JP3572269B2 - 自転車用ディレイラ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自転車用ディレイラに関する。より詳しくは、本発明は、ギアシフト操作を容易に行えるように構成された自転車用ディレイラに関する。
【０００２】
【従来の技術】
自転車に乗ることは、交通手段としてだけではなく、レクレーションの１形態としてますます人気を集めてきており、さらに、アマ又はプロの双方のスポーツ競技としても非常に人気がある。自転車をレクレーション，交通手段又は競技の何れの用途に使用するかに関わらず、自転車の業界は常に自転車の各種部品の改良を行っている。自転車の種々の部品は、通常、自転車フレームに装着される。広範囲に繰り返し再設計され続けている自転車の構成部品として、自転車用ディレイラがある。
【０００３】
以下、自転車用ディレイラとしてフロントディレイラを例に説明する。該フロントディレイラは、一部品として自転車フレームに装着される。一般的に、フロントディレイラは自転車フレームのシートチューブに固着される。該フロントディレイラは、自転車フレームのシートチューブに移動不能に固定される固定部材と、該固定部材に対して相対移動可能に支持される可動部材とを備えている。該可動部材は、チェーンと当接する一対の垂直面を備えたチェーンガイドを支持する。
【０００４】
従来の多くのディレイラ及びシフト装置は、種々の欠点を有している。例えば、ディレイラを操作する為の機械式シフト装置の殆どは、シフトアップ用の一のレバー又はボタンと、シフトダウン用の他のレバー又はボタンとを必要とする。従って、斯かるタイプの機械式シフト装置においては、ライダーが何れのレバー又はボタンを使用すべきかについて混乱する恐れがある。さらに、従来のディレイラ及び／又はシフト装置の中には複雑で、製造コストが高いものもある。さらに、従来のシフト装置には、操作に相当の力を必要とするものもある。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
前記観点から、従来技術における前記問題点を解消する自転車用ディレイラに対する要望が存在する。本発明は、従来技術における該要望、並びに本開示から当業者にとって明らかな他の要望に応えるものである。
【０００６】
本発明の一の目的は、ライダーがギアシフト操作を容易に行えるディレイラを提供することである。本発明に係るディレイラのシフト操作は、低速ギアから高速ギアへのシフト操作又は高速ギアから低速ギアへのシフト操作の何れの場合であっても、一つのシフトレバーを押動させるのみで実行され得る。該シフトレバーの押動によって、回転カムは一方向へのみ回転する。
本発明の他の目的は、構造簡単であり、製造コストの安価なギアシフト機構を得ることのできるディレイラを提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、大変に操作容易なギアシフト機構を得ることのできるディレイラを提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成する為に、本発明は、装着部材と、チェーンガイドと、チェーンガイドポジショニング機構とを備えた自転車用ディレイラを提供する。前記装着部材は、自転車の一部分に連結されるように構成されている。前記チェーンガイドは、前記装着部材に移動自在に連結されている。該チェーンガイドは、自転車のチェーンを横方向へシフトさせ得るように構成されている。前記チェーンガイドポジショニング機構は、前記チェーンガイドに作動的に連結された作動カムを有している。該作動カムは、コントロール部材に連結されるように構成されており、且つ、前記チェーンガイドを第１位置から第２位置へ移動させる為の該コントロール部材の動作に応じて一方向へのみ回転するように構成されている。
【０００８】
本発明におけるこれらの及び他の目的，構成，態様及び効果は、添付の図面を参照しつつ、本発明の好ましい実施の形態を開示する以下の説明から、当業者にとって明らかになるであろう。
【０００９】
【発明の実施の形態】
まず図１を参照すると、フレームのシートチューブ１４に固着されたフロントディレイラ１２を備えた自転車１０が図示されている。図２に示すように、前記フロントディレイラ１２は、ドライブトレーンにおける２つのフロントスプロケット２２ａ，２２ｂの間でチェーン２０を移動させる為に、シフトケーブル又はコントロール部材１８を介してシフトユニット１６によって操作される。該シフトユニット１６は、図２に示すように、ハンドルバー２４に装着されている。
【００１０】
自転車及びその構成部品は当業界において周知であり、従って、前記自転車１０及びその種々の構成部品については、本発明に関連する部品を除き、詳細には説明又は図示しない。即ち、本実施の形態においては、フロントディレイラ及び該フロントディレイラに関連する部品のみについてのみ説明及び／又は図示する。なお、本明細書において使用する「前方、後方、上方、上、下方、下、及び横方向」なる用語は、フロントディレイラ１２が取り付けられた自転車の通常の乗車状態を基準にした方向を意味している。従って、特許請求の範囲においてディレイラ１２を特定する為に用いられる前記用語は、通常の乗車状態における自転車を基準にして解釈される。
【００１１】
前記フロントディレイラ１２は、シフトユニット１６の作動によって操作される。好ましくは、該シフトユニット１６は、自転車１０のハンドルバー２４に装着される。即ち、シフトユニット１６は、ハンドルバー２４に揺動自在に連結されたシフトレバー３２を備えた装着部３０を有している。該シフトレバー３２は、一般的な方法でケーブル（コントロール部材）１８の第１端部又はニップル１８ａに取り付けられる。該シフトケーブル１８の第２端部又はニップル１８ｂは、後述するように、前記フロントディレイラ１２に作動的に連結されている。斯かる構成によって、シフトレバー３２が揺動されると、前記シフトケーブル１８は前記フロントディレイラ１２に対して相対的に引っ張られる。そして、シフトレバー３２が解放されると、リターンスプリング（図示せず）が前記シフトレバー３２及びシフトケーブル１８を初期位置へ向けて付勢するようになっている。従って、シフトレバー３２が解放されると、シフトケーブル１８がフロントディレイラ１２に対して相対的に押し込まれる。
