフェニル等のアリールであり、前記水酸基は、酸により開裂し得る基により部分的に保護されていることができ、R1 は水素またはメチル基であり、R2 はフェニル、アルキル置換されたフェニル、ハロゲン化フェニル、またはアクリル酸エステル基であり、mおよびnは1以上の数である。)
で表される。ここでRは好ましくは4位が水酸基で置換されたフェニル又は水酸基及びアルキル基で置換されたフェニルである。尚、本明細書中においてアルキルは特記されない限りC1 〜C6 好ましくはC1 〜C3 のアルキルである。
【0014】
特に好ましい共重合体は、4−ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体、たとえば、ポリ(4−ヒドロキシスチレン−コ−スチレン)またはポリ(4−ヒドロキシスチレン−コ−メチルスチレン)である。このような共重合体においてスチレンのモル比は1〜50%でよいが、特に5〜20モル%が解像度に関して最良の結果を与える。スチレン含有量が50%を超える共重合体はガラス転位温度が低すぎるため、あまり有用ではない。一方、スチレン含有量が1%未満の場合には透明度が悪くなるため好ましくない。分子量MW は2,000〜200,000ダルトン、好ましくは6000〜25,000であり、分散度は2未満であるべきである。さらに、前記Rの中の水酸基は例えばtert−ブチルオキシカルボニルまたはテトラヒドロピラニルまたはトリアルキルシリル基により部分的保護されていることができる。
【0015】
溶解防止剤、ポリアセタール(b)は一般式(2)
−(CHR3 −O−R4 −X−NR5 −)p
(式中、
R3 はアルキルまたはアリールまたは置換されたアリール基であり、
R4 はアルキル、シクロアルキル、アルキンであり、
R5 はアルキル、アルケン、アルキン、シクロアルキル基であり、
pは1以上の数であり、
Xは−OCO−、−CO−、または−NHCO−である。)
で表される。上記においてシクロアルキルはたとえばシクロヘキシルであり、これはメチル、エチルのようなC1 〜C6 のアルキル、ジメチルアミノ、アセトアミド、アミド、Cl、Br、Iのようなハロゲンによって置換されていてもよい。さらに好ましくはR3 はフェニルであり、R4 はエチレン、イソプロピルまたは分枝のブチルであり、R5 はプロピルであり、さらにXは−OCO−である。
【0016】
化学的には、対応するウレタン−アルコール成分および対応するアルデヒドのジメチルアセタールの、酸触媒作用によるエステル交換反応により製造されるポリアセタールが重要である。縮合度および分子量分布は、重縮合条件を変えることにより調整され得る。
【0017】
ネガ型レジスト材料の場合、化合物bは化合物b´ により置き換えられ、b´ は放射線に露出することにより、あるいはその後の工程で、化合物a)と架橋するどの様な化合物(架橋剤)でもよい。ヘキサメチルメラミンおよびそれらの誘導体は特に有効である。架橋剤としてはUV領域、特に248nm付近で吸収を持たないものが有利である。
【0018】
成分cは、放射線への露出により酸を発生する、どの様な化合物でもよい。このような酸発生剤の好適な例としては、ジアゾメタン化合物、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ハロゲン化物およびo−キノンジアジドスルホン酸エステルがある。スルホン酸を発生し、熱安定性が良好であり、248nm領域で有利な吸収特性を示す化合物が好ましい。たとえば式
Ar−SO2 −C(N2 )−Y−Ar´
[式中、ArおよびAr´ は同一又は異なっていてフェニル、クロロフェニル、アルキルフェニル、アルキル基であり、Yは−SO2 −または−CO−、である。]
(Ar)3 S+ R6 SO3 −
[式中、Arは置換されていてもよいフェニル基であり、R6 はアルキルまたはフッ素化アルキル基である。]
により表わされるスルホン酸スルホニウム又はジアゾメタンが用いられる。ジアゾメタンとしてはビス−(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタンが特に好ましい。スルホン酸スルホニウムの例としては、アルキルスルホン酸トリフェニルスルホニウム、アルキル−またはハロゲン置換アリールスルホン酸トリフェニルスルホニウム、フッ素化アルキルスルホン酸トリフェニルスルホニウムがある。
【0019】
化合物dは放射線感応性塩基である。特に有用な化合物は、たとえば、式
(Ar)3 S+ CH3 COO− または(Ar)3 S+ OH−
(式中、Arは置換されていてもよいフェニル基である。)
により表わされる水酸化トリフェニルスルホニウム又はトリフェニルスルホニウムアセテートおよびそれらの誘導体または水酸化ジフェニルヨードニウムおよびそれらの誘導体である。塩基の使用量は、塩基の吸収特性により異なる。これは、酸発生剤の量によっても異なる。
【0020】
