JP3571452B2 - 階層変換画像処理方法 - Google Patents
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- Controls And Circuits For Display Device (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョンやパソコンディスプレイ等の表示装置を有する家庭用ゲーム機またはパーソナルコンピュータ(パソコン)に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は家庭用テレビゲーム機本体1の基本ハードウェア構成である。CPU6は中央演算処理装置で、ゲーム機の核となる部分である。外部記憶装置2から読み取ったプログラムやデータはいったんRAM7に展開され、CPU6の解析によってプログラムが実行する。外部記憶装置2から読み取った画像データあるいはプログラムで作成された画像データはVDC8(ビデオディスプレイコントローラ)に送られて、ディスプレイに表示できるような画像データに加工(定義)される。
【0003】
VDC8で加工されたデータはVRAM10にいったん蓄えられる。VDC8で定義され、VRAM10に蓄えられるデータはバックグラウンド(背景画)とスプライト(ゲームの主人公等)別に分けられ、表示パターン、ディスプレイ3上の表示位置、表示色などの情報が付加される。VCE9(ビデオカラーエンコーダ)は、ビデオ出力ポートを通じてVDC8から送られてくるデジタルカラー画像信号を、VCE9内にもっているカラーパレット情報をもとにCRTアナログRGB信号および映像色信号にし、インターフェイス5(I/F)を通して外部の映像装置3に出力する。
【0004】
一方、CPUで解析された音楽とか擬音などの音情報はPSG11(プログラムサウンドジェネレータ)で、ステレオ回路構成、ノイズ発生回路、低周波数発生回路などの機能によって画像と一体になった効果音としてスピーカ4に出力される。一般に家庭用テレビゲーム機1では出力装置としてテレビが使用されるから、画像表示装置3とスピーカ4は同一装置ということになる。このようなことから、家庭用テレビゲーム機1はテレビゲーム機あるいはビデオゲーム機ともよばれている。
【0005】
家庭用テレビゲーム機では画像と音は重要な要素である。そこでCPUの性能をカバーするために、ゲーム機では画像処理用と音声処理用に専用のLSIを備えている。図1で示したVDC8、PSG11は専用LSIである。たとえば、先にも触れたスプライトとは一定サイズ(通常16×16ドット)のグラフィックデータのことであり、画面上に自由に配置し、高速で動かすことができる機能である。この機能をスプライト機能といい、画像処理LSIがこの機能をサポートしている。
【0006】
また家庭用テレビゲーム機ではメモリ容量が少ないために、1枚の絵をパーツに分け、それをジグソーパズルのように張り合わせて絵を完成している。このパーツをBGまたはキャラクタとよび、8×8ドット構成のデータとして管理している。これをBG機能とよぶ。安価な家庭用テレビゲーム機で多く画像データを高速で動かせるのは、このスプライト機能とBG機能専用のLSIを登載しており、ハードウェア的に画像データを処理しているからである。
【0007】
多くのゲームにおいては、プレーヤーが通常、キャラクタとよばれる表示物を操作することによってゲームが進行する。このキャラクタは人間だけでなく、怪物、レーシングカー、戦闘機等、ゲームの種類によって様々な種類がある。そこでここでは、プレーヤーが操作するキャラクタ(主人公)をプレーヤーキャラクタ、すなわちPCとよぶことにする。
【0008】
PCが移動しようとする場合、移動できないような箇所が設定されることがある。例えば、川や崖のような障害物である。これまでの方法では、地形の絵(マップ)に地形の属性(アトリビュート)を設定し、プログラム上ではPCの座標(x,y,z)と地形の座標(X,Y,Z)と属性をチェックして通行が可能かどうかを判断していた。
【0009】
図2は背景のアトリビュートの値を示す図である。図中、数値はセルごとのアトリビュートの値:属性値であり、00の部分は通行可能な場所、01は通行不可能な場所、02は踏むとダメージを受ける場所というように、それぞれの属性をもっており、背景と対応した位置でセルのアトリビュートが設定されている。
【0010】
プログラムは、PCが隣のセルに動こうとしたときに、動こうとする先のアトリビュートを検出し、それが01ならPCをその方向に向くだけで動かさないという処理を行う。01以外なら動かす。ただし02の場合には、動かしたあとでPCにダメージを与えるという処理を行う。このように、セルとそのアトリビュートとの関係だけでPCの行動パターンを記述できる。
【0011】
