JP3571094B2 - 薄型トランス - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ICカードサイズ通信インターフェイスなどに使用される面実装タイプの薄型トランスに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のトランスとしては、例えば図5に示すように、端子台20の切欠部21に下部フェライトコア半体22の平板部23を収納させてその下面同士をほぼ面一にし、該下面に接着剤24を塗布して端子台20と下部フェライトコア半体22とを一体化し、また、下部フェライトコア半体22に上部フェライトコア半体25を重ね合わせて一体化するとともに、上部・下部フェライトコア半体25,22の中央脚26,27に偏平コイル28を巻装してなるものが、知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この薄型トランスは、単に端子台20と下部フェライトコア半体22の下面に接着剤24を塗布しただけの構造であるため、接着剤24が下面に突出する。この場合、面実装タイプの薄型トランスは、その下面とプリント基板Bとの間のクリアランスは僅かであるため、接着剤24が突出しないことが好ましい。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑み、接着剤が下面から下方に突出しないようにし、かつ併せて接着剤が流れ出すことを防止し、確実に下部フェライトコア半体と端子台とを接着し得る薄型トランスを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、実装面と対向する端子台6の下面の一部に形成した凹段部状の切欠部9に下部フェライトコア半体1の平板部2を収納させてその下面2a,6a同士をほぼ面一にし、該下面2a,6aに接着剤18を塗布して端子台6と下部フェライトコア半体1とを一体化し、下部フェライトコア半体1に上部フェライトコア半体12を重ね合わせて一体化するとともに、上部・下部フェライトコア半体12,1の中央脚15,4に偏平コイル11を巻装してなる薄型トランスにおいて、接着剤18の塗布箇所に凹部10を形成したことを特徴とする。
【0006】
【作用】
本発明の薄型トランスでは、接着剤19の塗布箇所に凹部10を形成してあるので、この凹部10内に接着剤19が収まり、下面から殆ど食み出さなくなる。したがって、接着剤19が下方に突出することを防止できる。また、塗布した接着剤19は凹部10内に溜り、端子台6と下部フェライトコア半体1の平板部2の下面上に流れ出す虞もなく、確実な接着が期待できる。
【0007】
【実施例】
図3は本発明の薄型トランスの分解斜視図を示している。
同図において、1は断面がほぼE型形状をなす下部フェライトコア半体で、平板部2の両端から上方に延出する両端脚3,3と、平板部2の中央に突出する中央脚4とを備えている。また、両端脚3,3の外側面の両側には凹部5をそれぞれ二箇所形成してある。
【0008】
6はエポキシ樹脂などで成形した矩形状の端子台で、その下部両端に形成した肉厚部6bには複数の端子7をそれぞれ植設してある。これら端子7は、プリント基板に対する面実装を可能にすべく、その先端をL型に折り曲げてある。端子台6は中央部の上面側に角筒状の巻胴8を備えている。なお、6cは引出線引出溝である。また、端子台6の下面6aには、図1に示すように、下部フェライトコア半体1の平板部2と対応する形状の凹段部状の切欠部9を形成するとともに、該切欠部9に隣接させて肉厚部6b側に凹部10を三箇所形成してある。すなわち、一方の肉厚部6b(図中左側)の下面は内側に向かってくの字状に突出しており、その先端中央部に凹部10が一つ形成されている。また、他方の肉厚部6b(図中右側)の下面は長方形をなし、その両側にそれぞれ凹部10が形成されている。
【0009】
再び図3において、11は端子台6の巻胴8の外周に装着する偏平コイルで、自己融着性を有する電線をリング状に巻回し、熱接着または溶剤接着によって各電線を互いに一体化し、かつ治具で上下方向から押圧して偏平にしたものである。
【0010】
12は下部フェライトコア半体1と同形状の上部フェライトコア半体で、平板部13の両端から下方に延出する両端脚14,14と、平板部2の中央に突出する中央脚15とを備えている。また、これら両端脚14,14の外側面には凹部5をそれぞれ二箇所形成してある。16は偏平コイル11と上部フェライトコア半体12の平板部13との間に介装する絶縁フィルムで、その中央部には窓17を形成してある。
【0011】
次に、この薄型トランスの組立方法について説明する。
端子台6の巻胴8の外周に偏平コイル11を装着し、その引出線(図示せず)を引出線引出溝6cを介し、端子台6の各端子7に接続する。
【0012】
