JP3569181B2 - ホイール装着補助具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PCD(Pitch circle Diameter )やボルト挿通孔の数が指定された値と異なるディスクホイールを、車体側のハブに装着可能にするホイール装着補助具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車輪の骨格部分をなすディスクホイールは、自動車のハブに対し次のような構造で装着される。ハブには所定の直径(PCD)を有する円周に沿って所定角度毎に複数本のハブボルトが取付けられている。一方、ディスクホイールには、前記と同じ直径を有する円周に沿って、前記と同じ角度毎に複数のボルト挿通孔があけられている。そして、これらのボルト挿通孔にハブボルトが挿通され、そのハブボルトにハブナットが螺合されることにより、ディスクホイールがハブに締結される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の構造では、ハブに装着できるディスクホイールは、PCDがハブのPCDと同じであり、しかもボルト挿通孔の数がハブボルトの本数と同じものに限られる。いずれか一方でも異なっていると、ディスクホイールをハブに装着することができない。このため、例えば自動車を買い替え、以前の自動車に装着されていたディスクホイールを購入後の自動車に流用しようとしても、装着できない場合がある。また、好みのデザインのディスクホイールがあっても、これを装着できない場合もある。
【0004】
そこで、本発明は、PCDとボルト挿通孔の数との両方が指定された値と異なるディスクホイールであってもハブに装着できるようにし、もって1つのハブに装着できるディスクホイールの種類を増やすことのできるホイール装着補助具の提供を課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、第1円周に沿って第1角度毎にハブボルト又はハブボルト取付け用ねじ孔を有するハブに対し、第2円周に沿って第2角度毎にボルト挿通孔を有し、かつそれらの第2円周及び第2角度の両方が、前記第1円周及び第1角度とは異なるディスクホイールを締結する際に用いられるものであり、前記ハブ及び前記ディスクホイール間に介在される本体部と、前記本体部において、前記第1円周に沿って前記第1角度毎に設けられ、かつ前記本体部を前記ハブに締結するためのハブボルトが挿通される中間ボルト挿通孔と、前記本体部において、前記第1円周の中心を自身の中心とする前記第2円周に沿って前記第2角度毎に設けられ、前記ディスクホイールを本体部に締結するためのホイール締結用ボルトが取付けられるボルト取付部とを有し、前記ホイール締結用ボルトは、棒状のねじ部の一端に、外周に雄ねじを有する頭部を設けてなる補助ボルトを少なくとも含み、該補助ボルトと、該補助ボルトの頭部よりも小径の植込みボルトとの組合せからなり、前記ボルト取付部は、前記本体部におけるディスクホイール側の面において、少なくとも一部が前記中間ボルト挿通孔と重複した状態で開口し、かつ前記補助ボルトの頭部に螺合する雌ねじを内周に有する取付凹部を少なくとも含み、該取付凹部と、前記植込みボルトが螺入されるねじ孔との組合せからなるものである。
【0006】
従って、ディスクホイールの装着に際しては、まず、ホイール装着補助具をハブに締結する。例えば、ハブボルトが予め取付けられているタイプのハブにホイール装着補助具を締結する場合には、中間ボルト挿通孔がハブボルトに合致するように、本体部の位置及び角度を合せる。ここで、ハブにおいては、ハブボルトが第1円周に沿って第1角度毎に設けられているのに対し、ホイール装着補助具においては、中間ボルト挿通孔が第1円周に沿って第1角度毎に設けられている。このため、各中間ボルト挿通孔をハブボルトに合致させることが可能である。位置及び角度を合せた後、本体部をハブに近づけることにより、各中間ボルト挿通孔にハブボルトを挿通し、ハブナットを螺合して締付ける。
【0007】