このようにしてPCの移動を表示できるが、厄介なのは背景に立体的な階層がある場合である。たとえば図3のような立体交差の道があるとすると、PCの現在地と道の属性を常に把握しておき、通行可能かどうかを判断しなければならない。図の例では、まる印で記述した部分が通行可能であり、ばつ印で記述した部分は通行不可能である。
【0012】
橋の部分では道が十字路のようになっているために、単に平面的に判断すると通行可能となる。上記のように常に地形の座標と種類を判断してプログラムを組めばよいが、それではプログラムが煩雑になるし、またプログラム実効時の処理時間が掛かる。そこで従来はプログラム的に簡単にするために、以下のような処理をしてきた。
【0013】
まず、図4のように上の道と下の道を分けるブロックを設ける。図では格子模様で記したところがブロックで、このブロックを横切っては通行できないことを表す。また斜線部分が橋になっていることを表している。つぎにPCがどこを通るか、どの位置にいるかによってマップのアトリビュートを書き換える。図の例ではPCは上の道と通る場合と下の道を通る場合が考えられる。すなわち行動として、
【0014】
【0015】
のように分けられる。ここでPCはばつ印のアトリビュートをもつセルを越えて行動することができない。プログラムであらかじめPCの位置または行動によってアトリビュートを書き換えておき、PCの行動を規制するのである。このようにしておけば、プログラム上でいちいちPCの座標や地形をチェックしなくても、通る位置が自動的に、といってもアトリビュートのチェックは必要であるが、PCの行動範囲を規定することができる。
【0016】
なお表示優先順位とは画面上の表示優先順位を示すもので、PCが橋に差し掛かったとき、A(橋の上を通過)の場合にはPCを優先的に表示し、B(橋の下を通過)の場合は橋を優先表示する。すなわち、橋の下を通過するときには、一時的にPCが見えない状態になる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術で、画面上に表示された地形(マップ)上をキャラクタ(とくにプレーヤーキャラクタ<PC>)が動作するときのプログラム上の扱い方を説明したが、マップ上の構成物の座標と種類をPCの動作ごとにチェックすることは、プログラム上は非常に煩雑なロジックになり、処理時間の掛かるものである。
【0018】
またそれを改良した形として、PCの行動または位置によってあらかじめ行動範囲を規制するマップアトリビュートの書き換えは、PCを動作させるには便利な記述方法であり、この部分だけを考えればプログラムの記述は簡略され、処理速度も速い。
【0019】
しかし、マップアトリビュートを状況に合わせて書き換えるチェックは依然として残るために、この処理記述の煩雑さは依然として残されている。また状況の変わるごとに、チェックとマップアトリビュートの書き換えが必要となり、時間が掛かる処理となっている。
【0020】
以上の理由から、従来は複雑な地形をマップ化することはプログラム的にも、また処理時間的にも負荷の多いものとなり、簡略化された地形にせざるを得なかった。とくに家庭用ゲーム機ではCPUの処理能力から、この制約は大きな負担となていた。そこで本発明の課題としては、マップを記述する背景画の構造をそのつど複雑な判定方法を行わずに、プログラム記述が簡素化できる方法を得ることである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、属性:アトリビュートを有する画像要素:セルの集合で構成された背景画面上をプレーヤーが操作するプレーヤーキャラクタが移動する画像表示方法において、前記プレーヤーキャラクタに複数の階層の属性値を設定し、前記背景画の画像要素:セルについて前記プレーヤーキャラクタの階層の属性値に応じて、行動範囲、表示の優先順位などを示す属性値を設定する。そしてプレーヤーキャラクタの属性値と対応する背景画の画像要素の属性値に基づいて画面処理を行うことで、階層構造を有する箇所における個別処理を行うことなく、プレーヤーキャラクタを正しく移動あるいは表示させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を従来技術で挙げた立体構造をもったマップの例で説明する。まず表1〜3のようにマップとPCに意味をもたせる。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
表1および表3は、PCのいる位置によってPCに設定される属性を表している。すなわち、PCが橋より上(この場合は上の道)にいる場合は30が設定され、地面の上(この場合は下の道)にいる場合は10が設定される。
【0027】
表2はセルの属性値で、PCの行動を規制する。属性値の1桁目は通行可能か不可能を表し、0なら通行可能、1なら不可能とする。00は全面的に通行可能、01は全面的に通行不可能を表す。また属性値の2桁目は種類と階層を表し、0は地面または下の道、2は橋または上の道を表す。この場合、階層とは高さを表し、表示の優先順位を示す。20は橋、00は地面を表す。
【0028】
