JP3573024B2 - 車両用テレビの取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車室の天井に付設する車両用テレビの取付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、車室天井高の高いワゴン車等には、図3に示すように、車室天井CにテレビTを付設することがなされている。この種のテレビTは、液晶ディスプレイを用いた薄型のテレビ本体1をベース部2Aに起倒回動自在に組付けたもので、ベース部2Aを車室天井Cに取付けて、テレビ本体1を下方へ回動しほぼ垂直姿勢として使用し、不使用時には、テレビ本体1を上方へ回動しほぼ水平状にベース部2Aに収納する。図の10は画面である。
【0003】
図4に従来のテレビの取付け構造を示す。テレビTのベース部2Aは、表面にテレビ本体1を収納する凹部21を有する箱体で、ベース部2Aの背面にはベースプレート3Aが一体に組付けてある。一方、車室天井Cには、合成樹脂製の板材5aを表皮5bで被覆した天井トリム5にテレビ取付け開口(以下、開口という)50が設けてある。開口50は、車幅方向に延在し車体ルーフを補強するルーフリインフォースメント(以下、リインフォースメントという)6に対応する位置に形成してある。そして、テレビTは、ベース部2Aを下方から開口50を塞ぐようにして外周端を天井トリム5の開口50の開口縁の下面に押し当てて、ベースプレート3Aをリインフォースメント6に締結して取付けている。
【0004】
ところで、合成樹脂製の天井トリム5の開口50まわりは剛性が不充分で、湾曲したり、あるいはベース部2Aと天井トリム5の開口50まわりとの間に隙間ができたりして見栄えが良くない。
【0005】
そこで従来、図5に示すように、天井トリム5の開口50まわりの上面に、開口縁に沿うように枠状のリテーナ7を重合固着して開口縁を強化したり、図6に示すように、開口50にこれを上方から塞ぐように、パネル状のブラケット8を上記リインフォースメント6に取付けてその前端縁および後端縁をそれぞれ開口50の開口前縁および開口後縁に重ね、上記ブラケット8にベース部2Aのベースプレート3Aを締結して、ベース部2Aの前端および後端とブラケット8の前端縁および後端縁とで開口50の前後の開口縁を上下に挟み付けることがなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来構造では、枠状のリテーナ7やパネル状のブラケット8などの別部材を取付けているので、部品点数が増えて重量が増加し、また、コストが高くなり、取付け作業の作業工数も多い。そこで本発明は、テレビ取付け専用の別部材を用いることなく、テレビのベース部と車室天井との衝合部に変形や隙間が生じない車両用テレビの取付け構造を実現することを課題としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車室の天井に取付けるテレビの取付け構造において、車室の天井の天井トリムに開口を形成し、テレビを、ベースプレートと、該ベースプレートに起倒回動自在に取付けたテレビ本体と、上記ベースプレートに沿わせるように倒した上記テレビ本体の外周を取り囲んでこれを収納する枠状のカバー部材とで構成し、上記ベースプレートには、天井トリムの上記テレビ取付け開口の開口縁と重ね合される前後の端縁の内側位置にそれぞれ第1の貫通孔および第2の貫通孔を形成するとともに、上記カバー部材には上記第1の貫通孔と対応する位置に上方へ突出して上端がく字形に屈曲する第1の係止部を形成するとともに、上記第2の貫通孔と対応する位置に上方へ突出し、上端に係止爪を有する第2の係止部を形成し、上記ベースプレートを、天井トリムの上記開口を塞ぐようにして前後の端縁をそれぞれ上記開口の前後の開口縁の上面に重ね合わせ、かつ、上記カバー部材の前後の外周端縁をそれぞれ上記開口の前後の開口縁の下面に当接せしめた状態で、上記第1の係止部を上記第1の貫通孔に挿通して屈曲端を上記第1の貫通孔の開孔縁の上面に圧接係止せしめ、上記第2の係止部の係止爪を上記第2の貫通孔に挿通して第2の貫通孔の開孔縁の上面に弾接係止せしめて上記カバー部材を上記ベースプレートに固定し、上記開口の前後の開口縁をそれぞれ、上記ベースプレートの前端縁と上記カバー部材の外周前端縁との間、および、上記ベースプレートの後端縁と上記カバー部材の外周後端縁との間で挟み付ける。
【0008】
本発明では、テレビを構成するベースプレートとカバー部材を別体とし、これ等で天井トリムの開口の前後の開口縁を上下に挟み付けたので、テレビを天井に隙間なく見栄え良好に取付けることができる。また、カバー部材は、第1および第2の係止部をそれぞれベースプレートの第1および第2の貫通孔に係止して取付けるようにしたので、テレビの取付け専用部材を必要とせず構造の簡略化および軽量化がはかれ、かつ、テレビの取付け作業性が向上し、作業工数の減少につながる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1ないし図3に基づいて説明する。テレビTは、図3に示すように、テレビ本体1を車室天井Cから垂下起立状態として使用し、回動させ車室天井Cに沿わせて収納するものである。
