JP3569795B2 - 流動床式焼却炉 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、都市ごみや産業廃棄物を焼却する流動床式焼却炉に関する。
【0002】
この明細書において、図1〜図4の左側を前、これと反対側を後というものとし、図2〜図4の上側を左、これと反対側を右というものとする。
【0003】
【従来の技術】
この種流動床式焼却炉として、本出願人は、先に、立型円筒状炉本体の下部に、流動媒体を流動させて流動床を形成し、ここで焼却物を燃焼させる一次燃焼室が設けられ、炉本体の上部に燃焼ガス中に吹き込まれた二次燃焼用空気により未燃分および熱分解ガスを燃焼させる二次燃焼室が設けられ、一次燃焼室と二次燃焼室との間に、水平断面形状が略長方形である絞り部が設けられ、一次燃焼室の上端部に、絞り部の長辺方向と直交する方向に二次燃焼用空気を吹出す第1ノズルが1つ設けられ、絞り部の2つの長辺部の壁に、それぞれ横方向に二次燃焼用空気を吹出す第2ノズルが、相対向するように複数設けられた流動床式焼却炉を提案した(特開平8−61636号参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、工業用テレビカメラによる炉内の燃焼状況の観察結果、および炉内各箇所の温度測定に基く解析から得られた炉内の温度分布によれば、従来の流動床式焼却炉には、次のような問題があることが判明した。すなわち、第1ノズルから吹出される二次燃焼用空気が、燃焼ガスの流れを、第1ノズルが設けられた側と反対側の壁面に押し付けるようになり、その結果燃焼ガスと二次燃焼用空気とが層流となって上昇し、さらに絞り部において、第2ノズルから二次燃焼用ガスを吹出したとしても、第2ノズルは相対向するように設けられているので、一次燃焼室から流入してきた燃焼ガスと二次燃焼用空気の流れは、第2ノズルから吹出される二次燃焼用空気により分断はされるものの、層流のままで上昇し、これにより燃焼ガスと二次燃焼用空気との混合が行われにくくなる。したがって、燃焼ガス中に含まれる多くの未燃分は完全に燃焼することなく排出されることになり、未燃分中に含まれるダイオキシン前駆物質によって燃焼排ガス中で毒性の強いダイオキシン類が生成する。このダイオキシン類は、バッグフィルタ式集塵機により他の塵埃とともに捕集されるものの完全ではなく、また捕集灰の後処理の問題から、発生量を抑えることが望まれている。
【0005】
さらに、最近では、被焼却物の燃焼速度を遅くすることにより燃焼変動を少なくし、未燃分を減少させることを目的として、一次燃焼室の底部に形成される流動床における被焼却物投入口側の部分を乾燥および熱分解のための加熱ゾーンとし、残りの部分を加熱ゾーンから送られてきた未分解残渣およびチャーの燃焼ゾーンとすることが考えられている。このような流動床式焼却炉では、加熱ゾーンからは水蒸気や熱分解ガスが発生し、燃焼ゾーンからは燃焼ガスが発生するが、この場合、水蒸気および熱分解ガスと、燃焼ガスと、第1ノズルから吹出された二次燃焼用空気との偏流が著しくなってこれらの混合が一層行われにくくなり、二次燃焼室においても燃焼ガス中に含まれる多くの未燃分は完全に燃焼することなく排出されることになり、未燃分中に含まれるダイオキシン前駆物質によって燃焼排ガス中で毒性の強いダイオキシン類が生成する。このダイオキシン類は、バッグフィルタ式集塵機により他の塵埃とともに捕集されるものの完全ではなく、また捕集灰の後処理の問題から、発生量を抑えることが望まれている。
【0006】
この発明の目的は、上記問題を解決し、都市ごみ、産業廃棄物等を焼却するにさいし、未燃分の残留を抑制しうる流動床式焼却炉を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段と発明の効果】