また、ハブボルト取付け用ねじ孔があけられているタイプのハブにホイール装着補助具を締結する場合にも、前記と同様の作業を行う。すなわち、各中間ボルト挿通孔がねじ孔に合致するように、本体部の位置及び角度を合せる。その後、各中間ボルト挿通孔にディスクホイール側からハブボルトを挿通し、そのハブボルトをねじ孔にねじ込む。
【0008】
次に、ホイール装着補助具にディスクホイールを締結する。例えば、ボルト取付部にホイール締結用ボルトを取付ける。ボルト挿通孔がボルト取付部に合致するように、ディスクホイールの位置及び角度を合せる。ここで、ディスクホイールにおいては、ボルト挿通孔が第2円周に沿って第2角度毎に設けられているのに対し、ホイール装着補助具においては、ボルト取付部が第2円周に沿って第2角度毎に設けられている。このため、各ボルト挿通孔をボルト取付部に合致させることが可能である。位置及び角度を合せた後、ディスクホイールをホイール装着補助具に近づけることにより、ボルト挿通孔にホイール締結用ボルトを挿通し、ナットを螺合して締付ける。なお、位置及び角度を合せる以前にはボルト取付部にホイール締結用ボルトを取付けず、位置及び角度を合せた後に、ホイール締結用ボルトをボルト挿通孔に通し、ボルト取付部に取付けてもよい。そして、前記した2度にわたる締結作業により、ディスクホイールはホイール装着補助具を介してハブに装着される。
【0012】
また、ホイール締結用ボルトをボルト取付部に取付ける際には、例えば、補助ボルトの頭部を本体部の取付凹部にねじ込む。ここで、取付凹部の少なくとも一部が中間ボルト挿通孔に重複していることから、前記頭部の少なくとも一部は中間ボルト挿通孔内に入り込む。しかし、頭部をディスクホイール寄りに位置させる等することにより、その頭部が、中間ボルト挿通孔内のハブナットやハブボルトと干渉するのを回避可能である。
【0014】
また、ホイール締結用ボルトをボルト取付部に取付ける際には、前記補助ボルトと取付凹部との螺合に加え、植込みボルトを、本体部に設けられたねじ孔に螺合する。すると、植込みボルトの一部は本体部からディスクホイール側へ突出した状態となる。ここで、植込みボルトが補助ボルトの頭部よりも小径であることから、同植込みボルトが螺入されるねじ孔も小径である。このため、全てが取付凹部によって構成される場合に比べ、ボルト取付部(ただし取付凹部を除く)は中間ボルト挿通孔に重なりにくい。
【0015】
本発明は、上記の構成において、前記補助ボルトのねじ部と頭部とは一体に設けられているものであってもよい。
【0016】
従って、頭部がハブ側に位置し、ねじ部がディスクホイール側に位置するように補助ボルトの向きを合せ、その頭部を本体部の取付凹部にねじ込む。すると、補助ボルトが頭部において本体部に取付けられるとともに、ねじ部が本体部からディスクホイール側へ突出した状態となる。
【0017】
本発明は、上記の構成において、前記補助ボルトのねじ部と頭部とは別部材により構成され、ねじ部は頭部に対し螺合されているものであってもよい。
【0018】
従って、頭部を本体部の取付凹部にねじ込み、ねじ部を頭部にねじ込むと、補助ボルトが本体部に取付けられる。頭部からのねじ部の突出長さは、ねじ部を回転させることにより調整可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を、図1〜図5に従って説明する。
【0020】
まず、ホイール装着補助具の適用対象となるハブ及びディスクホイールについて簡単に説明する。図2に示すように、車軸に設けられたハブ1には、所定の直径D1を有する第1円周C1に沿って、複数本のハブボルト2が、第1角度α1毎に取付けられている。ここでは、ハブボルト2の本数が5本に設定され、直径D1が114.3mmに設定され、第1角度α1が72°に設定されている。一方、図3に示すように、ディスクホイール3には、所定の直径D2を有する第2円周C2に沿って、複数のボルト挿通孔4が第2角度α2毎にあけられている。ここでは、ボルト挿通孔4の数が5つに設定され、直径D2が100.0mmに設定され、第2角度α2が72°に設定されている。従って、ハブ1とディスクホイール3とでは、角度α1,α2は同じであるが、直径D1,D2が互いに異なっている。なお、ここでいう直径D1,D2は、一般にPCDと呼ばれているものと同じ意味である。
