JP3572009B2 - 小分子捕捉能を有する固体有機金属化合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ゼオライトの技術分野に属し、特に、水などの小分子を捕捉する機能を有する新規な固体有機金属化合物に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
ゼオライト(無機ゼオライト)は、内部の空孔に特定の大きさの分子を捕捉することによって、吸着剤、分離剤、イオン交換体、触媒などの広範囲の分野に利用されている。このゼオライトは、安定な多孔性構造を有するが、内部の空孔が比較的大きく水などの小分子の選択的捕捉には適しておらず、また、密度も大きく重い材料となるのが難点であった。
【0003】
最近、金属イオンを有機化合物のネットワークで固定化することによって得られる多孔質の固体有機金属化合物(有機金属錯体)が、「有機ゼオライト」として注目されている。この有機ゼオライトは、軽量であり、各種の化学的特性を容易に付与することができ、さらに、回収が容易で再利用可能であるため省資源や環境保全の観点からも、従来のゼオライト(無機ゼオライト)のような材料に代わる新しい機能性材料として期待されている。しかし、実用的な機能を有するとともに安定な構造を保持するよう具現化されたものは、未だきわめて少ない。
本発明の目的は、水などの小分子を捕捉することができ、構造上も安定な新しいタイプの多孔質の固体有機金属化合物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、このたび、複数のカルボキシル基(カルボキシアニオン)を有する有機多塩基酸から成る配位子をビルディングブロックとして低原子価金属の金属イオンを固定化し、低分子を捕捉する機能を持つ多孔質で安定な不溶性の固体有機金属化合物(有機金属錯体)の合成に成功し本発明を導き出した。
【0005】
すなわち、本発明は、下記の一般式(1)で表わされる固体有機化合物を提供するものである。
a[Mn+]・b[Lm−] (1)
式(1)中、Mはn価の原子価を有する金属を表わし、Lはm個のカルボキシル基を有する有機多塩基酸を表わし、nは2または3であり、nが2の場合はmは3以上の整数であり、nが3の場合はmは2以上の整数であり、aおよびbは、n×a=m×bの関係を満たす整数である。
【0006】
式(1)で表わされる本発明の固体有機金属化合物として好適な具体例は、Mが3価の原子価(すなわち、n=3)を有する遷移元素であり、且つ、aが1から4の整数である固体有機金属化合物であり、特に好ましい例は、有機多塩基酸が下記の式(2)、(3)または(4)で表わされるものである。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】
【化7】
【0010】
但し、式(2)、(3)または(4)において、Xは−COO−または末端が−COO−である官能基または原子団を表わす。
式(1)で表わされる本発明の固体有機金属化合物として好適な別の具体例は、Mが2価の原子価を有する(すなわち、n=2)遷移元素であり、且つ、aが2または3である固体有機金属化合物であり、特に好ましい例は、有機多塩基酸が下記の式(4)で表わされるものである。
【0011】
【化8】
【0012】
但し、式(4)において、Xは−COO−または末端が−COO−である官能基または原子団を表わす。
【0013】
【発明の実施の形態】
式(1)で表わされる本発明の固体有機金属化合物は、有機多塩基酸の塩(一般的にはナトリウム塩)と金属の塩(一般的には塩化物または硝酸塩)を常温下に水中で混合することにより簡単に合成することができる(後述の実施例参照)。
【0014】
使用する有機多塩基酸Lはm個のカルボキシル基(カルボキシアニオン)を有するものであり、より具体的には次の一般式(6)で表わすことができる。
A(COO−)m (6)
Aは有機多塩基酸のスペーサー部に相当し、このスペーサー部が、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素(飽和脂肪族炭化水素および不飽和脂肪族炭化水素)、ならびに脂環族炭化水素から導かれる官能基または原子団から成る各種の有機多塩基酸を使用することができる(図1〜図3参照)。スペーサー部は、ヘテロ原子を含むこともでき、さらに、特定の官能基または原子団で化学修飾することもできる。例えば、前述の式(2)、(3)、(4)および(5)で表わされる有機多塩基酸におけるXとして、下記の式(7)または(8)で表わされるような光学活性なアミノ酸側鎖を有し末端が−COO−である官能基または原子団を用いることもできる。
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】
式(7)および(8)において、C*は不斉炭素原子を表わし、また、Phはフェニル基を表わす。
