JP3570886B2 - スクロール表示装置における画面構成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、高輝度LED(発光ダイオード)などの発光セルを2次元的に配列した発光セルアレイに文字や図形をスクロール表示する装置に関し、とくに、たとえば競馬場にて大画面を構成するのに適した画面構成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
LEDなどの発光セルを一定間隔で縦横に配列したドットマトリクス型の表示パネルが一般に広く普及している。電車内の案内表示や商店の広告表示に使用されている簡便なLED表示パネルでは、限られたサイズの表示パネルに主として文字列をスクロール表示している。例えば16×16ドットで1文字を構成するビットマップ形式の文字列データを順次生成し、例えば縦は16ドットで横は少なくとも16の数倍以上のドット数のドットマトリクス型表示パネルにスクロール表示する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、前記のように横長のドットマトリクス型表示パネルに文字列を横方向に移動表示(スクロール表示)するものにおいて、一度に表示可能な文字数を増やすには、当然ながら表示パネルの横方向のドット数を増やさなければならない。したがって、このような単純な表示パネルの拡大でも相当のコスト増加を伴う。
【0004】
また大サイズの表示を行うべく、縦横に配列した発光セルの間隔を大きくして表示パネルの寸法を拡大したのでは、表示画像が非常に粗くなり、表示品質が著しく低下する。そこで、発光セルの間隔をそれほど増やさずに、発光セルの数を増やすことで表示パネルの寸法を拡大する。一方、32×32ドットで1文字を構成するなど、表示データの精細度を高くする。こうすることで、大サイズで高品質な表示を行える。しかし、これには著しいコスト増加を覚悟しなければならない。
【0005】
また従来のドットマトリクス型表示パネルは、その寸法の大小にかかわらず、多数の発光セルを基板に実装してドライブ回路とともに偏平なパネル型ケースに収まっている。当然ながら、その表示パネルは剛体であり、自由に折り畳んだり(数分割程度は可能かもしれない)、小さく分解したり、縮めたり伸ばしたりするフレキシブルなものではない。ごく小型の表示パネルは全体を持ち運ぶことは容易であるが(商店の広告用表示パネルには可搬型のものもある)、この種の表示パネルの多くは所定の場所に固定的に設置されている。この装置形態が用途拡大のネックになっている面がある。
【0006】
この発明は前述した従来の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、少ない数の発光セルにより大サイズで精細な画像を視認できるスクロール表示装置を提供するとともに、とくに、たとえば競馬場において大画面を構成するのに適した画面構成方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の対象となるスクロール表示装置は、多数の発光セルが小さな一定間隔で直線状に配列されて発光セル列が形成され、多数の発光セル列が前記一定間隔の5倍以上の一定間隔で平行に配列され、各発光セル列のドライブ回路とデータ伝送系で結合されており、各ドライブ回路に画像データを分配するとともに全体を同期制御してスクロール表示を行うための中央制御装置を備え、各発光セル列にその配列順につけた番号をiとし、画像データの各列データに順番につけた番号をjとし、5以上の整数をaとしたとき、中央制御装置は、i列目の発光セル列をj列目の列データで表示ドライブするときに、(i+1)列目の発光セル列を(j−a)列目の列データで表示ドライブするように、各発光セル列に対して画像データを分配するように構成されている。
【0008】
この発明に係る画面構成方法は、上記の構成を備えたスクロール表示装置において、前記発光セル列と前記ドライブ回路とを実装した棒状表示器を多数本設け、各棒状表示器の下端部を地面に埋め込んで垂直に立設し、各棒状表示器をその正面を揃えて一定間隔で平行に配列することを特徴とするものである。
【0009】
【作用】
ここでは、この発明が採用している残像効果で補間されたスクロール画像を視認させる原理について説明する。
【0010】
前記の「従来の技術」の項で説明した一般的なドットマトリクス型表示パネルを想定する。縦は16ドットで横は128ドットの横長の表示パネルとする(もちろん縦横のドット間隔は等しい)。縦の16ドットを発光セル列と呼ぶこととすると、この表示パネルは128本の発光セル列が等間隔に配列されたもので、その間隔は縦のドット間隔と等しい。そして、16×16ドットで1文字を構成したビットマップ形式の文字列の画像データをこの表示パネルに順次供給して横方向に移動するスクロール表示を行う。この例では同時に8文字を表示可能で、スクロール速度としては毎秒4文字とする(これは通常より相当速いスクロールである)。