成分e)の溶剤は前記した成分を溶解できるもので、たとえばレジスト材料用としてそのレジスト材料を利用することができる限り限定されないが、好ましい溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングルコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)などのグリコールエーテルアセテート類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケト、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、などのケトン類、および、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、さらに場合によって、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジオキサンなども使用することができる。これらの溶剤は単独又は混合して使用することができる。
【0021】
組成物中の総固体含有量は、10〜50重量%でよく、好ましくは15〜25重量%である。ここで、固体とは組成物中の化合物a〜dを意味する。(a)および(b)または(b´ )の比率は、(a)および(b)または(b´ )の分子量および水性アルカリ現像剤中の化合物(a)の特性に応じて、重量で95:5〜50:50でよい。パターン形成目的に、本発明の放射線感応性組成物を使用すると、シリコンの様な基材ウエハー上に一様なフィルムが形成される。
【0022】
共重合体(a)単独のアルカリ溶液への溶解速度も、(a)および(b)の必要な比率を決定する。a:bの比率は、80:20〜60:40が特に好適である。
【0023】
化合物(c)の量は、(a)および(b)の総量に対して0.2〜5重量%、好ましくは1〜3重量%の範囲で変えることができる。cの量は、化合物dの必要量も決定する。これは通常は等しいか、あるいはdがモル量でcの量よりも少ない。
本発明の組成物に対して用いる放射線としては好ましくはKrFエキシマレーザーのような短波長のUVであるディープUV、i線及びg線などの200〜500nmの波長を発する光源、X線、電子線等が用いられる。
【0024】
本発明の放射線感応性組成物を使用するパターン形成は、例えば下記の様に行うことができる。本発明の組成物をシリコンウエハーの様な基材上に、厚さが500〜2000nmになる様に塗布し、オーブン中、60〜150℃で10〜30分間加熱するか、あるいはホットプレート上、60〜150℃で1〜2分間焼き付ける。この様にして、所望のパターンを形成するためのマスクがレジストフィルム上に形成され、300nm以下のディープUV光線に露光線量約1〜100 mJ/cm2 で露光し、続いて水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)の0.1〜5%水溶液の様な現像溶液を使用し、浸漬法、スプレー法、パドル法、等の通常の方法により0.5〜3分間現像し、基材上に所望のパターンを形成する。
【0025】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明するが、特に断らない限り、百分率はすべて重量基準である。
関連実施例1(共重合体1)
(1)ポリ(ヒドロキシスチレン−コ−スチレン)
還流冷却器、滴下漏斗、機械的攪拌機を備えた3つ口フラスコに、p−アセトキシスチレン(Hoechst Celanese Corporationから供給)43.791g(0.27 mol)、スチレン3.125g(0.03 mol)およびメタノール300mlを加えた。p−アセトキシスチレン 対 スチレンのモル比は90:10である。この反応混合物に、合計2.5gの2,2´ −アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を加え、反応混合物を最初に窒素で掃気し、次いで不活性雰囲気中で還流温度(60〜70℃)に加熱した。8時間反応させた後、固体の白色沈殿物をn−ヘキサン中に注ぎ込み、濾過し、n−ヘキサンで洗浄し、真空中、50℃で乾燥させた。ポリ(4−アセトキシスチレン−コ−スチレン)44.64gが得られた。収率は95.2%であった。この共重合体の赤外スペクトルは1763cmに共重合体のカルボニル基に由来するピークを示し、この共重合体のプロトンNMRスペクトルから、共重合体のスチレン含有量は10.2モル%と計算された。
【0026】
第二工程で、上で製造した共重合体40gをメタノール300mlおよび36%塩酸0.5mlと混合し、この混合物を一定して攪拌しながら還流させた。反応開始から約30分後、透明な溶液が得られた。加水分解反応は合計3時間行った。透明な溶液を超純水中に注ぎ込み、共重合体ポリ(4−ヒドロキシスチレン−コ−スチレン)の白色沈殿が得られた。沈殿物を濾過し、純水で洗浄した。濾液がpH7を示し、得られた共重合体中に痕跡量の塩酸が残留していないことを確認するまで洗浄を繰り返した。この様にして得られた共重合体を、一定重量になるまで真空中(1Torr)、50℃で乾燥させた。得られた共重合体の重量は31gであった。共重合体の赤外スペクトル1763cmにピークを示さず、3700cmに水酸基による新しい幅の広いピークが得られた。共重合体は、ゲル−浸透クロマトグラフィーおよびポリスチレン標準を使用して測定して、重量平均分子量が11544、数平均分子量が7414であった。他の物理的特性を表1に示す。
