JP3572423B2 - 電気自動車用モータの駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は電気自動車用モータの駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車の推進源として用いられる誘導モータを駆動制御する装置が知られている。
図2を参照して従来の電気自動車用モーターの駆動制御方法を説明する。
アクセル開度と車速に応じて設定された目標トルクTrを、1次遅れフィルタ(1)によりフィルター処理した後、トルク電流指令Itを演算する。一方、目標トルクTrに基づいて磁束指令φを演算し、1次遅れフィルタ(2)によりフィルタ処理した後(φ’)、励磁電流指令Imを演算する。さらに、トルク電流指令Itと励磁電流指令Imとに基づいて1次電流指令I1を演算するとともに、フィルタ処理後の磁束指令φ’とトルク電流指令Itとモータ回転数とに基づいて1次周波数指令ω1を演算する。そして、算出した1次電流指令I1と1次周波数指令ω1に基づいてインバーターにより誘導モータを駆動する。なお、1次遅れフィルタ(1)および(2)の時定数は一定である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電気自動車用モータの駆動制御装置では、1次遅れフィルタ(1)および(2)の時定数を一定としているので、モータの出力トルクの立上がりが速くなるような時定数に設定すると、出力トルクの立ち下がり時にトルク振動が発生し、逆に出力トルクの立ち下がりがスムーズになるような時定数に設定すると出力トルクの立上がりが遅くなるという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、出力トルクの過渡振動を抑制しながらアクセル開度に対する出力トルクの応答性を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算して誘導モータの1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより前記誘導モータを駆動制御する電気自動車用モータの駆動制御装置に適用され、磁束指令の増加および減少を判別する判別回路と、前記判別回路により増加と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、前記判別手段により減少と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする制御回路とを備える。
請求項2の電気自動車用モータの駆動制御装置は、前記制御回路によって、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、磁束指令の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節するようにしたものである。
請求項3の発明は、目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算して誘導モータの1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより前記誘導モータを駆動制御する電気自動車用モータの駆動制御装置に適用され、目標トルクの増加および減少を判別する判別回路と、前記判別回路により増加と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともにトルク電流指令の立上がりを磁束指令の立上がりよりも遅くし、前記判別回路により減少と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともにトルク電流指令の立ち下がりを磁束指令の立ち下がりよりも速くする制御回路とを備える。
請求項4の電気自動車用モータの駆動制御装置は、前記制御回路によって、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、目標トルクの増加時と減少時に時定数を切り換えて目標トルクおよび/または磁束指令の立上がり時間と立ち下がり時間を調節するようにしたものである。
請求項5の発明は、目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算して誘導モータの1次電流指令と1次周波数指令とを演算し、インバーターにより前記誘導モータを駆動制御する電気自動車用モータの駆動制御装置に適用され、アクセルの開度を検出する開度検出手段と、前記開度検出手段により検出されたアクセル開度の増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、前記開度検出手段により検出されたアクセル開度の減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする制御回路とを備える。
請求項6の電気自動車用モータの駆動制御装置は、前記制御回路によって、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、アクセル開度の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。
【0006】
【作用】
請求項1の電気自動車用モータの駆動制御装置では、目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算する際、磁束指令の増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、磁束指令の減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御する。