【0011】
前記の表示パネルにおいて、発光セル列を等間隔に5本に1本だけ活かし、他の4本は隠して見えないようにする。つまり、発光セル列の1本目を活かし、2本目から5本目までは隠し、6本目は活かし、7〜10本目までは隠し、11本目を活かす。以下同様にして16本目、21本目、26本目というように、各発光セル列にその配列順に付けた番号をmとし、nを整数としたとき、m=5n+1で表わされる合計25本の発光セル列を活かし、他の103本の発光セル列をマスクして見えなくする。この状態で通常通りに文字列をスクロール表示する。5本に4本の割り合いで発光セル列が隠されているのに、人はスクロール文字を視認することができるのである。このことを確認して本発明がなされた。
【0012】
マスクをしていない通常の状態では、1文字は16本の発光セル列(16×16ドットの発光セル・マトリクス)で表示されるのであるが、マスクをしたのに相当するこの発明においては、16本のうちの3本しか見えない。したがって、ある瞬間でとらえると、間隔が大きくあいた3本の表示では到底文字を認識することができない。しかし、ある速度以上でスクロール表示すると、はっきりと文字として認識できるのである。もちろん16×16ドットで構成された文字の品位で認識される。
【0013】
たとえば、16個の発光セルを小さな一定間隔d1で直線状に配列して発光セル列を構成し、この発光セル列を25本用意して前記d1の5倍の間隔で平行に配列する(a=d2÷d1=5となる)。そして、16×16ドットで1文字を構成したドットマトリクス形式の文字列の画像データを用意し、この画像データの各列のデータを順番に前記各発光セル列にそれぞれ供給して表示ドライブする。このとき同時に、つぎのような時間的な制御を行う。多数の前記発光セル列にその配列順につけた番号をiとし、前記画像データの各列データに順番につけた番号をjとし、i列目の前記発光セル列をj列目の前記列データで表示ドライブするときに、(i+1)列目の前記発光セル列を(j−5)列目の前記列データで表示ドライブするように、各発光セル列にそれぞれ供給する列データ間に時間差をもたせるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施例によるデータ伝送系を図1に示している。この例では16個のLED1を小さな一定間隔d1で直線状に配列して多数の発光セル列A1、A2、A3、…を設け、各発光セル列A1、A2、A3、…を前記d1の5倍の間隔d2で平行に配設する。
【0015】
各発光セル列Ai(i=1、2、3、…)には16ビットのドライブ回路DSiが付帯している。ドライブ回路DSiは、16ビットのシフトレジスタとラッチドライバを一体化したものである。また各ドライブ回路DSiには16×5=80ビットのシフトレジスタSRiが付帯している。i列目のシフトレジスタSRiの出力端子OUTがつぎのi+1列目のシフトレジスタSRi+1の入力端子INに接続されており、全列のシフトレジスタが直列につながっている。また各列の出力端子OUTはドライブ回路DSiの入力inにもつながっている。
【0016】
初段のシフトレジスタSRiの入力端子INは中央制御装置2の画像メモリ3のデータ出力につながっており、また、このデータ伝送系全体が中央制御装置2のタイミング発生回路4からのクロックに同期してつぎのように動作する。
【0017】
16×16ビットで1文字を構成したビットマップ形式の文字列の画像データが画像メモリ3に用意されているものとする。その画像データの各縦列の16ビットのデータを列データと称し、各列データに順番にD1、D2、D3、…という番号をつける(一般項をDjと表記する)。
【0018】
中央制御装置2は、画像メモリ3から各列データの順番で直列にデータを読み出して、直列接続された各シフトレジスタSRi列に直列に入力していく。各シフトレジスタSRiは16×5=80ビットの遅延回路として作用し、各列データDjが入力端子INに供給されてから5列分だけ遅延されてドライブ回路DSiに入力される。タイミング発生回路4は、列データの16ビットを画像メモリ3から読み出すごとに、全ドライブ回路DSiに一斉にラッチ信号を供給する。つまり、画像データの各列のデータを順番に各列のドライブ回路に供給して発光セル列の16個のLED1をドライブ回路にラッチされた16ビットの列データに従って表示ドライブする。
【0019】