本発明の固体有機金属化合物を構成する有機多塩基酸は、上述のような有機多塩基酸のうち、カルボキシル基の配置として放射状または発散型のものが好ましい。すなわち、前述の式(2)、(3)、(4)および(5)で表わされる有機多塩基酸で例示されるように、カルボキシル基が有機多塩基酸分子の周縁部または端部に配置されたような分子構造を有する有機多塩基酸が好ましい。
【0018】
本発明の固体有機金属化合物は、低原子価、すなわち、2価または3価の原子価(n=2または3)を有する金属イオンを、上述したような有機多塩基酸のカルボキシル基(カルボキシアニオン)と結合させることによって、不溶性固体に固定化することによって得られるものである。
【0019】
このような不溶性の化合物となる本発明の有機金属化合物は、上記の式(1)で示されるように、金属イオンの電荷と有機多塩基酸のカルボキシアニオンの電荷とが中和している、すなわち、n×a=m×bの関係を満たす。さらに、n=2の場合、すなわち、2価の金属イオンが固定化された有機金属化合物を得るにはmが3以上であること、すなわち、少なくとも3個のカルボキシル基を有する有機多塩基酸を用いることが必要であり、また、n=3の場合、すなわち、3価の金属イオンが固定化された有機金属化合物を得るにはmが2以上であること、すなわち、少なくとも2個のカルボキシル基を有する有機多塩基酸を用いることが必要である。これらの条件を満たす本発明の有機金属化合物が不溶性となるのは、金属イオンと有機多塩基酸のカルボキシアニオンとが結合されて分子間ネットワークが形成されたことに因ると理解される。図2のAは、n=3の金属イオンとm=2の有機多塩基酸を用いた場合、また、図2のBは、n=2の金属イオンとm=3の有機多塩基酸を用いた場合にそれぞれ得られる金属有機化合物において形成されていると推測される分子間ネットワークを模式的に示すものである。
【0020】
本発明の有機金属化合物に用いられる金属は、その塩(例えば、塩化物)が水中で安定であり、有機多塩基酸の塩と水中で混合されることによって不溶性の有機金属錯体を生成し得るものである。例えば、Al(アルミニウム)は3価の金属ではあるが、その塩(塩化アルミニウム)は水中で不安定であり水酸化アルミニウムとなってしまうので適していない。また、本発明の有機金属化合物は、よく知られているような有機化合物を配位子とする水溶性の金属錯体でもない。
【0021】
この点から本発明の有機金属化合物を構成する金属(M)として好適な例は、3価の原子価を有する遷移元素(遷移金属)であり、特に好ましいのはLa(ランタン)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)のような希土類元素である。この場合、使用する有機多塩基酸のカルボキシル基の数(m)は原理的には2以上であればよいが、一般的に入手できる有機多塩基酸の保有するカルボキシル基の数は限られている(一般にmが6以下)ので、上記式(1)においてaの値が1から4の整数から成る組成の有機金属化合物が得られる。例えば、好ましい有機多塩基酸として前述の式(2)〔2塩基酸〕、(3)〔3塩基酸〕および(4)〔4塩基酸〕で表わされる有機多塩基酸を用いた場合は、それぞれ、a=2でb=3、a=1でb=1、およびa=4でb=3の組成から成る有機金属化合物が得られる。
【0022】
本発明の有機金属化合物を構成する金属(M)として好適な別の例は、2価の原子価を有する遷移元素(遷移金属)、例えば、Pd(パラジウム)、Rh(ロジウム)、Ru(ルテニウム)のような白金族元素、Cu(銅)などである。この場合、使用する有機多塩基酸のカルボキシル基の数(m)は、原理的には3以上であればよいが、上述したように一般的に入手できる有機多塩基酸の保有するカルボキシル基の数は限られているので、上記式(1)においてaの値が2または3の整数から成る組成の有機金属化合物が得られる。例えば、好ましい有機多塩基酸として前述の式(5)で表わされる有機多塩基酸〔3塩基酸〕を用いた場合、a=3でb=2の組成から成る有機金属化合物が得られる。
なお、本発明の有機金属化合物は、原子価が同じである2種以上の金属を用いて合成したものも含む。したがって、式(1)においてMは、そのような複数の金属も表示するものとする(例えば、後述の実施例の錯体17参照)。
【0023】
本発明の有機金属化合物が式(1)で表わされる組成を有することは、有機多塩基酸の塩と金属の塩とを水中で混合して得られる生成物を元素分析、赤外線吸収スペクトル測定、蛍光X線分光分析などで分析することにより確認される(後述の実施例参照)。
【0024】
また、得られた生成物の物性測定により、本発明の有機金属化合物は、次のような特性を有することが明かにされている(後述の実施例参照)。
(1)本発明の有機金属化合物は、水をはじめとするほとんどの有機溶媒(アルコール類、ケトン類、ジメチルスルホキシドなど)に不溶である。分解するには酸およびアルカリが有効である。
