JP3572261B2 - 商品販売登録データ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、キャッシャと顧客の双方が商品コードを読取り入力できる商品販売登録データ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、顧客自身がスキャナを用いて買上げ商品の商品コードを読取り入力するセルフスキャニング式の商品販売登録データ処理装置としては、図11に示すようにスキャナ1,計量器2Mを含む搬入コンベア2,搬出コンベア3及び袋詰め台4を商品の流れ方向に配列してなるチェックアウトレーン5を、電子式キャッシュレジスタ(以下ECRと略称する)6の両側に配設した2レーン式のものが知られている。
【0003】
かかる装置では、客CST1(CST2)がスキャナ1を用いて自己の買上げ商品に付されている商品コードを読取り入力すると、その商品コードがECR6に伝送される。また、客CST1(CST2)が商品コードの読取り入力を終えた商品を搬入コンベア2に載せると、計量器2Mで計量された商品の実重量データがECR6に送信される。
【0004】
一方、ECR6には各商品の商品コードに対応して品名,単価等とともに設定重量データがプリセットされた商品ファイルが設けられている。そしてECR6は、スキャナ1からの商品コードを取込むと商品ファイルを検索して入力商品コードに対応する設定重量データを読出し、計量器2Mからの実重量データと比較して両重量データの同一性を判定し、同一性有りを判定した場合のみ該当商品の販売データを取得して記憶部に売上登録処理する。このとき、商品は搬入コンベア2及び搬出コンベア3で移送されて袋詰め部4にストックされる。
【0005】
こうして、客CST1(CST2)が全買上げ商品の商品コード読取り入力を終了すると、キャッシャCHRはECR6のキーボードに設けられている締めキーを操作入力する。そうすると、ECR6にて全買上げ商品の合計が出力されるとともにその取引に関するデータが印字されたレシートが発行されるので、キャッシャCHRは客CST1(CST2)との間で合計金額に対する代金支払いの金銭授受及びレシートの受渡しを行えばよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来のセルフスキャニング式商品販売登録データ処理装置においては、客自身がスキャナを用いて全買上げ商品の商品コードを読取り入力するので、キャッシャの負担は軽減されるものの客の負担が増大する。このため、セルフスキャニングシステムの導入に客の不評を買うおそれもある。また、客のなかには商品コードの読取り入力に不慣れで手間取ることも考えられ、必ずしも会計処理の効率が向上するとは限らない。
【0007】
このような問題は、客が全買上げ商品の商品コードを読取り入力しなければならないために生じている。すなわち、キャッシャと顧客の双方で全買上げ商品の商品コード読取り入力を分担すればキャッシャの負担を軽減できるばかりか会計処理の効率を向上できる。
【0008】
しかし、この場合でも依然として客の負担は増加しており、その負担に対する見返りがないと客が商品コードの読取り入力を積極的に行うとは思えず、キャッシャの負担軽減及び会計処理の効率向上は期待できない。
【0009】
また、小型でかつ計量の商品は商品コード読取り入力の操作性がよいが、サイズが大きかったり重量が重い商品は操作性が悪い。このため、キャッシャと顧客の双方で全買上げ商品の商品コード読取り入力を分担するようにしても、顧客が操作性のよい商品ばかりを選んで操作するようになると、キャッシャの負担は軽減されない。
【0010】
そこで本発明は、客が買上げた全商品の商品コード読取り入力をキャッシャと顧客の双方で分担して行えるとともに、客自身の作業負担に対する見返りとして自動的に特典を付与することができ、キャッシャの負担軽減及び会計処理の効率向上を確実に図り得る商品販売登録データ処理装置を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1対応の発明は、コード読取装置により読取られた商品コードに基づいて商品販売データを取得し記憶部に売上登録処理するとともに、締めキーの操作入力により1取引にて買上げられる全商品の売上登録終了が宣言されると、その1取引に関するデータが印字されたレシートを発行する商品販売登録データ処理装置において、コード読取装置をキャッシャ用コード読取装置と客用コード読取装置の2種類としてキャッシャと客との協力により客買上商品の商品コード読取入力が行えるように構成するとともに、1客が買い上げる商品のうちキャッシャ用コード読取装置によりコード読取りが行われた商品の金額を合計する第1加算器及び客用コード読取装置によりコード読取りが行われた商品の金額を合計する第2加算器と、第1加算器の内容と第2加算器の内容とを合算して取引合計金額を求める手段と、締めキーの操作入力に応動して第2加算器による累計値をもとに特典データを算出する特典データ演算手段と、この演算手段により算出された特典データを該当する客に付与する特典付与手段とを備えたものである。
【0012】
また、本願請求項2対応の発明は、上記加算器に代えて、1客が買い上げる商品のうち客用コード読取装置によりコード読取りが行われた商品の点数を計数するカウンタを設け、特典データ演算手段は、カウンタによる累計値をもとに特典データを算出する手段としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。始めに、本願請求項1対応の発明に関わる実施形態(以下、第1の実施形態と略称する)について説明する。
【0014】
第1の実施形態に係る商品販売登録データ処理装置は、図1,図2に示すようにECR(電子式キャッシュレジスタ)10とコード読取装置20とをインタフェース用ケーブル30で接続して構成される。
【0015】
