JP3572522B2 - 衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整方法及び装置 - Google Patents

衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整方法及び装置に関し、特に、水平なロータの外周に設けた打撃板の先端と、ロータに対して接近離反可能に設けた衝突板の下端との間に形成される破砕間隙を自動調整する衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整方法及び装置としては、特許第2928327号公報記載の粉砕機の粉砕間隙を自動的に調整する方法及び装置が知られている。
この方法及び装置は、打撃板を設けたロータを回転させながら、衝突板の下端をロータに接近させ、衝突板の下端と打撃板の先端との接触時に発生する音をマイクロフォンによって検知し、両者の接触を検出して間隙値零とした後、衝突板の下端をロータから離反させ、衝突板の下端と打撃板の先端との間隙を望ましい大きさに調整する、というものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整方法及び装置では、回転中のロータの打撃板に衝突板を接触させる必要があるため、両者の接触に伴ってロータの回転運動と衝突板の移動とが干渉することとなり、打撃板及び/又は衝突板が破損する等の不具合がある。
【0004】
そこで、本発明は、打撃板及び/又は衝突板の破損等を招くことなく行い得る衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整方法及び装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整方法は、水平なロータの外周に設けた打撃板の先端と、ロータに対して接近離反可能に設けた衝突板の下端との間に形成される破砕間隙を自動調整する方法において、前記ロータを打撃板の先端と衝突板の下端との接触状態で動力を遮断可能なクラッチを介在させた回転駆動装置により空転させながらその回転を検出し、衝突板の下端をロータに接近させ、衝突板の下端と打撃板の先端との接触によるロータの回転停止を検出して衝突板の下端の移動を停止し、かつ、この状態を破砕間隙値零とした後、衝突板の下端をロータから離反させながらその移動距離を破砕間隙値として測定し、破砕間隙値が所望の大きさになった時点で衝突板の下端の移動を停止することを特徴とする。
【0006】
一方、衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整装置は、水平なロータの外周に設けた打撃板の先端と、ロータに対して接近離反可能に設けた衝突板の下端との間に形成される破砕間隙を自動調整する装置において、前記ロータとそれを駆動する回転駆動装置との間に介装され、打撃板の先端と衝突板の下端との接触状態で動力を遮断可能なクラッチと、ロータの回転を検出する回転検出器と、衝突板の下端と打撃板の先端とが接触した状態を破砕間隙値零とし、打撃板の先端から離反する衝突板の下端の移動距離を破砕間隙値として測定する間隙値測定装置と、衝突板の下端をロータに接近させると共に、衝突板の下端と打撃板の先端との接触によるロータの回転停止を回転検出器からの回転停止信号を入力して衝突板の下端の移動を停止させ、かつ、破砕間隙値零を設定した後、衝突板の下端をロータから離反させると共に、間隙値測定装置からの測定信号を入力して破砕間隙値が所望の大きさになった時に衝突板の下端の移動を停止するように衝突板の下端の移動を制御する制御装置とを備えることを特徴とする。
【0007】
【作用】
上記衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整方法及び装置においては、破砕間隙の自動調整が、ロータの回転を停止させた状態で行われる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整装置の実施の形態の一例を示す概略構成図である。
図中1は図示しないケーシング内に水平に横架したロータで、このロータ1は、後述する回転駆動装置を介して正逆回転されるロータ軸2と、ロータ軸2に等間隔に取り付けた正多角形(図1においては正六角形)の複数(図1においては1枚のみ示す)のロータプレート3と、ロータプレート3の外周角部に上下反転可能に放射状に取り付けた複数(図1においては6枚)の打撃板4とから概略構成されている。
ロータ軸2の一端は、正逆回転可能な回転駆動装置5と、打撃板4の先端と後述する衝突板の下端との接触状態で動力を遮断可能とすべく伝達動力を調整可能なクラッチを介装して連結されている一方、ロータ軸2の他端には、その回転を検出するロータリエンコーダ等の回転検出器(図示せず)が設けられている。
【0009】
ロータ1の両側方の上部及び下部には、ロータ軸2と平行なピン7を介して上端部をケーシングに軸着されると共に、ケーシングの外部に取り付けた衝突板移動装置としての油圧シリンダ8を介して下端部をロータ1に対して接近離反可能に設けられ、かつ、ロータ1と対向する面を円弧状に凹ませて曲成した衝突板9(図1においては右側方の下部のもののみ示す)が左右対称に配設され、ロータ1と各衝突板9との間に破砕室が形成されている。
又、油圧ユニット10によって駆動される油圧シリンダ8には、衝突板9の下端と打撃板4の先端との接触によるロータ1の回転が停止した状態を破砕間隙値零とし、打撃板4の先端から離反する衝突板9の下端の移動距離を破砕間隙値として測定すべく、ピストンロッド8aの突出長さを測定するレーザセンサ等の間隙値測定装置11が付設されている。
【0010】
12は衝突板9の下端の移動を制御する制御装置で、この制御装置12は、油圧シリンダ8を往動作動させて衝突板9の下端をロータ1に接近させると共に、回転検出器からの回転停止信号R0 を入力して衝突板9の下端の移動、すなわち、油圧シリンダ8の往動作動を停止させ、かつ、破砕間隙値零を設定した後、油圧シリンダ8を復動作動させて衝突板9の下端をロータ1から離反させると共に、間隙値測定装置11からの測定信号Mを入力して破砕間隙値が所望の大きさになった時に衝突板9の下端の移動、すなわち、油圧シリンダ8の復動作動を停止させるように、作動制御信号OCを油圧ユニット10へ出力して油圧シリンダ8の駆動、すなわち、衝突板9の下端の移動を制御するものである。
【0011】
上記構成の衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整装置による破砕間隙の自動調整は、先ず、被破砕物の供給を停止すると共に、クラッチ6の伝達動力を打撃板4の先端と衝突板9の下端との接触状態で遮断するように調整して回転駆動装置5により、ロータ1を空転させる。
次に、制御装置12から作動制御信号OCが油圧ユニット10へ出力されて油圧シリンダ8が往動作動するように駆動され、衝突板9の下端がロータ1に接近させられる。
そして、衝突板9の下端と打撃板4の先端との接触によるロータ1の回転停止が回転検出器によって検出され、その回転停止信号Rが制御装置12に入力されると、油圧シリンダ8の往動作動が停止され、かつ、この状態を破砕間隙値零と設定し、油圧シリンダ8を復動作動させて衝突板9の下端をロータ1から離反させながら、その移動距離を破砕間隙値として測定する間隙値測定装置11からの測定信号Mを入力し、破砕間隙値が所望の大きさになった時点で油圧シリンダ8の復動作動を停止し衝突板9の下端の移動を停止させる。
【0012】
なお、上述した実施の形態においては、衝突板9の下端の移動を、油圧シリンダ8の往復作動によって行う場合について説明したが、これに限定されるものではなく、電動機とスクリュー伝動装置を用いて行うようにしてもよい。
【0013】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整方法及び装置によれば破砕間隙の自動調整が、ロータの回転を停止させた状態で行われるので、打撃板及び/又は衝突板の破損や衝突板移動装置の損傷等を招くことなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整装置の実施の形態の一例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 ロータ
4 打撃板
5 回転駆動装置
6 クラッチ
8 油圧シリンダ(衝突板移動装置)
9 衝突板
11 間隙値測定装置
12 制御装置
回転停止信号
M 測定信号
OC 作動制御信号

