JP3569284B2 - 冷却ファン - Google Patents

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Description

[発明の分野]
本発明は、熱発散用の冷却ファンに関する。
[発明の背景]
多量の熱量は、高出力或いは高速で作動する機器から発生するのが代表的である。多くの場合、機器の正常な作動を保持するために、この熱を発散させる必要がある。
従来、ファンを使用して冷却エアーを機器の表面に吹き付けることにより熱の発散を行っている。然しながら、従来のファンは多量の電力を要するため、ラップトップ型コンピュータのマイクロプロセッサデバイス等の小型の機器には容易に使用することができなかった。例えば、半導体機器、特にマイクロプロセッサに使用される機器は比較的高速で動作するため、かなりの熱量が発生する。この熱量は、半導体機器を正常に動作させるために発散させなければならない。従来においては、半導体機器にヒートシンク(heat sink)を設け、これらの機器に発生する熱を発散させていた。この技術は、整流器やパワートランジスタ等の出力機器が使用される場所に利用されていた。多くの場合、このようなヒートシンクは、表面積を大きくするためのフィンを有しており、これにより、空気中への伝熱乃至放熱が生じるようにしていた。熱発散のためのシャシー(shassis)及び/又はヒートシンクの表面に冷却エアーを吹き付けることにより冷却が行われる。然しながら、このようなファンは、一般に多量の電力を要し、このために、マイクロプロセッサ、特にラップトップ型コンピュータなどの持ち運び容易なマイクロプロセッサでの使用が容易ではなかったのである。
冷凍機や出力変圧器等の大型機器における熱の発散に関しては、ファンの設置により多量の出力が必要となるため、多くのファンは不経済である。例えば、地下室用の単式或いは複式家庭用出力分散器などに使用される住宅用出力変圧器に設けられる垂直フィンの列を冷却するためのコストは、重要である。
このように、比較的小電力で作動する熱発散用のファンが望まれている。
[発明の概要]
本発明によれば、冷却すべき機器によって発生する熱を発散させるための冷却ファンであって、第1の端部及び第2の端部を有する可撓性のファンブレード;前記ブレード一端部が固定され、該ブレードを前記機器の冷却すべき面上に位置させ且つ係止するための支持機構;前記ブレードの他端部に設けられた永久磁石;透磁性材料からなるコアに巻かれ、前記ブレードの静止定位置長手方向に前記永久磁石に対向して隣接配置されたコイルであって、該コイルが賦勢されたときに発生する磁力によって前記ブレードを一方の側から他方の側へと移動させ、これにより前記機器を冷却するコイル;及び前記コイルを賦勢するための外部駆動機構;からなる冷却ファンが提供される。
上述した本発明の特徴及びその他の特徴、利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明らかとなろう。図面及び明細書において、印照番号は、本発明の種々の部品を示し、添付図面及び明細書の両方を通して同じ同様の部品は同様の番号で示した。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の冷却ファンの側面図であり;
図2は、図1の構造体の頂面平面図であり;
図3は、本発明の冷却ファンの他の態様の頂面平面図であり;
図4は、本発明による位置センサーを備えた冷却ファンの側面図であり;
図5は、本発明の冷却ファンに用いられる位置検知のためのホール効果センサーを示す概略図であり;
図6は、本発明の冷却ファンに用いられる位置検知のためのホール効果センサーの他の例を示す概略図であり;
図7は、本発明の冷却ファンに出力を供給するための非安定発振回路(astable oscillator circuit)の概略図であり;
図8は、本発明の冷却ファンに出力を供給するための非安定発振回路の他の例を示す概略図であり;
図9は、本発明の冷却ファンに出力を供給するための555タイマー非安定マルチバイブレーター(555 Timer astable multivibrator)の概略図であり;
図10は、本発明の冷却ファンに出力を供給するための555タイマー非安定マルチバイブレーターの他の例を示す概略図であり;
図11は、本発明における熱放散を行うためのヒートシンク内に配置された冷却ファンの側面図であり;
図12は、図11の構造体の頂面平面図である。
[好適例の詳細説明]
