JP3572133B2 - 浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置 - Google Patents

浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、加工槽に収容された加工液中でワイヤ電極と工作物との間に放電現象を発生させて工作物を加工する浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ワイヤ放電加工機においてワイヤ供給装置として、ワイヤ電極を放電加工部位に供給するため、種々のタイプが開発されている。例えば、特公平7−96168号公報には、ワイヤ放電加工機のワイヤ自動供給装置が開示されている。また、特公平7−96167号公報には、ワイヤ放電加工機において、ワイヤ電極が挿通するアームが加工槽の側壁を貫通する部分のシール装置が開示されている。
【0003】
上記公報に開示されているような浸漬形ワイヤ放電加工機では、下ヘッドを支持する下アームは加工槽の後部側壁に形成された長孔を貫通して設けられ、下ワイヤヘッドは上ワイヤヘッドに対応して設けられており、加工槽は下アームに対してX−Y軸上で相対移動するように構成されている。また、加工槽内には加工液が収容されているため、加工液が加工槽から漏洩するのを防止するため、下アームと後部側壁の長孔との間に形成される隙間をシールするためシール装置を設ける必要がある。また、工作物に対して放電加工して消耗した廃ワイヤを加工槽外に取り出す必要があり、一般に、廃ワイヤは下アームを介して加工槽外に引き出されている。
【0004】
一般に、自動ワイヤ供給装置は、図4に示すように、ソースボビン60から繰り出されるワイヤ電極1を放電加工部位Aへ供給するため、多数の方向変換ローラ61、テンションローラ62、ブレーキローラ63、引出しローラ64、巻上げローラ65などから成るワイヤ電極供給系を有している。また、工作物11をワイヤ電極1で放電加工する放電加工部位Aにおいて、ワイヤ電極1は上ワイヤヘッド66と下ワイヤヘッド67とによって拘束されて案内される。
【0005】
ところで、従来の下ワイヤヘッド67は、例えば、図5及び図6に示すような構造を備えている。下ワイヤヘッド67は、ワイヤ電極1が挿入されるノズルを備えたノズルホルダ68、ワイヤ電極1を拘束しワイヤ電極1の位置ずれを防止するダイスガイドを備えたダイスガイドホルダ69、ワイヤ電極1に電力供給を行う給電子を備えた給電子ホルダ70、ワイヤ電極1を案内するガイドローラ71を備えたローラハウジング72、ガイドローラシャフト73を回転自在に支持するボールベアリング74が収納されたベアリングケース75などから構成されている。また、下ワイヤヘッド67は水流噴射ノズル76,77を備えており、水流噴射ノズル76,77からガイドローラ71の案内溝79に向けて噴射された加工液の圧力で、ガイドローラ71は回転力を受けると共に、ワイヤ電極1はガイドローラ71の案内溝79に押し付けられる。ガイドローラ71の回転力によって、ワイヤ電極1は下ワイヤヘッド67から送り出される。また、ガイドローラ71の周面に向けて噴射された加工液がローラハウジング72からベアリングケース75へ侵入するのを防ぐために、ローラハウジング72とベアリングケース75との間、即ちベアリングケース75とガイドローラシャフト73との間にはオイルシール78が設けられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような浸漬形ワイヤ放電加工機において、加工槽の側壁に形成された長孔と下アームとの間にシール装置を設ける場合に、加工槽から加工液が漏洩するのを防止するため、シール装置のシール性能をアップするように良好なシール構造に構成すると、下アームに対して相対移動する加工槽が大きな摺動摩擦抵抗を受けることになり、工作物の加工精度に悪影響を及ぼすと共に、部品の摩耗等による破損を招くことになる。
【0007】
また、上記の下ワイヤヘッド67については、ワイヤ電極1の送り出し時にガイドローラ71の案内溝79に向けてワイヤ電極1の進行方向に加工液を噴射させ、加工液の圧力でガイドローラ71を回転させると共に、ワイヤ電極1を加工液で送り出していたが、ワイヤ電極1は水平方向に延びるパイプを通じて送り出されるものであるから、ワイヤ電極1を繰り出すには十分である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の主たる目的は、上記の課題を解決することであり、加工槽に下アームの貫通孔を設けることなく、下アームを加工槽の上方から垂下させると共に、下アームに設けた下ワイヤヘッドから繰り出される廃ワイヤを下アームから加工槽の上縁部まで延びるワイヤガイドパイプを利用して加工槽外に排出し、しかも廃ワイヤをワイヤガイドパイプ内へエア等の流体噴流の助けでスムースに挿通させることができ、加工槽に廃ワイヤを排出するための通路を形成する必要が無く、廃ワイヤ排出通路による加工槽の摺動抵抗をアップすることがなく、廃ワイヤ排出通路に対するシール構造を必要としない浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置を提供することである。