【００１２】
前記シフトユニット１６の正確な形状は、本発明にとって重要ではない。該シフトユニット１６は、シフトケーブル又はコントロール部材１８を引張又は解放し得るように構成されている。本発明に係るフロントディレイラ１２を操作する為に一般的なブレーキレバーアッセンブリが利用され得ることは、本開示から当業者にとって明らかであろう。又、図示の形態において、レバーに代えて、押しボタンを使用することも可能である。さらに、他のタイプの機構を利用できることは、本開示から当業者にとって明らかであろう。
【００１３】
フロントディレイラ１２は、固定又は装着部材４０と、一対のリンク４４，４６によって前記装着部材４０に移動自在に連結されるチェーンガイド４２と、前記装着部材４０に対するチェーンガイド４２の動作をコントロールするチェーンガイドポジショニング機構４８とを備えている。より詳しくは、前記チェーンガイドポジショニング機構４８は、前記チェーンガイド４２を第１位置と第２位置との間で移動させるべく、前記シフトケーブル１８の第２端部１８ｂに連結されている。第１位置においては、前記チェーンガイド４２は、チェーン２０をアウター又は大径スプロケット２２ａと係合するように案内する。第２位置においては、前記チェーンガイド４２は、チェーン２０をインナー又は小径スプロケット２２ｂと係合するように案内する。前記チェーンガイド４２は、シフトレバーを締め付け及び解放すると、第１位置と第２位置との間で移動する。このように、フロントディレイラ１２を操作する為に、構造が極めて簡単なシフトユニット１６が使用され得る。
【００１４】
図１〜図１５に示すように、装着又は固定部材４０は、好ましくは、自転車フレームのシートポスト部又はチューブ１４に直接に締結される。前記フロントディレイラ１２は自転車フレームのシートポスト部１４に固着されているように図示されているが、必要に応じ及び／又は所望によりフロントディレイラ１２をボトムブラケット等の自転車１０の他の部位に連結し得ることは、本開示から当業者にとって明らかであろう。さらに、ディレイラ１２は、自転車１０のフレームに真鍮付け又は溶接される装着部を介して自転車１０に連結され得る。
【００１５】
さらに、好ましい形態においては、前記チェーンガイド４２は装着部材４０の上方に配設され、コントロール部材又はケーブル１８はシートチューブ１４に沿って下方へ引き回される。必要及び／又は所望の場合には、前記チェーンガイド４２を装着部材４０の下方へ配設し得ることは、本開示から当業者にとって明らかであろう。斯かる場合、コントロール部材又はケーブル１８はボトムブラケット回りに引き回され、ディレイラ１２までシートチューブ１４に沿って上方へ戻される。
【００１６】
前記装着部材４０は、図３及び図４に良く示されるように、第１Ｃ型クランプ部４０ａと、第２Ｃ型クランプ部４０ｂと、枢支ピン４０ｃと、ファスナー４０ｄとを備えている。前記クランプ部４０ａ，４０ｂは、フロントディレイラ１２を自転車１０のシートポスト部１６にしっかりと固定すべく、剛性材料で形成される。好ましくは、クランプ部４０ａ，４０ｂは、硬質金属材料で形成される。もちろん、該クランプ部４０ａ，４０ｂは、硬質プラスティック等の他の剛性材料によっても形成され得る。図示の形態においては、前記クランプ部４０ａ，４０ｂは、鋳造及び／又は機械加工等の一般的な製造技術を利用することによって製造されている。もちろん、該クランプ部４０ａ，４０ｂは、所望形状に曲げ加工されるシート状金属によっても形成され得る。
【００１７】
前記クランプ部４０ａ，４０ｂのそれぞれの第１端部は、自転車１０を基準にして略垂直方向へ延びる枢支ピン４０ｃによって互いに揺動自在に連結されている。該クランプ部４０ａ，４０ｂの他端部は、前記ファスナー４０ｄによって互いに分離可能に連結されている。前記ファスナー４０ｄは、好ましくは、前記第１クランプ部４０ａの第２端部に形成されたネジ付孔に螺入されるネジ又は固定ボルトとされる。もちろん、前記ファスナー４０ｄをナット等との共働下に使用することも可能である。
【００１８】
図３，４及び１６〜１８に示すように、第１クランプ部４０ａは、前記装着部材４０とチェーンガイド４２とを連結するリンク機構５０の一部を構成している。即ち、該リンク機構５０の一部は、後述するように、第１クランプ部４０ａと一体的に形成されている。
【００１９】
前記第１クランプ部４０ａは、図１６に示すように、湾曲部５１と、該湾曲部５１から外方へ互いに略平行に延びる一対の装着フランジ５２ａ，５２ｂとを備えている。前記装着フランジ５２ａ，５２ｂのそれぞれは、第２又はアウターリンク４６を該装着フランジ５２ａ，５２ｂに連結する為の枢支ピン５４ａ，５４ｂを受け入れる枢支孔５３ａ，５３ｂを有している。該枢支孔５３ａ，５３ｂは、前記第２又はアウターリンク４６が前記装着部材４０に対してスムースに揺動し得るように、同軸上に配設されている。
【００２０】
前記第１クランプ部４０ａは、さらに、後述するように、第１又はインナーリンク４４及びチェーンガイドポジショニング機構４８を該第１クランプ部４０ａに取り付ける為の３つの枢支軸６１，６２，６３を固定する３つのネジ付孔５５，５６，５７を有している。前記第１ネジ付孔５５は、前記チェーンガイドポジショニング機構４８の一部を支持する第１又はメイン枢支軸６１が螺入される。
【００２１】