本発明の冷却ファンは、冷却すべき機器に発生する熱を発散するものであり、第1の端部及び第2の端部を有する可撓性ファンブレードと、該ブレードの一方側の端部が固定され、該ブレードを前記機器上に位置せしめるための支持機構と、前記ブレード他方側端部に設けられた永久磁石と、透磁性材料から成り且つ前記永久磁石の近傍に配置されたコア部材に巻かれたコイルとを有している。前記コイルは、ブレードを一方の側から他方の側まで動作させるための磁力を発生させるものであり、このコイルが賦勢されることにより、機器の冷却が行われるものである。
本発明の冷却ファンは、あらゆる大きさの機器に発生する熱を発散させるために使用することができる。例えば、半導体機器のような小型の機器、冷凍機等の中型機器ばかりか、出力変圧器等の大型の機器に発生する熱を発散させるために使用することができる。然しながら、以下、簡単に理解させるために、冷却すべき機器として半導体機器を使用した場合を例にとって、本発明の冷却ファンを説明する。
図1には、本発明の冷却ファン10が詳細に示されており、これにより、半導体機器等のデバイス20の冷却が行われる。図示されているように、ファン10は、サポート14上に載置されたポスト12を備えている。このポスト12には、ファンブレード16の一方側の端部18が固定されている。このファンブレード16は、可撓性の金属乃至プラスチック、例えばカプトン(kapton)、ナイロン、ミラー(Mylar)で構成されていてよい。ファンブレード16を構成する材料が、その端部まで平滑性が極めて高い場合には、その寿命は著しく長いことが判っている。ファンブレード16は、冷却すべきデバイス20を実質上完全に覆うに十分な長さを有しているのがよい。
ブレード16の他方側の端部24には、永久磁石22が貼り付けられている。図1及び図2から明らかな通り、軟質或いは粉末化された鉄等の透磁性材料から成るコア26にはコイル28が巻かれている。このコイル28は、永久磁石22に隣接して配置されており、コイル28が賦勢された時にブレード16を一方の側32から他方の側32まで移動させるための磁力を発生する。図4に示されている様な位置センサー36、或いは特に後述する図5及び図6に示されている様なホール効果センサー92等の外部駆動機構によって、コイル28に駆動パルスが与えられる。これに代えて、後述する図7〜10に示されている様な発振回路を用いてコイル28に駆動パルスを与えることもできる。
本発明において、後述する図4に示されている様な位置センサー36は、磁石22に隣接して配置するがよく、その位置検知により、ファンブレードに動力供給するためのフィードバック情報が与えられる。この位置検知のためには、例えばホール効果、光学的遮断、静電容量等を利用した種々のデバイスを使用することができる。ホール効果センサー等の位置センサー36によって、ファンブレード16の位置が検出されると、該センサーが作動してコイル28に駆動パルスが供給され、ブレード16が通過すると、磁石22の作用によってその動作が中断する。
図5を参照することにより本発明をより具体的且つ詳細に説明する。
冷却ファン90は位置決めフィードバック情報を感知するホールー効果センサー92を含む。
ホール−効果センサー92としては、例えば、Allegro、Inc.(ウオルセスター、マサチュウッセッツ)製3113ua型センサー等の市販センサーを用いることが出来る。
特にこのホール−効果センサー92はファンブレード16のマグネットに隣接してその上または下側に懸けられ、ホール−効果センサー92からの情報に基きマグネット22が振れることによりホール−効果センサー92のON−OFFを切り替える。
図5に示されているように、ホール−効果センサー92の電源94及びマイナス端子96は外部電圧供給器VCCのプラス端子98及びマイナス端子100に各々接続している。
コイル28の一端102はホール−効果センサー92の電源端子94に接続している。
コイル28の他端はホール−効果センサー92の出力側端子106に接続している。
電源端子94と出力端子106との間にはキャッチダイオード108が接続されホール−効果センサー92をコイル28の磁界が破壊された場合に生ずる逆電流スパイクから保護する。
操作時に於いては、ホール−効果センサー92は、ファンブレードがほぼ中央位置100にあるときスィッチONとなるように設定される。
ホール−効果センサー92がスィッチONと成ったとき電力が供給され、コイル28にはマグネット22により形成された磁界と反対の磁界が発生する。
