JP3571926B2 - 半導体集積回路のトリミング方法 - Google Patents

半導体集積回路のトリミング方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路をウエハプロセスを経て製造した後、電気的特性を調整するための半導体集積回路のトリミング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路(以下、「IC」と略称することもある)では、多くの半導体回路素子を1枚の半導体ウエハ上に同時に形成しているけれども、ウエハプロセスだけでは所望の電気的特性が得られない場合がある。各種リニアIC、レギュレータ用IC、赤外線データ通信用ICあるいはリモコン用ICなどでは、ウエハプロセスの後のウエハテスト工程で、半導体集積回路としての電気的特性を調整するトリミングが行われている。一般的なトリミング方法としては、たとえば特開平5−232151に示されているようなツェナーダイオードのザップによる方法と、メタル配線を溶断あるいはレーザーカットによる方法とが行われている。ツェナーザップ方式と呼ばれるツェナーダイオードのザップによる方法は、特開平5−265584などにも開示されており、レーザーカット方式よりも簡単な設備でかつ迅速なトリミングが可能となる。
【0003】
図7は、ウエハテスト工程でツェナーザップ方式のトリミングを行う対象となる回路の一例を示す。この回路は、PNPトランジスタQ1およびQ2でカレントミラー回路を構成し、負荷回路Aに出力電流Ioを供給する。PNPトランジスタQ1のエミッタには抵抗値が2kΩの抵抗Rが接続される。PNPトランジスタQ2のエミッタには、抵抗値が1kΩ、2kΩ、4kΩの抵抗R1,R2,R3が直列に接続される。PNPトランジスタQ1,Q2のベースは共通に接続され、さらにPNPトランジスタQ1のコレクタに接続される。PNPトランジスタQ2のコレクタからは、出力電流Ioが負荷Aに供給される。抵抗R1,R2,R3には、並列にザップ用のツェナーダイオードZ1,Z2,Z3がそれぞれ接続される。抵抗R1とツェナーダイオードZ1のカソード側との接続点には、テストプローブ用の接触パッドP1が設けられる。抵抗R1およびR2の接続点で、かつツェナーダイオードZ1のアノード側とツェナーダイオードZ2のカソード側との共通接続点には、テストプローブ用の接触パッドP2が接続される。抵抗R2と抵抗R3の接続点で、かつツェナーダイオードZ2のアノード側とツェナーダイオードZ3のカソード側との共通接続点には、テストプローブの接続用の接触パッドP3が接続される。抵抗R3とPNPトランジスタQ2のエミッタとの接続点には、さらにツェナーダイオードZ3のアノード側が共通に接続され、さらにテストプローブの接続用の接触パッドP4も接続される。
【0004】
接触パッドP1,P2,P3,P4には、接触抵抗r1,r2,r3,r4でテストプローブの針先がそれぞれ接触する。各テストプローブは、試験装置T内のスイッチSW1,SW2,SW3に接続される。スイッチSW1,SW2,SW3は、ツェナーダイオードZ1,Z2,Z3にそれぞれ並列に接続される。
【0005】
ツェナーザップ方式のトリミングでは、スイッチSW1,SW2,SW3のONとOFFとの組合せに対して、所望の出力電流Ioが得られるか否かを判断し、所望のIoが得られるスイッチSW1,SW2,SW3のON/OFFの組合せに従ってツェナーダイオードZ1,Z2,Z3を個別的に短絡させるザップ処理を行う。ツェナーダイオードZ1,Z2,Z3は、カソード・アノード間の逆方向電圧がツェナー電圧より小さい範囲で電気的な抵抗値が高く、スイッチSW1,SW2,SW3のOFF状態に相当する。ザップ用のツェナーダイオードZ1,Z2,Z3に大電流を流すと、ツェナーダイオードZ1,Z2,Z3の抵抗値を数Ωに下げることができ、抵抗R1,R2,R3の両端間を短絡に近いSW1,SW2,SW3のON状態にすることができる。ただし、1回ザップ処理を行った後では、ツェナーダイオードZ1,Z2,Z3の抵抗値が元に戻らなくなるので、実際にツェナーダイオードZ1,Z2,Z3のザップ処理を行う前に、スイッチSW1,SW2,SW3のON/OFFの組合せで最適な出力電流Ioが得られる状態を求めておき、実際にツェナーダイオードZ1,Z2,Z3を選択的に短絡させて、スイッチSW1,SW2,SW3によって得られた状態を再現させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図7に示すようなツェナーダイオードZ1,Z2,Z3を短絡させる際には、テストプローブと接触パッドとを通じて数100mA以上の大電流を流す必要がある。