前記メイン枢支軸６１は、図１９及び２０に示すように、４つの円筒部６１ａ，６１ｂ，６１ｃ及び６１ｄに分割されている。即ち、該メイン枢支軸６１は、一方の端部に位置する第１ネジ部６１ａと、該第１ネジ部６１ａに隣接した第２円筒部６１ｂと、該第２円筒部６１ｂに隣接した第３円筒部６１ｃと、他方の端部に位置する第４ネジ部６１ｄとを有している。詳しくは、前記第１ネジ部６１ａには、前記装着部材４０の第１ネジ付孔５５に螺入されるようなネジが形成されている。他方、前記第４ネジ部６１ｄには、前記チェーンガイドポジショニング機構４８の一部を保持すべく、ナット６４と螺合するネジが形成されている。又、第２円筒部６１ｂは、該メイン枢支軸軸６１が前記装着部材４０の第１ネジ付孔５５に容易に螺入されるように、大径とされ且つ一対の平坦部を有している。該第２円筒部６１ｂは第３円筒部６１ｃと共に当接面を形成しており、チェーンガイドポジショニング機構４８を装着部材４０から離間させるようになっている。即ち、第２円筒部６１ｂは、離間部位として機能している。前記第３円筒部６１ｃには、ポジショニングラチェット７０及び作動機構７３の作動アーム８０が回転自在に装着される。前記第２円筒部６１ｂから離間された側の第３円筒部６１ｃの端部には、好ましくは、チェーンガイドポジショニング機構４８の設置作業中において、固定プレートを相対回転不能に受け入れる為の一対の平坦部が備えられている。
【００２２】
指標軸となる前記枢支軸６３は、図２３〜図２５に良く示されるように、一端側に位置する第１部位６３ａと、該第１部位６３ａに隣接する第２部位６３ｂと、他端部側に位置する第３部位６３ｃとを有している。該指標軸６３の第１部位６３ａには、装着部材４０の第２ネジ付装着孔５６に螺入されるネジが形成されている。前記指標軸６３の第２部位６３ｂには、該指標軸６３を回転させる為の一対の平坦部が設けられている。該第２部位６３ｂは、指標アーム９０を指標カム７２に対して位置合わせさせる為の整列部材としても機能する。前記指標軸６３の第３部位６３ｃは、前記指標アーム９０を回転自在に支持するようになっており、さらに、該第３部位６３ｃは、前記指標アーム９０を取り付ける為の保持クリップを受け入れる環状溝を有している。前記第２部位６３ｂは前記第３部位６３ｃより大径とされており、該第２部位６３ｂと第３部位６３ｃとの間に形成される当接面には、指標スプリングの一端部を受け入れる軸線方向延在の複数の孔が設けられている。好ましくは、前記指標スプリングは、一端部が前記指標軸６３に形成された一の孔内に配設され且つ他端部が指標軸回りに曲げられたトーションスプリングとされる。
【００２３】
図２〜図１５に良く示されるように、前記チェーンガイド４２は、好ましくは、高剛性材料で形成される。例えば、該チェーンガイド４２は、所望形状に曲げ加工される硬質シート金属等の金属材料で形成され得る。該チェーンガイド４２は、一対の垂直シフトプレート４２ａ，４２ｂによって形成されるチェーン受入スロットを有している。該垂直シフトプレート４２ａ，４２ｂは、チェーン２０と係合して、該チェーン２０を自転車１０に対して略横方向へ移動させるように構成されている。前記一対のシフトプレート４２ａ，４２ｂは、一対のプレート４２ｃ，４２ｄによって連結されている。上プレート４２ｃは、前記一対のシフトプレート４２ａ，４２ｂに一体的に形成されている。下プレート４２ｄは、外側シフトプレート４２ｂと一体的に形成された一端部と、ネジ又はリベット等の締結手段６５を介して内側シフトプレート４２ａに取り付けられる他端部とを有している。
【００２４】
前記チェーンガイド４２は、さらに、インナーリンク４４及びアウターリンク４６を介して装着部材４０に連結する為に、前記内側シフトプレート４２ａから外方へ延びた一対の装着フランジ４２ｅ，４２ｆを有している。該装着フランジ４２ｅ，４２ｆは、チェーンガイド４２を装着フランジ４０へ連結するリンク機構５０の一部を形成している。前記装着フランジ４２ｅには、好ましくは、第１及び第２調整ネジ６６，６７を受け入れる一対のネジ付孔が備えられる。第１調整ネジ６６はロー位置用調整ネジであり、他方、第２調整ネジ６７はトップ位置用調整ネジである。該調整ネジ６６，６７は、前記チェーンガイド４２の移動範囲をコントロールする為に、前記リンク機構５０の扇状部と係合する。即ち、チェーンガイド４２に対する調整ネジ６６，６７の延在長さを個別調整することによって、該チェーンガイド４２の傾倒状態（ロー位置）及び伸長状態（トップ位置）が、それぞれ、独立して調整される。斯かる調整機構は当業界において周知であり、従って、ここでは詳細には説明又は図示しない。
【００２５】
好ましくは、前記リンク機構５０は、第１（インナー）リンク４４及び第２（アウター）リンク４６と、装着部材４０の一部と、チェーンガイド４２とによって構成される４バー式リンクとされる。前記第１リンク４４は、第２リンク４６における一対の枢支点を結ぶ仮想直線に対して略平行な仮想直線上に位置する一対の枢支点を有している。同様に、前記第１及び第２リンク４４，４６のそれぞれの第１端部の枢支点は、該第１及び第２リンク４４，４６のそれぞれの他方又は第２端部の枢支点を結ぶ仮想直線に対して略平行な仮想直線上に位置している。即ち、第１リンク４４の一対の枢支点と第２リンク４６の一対の枢支点とは、平行四辺形状に位置している。
【００２６】
前記第１又はインナーリンク４４は、チェーンガイド４２を第１位置と第２位置との間で移動させるべく、前記チェーンガイドポジショニング機構４８に作動的に連結されている。より詳しくは、前記インナーリンク４４は、第１Ｃ型クランプ部４０ａから外方へ延びる枢支軸６２に揺動自在に装着されたＬ型部材とされている。前記インナーリンク４４は、図２６及び２７に良く示されるように、一端部分に位置する装着孔４４ａと、頂点部分に位置する装着孔４４ｂと、他端部分に位置する装着孔４４ｃとを有している。該装着孔のうち，最初の２つ４４ａ，４４ｂは前記リンク機構５０用の枢支ピンを受け入れるようになっており、他方、３番目の装着孔４４ｃはチェーンガイドポジショニング機構４８の一部を受け入れるようになっている。詳細は後述するように、前記孔４４ａはリベット４５（図２８参照）を受け入れ、前記孔４４ｂは前記枢支軸（インナーリンク軸）６２（図２１及び図２２参照）を支持し、且つ、前記孔４４ｃはカム従動部材７５（図２９参照）を受け入れる。
