JP3573196B2 - 節水弁及び節水装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、蛇口の内側へ嵌挿固定して節水することを目的とした節水弁及び節水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来弁体の通水孔の断面積を規制して節水目的を達成する節水弁が知られていた(特開平9−165805号)。
【0003】
【発明により解決しようとする課題】
前記従来の節水弁は、蛇口の端部外側にねじを切り、該ねじに螺合する形式、又は水栓の接続部に介装する形式であって、多数使用されているが、蛇口の外側にねじがない場合には、取り付け出来ない問題点があった。例えば給湯管と給水管とを一つの蛇口に連結する方式の水栓にあっては、蛇口の端部外側にねじがないものが大部分であり、前記従来の節水弁を取りつけることが出来ない問題点があった。
【0004】
前記蛇口の端部をねじを切れば節水弁を取りつけることができるが、取り付け作業に時間と労力が掛かる問題点があるのみならず、ねじを切らなければ、従来設置された多数の蛇口に節水弁を取り付けることが出来ない問題点があった。例えば、多数の蛇口を有するビル、ホテルその他において、節水弁を取り付けた蛇口と、取り付けない蛇口とが混在することになるおそれがあった。
【0005】
【課題を解決する為の手段】
この発明は、節水弁に、蛇口の内壁と掛止する弾性掛止片を取り付けることにより、前記従来の問題点を解決したのである。
【0006】
この発明は、蛇口内へ嵌挿できる筒状弁体の上部側壁に、水量を調節する通水孔を、中央孔と連通して穿設し、前記筒状弁体の上部外側へ、前記蛇口内壁の下方屈曲壁と掛止できると共に、筒状弁体の回転により下方屈曲壁との掛止を解除することができる弾性掛止片を設けたことを特徴とする節水弁であり、蛇口内へ嵌挿できる筒状弁体の上部側壁に、水量を調節する通水孔を、中央孔と連通して穿設し、前記筒状弁体の上部外側へ、前記蛇口内壁の下方屈曲壁と掛止できると共に、筒状弁体の回転により下方屈曲壁との掛止を解除できる弾性掛止片を設け、前記筒状弁体の下端部へ筒体の内側に水の流動方向と直角方向に、網及び整流板を並設した分散嘴を着脱自在に取り付けたことを特徴とする節水弁である。
【0007】
他の発明は、蛇口内へ、通水孔の断面積の規制により水量調節できる節水弁を着脱自在に嵌挿固定し、該節水弁は、その上部外側に、蛇口の内壁の下方屈曲壁と掛脱できる弾性掛止片2を設け、該弾性掛止片2に屈曲部2bを設け、屈曲部2bの下端部には、下方へ屈曲する掛止部2cを設けてあり、前記節水弁の下部へ分散嘴を取り付けたことを特徴とする節水装置である。
【0008】
前記において、弾性掛止片は、弾片の一端部を弁体上に固定し、他端部を筒体の縦溝に沿って屈曲すると共に、片持ち状に設置し、弾性掛止片の自由端部を下向き斜めに屈曲して屈曲片としたものである。このようにすれば、節水弁を嵌挿する際には掛止片が自動的に変形して、前記縦溝内へ収容され、掛止時には突出して掛止することができる。また前記屈曲片の一側を弧状に形成しておけば、該弧状部側へ、弁体を回転すれば、前記屈曲片が自動的に変形して縦溝内へ退避するので、弁体を容易に抜き取ることが出来る。
【0009】
【発明の実施の形態】
この発明は、節水用の通水孔を有する筒状弁体を蛇口内へ着脱自在に嵌挿できるようにした節水弁であって、全体は有頂筒状であって、側壁に水量を調節する為の通水孔を有すると共に、上端部には、蛇口内壁と掛止する弾性掛止片の上端部が固定してある。また弾性掛止片の他端部は、前記筒状弁体の側壁に設けた溝に沿って下方へ屈曲してあると共に、その下端を蛇口の内壁側へ屈曲して掛止部とし、前記筒状弁体の内壁と掛止する。
