JP3570721B6 - 組換えdnaからの高タンパク質産生のための方法および組成物 - Google Patents

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発明の分野
本出願は概して組換え遺伝子の発現の分野に関する。
発明の背景
組換え遺伝子の発現によって、タンパク質産生を最大化するために改良される方法論は、当該分野における進行中の努力である。生物学的に活性なタンパク質の組換え発現を、商業的に有用な量でこららのタンパク質を産生するために最大化する方法論を開発することが、特に重要である。原核生物宿主、代表的には、細菌の宿主細胞系は組換えタンパク質を大量に生じさせ得ることを証明してきたが、これらの宿主は、タンパク質をグリコシル化する能力を欠くこと、タンパク質からの「プレ」または「プレプロ」配列の非効率的な切断(例えば、非効率的な翻訳後修飾)、および一般的に、タンパク質分泌能を欠くことなどを含む多くの不利益をこうむっている。その結果、当該異分野は哺乳動物タンパク質産生のための真核生物宿主系、代表的には哺乳動物宿主細胞系を追求した。このような系の特徴の1つは、産生されたタンパク質が天然のタンパク質種に非常に似た構造を有し、そしてタンパク質が生物学的に活性な形態で培養培地中に分泌されるので、しばしば精製がより容易なことである。
しかし、哺乳動物培養系において、なお多くの問題が存在する。特に、哺乳動物の系では、代表的には高いレベルでの産生が容易には得られない。さらに、真核生物宿主細胞は、代表的にはより厳密な培養のための要求性を有し、そしてより遅い増殖速度を有する。このように、組換えタンパク質の大量産生には、単に発現ベクターでトランスフェクトした宿主細胞を培養する以上のことが要求される。このことは、目的遺伝子が発現の乏しい(例えば、天然、生理的条件下で、産生量が豊富でない、および/または一時的にのみ産生される)タンパクをコードする場合特に真実である。代表的には、これらのタンパク質の遺伝子は、複数レベルの調節を、しばしば発現系の1つまたはそれ以上のレベルで(例えば、転写レベルで、翻訳レベルで、翻訳後修飾レベルで、分泌および/または活性化レベルで)、有する。代表的には、これらの遺伝子は、増幅されない不死化細胞に安定に組み込まれた場合、約10〜100ngタンパク質/106細胞/ml未満を産生する。これらのタンパク質の産生の最大化は、これらのレベルの調節を回避する手段を同定することを意味する。
増強されたタンパク質産生を達成するためのアプローチの一つは、一過性細胞発現系を使用することであり、ここで細胞を、宿主細胞ゲノムに組み込まれないと予想される、コピー数の高いプラスミドを用いてトランスフェクトする。一過性細胞発現系において使用されるプラスミドはまた、トランスフェクション後の複製の間のコピー数をさらに増強するように修飾され得る。トランスフェクション事象によって、代表的にはこれらの細胞の寿命は数世代のみに限られるが、細胞が生存している間に、妥当な量の所望のタンパク質が産生され得る。一過性細胞系は短命であるので、これらは商業的産生系のために選択されるべき細胞系ではない。一過性細胞系は、不死化した、構成的な細胞系の開発のための一部分として、候補となるプラスミドまたは他のベクター構築物をスクリーニングするためにしばしば使用される。しかし、一過性細胞系は短命であるので、特定のベクター構築物の長期生産性(または、一旦組み込まれた際の、多世代後の細胞の生存性に対する効果)を、確実には決定され得ない。従って、多くのプラスミド構築物は、一過性細胞系では生産系であるものの、樹立細胞系においては有用ではないとされてきた。これは樹立細胞系が作製されるまでは、一般的に決定され得ない事象である。
当該分野が、真核生物宿主系における組換え遺伝子発現を増強するために、まず焦点を当てた2つの別の方法は、遺伝子のコピー数を増強すること(代表的には遺伝子の増幅によって)、および各々の遺伝子コピーの発現の効率を増強することである。遺伝子コピー数を増強するための最も一般的な方法は、遺伝子増幅について選択することによるものである。ここで宿主細胞を、結合した、または結合していない、一方は所望のタンパク質をコードしており、他方はジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)などの増幅可能な選択マーカーをコードしている2つの遺伝子を用いて形質転換する。形質転換された細胞を、その効果が選択マーカー遺伝子の発現によって無効にされ得る、毒性の薬剤の増加する濃度の存在下で(例えば、増幅マーカーがDHFRである場合、メトトレキセート)培養される。毒性の薬剤の高濃度に応答して、選択マーカー遺伝子、および幸運にも所望のタンパク質の遺伝子のコピー数を増幅したので、細胞は生存する。この方法論を用いて、細胞あたり数百および数千のコピー数が達成されてきた。
遺伝子の増幅は有用であると証明されたが、この方法論は、商業的生産にに関するいくつかの不利益をこうむっている。例えば、遺伝子増幅のみによる高産生能の細胞系の産生は(例えば、目的遺伝子を数千コピー有する)、完了するために6ヶ月〜10ヶ月の間を要する時間のかかる工程である。さらに、非常に高いコピー数では、細胞内のそれぞれの遺伝子コピーについてのヌクレオチド配列がもとのままであることの保証は、困難または不可能である。従って、タンパク質産物の生物学的活性を改変し得る点突然変異および他の配列の修飾が検出されない可能性があり、さらに関係官庁(例えば、FDA)の規制の承認問題を生じさせ得る。さらに、このような高いコピー数を維持することは、培養培地中に高レベルの毒性の薬剤を維持することによる選択圧を維持することを要求する。これは高価であり、また培養培地から目的のタンパク質を精製するときに新たな規制問題を呈する。結局、そしておそらく最も重要なことに、遺伝子が複数の発現制御を有する場合、DNAのコピー数を単に増加することでは、タンパク産生を増強するために不十分であり得る。
組換えDNAの発現を増強する1つの方法は、発現エフェクター分子をコードする1つまたはそれ以上の遺伝子による。エフェクター分子の中で当該分野において公知であるのは、異種遺伝子の転写を刺激し得るトランス作用性転写アクチベーターである。例は、異種遺伝子の特定のウイルスプロモーター(サイトメガロウイルス(CMV)の主要中間初期(major intermidiate early)(MIE)プロモーターを包む)に作用し得るシミアンウイルス(SV40)T抗原ならびにアデノウイルスE1AおよびE1Bタンパク質を含む。このトランス活性化活性を有することが報告される他の分子は、ヘルペスウイルスの即時(immediate early)タンパク質、C−mycならびにヒトおよびサル(simian)後天性免疫不全ウイルスの遺伝子を包含する。
哺乳動物タンパク質産生に効果をもたらし得る他のウイルス遺伝子は、ウイルス翻訳調節エフェクターである。例は、VA遺伝子(VA1およびVA2)などのアデノウイルスにコードされるRNA配列を含む。このような配列は、翻訳開始を援助する事によって、おそらく1つまたはそれ以上の翻訳開始因子と会合することによって、タンパク質産生を援助すると考えられている。他の配列は、mRNA転写産物の安定性を増強し得るRNA配列を含む。
Cockettら((1990)Nucleic Acids Reserch 19:319−325およびEP出願第378,382号)は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞における組換えタンパク質発現のために、遺伝子増幅の別法としてのアデノウイルスE1A遺伝子の使用を記載し、ここで目的の遺伝子は、CMVプロモーターの制御下にある。産生されるタンパク質レベルは、遺伝子増幅により達成可能なレベルに近づくことが主張され、それによって遺伝子の増幅を必要としない。さらに、著者らは、目的の遺伝子を発現する増幅された細胞系にE1A遺伝子を導入する場合、タンパク質産生性に実質的な増加を何ら認めていない。
米国特許第5,024,939号は、連続的な産生細胞系を確立する必要なく1〜14日で、「有用な」量の所望の遺伝子産物を産生する非増幅型一過性細胞発現系を記載する。著者らは、E1A発現細胞(「293」細胞)を、CMVプロモーター制御下で目的の遺伝子を有する多数のプラスミドでトランスフェクトし、そして細胞の短い生存期間についての、これらの細胞内での増加したタンパク産生を示す。293細胞のアデノウイルスVA1遺伝子とのコトランスフェクションは、これらの細胞内で産生されるタンパク質の量を倍増するようである。
本発明の目的は、組換えDNA技術による発現の乏しい遺伝子のタンパク質産生を増強するための方法を提供することである。本発明の別の目的は、商業的活用に適切な不死化細胞系(ここで、細胞は目的の遺伝子で安定にトランスフェクトされ、そして目的の遺伝子を構成的に発現し得る)、およびこれらの細胞系を生成する方法を提供することである。本発明のさらなる別の目的は、細胞系およびそれらを作製する方法を提供することある。ここでの細胞系は高い組換えタンパク質産生性を示すが、タンパク質をコードする組換えDNA配列の細胞当たりの低コピー数を維持する。本発明のさらなる別の目的は、低血清または無血清培地での増殖に適応し得る細胞系を提供することである。
重要なことに、本発明の別の目的は、不死化された、安定にトランスフェクトされたCHO細胞系の培養物から商業的に適切な量の形態形成タンパク質を産生する方法を提供することである。
本発明のこれらおよびその他の目的および特徴は、以下の記載、図面、および請求の範囲から明らかとなる。
発明の要旨
「低発現」または「発現が乏しい」遺伝子の発現のための特定の適応性を有する組換えタンパク質産生の方法論における改良が、今や発見された。本発明の結果、産生が困難なタンパク質の商業的規模での生産量を、今や安定にトランスフェクトされた構成的に発現する真核細胞から得ることができる。さらに、本発明によって教示された細胞系は、タンパク質をコードする組換えDNA配列の細胞当たりの低いコピー数を維持しながら、高い組換えタンパク質産生性を示す。本発明の細胞系はまた、細胞増殖またはタンパク質産生性を損なうことなく、低血清または無血清培地中でさえ増殖するように順応させられ得る。
本発明は、目的の遺伝子、および目的の遺伝子の発現をもたらしし得る少なくとも1つの、好ましくは2つのウイルス起源の発現エフェクター遺伝子を用いた不死化真核細胞の多重トランスフェクション、トランスフェクションされたDNAが安定に細胞ゲノムに組み込まれるような適切な選択条件下でトランスフェクとされた細胞を培養する工程、および「回分(batch)」または「期間(terminal)」細胞培養において増殖する細胞について、対数期後に、少なくとも1μgタンパク質/106細胞/mlを発現するクローンを選択する工程を包含する。好ましい実施態様において、クローンは少なくとも5μgタンパク質/106細胞/mlまたは10μgタンパク質/106細胞/mlを発現する。当業者に認識されるように、より高いタンパク質産生性を、例えば細胞増殖または細胞数を増強するために培養条件を修飾することにより得ることができる。別の好ましい実施態様において、目的の遺伝子は遺伝子を増幅するための手段とともにコトランスフェクトされ、そして細胞は遺伝子増幅を誘導する選択条件下で培養される。遺伝子増幅のための任意の手段が有用であることが意図されるが、現在好ましい遺伝子増幅の手段は、増幅可能な選択マーカー(例えば、DHFRまたはアデノシンデアミナーゼなど)をコードする遺伝子を、転写単位に作動可能に結合してのコトランスフェクションによる。最も好ましくは、増幅可能な選択マーカー遺伝子は、目的の遺伝子を有する同じ核酸上、またはベクター上に存在する。
本発明の方法は単細胞に関して記載されるが、当業者に認識されるように、これはただ記載簡便のためであり、そしてこの方法は多数の細胞を用いて最も効率的に実行される。
本明細書中で使用する用語「ベクター」は、目的のヌクレオチド配列を包み、宿主細胞にとり込まれ得、宿主細胞ゲノムと再結合して組み込まれる任意の核酸を意味することが理解される。このようなベクターは、直鎖状核酸、プラスミド、ファージミド、コスミドなどを包含する。
本明細書中で使用される用語「遺伝子発現」は、目的のDNA配列によってコードされるタンパク質産物の産生を指すことが理解され、DNA配列の転写およびmRNA転写産物の翻訳を包含する。
本明細書中で使用される「発現量の乏しい遺伝子」は、例えば、RNAポリメラーゼによりmRNA転写産物を生成するように作用され、容易には発現されず、増幅されない安定に組み込まれた不死化真核生物宿主細胞系において低レベル(例えば、10〜100ngタンパク質/106細胞/ml未満)が産生され、増幅される細胞において、約100〜1000ngタンパク質/106細胞/ml未満が産生される遺伝子配列を示すことが理解される。例えば、高度に増幅された真核細胞は、宿主細胞のゲノム中に安定に組み込まれ、そして強いプロモーター/エンハンサー単位と作動可能に結合した目的の遺伝子の、約1000またはそれ以上のコピーを含むように十分にサブクローン化されたトランスフェクトされた細胞である。
代表的には、発現の乏しい遺伝子の例は、天然に生じる条件下でその発現が高度に調節される遺伝子である。このような遺伝子の例は、タンパク質ホルモン、第VIII因子、TPA(組織プラスミノーゲン活性化因子)、および組織形態形成物質または形態形成タンパク質と呼ばれるタンパク質の分類(PCT/US92/07432号(WO93/05751号);またはPCT/US93/08808号を参照のこと)を包含する。発現の乏しい遺伝子は、発現の1つまたはそれ以上のレベル(例えば、転写、翻訳、翻訳後修飾、分泌および/またはタンパク活性化のレベル)で高度に調節されることで特徴付けられる。