関連実施例2(共重合体2)
関連実施例1に記載する手順にしたがい、原料中の4−アセトキシスチレン 対 スチレンのモル比を95:5に変更した。得られた共重合体の物理的特性を表1に示す。
関連実施例3(共重合体3)
関連実施例1に記載する手順にしたがい、原料中の4−アセトキシスチレン 対 スチレンのモル比を85:15に変更した。得られた共重合体の物理的特性を表1に示す。
関連実施例4(共重合体4)
関連実施例1に記載する手順にしたがい、原料中の4−アセトキシスチレン 対 スチレンのモル比を80:20に変更した。得られた共重合体の物理的特性を表1に示す。
関連実施例5(共重合体5)
関連実施例1に記載する手順にしたがい、原料中の4−アセトキシスチレン 対 スチレンのモル比を75:25に変更した。得られた共重合体の物理的特性を表1に示す。
関連実施例6(共重合体6)
関連実施例1に記載する手順にしたがい、原料中の4−アセトキシスチレン 対 スチレンのモル比を70:30に変更した。得られた共重合体の物理的特性を表1に示す。
関連実施例7(PHS)
関連実施例1に記載する手順にしたがい、モノマー原料中に4−アセトキシスチレンだけを使用した。得られた共重合体の物理的特性を表1に示す。
関連実施例8(ポリアセタール1)
出発化合物A(2−ヒドロキシエチル,N−プロピルカルバミン酸エステル)の合成
エチレンカーボネート88.062gをn−プロピルアミンと最初に0℃で1時間、続いて70℃で5時間混合した。得られた粘性の生成物を110℃、0.06mbarで減圧蒸留して化合物Aを得た。収量は142.75g(97%)であった。
【0027】
メタノール−キシレン共沸混合物を除去するための蒸留装置および滴下漏斗を備えたフラスコ中で、化合物A73.585gおよびベンズアルデヒドジメチルアセタール76.085gを混合した。この混合物にamberlyst 15、スルホン酸含有イオン交換樹脂5gを加えた。混合物を徐々に130℃に加熱した。反応温度が上昇するにつれてメタノール副生成物が形成され、キシレンとの共沸混合物として反応混合物から除去された。反応混合物中のキシレン含有量を一定に維持するために、キシレンを追加した。6時間の反応の後、反応混合物を室温に冷却し、amberlyst 15を濾過し、回転蒸発装置を使用してキシレンを蒸発させた。重量平均分子量が約2000(ポリスチレン標準)である高粘度溶液が得られた。こうして得られたオリゴマー性化合物をさらに減圧下(0.001 Torr)200℃で3時間加熱した。最終生成物の分子量は温度および反応時間により異なる。合計101.6gのポリ(N,O−アセタール)が得られた(90%収量)。この樹脂は重量平均分子量が、ポリスチレン標準を使用するGPC装置で測定して7000であった。反応温度および時間を変えるだけで、分子量が異なったポリアセタール1を製造した。
関連実施例9(ポリアセタール2)
出発化合物Bの合成
関連実施例1の化合物Aの合成と同様にして、4−メチル,1,3−ジオキソラン−2−オン102.09gをプロピルアミン59.11gと反応させて化合物Bを得た。沸点は0.4 Torr で114〜115℃であった。収量は159.6g(99%)であった。
【0028】
関連実施例1のポリアセタール1に関して記載した手順を使用し、化合物Bをベンズアルデヒドジメチルアセタールと反応させてポリアセタール2を得た。収量は90%であった。分子量は6500であった。
関連実施例10(ポリアセタール3)
出発化合物Cの合成
関連実施例1の化合物Aの合成と同様にして、4−メチル,1,3−ジオキソラン−2−オン116.12gをn−プロピルアミン59.11gと反応させて化合物Cを得た。沸点は圧力1 Torr で105℃であった。収量は173.5g(99%)であった。
【0029】
関連実施例1のポリアセタール1に関して記載した手順を使用し、化合物Cをベンズアルデヒドジメチルアセタールと反応させてポリアセタール3を得た。収量は92%で、分子量は6300であった。
実施例1
下記の組成を有するレジスト配合物を製造した。
この混合物を1時間以上攪拌し、レジスト溶液を0.5および0.2ミクロンフィルターを使用して濾過し、粒子を除去した。こうした得られたレジスト溶液をシリコンウエハー(どの様な半導体基材でも使用できる)上にスピンコーティングし、温度130℃で60秒間予備焼き付けした。レジストの厚さは0.746ミクロンであり、この様にして得られた、被覆したシリコン基材をマスクを使用して248.4nmのKrFエキシマレーザー光線に選択的に露出した。ホットプレート上、55℃で155秒間焼き付けた後、アルカリ性現像溶液(水酸化テトラメチルアンモニウム2.38%)を使用して60秒間現像し、露出した部分だけを溶解させて除去した。その結果、ポジ型パターンが得られた。このポジ型パターンは側壁角がほとんど90°であり、線および空間の解像度が0.24ミクロン、および露出エネルギーが50 mJ/cm2 であった。