このとき同時に、シフトレジスタSRiのデータ遅延作用により、つぎのような時間的な制御が行われる。i列目の発光セル列Aiをj列目の列データDjで表示ドライブするときに、(i+1)列目の発光セル列Ai+1は(j−5)列目の列データDj−5で表示ドライブされる。このように、各発光セル列にそれぞれ供給する列データ間に5列分の時間差をもたせるのである。
【0020】
以上の実施例における発光セル列Aiと列データDjの関係を図2に模式的に示している。1文字が16×16ドットで構成された「マル」という2文字のビットマップ形式の画像データの流れと、6本の発光セル列AiからAi+5とを重ねて表現している。データのドットとLED1のドットとが重なった部分は黒丸で示しているが、この黒丸のLED1が発光する。「作用」の項で説明したのと同様に、16本の列データで構成される1文字のデータのうち、3本の列データのみが3本の発光セル列にて表示されるが、他の13本の列データはまったく表示されない。しかし、例えば毎秒4文字の速度でスクロール表示制御を行うことで、これを観察する人は16×16ビット構成の文字として認識する。
【0021】
以上の実施例は、画像データを遅延ラインとしてのシフトレジスタ列に順に流して、各発光セル列にて相互に一定の時間関係にある列データをピックアップして表示ドライブする構成となっている。この発明はこのような回路方式に限定されるものではない。
【0022】
例えば、マイクロコンピュータにより画像メモリから16ビットの列データを1ワードとして読み出すようにし、表示ドライブの1周期内に各列のドライブ回路にそれぞれ所定の列データを転送してラッチするように構成し、前記実施例と同じデータの流れの時間関係を容易に作り出すことができる。このように表示ドライブの1周期ごとに画像メモリから各ドライブ回路に各列データを分配する回路方式を採用する場合、画像データに動画像の要素を含めることができる。つまり、画像メモリから各ドライブ回路にデータを分配する処理と並行的に、画像メモリのデータを書き換える処理を実行して、画像データに時間的変化を与えることで、スクロール表示される画像を動画的に変化させることができる。
【0023】
このタイプの実施例を図5のブロック図と図6のフローチャートに示している。図5に示すように、16個のLED1を小さな一定間隔d1で直線状に配列してn個の発光セル列A1、A2、A3、…Anを設け、各発光セル列A1、A2、A3、…Anを前記d1の例えば10倍の間隔d2で平行に配設する。各発光セル列Ai(i=1、2、3、…n)には16ビットのドライブ回路DSiが付帯している。ドライブ回路DSiは、16ビットのシフトレジスタ51と、16ビットのラッチ回路52と、16ビットのドライバ53を一体化したものである。合計n個のドライブ回路DSiの各シフトレジスタ51が直列接続されており、全体で(16×n)ビットのシフトレジスタが構成されている。
【0024】
中央制御装置2の画像メモリ3には、縦16ビットで横は自由な大きさのビットマップ形式の画像データが格納されている。その画像データの各縦列の16ビットのデータを列データと称し、各列データに順番にD1、D2、D3、…という番号をつける(一般項をDjと表記する)。また、画像メモリ3は1ワード=16ビットの構成で、アドレスjに列データDjが格納されているものとする。
【0025】
中央制御装置2のプロセッサ54が以下のようにして画像メモリ3をリードアクセスする。画像メモリ3から16ビット並列に読み出される列データDjは並列/直列変換用のシフトレジスタ55を介して直列になり、前述のようにn個の16ビットシフトレジスタ51が直列になった(16×n)ビットシフトレジスタに入力される。この(16×n)ビットシフトレジスタに中央制御装置2からn列分の列データを直列入力することで、n個の16ビットシフトレジスタ51にそれぞれ16ビットの列データを与えたことになる。この時点で中央制御装置2から各ドライブ回路DSiにラッチ信号を与え、シフトレジスタ51のデータをラッチ回路52に移し、そのデータによりドライバ53で各LED1を駆動する。同時に各シフトレジスタ51のデータを更新する。以上の動作を繰り返すことでスクロール表示が行われる。
【0026】
中央制御装置2におけるプロセッサ54のによる画像メモリ3のリードアクセスの制御手順を図6のフローチャートに示している。最初のステップ601ではスタートポインタPを0にし、つぎのステップ602ではアドレスポインタjにスタートポインタPの値を移す(この説明の段階ではj=P=0となる)。また、ステップ603で列カウンタCを0にする。
【0027】