【００２７】
前記チェーンガイドポジショニング機構４８は、作動カム７１及び指標カム７２を備えたポジショニングラチェット７０と、作動機構又は部材７３と、指標機構又は部材７４と、カム従動部材７５とを有している。該チェーンガイドポジショニング機構４８は前記シフトケーブル１８に作動的に連結されており、ライダーがシフトユニット１６のシフトレバー３２を締め付けると、該シフトケーブル１８が引っ張られ、前記ポジショニングラチェット７０が回転するようになっている。斯かるポジショニングラチェット７０の回転によって、前記作動カム７１がリンク機構５０を介して前記チェーンガイド４２を第１位置と第２位置との間で移動させる。好ましい形態においては、チェーンガイドポジショニング機構４８は、装着部材４０の一方側において第１クランプ部４０ａに連結される。もちろん、必要及び／又は所望により、前記チェーンガイドポジショニング機構４８を装着部材４０の他の部位に連結させ得ることは、本開示から当業者にとって明らかであろう。例えば、前記チェーンガイドポジショニング機構は、装着部材４０の反対側又は装着部材の他の位置に連結され得る。
【００２８】
ここで、図３，４及び３０〜３３を参照すると、前記ポジショニングラチェット７０は、前記メイン枢支軸６１回り回転自在となるように該メイン枢支軸６１に回転自在に装着されたディスク状部材とされている。後述するように、該ポジショニングラチェット７０は、中央孔７６に挿通されるメイン枢支軸６１上で作動カム７１及び指標カム７２と共に回転し得るように、該作動カム７１及び指標カム７２と一体的に形成されている。該ポジショニングラチェット７０，作動カム７１及び指標カム７２の回転方向は、後述するように、作動機構７３及び指標機構７４によってコントロールされる。
【００２９】
前記ポジショニングラチェット７０は、好ましくは、外周縁部に、周方向に９０゜離間された４つのラチェット歯を有している。該４つの歯のそれぞれは、前記ポジショニングラチェット７０の回転動作をコントロールし得るように、前記作動機構７３と係合する当接面７０ｂ及び傾斜面７０ｃを有している。即ち、ポジショニングラチェット７０は、作動機構７３及び指標機構７４と共働して、前記作動カム７１及び指標カム７２が一方向へのみ回転することを保証している。
【００３０】
前記作動カム７１は、前記ポジショニングラチェット７０における，前記指標カム７２とは反対側の軸方向面に一体的に形成されている。前記作動カム７１は、同形状の作動溝７８に囲繞されている。より詳しくは、前記作動カム７１は、４つの略平坦なポジショニング面７１ａ，７１ｂ，７１ｃ，７１ｄを有する楕円又は長円状のカム部材とされる。該作動カム７１における２つのポジショニング面７１ａ，７１ｃは回転軸線から離間されており、第１又はトップ位置に対応している。他方、前記作動カム７１における他の２つのポジショニング面７１ｂ，７１ｄは回転軸線に近接されており、第２又はロー位置に対応している。即ち、作動カム７１が完全に一回転すると、前記チェーンガイド４２はトップ位置とロー位置との間で２回往復する。好ましくは、前記作動カム７１の４つのポジショニング面７１ａ〜７１ｄは、チェーンガイド４２の位置設定を補助する平坦面とされる。
【００３１】
前記作動カム７１を囲繞する前記作動溝７８は、該作動カム７１の外周面に対応する楕円状の内周面７８ａと、該内周面７８ａから径方向に離間された楕円状の外周面７８ｂとを有している。即ち、前記作動溝７８には、前記作動カム７１のポジショニング面７１ａ，７１ｂ，７１ｃ，７１ｄに対応した４つのポジショニング面７９ａ，７９ｂ，７９ｃ，７９ｄが外表面７８ｂに設けられている。
【００３２】
前記指標カム７２は、前記ポジショニングラチェット７０における前記作動カム７１とは反対側の軸方向面に位置している。該指標カム７２は指標機構７４と共働して、前記作動カム７１及びポジショニングラチェット７０を４つの回転位置の一つに保持するようになっている。好ましくは、前記指標カム７２は、４つのカム突起７２ａ，７２ｂ，７２ｃ，７２ｄと、該カム突起と交互に配設された４つのリセス７２ｅ，７２ｆ，７２ｇ，７２ｈとを有する星形形状の部材とされる。２つのカム突起７２ａ，７２ｃは前記作動カム７１のトップ位置用ポジショニング面７１ａ，７１ｃと整合され、他方、残りの２つのカム突起７２ｂ，７２ｄは前記作動カム７１のロー位置用ポジショニング面７１ｂ，７１ｄと整合されている。該カム突起７２ａ〜７２ｄは、好ましくは、９０度離間される。
【００３３】
ここで、図３，４及び３４〜４０を参照すると、前記作動部又は機構７３は、作動アーム又は部材８０と、つめ８１と、つめ軸８２と、つめ戻しバネ８３と、戻しバネ固定プレート８４と、作動戻しバネ８５とを備えている。前記作動アーム８０は、前記メイン枢支軸６１を受け入れる第１孔８０ａを一端部に有し、且つ、前記つめ軸８２を介してつめ８１を装着する為の第２孔８０ｂを他端部に有している。前記第１孔８０ａは、前記作動アーム８０が前記メイン枢支軸６１回り回転自在となるような、大きさ及び形状とされている。前記第２孔８０ｂには、つめ軸８２が回転不能に挿入されている。好ましくは、前記つめ軸８２の端部は、作動アーム８０に対して固着されるように、変形される。前記作動アーム８０には、さらに、シフトケーブル１８を受け入れるべく、前記第１孔８０ａと第２孔８０ｂとの間に配設された貫通孔８０ｃが設けられている。好ましくは、前記作動アーム８０が回転した際に前記シフトケーブル１８を受け入れるべく、前記貫通孔８０ｃから前記第１孔８０ａ回りに延びる湾曲溝８０ｄが形成されている。さらに、前記つめ戻しバネ８３の一端部を受け入れるように、前記作動アーム８０には表面溝８０ｅが形成されている。
【００３４】