【0025】
(2)本発明の有機金属化合物は、粉末X線回折分析による明確な粉末X線回折パターンを示し、結晶性である。本発明の有機金属化合物においては、金属イオンと配位子(有機多塩基酸)のカルボキシアニオンとの間で規則的な分子間ネットワークが形成されているものと理解される。
【0026】
(3)本発明の有機金属化合物は、非常に優れた熱安定性を示す。熱重量分析により300℃付近までの熱安定性を調べたところ、固体中に取り込まれている水の脱離による重量減少は見られる(一般的に約7から20パーセント)が、分解による重量減少は認められない。本発明の有機金属化合物が非分解性であることは、加熱前後の赤外吸収スペクトルが殆ど同一であることからも確認されている。
【0027】
(4)熱重量分析により脱離し易い水を多量に含むことが示すように、本発明の有機金属化合物は、ゲスト吸着能を有する多孔質である。すなわち、本発明の有機金属化合物は、小分子を捕捉する機能を有し、特に水に対する捕捉能に優れ、また、用いる金属(金属イオン)と有機多塩基酸の組合せによっては炭酸ガスのような小分子に対して選択的捕捉能のある有機金属化合物を得ることもできる。
【0028】
(5)本発明の有機金属化合物は、用いる有機多塩基酸を化学的に修飾する(例えば、光学活性なアミノ酸側鎖を付ける)ことによって、同じゲスト分子(被吸着物質)に対する吸着特性を変えることができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の特徴をさらに具体的に明らかにするため実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
実施例1:有機金属化合物の合成と分析
図1〜図3に示す各種の有機多塩基酸(配位子)とLa(ランタン)およびその他の金属から本発明に従う有機金属化合物(錯体)を合成し、得られた生成物につき、元素分析および下記のように各種の分析を行った。
【0030】
IR(赤外分光分析)
IRスペクトルは、赤外分光光度計(日本分光製FT/IR−350型)により測定した。
試料調整:KBr(乾燥粉末臭化カリウム)と試料粉末をメノウ乳鉢でよく混合した。試料形成器(ミニプレス)を用いて混合粉末を透明な錠剤とした。それを以下の条件で測定した。
測定条件:
分解能:4cm− 1
アポタイゼーション:cosine
アパーチャー:5.0mm
ゼロフィリング:×1
スピード:2.0mm/sec
待ち時間:0
ビームスプリッター:KBr
【0031】
NMR(プロトン核磁気共鳴分光法)
NMRはBruker社製DPX400により測定した。
【0032】
粉末X線回折
粉末X線回折パターンは、縦型粉末X線回折装置(リガク社製Rint2500)によって得られた。
ターゲットCu、出力40kv・30mA、スキャンスピード4度毎分、測定範囲(2θ)5〜45度の条件にて測定した。
【0033】
TG(熱重量測定)
TGは示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製TG/DTA220)を使用した。
測定条件:
スタート温度:30℃
リミット温度:300℃
昇温レート:10℃/min
保持時間:0sec
サンプリング:0.5sec
【0034】
蛍光X線分光分析
蛍光X線分光分析には、全自動蛍光X線分析装置(日本フィリップス株式会社PW2404型)を用いた。
試料調整:試料となるランタン錯体、またはその他金属錯体の粉末を約0.2g計りとり、専用の試料錠剤形成器(ミニプレス)を使用して、試料錠剤とした。その錠剤の正確な重さを量った。
測定:ホウ素からウランまでの元素に対して定量を行った。標準サンプルなしの定量計算をプログラムUniquantで行った。より正確を期すため、計算時にそれら錯体の元素分析結果(C、Hの含有率)を入力し補正を行った。
【0035】
以下に幾つかの代表例に沿って本発明の有機金属化合物(錯体)の合成法および分析結果を詳述する。本発明の有機金属化合物を合成するに当っては、用いる有機多塩基酸と金属の種類に応じてカルボキシル基(カルボキシアニオン)の負電荷と金属(金属イオン)の正電荷が中和するモル比〔式(1)におけるa:b〕となるように有機多塩基酸のナトリウム塩と金属の塩を混合した。
【0036】
(1)4,4’−ビフェニルジカルボン酸ランタン錯体(錯体1)
水10mlに炭酸ナトリウム(1.06g、10mmol)を入れ、溶けるまで過熱攪拌した。沸騰している炭酸ナトリウム水溶液中に4,4’−ビフェニルジカルボン酸(2.42g、10mmol)を少しずつ加えていった。全部加えた後、中性であることを確認した。溶液を室温に戻し、ろ過後溶媒を留去、乾燥したところ、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジナトリウム塩(2.9672g、収率104%)を得た。元素分析:C=51.97、H=3.39.