【0010】
前記筒状弁体の下部には、筒体内に網板等を収容した分散嘴が連結してあり、整流すると共に、空気を補給している。
【0011】
前記における弾性掛止片の掛止部は、若干下向き傾斜になっているので、筒状弁体を圧入する際に、掛止片は自動的に溝側へ移行し、前記筒状弁体を蛇口内へ円滑に収容することができる。前記において、筒状弁体を回転すると、掛止片も回転し、掛止片の掛止部が蛇口の内壁にぶつかって自動的に溝側へ退避するので、容易に筒状弁体を取り外すことができる。
【0012】
【実施例1】
この発明の節水弁の実施例を図1、2、3に基づいて説明する。頂板1aを有する筒状弁体1の上端部に、弾性掛止片2の上部2aをビス3で固定し、前記弾性掛止片2の下部は、前記筒状弁体1の側壁1bに沿って下方へ屈折した屈曲部2bを設け、屈曲部2bの下端部は外方へ屈曲して掛止部2cを形成し、掛止部2cは下方へ若干(例えば5度〜10度)屈曲すると共に、一側隅は弧状2dに形成してある。
【0013】
前記筒状弁体1の外壁には環状溝4が設けてあり、該環状溝4に掛るように通水孔5を横方向に穿設し、前記屈曲部2bは筒状弁体1の縦溝6に収容可能に対向しており、この発明の節水弁27を構成する。前記筒状弁体1の下端鍔部7には螺糸7aが設けてあって、この螺糸7aに筒体8の上端部が螺合している。前記筒体8内には、組立て筒9を内装し、組立て筒9の上部の段部9aに弧状網10、多孔板11が掛止され、前記組立て筒9の下部内側には弧状フィルター12と、平板フィルター13が設置され、最下部内側に補強網14が嵌着してある。前記弧状網10、多孔板11及び弧状フィルター12の中央部には支軸15が設置され、相互間隔を保っている。前記組立て筒9は、前記筒体8の内側へ間隙16を介して設置されると共に、前記組立て筒9の側壁には通気孔17が穿設してある。図中18は筒状弁体1と蛇口19の内壁との間に介装するOリング、20は組立て筒9と、筒状弁体1の下端面との間に介装したOリングである。
【0014】
前記実施例において、通水孔5の口径により節水割合を定める。例えば高層ビルにおいて、上層部は大径(例えば5mm)、中層部は中径(例えば4.5mm)、下層部は小径(例えば4mm)にすれば、水圧による放水量の相違を制御することが出来る。また通常放水のまま手を洗ったり、洗顔するが、使用水量中有効水量は僅少(例えば10%〜20%)であるから、無駄な水量を少なくする為に、放水量を20%〜50%削減する場合もある。このような時には、求める減水量に応じて、前記通水孔の直径を定める。この場合においても常時水圧に留意し、場所の高低、水圧の高低に拘わらず、同一放水量になるように調節する。
【0015】
前記は、放置場所の水圧と、高低が分れば、容易に正しい選定をすることが出来る。前記実施例において、水は矢示21のように通水孔5から入り、矢示22、23のように筒状弁体内を通過し、各種網を透過して、矢示24のように放出される。
【0016】
前記において、空気が矢示25のように間隙16を上昇し、通気孔17から弧状フィルター12上へ矢示26のように供給されるので、矢示23のように流下する水と混合し、2枚のフィルターを通過する間に、均一に混合されて矢示24のように放出されるので、洗浄効率を高めることが出来ると共に、見掛け水量も多くなるので、ユーザも満足できる。
【0017】
【実施例2】