【0009】
この発明は、ヘッド本体に設けられ且つワイヤ電極を工作物の放電加工部位にガイドする上ワイヤヘッド、加工液を収容すると共に前記加工液中に前記工作物を支持するテーブルを収容した加工槽、前記ヘッド本体から前記加工槽上方から垂下した下アーム、前記下アームの先端に設けた下アームケース、前記工作物に対して放電加工を行なった前記ワイヤ電極を受け入れる前記下アームケースに支持された下ワイヤヘッド、前記下アームケースに回転自在に支持され且つ前記下ワイヤヘッドから繰り出される前記ワイヤ電極を案内するガイドローラ、入口を前記下アームケース内に開口して出口を前記加工槽の上縁部に開口して前記加工槽内を傾斜状態に延びるワイヤガイドパイプ、前記下アームケース内に位置する前記ワイヤガイドパイプの前記入口に前記ワイヤ電極を挿通するため前記下アームケース内に開口して前記ワイヤガイドパイプ内へ流体を噴き込む流体噴出ノズル、及び前記ワイヤガイドパイプの前記出口に近接して設けた前記ワイヤ電極を引き出すワイヤ引出ローラから成る浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置に関する。
【0010】
また、この浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置では、前記下アームケース内の前記ガイドローラと前記ワイヤガイドパイプとの間に補助流体噴出ノズルを設け、前記補助流体噴出ノズルから噴き出される流体によって前記ガイドローラにガイドされた廃ワイヤの先端部を前記ワイヤガイドパイプ内にガイドするものである。従って、下ワイヤヘッドから送り出されたワイヤ電極の先端はエアの微風によって前記ガイドローラで方向転換して確実に前記ワイヤガイドパイプへ挿入され、前記ワイヤガイドパイプ内を上昇して前記ワイヤ引出ローラへ到達でき、前記ワイヤ電極が前記ワイヤ引出ローラで挟持された後は、前記ワイヤ引出ローラによって前記ワイヤ電極は前記ガイドローラにガイドされて良好に引き出される。前記ワイヤガイドパイプをストレート形状に形成しておけば、前記ワイヤ電極で無理な張力が負荷されることなく、前記ワイヤ電極による前記工作物の加工精度に悪影響を及ぼすこともない。
【0011】
また、前記ワイヤガイドパイプにエアに同伴して上昇した加工液を脱水して前記加工液回収装置内に回収するため、前記廃ワイヤホッパは加工液濾過装置の上方に配置され、前記廃ワイヤホッパのその底部には通孔が形成され、前記通孔を加工液が通過して前記加工液濾過装置に回収される。従って、前記加工液は前記廃ワイヤホッパの底部の前記通孔を通じて加工液を脱水して加工液濾過装置へ回収することができ、前記ワイヤ電極のみが前記廃ワイヤホッパに収容されて加工槽付近を加工液で濡らすことがなく、前記加工液濾過装置から加工槽に加工液をスムースに循環供給することができる。また、前記廃ワイヤホッパは非導電性材料で作製されている。
【0012】
また、前記ワイヤガイドパイプは、前記下アームケースから前記下アーム内を通って下アーム壁体を貫通し、前記加工液中を通って前記加工槽の上縁部の上方へ斜めに延びており、その傾斜角度は前記加工液の水平面に対してほぼ35°以下の角度に傾斜しているものである。従って、前記ワイヤガイドパイプの傾斜角度が大きな仰角になると、ワイヤ電極の上昇が困難になるが、35°以下(前記加工槽のサイズを考慮すれば、30°程度が好ましい)の角度であれば、前記ワイヤ電極はエア流によってスムースに前記ワイヤガイドパイプ内を上昇することができ、前記ワイヤ引出ローラまで到達し、前記ワイヤ引出ローラで確実に挟持される。
【0013】
また、この浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置では、前記流体噴出ノズル及び前記補助流体噴出ノズルから噴き出される流体は、エア又は加工液である。エアを用いる場合には、例えば、工場設置の圧縮空気供給手段を使用すれば良く、また、加工液を用いる場合には、例えば、加工液の循環装置を使用することができるが、別途に流体送りポンプを設けてもよいものである。
【0014】