水100mlに塩化ランタン7水和物(1.8g、4.85mmol)を溶かし、最少量の水で溶かした4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジナトリウム塩(1.39g、4.85mmol)水溶液をゆっくりと滴下した。一滴目より白色のものが析出した。滴下後20分ほど攪拌を続けろ過により回収し、五酸化リン下、減圧乾燥した。得られた4,4’−ビフェニルジカルボン酸ランタン錯体(収量1.67g、収率103.5%)の粉末X線回折パターンよりピークはいくつもみられ、結晶性であることがわかった(図7のA参照)。またこの錯体のIR、元素分析、TGについて解析を行った。IR:−CO=1575cm− 1(図5のA参照) 元素分析:C=46.61、H=3.05 T:−7.5wt%(図6のA参照)。
【0037】
(2)トリメシン酸ランタン錯体(錯体2)
水10mlと炭酸ナトリウム(1.6g、15mmol)を30ml三角フラスコに入れ、過熱攪拌した。沸騰したらトリメシン酸(2.1g、10mmol)をゆっくりと加えていった。すべて加えた後pH=7になっているのを確認したら室温に戻し、ろ過した。ろ液を濃縮し、乾燥させると白色のトリメシン酸ナトリウム塩(2.99g、収率108%)を得た。元素分析:C=30.59、H=2.10。
水100mlと塩化ランタン7水和物(2.0g、5.4mmol)を500ml三角フラスコに入れ、溶けるまで攪拌した。溶けたら、最少量の水に溶かしたトリメシン酸ナトリウム塩(1.0g、3.6mmol)水溶液ををゆっくりと滴下していった。10分攪拌ろ過し、ろ紙上の白色固体を五酸化リン下減圧乾燥した。得られた錯体の収量は1.24g、収率99.9%であった。この固体のIR、TG、蛍光X線、粉末X線回折パターンについて測定を行った。粉末X線回折パターンより鋭いピークが見られたが、結晶性は低いようであった(図7のB参照)。IR:−CO=1550cm− 1(図5のB参照) 元素分析:C=27.50、H=2.00 TG:−16.82wt%(図6のB参照) 蛍光X線分光分析よりLa=42.45%。
【0038】
(3)9,10−ビス(3,5−カルボキシ− 1 −フェニル)アントラセンランタン錯体(錯体3)
水10mlと炭酸ナトリウム(0.53g、5mmol)を入れ、溶けるまで過熱攪拌した。沸騰している炭酸ナトリウム水溶液中に9,10−ビス(3,5−カルボキシ−1−フェニル)アントラセン(1.26g、2.5mmol)を少しずつ加えていった。全部加えた後、中性であるのを確認した。溶液を室温に戻し、ろ過後溶媒を留去し、9,10−ビス(3,5−カルボキシ−1−フェニル)アントラセンテトラナトリウム塩を得た。このナトリウム塩をそのまま次のランタン化に用いた。
水100mlと塩化ランタン7水和物(1.71g、4.63mmol)を溶かし、最少量の水で溶かした9,10−ビス(3,5−カルボキシ−1−フェニル)アントラセンテトラナトリウム塩(1.37g、2.30mmol)水溶液をゆっくりと滴下した。一滴目より白色のものが析出した。滴下後24時間ほど攪拌を続けろ過により回収し、五酸化リン下、減圧乾燥した。得られた9,10−ビス(3,5−カルボキシ−1−フェニル)アントラセン錯体(収量1.58g、収率100.0%)の粉末X線回折パターンよりピークはいくつもみられ、結晶性であることがわかった。またこの錯体のIR、元素分析、TGについて解析を行った。IR:−CO=1559cm− 1(図5のC参照) 元素分析:C=45.24、H=3.00 TG:−12.55wt%。
【0039】
(4)トリメシン酸銅錯体(錯体15)