ECR10は、筐体正面にキーボード11及び表示器12を設けるとともに、下部に現金等を収容するためのドロワ13を形成している。また、プリンタ14及びカードリーダ15を搭載している。
【0016】
前記キーボード11は、客買上商品の売上登録終了を宣言する締めキーとして現計キーを備えており、この現計キーが操作入力されると客買上商品の合計金額、いわゆる取引合計金額が表示器12に表示されるようになっている。
【0017】
また、キーボード11には「登録」,「精算」,「設定」等の各種業務を選択するための業務選択キーも設けられている。因みに、「登録」業務とはコード読取装置20により読取られた商品コードで後述する商品ファイル51を検索して商品販売データを取得し記憶部に売上登録処理するとともに、前記現計キーの操作入力により1取引にて買上げられる全商品の売上登録終了が宣言されると、その1取引に関するデータが印字されたレシートを発行する業務である。
【0018】
前記プリンタ14は、レシート用紙及びジャーナル用紙にデータ印字するもので、印字済みのレシート用紙は筐体正面に形成されたレシート発行口14aより排出され、1取引毎に切断されて、客にレシートとして発行する。また、印字済みのジャーナル用紙は内部で巻き取られ、取引データの履歴として店側が保存する。
【0019】
また、ECR10は、商品販売登録のデータ処理等を行うCPU(中央処理装置)16、上記CPU16が実行するプログラム等の固定的データが予め記憶されたROM(リード・オンリ・メモリ)17、商品販売データを売上登録処理するための記憶部を形成するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)18及び現日時を計時する時計回路19を搭載している。
【0020】
また、前記インタフェース用ケーブル30が接続されるインタフェース110,前記カードリーダ15が接続されるカードリーダ回路111,前記キーボード11が接続されるキーボード回路112,前記表示器12が接続される表示制御回路113及び前記プリンタ14を駆動させるプリンタ駆動回路114と前記ドロワ13を開放させるドロワ開放装置115とにそれぞれ駆動信号を送出するI/Oポート116等を備えている。
【0021】
前記コード読取装置20は、筐体正面にキャッシャ用のコード読取装置として機能するキャッシャ用の定置型スキャナ(以下キャッシャ用スキャナと略称する)21を設け、かつ筐体背面に客用のコード読取装置として機能する客用の定置型スキャナ(以下客用スキャナと略称する)22を設けるとともに、両スキャナ21,22の各上方にそれぞれキャッシャ用表示器23及び客用表示器24を設けたもので、キャッシャと客との協力により迅速かつ正確に客買上商品の商品コード(バーコード)読取入力が行えるように構成されている。
【0022】
すなわち、コード読取装置20は、サッカー台40のほぼ中央に、正面をキャッシャ側に向けた状態で配設され、このコード読取装置20よりも下流側にECR10が配設されている。そして、サッカー台40を挟んで対峙したキャッシャと客が、サッカー台40の上流側位置41に載置されたカゴ(不図示)に収容された客買上商品をそれぞれ1点ずつ取り出し、その商品に付された商品コード(バーコード)を各々のスキャナ21,22を用いて読取入力する。読取入力済みの商品はサッカー台40の下流側位置42に載置された空カゴ(不図示)内に収容する。
【0023】
キャッシャ用表示器23及び客用表示器24は上下2段のドット表示器で構成され、各上段はそれぞれの自己入力に係るデータが表示され、各下段はそれぞれの相手入力に係るデータが表示される。
【0024】
そして、前記キャッシャ用スキャナ21及び客用スキャナ22は、それぞれスキャナ回路25,26、インタフェース27、インタフェースケーブル30及びインタフェース110を介してECR10内のCPU16に接続され、キャッシャ用表示器23及び客用表示器24は、それぞれ表示制御回路28,29、インタフェース27、インタフェースケーブル30及びインタフェース110を介してECR10内のCPU16に接続されている。
【0025】
なお、各スキャナ回路25,26及び各表示制御回路28,29をECR10内に設けて、インタフェース110及びインタフェース27を除外するように構成してもよい。
【0026】
さて、本商品販売登録データ処理装置は、前記ECR10内のRAM18に、図3に示すように商品ファイル51、会員ファイル52、現金合計器53、値引額合計器54、特典種類データメモリ55及び1客用ワークメモリ56等の各種領域を形成している。
【0027】
前記商品ファイル51は店で販売される全商品にそれぞれ付される商品コードに対応してその商品の品名,単価等の設定データがプリセットされるとともに、販売点数及び販売金額の商品販売データを商品コード別に累積するための領域である。
【0028】
前記会員ファイル52はサービスポイント制度の会員となった顧客にそれぞれ付される顧客コード別に買物毎に付与したサービスポイントを累計するための領域である。
【0029】
前記現金合計器53は当該ECR10にて精算した全客の買上金額を総計する領域であり、値引額合計器54は当該ECR10にて精算した各客に対して発生した値引額を総計する領域である。
【0030】
前記特典種類データメモリ55は客自身が客用スキャナ22を用いて客買上商品の登録をしたときの特典の内容を示すデータであり、「設定」業務においてキーボード11の所定キー操作により変更が可能である。
【0031】
なお、この第1の実施形態では、客自身が登録した全商品の合計点数に応じて値引きを行う特典を示すデータを「1」とし、客自身が登録した全商品の合計金額に応じて値引きを行う特典を示すデータを「2」とし、取引合計額に応じたサービスポイントを客自身が登録した全商品の合計点数に応じて増加する特典を示すデータを「3」とする。
【0032】