実施例2
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角がほとんど90°であり、線および空間の解像度が0.24ミクロン、および露出エネルギーが52 mJ/cm2 であった。
実施例3
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が約87°であり、線および空間の解像度が0.26ミクロン、および露出エネルギーが60 mJ/cm2 であった。
実施例4
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が約87°であり、線および空間の解像度が0.3ミクロン、および露出エネルギーが45 mJ/cm2 であった。
実施例5
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が87°であり、線および空間の解像度が0.25ミクロン、および露出エネルギーが54 mJ/cm2 であった。
実施例6
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が87°であり、線および空間の解像度が0.3ミクロン、および露出エネルギーが10 mJ/cm2 であった。
実施例7
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が87°であり、線および空間の解像度が0.24ミクロン、および露出エネルギーが40 mJ/cm2 であった。
実施例8
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、予備焼き付け温度を140℃に増加した以外は、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が85°であり、線および空間の解像度が0.3ミクロン、および露出エネルギーが55 mJ/cm2 であった。
実施例9
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が88°であり、線および空間の解像度が0.26ミクロン、および露出エネルギーが50 mJ/cm2 であった。
実施例10
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が88°であり、線および空間の解像度が0.24ミクロン、および露出エネルギーが40 mJ/cm2 であった。
実施例11
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が85°であり、線および空間の解像度が0.28ミクロン、および露出エネルギーが45 mJ/cm2 であった。
実施例12
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が89°であり、線および空間の解像度が0.3ミクロン、および露出エネルギーが48 mJ/cm2 であった。
実施例13
下記の組成を有するレジスト配合物を製造した。
この様に製造した溶液を攪拌し、0.5ミクロンフィルター、続いて0.2ミクロンフィルターを使用して濾過した。この溶液をシリコンウエハー上に4000 rpmでスピンコーティングし、温度130℃で60秒間予備焼き付けした。フィルムの厚さは0.7ミクロンであり、この被覆したウエハーを、電子線装置を使用し、加速電圧30 Kevで選択的に照射した。ホットプレート上、90℃で60秒間焼き付けた後、アルカリ性現像溶液(水酸化テトラメチルアンモニウム2.38重量%)を使用して60秒間現像し、レジスト材料の非露出部分だけを溶解させて除去した。その結果、ネガ型パターンが得られた。このネガ型パターンは側壁角が88°であり、線および空間の解像度が0.15ミクロン、および露出エネルギーが20 mJ/cm2 であった。
実施例14
実施例13に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例13に記載したのと同じ実験を行った。
このネガ型レジストは側壁角が90°であり、線および空間の解像度が0.14ミクロン、および露出エネルギーが30 mJ/cm2 であった。
実施例15
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が85°であり、線および空間の解像度が0.3ミクロン、および露出エネルギーが40 mJ/cm2 であった。
実施例16
実施例1に記載する手順に準じて下記の組成を有するレジスト配合物を製造し、実施例1に記載したのと同じ実験を行った。
このポジ型パターンは側壁角が85°であり、線および空間の解像度が0.32ミクロン、および露出エネルギーが50 mJ/cm2 であった。
実施例17
下記の組成を有するレジスト配合物を製造した。