つぎのステップ604で、アドレスポインタjが示すアドレスjで画像メモリ3をリードアクセスし、読み出した列データDjを前記のように直列にして転送する。つぎのステップ605ではアドレスポインタjに10を加算する。この実施例では16個のLED1を小さな一定間隔d1で直線状に配列してn個の発光セル列A1、A2、A3、…Anを設け、各発光セル列A1、A2、A3、…Anの列間隔d2を各列中の前記セル間隔d1の10倍として平行に配設している。前記のアドレスポインタjの加算値10は、d2÷d1=10に対応している。
【0028】
つぎのステップ606で列カウンタCに1を加算し、つづくステップ607で列カウンタCの値が最終値nに達したか否かをチェックする。C=nになるまではステップ604に戻り、ステップ605で更新したアドレスポインタjに従って画像メモリ3をリードアクセスする。C=nになれば、n個のシフトレジスタ51にそれぞれ列データを分配したことになる。この場合はステップ608に進んで前述のようにラッチ信号を発生する。
【0029】
つぎのステップ609ではスタートポインタPに1を加算し、表示しようとする画像をスクロール方向に1単位だけ進めるための準備をする。つぎのステップ610では、スタートポインタPの値が表示しようとする画像の端を示す値MAXに達したか否かをチェックする。P=MAXになるまではステップ602に戻り画像のスクロールを進め、P=MAXになるとステップ601に戻って画像のスクロールを最初からやり直す。
【0030】
各発光セル列の配列が必ずしも平行ではなく、必ずしも一定間隔に配列されていない場合を想定すると、つぎのような一般的な制御方式で画像メモリのデータを読み出して各発光セル列にデータを分配することでスクロール表示を実現できる。つまり、(m×w)ドットの画素構成と見なしている前記仮想表示領域に前記画像データを仮想的に展開するとともにn本の前記各発光セル列の配列パターンを仮想的に重ね合わせ、それぞれの発光セル列のm個の各セルの位置にそれぞれ重なるmドット分のデータを前記メモリから抽出して該当の前記発光セル列の駆動回路に供給するのに相当するデータ抽出操作を行い、また、前記仮想表示領域に展開する前記画像データの位置をスクロール方向に少しずつ移動させながら前記のデータ抽出操作を繰り返す。
【0031】
つぎに、この発明に係るスクロール表示装置における画面構成方法の一実施例について説明する。
【0032】
例えば競馬場において、表示装置を中央フィールド(内馬場)に設置してスタンドの観客に向けて前述のスクロール表示を行う。この実施例の概略を図3に示している。この場合、高輝度のLED集合ランプなどの発光セル1を10センチメートル間隔で64個直線状に配列した全長7メートル程度の棒状表示器10を多数設ける。この棒状表示器10の下端部を地面に埋め込んで垂直に立設する。23本の棒状表示器10を50センチメートル間隔で平行に配設し、全体が1つの平面をなすように配置する。もちろん、各棒状表示器10の正面(発光セル列のある面)をスタンドに向けて揃える。こうすると縦6.4メートル×横11.5メートルの巨大サイズの画面が構成でき、この画面に縦64ドット×横1150ドットの品位の画像をスクロール表示できる。表示サイズが巨大であるにも係わらず、装置の主体は23本の棒状表示器10からなり、その運搬、設置、撤去も非常に簡単であり、設置状態で風圧をあまり受けないので、設置強度をそれほど大きくしなくても良い。もちろん、装置価格が従来のドットマトリクス型の表示パネルに比べて大幅に安くなる。
【0033】
つぎの例はもっと小型の表示装置である。図4にその使用例を示している。これは、自動車に常時積んでおいて事故発生時などに後続車に異常を知らせる表示装置である。多数(16個または32個)のLEDを小さな一定間隔d1で直線状に配列してなる全長40センチメートル程度の棒状表示器20を多数設け(16本)、これら棒状表示器20をリンク機構21により結合し、各棒状表示器20を前記d1の数倍以上の一定間隔d2で平行に配置させる伸長状態(図の状態)と、各棒状表示器20を密に集積する収縮状態とに折り畳み自在に構成している。図示例では「故障注意」という文字列をスクロール表示している。これを折り畳めば自動車のトランクに容易に収納できる大きさになる。d1を1センチメートル、d2を5センチメートルとすれば、使用状態では横幅が75センチメートルの大きさの表示画面が形成される。1本の棒状表示器20の幅を1センチメートルとすれば、折り畳み状態では全体の横幅を18センチメートル程度まで小さくできる。
【0034】
また図7(a)に示すように、フレキシブルな長い帯状のシート70に各棒状表示器20を大きなほぼ一定間隔でほぼ平行に配置して取り付けたり、また図7(b)に示すように、各棒状表示器20を大きなほぼ一定間隔でほぼ平行に配置して複数本の紐状体71で相互に連結した装置構成を採れる。この場合は、ビルの屋上から壁面に沿って棒状表示器の平行列を垂れ下げたり、あるいは壁面に沿って水平方向に広げて、広告や案内メッセージを表示するなどの用途が考えられる。この場合の特徴は、不必要なときには装置を小さくまるめて倉庫に保管しておき、必要なときに必要な場所で広げて大サイズ(長尺)の画面を形成し、前記のスクロール表示を行うことができることである。