前記1客用ワークメモリ56は、当該ECR10にて精算する1客が買い上げる商品のうち前記キャッシャ用スキャナ21でコード読取りが行われた商品の金額を合計する第1加算器M1及び前記客用スキャナ22でコード読取りが行われた商品の金額を合計する第2加算器M2と、前記客用スキャナ22でコード読取りが行われた商品の点数を計数するカウンタCと、商品登録中のとき“1”にセットされる登録中フラグFとを備えた領域である。ここに、1客用ワークメモリ56の第2加算器M2及びカウンタCは累計手段を構成する。
【0033】
しかして、この第1の実施形態における商品販売登録データ処理装置は、業務選択キーにより「登録」業務が選択された状態で、コード読取装置20により商品コード(バーコード)を読取入力すると、前記CPU16が図4の流れ図に示すスキャナ入力処理を実行するようにプログラムされている。
【0034】
すなわち、CPU16は、先ずST(ステップ)1で「登録」業務が選択されていることを確認した後、ST2で1客用ワークメモリ56の登録中フラグFを調べる。そして、この登録中フラグFが“0”にリセットされている場合には、1客が買上げる商品の最初の売上登録なので、上記登録中フラグFを“1”にセットするとともに、1客用ワークメモリ56の第1加算器M1,第2加算器M2及びカウンタCをクリアする。登録中フラグFが既に“1”にセットされている場合には、1客買上商品の2点目以降の売上登録なので上記処理は行わない。
【0035】
次に、ST3で商品コードの読取入力がキャッシャ用スキャナ21で行われたのか、客用スキャナ22で行われたのかを判断する。この判断は、例えばキャッシャ用スキャナ21で読取られた商品コードの伝送データと客用スキャナ22で読取られた商品コードの伝送データとにそれぞれ送信元を示すデータを付加することで可能となる。
【0036】
ここで、キャッシャ用スキャナ21で読取られた商品コードのデータを入力した場合には、ST4Aで商品ファイル51を検索する。そして、入力商品コードに対応する品名,単価等の登録商品データを読出して商品販売データを取得し記憶部に売上登録処理する。具体的には登録商品の販売金額を単価とし、販売点数を「1」として、商品ファイル51の該当商品コードに対応する売上点数エリア及び売上金額エリアにそれぞれ前記販売点数及び販売金額を加算する。
【0037】
次に、ST5Aで登録商品の品名及び販売金額の表示データを作成する。そしてこの表示データをインタフェース110からインタフェース27へ伝送して、キャッシャ用表示器23の上段と客用表示器24の下段とにそれぞれ登録商品の品名及び販売金額を表示させる。
【0038】
次に、ST6Aで登録商品の品名,販売点数及び販売金額の印字データを作成する。そしてこの印字データをI/Oポート116を介してプリンタ制御回路114に供給して、プリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙にそれぞれ登録商品の品名,販売点数及び販売金額を印字させる。
【0039】
しかる後、ST7Aで1客用ワークメモリ56の第1加算器M1に登録商品の販売金額を加算したならば、今回のスキャナ入力処理を終了する。
【0040】
一方、ST3で客用スキャナ22で読取られた商品コードのデータを入力した場合には、ST4Bで商品ファイル51を検索する。そして、ST4Aのときと同様に入力商品コードに対応する品名,単価等の登録商品データを読出して商品販売データを取得し記憶部に売上登録処理する。
【0041】
次に、ST5Bで登録商品の品名及び販売金額の表示データを作成する。そしてこの表示データをインタフェース110からインタフェース27へ伝送して、客用表示器24の上段とキャッシャ用表示器23の下段とにそれぞれ登録商品の品名及び販売金額を表示させる。
【0042】
次に、ST6Bで登録商品の品名,販売点数及び販売金額の印字データを作成する。そしてこの印字データをI/Oポート116を介してプリンタ制御回路114に供給して、プリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙にそれぞれ登録商品の品名,販売点数及び販売金額を印字させる。また、客自身が登録したことを示すマーク「*」の印字データもプリンタ制御回路114に供給して、プリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。
【0043】
次に、ST7Bで1客用ワークメモリ56の第2加算器M2に登録商品の販売金額を加算する。
【0044】
しかる後、ST8Bで特典種類データメモリ55の内容を調べる。ここで、同メモリ55内の特典種類データが「1」または「3」の場合には、1客用ワークメモリ56のカウンタCを+1だけインクリメントした後、今回のスキャナ入力処理を終了する。同メモリ55内の特典種類データが「1」または「3」以外の場合には、カウンタCをインクリメントすることなく今回のスキャナ入力処理を終了する。
【0045】
また、本商品販売登録データ処理装置は、業務選択キーにより「登録」業務が選択された状態で、キーボード11の現計キーを入力すると、前記CPU16が図5及び図6の流れ図に示す現計キー処理を実行するようにプログラムされている。
【0046】
すなわち、CPU16は、先ずST11で「登録」業務が選択されていることを確認した後、ST12で1客用ワークメモリ56の登録中フラグFを調べる。そして、この登録中フラグFが“0”にリセットされている場合には、客買上商品の登録無しに現計キーが操作されたミスなので、現計キーの入力をエラーとしてこの処理を終了する。
【0047】
ST12で登録中フラグFが“1”にセットされている場合には、客買上商品の登録終了が宣言されたので、次に特典種類データメモリ55の内容を調べる。ここで、同メモリ55内の特典種類データが「1」,「2」及び「3」以外の場合には、客自身の登録に対する特典が設定されていないので、ST13で第1加算器M1の内容と第2加算器M2の内容とを合算して取引合計金額Mを求め、この取引合計金額Mを表示器12に表示させるとともに、プリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。また、現金合計器53に取引合計金額Mを加算する。