マグネット22はコイル28により形成された磁界と反応し、ファンブレード16を中央位置110から112乃至114の方向に移動させる。
ファンブレード16が中央位置110から112乃至114の方向に移動すると、ホール−効果センサー92はスィッチOFFと成る。
ファンブレード16はそれ自身の復元力で中央位置110に戻るがファンブレード16の慣性力により通常、中央位置110を通り越して反対側にまで移動する。
一方ほぼ中央位置110で、ホール−効果センサー92はスィッチONと成りファンブレード16の過剰移動を制止する様に作用する。
特に、マグネット22がその慣性力によりセンター位置40に向けて戻るとき、コイル28に電圧が加印され、コイル28に電流が流れ、ブレード16に磁力による反力即ちパルス力を与える。
マグネット22はコイル28に発生した磁界と反応し、ファンブレード16を中央位置110からサイド側に移動させる様に作用する。
この過程はファンブレード16が112側から114側に連続的に移動するよう継続して行われ、これにより空気が冷却すべき装置に送られる。
最終的には、ファンブレード16はその固有振動数に同調するようになる。
以下に、共鳴振動数38Hzの図5に記載された構造の本発明の冷却ファンについて述べる。
このファンブレード16は材質としてマイラーが用いられ、厚さほぼ0.007インチ,長さ1インチ、幅0.4インチに構成されている。
マグネット22は0.125X0.125(インチ)である。
コイル28は#36ワイヤーで構成され、55ohmの抵抗値を有し、長さほぼ1インチ、幅0.4インチである。
コイル28のコア−26は軟鉄製である。
ホール−効果センサー92はAllegro、Inc.(ウオルセスター、マサチュウッセッツ)製3113ua型センサーである。
上述した構成のこの冷却ファンの操作時でのブレード片の変位角度は130度である。
所要電力は、13ボルト(直流)、ホール−効果センサー92に要する4.7ミリアンペアを含め、平均電流8乃至10ミリアンペアである。
次に、図6により、本発明の原理に基ずく他の態様の冷却ファンである、位置情報センサーとしてのホール−効果センサー92を含む冷却ファン70について述べる。
図6の冷却ファン70は実質的には図5の冷却センサー90と同一であるが、ただ、図6の冷却ファン70は、コイル28に流れる電流を一定に維持するための非常に高い温度抵抗係数を有するサーミスター72が備えられている点のみが図5の冷却ファンと異なる。
当業者には良く知られているように、サーミスターは被測定体の温度が上下した場合に自動的にその抵抗を上げ下げして調節することにより温度補償を行う働きをする。
例えば、コイル28、好ましくは銅より成る、の抵抗は、温度の上昇と共に増加する等の事態が生ずるが、この時サーミスター72の抵抗は温度の上昇に対応して低下する。コイル28の温度効果を補償するために、サーミスター72はコイル28に接して配置される。
特に、図6では、サーミスター72はコイル28に直列に配置され、コイル28の温度変化による効果をその温度上昇による抵抗の減少によりバランスさせる。
前記したように、図6の冷却ファン70は実質的に図5の冷却ファン90と同じであり、従ってここではこれ以上この点については述べない。
本発明の他の態様として、例えば図7に示す安定化オシレーター回路120の様なオシレーター回路を冷却ファン電力供給用に使用したものを挙げることが出来る。
図7に基き、ファンブレード16の固有共鳴振動数に同調するオシレーシヨン振動数を持った振動電流を発生する安定化オシレーター回路120について説明する。
図7で、安定化オシレーター回路120はバイポーラトランジスタ122及び124、レジスター126及び128、キャチダイオード132、コイル28より成る。
トランジスター122は一般のエミッタ形状のNPNトランジスタである。
トランジスター122及び124は各々一般に市販のNPN、PNPトランジスタを用いてよい。
スタートアップすると、ファンブレード16は定常状態となりコイル28の逆EMF電圧が消滅する。
コイル28は、キャパシテータ130に直列に接続され、キャパシテータ130に対し低インピーダンスの接地と同様に働く。
レジスター126はトランジスタ122のベース136がそのバイアスを少し超えるまでキャパシテータを充電し、トランジスタ122が作動を始める。
トランジスタ122のコレクター142の電流がトランジスタ124に流れはじめ、トランジスタ124はコイル28、及びキャパシテター130を経てトランジスタ122のベース136、に起動電力を供給する。