この混合物を1時間以上攪拌し、レジスト溶液を0.5および0.2ミクロンフィルターを使用して濾過し、粒子を除去した。こうして得られたレジスト溶液をシリコンウエハー上にスピンコーティングし、温度130℃で60秒間予備焼き付けした。フィルムの厚さは0.746ミクロンであり、こうして得られたシリコン基材を、電子線装置を使用し、加速電圧30 Kevで選択的に照射した。ホットプレート上、60℃で60秒間焼き付けた後、アルカリ性現像溶液(水酸化テトラメチルアンモニウム2.38重量%)を使用して60秒間現像し、レジスト材料の照射部分だけを溶解させて除去した。その結果、ポジ型パターンが得られた。このポジ型パターンは側壁角が90°であり、線および空間の解像度が0.15ミクロン、および露出エネルギーが30 mJ/cm2 であった。
Claims (10)
- a)式
−(CH2−CHR)m−(CH2−CR1R2)n−
(式中、Rは水酸基により置換されたおよび所望によりさらにアルキル基により置換されたアリールであり、前記水酸基は酸により開裂し得る基で部分的に保護されていることができ、R1は水素またはメチル基であり、R2はフェニル、アルキル置換されたフェニル、ハロゲン化フェニル、またはアクリル酸エステル基であり、mおよびnは1以上の数である。)で表されるランダム共重合体、
b)一般式(−CHR3−O−R4−X−NR5−)p
(式中、R3はアルキルまたはアリールまたは置換されたアリール基であり、R4はアルキル、シクロアルキル、アルケン、アルキン基であり、R5はアルキル、アルケン、アルキン、シクロアルキル基であり、Xは−OCO−、−CO−、または−NHCO−であり、pは1以上の数である。)で表されるポリアセタール、
c)放射線に露出した時に酸を発生し得る放射線感応性化合物、
d)放射線に露出することにより中性化合物に分解し得る塩基である、式
(Ar) 3 S + CH 3 COO − または(Ar) 3 S + OH −
(式中、Arは置換されていてもよいフェニル基である。)
により表わされる水酸化トリフェニルスルホニウムまたはトリフェニルスルホニウムアセテートおよびそれらの誘導体または水酸化ジフェニルヨードニウムおよびそれらの誘導体、および
e)成分a)、b)、c)およびd)を溶解させるための溶剤
を含むことを特徴とする、ポジ型放射線感応性組成物。 - a)請求項1における成分a)の式を有するランダム共重合体、
b’)架橋剤、
c)放射線に露出した時に酸を発生し得る放射線感応性化合物、
d)放射線に露出することにより中性化合物に分解し得る塩基である、式
(Ar) 3 S + CH 3 COO − または(Ar) 3 S + OH −
(式中、Arは置換されていてもよいフェニル基である。)
により表わされる水酸化トリフェニルスルホニウムまたはトリフェニルスルホニウムアセテートおよびそれらの誘導体または水酸化ジフェニルヨードニウムおよびそれらの誘導体、および
e)成分a)、b’)、c)およびd)を溶解させるための溶剤
を含むことを特徴とする、ネガ型放射線感応性組成物。 - 成分a)が請求項1における式のランダム共重合体であり、Rが4位が水酸基で置換されたフェニルまたは水酸基及びアルキル基で置換されたフェニルであり、前記水酸基が、酸により開裂し得る基で保護されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の放射線感応性組成物。
- 成分a)が4−ヒドロキシスチレンとスチレンのランダム共重合体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の放射線感応性組成物。
- ランダム共重合体中のスチレン含有量が1〜50モル%であることを特徴とする、請求項4に記載の放射線感応性組成物。
- 成分a)中の水酸基が、tert.−ブチルオキシカルボニルまたはテトラヒドロピラニルまたはトリアルキルシリル基により部分的に置換されていることを特徴とする、請求項1に記載のポジ型放射線感応性組成物。
- R4がエチレン、イソプロピルまたは枝分れしたブチル基であり、R3がフェニル基であり、R5がプロピル基であり、XがOCO基であることを特徴とする、請求項1に記載の放射線感応性組成物。
- 露出に使用する放射線がディープUV光線、電子線またはX線であることを特徴とする、請求項1または2に記載の放射線感応性組成物。
- 成分c)が式
Ar−SO2−C(N2)−Y−Ar’
[式中、ArおよびAr’は同一又は異なっていてフェニル、クロロフェニル、アルキルフェニル、アルキル基であり、Yは−SO2−または−CO−、である。]または
(Ar)3S+R6SO3 −
[式中、Arは置換されていてもよいフェニル基であり、R6はアルキルまたはフッ素化アルキル基である。]
により表されることを特徴とする、請求項1または2に記載の放射線感応性組成物。 - 成分e)がプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の放射線感応性組成物。
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