【0021】
図1、図4及び図5に示すように、ホイール装着補助具5は、本体部6、ハブボルト2と同数(この場合5つ)の中間ボルト挿通孔7、及びボルト挿通孔4と同数(この場合5つ)のボルト取付部13を備えている。本体部6はハブ1とディスクホイール3との間に介在されるものであり、略円板をなしており、中心部分に孔8を有している。この孔8は、ハブ1の中心部分に設けられた突部1aが挿入される箇所である。本体部6の厚みは、ハブボルト2のハブ1からの突出長さと同じか、それよりも大きな値に設定されている。
【0022】
中間ボルト挿通孔7は、本体部6において、第1円周C1に沿って第1角度α1毎にあけられている。各中間ボルト挿通孔7は、本体部6におけるディスクホイール3側の面(以下、「外側面」という)6bにおいて開口する収容凹部9を有している。各収容凹部9は、ハブボルト2に螺合されるハブナット11を収容するための箇所である。
【0023】
ボルト取付部13は、ホイール締結用ボルト12が取付けられる箇所である。同ボルト12は、ディスクホイール3を本体部6に締結するためのものであり、頭部12a、軸部12b及びねじ部12cからなる。ボルト取付部13は、本体部6において、第1円周C1の中心Oを自身の中心とする第2円周C2に沿って第2角度α2毎に設けられている。ボルト取付部13は挿通部14及び収容凹部15からなる。挿通部14は前記軸部12bが挿通される箇所である。収容凹部15は頭部12aを収容するための箇所であり、本体部6におけるハブ1側の面(以下「内側面」という)6aにおいて開口している。
【0024】
そして、本実施形態では、ボルト取付部13は中間ボルト挿通孔7に対し、第2角度α2の略半分回転位相をずらした箇所に設けられている。換言すると、ボルト取付部13は、隣り合う中間ボルト挿通孔7の中間部分に位置している。このため、第1円周C1と第2円周C2とでは大きさが異なり、しかも収容凹部9,15がハブボルト2やホイール締結用ボルト12に比べ大径であるにもかかわらず、各ボルト取付部13は中間ボルト挿通孔7から離間しており、両者が干渉しあうことがない。
【0025】
前記のように構成されたホイール装着補助具5を用いてディスクホイール3を装着する場合には、まず、ホイール締結用ボルト12を次のようにしてボルト取付部13に取付ける。本体部6のハブ1側から、ホイール締結用ボルト12のねじ部12c及び軸部12bを順に挿通部14に圧入する等して挿通する。軸部12bが挿通部14を通ったときには、頭部12aは収容凹部15内に入り込んでいる。
【0026】
次に、ホイール装着補助具5をハブ1に締結する。例えば、中間ボルト挿通孔7がハブボルト2に合致するように、本体部6の位置及び角度を合せる。ここで、ハブ1においては、ハブボルト2が第1円周C1に沿って第1角度α1毎に取付けられているのに対し、ホイール装着補助具5においては、中間ボルト挿通孔7が第1円周C1に沿って第1角度α1毎にあけられている。このため、各中間ボルト挿通孔7をハブボルト2に合致させることが可能である。前記位置及び角度を合せた後、本体部6をハブ1に近づけることにより、各中間ボルト挿通孔7にハブボルト2を挿通し、そのハブボルト2にハブナット11を螺合する。この螺合により、本体部6がハブ1に締結される。このときには、ホイール締結用ボルト12の頭部12aが収容凹部15内に入り込んでいるため、ハブ1と干渉することはない。
【0027】
次に、ホイール装着補助具5にディスクホイール3を締結する。例えば、ボルト挿通孔4がボルト取付部13に合致するように、ディスクホイール3の位置及び角度を合せる。ここで、ディスクホイール3においては、ボルト挿通孔4が第2円周C2に沿って第2角度α2毎にあけられているのに対し、ホイール装着補助具5においては、ボルト取付部13が第2円周C2に沿って第2角度α2毎に設けられている。このため、各ボルト挿通孔4をボルト取付部13に合致させることができる。前記位置及び角度を合せた後、ディスクホイール3をホイール装着補助具5に近づけることにより、ボルト挿通孔4にホイール締結用ボルト12を挿通し、これにナット16を螺合する。この螺合により、ディスクホイール3がホイール装着補助具5に締結される。このときには、ハブナット11は収容凹部9内に入り込んでいるため、ディスクホイール3と干渉することはない。