キャパシテータ130の電圧はトランジスタ122のベース136がそのバイアスを増加しなくなるまで増加する。トランジスター122が止まるとトランジスタ124も止まり、コイル28の電圧は0となる。
キャパシテータ130に負荷された電流はトランジスタ122のベース136にパルスを与え、その電圧を約10ボルト負側にする。
レジスター126はキャパシテータ130をトランジスタ122のベース136がバイアスを少し超えるまでチャージし、この過程を繰り返す。
コイル28に加えられたパルスはファンブレード16を振動させ始める。
コレクター143と−VCCの間のアウトプットの間に接続されたキャッチダイオード132はコイル28の磁界が破壊された場合に生ずる逆電流スパイクからトランジスタ122及び124を保護する。
操作時に、ファンブレード16のマグネット22がコイル28を横切って通過したとき等にはコイル28に少しの電圧が発生する。
特に、マグネット22がコイル28に接近したとき、少しの負電圧が発生する。
キャパシテター130はコイル28に直列で接続されているため、この負電圧はキャパシテター130の電圧及びトランジスタ122のベース136に加重される。
負電圧はトランジスタ122の作動開始の抑止を助ける作用をする。
マグネットが中央位置146付近を通過した後に、正電圧が発生する。
この正電圧はトランジスタ122の作動開始を助ける。
トランジスタ122のコレクタ142の電流はトランジスタ124を作動させコイル28に起動電流を供給し、その結果、マグネット22はコイル28から離される。
従って、このマグネットの移動はファンブレード16の運動と同調する。
トランジスタ122及び124は互いにON、OFF、始動停止を繰り返し、回路に電力が供給されている限り継続する。
オシレーション周期は主にレジスター126とキャパシテター130の値に依存する。
特に、OFF期間は、レジスター126とキャパシテター130の値に依存し、ON期間はレジスター128とキャパシテター130の値に依存する。
ON期間は典型的には全期間の5乃至10%である。
本発明の原理に従えば、幾周期かの後には、オシレーション回路120はファンブレード16の固有共鳴振動数に同調するようになる。
操作時、オシレーター120は初期にはファンブレード16の固有共鳴振動数の±10%以内の変動範囲で振動する。
オシレーター回路120に電力が供給されると、コイル28が賦勢されブレードを回転させる。
特にコイル28が賦勢されると、マグネット22で形成される磁界と反対の磁界が形成される。
ブレード16のマグネット22はコイル28の磁界に反応し、ブレード16を中央位置146から147乃至148方向に移動させる。
マグネット22が中央位置146に向けてその慣性力により移動したとき、マグネット22はキャパシテータ130と反対の電流を発生させる(振幅約0.7ボルトに、キャッチダイオード132により限定された)。
この現象は、オシレータ回路120の周波数をファンブレード16の固有共鳴振動数にシフトさせる様に作用する。
かくて、数周期のオシレーションの後には、オシレーター回路120はファンブレード16の固有共鳴振動に同調するようになる。
38Hzで共鳴する、図7で示される本発明に従って構築された冷却ファンの物理的構成を以下に示す。ファンブレード16は、マイラー(Mylar)からなり、厚さ約0.007インチ、長さ1インチ及び幅0.4インチである。磁石22は、ほぼ、長さ0.125インチで幅0.125インチである。コイル28は、#36のワイヤーからなり、55オームの抵抗を有するが、ほぼ、長さ1インチ、幅0.4インチである。このコイル28のコア26は、軟鉄からなる。トランジスター142として使用されるトランジスターは、アリゾナ州、フェニックスのモトローラ社で販売される型番2N2222である。トランジスター144として使用されるトランジスターは、アリゾナ州、フェニックスのモトローラ社で販売される型番2N2907である。ダイオード132として使用されるダイオードは、アリゾナ州、フェニックスのモトローラ社で販売される型番1N4001である。他の部品の代表的な数値を、以下の表1に示す。
表 1
部 品 公差(tolerance)
抵抗126 1メガオーム
抵抗128 100オーム
コンデンサー130 0.047μF
図7で示される上記発振回路120は、記載され及び図示されたものに限定されない。例えば、トランスレータ142及び144、ダイオード132及び他の部品は、記載され及び図示されたものに限定されない。むしろ、他の、等価の又は類似の入手が容易な製品を同様に使用することができる。さらに、発振回路120は、二極トランジスタの代わりに、接合(junction)型又はMOS型のフィールド効果トランジスタを使用して実施することができる。