この発明による流動床式焼却炉は、炉本体の下部に一次燃焼室が、同上部に二次燃焼室がそれぞれ設けられ、一次燃焼室と二次燃焼室との間に絞り部が設けられ、一次燃焼室に流動床が形成されている流動床式焼却炉において、一次燃焼室の水平断面形状が方形状となされ、一次燃焼室の相対向する2つの壁のうちのいずれか一方の壁の上部における長さ方向の中央部と、同他方の壁の上部における長さ方向の中央部および両端部とに、それぞれ一次燃焼室内に二次燃焼用空気を吹出すノズルが設けられ、一次燃焼室の上記一方の壁のノズルの先端吹出口の大きさが、一次燃焼室の上記他方の壁における長さ方向の中央部のノズルの先端吹出口よりも大きくなされており、二次燃焼室の水平断面形状が方形状となされ、二次燃焼室の相対向する2つの壁の下部に、それぞれ二次燃焼室内に二次燃焼用空気を吹出す複数のノズルが設けられ、二次燃焼室の上記2つの壁のうちの一方の壁に設けられたノズルの空気吹出量と、同他方の壁に設けられたノズルの空気吹出量とが、一方が大、他方が小となるように交互に切り替える手段を備えているものである。
【0008】
この発明の流動床式焼却炉によれば、一次燃焼室の水平断面形状が方形状となされ、一次燃焼室の相対向する2つの壁のうちのいずれか一方の壁の上部における長さ方向の中央部と、同他方の壁の上部における長さ方向の中央部および両端部とに、それぞれ一次燃焼室内に二次燃焼用空気を吹出すノズルが設けられ、一次燃焼室の上記一方の壁のノズルの先端吹出口の大きさが、一次燃焼室の上記他方の壁における長さ方向の中央部のノズルの先端吹出口よりも大きくなされているので、全てのノズルから二次燃焼用空気を吹出すと、上記一方の壁のノズルから吹出された二次燃焼用空気は、太い流れとなって上記他方の壁側に進み、上記他方の壁の長さ方向の中央部のノズルから吹出された二次燃焼用空気の細い流れによって2分され、上記他方の壁の長さ方向の両端部側に向かう。ついで、上記他方の壁の長さ方向の両端部のノズルから吹出された二次燃焼用空気によって上記一方の壁側に進まされる。したがって、一次燃焼室の水平断面形状が方形状となされていることと相俟って一次燃焼室内に大きな2つの渦流が形成され、流動床から上昇してきた燃焼ガスと二次燃焼用空気とを効率良く攪拌混合することができるとともに、燃焼ガス中の未燃分の一部を燃焼させることができる。また、流動床が加熱ゾーンと燃焼ゾーンとに分けられている場合には、加熱ゾーンから上昇してきた水蒸気および熱分解ガスと、燃焼ゾーンから上昇してきた燃焼ガスと、二次燃焼用空気とを効率良く攪拌混合することができるとともに、熱分解ガスの一部および燃焼ガス中の未燃分の一部を燃焼させることができる。そして、いずれの場合も、一次燃焼室に続く絞り部および二次燃焼室において、未燃分はさらに燃焼させられ、その結果、従来の流動床式焼却炉に比べてダイオキシン前駆物質を含む未燃分の量が減少し、ダイオキシン類の発生が未然に防止される。
【0009】
また、二次燃焼室の水平断面形状が方形状となされ、二次燃焼室の相対向する2つの壁の下部に、それぞれ二次燃焼室内に二次燃焼用空気を吹出す複数のノズルが設けられ、二次燃焼室の上記2つの壁のうちの一方の壁に設けられたノズルの空気吹出量と、同他方の壁に設けられたノズルの空気吹出量とが、一方が大、他方が小となるように交互に切り替える手段を備えているので、上記一方の壁に設けられたノズルと、他方の壁に設けられたノズルとから吹出される二次燃焼用空気どうしの衝突位置が変わり、その結果絞り部から二次燃焼室内に流入してきた燃焼ガスおよび二次燃焼用空気の流れ、または水蒸気、熱分解ガス、燃焼ガスおよび二次燃焼用空気の流れが一層乱され、これらの攪拌混合およびこれらと二次燃焼室のノズルから吹出された二次燃焼用空気との攪拌混合が促進される。したがって、熱分解ガスの残部および燃焼ガス中の未燃分の残部を燃焼させることができ、最終的な未燃分の量が激減する
【0010】
この発明の流動床式焼却炉において、絞り部の水平断面形状が方形状となされ、絞り部の相対向する2つの壁に、それぞれ絞り部内に二次燃焼用空気を吹出す複数のノズルが設けられ、全てのノズルが、全体として平面から見て千鳥配置となるように設けられていることが好ましい。この場合、絞り部に設けられた全てのノズルから二次燃焼用空気を吹出すと、一次燃焼室から絞り部内に流入してきた燃焼ガスおよび二次燃焼用空気の流れ、または水蒸気、熱分解ガス、燃焼ガスおよび二次燃焼用空気の流れが一層乱され、これらの攪拌混合およびこれらと絞り部のノズルから吹出された二次燃焼用空気との攪拌混合が促進されるとともに、熱分解ガスの一部および燃焼ガス中の未燃分の一部を燃焼させることができる。したがって、最終的な未燃分の量が一層減少する
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0012】