また、端子台6の巻胴8の中空部にほぼ対応した形状に形成された下部フェライトコア半体1の中央脚4を嵌入し、端子台6の切欠部9に下部フェライトコア半体1の平板部2を収納させてから、図4に示すように、端子台6の各凹部10内に接着剤18をそれぞれ塗布して端子台6と下部フェライトコア半体1とを互いに固定する。このとき、端子台6の切欠部9の深さは下部フェライトコア半体1の平板部2の肉厚と同じにしてあるので、下部フェライトコア半体1の平板部2の下面2aは、図1に示すように、端子台6の下面6a、つまり肉厚部6bの下面とほぼ面一になる。
【0013】
また、絶縁フィルム16をその窓17を端子台6の巻胴8の中空部に位置決めさせつつ偏平コイル11上に絶縁フィルム16を被せてから、下部フェライトコア半体1に上部フェライトコア半体12をその両端脚3,14同士を当接させて重ね合わせる。このとき、上部フェライトコア半体12の中央脚15が端子台6の巻胴8に嵌入し、その端面が下部フェライトコア半体1の中央脚4の端面に当接するとともに、巻胴8の上端に上部フェライトコア半体12の平板部13が当接する。最後に、図2に示すように、両端脚3,14の各凹部5に接着剤18をそれぞれ塗布して上部・下部フェライトコア半体12,1を互いに固定すればよい。
【0014】
なお、本実施例では、端子台6の下面に凹部10を形成してあるが、この凹部10を、下部フェライトコア半体1の平板部2側あるいは端子台6と下部フェライトコア半体1の平板部2の双方に跨るように形成してもよい。
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、凹部10内に接着剤18が収まり、下部フェライトコア半体1の平板部2と端子台6の下面2a,6aから殆ど食み出さなくなるので、接着剤18が下方に突出することがない。
また、塗布した接着剤が流れ出すことがないため、確実に下部フェライトコア半体1と端子台6とを接着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄型トランスを示す図で、下部フェライトコア半体の端子台に対する組付状態を裏面側から見た斜視図である。
【図2】同薄型トランスの斜視図である。
【図3】同薄型トランスの分解斜視図である。
【図4】図1に示したA−A線による断面図である。
【図5】従来の薄型トランスの縦断面図である。
【符号の説明】
1 下部フェライトコア半体
2 平板部
3 両端脚
4 中央脚
5 凹部
6 端子台
7 端子
8 巻胴
9 切欠部
10 凹部
11 偏平コイル
12 上部フェライトコア半体
13 平板部
14 両端脚
15 中央脚
16 絶縁フィルム
17 窓
18 接着剤
19 接着剤
Claims (1)
- 実装面と対向する端子台(6)の下面の一部に形成した凹段部状の切欠部(9)に下部フェライトコア半体(1)の平板部(2)を収納させてその下面(2a,6a)同士をほぼ面一にし、該下面(2a,6a)に接着剤(18)を塗布して端子台(6)と下部フェライトコア半体(1)とを一体化し、下部フェライトコア半体(1)に上部フェライトコア半体(12)を重ね合わせて一体化するとともに、上部・下部フェライトコア半体(12,1)の中央脚(15,4)に偏平コイル(11)を巻装してなる薄型トランスにおいて、接着剤(18)の塗布箇所に凹部(10)を形成したことを特徴とする薄型トランス。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP33384994A JP3571094B2 (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 薄型トランス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33384994A JP3571094B2 (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 薄型トランス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08172020A JPH08172020A (ja) | 1996-07-02 |
JP3571094B2 true JP3571094B2 (ja) | 2004-09-29 |
Family
ID=18270637
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33384994A Expired - Fee Related JP3571094B2 (ja) | 1994-12-15 | 1994-12-15 | 薄型トランス |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3571094B2 (ja) |
-
1994
- 1994-12-15 JP JP33384994A patent/JP3571094B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08172020A (ja) | 1996-07-02 |
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