ここで、図8についてさらに特別に述べると、本発明の本質に従って構築されたファンブレード16の固有共鳴周波数に同調させた振動周波数であって、この振動周波数を有する振動電流を発生させるための非安定発振回路50の他の実施態様が、図示され並びにより詳細に記載されている。図8の発振回路50がコイル28を介して電流を一定に保つための抵抗の非常に高い温度係数を有するサーミスター52を含んでいることを除けば、図8の発振回路50は、図7の発振回路120と実質的には同じであることに注目されたい。既に記載したが、サーミスターは、その抵抗を自動的に調節することによって、温度補償デバイスとして作用する。即ち、温度の上昇及び下降に伴って、抵抗がそれぞれ低下或いは増大し、回路中の他の部品の抵抗が増大し或いは低下する。例えば、コイル28(好ましくは銅からなる)の抵抗は、逆に、温度と共に増加する。サーミスター52の抵抗は、温度が増加すると逆に減少する。コイル28の温度による影響を補正するために、サーミスター52はコイル28に接して配置される。特に図8に示されるように、コイル28に直列して配置されるサーミスター52は、温度の増加に反して抵抗を減少させることにより、コイル28の温度変化による影響を調整する。さらに、サーミスターは、加熱効果又は温度変化による、発振回路中の抵抗等の他の部品の特性変化を調整するために使用される。既に述べたことだが、図8の発振回路50は、実質的には図7の発振回路120と同等であり、従って、この点については詳細には議論しない。
本発明の他の実施態様において、図9に示される555タイマー150は、本発明の本質に従って冷却ファンにパワーを供給するための出力端子(ピン3)で、周期的な、実質的に方形な、パルスを発生させるために、フリー−ランニングモードで接続することができる。この555タイマー150は、例えばカリフォルニア州、サンタ クララのシグネティクス社によって販売されている型などの容易に入手可能な555タイマーでよい。図9に示される回路152は、非安定マルチバイブレーターを代表的に説明するものである。当業者に周知のことであるが、555タイマー150を作るために、非安定マルチバイブレーター回路152、スレッシュホールド及びトリガーピン(6及び2)は、共に接続され、回路152を自己トリガ的にしている。フリー−ランニングモードに接続された555タイマー150の操作方法は、当業者に周知のものであり、詳細は説明しない。
振動周波数は、抵抗158及びコンデンサー154によって主として決定される。一方、コイル28の動作時間(on time)が、抵抗160及びコンデンサー154によって主として決定される。555タイマーの出力端子(ピン3)は、通常、高電位である(ほぼ+Vcc)から、コイル28が負電流ではなく正電流の供給源として復帰する。本発明の本質に従って、コイル28からの逆電流は、コンデンサー174を介して555タイマー150に提供される補助制御電圧入力端子(ピン5)に結合することができる。さらに、回路152の固有期間がファンブレード16の固有共鳴周波数の約10%以内に変換された場合、逆電流は、オシレータ152がほぼ数サイクル内でファンブレード16の固有共鳴周波数にロックする原因となる。
38Hzで共鳴する、図9に示された、本発明に従って構築された冷却ファンの物理的構成につい以下に説明する。ファンブレード16は、マイラーからなり、ほぼ、厚さ0.007インチ、長さ1インチ及び幅0.4インチである。磁石22は、ほぼ、長さ0.125インチ、幅0.125インチである。#36のワイヤーからなり、55オームの抵抗を有するコイル28は、ほぼ、長さ1インチ、幅0.4インチである。コイル28のコア26は軟鉄からなる。555タイマー150は、カリフォルニア州、サンタ クララのシグネティクス社で製造されている。他の部品の代表的な数値を以下の表2に示す。
表 2
部 品 公差(tolerance)
抵抗158 1メガオーム
抵抗160 33Kオーム
コンデンサー154 0.033μF
コンデンサー174 0.15μF