このため、テストプローブの接触抵抗r1,r2,r3,r4が大きいと、テストプローブの針先に大電流が集中してテストプローブの針先が損傷劣化する問題がある。また、トリミングを行う前に、抵抗R1,R2,R3のうちのどの抵抗をトリミングするかを、試験装置T内のスイッチSW1,SW2,SW3のON/OFFを組合せて、出力電流Ioが最も適切な値になるように選択するけれども、接触抵抗r1,r2,r3,r4の値が大きくなると、正しく選択することができない問題も生じる。さらに、トリミングを行った後のツェナーダイオードZ1,Z2,Z3の残留抵抗は数Ωとなるけれども、トリミングする際にテストプローブ針の接触抵抗r1,r2,r3,r4が大きいと、ツェナーダイオードZ1,Z2,Z3に充分な電流を流すことができないので、ツェナーダイオードZ1,Z2,Z3の残留抵抗もさらに大きくなる。ツェナーダイオードZ1,Z2,Z3の残留抵抗が大きいときには、半導体集積回路として使用中の経年変化での残留抵抗の増加も大きくなり、出力電流Ioが変化するという信頼性上の問題も生じる。さらに、トリミングを行う際にはツェナーダイオードZ1,Z2,Z3に数100mAと大きな電流を流すので、IC内の他の素子に対して、誤動作の原因となる悪影響を与える恐れもある。
【0007】
本発明の目的は、ツェナーザップ方式のトリミングを行って、電気的特性に優れた半導体集積回路を確実に得ることができる半導体集積回路のトリミング方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、半導体集積回路内に、回路素子に並列にツェナーダイオードを接続しておき、ツェナーダイオードの両端にテストプローブを接続して、ツェナーダイオードを電気的に短絡させるトリミングのためのテストを行い、テスト結果に従ってツェナーザップ方式のトリミングを行うウエハテストでの半導体集積回路のトリミング方法において、
テストプローブを接続した状態での接触抵抗の影響を、テスト時の半導体集積回路の電気的特性と、トリミング後の該半導体集積回路の電気的特性とを測定して比較し、
測定値の差が予め設定される基準値以上となるとき、トリミングが正常に行われないと判定し、テスト結果を不良とすることを特徴とする半導体集積回路のトリミング方法である。
【0009】
本発明に従えば、半導体集積回路のウエハテストとして、ツェナーザップ方式のトリミングを行うツェナーダイオードの両端に接続するテストプローブの接触抵抗の影響を、半導体集積回路の電気的特性として計測しておく。トリミング後に得られる電気的特性の測定値を電気的特性の計測値と比較し、差が予め設定される基準値以上となるとき、トリミングが正常に行われないと判定してテスト結果を不良とする。テストプローブの接触抵抗が大きくなると、測定値と特性の計測値との差が大きくなるので、テストプローブの接触抵抗の増大を容易に判別し、テストプローブの接触抵抗が大きいことによるトリミングの不具合を除去することができる。
【0010】
さらに本発明は、半導体集積回路内に、回路素子に並列にツェナーダイオードを接続しておき、ツェナーダイオードの両端にテストプローブを接続して、ツェナーダイオードを電気的に短絡させるトリミングのためのテストを行い、テスト結果に従ってツェナーザップ方式のトリミングを行うウエハテストでの半導体集積回路のトリミング方法において、
テストプローブで、半導体集積回路内の予め定める複数の回路素子の特性を計測し、各プローブについての計測値の比を、該回路素子の特性値の比と比較し、計測値の比と特性値の比との差が予め設定される基準値以上となるとき、トリミングが正常に行われないと判定し、テスト結果を不良とすることを特徴とする半導体集積回路のトリミング方法である。
【0011】
本発明に従えば、半導体集積回路内の予め定める複数の回路素子の特性をテストプローブを用いて計測し、各プローブについての計測値の比を、回路素子の特性値の比と比較して、計測値の比と特性値の比との差が予め設定される基準値以上となると、トリミングが正常に行われていないと判定する。プローブの接触抵抗が小さければ、計測値の比と特性値の比とは殆ど等しくなり、大きな差は生じない。差が大きいときには、接触抵抗が大きくなっていると判断することができ、テストプローブの接触抵抗が大きいことによるトリミングの不具合を除去することができる。
【0012】