【0048】
次に、ST14でプリンタ駆動回路114にレシート発行指令を送出するとともにドロワ開放装置115にドロワ開放指令を送出する。これにより、レシート発行口14aからレシートが発行されるとともに、ドロワ13が開放されるので、しかる後、1客用ワークメモリ56の登録中フラグFを“0”にリセットしたならば、この処理を終了する。
【0049】
これに対し、特典種類データが「1」の場合には客自身が登録した全商品の合計点数に応じて値引きを行うので、図6(a)に具体的に示す処理を実行する。
【0050】
すなわち、第1加算器M1の内容と第2加算器M2の内容とを合算して取引合計金額Mを求める。また、ST15として次の(1)式により客自身が登録した全商品の合計点数に比例する値引額Dを求める。
【0051】
D=C×d …(1)
この(1)式において、CはカウンタCの計数値であり、dは登録点数1点当りの値引額(例えば2円)である。
【0052】
次に、上記取引合計金額M及び値引額Dをプリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。
【0053】
次に、ST16として上記取引合計金額Mから値引額Dを減じることにより取引合計金額の値引を行い、この値引後の取引合計金額Aを客が支払う代金として表示器12に表示させるとともにプリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。
【0054】
しかる後、現金合計器53に値引前の取引合計金額Mを加算し、かつ値引額合計器54に値引額Dを加算したならば、前記ST14に進む。そして、レシートを発行させるとともにドロワ13を開放させ、登録中フラグFを“0”にリセットしたならば、この処理を終了する。
【0055】
また、特典種類データが「2」の場合には客自身が登録した全商品の合計金額に応じて値引きを行うので、図6(b)に具体的に示す処理を実行する。
【0056】
すなわち、第1加算器M1の内容と第2加算器M2の内容とを合算して取引合計金額Mを求める。また、ST17として次の(2)式により客自身が登録した全商品の合計金額に比例する値引額Dを求める。
【0057】
D=M2×e/100 …(2)
この(2)式において、M2は第2加算器M2の内容であり、eは予め設定されている値引率(例えば1(%))である。
【0058】
次に、上記取引合計金額M及び値引額Dをプリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。
【0059】
次に、ST18として上記取引合計金額Mから値引額Dを減じることにより取引合計金額の値引を行い、この値引後の取引合計金額Aを客が支払う代金として表示器12に表示させるとともにプリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。
【0060】
しかる後、現金合計器53に値引前の取引合計金額Mを加算し、かつ値引額合計器54に値引額Dを加算したならば、前記ST14に進む。そして、レシートを発行させるとともにドロワ13を開放させ、登録中フラグFを“0”にリセットしたならば、この処理を終了する。
【0061】
また、特典種類データが「3」の場合には客自身が登録した全商品の合計点数に応じて取引合計額に応じたサービスポイントを増加するので、図6(c)に具体的に示す処理を実行する。
【0062】
すなわち、第1加算器M1の内容と第2加算器M2の内容とを合算して取引合計金額Mを求める。そして、この取引合計金額Mを客が支払う代金として表示器12に表示させるとともにプリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。また、現金合計器53に取引合計金額Mを加算する。
【0063】
次に、カードリーダ15によりサービスポイント会員に発行される有効な会員カードの記録データ(顧客コード)が読取られているか否かを判断する。そして、読取られていない場合には非サービンポイント会員である客の登録終了なので、直ちに前記ST14に進む。
【0064】
これに対し、有効な会員カードの記録データが読取られている場合にはサービンポイント会員である客の登録終了なので、ST19として次の(3)式によりサービスポイントPを算出する。
【0065】
P=n(M/100+C) …(3)
この(3)式において、Mは第1加算器M1の内容と第2加算器M2の内容とを合算した取引合計金額であり、CはカウンタCの計数値である。なお、この実施形態 では取引合計金額Mが100円当たりnポイントとし、さらに客自身が登録すると1点当りnポイントを追加するものとしている。
【0066】
次に、ST20として会員ファイル52を検索してカードリーダ15にて読取った会員カードデータ中の顧客コードに対応する累計ポイントエリアに上記サービスポイントPを加算したならば、前記ST14に進む。そして、レシートを発行させるとともにドロワ13を開放させ、登録中フラグFを“0”にリセットしたならば、この処理を終了する。
【0067】
ここに、締めキー(現計キー)の操作入力に応動して前記累計手段(1客用ワークメモリ56の第2加算器M2及びカウンタC)による累計値をもとに特典データを算出する特典データ演算手段は、前記現計キー処理のST15,ST17及びST19の各処理によって構成される。
【0068】
また、この特典データ演算手段(ST15,ST17,ST19)により算出された特典データを該当する客に付与する特典付与手段は、前記現計キー処理のST16,ST18及びST20の各処理によって構成される。
【0069】
すなわち、特典データを客に付与する方法としては、客が商品コードの読取り入力を行った全商品の合計点数に応じて値引きを行う第1の方法や、客が商品コードの読取り入力を行った全商品の合計金額に応じて値引きを行う第2の方法がある。