Claims (2)

  1. 水平なロータの外周に設けた打撃板の先端と、ロータに対して接近離反可能に設けた衝突板の下端との間に形成される破砕間隙を自動調整する方法において、前記ロータを打撃板の先端と衝突板の下端との接触状態で動力を遮断可能なクラッチを介在させた回転駆動装置により空転させながらその回転を検出し、衝突板の下端をロータに接近させ、衝突板の下端と打撃板の先端との接触によるロータの回転停止を検出して衝突板の下端の移動を停止し、かつ、この状態を破砕間隙値零とした後、衝突板の下端をロータから離反させながらその移動距離を破砕間隙値として測定し、破砕間隙値が所望の大きさになった時点で衝突板の下端の移動を停止することを特徴とする衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整方法。
  2. 水平なロータの外周に設けた打撃板の先端と、ロータに対して接近離反可能に設けた衝突板の下端との間に形成される破砕間隙を自動調整する装置において、前記ロータとそれを駆動する回転駆動装置との間に介装され、打撃板の先端と衝突板の下端との接触状態で動力を遮断可能なクラッチと、ロータの回転を検出する回転検出器と、衝突板の下端と打撃板の先端とが接触した状態を破砕間隙値零とし、打撃板の先端から離反する衝突板の下端の移動距離を破砕間隙値として測定する間隙値測定装置と、衝突板の下端をロータに接近させると共に、衝突板の下端と打撃板の先端との接触によるロータの回転停止を回転検出器からの回転停止信号を入力して衝突板の下端の移動を停止させ、かつ、破砕間隙値零を設定した後、衝突板の下端をロータから離反させると共に、間隙値測定装置からの測定信号を入力して破砕間隙値が所望の大きさになった時に衝突板の下端の移動を停止するように衝突板の下端の移動を制御する制御装置とを備えることを特徴とする衝撃式破砕機の破砕間隙自動調整装置。
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