また本発明は、前記回路素子を、予めメタル配線で短絡させておき、
短絡状態でテストプローブの前記測定を行い、測定後に該メタル配線を除去することを特徴とする。
【0013】
本発明に従えば、テストプローブの接触抵抗の測定を、回路素子をメタル配線で短絡させた状態で行うので、回路素子に比較して接触抵抗の方が小さくても、高精度で接触抵抗の評価を行うことができる。
【0014】
また本発明で前記半導体集積回路は、一度トリミングを行った後で、再度トリミングを行うことが可能なように構成され、
一度トリミングを行った後の電気的特性が不良と判断されるときに、再度トリミングを行うことを特徴とする。
【0015】
本発明に従えば、半導体集積回路は、一度トリミングを行った後で再度トリミングを行うことが可能なように構成され、一度トリミングを行った後の電気的特性が不良のときに再度トリミングを行うので、半導体集積回路としての電気的特性のバラツキを小さくすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態でウエハテストを行う状態を示す。試験装置10は、複数のテストプローブ11,12,13,14,15,16で、半導体ウエハ20の半導体集積回路21に対するウエハテストを行うことができる。試験装置10内には、ウエハテストを自動的に行うために制御を行う制御回路22、およびトリミングを行うための電流を供給する電源23も含まれる。半導体集積回路21内には、PNPトランジスタ31,32によるカレントミラー回路が構成され、PNPトランジスタ31,32のベースおよびPNPトランジスタ31のコレクタは共通接続されている。PNPトランジスタ31のエミッタと正電源Vccとの間には、抵抗値R=2kΩの抵抗33が接続される。PNPトランジスタ32のコレクタと接地GNDとの間には負荷回路34が接続される。PNPトランジスタ32のエミッタと正電源Vccとの間には、抵抗値R1=1kΩ,R2=2kΩ,R3=4kΩの抵抗41,42,43が直列に接続される。各抵抗41,42,43には、ザップ用のツェナーダイオード51,52,53がそれぞれ並列に接続される。半導体集積回路21には、正電源Vcc接続用に接触パッド60が設けられ、さらにツェナーダイオード51,52,53の両端に接続される接触パッド61,62,63,64が設けられ、接地GND側の接続パッド70も設けられる。試験装置10と半導体集積回路21の接触パッド61,62,63,64との間は、複数のテストプローブ11,12,13,14で電気的に接続される。半導体集積回路21を動作させるための電力供給は、試験装置10と半導体集積回路21の接続パッド60,70との間を、テストプローブ15,16でそれぞれ接続して行われる。
【0023】
試験装置10による半導体集積回路21のトリミングは、負荷回路34に所定の出力電流Ioを供給するために行われる。
【0024】
出力電流Ioは、カレントミラー回路を構成する一方のPNPトランジスタ31のコレクタ電流I1 や、PNPトランジスタ31,32間の特性のバラツキなどによって変化する。この変化を補って、所望の出力電流Ioを得るため、カレントミラー回路の他方のPNPトランジスタ32のエミッタと正電源Vccとの間の抵抗41,42,43を組合わせて合成する。実際にツェナーダイオード51,52,53を短絡させる前に、試験装置10内のスイッチ71,72,73のON/OFFの組合わせを変えて、出力電流Ioの変化を計測し、最適な計測値が得られるON/OFFの組合わせに相当する状態となるように、ツェナーダイオード51,52,53を選択的に短絡させて、トリミングを行う。スイッチ71,72,73は、たとえばリレーを用いて形成され、制御回路22から駆動して、接点のON/OFF切換えが可能である。
【0025】
図2は、図1の実施形態で、半導体集積回路21を製造する全体的な製造工程を示す。ステップa1から製造を開始し、ステップa2では半導体ウエハとし20を製造するウエハプロセスを行う。ステップa3では、テストプローブ11,12,13,14と接触パッド61,62,63,64とを接触させる。スイッチ71,72,73をON/OFFの全ての組合わせで開閉し、負荷回路34の出力電流Ioなどの電気的特性の計測値が最も理想的な値となるように、トリミングするツェナーダイオード51,52,53の組合わせを選ぶ。次にステップa4で、選ばれたツェナーダイオード51,52,53を選択的に短絡させるトリミングを行う。このとき、テストプローブ11,12,13,14の接触パッド61,62,63,64への接触抵抗r1,r2,r3,r4が大きいほど、トリミングする前とトリミングした後とにおける電気的特性の計測値の差は大きくなる。この計測値の差をテストすることによって、テストプローブ11,12,13,14の針先の接触抵抗が大きいことによるトリミングの不具合を除去することができる。