【0028】
このように、第1実施形態によると、ハブ1とディスクホイール3とで、直径D1,D2(円周C1,C2)が異なっていても、ホイール装着補助具5を用い、前記した2度にわたる締結作業を行うことにより、ディスクホイール3をハブ1に確実に装着することができる。ハブ1に装着可能なディスクホイール3の種類が大幅に増え、ディスクホイール3の選択の幅が広がる。このため、例えば自動車を買い替え、以前の自動車に装着されていたディスクホイール3を購入後の自動車に流用すること、すなわち、以前のディスクホイール3を活かすことが可能となる。また、従来ならば、好みのデザインや好みのメーカー製であるものの、PCDやボルト挿通孔の数が違うということで装着できなかったディスクホイール3でも、これを装着することが可能となる。さらに、第1実施形態ではホイール装着補助具5の使用により、ディスクホイール3のオフセット量を変えて、ワイドトレッド化を図ることもできる。そのほかにも、全てのボルト取付部の構成が同じなので、ホイール装着補助具5の製作がしやすい利点もある。
【0029】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図6〜図10に従って説明する。図7に示すように、ハブ1には、前記第1実施形態でのハブボルト2に代えてハブボルト取付け用のねじ孔22があけられている。ここでは、ねじ孔22の数が5つに設定され、直径D1が第1実施形態と同様に114.3mmに設定され、第1角度α1が第1実施形態と同様に72°に設定されている。一方、図8に示すように、ディスクホイール3においては、ボルト挿通孔4の数が4つに設定され、直径D2が第1実施形態と同様に100.0mmに設定され、第2角度α2が90°に設定されている。従って、ハブ1とディスクホイール3とでは、直径D1,D2だけでなく角度α1,α2も互いに異なっている。
【0030】
次に、ホイール装着補助具5について、前記第1実施形態との相違点を中心に説明する。第1実施形態と同様の部材、部分等については同一の符号を付して説明を省略する。図6、図9及び図10に示すように中間ボルト挿通孔7は、本体部6において、第1円周C1に沿って第1角度α1毎に、ねじ孔22と同数(この場合5つ)あけられている。各中間ボルト挿通孔7は、本体部6の外側面6bにおいて開口する収容凹部9を有している。収容凹部9は、第1実施形態でのハブナット11に代えてハブボルト21の頭部21aを収容するための箇所である。
【0031】
複数のボルト取付部は、複数のホイール締結用ボルトが取付けられる箇所であり、本体部6において、第1円周C1の中心Oを自身の中心とする第2円周C2に沿って第2角度α2毎に、ボルト挿通孔4と同数(この場合4つ)設けられている。複数のホイール締結用ボルトは、1つの補助ボルト23と、3本の植込みボルト24との組合せからなる。補助ボルト23は、棒状のねじ部23bの一端に、外周に雄ねじを有する円盤状の頭部23aを一体的に設けたものである。ここでは、頭部23aは収容凹部9よりも若干大径で、しかも本体部6に比べて薄く(本体部6の1/2〜1/3程度の厚み)に形成されている。また、ねじ部23bの先端部分には六角穴23cが形成されている。各植込みボルト24は棒状をなしており、円柱状の軸部24aと、その両側に位置する一対のねじ部24bとからなる。
【0032】