また、この浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置では、前記ガイドローラに回転力増強手段を設けてもよいものである。回転力強化手段としては、ガイドローラに向けて流体を噴射させてガイドローラの回転力を増強するものであり、例えば、前記ガイドローラの側面の周方向に隔置して設けた複数の羽根と前記羽根に向けて流体を噴射する噴射ノズルから構成するか、又は前記ガイドローラの側面の周方向に隔置して設けた複数の凹部と前記凹部に向けて流体を噴射する流体噴射ノズルから構成することができる。
【0015】
また、前記ワイヤガイドパイプにエアに同伴して上昇した加工液を脱水して前記加工液濾過装置に回収するため、前記廃ワイヤホッパは加工液濾過装置の上方に配置され、前記廃ワイヤホッパのその底部には通孔が形成され、前記廃ワイヤは前記廃ワイヤホッパに収容され、加工液は前記通孔を通過して前記加工液濾過装置に回収され、それによって加工槽付近を加工液で濡らすことがない。
【0016】
また、この浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置において、前記廃ワイヤホッパはその側面の上部に小窓を形成し、その下部に前記廃ワイヤホッパに貯留した前記廃ワイヤを排出する廃ワイヤ取出口を設けると共に、前記廃ワイヤ取出口に開閉扉を設けたものである。更に、前記廃ワイヤ取出口の前記開閉扉の開閉状態を検出するスイッチを設け、前記スイッチによる前記開閉扉の前記廃ワイヤ取出口の開放信号に応答して加工停止のインタロックを作動させるコントローラを有するものである。
【0017】
この発明による浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置は、上記のように構成したので、従来のように下アームが加工槽の後部側壁を貫通する長孔を形成することなく、ヘッド本体から加工槽上方から加工槽内に垂下して取り付けられると共に、ワイヤ電極を加工槽を傾斜して上方まで延びるワイヤガイドパイプを通じて加工槽外に引き出すことができ、加工槽の構造をシンプルに構成でき、加工槽における加工液の漏洩を防止するシール装置を極めて容易に行なうことができる。また、前記ワイヤガイドパイプが前記ワイヤ電極のガイドとして機能するのは、前記ワイヤ電極の先端が前記下ワイヤヘッドから繰り出されて前記ワイヤ引出ローラに到達して挟持され、前記ワイヤ電極が前記ワイヤ引出ローラで定常に引き出されるまでの期間であり、その後は、前記ガイドローラと前記ワイヤ引出ローラとの間に位置する前記ワイヤガイドパイプに前記ワイヤ電極が接触しない状態になるように、前記ワイヤ電極が前記ガイドローラと前記ワイヤ引出ローラとの間で緊張状態になることが、工作物に対する加工精度に影響を及ぼさず、好ましいものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明による浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置の実施例について説明する。図1はこの発明による浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置の一実施例を示す概略正面図、図2は図1の浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置の一部破断して示す側面図、及び図3は図2のワイヤ送り装置の加工槽領域を示す拡大側面図である。
【0019】
この浸漬形ワイヤ放電加工機は、工作物11にしてワイヤ電極1によって所定の加工形状にワイヤ放電加工を行うものであり、浸漬形ワイヤ放電加工機を構成する加工機本体には自動ワイヤ供給装置が設けられている。この浸漬形ワイヤ放電加工機において、加工機本体は左右のコラム3,4及びコラム3とコラム4との間に一体構造に構成されたブリッジ5から成る。ブリッジ5には加工機本体を構成するUV軸装置6が取り付けられ、UV軸装置6には加工機本体を構成するZ軸装置7が取り付けられている。Z軸装置7には、上ワイヤヘッド8が取り付けられている。また、UV軸装置6には、ブリッジ5を貫通して加工槽2内へ垂下する下アーム12が取り付けられている。更に、Z軸装置7には、ワイヤ電極1を供給するために、保持体、供給パイプ、ワイヤ電極1をガイドするローラ等の機器を備えた加工機本体としてのヘッド本体27が固定されている。
【0020】
また、コラム3とコラム4との間に設置されているベッドベース24上には、クロススライド34が設けられている。加工槽2は、クロススライド34上に取り付けられている。クロススライド34は、X軸テーブル21とY軸テーブル23とから構成されている。加工槽2は、X軸テーブル21上に設置されており、工作物11は加工槽2内のX軸テーブル21上にクランプ22によって固定されている。X軸テーブル21は、Y軸テーブル23上でX軸方向にX軸モータ25によってサーボ機能で摺動する。Y軸テーブル23はベッドベース24上でY軸方向にY軸モータ26によってサーボ機能で摺動する。加工槽2は、クロススライド34によって工作物11の放電加工される加工形状に対応してX軸−Y軸方向の平面運動を行なうことができる。