請求項2の電気自動車用モータの駆動制御装置では、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、磁束指令の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。
請求項3の電気自動車用モータの駆動制御装置では、目標トルクの増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともにトルク電流指令の立上がりを磁束指令の立上がりよりも遅くし、目標トルクの減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともにトルク電流指令の立ち下がりを磁束指令の立ち下がりよりも速くする。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御する。
請求項4の電気自動車用モータの駆動制御装置では、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、目標トルクの増加時と減少時に時定数を切り換えて目標トルクおよび/または磁束指令の立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。
請求項5の電気自動車用モータの駆動制御装置では、アクセル開度の増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、アクセル開度の減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御する。
請求項6の電気自動車用モータの駆動制御装置では、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、アクセル開度の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。
【0007】
【実施例】
図1は一実施例の構成を示す機能ブロック図、図2はモータ制御演算部の動作を示す制御ブロック図である。
目標トルク演算部1は、不図示の開度センサーにより検出されたアクセル開度や不図示の車速センサーにより検出された車速などに基づいて目標トルクTrを演算する。モータ制御演算部2は、図2に示す制御ブロック図にしたがって目標トルクTrから1次電流指令I1と1次周波数指令ω1とを演算する。モータ駆動演算部3は、1次電流指令I1と1次周波数指令ω1にしたがってインバータ4を駆動し、3相交流電力を誘導モータ5へ供給する。
【0008】
モータ制御演算部2は、基本的には上述した図2に示す構成と同様であるが、この実施例ではフィルタ(1)と(2)の作用が異なる。なお、フィルター(1),(2)は積分動作または単一積分動作のものが望ましい。
モータ5の出力トルクの立上がりを速くするためには、トルク電流(It)と磁束(φ)を速く立上げる必要がある。また、出力トルクの過度振動を発生させないようにするためには、トルク電流(It)よりも磁束(φ)を大きくしなければならない。
【0009】
図3は、アクセル開度が変化した時のトルク電流指令Itと磁束指令φとの関係を示すタイムチャートである。
今、時刻t1でアクセル開度が増加し、時刻t2でアクセル開度が減少したとする。
まず、磁束指令の立上がり・立ち下がりをφ1に示すようにトルク電流指令Itの立上がり・立ち下がりよりも速くした場合は、アクセル開時にトルク電流指令Itよりも磁束指令φ1が速く立上がるので、出力トルクに過渡振動が発生しない。ところが、アクセル閉時にも、トルク電流指令Itと磁束指令φ1とが立上がり時と同様な時定数で立ち下がるので、磁束指令φ1がトルク電流指令Itよりも小さくなり、モータ出力トルクに振動が発生する。
次に、磁束指令の立上がり・立ち下がりをφ2に示すようにトルク電流指令Itの立上がり・立ち下がりよりも遅くした場合は、アクセル開時に磁束指令φ2がトルク電流指令Itよりも小さくなり、モータ出力トルクに振動が発生する。しかし、アクセル閉時には、磁束指令φ2がトルク電流指令Itよりも大きくなるので振動は発生しない。
【0010】
そこでこの実施例では、1次遅れフィルタ(1)の時定数にアクセル開度に対するモータ出力トルクの応答性が十分に高くなるような値を設定し、トルク電流指令Itの立上がりと立ち下がりを調節するとともに、磁束指令φの立上がりと立ち下がりで1次遅れフィルタ(2)の時定数を切り換え、φ3に示すように、磁束指令の立ち上がりをトルク電流指令Itの立上がりよりも速くし、磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令Itの立ち下がりよりも遅くする。
こうすると、アクセル開時および閉時に磁束指令φ3がトルク電流指令よりも大きくなり、モータ出力トルクに振動が発生しない。また、アクセル開操作に応じてモータの出力トルクが素速く立上がり、アクセル開度に対する出力トルクの応答性を上げることができる。
【0011】
図4は、1次遅れフィルタ(2)の処理プログラムを示すフローチャートである。
モータ制御演算部2のマイクロコンピューターは、所定の時間間隔でこの制御プログラムを実行する。ステップ1において、今回算出された磁束指令φが前回のフィルタ(2)処理後の磁束指令φ’以上か否かを判別し、φ≧φ’であればアクセル開時であると判断してステップ2へ進み、フィルタ(2)の時定数にフィルタ(1)の時定数よりも小さい値を設定する。一方、φ<φ’であればアクセル閉時であると判断してステップ3へ進み、フィルタ(2)の時定数にフィルタ(1)よりも大きな値を設定する。ステップ4で、設定された時定数に基づいて磁束指令φのフィルタ処理を行ない、磁束指令φ’を算出する。