【0010】
図1および図2に示すように、車室天井Cは合成樹脂製の板材5aを表皮5bで被覆した天井トリム5で全体が被覆してあり、天井トリム5には四角形状の開口50が形成してある。開口50は四隅のコーナー部が円弧状に形成してある。開口50は、ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に設けてルーフパネルを補強する帯状のリインフォースメント6に対応する位置に形成してある。リインフォースメント6は断面逆ハット形で開口50を車幅方向に横切り、開口50の左右の開口縁の上面がリインフォースメント6の下面と当接している。
【0011】
テレビTのテレビ本体1は液晶ディスプレイを用いた箱型で、その前後寸法(図の左側が前側)および左右の幅寸法は天井トリム5の開口50よりも小さいものである。テレビTのベース部2は、金属板のベースプレート3と、これとは別体の合成樹脂よりなる枠状のカバー部材4とからなる。
【0012】
ベースプレート3はほぼ四角形状のパネル材で、その前後寸法は天井トリム5の開口50の前後寸法よりも大きく形成してあり、左右の幅寸法は開口50内に嵌め込めるように開口50の幅寸法よりも若干小さく形成してある。ベースプレート3は、四つの隅角部が切り落としてあり、前端縁31および後端縁32の幅寸法が開口50の前後の開口縁51,52の幅寸法よりも小さくしてある。
【0013】
ベースプレート3には、前端の左右両側にそれぞれ角形の第1の貫通孔33が形成してあり、また、後端には左右両側にそれぞれ角形の第2の貫通孔34が形成してある。第1および第2の貫通孔33,34はそれぞれ前端縁31および後端縁32よりも若干内側位置に形成してあり、両貫通孔33,34間の前後の間隔は天井トリム5の開口50の前後寸法とほぼ同じ寸法としてある。更に、ベースプレート3には左右両側端にそれぞれ前後にねじ止め用の貫通孔35が形成してある。
【0014】
そして、ベースプレート3の下面には、前端の左右両側位置に下方へ突出する左右一対の突起部36が形成してあり、これ等にテレビ本体1の左右の側面前端が軸支してある。テレビ本体1は、支持部を中心に上下方向に回動して画面10がベースプレート3と対向するようにしてある。
【0015】
カバー部材4は合成樹脂よりなる枠状で、外周寸法は天井トリム5の開口50の外周寸法よりも大きく形成してあり、前端縁41および後端縁42ならびに側端縁はそれぞれ上方に向かって湾曲起立している。カバー部材4の内周寸法はテレビ本体1を収納するようにテレビ本体1の外周寸法に合わせてある。そして、カバー部材4の内周縁の高さはテレビ本体1の厚みに合わせてある。
【0016】
カバー部材4の前端には左右両側にそれぞれ、ベースプレート3の第1の貫通孔33と対応する位置に第1の係止部43が設けてある。第1の係止部43は上方(カバー部材4の背面側)に突出し、先端が前方へほぼく字形に屈曲した屈曲端45を備えている。一方、カバー部材4の後端には左右両側にそれぞれ、ベースプレート3の第2の貫通孔34と対応する位置に上方へ突出する第2の係止部44が設けてあり、第2の係止部44の先端には、後方に向かって突出する断面山形の係止爪46を備えている。係止爪46は、係止部44の中間部にほぼU字形に切込みを設け、撓み変形可能な舌片状の切り残し部により成形したものである。
【0017】
テレビTを車室天井Cに取付けるには、まず、ベースプレート3を天井トリム5の開口5を上方から塞ぐように開口50内にその下方から嵌め込む。ベースプレート3を下方から嵌め込む場合、ベースプレート3を前後方向に斜めにして前端縁31側から開口50内に挿入し、後端縁32側を開口50内に挿入する。そして、ベースプレート3を車両後方へスライドすることにより開口50の前後の開口縁51,52の上面に重ね合わせ、ベースプレート3の第1および第2の貫通孔33,34をそれぞれ開口50の前後の開口縁51,52の内側に沿うように位置合わせする。
【0018】
ベースプレート3は開口50内に嵌め込んだとき、左右両側の貫通孔35にリインフォースメント6のウェエルドボルトWを挿通し、ベースプレート3の上面をリインフォースメント6の下面に当接せしめ、各貫通孔35の下方よりナットNをウェルドボルトWに締め付けてベースプレート3をリインフォースメント6に固定する。
【0019】