【0070】
また、客が買上げる全商品の合計金額すなわち取引合計額に応じてサービスポイントを発生し、このサービスポイントを買物毎に累積して一定値になると特典を付与するポイント会員制度は既に実用化されている。そこで、客が商品コードの読取り入力を行った全商品の合計点数に応じて取引合計額に応じたサービスポイントを増加する第3の方法もある。
【0071】
そこで、第1の方法では累計手段は販売点数を累計している。そして、締めキーの操作入力に応動して販売点数累計値に予め設定された1点当りの値引額を乗じて値引額を算出し、今回の取引合計額から算出された値引額を減じることで客に特典を付与している。
【0072】
また、第2の方法では累計手段は販売金額を累計している。そして、締めキーの操作入力に応動して販売金額累計値に予め設定された値引率を乗じて値引額を算出し、今回の取引合計額から算出された値引額を減じることで客に特典を付与している。
【0073】
さらに、第3の方法では累計手段は販売点数を累計している。そして、締めキーの操作入力に応動して販売点数累計値に基準ポイントを乗じて増加分のポイントを算出し、このポイントを今回の取引合計額に対するサービスポイントに加算することで客に特典を付与している。
【0074】
このように構成された第1の実施形態の商品販売登録データ処理装置においては、キャッシャはキャッシャ用スキャナ21を用いて、客は客用スキャナ22を用いて相互に客買上商品の商品コード(バーコード)読取入力を行うことができる。しかも、商品コードの読取り入力を行った客に対しては、客自身が登録した全商品の合計点数に応じて例えば1点当たり2円の値引きを行うか、客自身が登録した全商品の合計金額に応じて例えば1%の値引きを行うか、取引合計額に応じたサービスポイントを客自身が登録した全商品の合計点数に応じて例えば1点当たりnポイント増加するというような特典が付与される。
【0075】
具体的には、予め特典種類データメモリ55に、客自身が登録した全商品の合計点数に応じて値引きを行う場合にはデータ「1」を設定し、客自身が登録した全商品の合計金額に応じて値引きを行う場合にはデータ「2」を設定し、客自身が登録した全商品の合計点数に応じて取引合計額に応じたサービスポイントを増加する場合にはデータ「3」を設定すればよい。
【0076】
例えば特典種類データ「1」が設定されている場合において、キャッシャと客が協力して客買上商品の商品コード読取り入力を行い、客が5点の商品コード読取り入力を行ったときには、1点当たりの値引額dを2円とすると、その客の全買上商品の合計金額、いわゆる取引合計金額から前記(1)式により10円(5点×2円)の値引が行われる。
【0077】
また、特典種類データ「2」が設定されている場合において、キャッシャと客が協力して客買上商品の商品コード読取り入力を行い、客が500円分の商品の商品コード読取り入力を行ったときには、値引率を1%とすると、その客の取引合計金額から前記(2)式により5円(500×1/100)の値引が行われる。
【0078】
さらに、特典種類データ「3」が設定されている場合において、キャッシャと客が協力して客買上商品の商品コード読取り入力を行い、客が5点の商品コード読取り入力を行ったときには、nを1とすると前記(3)式によりその客の取引合計金額に応じたサービスポイントに5点が加算されたサービスポイントPが算出されて、その客の顧客コードに対応する累計ポイントエリアに加算される。
【0079】
このように第1の実施形態によれば、キャッシャに協力して客買上商品の商品コード読取り入力を行った客に対しては、その客自身が商品コード読取り入力を行った商品の点数や金額に応じて自動的に値引やサービスポイントの増加等の特典を付与できる。従って、客は自身で買上商品のコード読取り入力を行えば行うほど大きな特典が付与されるので、負担を感じることなくキャッシャと協力して自己が買上げる商品の商品コード読取り入力を行うようになる。その結果、キャッシャの負担が軽減されるとともに会計処理の効率化が図られる。
【0080】
また、前記第1の実施形態では客が客用スキャナ22を用いて商品コード読取り入力を行った商品の明細情報(品名,販売点数,販売金額等)をレシート用紙及びジャーナル用紙に印字する際に、同時に客登録マーク「*」も印字して、キャッシャが登録した商品の明細情報と区別している。従って明細情報に客登録マーク「*」が付加された商品は客自身が登録した商品であり、その商品登録に対して特典が付与されたことを客に強く認識させることが可能である。
【0081】
なお、前記第1の実施形態では客に付与する特典の方法として3種類を例示し、これらを特典種類データの設定によって任意に選択できる構成としたが、いずれか1つの方法を固定的に備えた装置であってもよい。この場合、特典種類データメモリ55が不要となる上、CPU16が実行するスキャナ入力処理及び現計キー処理において特典種類データの判断が不要となる。
【0082】
また、前記第1の実施形態では登録点数1点当たりの値引額dや値引率eを固定化したが、これらのデータを記憶するメモリエリアをRAM18上に設けることによって、ユーザが任意に値引額dや割引率eを設定できるようになる。
【0083】
さらに、サービスポイントを増加する場合においても、客自身が登録した商品はキャッシャが登録した商品に比べてポイントがm倍となるような運用を実施することも可能である。すなわち、図6(c)におけるST19の処理においてサービスポイントPを次の(4)式にて算出すればよい。
【0084】
P=M1/100+(M2/100)m …(4)
この(4)式において、M1は第1加算器M1の内容、M2は第2加算器M2の内容である。なお、この場合は1客用ワークメモリ56のカウンタCが不要となる。
【0085】