【0026】
ステップa5では、テストプローブ11,12,13,14の針先を接触パッド61,62,63,64から離し、半導体集積回路21についてステップa3と同一の電気的特性を計測する。ステップa6では、ステップa3でのトリミング前の電気的特性の計測値と、ステップa5でのトリミング後の電気的特性の計測値との差が、予め設定される基準値よりも小さいか否かを判定する。差が小さければ、ステップa7で、1つの半導体集積回路21についてのトリミング工程は終了し、半導体ウエハ20上の他の半導体集積回路21についてのトリミング工程に移る。ステップa6で、計測値の差が基準値以上あると判定されるときは、トリミングが正常に行われていないと判定し、テストを不良判定とする。
【0027】
なお、ステップa5で行うトリミング後の電気的特性の計測以降は、ウエハテストの工程ではなく、各半導体集積回路21を半導体ウエハ20から切離した後で行うこともできる。最終的な製品により近い状態で、信頼性のある計測を行うことができるからである。また、計測する電気的特性としては、カレントミラー回路から負荷回路34に供給される出力電流Ioばかりではなく、バンドパスフィルタの中心周波数や定電圧レギュレータの基準電圧等、半導体集積回路21の構成に応じて、種々のものを対象とすることができる。
【0028】
本実施形態のテスト方法では、トリミングした後でテストプローブ11,12,13,14の良否を判定するため、テストプローブ11,12,13,14の針先の接触抵抗が大きい場合、テストプローブ11,12,13,14の針先を損傷する可能性が大きい。すなわち、テスト方法としての原理上、テストプローブ11,12,13,14の針先の接触抵抗不良が発生したときには、必ずトリミング不良品が発生することになる。
【0029】
図1の半導体集積回路21では、抵抗31,32,33の抵抗値の比が、R1:R2:R3=1:2:4となっている。この比率のバラツキを、半導体集積回路21の同一のチップ内では極めて小さくしうることが知られている。図1で、半導体集積回路21内のトリミングの対象となる抵抗をテストプローブを用いて測定する場合、たとえば抵抗31と抵抗32との計測値は、(R1+r1+r2)と(R2+r2+r3)となる。この2つの計測値の比(R2+r2+r3)/(R1+r1+r2)は、接触抵抗が大きいほど、R2/R1≒2からずれてくる。この比が、予め定められる基準値以上であれば接触抵抗が大きいと判定し、トリミングする前に不良判定を行って、テストプローブ11,12,13,14の針先の損傷を防ぎ、トリミング不良品の発生を防止することができる。
【0030】
また、トリミングで選択する全ての組合わせについて抵抗計測値の比をテストすることによって、1つの組合わせではテストプローブ11,12,13,14の針先の接触抵抗が半導体集積回路21内の抵抗比と同じ比で大きくなることがあっても、他の組合わせでについての抵抗比の比較で、テストプローブ11,12,13,14の針先の接触抵抗が大きい不良を、確実に検出することができる。
【0031】
図3は、本発明の実施の他の形態として、抵抗測定における測定精度の向上を図ることができる半導体集積回路80の部分的な構成を示す。本実施形態で、図1の実施形態に対応する部分には、同一の参照符を付して、重複する説明を省略する。本実施形態のザップ用のツェナーダイオード51,52,53には、並列に、短絡用のメタル配線81,82,83によるパターンが設けられている。メタル配線81,82,83の電気的抵抗値は、抵抗41,42,43の抵抗値R1,R2,R3に比較して充分に小さく、直接テストプローブ11,12,13,14の針先の接触抵抗を測定することができる。
【0032】
図1の構成では、テストプローブ11,12,13,14の針先の接触抵抗r1,r2,r3,r4を計測しようとすると、抵抗41,42,43の抵抗値R1,R2,R3,R4を含めて計測しなければならない。接触抵抗r1,r2,r3,r4は大きくなっても、約数オーム程度であり、数kΩの抵抗値R1,R2,R3に比較すれば未だ充分に小さい。抵抗の計測は、計測器を抵抗値R1,R2,R3測定用の測定レンジに切換えて行う必要があり、小さい抵抗r1,r2,r3,r4の変化による寄与分を充分な精度で計測することはできない。本実施形態では、直接テストプローブ11,12,13,14の針先の接触抵抗r1,r2,r3,r4を計測することができるので、信頼性の高い確実な判定を行うことができる。