次に、ベースプレート3に沿うように倒した状態のテレビ本体1の外周まわりを取り囲むとともに天井トリム5の開口50の開口縁を被覆するカバー部材4を取付ける。カバー部材4は、図2において2点鎖線で示すように、前上がりの傾斜姿勢で外周前端縁41を天井トリム5下面の開口50の開口前縁51に押し当てながら第1の係止部43をベースプレート3の第1の貫通孔33に貫入して屈曲端45を第1の貫通孔33の開孔前縁の上面に圧接係止してカバー部材4の前端を止め、そして、カバー部材4を水平に戻しながら、第2の係止部44をベースプレート3の第2の貫通孔34に係止爪46を撓ませつつ圧入し、係止爪46を第2の貫通孔34の開孔後縁の上面に弾接係止してカバー部材4の外周端縁全周を天井トリム5の開口50まわりに圧接せしめる。
【0020】
これにより、天井トリム5の開口50の開口前縁51はベースプレート3の前端縁31とカバー部材4の外周前端縁41との間で上下に挟み付けられ、開口50の開口後縁52はベースプレート3の後端縁32とカバー部材4の外周後端縁42との間で上下に挟み付けられ、かつ、開口50の左右の開口側縁はカバー部材4の左右の外周側端縁とリインフォースメント6とで上下に挟み付けられ、天井トリム5の開口50まわりは安定し、かつ、テレビTの外周との間に隙間が生じず見栄えが損なわれない。
【0021】
また、カバー部材4は、その第1および第2の係止部43,44を順次ベースプレート3の第1および第2の貫通孔33,34に係止することで取付け作業性が良好である。
【0022】
【発明の効果】
本発明の車両用のテレビの取付け構造によれば、テレビ取付け専用の別部材を用いることなく、テレビを構成するベースプレートとカバー部材を別体とし、これ等を利用して取付ける構造としたので、構造の簡素化および軽量化がはかれ、かつ、取付け作業性が良好で、テレビと車室天井との衝合部に隙間の生じない見栄えのよい取付けが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の取付け構造を適用した車両用テレビを、収納状態で下方から見た平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う縦断面図である。
【図3】車室天井に取付けた車両用テレビの斜視図である。
【図4】従来の車両用テレビの取付け構造を示す縦断面図である。
【図5】従来の他の車両用テレビの取付け構造を示す縦断面図である。
【図6】従来の更に他の車両用テレビの取付け構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
C 車室天井
T テレビ
1 テレビ本体
3 ベースプレート
31 前端縁
32 後端縁
33 第1の貫通孔
34 第2の貫通孔
4 カバー部材
41 外周前端縁
42 外周後端縁
43 第1の係止部
44 第2の係止部
45 屈曲端
46 係止爪
5 天井トリム
50 テレビ取付け開口
51 開口前縁
52 開口後縁
Claims (1)
- 車室の天井に取付けるテレビの取付け構造において、車室の天井の天井トリムにテレビ取付け開口を形成し、テレビを、ベースプレートと、該ベースプレートに起倒回動自在に取付けたテレビ本体と、上記ベースプレートに沿わせるように倒した上記テレビ本体の外周を取り囲んでこれを収納する枠状のカバー部材とで構成し、上記ベースプレートには、天井トリムの上記テレビ取付け開口の開口縁と重ね合される前後の端縁の内側位置にそれぞれ第1の貫通孔および第2の貫通孔を形成するとともに、上記カバー部材には上記第1の貫通孔と対応する位置に上方へ突出して上端がく字形に屈曲する第1の係止部を形成するとともに、上記第2の貫通孔と対応する位置に上方へ突出し、上端に係止爪を有する第2の係止部を形成し、上記ベースプレートを、天井トリムの上記テレビ取付け開口を塞ぐようにして前後の端縁をそれぞれ上記テレビ取付け開口の前後の開口縁の上面に重ね合わせ、かつ、上記カバー部材の前後の外周端縁をそれぞれ上記テレビ取付け開口の前後の開口縁の下面に当接せしめた状態で、上記第1の係止部を上記第1の貫通孔に挿通して屈曲端を上記第1の貫通孔の開孔縁の上面に圧接係止せしめ、上記第2の係止部の係止爪を上記第2の貫通孔に挿通して第2の貫通孔の開孔縁の上面に弾接係止せしめて上記カバー部材を上記ベースプレートに固定し、上記テレビ取付け開口の前後の開口縁をそれぞれ、上記ベースプレートの前端縁と上記カバー部材の外周前端縁との間、および、上記ベースプレートの後端縁と上記カバー部材の外周後端縁との間で挟み付けるようになしたことを特徴とする車両用テレビの取付け構造。
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1999
- 1999-10-05 JP JP28391199A patent/JP3573024B2/ja not_active Expired - Lifetime
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