【0021】
上ワイヤヘッド8については、従来と同様に、ワイヤ送出口、ダイスガイド、噴流ノズル、給電子、給電子押え等が組み込まれているものである。上ワイヤヘッド8に対向して下ワイヤヘッド9が設けられている。下ワイヤヘッド9の下流側には、ワイヤ電極1を引き出してワイヤ電極1を緊張状態にする一対の引出しローラ17が設けられている。引出しローラ17は、ブリッジ5に固定されたブラケット28に取り付けられている。また、下ワイヤヘッド9には、ワイヤ電極1が下ワイヤヘッド9に挿通されていることを検出するセンサー等が設けられ、ワイヤ電極1の先端が工作物11のスタートホールや加工スリット、或いは下ワイヤヘッド9に挿入されなかった場合に、供給不良の検出信号をコントローラへ送信するように構成することもできる。また、図1に示す浸漬形ワイヤ放電加工機においても、図4に示したようなワイヤ電極供給系を設けることができ、ここではそれらの詳細な説明は省略する。
【0022】
また、この浸漬形ワイヤ放電加工機では、加工槽2に隣接して廃ワイヤホッパ18が設けられ、ベッドベース14に隣接して加工液濾過装置19が設けられている。引出しローラ17から引き出されたワイヤ電極1は廃ワイヤホッパ18へ排出される。加工槽2には、オーバフロー通路20が形成され、オーバフロー通路20には加工液回収通路29が接続されている。加工槽2からオーバフローした加工液10はオーバフロー通路20から加工液回収通路29を通って加工液濾過装置19へ回収される。更に、加工槽2の底部には、オーバフロー通路20に連通する通口40が形成され、通口40を開閉する開閉扉41が設けられ、開閉扉41は加工槽2の加工液の排水のためアクチュエータ42によって開閉作動されるように構成されている。
【0023】
この浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置は、ワイヤ電極1を工作物11の放電加工部位にガイドする上ワイヤヘッド8がZ軸装置7のヘッド本体に設けられている。加工液10を収容する加工槽2は、加工液10中に工作物11を支持するX軸テーブル21に取り付けられている。下アーム12は、UV軸装置6のヘッド本体から加工槽2の上方から垂下するようにUV軸装置6に取り付けられ、下アーム12の先端には下アームケース13が設けられている。また、工作物11に対して放電加工を行なったワイヤ電極1を受け入れる下ワイヤヘッド9は、下アームケース13に支持されている。下アームケース13に回転自在に支持されたガイドローラ14は、下ワイヤヘッド9から繰り出されるワイヤ電極1を方向転換させて案内する。
【0024】
この浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置は、特に、加工槽2内を傾斜状態に延びるワイヤガイドパイプ15、及びワイヤガイドパイプ15に向かって流体噴出ノズルとしてエア噴出ノズル30を備えていることである。ワイヤガイドパイプ15は、入口33を下アームケース13内に開口し、出口32を加工槽2の上縁部に開口している。ワイヤガイドパイプ15は、下アームケース13から下アーム12内を通って下アーム壁体を貫通し、加工液10中を通って加工槽2の上縁部の上方へ斜めに延び、加工液10の水平面36に対してほぼ30°程度に傾斜している。更に、ワイヤガイドパイプ15の入口33は、ワイヤ電極1を受入れ易くするため、その下部がラッパ状に開いた形状に形成されることが好ましく、また、ワイヤ電極1に送り抵抗を与えないためワイヤガイドパイプ15の上面側はストレートに延びていることが好ましい。
【0025】
また、エア噴出ノズル30は、下アームケース13内に開口するワイヤガイドパイプ15の入口33にワイヤ電極1を挿通するため、ガイドローラ14でガイドされて繰り出されるワイヤ電極1に強力なエアを噴き付けてワイヤ電極1を方向転換させてワイヤガイドパイプ15内へガイドして挿入する。更に、ワイヤガイドパイプ15の出口32には、近接して設けられたワイヤ電極1を引き出すワイヤ引出ローラ17が設けられている。
【0026】
また、この浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置は、下アームケース13内のガイドローラ14とワイヤガイドパイプ15との間に補助エア噴出ノズル31を設けており、補助エア噴出ノズル31からの微風を噴き付けてワイヤ電極1がガイドローラ14に付着して進むのを阻止し、ガイドローラ14にガイドされたワイヤ電極1即ち廃ワイヤの先端部をガイドローラ14から剥がしてワイヤガイドパイプ15内に確実にガイドすることができる。
【0027】