図10により特別に示すように、本発明の本質に従って冷却ファンに電力を供給するための回路60の他の態様が図示され、及びより詳細に記載されている。図10の回路60がコイル28を介して電流を一定に保つための抵抗の非常に高い温度係数を有するサーミスター62を含んでいることを除けば、図10の回路60は、図9の回路152と実質的には同じである。より好適な態様においては、サーミスター62は、巻線の端66と555タイマー150のポート3との間に接続されている。既に述べたが、コイル28(好ましくは銅からなる)の抵抗は、温度と共に増大する。サーミスター52の抵抗は、温度の上昇とは逆に減少する。コイル28の温度効果を補償するためにサーミスター52は、コイル28に接して配置されている。特に、図8に示すように、コイル28に直列して配置されているサーミスター52は、温度の上昇に抵抗して減少することによってコイル28の温度変化による影響を調節する。さらに、サーミスターは、加熱効果又は温度変化による、回路中の抵抗等の他の部品の数値の変動を調整するために使用される。既に述べたが、図10の発振回路60は、実質的には図9の発振回路152と同等であり、従って、この点については詳細に議論しない。
冷却されるデバイス20の具体的な配置構成は、ファンブレード16の下に如何なる方法によっても行うことができる。図2及び3に示すように、冷却されるデバイス20を有利に配置することができ、この場合、ブレード16が前後に動くと、デバイス20の実質的に全ての領域を空気が移動することになる。ここで、図3は、本発明の本質に従ってファン10を装着した他の態様が描かれている。図3によれば、図1及び図2に示される支持体14等の支持構造を備えたものとしてというよりむしろ自己支持ユニット構造体として製造することができる。磁石22と同様にブレード16の構造は、実質的に前述したものと同じであるから、この点については詳細に説明しない。
本発明の他の態様について、ファン10は、デバイス20に電気的接続端子で内部接続するために、冷却されるデバイス20を取り囲むように製造することができる。こうすることによって、追加乃至余分なワイヤーを使用することなくその電力を得ることができる。
さらなる本発明の態様において、図2に示すように、冷却されるデバイスに装着された温度センサー38は、デバイス20の温度を感知するように使用される。その結果、冷却が不要なときには、ファン10は電源に接続されず、電気エネルギー節約することができる。
図11に示すように、本発明の他の態様では、ファン装置200は、冷却されるデバイス206(代表的には、半導体等の発熱デバイス)によって生じた熱の拡散を促すためのヒートシンク202内に配置することができる。図11に示すように、ヒートシンク202は、大気中へ伝導及び発散が起こる表面域の全てを増加させるための柱(ポスト)204の列を有している。ヒートシンク202は、公知のデザインでよく、図11に示されるデザインに限定されない。例えば、柱の列というよりむしろ金属製のフィンを有する公知のヒートシンクを使用することができる。図11に示すように、冷却されるデバイス206は、ヒートシンク202の気体208にセメントで接合するか、又は熱接着することができる。図1〜10に示されるように本発明に従って構築される上記ファン装置200は、柱204を通過する冷却エアーが吹き込むことによって、冷却対流を増大するためにヒートシンク202内に配置される。表面エアーをさらに増大させ且つ外部からの障害からファンを保護するために、トッププレート210は、柱204の列に接続することができる。図12に示すようにファン装置200は、ヒートシンクデバイス202中の柱204の列内のポケット206内に配置される。このように配置すると、ファン装置200ヒートシンク202内の柱204の列の中に、周りに、全域にエアーを吹き付けることができる。
本発明は、以上に示され及び図示される事項に限定されないし、上記の物理的実施態様の寸法にも限定されない。例えば、本発明は微小なデバイス(例えば、半導体デバイス等)によって発生する熱の発散に限定されない。むしろ、本発明は、ミディアムサイズのデバイス(例えば、冷蔵庫等)によって発生する熱の発散に使用することができる。特に、本発明の冷却ファンは、家庭用冷蔵庫の冷凍部分から冷蔵部分における、低容量、低流速のエアーの供給に使用することができる。同様に、本発明は、また、大規模なデバイス(例えば、出力変圧器等)によって発生する熱の発散に使用することができる。特に冷却ファンの大規模なものは、住宅用出力変圧器(例えば、地下室用の単式或いは複式の家庭用出力配電のためのもの)の垂直フィンの列を冷却するために使用することができる。本発明の範囲は次のクレームによってのみ限定される。

Claims (23)