図1〜図4において、流動床式焼却炉は、炉本体(1)の下部に一次燃焼室(2)が、同上部に二次燃焼室(3)がそれぞれ設けられ、一次燃焼室(2)と二次燃焼室(3)との間に絞り部(4)が設けられたものである。
【0013】
一次燃焼室(2)は水平断面正方形状であり、その前壁(2a)の高さの中間部に、都市ごみ、産業廃棄物等を一次燃焼室(2)に送り込む被焼却物投入口(5)が形成されている。一次燃焼室(2)の底部には流動床(6)が形成されている。流動床(6)の前部は、被焼却物投入口(5)から送り込まれてきた被焼却物を加熱により乾燥させるとともに熱分解させる加熱ゾーン(7)となされ、同じく流動床(6)の後部は、加熱ゾーン(7)から送られてきた未分解残渣とチャーとの混合物を燃焼させる燃焼ゾーン(8)となされている。流動床(6)の加熱ゾーン(7)では、一次燃焼室(2)の底壁の前半部における後方に向かって下方に傾斜した傾斜壁(9)上に配置された複数の散気管(11)により砂等の流動媒体を用いて流動層が形成されている。流動床(6)の燃焼ゾーン(8)では、一次燃焼室(2)の底壁の後半部に形成されかつ灰、不燃物および流動媒体の一部を排出する排出口(12)の上方に配置された複数の散気管(13)により砂等の流動媒体を用いて流動層が形成されている。流動媒体は、両ゾーン(7)(8)間で循環するようになっている。両ゾーン(7)(8)の散気管(11)(13)には一次燃焼用空気が供給されるようになっている。両散気管(11)(13)への一次燃焼用空気の供給量は、流動媒体により流動床(6)に所定高さの流動層が形成されるとともに、流動床(6)の両ゾーン(7)(8)の温度が所定温度に保持されるような量とされる。流動床(6)の両ゾーン(7)(8)の温度は、炉の大きさや被焼却物の質によって異なるが、被焼却物が、たとえば紙やプラスチックを多く含んだ燃えやすいものの場合、これらが瞬時に分解または燃焼することに起因する不安定燃焼化を防止する目的で、両ゾーン(7)(8)の温度は550〜650℃に保持される。
【0014】
一次燃焼室(2)の後壁(2b)の上端部における左右方向中央部と、前壁(2a)の上端部における左右方向中央部および左右両端部とに、それぞれ一次燃焼室(2)内に二次燃焼用空気を吹出すノズル(14)(以下、第1ノズルと称する)が設けられている。後壁(2b)の第1ノズル(14)の先端吹出口の大きさは、前壁(2a)における左右方向中央部の第1ノズル(14)の先端吹出口よりも大きくなされている。なお、前壁(2a)の第1ノズル(14)には、両散気管(11)(13)に一次燃焼用空気を供給する配管(15)から分岐した配管(16)を通して空気が供給され、後壁(2b)の第1ノズル(14)には、専用の第1ノズル用配管(17)を通して空気が供給される。
【0015】
絞り部(4)の水平断面形状は左右方向に長い長方形状であり、左右方向の長さは一次燃焼室(2)の左右方向の長さと等しく、その前後方向の幅だけが一次燃焼室(2)の前後方向の長さよりも小さくなっている。絞り部(4)の前後両壁(4a)(4b)に、それぞれ絞り部(4)内に二次燃焼用空気を吹出す複数のノズル(18)(以下、第2ノズルと称する)が、左右方向に間隔をおいて設けられている。全ての第2ノズル(18)は、全体として平面から見て千鳥配置となるように設けられている。すなわち、前壁(4a)の第2ノズル(18)は、後壁(4b)の第2ノズル(18)よりも数が1つ少なく、かつ左右方向の関係では後壁(4b)の隣接する第2ノズル(18)どうしの中間部に来るように配されている。全ての第2ノズル(18)には、一次燃焼室(2)の後壁(2b)の第1ノズル(14)に二次燃焼用空気を供給する第1ノズル用配管(17)から分岐して伸びてきた第2ノズル用配管(21)により二次燃焼用空気が供給されるようになっている。
【0016】
二次燃焼室(3)は水平断面正方形状であり、水平断面積の大きさは一次燃焼室(2)の水平断面積の大きさと等しくなっている。二次燃焼室(3)の前後両壁(3a)(3b)の下端部には、それぞれ二次燃焼室(3)内に二次燃焼用空気を吹出す複数のノズル(22)(以下、第3ノズルと称する)が、左右方向に間隔をおいて設けられている。前壁(3a)の第3ノズル(22)と後壁(3b)の第3ノズル(22)とは互いに対向している。全ての第3ノズル(22)には、絞り部(4)の第2ノズル(18)に二次燃焼用空気を供給する第2ノズル用配管(21)から分岐して伸びてきた第3ノズル用配管(23)により二次燃焼用空気が供給されるようになっている。