更に、この浸漬形ワイヤ放電加工機のワイヤ送り装置は、ワイヤガイドパイプ15内をエアに同伴して上昇した加工液10を脱水して加工液濾過装置19に回収するため、加工槽2の外側に延びるワイヤガイドパイプ15の端部は廃ワイヤホッパ18へと延びている。廃ワイヤホッパ18は、非導電性材料で作製され、各端面同志が接する箇所が隙間が無いように構成されている。廃ワイヤホッパ18は、加工液濾過装置19の上方に配置され、廃ワイヤホッパ18のその底部には通孔16が形成されている。ワイヤガイドパイプ15にエアに同伴して上昇した加工液10は廃ワイヤホッパ18に廃ワイヤのワイヤ電極1と共に落下して廃ワイヤホッパ18に収容されるが、加工液10は廃ワイヤホッパ18のその底部に形成された多数の通孔16を通じて加工液濾過装置19へ回収される。
【0028】
また、廃ワイヤホッパ18は、その側面の上部にワイヤガイドパイプ15が廃ワイヤホッパ18へと延びるように小窓44を形成し、その下部に廃ワイヤホッパ18に貯留した廃ワイヤのワイヤ電極1を排出する廃ワイヤ取出口43を設けると共に、廃ワイヤ取出口43に開閉扉45が設けられている。開閉扉45には、それを開閉作動するために、手動用把手又はアクチュエータが設けられている。更に、この浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置は、廃ワイヤ取出口43の開閉扉45の開閉状態を検出するスイッチ(図示せず)を設け、前記スイッチによる開閉扉45の廃ワイヤ取出口43の開放信号に応答して加工停止のインタロックを作動させるコントローラが設けられている。
【0029】
この発明による上記実施例では、上記のように構成されているが、例えば、エア噴出ノズル30及び補助エア噴出ノズル31から噴出されるエアの代わりに加工液10を噴出させるように構成することもできる。また、ガイドローラ14に対して回転力強化手段を設けることも可能である。即ち、ワイヤ電極1が下ワイヤヘッド9から繰り出される速度に対応して、ガイドローラ14が回転可能であると共に、エア噴出ノズル30及び補助エア噴出ノズル31からの噴流を強化することが好ましいものである。
【0030】
この浸漬形ワイヤ放電加工機のワイヤ送り装置において、ガイドローラ14に対して回転力強化手段を設けるには、例えば、本出願人が先に出願した特願平6−95495号に開示されているワイヤ送り装置を適用できる。即ち、この浸漬形ワイヤ放電加工機のワイヤ送り装置において、ガイドローラ14に向けて流体を噴射させてガイドローラ14に回転力を与える回転力強化手段は、ガイドローラ14の側面の周方向に隔置して設けた複数の羽根、及び前記羽根に向けて流体を噴射する噴射ノズルを有するように構成するか、又はガイドローラ14の側面の周方向に隔置して設けた複数の凹部、及び前記凹部に向けて流体を噴射する流体噴射手段を有するように構成するとによって達成される。
【0031】
【発明の効果】
この発明による浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置は、上記のように構成されているので、従来のように、加工槽の後部側壁に下ワイヤヘッドを支持する下アームを貫通させる長孔を形成する必要が無く、しかも消耗したワイヤ電極を加工槽の後部側壁に形成した長孔から取り出す必要がなくなり、加工槽の構造をシンプルに構成でき、従来のような加工槽に廃ワイヤ排出通路を設けることによる加工槽内の加工液に対するシール構造が不要になると共に、前記加工槽の移動に対して摺動抵抗を低減でき、加工精度をアップできる。
【0032】
しかも、下アームケースと前記ワイヤガイドパイプの入口との間に補助エア噴出ノズルを設ければ、噴き出されるエアによってワイヤ電極の先端部を前記ワイヤガイドパイプ内に確実にガイドすることができる。また、前記廃ワイヤホッパは前記加工液濾過装置の上方に配置されているので、前記廃ワイヤと共に前記廃ワイヤホッパへ排出された加工液は、前記廃ワイヤホッパの底部に形成された通孔を通じて前記加工液濾過装置に回収される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置の一実施例を示す概略正面図である。
【図2】図1の浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置の一部破断して示す側面図である。
【図3】図2のワイヤ送り装置の加工槽領域を示す拡大側面図である。
【図4】ワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極供給系を示す概略正面図である。
【図5】従来の下ワイヤヘッドを示す正面図である。
【図6】図5の下ワイヤヘッドの部分断面図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ電極
2 加工槽
3,4 コラム(ヘッド本体)
5 ブリッジ(ヘッド本体)
6 UV軸装置(ヘッド本体)