水50mlに塩化銅(II)2水和物(0.18g、1.08mmol)を溶かし、最少量の水で溶かしたトリメシン酸ナトリウム塩(0.20g、0.72mmol)水溶液をゆっくりと滴下した。一滴目より青色のものが析出した。滴下後14時間ほど攪拌を続けろ過により回収し、五酸化リン下、減圧乾燥した。得られたトリメシン酸銅錯体(収量0.25g、収率112.9%)のIR、元素分析、TGについて解析を行った。また粉末X線回折パターンの測定、蛍光X線分光分析も行った。粉末X線回折パターンには、するどいピークがいくつも見られ、結晶性であることがわかった。IR:−CO=1708cm− 1、1579cm− 1フリーのカルボニルが残っているが、金属と配位したものと比べると小さい。元素分析:C=28.15、H=2.72 TG:−19.71wt%。色は青から緑に変化。蛍光X線分光分析より、Cu=37.06wt%、理論値Cu=31.52wt%。
【0040】
(5)トリメシン酸パラジウム錯体(錯体16)
水100mlにテトラクロロパラジウム(II)酸カリウム(1.0g、3.1mmol)を500ml三角フラスコに入れ、溶けるまで攪拌した。溶けたら、最少量の水に溶かしたトリメシン酸ナトリウム塩(0.38g、1.36mmol)水溶液をゆっくりと滴下していった。20分攪拌後溶液はにごり始め、茶褐色だった溶液の色はだんだんと薄くなった。4日間攪拌を続けたが溶液は透明なままであったので、そのまま冷暗所に1週間置いておき、沈殿を熟成させた。ろ過により回収し、五酸化リン下減圧乾燥した。得られた錯体の収量は0.45g、収率91.1%であった。この固体のIR、TGについて測定を行った。熱分析結果、この錯体の色は茶色から黒へと変わり、重量は150℃付近から最終的には40wt%程度減少した。IR:−CO=1556cm− 1、元素分析:C=22.14、H=2.29 TG:−10.0wt%(30℃〜150℃)。
【0041】
(6)トリメシン酸パラジウム−銅錯体 カルボン酸:Pd:Cu=2:1:2(錯体17)
水40mlにテトラクロロパラジウム(II)酸カリウム(0.3g、0.91mmol)、塩化銅(II)2水和物(0.31g、1.81mmol)を三角フラスコに入れ、溶けるまで攪拌した。溶けたら、最少量の水に溶かしたトリメシン酸ナトリウム塩(0.5g、1.81mmol)水溶液をゆっくりと滴下していった。一滴目から析出物は見られた。溶液はナトリウム塩を加える前は茶褐色であったが、加え終えた後は若草色に変わった。24時間攪拌後、ろ過により回収し、五酸化リン下減圧乾燥した。得られた錯体の収量は0.56gであった。この固体の組成を、トリメシン酸:Pd:Cu=2:1:2としたとき、収率は96.0%であった。この固体の元素分析、IR、TGについて測定を行った。また、蛍光X線分光分析、蒸気吸着量測定も行った。IR:−CO=1708cm− 1、1577cm− 1 元素分析:C=22.14、H=2.29 TG:−22.11wt%。蛍光X線分光分析より、Pd:17.2wt%、Cu=26.0wt%、モル比Pd:Cu=1:25。
【0042】
(7)トリメシン酸スカンジウム錯体(錯体20)
水10mlと炭酸ナトリウム(1.6g、15mmol)を30ml三角フラスコに入れ、過熱攪拌した。沸騰したらトリメシン酸(2.1g、10mmol)をゆっくりと加えていった。すべて加えたのちpH=7になっているのを確認したら室温に戻し、ろ過した。ろ液を濃縮し、乾燥させると白色のトリメシン酸ナトリウム塩(2.99g、収率108%)を得た。元素分析:C=30.59、H=2.10。
水100mlと硝酸スカンジウム4水和物(1.64g、5.4mmol)を500ml三角フラスコに入れ、溶けるまで攪拌した後、最少量の水に溶かしたトリメシン酸ナトリウム塩(1.0g、3.6mmol)水溶液をゆっくりと滴下していった。10分攪拌後ろ過し、ろ紙上の白色固体を、五酸化リン下減圧乾燥した。収率98.5%であった。
なお、錯体19は、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ナトリウムと硝酸スカンジウムを水中で混合することにより同様に合成した。
【0043】