【0017】
第3ノズル用配管(23)は途中で前後に分岐し、前後の分岐部(23a)(23b)の先端部がそれぞれ前後両壁(3a)(3b)の第3ノズル(22)と同数に分岐して第3ノズル(22)に接続されている。第3ノズル用配管(23)が前後へ分岐している部分に、前壁(3a)の第3ノズル(22)の空気吹出量と、後壁(3b)の第3ノズル(22)の空気吹出量とが、一方が大、他方が小となるように交互に切り替える空気吹出量切替装置(24)(切替手段)が設けられている。切替装置(24)は、左右両端部に空気出口(25)が形成されたケーシング(26)と、ケーシング(26)内に配され、かつ前後方向に伸びる軸線を有するとともにその軸線の回りに回転自在である両端が閉鎖された中空円筒状の吹出量調整部材(27)とを備えている。ケーシング(26)の両空気出口(25)にそれぞれ分岐部(23a)(23b)が接続されている。また、ケーシング(26)の左側壁外面にモータ(28)が取付けられ、このモータ(28)により吹出量調整部材(27)が回転させられるようになっている。吹出量調整部材(27)の右端壁にはロータリジョイント(29)を介して第3ノズル用配管(23)が接続されている。また、吹出量調整部材(27)の周壁における1直径上に大小2つの空気吹出口(31)(32)が形成されている。そして、吹出量調整部材(27)の大きな空気吹出口(31)が後方を向き、小さな空気吹出口(32)が前方を向くと、後壁(3b)の第3ノズル(22)の空気吹出量が大、前壁(3a)の第3ノズル(22)の空気吹出量が小となる。また、モータ(28)により吹出量調整部材(27)を回転させてその大きな空気吹出口(31)が前方を向き、小さな空気吹出口(32)が後方を向くと、前壁(3a)の第3ノズル(22)の空気吹出量が大、後壁(3b)の第3ノズル(22)の空気吹出量が小となる。こうして、モータ(28)により吹出量調整部材(27)を所定時間毎に回転させて空気吹出口(31)(32)の向きを変えると、図5に示すように、前壁(3a)の第3ノズル(22)の空気吹出量と、後壁(3b)の第3ノズル(22)の空気吹出量が、一方が大、他方が小となるように交互に切り替えられ、これにより前壁(3a)の第3ノズル(22)から吹出された空気と、後壁(3b)の第3ノズル(22)から吹出された空気との衝突位置が変化する。
【0018】
第1〜第3ノズル(14)(18)(22)への二次燃焼用空気の供給量は、二次燃焼室(3)の出口温度が850〜950℃、O含有量が6〜9%となるように調節される。
【0019】
上記構成の流動床式焼却炉において、被焼却物を投入口(5)から一次燃焼室(2)の流動床(6)の加熱ゾーン(7)に送り込む。加熱ゾーン(7)では、燃焼ゾーン(8)から戻されてきた高温の流動媒体を用いて散気管(11)により流動層が形成されており、送り込まれてきた被焼却物が加熱乾燥させられるとともにその中のプラスチックが熱分解される。熱分解ガスおよび水蒸気は一次燃焼室(2)内を上昇する。
【0020】
加熱ゾーン(7)で発生した未分解残渣とチャーとの混合物は、流動媒体とともに燃焼ゾーン(8)に送られ、散気管(13)により形成されている流動層において燃焼させられる。燃焼ガスは一次燃焼室(2)内を上昇する。灰、不燃物および流動媒体の一部は排出口(12)から炉本体(1)の外部に排出され、流動媒体だけが分離されて一次燃焼室(2)内の流動床(6)に戻される。
【0021】
全ての第1ノズル(14)から二次燃焼用空気を吹出すと、後壁(2b)の第1ノズル(14)から吹出された二次燃焼用空気は、太い流れとなって前方に進み、前壁の左右方向中央部の第1ノズル(14)から吹出された二次燃焼用空気の細い流れによって左右に2分され、一次燃焼室(2)の左右両側壁(2c)(2d)側に向かう。ついで、前壁(2a)の左右両端部の第1ノズル(14)から吹出された二次燃焼用空気によって後壁(2b)側に進まされる。したがって、一次燃焼室(2)内の上部に大きな2つの渦流が形成され、流動床(6)から上昇してきた水蒸気、熱分解ガスおよび燃焼ガスと、第1ノズル(14)から吹出された二次燃焼用空気とが効率良く攪拌混合させられるとともに、熱分解ガスの一部および燃焼ガス中の未燃分の一部が燃焼する。