実質的なタンパク質産生を得ることが困難である別の分類の遺伝子は、非天然性の、生合成的な、もしくは人工的な遺伝子(合理的な設計により作製された遺伝子など)を含み、そしてこれらは宿主発現系が不慣れであり、効率的なタンパク質産生を制限し得るあるいは妨げ得る1つまたはそれ以上の非天然性のDNA配列および/またはRNA配列あるいは構造構造を包む。天然では生じないこのような人工的な配列の例には、一本鎖結合部位分子(当該分野において「BABS」「生合成的抗体結合部位(biosynthetic antibody binding site)」分子と呼ばれる)があり、ここでL鎖およびH鎖は単一のDNA配列中にコードされ、ポリペプチドリンカーをコードする配列により結合される(例えば、米国特許第5,132,405号および第5,091,513号を参照のこと)。今日までに、何が制限する工程またはこれらの遺伝子の効率的発現における工程であるのかは確かではない;このような制限は非効率的な分泌を含み得る。
本発明の好ましい実施態様において、目的の遺伝子は、USSN 08/091,395号、およびPCT/US92/01968号(WO92/15323号)、またはPCT/US92/07432号(WO93/05751号)、またはPCT/US93/08808号(これらの開示は本明細書中に参考として援用される)において定義される、形態形成タンパク質と呼ばれるタンパク質の分類のメンバーをコードする。本発明により意図されるこれらの形態形成タンパク質は、OP1、OP2、OP3、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP9、DPP、Vg1、Vgr、60Aタンパク質、GDF−1、GDNF、dorsalin−1,およびインビボで実質的にこれらのタンパク質の形態形成活性を変化させないそのアミノ酸配列変異体からなる群を包含するが、それらに限定されない。これらの明細書中で定義されるように、タンパク質のこの部類のメンバーは、天然に生じる組織により要求されるような、任意の血管壁形成、または結合組織形成を含む、新たな器官特異的組織の形成で完結する細胞または分子の事象の発生カスケードを誘導し得ることで特徴付けられる。特に、形態形成物質は、形態形成的に許容性の環境下における、以下の生物学的機能の全てを誘導し得る:(1)前駆細胞の増殖刺激;(2)前駆細胞の分化刺激;(3)分化細胞の増殖刺激、および(4)分化細胞の増殖および維持の支持。特定の実施態様において、このタンパク質は、骨組織形態形成の全発生カスケードを誘導し得、これは間充織細胞の移動および増殖、軟骨細胞の増殖および分化、軟骨マトリックス形成および石灰化、血管浸潤、骨芽細胞増殖、骨形成、骨改造作用、および造血骨髄分化を包含する。
これらのタンパクをコードする遺伝子配列および種々のゲノムからのこれらの単離についての記載は以下のように当該分野に開示される:OP1(米国特許第5,011,069号;Ozkaynakら(1990)EMBO J. :2085−2093、およびUSSN 07/841,646 1992年2月21日出願、現在米国特許第5,266,683号として発行;OP2(Ozkaynak(1992)J.Biol. Chem. 267:25220−25227およびUSSN 07/841,646号);BMP2、3、4(Wozneyら(1988)Science 242:1528−1534);BMP5、6(Celesteら(1991)PNAS 87:9843−9847);BMP9(WO93/00432号,1993年1月7日発行);GDF−1(Lee(1991)PNAS 88:4250−4254);DPP(Padgettら(1987)Nature 325:81−84);Vg−1(Weeks(1987)Cell 51:861−867);Vgr−1(Lyonsら(1989)PNA S 86:4554−4558);60A(Whartonら(1991)PNAS 88:9214−9218);GDNF(Linら(1993)Science 260:1130−1132)およびDsl−1(dorsalin−1,Baslerら(1993)Cell 73:687−702)、これらの開示は本明細書中で参考として援用される。
遺伝子配列は、未成熟翻訳産物をコードし、これは分泌シグナル配列および「プロ」ドメインを含む。両者は切断され、タンパク質種によって約135〜145アミノ酸のポリペプチド鎖を放出する。この分類のメンバーは、C末端側の102〜106アミノ酸内の、顕著なアミノ酸相同性(例えば、少なくとも70%相同性)により部分的に特徴付けられ、これはC末端配列における、直線的配置が実質的に保存された7つのシステインを含む。
代表的には、タンパク質はジスルフィド結合したダイマーとして分泌され、さらに切断されたプロドメインの1つまたはそれ以上のコピーとの非共有的会合により生理的条件下で可溶性になる。これらのタンパク質および、それらの生理的形態の詳細な記載は、USSN 08/040,510、1993年3月31日、に開示されており、この開示は本明細書中に参考として援用される。
形態形成物質は、還元されたとき不活性であるが、酸化されたホモダイマーとして、および本発明の他の形態形成物質と組み合わせて酸化されたとき、活性である。従って、本明細書中で定義されるように、形態形成物質は一対のポリペプチド鎖を含む二量体タンパク質であり、ここでそれぞれのポリペプチド鎖は、成熟OP1ポリペプチド配列のC末端側96アミノ酸によって定められる、少なくともC末端の6つのシステイン骨格を含んでおり、これはこれらのシステインの機能的に同等な配置(例えば、配列中のシステインの直線的配置を変化させるが、折り畳み構造におけるその関係を変化させないアミノ酸の挿入および欠失)を含む。このため、ポリペプチド鎖が折り畳まれる場合、一対のポリペプチド鎖を含む二量体タンパク質種は適切な3次元構造をとり、タンパク質がインビボで、形態形成的に能力を有する、適切な分子内または分子間鎖ジスルフィド結合を含む。
形態形成物質として使用のために特に有用な配列は、分類形態形成タンパク質のC末端ドメインを包含する。これらは例えば、Vg1、Vgr−1、DPP、OP−1、OP−2、BMP−2、BMP−4、GDF−1、GDNF、Dsl−1、60Aタンパク質、BMP3、BMP5、BMP6、およびBMP9のC末端96〜102アミノ酸残基であり、これらの全ては、少なくとも保存された6または7個のシステイン骨格を含む。さらに、COP−1、3〜5、7、16、米国特許第5,011,691号に開示される属特有の(generic)遺伝配列から設計された生合成構築物も有用である。他の配列は、インヒビン/アクチビンタンパク質を包含する(例えば、米国特許第4,968,590号および第5,011,691号を参照のこと)。
従って、他の有用な配列は、上記の配列と少なくとも70%のアミノ酸配列相同性または「類似性」を有し、好ましくは80%のアミノ酸配列相同性または類似性を有する。これらは対立遺伝子の変異体、種変異体、および他のアミノ酸変異体(例えば、「ムテイン」または「変異タンパク質」を包含する)(これらが、天然に生じるか、生合成的に生成されるかにかかわらず)、ならびにこのタンパク質の形質形成ファミリーの新規のメンバーを包含すると考えられる。本明細書中で用いる用語「アミノ酸配列相同性」は、アミノ酸配列類似性を意味すると理解され、相同性配列は同一または類似のアミノ酸を有する。ここでの類似のアミノ酸はDayoffら、Altas of Protein Sequence and Structure;第5巻,補遺3 pp.345−362(M.O.Dayoff,編、Nat'l BioMed.Reserch Fdn.,Washington D.C.1978.)に定義されるような保存されたアミノ酸である。このように、参考配列と70%の相同性を有する候補配列は、参考配列と候補配列中のアライメント後、候補配列中の70%のアミノ酸が参考配列中の相当するアミノ酸と同一である、またはその保存されたアミノ酸変化を構成することが要求される。「アミノ酸配列相同性」は、2つの並べられた配列間の同一のアミノ酸を要求すると理解される。このように、参考配列と60%のアミノ酸同一性を有する候補配列は、参考配列と候補配列のアライメントの後、候補配列中のの60%のアミノ酸が参考配列中の相当するアミノ酸と同一であることを要求する。
本明細書で用いられる、計算される全ての相同性および同一性は、OP1を参考配列として使用する。また本明細書中では、相同性および同一性を計算するために、Needlemanら(1970)J.Mol.Biol. 48:443−453の方法を用いて並べられ、同一性はAlignプログラム(DNAstar,Inc.)によって計算される。全ての場合において、並べられれたときの候補配列内の内部ギャップおよびアミノ酸の挿入は、相同性/同一性を計算するときに無視される。
形態形成物質として有用な現在好ましいタンパク質の配列は、ヒトOP−1の保存された6つのシステイン骨格を規定する配列(例えば、C末端96アミノ酸)と、60%以上の同一性を有する配列、好ましくは65%以上の同一性を有する配列を包含するが、限定されない。これらのもっとも好ましい配列はOP−1、OP−2タンパク質の対立遺伝子変異体および種変異体の両方(例えば、天然に生じる配列変異体)を包含し、これはDrosophilaの60Aタンパク質を含む。
本発明の方法および細胞系において有用な発現エフェクター分子は、好ましくはウイルス起源であり、そして転写および翻訳を刺激し得る。1つの実施態様において、ウイルス起源のエフェクター分子の発現は、ウシパピローマウイルスの初期領域DNAにコードされる(Maat,Jら(1979)Gene :75およびMolecular Cloning:A La boratory Manual,第2版Sambrookら編,Cold Spring Harbor Laboratory Prees,NY(1989),16章,ウイルスのこの領域の記載のために)。
別の実施態様において、ウイルス起源発現のエフェクター分子は、目的の遺伝子の転写を誘導するプロモーターに作用、および刺激し得るトランス作用性転写アクチベーター(「転写トランスアクチベーター」)を包含する。代表的には、これらのトランスアクチベーターはウイルス起源であり、それ自身または他の特定のウイルスプロモーターに作用し得る。好ましい実施態様において、トランス活性化タンパク質はアデノウイルスE1AまたはE1B遺伝子、ヘルペスウイルスIE遺伝子、C−myc、またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)のTAT遺伝子にコードされる。例えば、トランス活性化タンパク質がE1Aである場合、好ましいプロモーターは、構成的CMV−MIEプロモーター、およびアデノウイルスE1Aおよび後期領域のプロモーター領域を包含する。トランスアクチベーターがTAT遺伝子である場合、好ましいプロモーターはHIV−LTRである。他のトランスアクチベーター−プロモーターの組合わせは当該分野で記載されており、本明細書中に意図される。以下でより詳細に記載されるように、ウイルスの転写アクチベーター遺伝子は、その発現を制限するプロモーターの制御下にある必要はないが、このようなプロモーターを使用し得る。
他の好ましい実施態様において、ウイルス起源の発現エフェクター分子はまた、目的の遺伝子によりコードされる転写産物の翻訳を促進するために作動可能なRNA配列を包含する。これらの配列は、mRNA安定化配列または翻訳機構それ自身作用するセグメントを包含する。例えば、現在もっとも好ましい配列は、アデノウイルスによってコードされる配列であり、最も特定するとアデノウイルスVA遺伝子である。これはVA1、VA2含む。これらの遺伝子は、少なくとも部分的に、1つまたはそれ以上の翻訳開始因子と相互作用することによって作用すると考えられるRNAをコードする。ウシパピローマウイルス初期領域DNAは、これらの安定化配列の1つまたはそれ以上を包むことが予想される。
好ましくは、トランスフェクション系は、転写トランス活性化配列をコードする遺伝子、および翻訳を刺激するRNA安定化配列をコードする遺伝子の両方を含む。
別の好ましい実施態様において、トランスフェクトされた細胞は、目的の遺伝子の増幅を誘導するために選択的圧下でサブクローン化される。現在好ましい方法は、増幅可能な選択マーカーをコードする遺伝子の使用を包含する。本発明の方法において成功とともに使用されるこのようなマーカー遺伝子の例は、DHFR遺伝子、およびメトトレキセートを用いた選択を含む。しかし、他の増幅可能な遺伝子は、当該分野において周知であり、そして本明細書中に意図さる。これらはアデノシンデアミナーゼおよびグルタミンシンテターゼを含むが、限定されない。遺伝子増幅および有用な選択マーカー遺伝子の一般的な記載は、当該分野において利用できる多くの文献に記載され、それはR.E.Kellems,Gene Amplification i n Mammalian Cells、Marcel Dekker,New York(1993)を含む。増幅可能な選択遺伝子が優性に作用しない場合、トランスフェクトされる宿主細胞は、好ましくは選択マーカーにおいて遺伝子型的に欠損している。
本発明の方法において有用であると意図される宿主細胞系は、不死化され得る(すなわち、多くの継代数の間生存する(例えば、50世代以上))、増殖速度またはタンパク質産生において有意な減少がない任意の真核細胞系を含む。細胞系がヒトへの投与を意図する生物学的物質(biologicals)の産生に用いられる場合は、宿主細胞は好ましくはヒト細胞ではない。現在好ましい細胞系は、単純な培地組成要求性を有し、そして浮遊培養に適応し得る細胞である。最も好ましい細胞は、低血清または無血清培地中での増殖に適応し得る哺乳動物細胞系である。特に、目的の遺伝子が形態形成タンパク質をコードする場合、好ましい宿主細胞系は哺乳動物組織細胞系、例えば、腎臓または膀胱を含む泌尿性器の細胞系、肝臓、肺、卵巣、心筋、または胃腸管の平滑筋細胞系を包含する他の平滑筋細胞系である。代表的な細胞系は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO);イヌ腎臓(MDCK);またはラット膀胱(NBT−2)などを包含するが、限定されない。有用な細胞系は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)、Rockville,MDから、またはヨーピアンコレクションオブアニマルセルカルチャーズ、Porton Down、Salsbury SP40JG,UKより入手し得る。