【0033】
図4は、図3の実施形態で図1と同様な半導体集回路21を製造する全体的な工程を示す。ステップb1からステップb2までは、図2のステップa1からステップa2までの各ステップと基本的には同等である。ステップb3では、テストプローブ11,12,13,14の針先の接触抵抗r1,r2,r3,r4を計測する。計測値は、接触抵抗r1,r2,r3,r4のうちの2つの組合わせの和となる。メタル配線81,82,83の抵抗値がテストプローブ11,12,13,14の針先の接触抵抗r1,r2,r3,r4に比較して充分に小さいので、抵抗41,42,43の抵抗値R1,R2,R3の測定レンジとは関係なく、接触抵抗r1,r2,r3,r4に適合した測定レンジで、精度良く計測を行うことができる。
【0034】
ステップb4では、接触抵抗の計測値を予め設定される基準値と比較し、接触抵抗が基準値より小さければ、ステップb5で接触パッド61,62,63,64間を短絡しているメタル配線81,82,83を溶断させて切離す。溶断は、レーザを用いたり、大電流を流したりして行うことができる。次に、ステップb6で、ツェナーザップ方式のトリミングを行い、ステップb7で1つの半導体集積回路80についてのウエハテストの工程を終了する。ステップb4で、計測値が基準値以上となるときは、ステップb8でテスト結果不良と判定する。
【0035】
以上説明した実施形態では、ザップ用のツェナーダイオード51,52,53は3つ設けられ、組合わされる抵抗41,42,43も3つ設けられ、接触パッド61,62,63,64は4つ設けられている。同様な構成で、一般に、1以上の数n組のツェナーダイオードおよび回路素子と、n+1の接触パッドを設ければ、他の数の場合も、同様なザップ方式のトリミングをおこなうことができる。また、トリミングの対象となる電子回路素子は、抵抗42,43,44ばかりではなく、コンデンサなどであってもよい。さらに、トリミングによる特性調整の対象となる回路は、カレントミラー回路ばかりではなく、他の種類の回路でも同様に、本発明を適用することができる。
【0036】
図5は、本発明の実施のさらに他の形態として、ツェナーザップ方式によるトリミングに好適な半導体集積回路の部分的な構成を示す。図5(a)は、一般的なツェナーザップ方式の構成を示し、図5(b)は、本実施形態の構成を示す。ツェナーザップ方式によるツェナーダイオード50の短絡時には、電源90から接触パッド91,92を介して、数100mAに達する大電流iz を流す必要がある。このとき、ツェナーダイオード50のカソードとアノードとの間には、ツェナー電圧以上の電圧が印加され、半導体集積回路内の他の素子にも大きな電流が流れる。たとえば、図5(a)に示すように、ツェナーダイオード50に並列に接続され、トリミングによる選択の対象になる抵抗100にも電流iR が流れる。抵抗100は半導体集積回路として形成されており、短時間でも大電流が流れると、発熱などによって、抵抗値が変化してしまうなどの悪影響を受けるおそれがある。
【0037】
図5(b)に示すように、本実施形態では、トリミングの対象になる抵抗を複数の抵抗101,102,…,10nの並列接続で構成する。ここで、nは2以上の整数である。トリミング時に、各並列抵抗101,102,…,10nに流れる電流i1 ,i2 ,…,in は、図5(a)のiR に比べて減少し、悪影響を低減することができる。トリミング時に、抵抗値が変化してしまうと、電気的特性を向上させるトリミングで、かえって電気的特性を低下させてしまうおそれもある。本実施形態では、トリミング時の悪影響を低減し、トリミングによって確実に電気的特性の向上を図ることができる。
【0038】
図6は、本発明の実施のさらに他の形態として、ツェナーザップ方式によるトリミングに好適な半導体集積回路の部分的な構成を示す。図6(a)は、一般的なツェナーザップ方式の構成を示し、図6(b)は、本実施形態の構成を示す。図6(a)に示すように、接触パッド91,92,93間に抵抗111,112およびツェナーダイオード121,121を設けて、抵抗111,112をツェナーザップ方式のトリミングによって1回だけ選択することができる。
【0039】