表2と表3は連動しており、各層におけるPCの行動を規制する属性を表2で示してあり、PCの位置関係を表3で示してある。PCが上の道にいる場合は30、地面にいる場合は10と定義する。表2の11はPCの属性が10のときに通行不可を表し、31はPCの属性が30のときに通行不可を表す。
【0029】
以上のように属性を定義しておき、従来技術で見てきた立体交差を本発明の方法で書き換えると、図7に示すようなマップアトリビュートで背景を表す。なお図中、空白部分は00が埋められているとする。PCが地面(下の道)にいるときの属性は10であるから、図8のような動きになる。
【0030】
図中、○は通行可能を表し、×は通行不可能を表している。PCの属性が10のときは上層のマップアトリビュート20や31に影響を受けない。また図9はPCの属性が30のときのPCの動きを表している。PCの属性が30のときは下層のマップアトリビュート11には影響を受けない。ただし、01は全面通行不可能を表すから、下層、上層にかかわらず通行できない。
【0031】
マップアトリビュートは背景を定義するときに同時に設定されるものであるから、プログラム上ではPCがそのセルに来たときにPCの属性とマップの属性をチェックするだけで通行可能かどうかの判定が行える。すなわち、従来例で見てきたようなマップアトリビュートの書き換えやそのつど障害物の属性や種類を判断する必要はない。
【0032】
本発明の属性値の長所は、属性だけでなく、背景の構成物の種類とその階層(高さ)が表せることである。表1に従えば、3X、2X、1X、0Xの順で表示の優先順序が決まっているから、PCが地上にいる場合、すなわちPCの属性が10の場合、橋の下(図8の20の部分)を通過するときには、PCは表示されない。ところが上の道、すなわちPCの属性が30の場合、橋を通過するときには、PCは表示される。プログラムでは、
とする記述するだけでよいから、いたって簡単なプログラムとなる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、マップ(背景)と対応した属性をセル単位で管理でき、属性(アトリビュート)を表す属性値は、背景の構成物の性質のほかに、表示の優先順位や種類等が表現できる。また、属性値は平面的表現された背景に対しても、立体的な表現可能である。プログラミングが簡単になり、処理時間が速くなる。さらに考え方がわかりやすくなっているためにデバッグがしやすく、プログラムの開発時間が大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の家庭用テレビゲーム機の基本ハードウェア構成である。
【図2】従来技術における属性値の機能を説明する図である。
【図3】従来技術における立体交差のあるマップとPCの行動範囲を説明する図である。
【図4】従来技術における立体交差のあるマップとPCの行動範囲を説明する図である。
【図5】従来技術で立体交差のあるマップとPCの行動範囲をプログラミングするときのアルゴリズムを説明する図である(PCが上の道を通過するとき)。
【図6】従来技術で立体交差のあるマップとPCの行動範囲をプログラミングするときのアルゴリズムを説明する図である(PCが下の道を通過するとき)。
【図7】本発明の実施例において、立体交差のあるマップと属性値を示す図である。
【図8】本発明の実施例における、PCの属性とPCの行動範囲を説明する図である(地面上にPCがいる場合)。
【図9】本発明の実施例における、PCの属性とPCの行動範囲を説明する図である(上の道にPCがいる場合)。
【符号の説明】
1 家庭用テレビゲーム機本体
2 外部記憶装置
3 画像表示装置
4 スピーカー
5 インターフェイス(I/F)
6 CPU
7 RAM
8 VDC
9 VCE
10 VRAM
11 PSG
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョンやパソコンディスプレイ等の表示装置を有する家庭用ゲーム機またはパーソナルコンピュータ(パソコン)に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は家庭用テレビゲーム機本体1の基本ハードウェア構成である。CPU6は中央演算処理装置で、ゲーム機の核となる部分である。外部記憶装置2から読み取ったプログラムやデータはいったんRAM7に展開され、CPU6の解析によってプログラムが実行する。外部記憶装置2から読み取った画像データあるいはプログラムで作成された画像データはVDC8(ビデオディスプレイコントローラ)に送られて、ディスプレイに表示できるような画像データに加工(定義)される。
【0003】
VDC8で加工されたデータはVRAM10にいったん蓄えられる。VDC8で定義され、VRAM10に蓄えられるデータはバックグラウンド(背景画)とスプライト(ゲームの主人公等)別に分けられ、表示パターン、ディスプレイ3上の表示位置、表示色などの情報が付加される。VCE9(ビデオカラーエンコーダ)は、ビデオ出力ポートを通じてVDC8から送られてくるデジタルカラー画像信号を、VCE9内にもっているカラーパレット情報をもとにCRTアナログRGB信号および映像色信号にし、インターフェイス5(I/F)を通して外部の映像装置3に出力する。