7 Z軸装置(ヘッド本体)
8 上ワイヤヘッド
9 下ワイヤヘッド
10 加工液
11 工作物
12 下アーム
13 下アームケース
14 ガイドローラ
15 ワイヤガイドパイプ
16 通孔
17 ワイヤ引出ローラ
18 廃ワイヤホッパ
19 加工液濾過装置
20 オーバフロー通路
21 X軸テーブル(テーブル)
27 ヘッド本体
29 加工液回収通路
30 エア噴出ノズル
31 補助エア噴出ノズル
32 出口
33 入口
43 廃ワイヤ取出口
45 開閉扉

Claims (10)

  1. ワイヤ電極を工作物の放電加工部位にガイドする加工機本体に設けられた上ワイヤヘッド、加工液を収容すると共に前記加工液中に前記工作物を支持するテーブルを収容した加工槽、前記加工機本体から前記加工槽の上方から垂下した下アーム、前記下アームの先端に設けた下アームケース、前記工作物に対して放電加工を行なった前記ワイヤ電極を受け入れる前記下アームケースに支持された下ワイヤヘッド、前記下アームケースに回転自在に支持され且つ前記下ワイヤヘッドから繰り出される前記ワイヤ電極を案内するガイドローラ、入口を前記下アームケース内に開口して出口を前記加工槽の上縁部に開口して前記加工槽内を傾斜状態に延びるワイヤガイドパイプ、前記下アームケース内に位置する前記ワイヤガイドパイプの前記入口に前記ワイヤ電極を挿通するため前記下アームケース内に開口して前記ワイヤガイドパイプ内へ流体を噴き込む流体噴出ノズル、前記ワイヤガイドパイプの前記出口に近接して設けた前記ワイヤ電極を引き出すワイヤ引出ローラ、及び前記ワイヤ引出ローラから引き出された廃ワイヤを収容する廃ワイヤホッパ、から成る浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置。
  2. 前記下アームケース内の前記ガイドローラと前記ワイヤガイドパイプとの間に補助流体噴出ノズルを設け、前記補助流体噴出ノズルから噴き出される流体によって前記ガイドローラにガイドされた前記ワイヤ電極の先端部を前記ワイヤガイドパイプ内にガイドする請求項1に記載の浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置。
  3. 前記ワイヤガイドパイプは、前記下アームケースから前記下アーム内を通って下アーム壁体を貫通し、前記加工液中を通って前記加工槽の上縁部の上方へ斜めに延びている請求項1又は2に記載の浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置。
  4. 前記ワイヤガイドパイプの傾斜角度は、前記加工液の水平面に対してほぼ35°以下の角度に傾斜している請求項3に記載の浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置。
  5. 前記流体噴出ノズル及び前記補助流体噴出ノズルから噴き出される流体は、エア又は加工液である請求項1〜4のいずれかの1項に記載の浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置。
  6. 前記ガイドローラには回転力増強手段が設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置。
  7. 前記廃ワイヤホッパは加工液濾過装置の上方に配置され、前記廃ワイヤホッパのその底部には通孔が形成され、前記廃ワイヤは前記廃ワイヤホッパに収容され、加工液は前記通孔を通過して前記加工液濾過装置に回収される請求項1〜6のいずれか1項に記載の浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置。
  8. 前記廃ワイヤホッパはその側面の上部に小窓を形成し、その下部に前記廃ワイヤホッパに貯留した前記廃ワイヤを排出する廃ワイヤ取出口を設けると共に、前記廃ワイヤ取出口に開閉扉を設けた請求項1〜6のいずれか1項に記載の浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置。
  9. 前記廃ワイヤ取出口の前記開閉扉の開閉状態を検出するスイッチを設け、前記スイッチによる前記開閉扉の前記廃ワイヤ取出口の開放信号に応答して加工停止のインタロックを作動させるコントローラを有する請求項8に記載の浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置。
  10. 前記廃ワイヤホッパは非導電性材料で作製されている請求項1〜9のいずれか1項に記載の浸漬形ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り装置。
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