ところで、前記第1の実施形態では商品コード読取り入力の操作性の善し悪しに拘らず商品コード読取り入力の数量に応じて特典を付与したが、サイズが大きかったり重量の重い商品は操作性が悪いために、サッカー台40の上流側位置41から取出してスキャナ21,22により商品コードを読取らせ、下流側位置42に置くまでに多くの時間と労力を費やす。このため、操作性がよい商品ばかりを選んで数多くスキゃニングした顧客と、操作性が悪い商品ばかりを選んだためにスキャニングの数が少なかった顧客とがいた場合に、キャッシャにかかる負担は後者の方が軽減されるにも拘らず、前者の方が特典が大きくなる不都合が生じる。
【0086】
そこで、このような不都合を無くすために、客用スキャナ22を用いて商品コード読取り入力された商品のスキャナ入力操作の難易度を判別し累計して、この累計値に基づいて値引,サービスポイント付与等の特典を客に与えるようにした、本願請求項2対応の発明に関わる実施形態(以下、第2の実施形態と称する)について説明する。
【0087】
なお、この第2の実施形態における商品販売登録データ処理装置の外観及び回路構成は前記第1の実施形態のそれと同様であるため、図1,図2を用いて説明を省略する。
【0088】
さて、この第2の実施形態における商品販売登録データ処理装置のECR10内のRAM18にも、前記第1の実施形態と同様に、図7に示すように商品ファイル51、会員ファイル52、現金合計器53、値引額合計器54、特典種類データメモリ55及び1客用ワークメモリ56等の各種領域が形成されている。
【0089】
ただし、商品ファイル51には、各商品の商品コードに対応して、スキャナ読取入力の操作難易度データgを記憶するエリア57が追加形成されている。そして、該当商品のサイズ(体積)や重量等を規準にして店側または製造者側が任意に定めた操作難易度データg(難易度が高ければ高いほど大きい値となる)が前記エリア57に予め設定されている。
【0090】
また、1客用ワークメモリ56は、当該ECR10にて精算する1客が買い上げる商品の金額を合計する金額加算器Mと、前記客用スキャナ22でコード読取りが行われた商品の操作難易度データを加算する難易度加算器Gと、前記登録中フラグFのエリアとで構成される。
【0091】
また、前記特典種類データメモリ55に設定されるデータは、この第2の実施形態では、客自身が客用スキャナ22を用いて登録した全商品の操作難易度累計値に応じて値引を行う特典を示すデータを「4」とし、取引合計額に応じたサービスポイントを客自身が登録した全商品の操作難易度累計値に応じて増加する特典をデータ「5」とする。
【0092】
しかして、この第2の実施形態における商品販売登録データ処理装置は、業務選択キーにより「登録」業務が選択された状態で、コード読取装置20により商品コード(バーコード)を読取入力すると、前記CPU16が図8の流れ図に示すスキャナ入力処理を実行するようにプログラムされている。
【0093】
すなわち、CPU16は、ST1で「登録」業務が選択されていることを確認した後、ST2で1客用ワークメモリ56の登録中フラグFを調べる。そして、この登録中フラグFが“0”にリセットされている場合には、1客が買上げる商品の最初の売上登録なので、上記登録中フラグFを“1”にセットするとともに、ST31として1客用ワークメモリ56の金額加算器M及び難易度加算器Gをクリアする。登録中フラグFが既に“1”にセットされている場合には、1客買上商品の2点目以降の売上登録なので上記処理は行わない。
【0094】
次に、ST3で商品コードの読取入力がキャッシャ用スキャナ21で行われたのか、客用スキャナ22で行われたのかを判断する。そして、キャッシャ用スキャナ21で読取られた商品コードのデータを入力した場合には、前記第1の実施形態の場合とほぼ同様に動作する。
【0095】
すなわち、ST4Aで商品ファイル51を検索して、入力商品コードに対応する品名,単価等の登録商品データを読出して商品販売データを取得し記憶部に売上登録処理する。次に、ST5Aでキャッシャ用表示器23の上段と客用表示器24の下段とにそれぞれ登録商品の品名及び販売金額を表示させるとともに、ST6Aでプリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙にそれぞれ登録商品の品名,販売点数及び販売金額を印字させる。しかる後、ST7Aで1客用ワークメモリ56の金額加算器Mに登録商品の販売金額を加算したならば、今回のスキャナ入力処理を終了する。
【0096】
一方、ST3で客用スキャナ22で読取られた商品コードのデータを入力した場合にも、前記第1の実施形態と同様にST4Bで商品ファイル51を検索する。そして、入力商品コードに対応する品名,単価等の登録商品データを読出して商品販売データを取得し記憶部に売上登録処理する。
【0097】
次に、ST5Bで、客用表示器24の上段とキャッシャ用表示器23の下段とにそれぞれ登録商品の品名及び販売金額を表示させるとともに、ST6Bでプリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙にそれぞれ登録商品の品名,販売点数及び販売金額を印字させる。また、客自身が登録したことを示すマーク「*」もプリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。しかる後、ST7Bで1客用ワークメモリ56の金額加算器Mに登録商品の販売金額を加算する。
【0098】
次に、ST32として商品ファイル51を検索し、入力商品コードに対応する操作難易度データgを読出すことにより当該商品の操作難易度を判別する(難易度判別手段)。そして、ST33として上記操作難易度データgを1客用ワークメモリ56の難易度加算器Gに加算したならば(難易度累計手段)、今回のスキャナ入力処理を終了する。
【0099】
また、本商品販売登録データ処理装置は、業務選択キーにより「登録」業務が選択された状態で、キーボード11の現計キーを入力すると、前記CPU16が図9及び図10の流れ図に示す現計キー処理を実行するようにプログラムされている。