【0004】
一方、CPUで解析された音楽とか擬音などの音情報はPSG11(プログラムサウンドジェネレータ)で、ステレオ回路構成、ノイズ発生回路、低周波数発生回路などの機能によって画像と一体になった効果音としてスピーカ4に出力される。一般に家庭用テレビゲーム機1では出力装置としてテレビが使用されるから、画像表示装置3とスピーカ4は同一装置ということになる。このようなことから、家庭用テレビゲーム機1はテレビゲーム機あるいはビデオゲーム機ともよばれている。
【0005】
家庭用テレビゲーム機では画像と音は重要な要素である。そこでCPUの性能をカバーするために、ゲーム機では画像処理用と音声処理用に専用のLSIを備えている。図1で示したVDC8、PSG11は専用LSIである。たとえば、先にも触れたスプライトとは一定サイズ(通常16×16ドット)のグラフィックデータのことであり、画面上に自由に配置し、高速で動かすことができる機能である。この機能をスプライト機能といい、画像処理LSIがこの機能をサポートしている。
【0006】
また家庭用テレビゲーム機ではメモリ容量が少ないために、1枚の絵をパーツに分け、それをジグソーパズルのように張り合わせて絵を完成している。このパーツをBGまたはキャラクタとよび、8×8ドット構成のデータとして管理している。これをBG機能とよぶ。安価な家庭用テレビゲーム機で多く画像データを高速で動かせるのは、このスプライト機能とBG機能専用のLSIを登載しており、ハードウェア的に画像データを処理しているからである。
【0007】
多くのゲームにおいては、プレーヤーが通常、キャラクタとよばれる表示物を操作することによってゲームが進行する。このキャラクタは人間だけでなく、怪物、レーシングカー、戦闘機等、ゲームの種類によって様々な種類がある。そこでここでは、プレーヤーが操作するキャラクタ(主人公)をプレーヤーキャラクタ、すなわちPCとよぶことにする。
【0008】
PCが移動しようとする場合、移動できないような箇所が設定されることがある。例えば、川や崖のような障害物である。これまでの方法では、地形の絵(マップ)に地形の属性(アトリビュート)を設定し、プログラム上ではPCの座標(x,y,z)と地形の座標(X,Y,Z)と属性をチェックして通行が可能かどうかを判断していた。
【0009】
図2は背景のアトリビュートの値を示す図である。図中、数値はセルごとのアトリビュートの値:属性値であり、00の部分は通行可能な場所、01は通行不可能な場所、02は踏むとダメージを受ける場所というように、それぞれの属性をもっており、背景と対応した位置でセルのアトリビュートが設定されている。
【0010】
プログラムは、PCが隣のセルに動こうとしたときに、動こうとする先のアトリビュートを検出し、それが01ならPCをその方向に向くだけで動かさないという処理を行う。01以外なら動かす。ただし02の場合には、動かしたあとでPCにダメージを与えるという処理を行う。このように、セルとそのアトリビュートとの関係だけでPCの行動パターンを記述できる。
【0011】
このようにしてPCの移動を表示できるが、厄介なのは背景に立体的な階層がある場合である。たとえば図3のような立体交差の道があるとすると、PCの現在地と道の属性を常に把握しておき、通行可能かどうかを判断しなければならない。図の例では、まる印で記述した部分が通行可能であり、ばつ印で記述した部分は通行不可能である。
【0012】
橋の部分では道が十字路のようになっているために、単に平面的に判断すると通行可能となる。上記のように常に地形の座標と種類を判断してプログラムを組めばよいが、それではプログラムが煩雑になるし、またプログラム実効時の処理時間が掛かる。そこで従来はプログラム的に簡単にするために、以下のような処理をしてきた。
【0013】
まず、図4のように上の道と下の道を分けるブロックを設ける。図では格子模様で記したところがブロックで、このブロックを横切っては通行できないことを表す。また斜線部分が橋になっていることを表している。つぎにPCがどこを通るか、どの位置にいるかによってマップのアトリビュートを書き換える。図の例ではPCは上の道と通る場合と下の道を通る場合が考えられる。すなわち行動として、
【0014】
【0015】
のように分けられる。ここでPCはばつ印のアトリビュートをもつセルを越えて行動することができない。プログラムであらかじめPCの位置または行動によってアトリビュートを書き換えておき、PCの行動を規制するのである。このようにしておけば、プログラム上でいちいちPCの座標や地形をチェックしなくても、通る位置が自動的に、といってもアトリビュートのチェックは必要であるが、PCの行動範囲を規定することができる。