目的の遺伝子が「低発現」または「発現が乏しい」遺伝子である場合、現在最も好ましい方法論は、目的の遺伝子、トランス活性化遺伝子およびRNA安定化配列のコトランスフェクション、および細胞が対数期後にあるときに培養培地中からタンパク質を回収する「回分」または「期間」細胞培養において、少なくとも1μgタンパク質/106細胞/ml、より好ましくは少なくとも5μgタンパク質/106細胞/ml、または少なくとも10μgタンパク質/106細胞/mlを産生する細胞系を生成するような増幅条件下で、候補細胞をサブクローン化すること包含する。
本発明の重要な特徴は、トランスフェクトされる宿主細胞系を作製する方法が、なお高いレベルのタンパク質産物を産生するが、目的の遺伝子の低コピー数を提供することである。この特徴は本発明に、連邦優良製造規範の承認の負担を容易にすることにより、規制上の有用性をもたらす。例えば、本明細書で実現されそして開示されたトランスフェクトされる細胞系における低コピー数は、米国食品医薬品局の規則および規制に従った文書作成および規格化を容易にする。
本発明の実施において使用されるトランスフェクションプロセスに関して、核酸の細胞内への導入のための全ての方法は、以下を包含するが、限定されない。それらはCaPO4共沈、エレクトロポレーション、DEAE−デキストラン介在性取り込み、プロトプラスト融合、マイクロインジェクションおよびリポフュージョンである。本発明への鍵は、それによってDNAの組み込みが達成される機械的または化学的プロセスより、むしろそれとともに細胞がトランスフェクトされるベクターの補足である。
さらに、本発明は、ゲノム中に組み込まれるDNA配列を含むベクターを用いた宿主細胞の同時または逐次的なトランスフェクションを意図する。1つの好ましい実施態様において、宿主細胞を少なくとも2つの結合しないベクターを用いて同時にトランスフェクトする。このベクターの1つは目的遺伝子([レポーター遺伝子」も指す)を含み、そして他方は転写トランスアクチベーターをコードする遺伝子を含む。より好ましくは、増幅可能な選択遺伝子をコードする遺伝子、および翻訳刺激配列も、結合しない2つのベクターの一方または両方へのこれら配列の組み込みによるか、または第3のベクターを用いた同時のトランスフェクションによるかのいずれかでコトランスフェクトされ、次いで細胞増殖および増強されたタンパク質産生に基づいた初期のトランスフェクタントの選択を行う。同時のトランスフェクションは、宿主細胞に組み込まれる遺伝子の無作為の取り合わせをさせ、そして細胞に独立にトランスフェクター配列のコピー数および発現レベルを調節させる。このように、最終的に至適な組み合わせは、経験的にそれぞれの細胞について、本質的にそれぞれの細胞毎に、健康で、安定したトランスフェクタントでもある高タンパク質産生細胞を選択することによって決定される。各々の遺伝子の発現のための遺伝子要素および/または発現制御要素の正確なコピー数は、選択されたクローン間で変化し得るが、これらの全ては期間細胞培養における対数期後で少なくとも1μgタンパク質/ml/106細胞を産生することにより特徴付けられる。好ましい実施態様において、細胞はまた、少なくとも部分的に、転写トランスアクチベーターの存在のためであり得る目的の遺伝子の低コピー数を有することにより特徴付けられる。
単一のベクター上で全ての要素がトランスフェクトされ得ない演繹的な理由はないが、当業者に認識されるように、単一のベクターは、細胞内の無作為の組み合わせをさせるよりむしろ、ベクター上の、それゆえ細胞内の、要素の可能な配座を制限する。全ての要素(例えば、目的の遺伝子、増幅可能なマーカーおよび発現エフェクター配列)を、単一のベクター上でトランスフェクトする場合、トランス活性化転写エフェクター遺伝子は、この遺伝子配列の発現を制限するために、好ましくは弱めたプロモーターの制御下におかれる。
あるいは、DNA配列は逐次的にトランスフェクトされ得る。例えば、転写アクチベーター(例えば、E1Aは)を含むベクターは、第一にトランスフェクトされ得、そしてそのDNAは、残りの配列を用いた続くトランスフェクションの前に、宿主細胞ゲノムに安定に組み込まれ得る。本発明ではまた、弱いまたは強いプロモーター/エンハンサー単位下での発現エフェクター遺伝子の使用を意図する。
本発明の、発現の乏しい遺伝子の増強された産生の利益を実現するための鍵は、上記のトランスフェクトされた細胞系を低血清または無血清培地中で培養することである。現在好ましい無血清培地は、脂質修飾培地であり、ここで修飾は脂質膜ホスホグリセリドエステルの分解産物を含む。好ましい無血清培地の代表的な処方はU.S.S.N.07/124,676号(1993年9月22日出願)に示され、本明細書中に参考として援用される。他の無血清培地を包含する他の培地は、当該分野において記載される。
このように、この開示の視点から、遺伝子工学の当業者は、何らかの低発現遺伝子に関連する産生の問題を克服するトランスフェクタントを構築し得る。特に、組換えDNA技術の当業者は、大量のタンパク質を獲得するために、目的のタンパク質、増幅可能なマーカー遺伝子、転写トランスアクチベーター、および翻訳刺激因子をコードする適切なDNAベクターを設計し得、そして本明細書中で開示されるトランスフェクタントを作製する方法を使用し得る。このようなタンパク質は、それらの天然の形態、短縮型のアナログ、ムテイン、融合タンパク質、またはインビボで目的のタンパク質の生物学的活性を模倣し得る他の構築物であり得る。
【図面の簡単な説明】
本発明の前記のそして他の目的および特徴ならびに本発明自身を、添付の図面とともに読むときに、以下の記載から、より十分に理解し得る:
図1(AおよびB)は、本発明の選択プロトコルの図式的な提示であり、ここで図1Aは図1B中に記載されるプロトコルに対応する時間列(time line)であり;
図2(A〜C)は、アデノウイルスE1AまたはVA1遺伝子を有する、細胞をトランスフェクトするための3つの例示的なベクターの制限地図であり;
図3(A〜D)は、CMV−MIEの構成的な「短縮」プロモーターの制御下で、レポーター遺伝子としてOP−1を有する例示的なベクターの制限地図であり;
図4は、パピローマウイルス初期領域DNAを有する例示的なベクターの制限地図であり;
図5は、CMV−MIEの構成的な「短縮」プロモーターの制御下で、レポーター遺伝子として1本鎖結合部位をコードするヌクレオチド配列を有する例示的なベクターの制限地図である;
詳細な説明
組換え哺乳動物遺伝子発現の大規模産生のために有用な方法論および細胞系が今や発見された。この方法は、「発現困難な」遺伝子によりコードされるタンパク質の有用な量を提供することにおいて、特に有用である。本発明の方法は、目的の遺伝子の高いコピー数に依存することなく、少なくとも1μgタンパク質/106細胞/mlの濃度でタンパク質を産生するように目的の遺伝子を構成的に発現する、安定な、不死化された哺乳動物細胞系を生成し得る。さらに、本発明の方法は、高発現する、十分に増幅された細胞を生成するために、実質的に、より短い期間を必要とする。
本発明の方法に有用な一般的な選択のプロトコルを、図1に示す。プロトコルの工程Iに見られるように、不死化真核宿主細胞、代表的には哺乳動物細胞を、3つのDNA配列を有する核酸を用いてトランスフェクトする。第1のDNA配列は、ウイルス起源の転写プロモーター/エンハンサー単位に作動可能に結合されたレポーター遺伝子(目的の遺伝子)を有する。第2のDNAは、レポーター遺伝子の転写を誘導するウイルスプロモーター単位由来の転写に作用および刺激し得る、転写活性化タンパク質をコードするウイルス遺伝子を有する。第3のDNAは、レポーター遺伝子の転写産物の翻訳を促進するために、作動可能なRNA安定化配列をコードするウイルス遺伝子を有する。図1において、これらのDNA配列は異なるベクター上にあり、そしてこれらのベクターは同時にトランスフェクトされる。しかし、当業者に認識されるように、DNA配列は逐次的にトランスフェクトされ得る。例えば、細胞を第1に、翻訳促進配列および/または転写トランスアクチベーター配列を有する1つまたはそれ以上の核酸を用いてトランスフェクトし得、そして安定な組み込み体(integrant)を得て、次に細胞をレポーター遺伝子を用いてトランスフェクトする。さらに、単一の核酸上に2つまたは3つのDNA配列を有し得る。3つのうち2つの配列を単一のベクター上に有する場合、特に有用であり得る組み合わせは、ウイルスエフェクター配列、またはレポーター遺伝子および翻訳エフェクター配列を包含する。3つ全ての配列を単一のベクター上に有する場合、転写トランスアクチベーターの発現を調整するための方法を提供する必要があり得る。例えば、アデノウイルスE1A遺伝子は、一般的に高レベルの発現での細胞増殖を妨げると考えられる。例えば、E1A遺伝子を、レポーター遺伝子の核酸とは別の核酸上でトランスフェクトする場合、配列を無作為に、導入された細胞内で取り合わせ得、両方の遺伝子の至適タンパク質レベルを産生するクローンを選択し得る可能性を増す。遺伝子が単一の核酸上にある場合、取り合わせた事象の範囲が減少するので、調整のための方法(例えば、E1A遺伝子発現の制限(例えば、弱めたプロモーターによる))が要求され得る。
図1の工程IIでは、トランスフェクトされた細胞を再プレートし(例えば、独立したウェル中および選択培地中で)、集密まで増殖させ、そして産生したレポータータンパク質(目的のタンパク質)の濃度を、各々のウェルから回収した培養培地のアリコートから、代表的にはELISAまたはウェスタンブロットによって測定される(工程III)。次に、候補細胞は、増幅媒体物の増加する濃度の存在下で、限界希釈系列で複数継代することにより、高発現し、十分に増幅された細胞が得られるまで、クローン化/増幅した(図1の工程IV)。特定の理論には限定されないが、ウイルス転写トランス活性化遺伝子を用いたトンラスフェクションは、細胞中の可能な増幅の程度を制限するようであり、それゆえ最大増幅クローンをより速い速度で、そしてウイルスエフェクター遺伝子の非存在で増幅された細胞においてより、低い濃度の毒性物質の存在下で達成し得る。さらに、転写および翻訳エフェクター遺伝子の存在は、相乗的に作用して、各々の遺伝子のコピーからの発現を増加する。本発明の方法では、工程IVは、ウイルスエフェクター遺伝子の非存在で増幅される細胞においてよりも少ない工程となる(代表的には、6カ月に対して約1カ月しか必要としない)。一旦、所望のタンパク質産生レベルを示すクローンを得れば(工程V)、クローン化した細胞を、大規模産生プロトコル(工程VI)で培養して、大量の(少なくとも2リットルの)所望のタンパク質を産生し得る。次にこの所望のタンパク質を、標準的な、所望の方法論を用いて培養培地から精製し得る(工程VII)。
本明細書中で概述した方法に従って、安定な、高産生するクローンを得ることができる。ウイルスエフェクター遺伝子の組み合わせは、タンパク質産生に相乗効果を有し、2つのエフェクター遺伝子の1つのみの存在下で、または発現の乏しい遺伝子についての遺伝子増幅のみによって達成可能なレベル以上に増強する。さらに、レポーター遺伝子が、高度に増幅された細胞系において100〜1000ng/106/細胞/ml未満のタンパク質を産生し得る発現の乏しい遺伝子である場合、ウイルスエフェクターを用いたコトランスフェクションの工程、およびレポーター遺伝子の増幅の工程を組み合わせる本発明の方法および細胞系は、産生されるタンパク質レベルを、いずれの工程を単独で使用して得られるレベル以上に予想外に増加し得る。
以下に、本発明の方法および組成物を包含する種々の要素ならびにそれらの応用のための方法、および多くの、限定しない実施例の詳細な説明を提供する。それらは、1)有用な、例示的なベクター構築、トランスフェクションプロトコル、有用な細胞系供給源、および培養、選択ならびにサブクローニングプロトコルを例示し;2)候補細胞系を、タンパク質産生性および細胞増殖能力について試験するためのアッセイを提供し;そして3)低血清または無血清培地中で細胞を培養するための方法を提供する。発現が乏しい遺伝子であることが公知である2つの遺伝子:本明細書中で定義される組織形態形成物質の分類の代表的な形態形成タンパク質(OP−1)、および1本鎖結合部位をコードする遺伝子(非天然のDNA配列)を用いた、本発明の方法を示す実施例も提供する。
I.有用な細胞
長期間の培養条件に適切な任意の不死化真核細胞系が、本発明の方法および組成物に有用であることが意図される。有用な細胞系は、トランスフェクトすることが容易であるべきであり、配列を再配置しないで外来DNAを安定に維持し得、そして効率的な転写、翻訳、翻訳後修飾、およびタンパク質の分泌に必要な細胞成分を有する。細胞を優性でない選択遺伝子を用いてトランスフェクトする場合、細胞の遺伝子型は、好ましくは内因性の選択遺伝子を欠損している。好ましくは、細胞系はまた、単純な培地組成要求性、迅速な世代時間を有し、そして浮遊培養での増殖に適応し得る。特に有用な細胞系は、哺乳動物細胞系であり、それらは、骨髄腫、HeLa、線維芽細胞、胎児および種々の組織細胞系(例えば、腎臓、肝臓、肺など)を包含する。多数の細胞系が、現在アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、Rockville、Md)を通して、またはヨーロピアンコレクションオブアニマルセルカルチャーズ(ECACC)(Porton Down、Salsbury、SP4 0JG、U.K.)を通して入手し得る。