【0100】
すなわち、CPU16は、先ずST11で「登録」業務が選択されていることを確認した後、ST12で1客用ワークメモリ56の登録中フラグFを調べる。そして、この登録中フラグFが“0”にリセットされている場合には、客買上商品の登録無しに現計キーが操作されたミスなので、現計キーの入力をエラーとしてこの処理を終了する。
【0101】
ST12で登録中フラグFが“1”にセットされている場合には、客買上商品の登録終了が宣言されたので、次に特典種類データメモリ55の内容を調べる。ここで、同メモリ55内の特典種類データが「4」及び「5」以外の場合には、客自身の登録に対する特典が設定されていないので、前記第1の実施形態の場合と同様に金額加算器Mの内容を取引合計金額Mとして表示器12に表示させるとともに、プリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。また、現金合計器53に取引合計金額Mを加算する。次いで、ST14でプリンタ駆動回路114にレシート発行指令を送出するとともにドロワ開放装置115にドロワ開放指令を送出し、1客用ワークメモリ56の登録中フラグFを“0”にリセットしたならば、この処理を終了する。
【0102】
これに対し、特典種類データが「4」の場合には客自身が登録した全商品の操作難易度累計値に応じて値引きを行うので、図10(a)に具体的に示す処理を実行する。
【0103】
すなわち、ST41として次の(5)式により客自身が登録した全商品の操作難易度累計値に比例する値引額Dを求める。
【0104】
D=G×d …(5)
この(5)式において、Gは難易度加算器Gの記憶値であり、dは難易度1当りの値引額(例えば1円)である。
【0105】
次に、上記取引合計金額M及び値引額Dをプリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。
【0106】
次に、ST42として上記取引合計金額Mから値引額Dを減じることにより取引合計金額の値引を行い、この値引後の取引合計金額Aを客が支払う代金として表示器12に表示させるとともにプリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。
【0107】
しかる後、現金合計器53に値引前の取引合計金額Mを加算し、かつ値引額合計器54に値引額Dを加算したならば、前記ST14に進む。そして、レシートを発行させるとともにドロワ13を開放させ、登録中フラグFを“0”にリセットしたならば、この処理を終了する。
【0108】
また、特典種類データが「5」の場合には客自身が登録した全商品の操作難易度累計値に応じて取引合計額に応じたサービスポイントを増加するので、図10(c)に具体的に示す処理を実行する。
【0109】
すなわち、金額加算器Mの内容を取引合計金額Mとして表示器12に表示させるとともに、プリンタ14によりレシート用紙及びジャーナル用紙に印字させる。また、現金合計器53に取引合計金額Mを加算する。
【0110】
次に、カードリーダ15によりサービスポイント会員に発行される有効な会員カードの記録データ(顧客コード)が読取られているか否かを判断する。そして、読取られていない場合には非サービンポイント会員である客の登録終了なので、直ちに前記ST14に進む。
【0111】
これに対し、有効な会員カードの記録データが読取られている場合にはサービンポイント会員である客の登録終了なので、ST43として次の(6)式によりサービスポイントPを算出する。
【0112】
P=n(M/100+G) …(6)
この(6)式において、Mは金額加算器Mの記憶値であり、Gは難易度合計器Gの記憶値である。なお、この実施形態では取引合計金額Mが100円当たりnポイントとし、さらに客自身が登録すると操作難易度1当りnポイントを追加するものとしている。
【0113】
次に、ST44として会員ファイル52を検索してカードリーダ15にて読取った会員カードデータ中の顧客コードに対応する累計ポイントエリアに上記サービスポイントPを加算したならば、前記ST14に進む。そして、レシートを発行させるとともにドロワ13を開放させ、登録中フラグFを“0”にリセットしたならば、この処理を終了する。
【0114】
ここに、締めキー(現計キー)の操作入力に応動して前記累計手段(1客用ワークメモリ56の難易度加算器G)による累計値をもとに特典データを算出する特典データ演算手段は、前記現計キー処理のST41及びST43の各処理によって構成される。
【0115】
また、この特典データ演算手段(ST41,ST43)により算出された特典データを該当する客に付与する特典付与手段は、前記現計キー処理のST42及びST44の各処理によって構成される。
【0116】
このように構成された第2の実施形態の商品販売登録データ処理装置においても、第1の実施形態と同様にキャッシャはキャッシャ用スキャナ21を用いて、客は客用スキャナ22を用いて相互に客買上商品の商品コード(バーコード)読取入力を行うことができる。そして、商品コードの読取り入力を行った客に対しては、客自身が登録した全商品の操作難易度累計値に応じて例えば難易度1当たり1円の値引きを行うか、取引合計額に応じたサービスポイントを客自身が登録した全商品の操作難易度累計値に応じて例えば難易度1当たりnポイント増加するというような特典が付与される。
【0117】
このように第2の実施形態によれば、キャッシャに協力して客買上商品の商品コード読取り入力を行った客に対しては、その客自身が商品コード読取り入力を行った商品の操作難易度に応じて自動的に値引やサービスポイントの増加等の特典を付与できる。従って、客は自身で買上商品のコード読取り入力を行えば行うほど、しかも操作難易度が高い商品を選択すればするほど大きな特典が付与されるので、負担を感じることなくキャッシャと協力して自己が買上げる商品のうち特に操作難易度が高い商品(サイズが大きかったり、重量が重い商品)を好んで商品コード読取り入力を行うようになる。その結果、キャッシャの負担が一層軽減され、会計処理の効率化が図られる。