【0016】
なお表示優先順位とは画面上の表示優先順位を示すもので、PCが橋に差し掛かったとき、A(橋の上を通過)の場合にはPCを優先的に表示し、B(橋の下を通過)の場合は橋を優先表示する。すなわち、橋の下を通過するときには、一時的にPCが見えない状態になる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術で、画面上に表示された地形(マップ)上をキャラクタ(とくにプレーヤーキャラクタ<PC>)が動作するときのプログラム上の扱い方を説明したが、マップ上の構成物の座標と種類をPCの動作ごとにチェックすることは、プログラム上は非常に煩雑なロジックになり、処理時間の掛かるものである。
【0018】
またそれを改良した形として、PCの行動または位置によってあらかじめ行動範囲を規制するマップアトリビュートの書き換えは、PCを動作させるには便利な記述方法であり、この部分だけを考えればプログラムの記述は簡略され、処理速度も速い。
【0019】
しかし、マップアトリビュートを状況に合わせて書き換えるチェックは依然として残るために、この処理記述の煩雑さは依然として残されている。また状況の変わるごとに、チェックとマップアトリビュートの書き換えが必要となり、時間が掛かる処理となっている。
【0020】
以上の理由から、従来は複雑な地形をマップ化することはプログラム的にも、また処理時間的にも負荷の多いものとなり、簡略化された地形にせざるを得なかった。とくに家庭用ゲーム機ではCPUの処理能力から、この制約は大きな負担となていた。そこで本発明の課題としては、マップを記述する背景画の構造をそのつど複雑な判定方法を行わずに、プログラム記述が簡素化できる方法を得ることである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、属性:アトリビュートを有する画像要素:セルの集合で構成された背景画面上をプレーヤーが操作するプレーヤーキャラクタが移動する画像表示方法において、前記プレーヤーキャラクタに複数の階層の属性値を設定し、前記背景画の画像要素:セルについて前記プレーヤーキャラクタの階層の属性値に応じて、行動範囲、表示の優先順位などを示す属性値を設定する。そしてプレーヤーキャラクタの属性値と対応する背景画の画像要素の属性値に基づいて画面処理を行うことで、階層構造を有する箇所における個別処理を行うことなく、プレーヤーキャラクタを正しく移動あるいは表示させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を従来技術で挙げた立体構造をもったマップの例で説明する。まず表1〜3のようにマップとPCに意味をもたせる。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
表1および表3は、PCのいる位置によってPCに設定される属性を表している。すなわち、PCが橋より上(この場合は上の道)にいる場合は30が設定され、地面の上(この場合は下の道)にいる場合は10が設定される。
【0027】
表2はセルの属性値で、PCの行動を規制する。属性値の1桁目は通行可能か不可能を表し、0なら通行可能、1なら不可能とする。00は全面的に通行可能、01は全面的に通行不可能を表す。また属性値の2桁目は種類と階層を表し、0は地面または下の道、2は橋または上の道を表す。この場合、階層とは高さを表し、表示の優先順位を示す。20は橋、00は地面を表す。
【0028】
表2と表3は連動しており、各層におけるPCの行動を規制する属性を表2で示してあり、PCの位置関係を表3で示してある。PCが上の道にいる場合は30、地面にいる場合は10と定義する。表2の11はPCの属性が10のときに通行不可を表し、31はPCの属性が30のときに通行不可を表す。
【0029】
以上のように属性を定義しておき、従来技術で見てきた立体交差を本発明の方法で書き換えると、図7に示すようなマップアトリビュートで背景を表す。なお図中、空白部分は00が埋められているとする。PCが地面(下の道)にいるときの属性は10であるから、図8のような動きになる。
【0030】
図中、○は通行可能を表し、×は通行不可能を表している。PCの属性が10のときは上層のマップアトリビュート20や31に影響を受けない。また図9はPCの属性が30のときのPCの動きを表している。PCの属性が30のときは下層のマップアトリビュート11には影響を受けない。ただし、01は全面通行不可能を表すから、下層、上層にかかわらず通行できない。
【0031】
マップアトリビュートは背景を定義するときに同時に設定されるものであるから、プログラム上ではPCがそのセルに来たときにPCの属性とマップの属性をチェックするだけで通行可能かどうかの判定が行える。すなわち、従来例で見てきたようなマップアトリビュートの書き換えやそのつど障害物の属性や種類を判断する必要はない。
【0032】