【0035】
すでに繰り返し述べたように、各発光セル列の配列は必ずしも平行でなくてもよく、また各列の間隔も必ずしも一定でなくてもよい。例えば図8(a)に示すように、各発光セル列Aがほぼ平行に配列されていて、これら各列A間の間隔は場所により異なる形態も採り得る。また図8(b)(c)に示すように、各発光セル列Aの一部または全部がほぼ放射状に配列されている形態も採り得る。また図8(d)に示すように、各発光セル列Aの一部または全部がほぼ三角波状に配列されている形態も採り得る。したがって、ビルディングの壁面やトラス橋の鉛直材や斜材などにこの発明のスクロール表示装置を設置する場合に、棒状表示器の取り付け位置や間隔がさまざまな要因で制約を受けたとしても、原理的にこの発明のスクロール表示方法を実施可能である。
【0036】
図1の実施例においては、1本の発光セル列中のセル間隔d1と各発光セル列の配列間隔d2との比(d2÷d1)は5であった。また図3の実施例においては(d2÷d1)=10であった。(d2÷d1)の値が大きいほど装置を構成する発光セルの数が少なくなり、この発明によるコスト低減効果が大きくなる。この点においては、(d2÷d1)の値が2程度と小さくても、従来の表示装置に比べて明らかなコスト低減効果が認められる。
【0037】
【発明の効果】
この発明の対象となるスクロール表示装置によれば、少ない数の発光セルにより大サイズで精細な画像を視認可能なスクロール表示を行うことができ、さまざまな状況下でさまざまな装置形態でこのスクロール表示を実施できる。いずれの場合も従来のドットマトリクス型表示パネルに比べ、精細な表示性能や表示サイズの大きさから見て大幅に装置価格を安くすることができる。
【0038】
この発明の画面構成方法を適用した具体的な装置形態として、多数の発光セルを小さな一定間隔で直線状に配列してなる棒状表示器を多数設け、これら棒状表示器を空間内において大きな一定間隔で平行に配設する構成を採用した場合、巨大サイズの表示を行うにも装置の設置や撤去がきわめて簡単であり、また風圧などの影響をほとんど受けない装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスクロール表示装置におけるデータ伝送系の一実施例を示すブロック図である。
【図2】この発明のスクロール表示装置の原理的な説明図である。
【図3】この発明による画面構成方法を適用した競技場の大画面スクロール表示装置の概略外観図である。
【図4】この発明に類似した原理の別の装置形態を示す概略図である。
【図5】この発明のスクロール表示装置におけるデータ伝送系の他の実施例を示すブロック図である。
【図6】図5の実施例における画像データ読み出し処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図7】この発明に類似した原理の別の装置形態を示す概略図である。
【図8】この発明に類似した原理の別の装置形態を示す概略図である。
【符号の説明】
1 発光セル
2 中央制御装置
3 画像メモリ
4 タイミング発生回路
10、20 棒状表示器
51 シフトレジスタ
52 ラッチ回路
53 ドライバ
70 シート
80 紐状体
DSi ドライブ回路
SRi シフトレジスタ
Ai 発光セル列
Dj 列データ
Claims (1)
- 多数の発光セルが小さな一定間隔で直線状に配列されて発光セル列が形成され、多数の発光セル列が前記一定間隔の5倍以上の一定間隔で平行に配列され、各発光セル列のドライブ回路とデータ伝送系で結合されており、各ドライブ回路に画像データを分配するとともに全体を同期制御してスクロール表示を行うための中央制御装置を備え、各発光セル列にその配列順につけた番号をiとし、画像データの各列データに順番につけた番号をjとし、5以上の整数をaとしたとき、中央制御装置は、i列目の発光セル列をj列目の列データで表示ドライブするときに、(i+1)列目の発光セル列を(j−a)列目の列データで表示ドライブするように、各発光セル列に対して画像データを分配するスクロール表示装置における画面構成方法であって、
前記発光セル列と前記ドライブ回路とを実装した棒状表示器を多数本設け、各棒状表示器の下端部を地面に埋め込んで垂直に立設し、各棒状表示器をその正面を揃えて一定間隔で平行に配列することを特徴とする画面構成方法。
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