これにより、トルク電流指令Itと磁束指令φとの関係は図3に示すItとφ3との関係になり、アクセルの開閉時にモータ出力トルクに過渡振動を発生させずに、アクセル開度に対するモータ出力トルクの応答性を上げることができる。
【0012】
−実施例の変形例−
上述した実施例では、アクセルの開時と閉時に1次遅れフィルタ(2)の時定数を切り換えて磁束指令φ’の立上がりと立ち下がりを調節したが、1次遅れフィルタ(1)の時定数を切り換えて目標トルクTr’の立上がりと立ち下がりを調節するようにしてもよい。
図5は、変形例のアクセル開度が変化した時のトルク電流指令Itと磁束指令φとの関係を示すタイムチャートである。時刻t1でアクセル開度が増加し、時刻t2でアクセル開度が減少したとする。
1次遅れフィルタ(2)の時定数にアクセル開度に対するモータ出力トルクの応答性が十分に高くなるような値を設定し、磁束指令φの立上がりと立ち下がりを調節するとともに、目標トルクTrの立上がりと立ち下がりで1次遅れフィルタ(1)の時定数を切り換え、トルク電流指令Itの立ち上がりを磁束指令φの立上がりよりも遅くし、トルク電流指令Itの立ち下がりを磁束指令φの立ち下がりよりも速くする。
こうすると、アクセル開時および閉時に磁束指令φがトルク電流指令Itよりも大きくなり、モータ出力トルクに振動が発生しない。また、アクセル開操作に応じてモータの出力トルクが素速く立上がり、アクセル開度に対する出力トルクの応答性を上げることができる。
【0013】
図6は、上記変形例の1次遅れフィルタ(1)の処理プログラムを示すフローチャートである。
モータ制御演算部2のマイクロコンピューターは、所定の時間間隔でこの制御プログラムを実行する。ステップ11において、今回目標トルク演算部1で算出された目標トルクTrが前回のフィルタ(1)処理後の目標トルクTr’以上か否かを判別し、Tr≧Tr’であればアクセル開時であると判断してステップ12へ進み、フィルタ(1)の時定数にフィルタ(2)の時定数よりも大きい値を設定する。一方、Tr<Tr’であればアクセル閉時であると判断してステップ13へ進み、フィルタ(1)の時定数にフィルタ(2)よりも小さい値を設定する。ステップ4で、設定された時定数に基づいて目標トルクTrのフィルタ処理を行ない、目標トルクTr’を算出する。
これにより、トルク電流指令Itと磁束指令φとの関係は図5に示すような関係になり、アクセルの開閉時にモータの出力トルクに過渡振動を発生させずに、アクセル開度に対するモータ出力トルクの応答性を上げることができる。
【0014】
なお、アクセル開時と閉時でフィルタ(1)と(2)の両方の時定数を切り換えるようにしてもよい。
また、上述した実施例とその変形例では、磁束指令φと目標トルクTrの増加および減少によりアクセル開時と閉時の判断をしたが、アクセル開度を検出するセンサーからのアクセル開度信号の増加および減少によりアクセルの開閉判断を行ない、フィルター(1)および/または(2)の時定数を切り換えるようにしてもよい。
さらに、フィルタ(1)と(2)に高次遅れフィルタを用いてもよい。
【0015】
以上の実施例の構成において、モータ制御演算部2が判別回路、制御回路および開度検出手段をそれぞれ構成する。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算する際、磁束指令の増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、磁束指令の減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする。例えば、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、磁束指令の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御するようにしたので、アクセル開閉時の出力トルクの過度振動を抑制しながらアクセル開度に対する出力トルクの応答性を向上させることができる。
また、目標トルクの増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともにトルク電流指令の立上がりを磁束指令の立上がりよりも遅くし、目標トルクの減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともにトルク電流指令の立ち下がりを磁束指令の立ち下がりよりも速くする。例えば、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、目標トルクの増加時と減少時に時定数を切り換えて目標トルクおよび/または磁束指令の立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御するようにしたので、アクセル開閉時の出力トルクの過度振動を抑制しながらアクセル開度に対する出力トルクの応答性を向上させることができる。
さらに、アクセル開度の増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、アクセル開度の減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする。例えば、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、アクセル開度の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の構成を示す機能ブロック図。