本発明の属性値の長所は、属性だけでなく、背景の構成物の種類とその階層(高さ)が表せることである。表1に従えば、3X、2X、1X、0Xの順で表示の優先順序が決まっているから、PCが地上にいる場合、すなわちPCの属性が10の場合、橋の下(図8の20の部分)を通過するときには、PCは表示されない。ところが上の道、すなわちPCの属性が30の場合、橋を通過するときには、PCは表示される。プログラムでは、
とする記述するだけでよいから、いたって簡単なプログラムとなる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、マップ(背景)と対応した属性をセル単位で管理でき、属性(アトリビュート)を表す属性値は、背景の構成物の性質のほかに、表示の優先順位や種類等が表現できる。また、属性値は平面的表現された背景に対しても、立体的な表現可能である。プログラミングが簡単になり、処理時間が速くなる。さらに考え方がわかりやすくなっているためにデバッグがしやすく、プログラムの開発時間が大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の家庭用テレビゲーム機の基本ハードウェア構成である。
【図2】従来技術における属性値の機能を説明する図である。
【図3】従来技術における立体交差のあるマップとPCの行動範囲を説明する図である。
【図4】従来技術における立体交差のあるマップとPCの行動範囲を説明する図である。
【図5】従来技術で立体交差のあるマップとPCの行動範囲をプログラミングするときのアルゴリズムを説明する図である(PCが上の道を通過するとき)。
【図6】従来技術で立体交差のあるマップとPCの行動範囲をプログラミングするときのアルゴリズムを説明する図である(PCが下の道を通過するとき)。
【図7】本発明の実施例において、立体交差のあるマップと属性値を示す図である。
【図8】本発明の実施例における、PCの属性とPCの行動範囲を説明する図である(地面上にPCがいる場合)。
【図9】本発明の実施例における、PCの属性とPCの行動範囲を説明する図である(上の道にPCがいる場合)。
【符号の説明】
1 家庭用テレビゲーム機本体
2 外部記憶装置
3 画像表示装置
4 スピーカー
5 インターフェイス(I/F)
6 CPU
7 RAM
8 VDC
9 VCE
10 VRAM
11 PSG
Claims (1)
- 属性値を有する画像要素:セルの集合で構成された背景画面上をプレーヤーが操作するプレーヤーキャラクタが移動する画像処理方法において、前記プレーヤーキャラクタに複数の階層の属性値を設定し、前記背景画の画像要素において前記プレーヤーキャラクタの階層の属性値に応じて行動範囲、表示の優先順位などを示す構造の属性値を設定し、前記プレーヤーキャラクタの属性値と対応する前記背景画の画像要素の属性値に基づいて画面処理を行うことを特徴とする階層変換画像処理方法。
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JP05252396A JP3571452B2 (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | 階層変換画像処理方法 |
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JPH09222881A JPH09222881A (ja) | 1997-08-26 |
JP3571452B2 true JP3571452B2 (ja) | 2004-09-29 |
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Family Applications (1)
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JP05252396A Expired - Fee Related JP3571452B2 (ja) | 1996-02-16 | 1996-02-16 | 階層変換画像処理方法 |
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JP (1) | JP3571452B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
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JP2000153061A (ja) * | 1998-11-19 | 2000-06-06 | Nintendo Co Ltd | ビデオゲーム装置およびビデオゲーム用情報記憶媒体 |
JP2000153062A (ja) * | 1998-11-19 | 2000-06-06 | Nintendo Co Ltd | ビデオゲーム装置およびビデオゲーム用情報記憶媒体 |
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