前記つめ８１は、孔８１ｂを介して前記つめ軸８２に回転自在に装着されている。該つめ８１は、つめ軸８２を受け入れる前記孔８１ｂから離間された側の端部に、当接部又は歯８１ａを有している。前記つめ戻しバネ８３は、前記つめ８１と作動アーム８０との間において前記つめ軸８２回りに巻き回されたコイル部を有している。前記つめ戻しバネ８３は、前記つめ８１をポジショニングラチェット７０の外周面に向けて押圧すべく、一端部が前記作動アーム８０と係合し、且つ、他端部が該つめ８１に係合している。詳しくは、前記つめ戻しバネの一端部は、前記作動アーム８０の表面溝８０ｅに係入されている。従って、図３〜図１５に示すように、作動アーム８０が反時計回りに回転する場合、前記つめ８１がポジショニングラチェット７０の歯７０ａと係合し、該ポジショニングラチェット７０も回転する。他方、作動アーム８０が時計回りに回転する場合、前記つめ８１は歯７０ａの傾斜面７０ｃと係合し、これにより、該作動アーム８０は前記ポジショニングラチェット７０に対して相対回転自在に回転する。即ち、作動アーム８０の時計回り方向への回転によっては、作動カム７１又は指標カム７２は回転しない。前記シフトレバー３２を締め付けてシフトレバー１８が作動アーム８０を引っ張ると、該作動アーム８０は反時計回りに回転する。そして、前記シフトレバー３２を解放してシフトケーブル１８を緩めると、前記作動アーム８０は時計回りに回転する。前記作動アーム８０の時計回り方向への回転は、前記作動戻しバネ８５の付勢力によって行われる。該作動アーム８０の時計回りの回転は、シフトケーブル１８が緊張状態となることによって停止する。斯かる構成に代えて、作動アーム８０の時計回りの回転を、作動アームが、前記戻しバネ固定プレート８４から延びるストッパー８４ｃと当接することによって、止まるように構成することも可能である。
【００３５】
前記つめ軸８２は、前記作動アーム８０に受け入れられる第１端部８２ａと、最大径の中央離間部８２ｂと、バネ支持部８２ｃと、つめ支持部８２ｄとを備えている。前記つめ支持部８２ｄは、つめ８１を保持する為のＣ型クリップを受け入れる環状溝を有している。好ましくは、前記つめ軸８２の第１端部８２ａは、前記作動アーム８０に固着されるように、変形される。斯かる構成に代えて、つめ軸の第１端部８２ａを、作動アーム８０にネジ結合させることも可能である。前記つめ８１は、前記つめ支持部８２ｄに回転自在に支持される。
【００３６】
ここで、再び、図４及び３８を参照すると、前記固定プレート８４は、該固定プレート８４が前記メイン枢支軸６１に対して相対回転しないように、該メイン枢支軸６１の一部が挿通される非円形の中央孔８４ａを有している。該固定プレート８４は、さらに、該固定プレート８４の中心回りに弓状に配設された複数のバネ調節孔８４ｂを有している。該バネ調節孔８４ｂは前記作動戻しバネ８５の一端部を受け入れるようになっており、他方、該作動戻しバネ８５の他端部は作動アーム８０の一部と係合している。好ましくは、該作動戻しバネ８５はトーションスプリングとされる。前記固定プレート８４には、好ましくは、作動アーム８０の時計回りの回転を制限する為のストッパー８４ｃが備えられる。斯かる構成に代えて、必要及び／又は所望により、該ストッパー８４ｃを削除することができる。この場合、ケーブル１８及び作動アーム戻しバネ８５は、前記作動アーム８０の回転を停止させる機能を果たすように構成される。
【００３７】
再度、図３，４，２３〜２５及び４１〜４４を参照すると、指標部又は機構７４は、指標アーム又は部材９０と指標バネ９１とを備えている。該指標アーム９０は、一端部が前記指標軸６３に揺動自在に装着されたＬ型部材とされている。前記指標アーム９０の他端部は自由端部とされており、指標カム７２に沿って摺動するように構成されている。これに代えて、必要な場合及び／又は所望の場合には、自由端部９０ａに、回転自在に装着された指標ローラを備えることができる。前記指標アーム９０の自由端部９０ａが前記指標カム７２の外周面と係合するように、該指標アーム９０を指標カム７２に向けて押圧すべく、前記指標バネ９１は前記指標軸６３に装着されている。前記指標カム７２が反時計回り方向に回転すると、該指標カム７２のカム突起７２ａ〜７２ｄが、前記指標アーム９０を前記指標バネ９１の付勢力に抗して指標軸６３回りに時計回り方向へ回転させる。好ましくは、前記指標バネ９１は、一端部が指標軸６３に連結され且つ他端部が指標アーム９０と係合するトーションスプリングとされる。なお、前記ポジショニングラチェット７０は時計回り方向へは回転しないようになっている。前記指標アーム９０の自由端部９０ａは、ディレイラ１２がトップ位置とロー位置との間を移行している間以外、即ち、該ディレイラ１２がトップ位置又はロー位置の何れかに位置している間は、前記指標カム７２のカム突起７２ａ〜７２ｄ間に設けられたリセス７２ｅ〜７２ｈの何れか一のリセス内に位置している。前述のように、指標アームの自由端部９０ａは指標バネ９１によって指標カム７２に向けて付勢されているから、斯かる付勢力によって前記ポジショニングラチェット７０及び作動カム７１の時計回り方向への回転が強制的に防止される。言い換えると、つめ８１及び作動アーム８０が反時計回り方向に回転するまで、ポジショニングラチェット７０及び作動カム７１は回転しない。なお、作動アーム８０によってポジショニングラチェット７０に付加される力は、指標アーム９０を介して指標カム７２に付加される指標バネ９１の付勢力よりも大きい。
【００３８】
図４及び２９に示すように、前記カム従動部材７５は、カム従動軸９５と、該カム従動軸９５に回転自在に装着されるカム従動ローラ９６とを備えている。前記カム従動軸９５は、前記カム従動ローラ９６が前記ポジショニングラチェット７０に形成された作動溝７８内に位置するように、前記インナーリンク４４に固定される。詳しくは、前記カム従動軸９５は、前記インナーリンク４４の装着孔４４ｃ内に固着される。従って、前記ポジショニングラチェット７０が回転させられると、前記作動カム７１の外周面又は前記作動溝７８の外周面が前記カム従動ローラ９６と係合し、前記インナーリンク４４を前記枢支軸６２回りに回転させる。インナーリンク４４の斯かる動作によって、前記チェーンガイド４２が第１位置と第２位置との間で移動する。もちろん、必要及び／又は所望により、前記カム従動ローラ９６を省略することができる。斯かる構成の場合、カム従動部材７５は、前記作動溝７８に沿って摺動するような構成とされる。