複数のボルト取付部は、1つの取付凹部25と、3つのねじ孔26との組合せからなる。取付凹部25は略丸穴状をなし、その内周には、補助ボルト23の頭部23aが螺入される雌ねじが形成されている。取付凹部25は、本体部6の外側面6bにおいて、少なくとも一部が収容凹部9と重複した状態で開口している。ここで、収容凹部9と全く重複していない取付凹部25を基準と想定した場合、その基準の雌ねじの半分以上が残るように、取付凹部25が収容凹部9と重複していることが重要であり、本実施形態では半分近くが重複している。各ねじ孔26は、植込みボルト24の一方のねじ部24bが螺合される箇所であり、中間ボルト挿通孔7に接触又は離間した箇所に位置している。本実施形態では、第1円周C1の中心Oと中間ボルト挿通孔7とを通る直線上に取付凹部25が配置されることにより(図9参照)、2つのねじ孔26が中間ボルト挿通孔7に接近し、1つのねじ孔26が隣合う2つの中間ボルト挿通孔7の中間部分に位置している。
【0033】
前記のように構成されたホイール装着補助具5を用いてディスクホイール3を装着する場合には、例えば、全ての植込みボルト24について、その一方のねじ部24bをねじ孔26にねじ込む。すると、植込みボルト24の他方のねじ部24bは本体部6からディスクホイール3側へ突出した状態となる。なお、この植込みボルト24の螺合は、前記とは異なる時期(例えば、ホイール装着補助具5をハブ1に締結した後等)に行ってもよい。
【0034】
次に、ホイール装着補助具5をハブ1に締結する。例えば、各中間ボルト挿通孔7がねじ孔22に合致するように、本体部6の位置及び角度を合せる。ここで、ハブ1においては、ねじ孔22が第1円周C1に沿って第1角度α1毎にあけられているのに対し、ホイール装着補助具5においては、中間ボルト挿通孔7が第1円周C1に沿って第1角度α1毎にあけられている。このため、全ての中間ボルト挿通孔7をねじ孔22に合致させることが可能である。位置及び角度を合せた後、各中間ボルト挿通孔7にハブボルト21を通し、ねじ孔22にねじ込む。ハブボルト21の締付けにより、本体部6がハブ1に締結される。ここで、ねじ孔26が中間ボルト挿通孔7に接触又は離間した箇所に位置していることから、同ねじ孔26に螺合された植込みボルト24が、収容凹部9内のハブボルト21と干渉するおそれはない。
【0035】
次に、頭部23aがハブ1側に位置し、ねじ部23bがディスクホイール3側に位置するように補助ボルト23の向きを合せ、その頭部23aを取付凹部25に螺合する。頭部23aが完全に取付凹部25内に入り込むまで補助ボルト23をねじ込む。すると、補助ボルト23がその頭部23aにおいて本体部6に取付けられるとともに、ねじ部23bが本体部6からディスクホイール3側へ突出した状態となる。ここで、取付凹部25の一部が収容凹部9に重複していることから、頭部23aの一部は収容凹部9内に入り込む。しかし、頭部23aの外側面が本体部6の外側面6bと略同一平面上に位置するように、その頭部23aをディスクホイール3寄りに位置させることにより、その頭部23aが、収容凹部9内のハブボルト21と干渉するのを回避できる。
【0036】
続いて、ボルト挿通孔4が補助ボルト23及び植込みボルト24に合致するように、ディスクホイール3の位置及び角度を合せる。ここで、ディスクホイール3においては、ボルト挿通孔4が第2円周C2に沿って第2角度α2毎にあけられているのに対し、ホイール装着補助具5においては、取付凹部25及びねじ孔26が第2円周C2に沿って第2角度α2毎に設けられている。このため、各ボルト挿通孔4を補助ボルト23や植込みボルト24に合致させることができる。前記位置及び角度を合せた後、ディスクホイール3をホイール装着補助具5に近づけることにより、補助ボルト23及び植込みボルト24をボルト挿通孔4に挿通する。ボルト23,24にナット16を締付けることにより、ディスクホイール3がホイール装着補助具5に締結される。このときには、補助ボルト23の頭部23aは、取付凹部25内に入り込んでいるため、ディスクホイール3と干渉することはない。
【0037】