  1. 冷却すべき機器によって発生する熱を発散させるための冷却ファンであって、第1の端部及び第2の端部を有する可撓性のファンブレード;前記ブレード一端部が固定され、該ブレードを前記機器の冷却すべき面上に位置させ且つ係止するための支持機構;前記ブレードの他端部に設けられた永久磁石;透磁性材料からなるコアに巻かれ、前記ブレードの静止定位置長手方向に前記永久磁石に対向して隣接配置されたコイルであって、該コイルが賦勢されたときに発生する磁力によって前記ブレードを一方の側から他方の側へと移動させ、これにより前記機器を冷却するコイル;及び前記コイルを賦勢するための外部駆動機構;からなる冷却ファン。
  2. 前記外部駆動機構が、前記ファンブレードの固有共鳴周波数に同期した周波数の発振電流を発生する発振機構であることを特徴とする請求項1記載の冷却ファン。
  3. 前記発振機構が、その周波数を前記ファンブレードの周波数に同期させるため、前記ファンブレードの固有共鳴周波数をフィードバックして利用する機構であることを特徴とする請求項2記載の冷却ファン。
  4. 前記発振機構の周波数を前記ファンブレードの周波数に同期させるため、前記ファンブレードの固有共鳴周波数をフィードバックして利用する機構が、前記永久磁石が前記コイルに接近した位置に復帰したとき、前記コイルにパルスに付与し、これにより前記発振機構の周波数を前記ファンブレードの周波数にロックする自己誘導フィードバックを生じさせるコイル内誘導電圧利用機構であることを特徴とする請求項3記載の冷却ファン。
  5. 前記発振機構が非安定発振機構である請求項4記載の冷却ファン。
  6. 前記非安定発振機構が前記ファンブレードの固有共鳴周波数に同期した周波数での発振を生じさせるフィードバック機構を備えてなる請求項5記載の冷却ファン。
  7. 前記非安定発振機構がフリーランニングモードで接続された555タイマー回路を含んでなる請求項6記載の冷却ファン。
  8. 前記フィードバック機構が前記コイルからの電流を前記555回路の補助制御電圧インプットに連結する機構を更に備えてなる請求項7記載の冷却ファン。
  9. 前記非安定発振機構の周期を前記ファンブレードの固有共鳴周波数の約±10%以内にチューニングし、これにより前記発振機構を前記ファンブレードの固有共鳴周波数にロックさせるチューニング機構を備えてなる請求項8記載の冷却ファン。
  10. 前記外部駆動機構が、電源及び前記永久磁石に隣接して配置されて前記コイルに電力を供給するための位置センサー機構であることを特徴とする請求項1記載の冷却ファン。
  11. 前記位置センサー機構が前記磁石が前記コイルにほぼ接近したとき前記電源を切り替えるホール効果センサー機構であり、前記コイルに印加された電力が前記コイルに前記磁石により発生する磁場の極性と逆極性の磁場を発生させ、これにより前記ブレードを一方の側から他方の側へと移動させることを特徴とする請求項10記載の冷却ファン。
  12. 前記コイルに作動連結されており、温度の増加に伴い抵抗減少を示す温度変化を補償するためのサーミスターを更に備えてなる請求項1乃至11の何れかに記載の冷却ファン。
  13. 前記サーミスターが前記コイルに直列に接続されてなる請求項12記載の冷却ファン。
  14. 前記冷却すべき機器に組み合わされて前記機器の温度を検出する温度センサー機器を更に含んでなる請求項12記載の冷却ファン。
  15. 冷却が必要でないとき前記ファンと電力とを接続解除する、前記温度センサー機構の応答機構を更に備えてなる請求項14記載の冷却ファン。
  16. 前記ファンと前記機器の電気的接続をするための機構を更に備えており、他の結線なしに前記機器から電力を得る請求項1記載の冷却ファン。
  17. 冷却すべき機器が半導体装置である請求項1記載の冷却ファン。
  18. 前記ファンブレードが可撓性金属材料で形成されている請求項1記載の冷却ファン。
  19. 前記ファンブレードが可撓性プラスチック材料で形成されている請求項1記載の冷却ファン。
  20. 前記コイルが銅材料で形成されている請求項1記載の冷却ファン。
  21. 前記透磁性材料が鉄である請求項1記載の冷却ファン。
  22. 全表面積を増加させ、表面から空気への熱伝導及び熱輻射を生じさせるヒートシンクを更に備えてなる請求項1記載の冷却ファン。
  23. 前記ヒートシンクを通して冷風吹き付けによる冷却を強化するために前記ヒートシンク内に前記ファンを位置させる機構を更に備えてなる請求項22記載の冷却ファン。
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