【図2】モータ制御演算部の動作を示す制御ブロック図。
【図3】アクセル開度が変化した時のトルク電流指令Itと磁束指令φとの関係を示すタイムチャート。
【図4】1次遅れフィルタ(2)の処理プログラムを示すフローチャート。
【図5】実施例の変形例のアクセル開度が変化した時のトルク電流指令Itと磁束指令φとの関係を示すタイムチャート。
【図6】1次遅れフィルタ(1)の処理プログラムを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 目標トルク演算部
2 モータ制御演算部
3 モータ駆動演算部
4 インバータ部
5 モータ
【産業上の利用分野】
本発明は電気自動車用モータの駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車の推進源として用いられる誘導モータを駆動制御する装置が知られている。
図2を参照して従来の電気自動車用モーターの駆動制御方法を説明する。
アクセル開度と車速に応じて設定された目標トルクTrを、1次遅れフィルタ(1)によりフィルター処理した後、トルク電流指令Itを演算する。一方、目標トルクTrに基づいて磁束指令φを演算し、1次遅れフィルタ(2)によりフィルタ処理した後(φ’)、励磁電流指令Imを演算する。さらに、トルク電流指令Itと励磁電流指令Imとに基づいて1次電流指令I1を演算するとともに、フィルタ処理後の磁束指令φ’とトルク電流指令Itとモータ回転数とに基づいて1次周波数指令ω1を演算する。そして、算出した1次電流指令I1と1次周波数指令ω1に基づいてインバーターにより誘導モータを駆動する。なお、1次遅れフィルタ(1)および(2)の時定数は一定である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電気自動車用モータの駆動制御装置では、1次遅れフィルタ(1)および(2)の時定数を一定としているので、モータの出力トルクの立上がりが速くなるような時定数に設定すると、出力トルクの立ち下がり時にトルク振動が発生し、逆に出力トルクの立ち下がりがスムーズになるような時定数に設定すると出力トルクの立上がりが遅くなるという問題がある。
【0004】
本発明の目的は、出力トルクの過渡振動を抑制しながらアクセル開度に対する出力トルクの応答性を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算して誘導モータの1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより前記誘導モータを駆動制御する電気自動車用モータの駆動制御装置に適用され、磁束指令の増加および減少を判別する判別回路と、前記判別回路により増加と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、前記判別手段により減少と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする制御回路とを備える。
請求項2の電気自動車用モータの駆動制御装置は、前記制御回路によって、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、磁束指令の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節するようにしたものである。
請求項3の発明は、目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算して誘導モータの1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより前記誘導モータを駆動制御する電気自動車用モータの駆動制御装置に適用され、目標トルクの増加および減少を判別する判別回路と、前記判別回路により増加と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともにトルク電流指令の立上がりを磁束指令の立上がりよりも遅くし、前記判別回路により減少と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともにトルク電流指令の立ち下がりを磁束指令の立ち下がりよりも速くする制御回路とを備える。
請求項4の電気自動車用モータの駆動制御装置は、前記制御回路によって、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、目標トルクの増加時と減少時に時定数を切り換えて目標トルクおよび/または磁束指令の立上がり時間と立ち下がり時間を調節するようにしたものである。
請求項5の発明は、目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算して誘導モータの1次電流指令と1次周波数指令とを演算し、インバーターにより前記誘導モータを駆動制御する電気自動車用モータの駆動制御装置に適用され、アクセルの開度を検出する開度検出手段と、前記開度検出手段により検出されたアクセル開度の増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、前記開度検出手段により検出されたアクセル開度の減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする制御回路とを備える。