レポーター遺伝子が本明細書で定義される形態形成タンパク質をコードする場合、特に有用な細胞系は、腎臓および膀胱細胞を含む尿性器細胞系、肺、肝臓、心筋または他の平滑筋細胞、ならびに形態形成タンパク質をコードする内在性の遺伝子を発現することが公知である、他の細胞系を包含する哺乳動物細胞系を包含することが意図されるが限定されない。
II.レポーター遺伝子に有用なプロモーター単位
レポーター遺伝子は、本明細書で記載のウイルストランス作用性転写アクチベーターによって刺激され得る、プロモーター単位と作動可能に結合されなくてはならない。有用なプロモーターは、ヒトサイトメガロウイルス主要中間初期プロモーター(hCMV−MIE)またはアデノウイルス初期プロモーター(E1A、E1Bプロモーター)、またはアデノウイルス後期領域プロモーターを包含する。好ましくは、CMV−MIEプロモーターはイントロンのない形態のプロモーターであり、いわゆるCMV−MIE「短縮」プロモーターである。CMVプロモーターの配列またはそれを含むベクターは、例えば、Invitrogen,Inc.,San Diego(pCDM8)およびClontech,Inc.,Palo Altoから商業的に購入し得る。好ましくは、転写はさらにシス作用性エンハンサー配列(例えば、マウス乳ガンウイルス末端反復配列(MMTV−LTR)またはラウス肉腫ウイルス末端反復配列(RSV−LTR))を含むことによって刺激される。エンハンサー配列またはこれらを含むプラスミドはまた商業的に入手可能であり(例えば、Invitrogen Inc.,San Diego、またはClontech Inc.,Palo Alto)、および/またはATCCおよびECACCから入手可能である。
III 有用なウイルス発現エフェクター遺伝子
本発明の方法および細胞系において有用なウイルス発現エフェクター遺伝子は、レポーター遺伝子の転写を誘導するプロモーターに作用し得、および/またはレポーター遺伝子の転写または翻訳機構に作用し得る。
少なくとも1つの発現エフェクター遺伝子は、ウイルストランス作用性転写アクチベーターである。有用な配列は、アデノウイルス−2のE1AおよびE1B遺伝子がコードする配列ならびにウシパピローマウイルス初期領域DNAを包含する。これらの配列およびこれらの配列を含むベクターの詳細は、Maat,J.ら(1979)Gene :75,およびEP 0378,382号およびCockett,(1990)Nucleic Aci ds Research 19:319−325に見出され得、これら全ては参考として本明細書中に援用される。ウシパピローマウイルスDNAの全体を商業的に、例えば、IBI、New Haven(カタログ番号33040)で得ることができる。
EP 0378,382号の著者らは、転写アクチベーターの適切なレベルを、その転写のための適切なプロモーター/エンハンサー単位の選択により得ることができると述べている(例えば、弱いプロモーターが好ましく、そして安定な転写アクチベーターを発現する細胞が、レポーター遺伝子を用いてトランスフェクトする前に産出される)。あるいは、そして本明細書中で現在のところ好ましくは、アクチベーター遺伝子をレポーター遺伝子とともにコトランスフェクトし、そしてトランスフェクトされた細胞は、全ての組換え、発現遺伝子の適切な、組み合わせのレベルを個別に決定され、これは細胞内でレポーター遺伝子および遺伝子産物と組み合わせて存在する場合のその細胞のためのアクチベーター遺伝子産物の至適レベルを包含する。
第2のウイルスエフェクターは、好ましくは翻訳アクチベーターであり、好ましくはレポーター遺伝子の翻訳を増強し得るRNA配列である。好ましくは、RNA配列は、アデノウイルスVA遺伝子にコードされ、好ましくは少なくともVA1遺伝子にコードされる。他の有用な配列は、ウシパピローマウイルス初期領域DNAの1部を包含する。これらの配列の詳細はまた、Maat,J.ら(1979)Gen e :75,およびEP0 3378,382号およびCockettら,(1990)Nucleic Acids Research 19:219−325;Schneiderら(1984)Cell 37:291およびThimmappayaら(1982)Cell 31:543−551に見出され得、これら全ての開示は本明細書中に参考として援用される。転写アクチベーター配列と同様、翻訳アクチベーター配列をそれ自身のプロモーター/エンハンサー単位の制御下、もしくはより強いまたはより弱いプロモーター単位下でトランスフェクトし得る。プロモーター/エンハンサー単位の選択はさほど重要ではない。なぜなら、アクチベーターおよびレポーター遺伝子配列の至適な組み合わせを有する高発現クローンが、本発明の好ましい実施態様におけるスクリーニングおよび選択プロトコルによって経験的に決定されるからである。
良好な細胞増殖をスクリーニングし、そして高レポーター遺伝子発現を選択することによって、与えられたレポーター遺伝子の最大の発現のための全ての要素の至適濃度を、細胞内で任意のエレメントが有すべきレベルをあらかじめ人為的に決定することによるよりも容易に得ることができる。
IV.ベクター構築の検討
真核細胞へのトランスフェクションのために設計された至適ベクターは、上記のように目的の遺伝子の発現を促進する適切な配列を含むべきであり、これは適切な転写開始、終止、およびエンハンサー配列ならびに、Kozakコンセンサス配列などの翻訳効果を増強する配列を包含する。好ましいDNAベクターはまた、細胞内のベクターDNAの存在について選択するための手段としてマーカー遺伝子を含む。マーカー遺伝子はまた、目的の遺伝子のコピー数を増幅するための手段を提供し得、そしてまた細胞毒素に対する耐性のための第2の遺伝子を包含し得る。
哺乳動物細胞発現系の開始における実質的な方法は最近10年間になされ、そしてこれらの系の特徴の多くの局面が、十分に特徴付けらている。哺乳動物細胞における外来タンパク質産生の当該分野の状態についての詳細な概説は、有用な細胞系、タンパク質発現促進配列、マーカー遺伝子、および遺伝子増幅方法を含めて、Bendig,Mary M.,(1988)Genetic Engineering :91−127に開示される。
V.トランスフェクションの検討
目的の細胞へ核酸を取り込ませるための任意の方法が、本発明の方法において意図される。リン酸カルボニル(CaPO4)、およびそれに続くグリセロールショックは、ベクターを導入するのために、特に哺乳動物細胞へプラスミドDNAを導入するために当該分野で使用される標準的な手段である。代表的な方法は、Cockettら(1990)Biotecnology :662−667、に開示され、本明細書中に参考として援用される。用いられ得る他の方法は、エレクトロポレーション、プロトプラスト融合(骨髄腫のトランスフェクションにおいて特に有用である)、マイクロインジェクション、リポフェクション、およびDEAE−デキストラン介在性取り込みを包含する。これらの手順のための方法は、F.M.Ausubel,編,Current Protoc ols in Molecular John Wiley & Sons,New York(1989)に記載される。
一般的に、プラスミドを等モル濃度でトランスフェクトし、そして細胞を約1〜2 106細胞/ディシュの密度でプレーティングする。当業者に認識されるように、トランスフェクション当たりの至適DNA濃度は、トランスフェクションプロトコルによって変化する。例えば、リン酸カルシウムトランスフェクションについては、好ましくはプラスミド型当たり5〜10μgのプラスミドDNAをトランスフェクトする。従って、同時の3重のトランスフェクションを意図する場合、全体で15〜30μgをトランスフェクトする。さらに、トランスフェクトするDNAには、好ましくはDNA取り込みを妨害し得る混入物が実施的に存在しない。DNA精製のために当該分野で用いられる標準的な方法は、エチジウムブロミドバンド化による。
VI.増幅の検討
哺乳動物細胞系における、遺伝子増幅のより十分に特徴付けられた方法の1つは、dhfr−細胞系における選択可能なDHFR遺伝子の使用である。一般的に、DHFR遺伝子は、目的の遺伝子を有するベクター上で提供され、そして細胞毒性薬剤であるメトトレキセートの増加する濃度の添加は、DHFR遺伝子のコピー数を増幅に導き、同様に結合した目的の遺伝子も増幅に導く。トランスフェクトされるチャイニーズハムスター卵巣細胞系(CHO細胞)における、選択可能な、増幅可能なマーカーとしてのDHFRは、当該分野で特に十分に特徴付けられている。本発明を、この特定の増幅マーカーを用いて実行し得る。他の有用な増幅可能なマーカー遺伝子は、アデノシンデアミナーゼ(ADA)およびグルタミンシンテターゼ(GS)遺伝子を包含する。(R.E.Kellems Gene Amplification in Mammalian Cells、Marcel Decker(1992)を参照のこと)。
VII.例示的な大規模培養産生プロトコル
大規模真核細胞培養(例えば、少なくとも2リットル)のための当該分野で利用可能または公知の任意の方法は、本発明により教示される細胞系を培養するために有用であると考えられる。当該分野で実施される2つの一般的な培養方法論は、「連続フロー」系(ここで細胞は、任意の消費した栄養素を補充するために、一定の間隔で新鮮な培地に曝される)、および「期間」または回分培養系(ここで細胞は、規定された一組の培養パラメーターのもとで、集密まで増殖し、そして細胞が対数期後に入ったときに産生培地を回収する)である。さらに、細胞は、浮遊培養物としてまたは付着した単層の細胞として増殖させられ得る。
使用される培養系のタイプおよび選択される培地補充支配(media replenishment regimen)は、宿主細胞系の要求性によって決定される。例えば、いくつかの哺乳動物の細胞系は浮遊培養に適応せず、他の哺乳動物細胞系は基質(substrate)に確実に付着し続け得ない。さらに、いくつかの細胞系は、浮遊培養条件および/またはバイオリアクター培養条件に関連する剪断力に高度に対して傷つきやすい。これらの細胞系の場合、消泡剤および/または剪断最小化薬剤のような薬剤の添加は、浮遊培養の使用を可能にし得る。培養系の選択に重要な他の要素は、宿主細胞系の気体(gas)要求性であり、気体移動および気体組成は、インビトロでの至適細胞増殖のための2つの重要な考慮すべき問題である。大規模培養条件を作製するための方法、および一般的に考慮すべき問題を記載する多くの参考文献が入手可能である。例示的な参考文献は、R.J.Freshney,Animal Cell Cultur e:A Practical Approach第2版,Oxford University Press,New York,1992,およびM.Butler,Mammalian Cell Bio technology:A Practical Approach,Oxford University Press,New York,1991を包含する。
VIII.培地の検討
上記の好ましいプロトコルを用いて得られたトランスフェクタントを、まず最初に血清タンパク質を含む培地中で馴化させる。好ましくは、産生条件下では、タンパク質精製の妨害を制限するために細胞を低血清または無血清条件下での増殖に適応させる。有用な培地は、0.1%〜0.5%の透析したウシ胎児血清を含む培地を包含する。好ましい実施態様では、低血清または無血清培地に1つまたはそれ以上の脂質膜ホスホグリセリドエステル分解産物を補う。これはUSSN 08/124,676号1993年9月22日出願、に開示され、そして本明細書中に参考として援用される。産生プロトコルにおいて有用な他の培地成分は、プロテアーゼインヒビターを包含する。哺乳動物細胞培養のための増殖支持培地の考察を詳しく記載する代表的な参考文献は、ATCC Media Handbook,Coteら,編,American Type Culture Collection,Rockville,MD(1984)を包含する。
上で示すように、そして当業者に認識されるように、トランスフェクション、発現、および組換えタンパク質の精製のための従来の方法の特定の詳細は、当該分野において詳しく記述されており、そして当業者によって理解されている。本発明は、これらの従来の方法の改良を可能にし、そして開示する。この改良は、不死化した真核細胞を用いた形態形成タンパク質コード遺伝子を含む、低発現遺伝子の、非常に増強された組換え発現を達成するこれらのトランスフェクションベクターの組み合わせを包含する。
哺乳動物細胞発現系における外来遺伝子の組換え産生に使用される各工程の種々の技術的局面についてのさらなる詳細は、当該分野における多数の文献および実験室マニュアル、例えば、F.M.Ausubelら,編,Current Pro tocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,(1989)に見出され得る。
実施例1. 代表的な発現エフェクターベクターの構築
pH1176ベクター(図2)は、チミジンキナーゼプロモーター制御下のアデノウイルスE1A遺伝子(配列番号1)をトランス作用転写活性因子として用いている。E1Aコード領域は、鋳型としてアデノウイルスDNA配列を用い、そして上流および下流鎖上の遺伝子末端配列に対する合成オリゴヌクレオチドプライマー(配列番号2および3)を用いて反応をプライミング(priming)し、市販のサーマルサイクラーおよび試薬キット(例えば、GeneAmp,Perkins−Elmer Corp.,Norwalk)を用いて標準的なプロトコルで製造業者の説明に従って、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により単離した。(例えば、Saikiら(1985)Science 230:1350−1354を参照のこと。フラグメントを、標準的な市販のpUCクローニングベクター(例えば、SK−Bluescript、Stratagene,Inc.,Palo Alto)中にクローン化した。単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼプロモーターを、他のプラスミド(pTK−HGH,Allegro Systems,San Juan Gapistrano)から5'Sal I〜3'Hind IIフラグメントとして単離し、そしてE1Aコード領域の上流のStu I部位に融合した。TK−プロモーターおよびE1Aを有するフラグメントをpUCプラスミドにクローン化し、pH1176を得た(図2A)。配列番号1は、pH1176のPst I−EcoR Iフラグメントのヌクレオチド配列を記載する。選択圧下でのトランスフェクトされた細胞内の低コピー数の維持は、E1A遺伝子の取り込みおよび維持を確認するために、例えば、検出された標的DNAのレベルを既知の量と比較するサザンブロットまたはゲルアッセイによって、確証され得る。