たとえば、ツェナーダイオード121,122を短絡させないで、ウエハプロセスで製造したままにしておくと、接触パッド91,93間の抵抗値は、抵抗111,112の直列抵抗としての抵抗値R+2R=3Rとなる。ツェナーダイオード121,122の一方のみを短絡させると、接触パッド91,93間の抵抗値は、2RまたはRとなる。ツェナーダイオード121,122の両方を短絡させると、接触パッド91,93間の抵抗値は接触抵抗によるもののみとなり、殆ど0となる。すなわち、0,R,2R,3Rのいずれかの抵抗値を得ることができる。接触パッド91,92,93に対するテストプローブの針先の接触抵抗が定常的に大きなバラツキを有しているような場合や、トリミング前の計測精度が低いためにトリミング後の特性バラツキが大きいような場合、1回だけのトリミングでは充分な電気的特性を得ることができない。
【0040】
図6(b)に示すように、本実施形態では、一旦トリミングを行った後でも、再トリミングを行って、電気的特性の向上を図ることができる。本実施形態では、図6(a)に示すような抵抗値がR,2Rの抵抗111,112とザップ用ツェナーダイオード121、122との並列回路に、直列に抵抗値がR/2である抵抗113を接続している。また、抵抗111,112には、抵抗114,115とツェナーダイオード123,124との直列回路がそれぞれ並列に接続されている。抵抗114,115の抵抗値は、それぞれR,6Rである。また、抵抗113には並列にメタル配線130が設けられている。
【0041】
ウエハプロセスで製造されたままの状態では、抵抗113の両端間はメタル配線130で短絡され、ツェナーダイオード123,124は短絡されていないので、接続パッド91,92,93に関する図6(b)の電気的特性は、図6(a)と同様であり、トリミングに関しても同様に行うことができる。
【0042】
一旦トリミングを行って、特性評価を行い、テスト基準から外れると判断される場合は、メタル配線130を溶断させる。接触パッド94と接触パッド91との間の短絡状態が解除され、接触パッド94と他の接触パッド91,92,93との間でR/2の抵抗値を増加させることができる。
【0043】
また、1回目のトリミングで、ツェナーダイオード121を短絡させないで残しておいた場合、接触パッド91,95を用いてツェナーダイオード123を短絡させれば、接触パッド91,92間の抵抗値を、抵抗111のみによるRから、抵抗111,114の並列接続によるR/2となるように、R/2だけ減少させることができる。
【0044】
また、1回目のトリミングで、ツェナーダイオード122を短絡させないで残しておいた場合、接触パッド92,95を用いてツェナーダイオード124を短絡させれば、接触パッド92,93間の抵抗値を、抵抗112のみによる2Rから、抵抗112,115の並列接続による3R/2となるように、R/2だけ減少させることができる。
【0045】
本実施形態では、1回目のトリミングで抵抗値がRずつ変えられ、再トリミングでR/2ずつさらに抵抗値を増減することができる。本実施例の考え方は、他の抵抗値の組合わせにも同様に適用することができる。このように、再トリミング可能な回路部分を、半導体集積回路内に形成しておくことによって、テストプローブの針先の接触パッドへの接触抵抗の増加などに起因する特性バラツキを、調整によって低減することができる。
【0046】
以上説明した各実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(i)ツェナーザップトリミングを行うウエハテストの工程で、テストプローブの針先の劣化やトリミング精度の低下を低減することができる。
(ii)テストプローブの針先の接触抵抗値の評価に、高い測定精度を必要としないため、テストに要するコストを低減することができる。
(iii)ツェナーザップ方式のトリミングの際に流す大電流による他の回路素子へのダメージを低減し、信頼性の低下を抑制することができる。
(iv)トリミング後の特性のバラツキを低減することができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、テストプローブ接触抵抗の影響を、半導体集積回路としてのトリミング後の電気的特性を計測して、計測値のずれの大きさから接触抵抗が大きくなっているか否かを判断するので、テストプローブの接触抵抗の増大の程度を容易に判断し、接触抵抗増大の影響による不具合を回避することができる。
【0048】
さらに本発明によれば、半導体集積回路内の回路素子の特性をテストプローブを用いて計測し、計測値の比と特性値の比との差に基づいてテストプローブの接触抵抗を評価するので、実際にトリミングを行わないでもテストプローブの良否を判断することができる。