請求項6の電気自動車用モータの駆動制御装置は、前記制御回路によって、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、アクセル開度の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。
【0006】
【作用】
請求項1の電気自動車用モータの駆動制御装置では、目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算する際、磁束指令の増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、磁束指令の減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御する。
請求項2の電気自動車用モータの駆動制御装置では、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、磁束指令の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。
請求項3の電気自動車用モータの駆動制御装置では、目標トルクの増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともにトルク電流指令の立上がりを磁束指令の立上がりよりも遅くし、目標トルクの減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともにトルク電流指令の立ち下がりを磁束指令の立ち下がりよりも速くする。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御する。
請求項4の電気自動車用モータの駆動制御装置では、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、目標トルクの増加時と減少時に時定数を切り換えて目標トルクおよび/または磁束指令の立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。
請求項5の電気自動車用モータの駆動制御装置では、アクセル開度の増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、アクセル開度の減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御する。
請求項6の電気自動車用モータの駆動制御装置では、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、アクセル開度の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。
【0007】
【実施例】
図1は一実施例の構成を示す機能ブロック図、図2はモータ制御演算部の動作を示す制御ブロック図である。
目標トルク演算部1は、不図示の開度センサーにより検出されたアクセル開度や不図示の車速センサーにより検出された車速などに基づいて目標トルクTrを演算する。モータ制御演算部2は、図2に示す制御ブロック図にしたがって目標トルクTrから1次電流指令I1と1次周波数指令ω1とを演算する。モータ駆動演算部3は、1次電流指令I1と1次周波数指令ω1にしたがってインバータ4を駆動し、3相交流電力を誘導モータ5へ供給する。
【0008】
モータ制御演算部2は、基本的には上述した図2に示す構成と同様であるが、この実施例ではフィルタ(1)と(2)の作用が異なる。なお、フィルター(1),(2)は積分動作または単一積分動作のものが望ましい。
モータ5の出力トルクの立上がりを速くするためには、トルク電流(It)と磁束(φ)を速く立上げる必要がある。また、出力トルクの過度振動を発生させないようにするためには、トルク電流(It)よりも磁束(φ)を大きくしなければならない。
【0009】
図3は、アクセル開度が変化した時のトルク電流指令Itと磁束指令φとの関係を示すタイムチャートである。
今、時刻t1でアクセル開度が増加し、時刻t2でアクセル開度が減少したとする。
まず、磁束指令の立上がり・立ち下がりをφ1に示すようにトルク電流指令Itの立上がり・立ち下がりよりも速くした場合は、アクセル開時にトルク電流指令Itよりも磁束指令φ1が速く立上がるので、出力トルクに過渡振動が発生しない。ところが、アクセル閉時にも、トルク電流指令Itと磁束指令φ1とが立上がり時と同様な時定数で立ち下がるので、磁束指令φ1がトルク電流指令Itよりも小さくなり、モータ出力トルクに振動が発生する。
次に、磁束指令の立上がり・立ち下がりをφ2に示すようにトルク電流指令Itの立上がり・立ち下がりよりも遅くした場合は、アクセル開時に磁束指令φ2がトルク電流指令Itよりも小さくなり、モータ出力トルクに振動が発生する。しかし、アクセル閉時には、磁束指令φ2がトルク電流指令Itよりも大きくなるので振動は発生しない。
【0010】
そこでこの実施例では、1次遅れフィルタ(1)の時定数にアクセル開度に対するモータ出力トルクの応答性が十分に高くなるような値を設定し、トルク電流指令Itの立上がりと立ち下がりを調節するとともに、磁束指令φの立上がりと立ち下がりで1次遅れフィルタ(2)の時定数を切り換え、φ3に示すように、磁束指令の立ち上がりをトルク電流指令Itの立上がりよりも速くし、磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令Itの立ち下がりよりも遅くする。