pH989(図2B)およびpH1130(図2C)ベクターは、アデノウイルスVA1遺伝子(配列番号4)を翻訳刺激因子(例えば、目的の遺伝子をコードする転写産物の翻訳を促進し得るRNA配列をコードするDNA)として用いている。アデノウイルスVA1/VA2遺伝子複合体のクローニングを以下のように達成した:VA1およびVA2複合体を、遺伝子末端配列に対する2つの合成オリゴヌクレオチド(上流および下流鎖)(配列番号5および6)、およびPCRの標準的な条件を用いてPCRにより、アデノウイルスDNAから単離した。プライマーに新たな上流のPst I部位および下流のPvu II部位を付加した。Pst I〜Pvu IIフラグメントをSK(−)Bluescriptクローニングベクター(Stratagene,Inc.,Palo Alto,CA)のPst IおよびEcoR V部位にクローン化し、プラスミドpJ13を得た:次にプラスミドpJ13を、最終的なベクターpH989およびpH1130に以下のように組み込んだ。
pH989の場合、neo発現要素はpMamneo発現ベクター(Clontech,Inc.)由来であり、これを標準的なpUCクローニングベクターのBamH I部位にサブクローン化して、プラスミドpH989を得た。neo遺伝子がpUCのlacプロモーターと共直線性であるプラスミドの方向(BamH I挿入に関して)を、次の工程であるVA1遺伝子の付加のために選択した。VA1 DNAをpJ13から、隣接するポリリンカー部位のSpe IおよびCla Iで切り出し、そしてフラグメントをプラスミドpH989のXba IおよびCla I部位の間に挿入して、pH989を得た。
pH1130の場合、最少の上流非翻訳領域を含む修飾されたdhfr遺伝子を部位特異的突然変異誘発により構築し、そしてATG開始コドンの数ヌクレオチドのみの上流に5'Pvu II部位を導入した。3'末端にはSal I部位を天然のBgl II部位に隣接して付加した。配列番号4は、pH1130ベクターのPst12〜EcoR Iフラグメントのヌクレオチド配列を記載し、VA遺伝子配列(例えば、ヌクレオチド1330)およびDHFR遺伝子配列の両方を含む。
次に、改変したdhfr遺伝子を、neo遺伝子の代わりにプラスミドpH989に挿入した。この目的のために、pH989をSV40プロモターおよびneo遺伝子の間に位置する唯一のStu I部位、ならびにneo遺伝子の下流または3'の唯一のSal I部位で開環し、そしてdhfrをPvu II〜Sal Iフラグメントとして挿入した。Pvu IIおよびStu I部位の末端は、ライゲーションに適合し、そして両方の部位はこのプロセスにおいて消失される。得られたプラスミド、pH1130はVA1およびdhfrを含む。
実施例2. 形態形成物質DNAベクター
図3(A〜D)は、哺乳動物細胞におけるOP1発現のために設計された、種々の例示的な発現ベクターの制限地図を開示する。これらのベクター構築物のそれぞれは、ヒトcDNAライブラリーから元来単離された完全長hOP1 cDNA配列(ヒトOP1、Ozkaynakら(1990)EMBOを参照のこと、本明細書中に参考として上記で援用される)を用いており、そして続いて挿入部位のpUCポリリンカー配列を用いて、一般的なpUCベクター(pUC18)にクローン化した。これらの構築物のそれぞれにクローン化したhOP1 cDNAフラグメントは、もとのままのSma I−BamH I hOP1 cDNAフラグメント(配列番号1のヌクレオチド26〜1385、U.S.S.N.841,646号1992年2月21日出願、現在米国特許第5,266,683号として発行、または上記で本明細書中に参考として援用されるOzkaynak,(1990)EMBO J. :2082−2092中に開示される。)、または隣接する非コード5'および/または3'配列を標準的な分子生物学の方法論を用いて切除した、このフラグメントの修飾である。それぞれのベクターはまた、SV40の複製起点を用いている。さらに、初期SV40プロモーターを、ベクター上のマーカー遺伝子(例えば、neoおよびDHFR)の転写を駆動するために使用する。当業者に認識されるように、発現ベクターまたは宿主細胞が、次いで発現タンパク質のプロセッングおよび分泌をさせるために必要な配列を提供する場合は、形態形成タンパク質の短縮型形態をコードするDNA配列も用いられ得る。
pH717発現ベクター(図3A)は、ネオマイシン(neo)遺伝子を選択マーカーとして含む。このマーカー遺伝子は当該分野において十分に特徴付けられており、そして商業的に入手可能である。あるいは、他の選択マーカーも用いられ得る。pH717にneo遺伝子DNAフラグメントを提供するために使用した特定のベクターは、Clontech,Inc,Palo Alto,CAから得ることができる(pMAM−neo−blue)。このベクターはまた枠組み(backbone)として使用され得る。pH717において、hOP1 DNAの転写はCMVプロモーターによって駆動され、RSV−LTRおよびMMTV−LTR(マウス乳ガンウイルス)エンハンサー配列によって強化される。これらの配列は当該分野において公知であり、そして商業的に入手可能である。例えば、CMVプロモーター配列を含むベクターはInvitrogen Inc.,San Diego,CA,から得ることができる(例えば、pCDM8)。
pH752およびpH754発現ベクターは、選択マーカーとしてかつ誘導性遺伝子増幅因子として、SV40初期プロモーター制御下のDHFR遺伝子を含む。DHFRのDNA配列は当該分野において十分に特徴付けられており、そして商業的に入手可能である。例えば、pH754はpMAN−neo(Clontech,Inc.,Palo Alto,CA)から、neo遺伝子(BamH I消化物)を、SV40初期プロモーター制御下のDHFR遺伝子を含むpSV5−DHFR(ATCC #37148)由来の、Sph I−BamH IまたはPvu II−BamH Iフラグメントと置き換えることによって作製し得る。BamH I部位を、Sph IまたはPvu II部位で標準的な技術(例えば、リンカー挿入または部位特異的突然変異誘発によって)を用いて加工し得、ベクター枠組み中へのフラグメントの挿入を可能にする。hOP1 DNAをMMTV−LTR(マウス乳ガンウイルスLTR)配列の下流のポリリンカー部位に挿入し得、pH752を得る(図3B)。次に、CMVプロモーター配列をpH752に挿入し得(例えば、pCDM8由来、Invitrogen,Inc.)、pH754を得る(図3C)。DHFR発現を駆動するSV40初期プロモーターを、これらのベクターにおいて修飾して生成されるDHFR mRNAのレベルを減少させる。特定すると、エンハンサー配列およびプロモーター配列の一部が欠失され、DHFR遺伝子の上流のプロモーター配列の約200塩基のみを残す。
pW24ベクター(図3D)は、マーカー遺伝子(pH717を参照のこと)としてDHFRの代わりにneoを用いる以外は、p754の配列を本質的に同一である。
pW24プラスミドは、CWV(サイトメガロウイルス)即時プロモーターの転写制御下のOP−1 cDNAを含む。このプロモーターはpCDM8由来であり、そして他の従業者らが使用するCMVプロモーターよりもかなり短い。後者はイントロンおよび付加的な上流配列を含む。pW24の選択マーカーは、細胞増殖抑制性の薬物であるG418に耐性を供給するneo遺伝子である。さらに、プラスミドはラウス肉腫ウイルス由来およびマウス乳ガンウイルス由来のLTRおよびSV40複製起点を含む。後者のウイルスエンハンサー要素(LTRおよびSV40 ori)は、発現にいくらかの有益な効果をもたらし得るが、必須ではない。
プラスミドpW24は本質的に以下のように、3部位の組立により構築される:pMam−neoベクター(Clontech Inc.,Palo Alto,CA)をNhe IおよびSal Iを用いて制限消化によりポリリンカー/クローニング部位において開環した。次に、pCDM8由来のCMVプロモーターおよひヒトOP−1遺伝子をSpe I〜Sal Iフラグメント上で挿入した。このライゲーションの間に、適合性の末端を有するNhe IおよびSpe I部位の両方は消失した。
これより先立ち、初期の工程において、CMVプロモーターに隣接する3'Xba I部位をOP−1 cDNAの上流に位置する5'Nhe I部位に融合させることによって、CMVプロモーターをOP−1 cDNAと結合させた。このライゲーションの間に、適合性の末端を有するXba I部位およびNhe I部位の両方も消失した。OP−1 cDNAに隣接するNhe I部位は、その天然の5'Sma I部位(ATGの約20ヌクレオチド上流)から、天然のBamH I部位(終止コドンの約40ヌクレオチド下流、すぐ隣に付加したSal I部位を有する)までのフラグメント上で、OP1 cDNAをポリリンカー挿入部位のSma IおよびSal I部位の間でpMAMneoベクターに挿入したときに、以前獲得した。
実施例.3 トランスフェクション
全ての実施例において、トランスフェクションはリン酸カルシウム共沈法により、標準的な手順を用いて行った。CHO細胞(Dr.Lawrence Chasin,Columbia University,NYより)を、5%または10%のウシ胎児血清(FBS)、非必須アミノ酸、グルタミン、および抗生物質:ペニシリンおよびストレプトマイシンを含むα−MEM中で培養し、これら全てはGIBCO,New Yorkから入手した。neo遺伝子を含むベクターを用いてトランスフェクトしたCHO細胞を、毒素G418(0.4mg/ml)を含む同じ増殖培地中で培養した。DHFR選択増幅可能遺伝子を含むベクターを用いてトランスフェクトしたCHO細胞を、α−MEM(チミジン、グリシンおよびヒポキサンチンを欠くα−MEM)、10%透析FBS、および0.02〜0.1μMメトトレキセート(MTX)中で培養した。
安定な細胞系トランスフェクションを、9cmペトリディシュ中に1〜2×106細胞を播種することにより行った。増殖培地中での24時間インキュベーションの後、各ペトリディシュを、標準的な方法論で用いて、リン酸カルシウム共沈法およびそれに続くグリセロールショックにより、等モル量の全部で10〜30μgのベクターDNAを用いてトランスフェクトした。細胞を増殖培地中で24時間37℃でインキュベートし、次に選択培地へ移した。全ての培養物に、1週間に1回または2回新鮮な選択培地を供給した。10〜21日後、耐性コロニーを選択し、そしてタンパク質産生についてアッセイにした。
表Iは、上記のベクターの(単独または組み合わせた)OP1産生におよぼす効果を測定するために実施した、実際の実験的なトランスフェクションを要約する。表Iに示されるベクターおよび組み合わせを(一部)選択して、OP1、VA1、およびE1Aベクターの至適の形成(configuration)を決定し、そして一部でE1Aおよび/またはVA1遺伝子が至適のOP1の発現に重要であるかを決定した。表Iにおいて、トランスフェクション番号1、2、および3は、2つの異なる遺伝子(必ずしもベクターではない)がCHO宿主細胞に導入されているので、「二重」トランスフェクションであると考えられる;同様に、形質転換番号4および5は、3つの異なる遺伝子(必ずしもベクターではない)が挿入されているので、「三重」トランスフェクションであると考えられる。「単独」トランスフェクションはOP−1をコードするベクターのみでトランスフェクトされたCHO細胞を指す。
Figure 0003570721
実施例.4 候補細胞系の選択スクリーニング
トランスフェクションおよび選択培地中での増殖に続いて、細胞を、本質的に図1に記載のように、サブクローン化されるべき候補についてスクリーニングした。
上記表Iに要約したトランスフェクションスキームを用いて、表I中のトランスフェクション由来の約30の独立したクローンを選択し、24ウエルペトリディシュに移し、そして血清を含む培地中で集密まで増殖させた。生存する全てのクローン由来の馴化培地を、タンパク質産生について、標準的なELISA(酵素結合免疫吸着検定法)またはウェスタンブロットを用いて、スクリーニングした。これらのアッセイプロトコルおよびこれらのアッセイでの使用のための抗体の作成のための方法論は、当該分野において十分記載されている(例えば、Ausube l、およびUSSN 08/040,510号、1993年3月31日出願を参照のこと、本明細書中に参考として援用される)。OP1についての、この一次ELISAスクリーンニングデータの要約は、表IIに見出される。
Figure 0003570721
表IIのデーターは、VA1およびE1A遺伝子が相乗的に作用して、増幅されないトランスフェクトされたCHO細胞におけるOP1の発現を増強することを示唆する。トランスフェクション番号1、2または3から得たトランスフェクタントは、極わずかな量のOP1しか産生しないが、トランスフェクション番号4および5では、それぞれ、約57%および64%のトランスフェクタントが高いレベルのOP1の産生を生じた。
実施例5. 増幅サブクローニング/クローニング方法
実施例4のスクリーニングプロトコルによって同定した候補細胞系を、次に10個の100mmペトリディシュに、50または100細胞/プレートの細胞密度で、より高いMTX濃度(例えば、1.0〜5μM)とともに播種した。