【0118】
なお、前記第2の実施形態では予め商品毎に操作難易度データgを設定したが、各商品の重量データ,体積データをそれぞれ設定しておき、客用スキャナ22によって商品コードが読取り入力される毎にその商品の重量データ及び体積データを読出して操作難易度gを所定の演算式で算出することにより判別するようにしてもよい。こうすることにより、店側で各商品の操作難易度をいちいち判定して設定する面倒がなくなる。
【0119】
また、前記第1及び第2の実施形態ではキャッシャ用スキャナ21及び客用スキャナ22をそれぞれ1台ずつとしたが、それぞれ複数台にしてもよい。例えば客用スキャナ22としてさらにハンドスキャナを用意し、客に連れ(子供や知人等)がいる場合はその人もキャッシャに協力して客買上商品のコード読取り入力を行えるようにしてもよい。客側は登録すればするほど特典の度合は大きくなるので、よりキャッシャの負担軽減及び会計処理の効率向上を図り得る。
【0120】
この他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能であるのは勿論である。
【0121】
【発明の効果】
以上詳述したように本願請求項1対応の発明によれば、キャッシャと客との協力により1客が買上げる商品の商品コード読取入力を行えるとともに、その1客が買上げる商品のうち客自身が商品コードの読取り操作を行った商品の金額に応じて自動的に特典を付与することができ、キャッシャの負担軽減及び会計処理の効率向上を確実に図り得る商品販売登録データ処理装置を提供できる。
【0122】
また、本願請求項2対応の発明によれば、キャッシャと客との協力により1客が買上げる商品の商品コード読取入力を行えるとともに、その1客が買上げる商品のうち客自身が商品コードの読取り操作を行った商品の点数に応じて自動的に特典を付与することができ、やはりキャッシャの負担軽減及び会計処理の効率向上を確実に図り得る商品販売登録データ処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の外観を示す斜視図。
【図2】同実施形態の回路構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態におけるRAMの主要領域を示す図。
【図4】同実施形態のCPUが実行するスキャナ入力処理を示す流れ図。
【図5】同実施形態のCPUが実行する現計キー処理を示す流れ図。
【図6】図5に示す現計キー処理の一部を示す流れ図。
【図7】本発明の第2の実施形態におけるRAMの主要領域を示す図。
【図8】同実施形態のCPUが実行するスキャナ入力処理を示す流れ図。
【図9】同実施形態のCPUが実行する現計キー処理を示す流れ図。
【図10】図9に示す現計キー処理の一部を示す流れ図。
【図11】従来のセルフスキャニング式商品販売登録データ処理装置の概略構成を示す平面図。
【符号の説明】
10…ECR(電子式キャッシュレジスタ)
16…CPU(中央処理装置)
17…ROM(リード・オンリ・メモリ)
18…RAM(ランダム・アクセス・メモリ)
20…コード読取装置
21…キャッシャ用スキャナ
22…客用スキャナ
27,110…インタフェース
30…インタフェース用ケーブル
51…商品ファイル
M1…第1加算器
M2…第2加算器
C…カウンタ
G…難易度加算器
Claims (2)
- コード読取装置により読取られた商品コードに基づいて商品販売データを取得し記憶部に売上登録処理するとともに、締めキーの操作入力により1取引にて買上げられる全商品の売上登録終了が宣言されると、その1取引に関するデータが印字されたレシートを発行する商品販売登録データ処理装置において、
前記コード読取装置をキャッシャ用コード読取装置と客用コード読取装置の2種類としてキャッシャと客との協力により客買上商品の商品コード読取入力が行えるように構成するとともに、1客が買い上げる商品のうち前記キャッシャ用コード読取装置によりコード読取りが行われた商品の金額を合計する第1加算器及び前記客用コード読取装置によりコード読取りが行われた商品の金額を合計する第2加算器と、前記第1加算器の内容と前記第2加算器の内容とを合算して取引合計金額を求める手段と、前記締めキーの操作入力に応動して前記第2加算器による累計値をもとに特典データを算出する特典データ演算手段と、この演算手段により算出された特典データを該当する客に付与する特典付与手段とを具備したことを特徴とする商品販売登録データ処理装置。 - コード読取装置により読取られた商品コードに基づいて商品販売データを取得し記憶部に売上登録処理するとともに、締めキーの操作入力により1取引にて買上げられる全商品の売上登録終了が宣言されると、その1取引に関するデータが印字されたレシートを発行する商品販売登録データ処理装置において、
前記コード読取装置をキャッシャ用コード読取装置と客用コード読取装置の2種類としてキャッシャと客との協力により客買上商品の商品コード読取入力が行えるように構成するとともに、1客が買い上げる商品のうち前記キャッシャ用コード読取装置によりコード読取りが行われた商品の金額を合計する第1加算器及び前記客用コード読取装置によりコード読取りが行われた商品の金額を合計する第2加算器と、前記第1加算器の内容と前記第2加算器の内容とを合算して取引合計金額を求める手段と、前記1客が買い上げる商品のうち前記客用コード読取装置によりコード読取りが行われた商品の点数を計数するカウンタと、前記締めキーの操作入力に応動して前記カウンタによる累計値をもとに特典データを算出する特典データ演算手段と、この演算手段により算出された特典データを該当する客に付与する特典付与手段とを具備したことを特徴とする商品販売登録データ処理装置。
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