こうすると、アクセル開時および閉時に磁束指令φ3がトルク電流指令よりも大きくなり、モータ出力トルクに振動が発生しない。また、アクセル開操作に応じてモータの出力トルクが素速く立上がり、アクセル開度に対する出力トルクの応答性を上げることができる。
【0011】
図4は、1次遅れフィルタ(2)の処理プログラムを示すフローチャートである。
モータ制御演算部2のマイクロコンピューターは、所定の時間間隔でこの制御プログラムを実行する。ステップ1において、今回算出された磁束指令φが前回のフィルタ(2)処理後の磁束指令φ’以上か否かを判別し、φ≧φ’であればアクセル開時であると判断してステップ2へ進み、フィルタ(2)の時定数にフィルタ(1)の時定数よりも小さい値を設定する。一方、φ<φ’であればアクセル閉時であると判断してステップ3へ進み、フィルタ(2)の時定数にフィルタ(1)よりも大きな値を設定する。ステップ4で、設定された時定数に基づいて磁束指令φのフィルタ処理を行ない、磁束指令φ’を算出する。
これにより、トルク電流指令Itと磁束指令φとの関係は図3に示すItとφ3との関係になり、アクセルの開閉時にモータ出力トルクに過渡振動を発生させずに、アクセル開度に対するモータ出力トルクの応答性を上げることができる。
【0012】
−実施例の変形例−
上述した実施例では、アクセルの開時と閉時に1次遅れフィルタ(2)の時定数を切り換えて磁束指令φ’の立上がりと立ち下がりを調節したが、1次遅れフィルタ(1)の時定数を切り換えて目標トルクTr’の立上がりと立ち下がりを調節するようにしてもよい。
図5は、変形例のアクセル開度が変化した時のトルク電流指令Itと磁束指令φとの関係を示すタイムチャートである。時刻t1でアクセル開度が増加し、時刻t2でアクセル開度が減少したとする。
1次遅れフィルタ(2)の時定数にアクセル開度に対するモータ出力トルクの応答性が十分に高くなるような値を設定し、磁束指令φの立上がりと立ち下がりを調節するとともに、目標トルクTrの立上がりと立ち下がりで1次遅れフィルタ(1)の時定数を切り換え、トルク電流指令Itの立ち上がりを磁束指令φの立上がりよりも遅くし、トルク電流指令Itの立ち下がりを磁束指令φの立ち下がりよりも速くする。
こうすると、アクセル開時および閉時に磁束指令φがトルク電流指令Itよりも大きくなり、モータ出力トルクに振動が発生しない。また、アクセル開操作に応じてモータの出力トルクが素速く立上がり、アクセル開度に対する出力トルクの応答性を上げることができる。
【0013】
図6は、上記変形例の1次遅れフィルタ(1)の処理プログラムを示すフローチャートである。
モータ制御演算部2のマイクロコンピューターは、所定の時間間隔でこの制御プログラムを実行する。ステップ11において、今回目標トルク演算部1で算出された目標トルクTrが前回のフィルタ(1)処理後の目標トルクTr’以上か否かを判別し、Tr≧Tr’であればアクセル開時であると判断してステップ12へ進み、フィルタ(1)の時定数にフィルタ(2)の時定数よりも大きい値を設定する。一方、Tr<Tr’であればアクセル閉時であると判断してステップ13へ進み、フィルタ(1)の時定数にフィルタ(2)よりも小さい値を設定する。ステップ4で、設定された時定数に基づいて目標トルクTrのフィルタ処理を行ない、目標トルクTr’を算出する。
これにより、トルク電流指令Itと磁束指令φとの関係は図5に示すような関係になり、アクセルの開閉時にモータの出力トルクに過渡振動を発生させずに、アクセル開度に対するモータ出力トルクの応答性を上げることができる。
【0014】
なお、アクセル開時と閉時でフィルタ(1)と(2)の両方の時定数を切り換えるようにしてもよい。
また、上述した実施例とその変形例では、磁束指令φと目標トルクTrの増加および減少によりアクセル開時と閉時の判断をしたが、アクセル開度を検出するセンサーからのアクセル開度信号の増加および減少によりアクセルの開閉判断を行ない、フィルター(1)および/または(2)の時定数を切り換えるようにしてもよい。
さらに、フィルタ(1)と(2)に高次遅れフィルタを用いてもよい。
【0015】
以上の実施例の構成において、モータ制御演算部2が判別回路、制御回路および開度検出手段をそれぞれ構成する。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算する際、磁束指令の増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、磁束指令の減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする。例えば、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、磁束指令の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御するようにしたので、アクセル開閉時の出力トルクの過度振動を抑制しながらアクセル開度に対する出力トルクの応答性を向上させることができる。
また、目標トルクの増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともにトルク電流指令の立上がりを磁束指令の立上がりよりも遅くし、目標トルクの減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともにトルク電流指令の立ち下がりを磁束指令の立ち下がりよりも速くする。例えば、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、目標トルクの増加時と減少時に時定数を切り換えて目標トルクおよび/または磁束指令の立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御するようにしたので、アクセル開閉時の出力トルクの過度振動を抑制しながらアクセル開度に対する出力トルクの応答性を向上させることができる。