【0022】
水蒸気、熱分解ガスの残部、燃焼ガスおよび二次燃焼用空気の残部はさらに上昇して絞り部(4)に入り、絞り部(4)に設けられた全ての第2ノズル(18)から二次燃焼用空気を吹出すと、一次燃焼室(2)から絞り部(4)内に流入してきた水蒸気、熱分解ガスの残部、燃焼ガスおよび二次燃焼用空気の残部の流れが一層乱され、これらの攪拌混合およびこれらと第2ノズル(18)から吹出された二次燃焼用空気との攪拌混合が促進されるとともに、熱分解ガスの一部および燃焼ガス中の未燃分の一部が燃焼する。
【0023】
水蒸気、熱分解ガスの残部、燃焼ガスおよび二次燃焼用空気の残部はさらに上昇して二次燃焼室(3)内に入る。ここで、モータ(28)により吹出量調整部材(27)を所定時間毎に回転させて吹出口(31)(32)の向きを変えながら、全ての第3ノズル(22)から二次燃焼用空気を吹出すと、前壁(3a)の第3ノズル(22)の空気吹出量と、後壁(3b)の第3ノズル(22)の空気吹出量が、一方が大、他方が小となるように交互に切り替えられ、これにより前壁(3a)の第3ノズル(22)から吹出された空気と、後壁(3b)の第3ノズル(22)から吹出された空気との衝突位置が変化する。その結果、絞り部(4)から二次燃焼室(3)内に流入してきた水蒸気、熱分解ガスの残部、燃焼ガスおよび二次燃焼用空気の残部の流れが一層乱され、これらの攪拌混合およびこれらと第3ノズル(22)から吹出された二次燃焼用空気との攪拌混合が充分に行われる。したがって、熱分解ガスの残部および燃焼ガス中の未燃分の残部が燃焼する。こうして、完全燃焼化が促進され、ダイオキシン前駆物質を含む燃焼ガス中の未燃分が激減し、ダイオキシンの発生を未然に防止してダイオキシン含有量が極微量または含まない排ガスが大気中に放出される。
【0024】
上記実施形態においては、流動床は加熱ゾーンと燃焼ゾーンとに分けられているが、これに限るものではなく、流動床は、必ずしも加熱ゾーンと燃焼ゾーンとに分けられている必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による流動床式焼却炉の1実施形態を示す垂直断面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】図1のIII−III線拡大断面図である。
【図4】図1のIV−IV線拡大断面図である。
【図5】二次燃焼室の前後の第3ノズルからの空気吹出量の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
(1):炉本体
(2):一次燃焼室
(2a):前壁
(2b):後壁
(3):二次燃焼室
(4):絞り部
(6):流動床
(14):第1ノズル
(22) :第3ノズル
(24) :空気吹出量切替装置(切替手段)

Claims (2)

  1. 炉本体の下部に一次燃焼室が、同上部に二次燃焼室がそれぞれ設けられ、一次燃焼室と二次燃焼室との間に絞り部が設けられ、一次燃焼室に流動床が形成されている流動床式焼却炉において、
    一次燃焼室の水平断面形状が方形状となされ、一次燃焼室の相対向する2つの壁のうちのいずれか一方の壁の上部における長さ方向の中央部と、同他方の壁の上部における長さ方向の中央部および両端部とに、それぞれ一次燃焼室内に二次燃焼用空気を吹出すノズルが設けられ、一次燃焼室の上記一方の壁のノズルの先端吹出口の大きさが、一次燃焼室の上記他方の壁における長さ方向の中央部のノズルの先端吹出口よりも大きくなされており、
    二次燃焼室の水平断面形状が方形状となされ、二次燃焼室の相対向する2つの壁の下部に、それぞれ二次燃焼室内に二次燃焼用空気を吹出す複数のノズルが設けられ、二次燃焼室の上記2つの壁のうちの一方の壁に設けられたノズルの空気吹出量と、同他方の壁に設けられたノズルの空気吹出量とが、一方が大、他方が小となるように交互に切り替える手段を備えている流動床式焼却炉。
  2. 絞り部の水平断面形状が方形状となされ、絞り部の相対向する2つの壁に、それぞれ絞り部内に二次燃焼用空気を吹出す複数のノズルが設けられ、全てのノズルが、全体として平面から見て千鳥配置となるように設けられている請求項1記載の流動床式焼却炉。
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