(8)トリメシン酸イットリウム錯体(錯体22)
水10mlと炭酸ナトリウム(1.6g、15mmol)を30ml三角フラスコに入れ、過熱攪拌した。沸騰したらトリメシン酸(2.1g、10mmol)をゆっくりと加えていった。すべて加えたのちpH=7になっているのを確認したら室温に戻し、ろ過した。ろ液を濃縮し、乾燥させると白色のトリメシン酸ナトリウム塩(2.99g、収率108%)を得た。元素分析:C=30.59、H=2.10。
水100mlと塩化イットリウム6水和物(1.64g、5.4mmol)を500ml三角フラスコに入れ、溶けるまで攪拌した。溶けたら、最少量の水に溶かしたトリメシン酸ナトリウム塩(1.0g、3.6mmol)水溶液をゆっくりと滴下していった。10分攪拌後ろ過し、ろ紙上の白色固体を、五酸化リン下減圧乾燥した。収率96.5%であった。
なお、錯体21は、4,4’−ビフェニルジカルボン酸ナトリウムと塩化イットリウムを水中で混合することにより同様に合成した。
【0044】
図1〜図3に示す他の錯体(有機金属化合物)も上述の場合と同様に合成し分析を行った。その分析結果を表1にまとめている。いずれの場合も元素分析値(C、H、金属)がほぼ計算値と一致した。また、残存しているNaやClも実質的に認められなかった。さらにIRにおいては、遊離のカルボン酸に由来する1700cm− 1付近の伸縮振動が認められなかった。以上を総合し、全てのカルボキシアニオンが金属イオンに過不足なく結合し、図1〜図3に示される組成から成る錯体であると判断された。
【0045】
【表1】
【0046】
実施例2:有機金属化合物の分子捕捉能測定
実施例1で合成した本発明の有機金属化合物(錯体)について、ガス・蒸気吸着装置を用いて、下記のように、水、各種有機溶媒、炭酸ガスなどに対する吸着等温特性を測定し、これらの分子に対する捕捉能を調べた。
【0047】
吸着量測定
吸着量測定には、定容型蒸気吸着装置(日本ベル社製BELSORP 18SP−V)を使用した。錯体試料(0.2gから0.5g)を測定容器に入れ、真空下、温度80℃から250℃にて乾燥した。これにより錯体に配位している水や錯体形成時に付着した溶媒などが取り除かれる。室温に戻したのち、これを測定サンプルとした。
測定:サンプルを装置に連結し、まず吸着しない気体としてヘリウムガスを用い、サンプル管の死容積(サンプル管の体積から粉体の体積を差し引いた正味のサンプル部の体積)を求めた。真空状態からそれぞれのゲスト分子(被吸着物質)の飽和蒸気圧まで数十段階にわけて、体積既知の前室にゲスト分子の蒸気を導入し、圧力が安定したら、前室とサンプル管を隔てているパイプを開き、各段階の圧力降下を測定した。実際の圧力降下から、体積増加分の圧力降下を差し引いたものが吸着によるものである。これより錯体が取り込んだゲスト分子の量を算出した。
【0048】
(1)ランタン錯体の吸着特性
図8のAに錯体1、図8のBに錯体3に対する種々の被吸着物質の25℃における吸着等温線を示す。水の吸着等温線は、急峻な立ち上がりを示すラングミュア型となる。錯体1gあたりの吸着量は、相対圧0.5付近で90ccである。これをモル比に換算すると、ランタン1原子あたり2分子もの水が固体内に吸着されていることを示している。単位重量あたりの吸着量は無機ゼオライト類に勝るとも劣らないものである。
被吸着物質がメタノールの場合、水に比べ吸着量が激減する(相対比0.5付近では錯体1gあたり20cc)。メタノール1分子の体積が水分子の2倍と考えたとしても同様に吸着量は減少する。ことことより、本発明のランタン錯体の孔は非常に狭く、水分子ふるいとしての挙動に類似しており、小分子の精密分離という観点から非常に興味深い。
錯体1(ビフェニル配位子)と錯体3(テトラカルボン酸配位子)を比べた場合、単位重さあたりの被吸着物質の割合はほぼ同じである。しかしながら、錯体3のほうが総合的に2倍近い吸着能を示す。これは、配位子となる有機多塩基酸として直交型分子を用いれば固体中の充填効率が下がり隙間が多くなるためと理解される。