この発明の節水装置30は、前記筒体8付きの節水弁27を蛇口19に取り付けて構成する。前記節水装置30を取り付けるには、図中矢示28のように節水弁27の上端部を蛇口19内に案内し、同方向へ押し込むと、掛止部2cが矢示29の方向へ押圧され、弾性掛止片2の屈曲部2bを矢示31の方向へ押し込むようになり、前記掛止部2cが容易に蛇口19の内側へ入るので、節水弁27を円滑に挿入することができる。
【0018】
前記掛止部2cが、蛇口19の下方屈曲壁19aに達すると、前記掛止部2cは、前記下方屈曲壁19aに掛止するので、筒状弁体1は、前記掛止部2cと、蛇口19の下方屈曲壁19aと、蛇口19の下端縁19bと、前記下端鍔部7aとの間で固定され、節水弁27は蛇口19内へ安定固定される。
【0019】
前記節水弁27を取る必要が生じた際は、節水弁27を図中矢示33の方向へ回転すれば、前記掛止部2cは、蛇口内壁のカーブの変化により押圧されて、図7(b)のように縦溝6内へ押し込まれるので、図6中矢示34の方向へ引張れば、容易に取り出すことが出来る。
【0020】
前記のように、節水弁27はワンタッチで挿入固定できるので、作業性がきわめて良好であり、かつ蛇口を加工する必要がないので、設置に際し器具も不要である。
【0021】
【発明の効果】
この発明によれば、蛇口の外側に螺糸がない場合であっても、節水弁を容易・確実に装着し、節水し得る効果がある。
【0022】
また節水弁は必要に応じて容易に取り外すことができるので、節水率を選定し得る効果がある。
前記装着は、筒状弁体の上部外側へ蛇口内壁の下方屈曲壁と掛止できる弾性掛止片を設けたので、前記筒状弁体を挿入するのみで容易に掛止し、回転して弾性掛止片の掛止を解けば、容易に取り外し得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の縦断側面図。
【図2】同じく正面図。
【図3】同じく下面図。
【図4】同じく側面図。
【図5】同じく節水弁取り付け状態の図。
【図6】同じく他の実施例の縦断側面図。
【図7】(a)同じく掛止部の掛止状態の横断説明図。
(b)同じく掛止解除の横断説明図。
【符号の説明】
1 筒状弁体
2 弾性掛止片
3 ビス
4 環状溝
5 通水孔
6 縦溝
7 下端鍔部
8 筒体
9 組立て筒
10 弧状網
11 多孔板
12 弧状フィルター
13 平板フィルター
14 補強網
15 支軸
16 間隙
17 通気孔
18、20 Oリング
19 蛇口
27 節水弁
30 節水装置

Claims (3)

  1. 蛇口内へ嵌挿できる筒状弁体の上部側壁に、水量を調節する通水孔を、中央孔と連通して穿設し、前記筒状弁体の上部外側へ、前記蛇口内壁の下方屈曲壁と掛止できると共に、筒状弁体の回転により下方屈曲壁との掛止を解除することができる弾性掛止片を設けたことを特徴とする節水弁。
  2. 蛇口内へ嵌挿できる筒状弁体の上部側壁に、水量を調節する通水孔を、中央孔と連通して穿設し、前記筒状弁体の上部外側へ、前記蛇口内壁の下方屈曲壁と掛止できると共に、筒状弁体の回転により下方屈曲壁との掛止を解除できる弾性掛止片を設け、前記筒状弁体の下端部へ筒体の内側に水の流動方向と直角方向に、網及び整流板を並設した分散嘴を着脱自在に取り付けたことを特徴とする節水弁。
  3. 蛇口内へ、通水孔の断面積の規制により水量調節できる節水弁を着脱自在に嵌挿固定し、該節水弁は、その上部外側に、蛇口の内壁の下方屈曲壁と掛脱できる弾性掛止片2を設け、該弾性掛止片2に屈曲部2bを設け、屈曲部2bの下端部には、蛇口の内壁側に向けて下向き斜めに屈曲する掛止部2cを設けてあり、前記節水弁の下部へ分散嘴を取り付けたことを特徴とする節水装置。
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