【0049】
また本発明によれば、回路素子をメタル配線で短絡させておくことによって、テストプローブの接触抵抗の評価を精度よく行うことができる。
【0050】
また本発明によれば、一度トリミングを行った後の半導体集積回路の電気的特性が好ましくなくても、再トリミングによって電気的特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態としての半導体ウエハ20でツェナーザップ方式のトリミングを行う状態を簡略化して示す電気回路図である。
【図2】図1の実施形態で、半導体集積回路21を製造する概略的な工程を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の他の形態としての半導体集積回路80で、テストプローブの針先の接触抵抗評価のためのメタル配線が施されている状態を簡略化して示す部分的な電気回路図である。
【図4】図2の実施形態で、半導体集積回路80を製造する概略的な工程を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施のさらに他の形態によるツェナーザップ方式のトリミングの対象となる回路構成を、従来のツェナーザップ方式のトリミングの対象となる回路構成と比較して示す部分的な電気回路図である。
【図6】本発明の実施のさらに他の形態によるツェナーザップ方式のトリミングの対象となる回路構成を、従来のツェナーザップ方式のトリミングの対象となる回路構成と比較して示す部分的な電気回路図である。
【図7】従来からの半導体ウエハでツェナーザップ方式のトリミングを行う状態を簡略化して示す電気回路図である。
【符号の説明】
10 試験装置
11,12,13,14,15,16 テストプローブ
20 半導体ウエハ
21,80 半導体集積回路
22 制御回路
23,90 電源
33,41,42,43,100,101,102,…,10n,111,112,113,114,115 抵抗
34 負荷回路
50,51,52,53,121,122,123,124 ツェナーダイオード
60,61,62,63,64,70,91,92,93,94,95 接触パッド
71,72,73 スイッチ
8,82,83,130 メタル配線

Claims (4)

  1. 半導体集積回路内に、回路素子に並列にツェナーダイオードを接続しておき、ツェナーダイオードの両端にテストプローブを接続して、ツェナーダイオードを電気的に短絡させるトリミングのためのテストを行い、テスト結果に従ってツェナーザップ方式のトリミングを行うウエハテストでの半導体集積回路のトリミング方法において、
    テストプローブを接続した状態での接触抵抗の影響を、テスト時の半導体集積回路の電気的特性と、トリミング後の該半導体集積回路の電気的特性とを測定して比較し、
    測定値の差が予め設定される基準値以上となるとき、トリミングが正常に行われないと判定し、テスト結果を不良とすることを特徴とする半導体集積回路のトリミング方法。
  2. 半導体集積回路内に、回路素子に並列にツェナーダイオードを接続しておき、ツェナーダイオードの両端にテストプローブを接続して、ツェナーダイオードを電気的に短絡させるトリミングのためのテストを行い、テスト結果に従ってツェナーザップ方式のトリミングを行うウエハテストでの半導体集積回路のトリミング方法において、
    テストプローブで、半導体集積回路内の予め定める複数の回路素子の特性を計測し、各プローブについての計測値の比を、該回路素子の特性値の比と比較し、
    計測値の比と特性値の比との差が予め設定される基準値以上となるとき、トリミングが正常に行われないと判定し、テスト結果を不良とすることを特徴とする半導体集積回路のトリミング方法。
  3. 前記回路素子を、予めメタル配線で短絡させておき、
    短絡状態でテストプローブの前記測定を行い、測定後に該メタル配線を除去することを特徴とする請求項1または2記載の半導体集積回路のトリミング方法。
  4. 前記半導体集積回路は、一度トリミングを行った後で、再度トリミングを行うことが可能なように構成され、
    一度トリミングを行った後の電気的特性が不良と判断されるときに、再度トリミングを行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体集積回路のトリミング方法。
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