【0049】
(2)ランタン錯体(アミノ酸を有するもの)の吸着特性
光学活性なアミノ酸側鎖をもつランタン錯体(錯体13および14a)についてもメタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチルなどの吸着等温線(25℃)を測定した(図9のA:錯体13、図9のB:錯体14a)。錯体1gあたりの吸着量が、アミノ酸側鎖を持たない錯体に比べて3から6倍ほど増加した。例えば、被吸着物質がメタノールの場合、相対圧0.5付近での吸着量は、錯体1で約20cc/gであるが、錯体13および14aでは約100cc/gにもなる。これをモル比に換算すると、ランタン1原子あたり約3.5分子ものゲスト分子が固体内に吸着されていることを示している。光学活性なアミノ酸側鎖は対称性が低く、固体内でのリガンド同士の充填を阻害するし、そのために錯体はより隙間の多いものになったものと考えられる。
水の吸着等温線に関しては、アミノ酸をつけることにより立ち上がりの鈍い等温線になる。特に錯体13(ビフェニル−バリン)の場合は、シグモイド型の等温線になっている。相対圧があがるにつれ、吸着量がゆるやかに増加するのも特徴のひとつである。立ち上がりが鈍くなった原因としては、バリンのイソプロピル基による孔の疎水性の増加が考えられる。また、吸着量がゆるやかに増加するのは、孔の大きさがかなり大きくなっているためであると予想される。
【0050】
(3)その他の錯体の吸着特性
ランタン以外の金属を含む錯体(錯体15〜17、19〜22)についても同様な吸着実験を行ったが、吸着等温線の特徴ならびに吸着量は、アミノ酸を持たないランタン錯体(錯体1〜12、18)とほぼ同様なものとなった図10のAに、錯体17についての吸着等温線を示す。この錯体17は、炭酸ガスの吸着が他の錯体よりもかなり多かった(大気圧付近で錯体1gあたり約19cc)(図10のB参照)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられる有機多塩基酸(配位子)とそれから得られる本発明の有機金属化合物(錯体)を例示するものである。
【図2】本発明で用いられる有機多塩基酸(配位子)とそれから得られる本発明の有機金属化合物(錯体)を例示するものである。
【図3】本発明で用いられる有機多塩基酸(配位子)とそれから得られる本発明の有機金属化合物(錯体)を例示するものである。
【図4】本発明の有機金属化合物において形成されていると推測される分子間ネットワークを模式的に示すものである。
【図5】本発明の有機金属化合物の例について測定した赤外吸収スペクトルである。
【図6】本発明の有機化合物の例について測定した示差熱熱重量曲線である。
【図7】本発明の有機化合物の例について測定した粉末X線回折の回折パターンである。
【図8】本発明の有機化合物の例について測定した吸着等温線である。
【図9】本発明の有機化合物の別の例について測定した吸着等温線である。
【図10】本発明の有機化合物の更に別の例について測定した吸着等温線である。
Claims (1)
- 下記の一般式(I)で表わされる組成を有する固体有機金属化合物であって、
式(I)中、Mはn価の原子価を有する金属を表わし、Lはm個のカルボキシル基を有する有機多塩基酸を表わし、nは2または3であり、nが2の場合はmは3以上の整数であり、nが3の場合はmは2以上の整数であり、aおよびbは、n×a=m×bの関係を満たす整数であり、
Mが3価の原子価を有する遷移元素であってaが1から4の整数であるか、または、Mが2価の原子価を有する遷移元素であってaが2または3であり、
有機多塩基酸が下記の式(II)で表わされるものであることを特徴とする固体有機金属化合物。
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