【００３９】
ここで、図５〜図１５を参照しつつ、ギアシフト操作について説明する。前記シフトレバー３２を押動又は狭持すると、コントロールケーブル１８が上方へ引っ張られ（図７，８及び１２，１３参照）、且つ、該シフトレバー３２を解放すると、コントロールケーブル１８も解放される（図１０及び１５参照）。コントロールケーブル１８の斯かる解放は、作動アーム８０を時計回り方向へ付勢する前記作動戻しバネ８５の付勢力によって得られる。従って、前記シフトレバー３２を解放すると、前記作動アーム８０は初期位置へ戻る。そして、前記コントロールケーブル１８を引っ張ると、該ケーブル１８が前記ポジショニングラチェット７０をロー位置からトップ位置へ、若しくは、トップ位置からロー位置へ移動させる。このように、コントロールケーブル１８を引張又は解放することによって、ギアシフト操作が実行される。
【００４０】
前記作動溝７８は、前述したように、２つの側壁、即ち内周壁７８ａ及び外周壁７８ｂを備えている。前記ディレイラ１２がトップ位置に位置する際（図６参照）、前記カム従動ローラ９６は、前記内周壁７８ａの平坦内表面７１ａ又は７１ｃの一方と係合している。そして、前記作動カム７１が反時計回り方向に回転し始めると、前記カム従動ローラ９６は前記内周壁７８ａから徐々に離間していき、前記外周壁７８ｂと接触し始める。これにより、該外周壁７８ｂは前記カム従動ローラ９６を下方へ押動し、前記チェーンガイド４２を移動させる。このようにして、前記ディレイラ１２は、トップ位置からロー位置へ移動する。ロー位置においては、前記カム従動ローラ９６は、前記作動溝７８における外周壁７８ｂの平坦なポジショニング面７９ｂ又は７９ｄの一方と係合する（図９参照）。この状態から、再び、前記作動カム７１が回転し始めると、前記カム従動ローラ９６は、該平坦な外側ポジショニング面７９ｂ又は７９ｄから徐々に離間していき、前記作動溝７８の内周壁７８ａと当接し始める。即ち、該内周壁７８ａが前記カム従動ローラ９６を上方へ押動して、前記チェーンガイド４２を移動させる。このようにして、前記ディレイラ１２は、ロー位置からトップ位置へ移動する（図１４参照）。
【００４１】
前記シフトレバー３２を押動又は狭持して前記コントロールケーブル１８を上方へ引っ張ると、前記作動アーム８０は反時計回り方向へ回転する（図７及び１２参照）。斯かる反時計回り方向への回転によって、前記つめ８１の歯部８１ａが前記ポジショニングラチェット７０における一の歯部７０ａと噛合し、該ポジショニングラチェット７０が作動アーム８０と共に反時計回りに回転する。ポジショニングラチェット７０が反時計回りに回転すると、当然ながら、前記作動カム７１及び指標カム７２も一緒に反時計回りに回転する。作動カム７１が回転すると、前記カム従動ローラ９６が作動溝７８内で移動し、次いで、前記インナーリンク４４が枢支軸６２回りに揺動する。インナーリンク４４の斯かる揺動動作によって、前記チェーンガイド４２は自転車１０に対して横方向へ移動する。さらに、前記ポジショニングラチェット７０及び作動カム７１が回転している間は前記指標カム７２も回転するから、該指標カム７２の回転によって前記指標アーム９０を指標軸６３回りに回転させられる。他方、シフトレバー３２を解放させると、前記作動戻しバネ８５によって前記作動アーム８０が時計回り方向に回転する（図１０及び１５参照）。しかしながら、作動アーム８０が時計回り方向へ回転する際には、前記ポジショニングラチェット７０，作動カム７２又は指標カム７２は回転しない。即ち、作動アーム８０が時計回りに回転する場合、つめ８１は、前記ポジショニングラチェット７０における歯部７０ａの傾斜面７０ｃによって、該ポジショニングラチェット７０の周面上を移動する。なお、該つめ８１とポジショニングラチェット７０の外周面との間の摩擦による，該ポジショニングラチェット７０及び作動カム７１の時計回り方向への回転は、指標バネ９１の付勢力によって前記指標カム７２と係合する指標アーム９０により防止される。
【００４２】
前記実施の形態においては、２つのシフト位置、即ち、トップ位置及びロー位置のみを図示したが、３以上のシフト位置を有するように前記作動カム７１及び指標カム７２を変更し得ることは、本開示から当業者にとって明白であろう。例えば、ディレイラは、必要及び／又は所望により、３又はそれより多くのシフト位置を有するように、変更され得る。３つのシフト位置を備えた構成においては、シフター１６は、前記ポジショニングラチェット７０の６０度回転に対応した量だけケーブル１８を引っ張るように構成されている。そして、前記カム７１には６つの平坦面が備えられる。該６つの平坦面は、回転方向に互いに６０度離間された３対の対向面とされる。さらに、斯かる構成においては、前記ポジショニングラチェットは、互いに６０度離間された６つの歯７０ａを有し、且つ、前記指標カム７１は、互いに６０度離間された６つの突起であって、それぞれの間に前記指標アームを受け入れるリセスが備えられた６つの突起を有するものとされる。該構成に代えて、作動カム７１は、３つのシフト位置に対応した３つの平坦面のみを有するように構成され得る。何れの場合であっても、前記ポジショニングラチェット７０，作動カム７１，作動溝７８，指標カム７２，指標機構７３，コントロールケーブル１８及びシフトユニット１６は、前記チェーンガイド４２を所望のシフト位置へ移動させるように共働すべく構成される。
【００４３】
本発明を説明する為に一つの実施の形態のみを説明したが、特許請求の範囲によって画される本発明の技術的範囲から逸脱することなく、種々の変更及び改良が可能であることは本開示から当業者にとって明らかであろう。本発明に係る前記実施の形態の説明は本発明の理解の為のものであり、特許請求の範囲によって画される発明の範囲及びその均等範囲を制限するものではない。