さらに、アクセル開度の増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、アクセル開度の減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする。例えば、目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、アクセル開度の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節する。そして、これらのトルク電流指令と磁束指令により1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより電気自動車用誘導モーターを駆動制御する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の構成を示す機能ブロック図。
【図2】モータ制御演算部の動作を示す制御ブロック図。
【図3】アクセル開度が変化した時のトルク電流指令Itと磁束指令φとの関係を示すタイムチャート。
【図4】1次遅れフィルタ(2)の処理プログラムを示すフローチャート。
【図5】実施例の変形例のアクセル開度が変化した時のトルク電流指令Itと磁束指令φとの関係を示すタイムチャート。
【図6】1次遅れフィルタ(1)の処理プログラムを示すフローチャート。
【符号の説明】
1 目標トルク演算部
2 モータ制御演算部
3 モータ駆動演算部
4 インバータ部
5 モータ
Claims (6)
- 目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算して誘導モータの1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより前記誘導モータを駆動制御する電気自動車用モータの駆動制御装置において、
磁束指令の増加および減少を判別する判別回路と、
前記判別回路により増加と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、前記判別手段により減少と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする制御回路とを備えることを特徴とする電気自動車用モータの駆動制御装置。 - 請求項1に記載の電気自動車用モータの駆動制御装置において、
前記制御回路は目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、磁束指令の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節することを特徴とする電気自動車用モータの駆動制御装置。 - 目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算して誘導モータの1次電流指令と1次周波数指令とを算出し、インバーターにより前記誘導モータを駆動制御する電気自動車用モータの駆動制御装置において、
目標トルクの増加および減少を判別する判別回路と、
前記判別回路により増加と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともにトルク電流指令の立上がりを磁束指令の立上がりよりも遅くし、前記判別回路により減少と判別された時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともにトルク電流指令の立ち下がりを磁束指令の立ち下がりよりも速くする制御回路とを備えることを特徴とする電気自動車用モータの駆動制御装置。 - 請求項3に記載の電気自動車用モータの駆動制御装置において、
前記制御回路は目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、目標トルクの増加時と減少時に時定数を切り換えて目標トルクおよび/または磁束指令の立上がり時間と立ち下がり時間を調節することを特徴とする電気自動車用モータの駆動制御装置。 - 目標トルクに基づいてトルク電流指令と磁束指令とを演算して誘導モータの1次電流指令と1次周波数指令とを演算し、インバーターにより前記誘導モータを駆動制御する電気自動車用モータの駆動制御装置において、
アクセルの開度を検出する開度検出手段と、
前記開度検出手段により検出されたアクセル開度の増加時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち上げ開始するとともに磁束指令の立上がりをトルク電流指令の立上がりよりも速くし、前記開度検出手段により検出されたアクセル開度の減少時は、トルク電流指令と磁束指令とを同時に立ち下げ開始するとともに磁束指令の立ち下がりをトルク電流指令の立ち下がりよりも遅くする制御回路とを備えることを特徴とする電気自動車用モータの駆動制御装置。 - 請求項5に記載の電気自動車用モータの駆動制御装置において、
前記制御回路は目標トルクおよび磁束指令のフィルター処理を行ない、アクセル開度の増加時と減少時に時定数を切り換えて磁束指令および/または目標トルクの立上がり時間と立ち下がり時間を調節することを特徴とする電気自動車用モータの駆動制御装置。
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