10〜21日の増殖の後、クローンをクローニングシリンダーおよび標準的な手順を用いて単離し、そして24−ウエルプレート中で培養した。次にクローンを標準的な手順を用いたウエスタンイムノブロットによって、OP1発現についてスクリーニングし、そしてOP1発現レベルを親株と比較した。親株の細胞よりも高いタンパク質産生を示す候補細胞を、次に再プレートし、そしてさらにより高いMTX濃度(例えば、5〜20μM)の存在下で増殖させた。一般に、2〜3回程度のこれらの「増幅」クローニング工程が、高いタンパク質産生性の細胞系を達成するために必要である。有用な高産生細胞系は細胞系を、細胞系の一様性および産生の安定性を改良するために、さらにサブクローン化し得る。
実施例6. トランスフェクトされたクローンの特徴付け
a)コピー数
サザンブロット(標準的な方法論を用いた)を、宿主ゲノム中の組み込まれた配列の状態およびコピー数増幅の程度を評価するために用い得る。種々のトランスフェクションに対するコピー数の実験は、三重トランスフェクタント(十分に増幅された)が、レポーター遺伝子を10コピーの桁で有しており、またVA1を用いたレポーター遺伝子の二重トランスフェクタントがいくぶん、より高いコピー数を有しており(100コピー/細胞の桁で)、どちらも十分に増幅した一重トランスフェクタントのコピー数より有意に少ないことを示す(下記表IIIを参照のこと)。
b)mRNA測定
トランスフェクトされたOP1配列の転写レベルを、全細胞RNAおよび一般的なハイブリダイゼーション方法論を用いて、mRNAレベルの分析(ノーザンブロット)により、異なる発現系において測定し得る。種々のトランスフェクタントのノーザンブロットは、OP1転写産物産生が、単独トランスフェクタントと比較してOP1/VA1の二重トランスフェクタントにおいて増強されており、OP1/E1A二重トランスフェクタントにおいてより増強されており、そして三重トランスフェクタントにおいてさらに増強されることを示す。
c)タンパク質測定
タンパク質レベルを、目的のタンパク質産物に対するウサギ抗血清を用いたウエスタンブロティング(イムノブロット)によって測定し得る。ウエスタンブロット方法論は当業者に周知であり、そして市販の試薬を用いて行い得る(USSN 08/040,510号、上記で本明細書中に参考として援用され、OP1抗血清および抗体を取得するための方法、ならびに種々のイムノアッセイを記載する)。表IIIに記載されるタンパク質のデータは、タンパク質を、細胞が対数期後に達したときに回収する「期間」または「回分」培養についてである。
興味深いことに、三重形質トランスフェクタントにおけるタンパク質産生は、単独または二重トランスフェクタントのいずれかと比較して、相乗的に増強されているが、コピー数はこれらの細胞内で顕著に低く、そして転写産物レベルは中程度に増強されるのみである。
Figure 0003570721
これらのデーターは、トランスフェクトするDNA配列の本発明の組み合わせが、OP1産生を非常に増強することを示す。表IIIに記載のように、三重トランスフェクタントは、顕著により少ない遺伝子のコピーを用いて単独トランスフェクタントによって産生されるレベルよりも、実質的により多いOP1のレベルを産生するが、二重トランスフェクタントの両方のカテゴリーは、三重トランスフェクタントによって産生されるOP1のおよそ中程度のレベルを産生する。これらのデータを基にすると、転写アクチベーターE1Aおよび翻訳エンハンサーV1Aは相乗的に作用してOP1遺伝子の高発現を生じさせるようである。
実施例.7 大規模プロトコルにおけるタンパク質産生
大規模のタンパク質産生(例えば、少なくとも2リットル)の現在好ましい方法は、宿主CHO細胞の浮遊培養による。チャイニーズハムスター卵巣細胞は付着しやすいが、浮遊方式の培養での増殖に適応し得る。細胞をディシュからトリプシン処理し、10%FBSを含む増殖培地に移し、そしてピペットを用いて、完全に、理想的には単細胞懸濁液に達するまで懸濁した。これをスピナーフラスコに移し、そして37℃、95%空気/5%CO2の加湿したインキュベーターに設置した。期間中細胞を血清濃度を減らした培地中で継代培養した。スピナーフラスコ内では、単細胞懸濁液を維持するために十分な撹拌速度および撹拌インペラーに関する剪断力の間のバランスがある。95%空気/5%CO2インキュベーターの性質のため、培地内における酸素吸収/CO2放出(desorption)および撹拌速度、ならびに容積に対する表面積の比率の間にバランスがある。
例えば、浮遊培養におけるCHO馴化培地の産生を次のように行なった:適応した細胞を、約2×105細胞/mlの最初の生存細胞密度で3Lのスピナーフラスコに移した。培養培地は、2%FBSを添加したDMEM/F−12(1:1)(GIBCO,New York)であった。撹拌はパドルインペラーを用いて約50〜60rpmであった。培養容積は相対的な容積に対する表面積の比率を増すために1500ml(最大量の半分)であった。7日後、培養培地を回収し、1500rpmで遠心し、そして清澄にした馴化培地を4℃で保存した。
実施例8. 好ましいクローンにより発現されるOP1の特徴付け
標準的な生化学的手順(ゲル電気泳動により測定される見かけの分子量、および/またはN末端およびC末端配列決定(CNBr分析による)を含む)を、産生されたタンパク質の形態および構造を確証するために用い得る。これらの方法論を用いて(当該分野で利用可能な多くの文献に記載される、例えば、USSN 841,646号)、OP1タンパク質が単独トランスフェクタントの細胞中と同様の形態であることが見出され、これは例えば、成熟、全長形態(139アミノ酸)および種々のN末端短縮形態であり、これはCHO細胞内での発現に特有である。(USSN 841,646号を参照のこと)。
さらに、骨形成(形態形成タンパク質)の生物学的活性を確証するための標準的なバイオアッセイ方法論、例えば、ラット異所性骨形成アッセイ(米国特許第5,011,691号を参照のこと)を用いて、本発明の方法で産生したタンパク質の生物学的活性を、単独トランスフェクタントによって産生されるタンパク質と実質的に同じであるの最大の半分の比活性であると測定された(例えば、USSN 07/841,646号を参照のこと)。さらに、全ての場合において、成功した移植物は、マトリックス誘導性の軟骨内骨発生の状態をとおして制御された進行を示すが、これは以下を含む:1日目の多型核白血球による一時間な浸潤;2日目および3日目に間充織細胞の移動と増殖;5日目および6日目に軟骨細胞の出現;7日目に軟骨マトリックス形成;8日目に軟骨石灰化;9日目および10日目に血管湿潤、骨芽細胞の出現、および新たな骨の形成;12日目から18日目に骨形成および骨の改造作用の出現ならびに移植したマトリックスの分解;および、21日目に小骨における造血骨髄の分化。
実施例.9 形態形成物質のための一般的な単離/精製スキーム
組換え形態形式タンパク質を精製するための、迅速で高度に効果的である代表的な精製スキームは、USSN 841,646号に記載され、そして以下に提供される。以下に記載するプロトコルは、3つのクロマトグラフィーの工程(S−Sepharose、フェニル−Sepharose、およびC−18 HPLC)を包含し、そして約90%の純度のOP1を産生する。選択される精製プロトコルは、発現させる遺伝子によって変化する。
高純度のタンパク質をまた産生する別のプロトコルは、Zn/IMAC(金属アフィニティーキレート化クロマトグラフィー)、疎水性相互作用クロマトグラフィー(例えば、フェニル−Toyopearl)、および逆相(C−18)クロマトグラフィーを利用する変形の3工程クロマトグラフィープロトコルである。さらに他の有用な関連するクロマトグラフィー方法は、S−Sepharoseカラムと組み合わせて用いられるヘパリン−Sepharoseを包含する。
0.5%FCS中で馴化したトランスフェクトされたCHO細胞の代表的な2L調製物については、培地中のOP1の量は、ウェスタンブロットで概算すると、約10〜20mg/Lである。
簡単に言えば、OP1を含む培養培地を6M尿素、0.05M NaCl、13mM HEPES、pH7.0に希釈し、そしてS−Sepharoseカラムにかけ、このカラムは強いカチオン交換体として作用する。低い塩においてOP1はカラムに結合し、そして血清タンパク質は取り除かれる。続いてカラムを、2段階塩溶出で展開する。第一の溶出(0.1M NaCl)は混入物および結合するOP1の約10%を取り除く。次に残りの90%のOP1を6M尿素、0.3M NaCl、20mM HEPES、pH7.0中に溶出する。
硫酸アンモニウムを0.3M NaCl画分に添加し、6M尿素、1M(NH42SO4、0.3M NaCl、2mM HEPES、pH7.0の最終溶液状態を得る。次にサンプルをフェニル−Sepharoseカラム(疎水性相互作用クロマトグラフィー)にかける。OP1は弱いカオトロピック塩の高濃度存在下(例えば、1M(NH42SO4)でフェニル−Sepharoseに結合する。一旦OP1が結合したら、カラムを硫酸アンモニウムの減少する濃度を用いた、2段階溶出を用いて展開する。第一の溶出(0.6M(NH42SO4を含む)が主に混入物を取り除く。次に結合したOP1を、硫酸アンモニウムを含まない6M尿素、0.3M NaCl、20mM HEPES、pH7.0緩衝液で溶出する。
フェニル−Sepharoseカラムから溶出したOP1を、水、次いで30%アセトニトリル(0.1% TFA)に対して透析し、そして次にC−18逆相HPLCカラムにかける。酸化および還元したOP1サンプルのゲル分離は、還元および酸化したサブユニットが骨から精製した天然供給のOPの還元および酸化したサブユニットと同一であるように見えることを示す。
別のクロマトグラフィープロトコル(USSN 07/841,646号1992年2月21日出願、現在米国特許第5,266,683号として発行、にも開示され、そして本明細書中に参考として援用される)は、6M尿素の非存在でS−Sepharoseクロマトグラフィーを行うことである。次に結合したタンパク質を、塩段階溶出で溶出する(例えば、100〜400mM NaCl)。大部分のOP1は、約300mM NaClで溶出される。次にさらなるOP1を、6M尿素の存在する300mM NaClで溶出し得る。6M尿素溶出はまた、1工程で最大の収率を達成するために、尿素を含まない溶出に代わって使用され得る。さらにOP1、をフェニル−Sepharoseカラムから38%エタノール−0.01%TFA中に溶出し得、その結果、C−18カラムにかける前に溶出物を透析する必要がなくなる。最後に、複数のC−18カラムを用いて(例えば、3つ)、タンパク質の精製および濃縮を増強し得る。
OP1はまた効率よくヒドロキシアパタイトに結合するが、これは6M尿素の非存在および低リン酸濃度(5mMリン酸未満)の条件下のみである。結合したOP1を、1mM〜0.5mMリン酸(0.5M NaCl、50mM Tris、pH7.0中)の段階溶出によりカラムから取り除き得る。OP1は約250mMリン酸で溶出する。さらに、尿素(6M)を溶出工程の間に添加し得る。
実施例10. BPV初期領域DNAコトランスフェクション
図1および実施例3および4で記載した、トランスフェクションおよびスクリーニングのプロトコルを用いて、ウシパピローマウイルス初期DNAの組換えOP−1 DNA発現におよぼす効果を試験した。ここでは、BPV初期領域DNAを有するベクター(BPV−1/pML2dベクター、図4、IBI,New Havenから購入)を、安定な、増幅されないOP1産生細胞系にトランスフェクトし、この細胞系ではOP−1遺伝子は低コピー数(1〜10コピー)で存在した。あるいは、E1A産生ベクター(例えば、pH1176)を同じOP−1産生細胞系にトランスフェクトした。はじめてのトランスフェクションの後にスクリーニングした候補細胞は、「二重」トランスフェクタント(BPV/OP1)においては、この細胞単独(OP1)によって産生されるタンパク質のレベルよりも5〜8倍の増加を示し、そして別の「二重」トランスフェクタント(E1A/OP1)においては、細胞単独(OP1)と比較して10倍の増加を示した。候補細胞を、実施例5および6に記載した増幅、クローニングおよびサブクローニングのプロトコルに供し、少なくとも1、好ましくは少なくとも5μgタンパク質/106細胞/mlのレベルでレポーター遺伝子を産生し得るクローンを作製した場合、さらにより高いタンパク質レベルが検出されると予想される。ここでタンパク質は、細胞が対数期後にあるときに回分培養中の培地から回収される。三重トランスフェクタントが、さらにタンパク質産生を増強することも予測される。E1Aのようなトランス活性化配列に対して、BPVを用いることの可能な利益は、宿主細胞に与えられる増殖速度または培地要求性に対する可能な第二の効果である。
実施例11. 組換え一本鎖Fv
図1および実施例3〜5に記載したプロトコルを用いて、本発明の方法および構築物を、一本鎖Fv(「sFv」)をコードする2つの異なる人工遺伝子配列に対して試験した。これらのタンパク質はまた、当該分野における生合成抗体結合部位分子(「BABS」)と呼ばれる。2つの構築物、741F8およびMOPC315は、当該分野におよび米国特許出願(Atty.Docket CRP−093号、本明細書と同時に出願、この開示は本明細書に参考として援用される)に十分に記載される。741F8構築物は、乳ガンに関連する公知のマーカーであるc−erb2抗原と特異的に相互作用する。MOPC315は、ジニトロフェノールを認識する。例示的なプラスミド、pH1512は、CMV−MIE「短縮」プロモーターの制御下で、741F8配列を含み、そして520C9モノクローナル抗体DNA配列のH鎖から得た分泌シグナル配列を有し、このプラスミドを図5に記載する。用いたMOPC315 DNA配列はまたCMV−MIEプロモーターの制御下にあり、そしてそれ自身の(天然の)分泌シグナル配列を有する。