【００４４】
【発明の効果】
本発明に係るディレイラによれば、一つのシフトレバーを押動させるだけの簡単な操作によって、低速ギアから高速ギアへ又は高速ギアから低速ギアへの双方のシフト変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、本発明の一実施の形態に係るフロントディレイラを備えた自転車の側面図である。
【図２】図２は、シフトユニットに連結されたチェーンガイドポジショニング機構を備えた，本発明の一実施の形態に係るフロントディレイラの概略図である。
【図３】図３は、自転車から取り外されたフロントディレイラ及びチェーンガイドポジショニング機構の斜視図であり、フロントディレイラがトップ位置にある状態を示している。
【図４】図４は、図３に示すフロントディレイラ及びチェーンガイドポジショニング機構の部分分解斜視図である。
【図５】図５は、図１〜図４に示すフロントディレイラとチェーンガイドポジショニング機構の作動アームとの模式図であり、該フロントディレイラがトップ位置にあり且つ該作動アームが戻り位置又は待機位置にある場合を示している。
【図６】図６は、図５に示すフロントディレイラの模式図であり、該ディレイラがトップ位置にある際の作動カム及びカム従動部の位置を示す為に前記チェーンガイドポジショニング機構の一部を取り除いた状態で表している。
【図７】図７は、図５及び図６に示すフロントディレイラ及びチェーンガイドポジショニング機構の模式図であり、該ディレイラをトップ位置からロー位置へシフトさせるべくコントロールケーブルを引っ張った際における該ディレイラ及びチェーンガイドポジショニング機構の中間状態を示している。
【図８】図８は、図５〜図７に示すフロントディレイラ及びチェーンガイドポジショニング機構の模式図であり、該ディレイラがトップ位置からロー位置へシフトされた後に、完全に作動位置に位置した際のチェーンガイドポジショニング機構を示している。
【図９】図９は、図８に示すフロントディレイラの模式図であり、該ディレイラがロー位置にある際の作動カム及びカム従動部の位置を示す為に前記チェーンガイドポジショニング機構の一部を取り除いた状態で表している。
【図１０】図１０は、図５〜図９に示すフロントディレイラ及びチェーンガイドポジショニング機構の模式図であり、該ディレイラをトップ位置からロー位置へシフトさせるべくコントロールケーブルを解放している際における中間状態の作動機構を示している。
【図１１】図１１は、図５〜図１０に示すフロントディレイラ及びチェーンガイドポジショニング機構の模式図であり、該ディレイラがトップ位置からロー位置へシフトされた後に、完全に解放又は待機位置へ戻された状態の作動機構を示している。
【図１２】図１２は、図５〜図１１に示すフロントディレイラの模式図であり、該ディレイラをロー位置からトップ位置へシフトさせるべくコントロールケーブルを引っ張った際の，該ディレイラ及びチェーンガイドポジショニング機構の中間状態を示している。
【図１３】図１３は、図５〜図１２に示すフロントディレイラ及びチェーンガイドポジショニング機構の模式図であり、該ディレイラがロー位置からトップ位置へシフトされた後に、チェーンガイドポジショニング機構が完全に作動位置に位置した状態を示している。
【図１４】図１４は、図１３に示すフロントディレイラの模式図であり、該ディレイラがトップ位置へ戻された際の作動カム及びカム従動部の位置を示す為に前記チェーンガイドポジショニング機構の一部を取り除いた状態で表している。
【図１５】図１５は、図５〜図１４に示すフロントディレイラ及びチェーンガイドポジショニング機構の模式図であり、該ディレイラをロー位置からトップ位置へシフトさせるべくコントロールケーブルを解放している際における中間状態の作動機構を示している。
【図１６】図１６は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおける装着部材の一部の拡大平面図である。
【図１７】図１７は、図１６に示す装着部材の一部の拡大正面図である。
【図１８】図１８は、図１６及び図１７に示す装着部材の一部の拡大背面図である。
【図１９】図１９は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおけるチェーンガイドポジショニング機構のメイン枢支軸の拡大側面図である。
【図２０】図２０は、図１９に示すメイン枢支軸の端面図である。
【図２１】図２１は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおけるインナーリンク用枢支軸の側面図である。
【図２２】図２２は、図２１に示すインナーリンク用枢支軸の端面図である。
【図２３】図２３は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおける指標軸の左端部の端面図である。
【図２４】図２４は、図２３に示す指標軸の側面図である。
【図２５】図２５は、図２３及び図２４に示す指標軸の右端部の端面図である。
【図２６】図２６は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおけるインナーリンクの拡大側面図である。
【図２７】図２７は、図２６に示すインナーリンクの端面図である。
【図２８】図２８は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおけるインナーリンクリベットの拡大側面図である。
【図２９】図２９は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおけるチェーンガイドポジショニング機構の，ローラ付カム従動部の拡大側面図である。
【図３０】図３０は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおけるチェーンガイドポジショニング機構のポジショニングラチェットの拡大正面図である。