実施例3〜5に記載されるプロトコルに従って、CHO細胞の三重トランスフェクションを、E1Aを含むプラスミド(例えば、pH1176)、VA1を含むプラスミド(pH1130)、およびMOPC315または741F8ベクターのいずれかを用いて行った。全ての場合において、高産生クローンは、少なくとも1〜6μgタンパク質/106細胞/mlの間を回分培養中に産生し、ここでタンパク質を細胞を対数期後にあるときに培地から回収した。
本発明は、その精神および本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化され得る。本発明の実施態様はそれゆえ全ての面において例示であり、限定的ではなく、前記の記載によってよりも付属する請求項によって示される本発明の範囲、および請求項の均等の意味内および範囲内にある全ての変化は、それゆえそれらに含まれることが意図される。
配列表
(1)一般的情報:
(i)出願人:
(A)名称:クリエイティブ バイオモレキュールズ,インコーポレイテッド
(B)番地:サウス ストリート 45
(C)市:ホプキントン
(D)州:マサチューセッツ
(E)国:アメリカ合衆国
(F)郵便番号:01748
(G)電話:508−435−9001
(H)テレファックス:508−435−0454
(I)テレックス:
(ii)発明の名称:組換えDNAからの高タンパク質産生のための方法および組成物
(iii)配列数:6
(iv)連絡住所:
(A)名称:パテント アドミニストレイター,クリエイティブ バイオモレキュールズ,インコーポレイテッド
(B)番地:サウス ストリート 45
(C)市:ホプキントン
(D)州:マサチューセッツ
(E)国:アメリカ合衆国
(F)郵便番号:01748
(v)コンピューター読み出し形態:
(A)媒体型:フロッピーディスク
(B)コンピューター:IBM PC互換用
(C)OS:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフトウェア:パテントイン リリース#1.0,バージョン#1.25
(vi)現在の出願データ:
(A)出願番号:
(B)出願日:
(C)分類:
(viii)代理人/事務所情報:
(A)氏名:ケリー,ロビン ディー.
(B)登録番号:34,637
(C)照会/記録番号:CRP−084PC
(ix)電話回線情報:
(A)電話:617/248−7000
(B)テレファックス:617/248−7100
(2)配列番号1の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:1356塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:cDNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:misc_feature
(B)1..1356
(C)他の情報: /記=「adeE1A」
(xi)配列:配列番号1:
Figure 0003570721
Figure 0003570721
(2)配列番号2の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:36塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:cDNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:misc_feature
(B)存在位置:1..36
(C)他の情報: /記=「E1Aprim1」
(xi)配列:配列番号2:
Figure 0003570721
(2)配列番号3の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:28塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:cDNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:misc_feature
(B)存在位置:1..28
(C)他の情報: /記=「E1Aprim2」
(xi)配列:配列番号3:
Figure 0003570721
(2)配列番号4の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:2037塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:cDNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:misc_feature
(B)存在位置:1..2037
(C)他の情報: /記=「adeVA1」
(xi)配列:配列番号4:
Figure 0003570721
Figure 0003570721
(2)配列番号5の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:22塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:cDNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:misc_feature
(B)存在位置:1..22
(C)他の情報: /記=「VA1prim1」
(xi)配列:配列番号5:
Figure 0003570721
(2)配列番号6の情報:
(i)配列の特色:
(A)長さ:23塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直鎖状
(ii)配列の種類:cDNA
(ix)配列の特徴:
(A)特徴を表す記号:misc_feature
(B)存在位置:1..23
(C)他の情報: /記=「VA1prim2」
(xi)配列:配列番号6:
Figure 0003570721

Claims (80)

  1. 目的の遺伝子産物の増強された産生のための不死化真核細胞であって、該細胞のゲノムの中に作動可動に組み込まれたトランスフェクトされたDNA配列を含み、該DNA配列が:
    (a)ウイルス転写プロモーターに作用し、そして刺激する転写アクチベーターをコードするDNA配列;
    (b)目的の遺伝子をコードするDNA配列;
    (c)該ウイルス転写プロモーターを規定するDNAであって、該転写プロモーターは、(b)の配列に作動可能に結合し、ここで該転写アクチベーターは、該目的の遺伝子のRNA転写を増強する、DNA;ならびに
    (d)工程(c)からの該RNA転写産物の翻訳を促進するための作動可能なRNA配列をコードするDNA配列であって、それによって該遺伝子産物の産生が増強される、DNA配列
    を含む、不死化真核細胞。
  2. 前記遺伝子産物をコードする前記核酸配列のコピー数が、細胞当たり20コピー未満である、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  3. 前記DNA配列のコピー数が、細胞当たり10コピー未満である、請求項2に記載の不死化真核細胞。
  4. 前記DNA配列のコピー数が、細胞当たり5コピー未満である、請求項3に記載の不死化真核細胞。
  5. 前記ウイルス転写プロモーターが、アデノウイルス、ラウス肉腫ウイルス、およびサイトメガロウイルス由来のプロモーターからなる群から選択される、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  6. 前記ウィルス転写プロモーターが、サイトメガロウイルスの構成的主要中間初期プロモーターを含む、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  7. 前記転写アクチベーターが、非相同性遺伝子の転写に作用し、そして刺激する能力を有するウイルストランス活性化タンパク質である、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  8. 前記ウイルス転写アクチベーターが、シミアンウイルスT抗原、アデノウイルス E1AまたはE1Bタンパク質、ウシパピローマウイルス初期領域DNA配列にコードされるタンパク質、およびヘルペスウイルスIEタンパク質からなる群から選択される、請求項7に記載の不死化真核細胞。
  9. 前記転写アクチベーターが、アデノウイルスE1Aタンパク質である、請求項8に記載の不死化真核細胞。
  10. 前記転写プロモーターDNA配列が、該ウイルス転写アクチベーターDNA配列の転写を制限するために選択される、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  11. 前記RNA配列が,異種遺伝子によりコードされるRNA転写産物の翻訳に作用し、かつ該翻訳を増強する能力を有するトランス活性化RNA配列である、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  12. 前記RNA配列が、アデノウイルスVA1 RNAおよびウシパピローマウイルス初期領域DNA配列にコードされるRNA配列からなる群から選択される、請求項11に記載の不死化真核細胞。
  13. 前記RNA配列がVA1である、請求項12に記載の不死化真核細胞。
  14. 前記細胞が、培養され、そして回収されるときに、1ml培養培地当たり106細胞当たり、少なくとも1μgの前記目的の遺伝子産物を産生する、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  15. 前記細胞が、1ml培養培地当たり106細胞当たり、少なくとも5μgの前記目的の遺伝子産物を産生する、請求項14に記載の不死化真核細胞。
  16. 前記細胞が、1ml培養培地当たり166細胞当たり、少なくとも10μgの前記目的の遺伝子産物を産生する、請求項15に記載の不死化真核細胞。
  17. 前記遺伝子産物が、前記細胞が対数期後にあるときに回収される、請求項14、15または16に記載の不死化真核細胞。
  18. 前記遺伝子産物が形態形成物質である、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  19. 前記遺伝子産物が単鎖結合タンパク質である、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  20. 前記形態形成物質が、OP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP9、DPP、Vg1、Vgr、60Aタンパク質、GDF−1、Dsl−1、GDNF、およびそれらのアミノ酸配列変異体からなる群から選択されるタンパク質であって、該アミノ酸配列変異体の各々は、 (a)少なくとも1または数個のアミノ酸の、付加、欠 失、もしくは置換、または(b)保存された6つのシス テイン骨格によって規定されるC末端ドメインの中の、 少なくとも1または数個のアミノ酸の、付加、欠失、も しくは置換、または(c)C末端ドメインの中のシステ インの直線的配置を変更するが、その3次元構造におけ る関係を変更しない、アミノ酸の付加もしくは欠失を含 み、ここで、該アミノ酸配列変異体が形態形成活性であ 、請求項18に記載の不死化真核細胞。
  21. 前記形態形成物質が、OP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP4、BMP5、BMP6、BMP9、およびそれらのアミノ酸配列変異体からなる群から選択されるタンパク質であって、該アミノ酸配列変異体の各々は、 (a)少なくとも1または数個のアミノ酸の、付加、欠 失、もしくは置換、または(b)保存された6つのシス テイン骨格によって規定されるC末端ドメインの中の、 少なくとも1または数個のアミノ酸の、付加、欠失、も しくは置換、または(c)C末端ドメインの中のシステ インの直線的配置を変更するが、その3次元構造におけ る関係を変更しない、アミノ酸の付加もしくは欠失を含 み、ここで、該アミノ酸配列変異体が形態形成活性であ 、請求項20に記載の不死化真核細胞。
  22. 前記形態形成物質が、ヒトOP1のC末端の96アミノ酸の中における同じ相対位置にある6つのシ ステインを含み、そして該形態形成物質が形態形成活性 である、請求項18に記載の不死化真核細胞。
  23. 前記遺伝子産物が、結合して二量体種を形成する1対のポリペプチド鎖を含む、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  24. 前記形態形成物質をコードする前記DNA配列が、OP−1またはそのアミノ酸配列変異体をコードし、該アミノ酸配列変異体は、(a)少なくとも1また は数個のアミノ酸の、付加、欠失、もしくは置換、また は(b)保存された6つのシステイン骨格によって規定 されるC末端ドメインの中の、少なくとも1または数個 のアミノ酸の、付加、欠失、もしくは置換、または (c)C末端ドメインの中のシステインの直線的配置を 変更するが、その3次元構造における関係を変更しな い、アミノ酸の付加もしくは欠失を含み、ここで、該アミノ酸配列変異体が形態形成活性である、請求項18に記載の不死化真核細胞。
  25. 少なくとも2つの形態形成物質をコードするDNA配列を含み、該DNA配列のそれぞれが前記ウイルス転写プロモーターと作動可能に結合している、請求項18に記載の不死化真核細胞。
  26. 前記DNA配列が、OP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP4、BMP5、BMP6、BMP9、およびそれらのアミノ酸配列変異体をコードするDNA配列の群から独立して選択され、該アミノ酸配列変異体の各々は、(a)少 なくとも1または数個のアミノ酸の、付加、欠失、もし くは置換、または(b)保存された6つのシステイン骨 格によって規定されるC末端ドメインの中の、少なくと も1または数個のアミノ酸の、付加、欠失、もしくは置 換、または(c)C末端ドメインの中のシステインの直 線的配置を変更するが、その3次元構造における関係を 変更しない、アミノ酸の付加もしくは欠失を含み、ここで、該アミノ酸配列変異体が形態形成活性である、請求項25に記載の不死化真核細胞。
  27. 前記形態形成物質が、2つまたはそれ以上の形態形成物質のアミノ酸配列を含むキメラアミノ酸配列を包含する、請求項18または25に記載の不死化真核細胞。
  28. 前記細胞が哺乳動物細胞である、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  29. 前記哺乳動物細胞が、哺乳動物の卵巣、腎臓、膀胱、肝臓、肺、心筋、または平滑筋細胞である、請求項28に記載の不死化真核細胞。
  30. チャイニーズハムスター卵巣細胞、イヌ腎臓細胞、およびラット膀胱細胞からなる群から選択される、請求項28に記載の不死化真核細胞。
  31. 前記細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞である、請求項30に記載の不死化真核細胞。
  32. 前記目的の遺伝子産物をコードする前記DNA配列のコピー数を増加させるための増幅配列をさらに含む、請求項1に記載の不死化真核細胞。
  33. 前記増幅配列が、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)をコードするDNA配列を包含し、該DNA配列が該DHFR DNAの転写に作用し、そして誘導するプロモーター配列と作動可能に結合している、請求項32に記載の不死化真核細胞。
  34. 目的の遺伝子産物を産生する方法であって、以下の工程:
    (a)請求項1に記載の細胞を、該目的の遺伝子産物を発現する該細胞の集団を生成するために十分な条件下で培養する工程、および
    (b)該細胞により産生される形態形成物質を単離する工程、
    を包含する方法。
  35. 前記目的の遺伝子産物が形態形成物質である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記目的の遺伝子産物が単鎖結合タンパク質である、請求項34に記載の方法。
  37. 前記細胞を培養する前記工程が、脂質膜ホスホグリセリドエステル分解産物を含む無血清培地中で該細胞を増殖させる工程を含有する、請求項34に記載の方法。
  38. 細胞系の製造方法であって、以下の工程:
    (a)不死化真核細胞を、ウイルス転写アクチベーターをコードするDNA配列を含む核酸を用いてトランスフェクトする工程であって、該ウイルス転写アクチベーターは、ウイルスプロモーターに作用し、かつ該ウイルスプロモーターを刺激する、工程;
    (b)前記不死化真核細胞を、核酸を用いてトランスフェクトする工程であって、該核酸は:
    (1)目的の遺伝子産物をコードするDNA配列と作動可能に結合したウイルス転写プロモーターであって、
    ここで、該ウイルス転写プロモーターは、該ウイルス転写アクチベーターにより刺激され得、そして該目的の遺伝子産物をコードする該DNA配列の転写に作用し得、そして誘導する能力を有してRNA転写産物を生成し得、該転写産物は、翻訳された場合に該遺伝子産物を生成する、プロモーター;および
    (2)該RNA転写産物の翻訳を作動可能に促進するRNA配列;
    をコードするDNA配列
    を含む、工程;
    (c)該トランスフェクトされた細胞を培養する工程、
    を包含する方法。
  39. 前記目的の遺伝子産物が形態形成物質である、請求項38に記載の方法。
  40. 前記目的の遺伝子産物が単鎖結合タンパク質である、請求項38に記載の方法。
  41. 請求項38に記載の方法であって、
    (d)少なくとも1mlあたり106細胞あたり1μgの遺伝子産物を発現するクローンを選択する工程、
    をさらに包含する、方法。
  42. 前記トランスフェクトする工程(a)および(b)が、同時に行われる、請求項38に記載の方法。
  43. 前記トランスフェクトする工程(a)および(b)が、逐次的に行われる、請求項38に記載の方法。
  44. 前記ウイルス転写アクチベーターをコードする前記DNA配列が、工程(b)の前記トランスフェクトする工程の前に前記細胞のゲノム内に安定に組み込まれる、請求項38に記載の方法。
  45. 前記RNA配列をコードする前記DNA配列が、前記目的の遺伝子産物をコードする該DNA配列と作動可能に結合される前記ウイルスプロモーターをコードする、該DNA配列を含む核酸と分離および独立した核酸の一部分を含む、請求項38に記載の方法。
  46. 前記核酸が、独立したベクターを包含する、請求項38、39、40または45に記載の方法。
  47. 工程(a)および(b)においてトランスフェクトされる前記DNA配列が、工程(d)で選択されるクローンのゲノム内に安定に組み込まれる、請求項38に記載の製造方法。
  48. 前記目的の遺伝子産物をコードする前記DNA配列のコピー数が、細胞当たり20コピー未満である、請求項38に記載の製造方法。
  49. 前記目的の遺伝子産物をコードする前記DNA配列の前記コピー数が、細胞当たり10コピー未満である、請求項48に記載の製造方法。
  50. 前記目的の遺伝子産物をコードする前記DNA配列の前記コピー数が、細胞当たり5コピー未満である、請求項49に記載の製造方法。
  51. 前記ウイルス転写プロモーターが、アデノウイルス、ラウス肉腫ウイルス、およびサイトメガロウイルス由来のプロモーターからなる群から選択される、請求項38に記載の製造方法。
  52. 前記ウイルス転写プロモーターが、サイトメガロウイルスの構成的主要中間初期プロモーターを包含する、請求項38に記載の製造方法。
  53. 前記転写アクチベーターが、非相同性遺伝子の転写に作用し、そして刺激する能力を有するウイルストランス活性化タンパク質である、請求項38に記載の製造方法。
  54. 前記ウイルス転写アクチベーターが、シミアンウイルスT抗原、アデノウイルスE1AまたはE1Bタンパク質、およびヘルペスウイルスIEタンパク質からなる群から選択される、請求項38に記載の製造方法。
  55. 前記転写アクチベーターが、E1Aである、請求項38に記載の製造方法。
  56. 前記ウイルス転写アクチベーターをコードする前記DNA配列が、該転写アクチベーターDNA配列の転写に作用し、そして誘導する能力を有する転写プロモーター配列を規定するDNA配列と作動可能に結合しており、該転写プロモーターDNA配列が、該ウイルス転写アクチベーターDNA配列の転写を制限するように選択される、請求項38に記載の製造方法。
  57. 翻訳を作動可能に促進する前記RNA配列が、非相同性遺伝子によりコードされるRNA転写産物の翻訳に作用し、そして増強する能力を有するウイルス起源のトランス活性化RNA配列である、請求項38に記載の製造方法。
  58. 前記RNA配列が、アデノウイルスVA1 RNA、およびウシパピローマウイルス初期領域DNAによりコードされるRNA配列からなる群から選択される、請求項38に記載の製造方法。
  59. 前記RNA配列が、VA1である、請求項58に記載の製造方法。
  60. 前記形態形成物質が、OP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP3、BMP4、BMP5、BMP6、BMP9、DPP、Vg1、Vgr、60Aタンパク質、GDF−1、Dsl−1、GNDF、およびそれらのアミノ酸配列変異体からなる群から選択されるタンパク質であって、該アミノ酸配列変異体の各々 は、(a)少なくとも1または数個のアミノ酸の、付 加、欠失、もしくは置換、または(b)保存された6つ のシステイン骨格によって規定されるC末端ドメインの 中の、少なくとも1または数個のアミノ酸の、付加、欠 失、もしくは置換、または(c)C末端ドメインの中の システインの直線的配置を変更するが、その3次元構造 における関係を変更しない、アミノ酸の付加もしくは欠 失を含み、ここで、該アミノ酸配列変異体が形態形成活性である、請求項39に記載の製造方法。
  61. 前記形態形成物質が、OP−1、OP−2、OP−3、BMP2、BMP4、BMP5、BMP6、BMP9、およびそれらのアミノ酸配列変異体からなる群から選択されるタンパク質であって、該アミノ酸配列変異体の各々は、(a) 少なくとも1または数個のアミノ酸の、付加、欠失、も しくは置換、または(b)保存された6つのシステイン 骨格によって規定されるC末端ドメインの中の、少なく とも1または数個のアミノ酸の、付加、欠失、もしくは 置換、または(c)C末端ドメインの中のシステインの 直線的配置を変更するが、その3次元構造における関係 を変更しない、アミノ酸の付加もしくは欠失を含み、ここで、該アミノ酸配列変異体が形態形成活性である、請求項60に記載の製造方法。
  62. 前記形態形成物質が、ヒトOP1のC末端の96アミノ酸の中における同じ相対位置にある6つのシ ステインを含み、そして該形態形成物質が形態形成活性 である、請求項39に記載の製造方法。
  63. 前記遺伝子産物が、結合して二量体種を形成する1対のポリペプチド鎖を含む、請求項38に記載の製造方法。
  64. 前記形態形成物質をコードする前記DNA配列が、OP1またはそのアミノ酸配列変異体をコードし、該アミノ酸配列変異体は、(a)少なくとも1また は数個のアミノ酸の、付加、欠失、もしくは置換、また は(b)保存された6つのシステイン骨格によって規定 されるC末端ドメインの中の、少なくとも1または数個 のアミノ酸の、付加、欠失、もしくは置換、または (c)C末端ドメインの中のシステインの直線的配置を 変更するが、その3次元構造における関係を変更しな い、アミノ酸の付加もしくは欠失を含み、ここで、該アミノ酸配列変異体が形態形成活性である、請求項39に記載の製造方法。
  65. 前記ウイルス転写プロモーターが、少なくとも2つの形態形成物質をコードするDNA配列と作動可能に結合している、請求項39に記載の製造方法。
  66. 前記DNA配列が、OP1、OP2、OP3、BMP2、BMP4、BMP5、BMP6、BMP9、およびそれらのアミノ酸配列変異体をコードするDNA配列の群からそれぞれ独立に選択され、該アミノ酸配列変異体の各々は、(a)少なく とも1または数個のアミノ酸の、付加、欠失、もしくは 置換、または(b)保存された6つのシステイン骨格に よって規定されるC末端ドメインの中の、少なくとも1 または数個のアミノ酸の、付加、欠失、もしくは置換、 または(c)C末端ドメインの中のシステインの直線的 配置を変更するが、その3次元構造における関係を変更 しない、少なくとも1または数個のアミノ酸の付加、欠 失、もしくは置換を含み、ここで、該アミノ酸配列変異体が形態形成活性である、請求項65に記載の製造方法。
  67. 前記形態形成物質が、2つまたはそれ以上の形態形成物質のアミノ酸配列を含むキメラアミノ酸配列を包含する、請求項39に記載の製造方法。
  68. 前記細胞が、哺乳動物細胞である、請求項38に記載の製造方法。
  69. 前記哺乳動物細胞が、腎臓、膀胱、肝臓、肺、卵巣、心筋、または他の平滑筋細胞である、請求項68に記載の製造方法。
  70. 前記細胞が、チャイニーズハムスター卵巣細胞、イヌ腎臓、およびラット膀胱細胞からなる群から選択される、請求項69に記載の製造方法。
  71. 前記細胞が、チャイニーズハムスター卵巣細胞である、請求項70に記載の製造方法。
  72. 前記形態形成物質をコードする前記DNA配列のコピー数を増幅するための増幅工程をさらに包含する、請求項71に記載の製造方法。
  73. 前記増幅工程が、該DNA配列が該DHFR DNAの転写に作用し、そして誘導するプロモーター配列と作動可能に結合しているジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)をコードするDNA配列を提供する工程を包含する、請求項72に記載の製造方法。
  74. 目的の遺伝子産物を産生する方法であって、該方法は以下の工程:
    (a)該目的の遺伝子産物を発現する細胞の集団を産生するに十分な条件下で、請求項1に記載の該細胞を培養する工程;および
    (b)該細胞によって産生される遺伝子産物を単離する工程、
    を包含する、方法。
  75. 目的の遺伝子産物を産生する方法であって、該方法は以下の工程:
    (a)請求項38に記載の製造方法に従って、細胞形を作製する工程:
    (b)前記目的の遺伝子産物を発現するクローンの集団を産生するに十分な条件下で該細胞系を培養する工程;および
    (c)培養培地から該目的の遺伝子産物を単離する工程、
    をさらに包含する、方法。
  76. 前記培養培地が脂質膜ホスホグリセリドエステル分解産物を含む無血清細胞培養培地である、請求項75に記載の方法。
  77. 前記転写アクチベーターをコードする前記DNA配列および前記RNA配列が、単一の核酸上にある、請求項38に記載の方法。
  78. 請求項38、39、または40に記載の方法によって産生される、細胞株。
  79. 請求項1に記載の不死化細胞であって、ここで、前記目的の遺伝子が、タンパク質ホルモン、第VIII因子、TPA、組織形態形成物質、形態形成タンパク質、非天然性のタンパク質、および生合成タンパク質または人工タンパク質からなる群より選択される、不死化細胞。
  80. 請求項38、請求項74および請求項75のいずれかに記載の方法であって、ここで、前記目的の遺伝子が、ンパク質ホルモン、第VIII因子、TPA、組織形態形成物質、形態形成タンパク質、非天然性のタンパク質、および生合成タンパク質または人工タンパク質をコ ードする遺伝子からなる群より選択される、方法。
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