【図３１】図３１は、図３０に示すポジショニングラチェットの端面図である。
【図３２】図３２は、図３０及び図３１に示すポジショニングラチェットの背面図である。
【図３３】図３３は、図３０〜図３２に示すポジショニングラチェットの断面図であり、図３０における３３−３３線に沿った断面を示している。
【図３４】図３４は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおけるチェーンガイドポジショニング機構の作動アームの拡大正面図である。
【図３５】図３５は、図３４に示す作動アームの右側面図である。
【図３６】図３６は、図３４及び図３５に示す作動アームの左側面図である。
【図３７】図３７は、図３４〜図３６に示す作動アームの断面図であり、図３５における３７−３７線に沿った断面図である。
【図３８】図３８は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおけるチェーンガイドポジショニング機構の固定プレートの正面図である。
【図３９】図３９は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおけるチェーンガイドポジショニング機構のつめ軸の側面図である。
【図４０】図４０は、図３９に示すつめ軸の端面図である。
【図４１】図４１は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおけるチェーンガイドポジショニング機構の指標アームの正面図である。
【図４２】図４２は、図４１に示す指標アームの側面図である。
【図４３】図４３は、図１〜図１５に示すフロントディレイラにおけるチェーンガイドポジショニング機構の指標バネの側面図である。
【図４４】図４４は、図４３に示す指標バネの端面図である。
【符号の説明】
１２ フロントディレイラ
１８ コントロールケーブル
２０ チェーン
４０ 装着部材
４２ チェーンガイド
４４ インナーリンク
４６ アウターリンク
４８ チェーンガイドポジショニング機構
５０ リンク機構
６１ メイン枢支軸
７０ ポジショニングラチェット
７１ 作動カム
７２ 指標カム
７４ 指標機構
７５ カム従動部材
７８ 作動溝
８０ 作動アーム
８１ つめ
９０ 指標アーム
９１ 指標バネ

Claims (14)

1. 自転車の一部分に連結されるように構成された装着部材と、
   前記自転車のチェーンを横方向へシフトさせるように、前記装着部材に移動自在に連結されたチェーンガイドと、
   前記チェーンガイドに作動的に連結された作動カムを有するチェーンガイドポジショニング機構とを備え、
   前記作動カムは、コントロール部材に連結されるように構成され、且つ、前記チェーンガイドを第１位置と第２位置との間で移動させる為の前記コントロール部材の動作に応じて一方向へのみ回転するように構成されていることを特徴とする自転車用ディレイラ。
2. 前記チェーンガイドは、前記作動カムの回転によって移動するリンク機構を介して前記装着部材に移動自在に連結されていることを特徴とする請求項１に記載の自転車用ディレイラ。
3. 前記作動カムは、カム従動部材が係入される環状の作動溝を備えており、
   前記カム従動部材は、前記リンク機構に連結されていることを特徴とする請求項２に記載の自転車用ディレイラ。
4. 前記作動溝は、前記チェーンガイドの第１位置に対応した２箇所の部位と前記チェーンガイドの第２位置に対応した２箇所の部位とを有する楕円形状とされており、
   前記作動カムの一回転によって、前記チェーンガイドが第１位置と第２位置との間を２回往復するように構成されていることを特徴とする請求項３に記載の自転車用ディレイラ。
5. 前記リンク機構は、一端部が前記装着部材に揺動自在に連結され且つ他端部が前記チェーンガイドに揺動自在に連結された一対のリンクを備えていることを特徴とする請求項２から４の何れか１項に記載の自転車用ディレイラ。
6. 前記作動カムは、前記一対のリンクを揺動させるべく、該一対のリンクの一方と当接していることを特徴とする請求項５に記載の自転車用ディレイラ。
7. 前記チェーンガイドポジショニング機構は、前記作動カムに連結された一方向クラッチ機構を備えていることを特徴とする請求項１から６の何れか１項に記載の自転車用ディレイラ。
8. 前記一方向クラッチ機構は、前記作動カムに固定連結されたラチェットと、該ラチェットと噛合するつめを有する作動部材とを備えており、前記作動部材は、前記コントロール部材に連結されるように構成されたコントロール部材取付構造を有していることを特徴とする請求項７に記載の自転車用ディレイラ。
9. 前記作動部材は、メイン枢支軸に揺動自在に支持されていることを特徴とする請求項８に記載の自転車用ディレイラ。
10. 前記ラチェット及び作動カムは、前記メイン枢支軸に揺動自在に支持されていることを特徴とする請求項９に記載の自転車用ディレイラ。
11. 前記チェーンガイドポジショニング機構は、前記作動カムに対し作動的に保持力を付加するように構成された指標部材を有する指標機構を備えていることを特徴とする請求項１から１０の何れか１項に記載の自転車用ディレイラ。
12. 前記指標機構は、前記作動カムと共に一体的に回転するように該作動カムに固定連結された指標カムを、さらに備え、
    前記指標部材は、前記作動カムに前記保持力を付加すべく、該指標カムに当接していることを特徴とする請求項１１に記載の自転車用ディレイラ。
13. 前記指標部材は、前記装着部材に揺動自在に装着されており、且つ、前記指標カムに前記保持力を付加すべく該指標カムに向かって付勢されていることを特徴とする請求項１２に記載の自転車用ディレイラ。
14. 前記チェーンガイドは、前記装着部材の上方に配設されていることを特徴とする請求項１から１３の何れか１項に記載の自転車用ディレイラ。

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