ここで、第1円周C1がハブの第2円周C2と一致せず、第1角度α1が第2角度α2と異なっている場合には、第1実施形態とは異なり、ボルト取付部を、中間ボルト挿通孔7に対し回転位相をずらした位置に設けるというだけでは、全てのボルト取付部を中間ボルト挿通孔7から離間させることが困難である。これに対し第2実施形態では、前述したように1つのボルト取付部を、中心Oと中間ボルト挿通孔7とを通る直線上に積極的に配置するとともに、そのボルト取付部の形状を工夫している。すなわち、内周に雌ねじを有する取付凹部25をボルト取付部の1つとし、これの少なくとも一部を中間ボルト挿通孔7に重複させている。さらに、取付凹部25以外のボルト取付部を、その取付凹部25よりも小径のねじ孔26によって構成している。この小径のねじ孔26を採用することと、前記した取付凹部25を中間ボルト挿通孔7に重ねることとの相互作用により、ねじ孔26を中間ボルト挿通孔7に重複しないようにしている。さらに、ホイール締結用ボルトとして、取付凹部25に取付けられる補助ボルト23とねじ孔26に取付けられる植込みボルト24とを採用している。このように、第2実施形態では、ボルト取付部及びホイール締結用ボルトに関し、前述した種々の工夫をすることにより、第1円周C1及び第1角度α1が、第2円周C2及び第2角度α2と異なっているディスクホイール3であっても、第1実施形態と同様にしてハブ1に確実に装着することができる。
【0038】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図11〜図15に従って説明する。第3実施形態の第2実施形態との主な相違は、直径D1,D2、角度α1,α2の各値が変更されていることと、それにともない、中間ボルト挿通孔7、取付凹部25、ねじ孔26の各数、位置等が変更されていることと、補助ボルト23の構造が変更されていることである。以下には、これらの相違点を中心に説明し、第2実施形態と同様の部材、部分等については同一の符号を付して説明を省略する。
【0039】
直径D1,D2、角度α1,α2の各値は、108.0mm,114.3mm,90°,72°に設定されている。ここでの直径D1,D2の差(6.3mm)は、第2実施形態での直径D1,D2の差(14.3mm)よりも小さい。より具体的には、図12に示すように、ハブ1においては、108.0mmの直径D1を有する第1円周C1に沿って、90°毎に4つのねじ孔22があけられている。図13に示すように、ディスクホイール3においては、114.3mmの直径D2を有する第2円周C2に沿って、72°毎に5つのボルト挿通孔4があけられている。
【0040】
図14に示すように、ホイール装着補助具5においては、108.0mmの直径D1を有する第1円周C1に沿って、90°毎に4つの中間ボルト挿通孔7があけられている。また、1つの取付凹部25と4つのねじ孔26との組合せからなるボルト取付部が、114.3mmの直径D2を有する第2円周C2に沿って72°毎に設けられている。取付凹部25は、収容凹部9よりも大径に形成されており、第2実施形態とは異なり、本体部6の外側面6bにおいて、収容凹部9に完全に重なった状態で開口している。このような構成を採ったのは、第2円周C2の大きさが第1円周C1の大きさと同程度であることによる。仮に、第2実施形態のように、取付凹部25を収容凹部9の一部にのみ重複させようとすると、同取付凹部25の雌ねじの半分以上が残るようにすることが困難だからである。
【0041】
各ねじ孔26は中間ボルト挿通孔7から離間した箇所に位置している。本実施形態では、第1円周C1の中心Oと所定の中間ボルト挿通孔7とを通る直線上に取付凹部25が配置されることにより、2つのねじ孔26が中間ボルト挿通孔7に比較的近い箇所に位置し、残りの2つのねじ孔26が中間ボルト挿通孔7から比較的離れた箇所に位置している。
【0042】
図11及び図15に示すように、補助ボルト23は、外周に雄ねじを有するとともに中心部分にねじ孔31aを有するドーナツ状の頭部31と、そのねじ孔31aに螺合される棒状のねじ部32とからなる。頭部31の複数箇所(例えば、中心を挟んで相対向する2箇所)には、孔、凹部等からなり、かつ回転用工具を係止するための係止部33が設けられている。
【0043】
前記のように構成されたホイール装着補助具5を用いてディスクホイール3を装着する場合には、第2実施形態と同様の作業を行う。第2実施形態との相違は、補助ボルト23の本体部6に対する取付け作業である。すなわち、例えば、係止部33がディスクホイール3側に位置するように頭部31の向きを合せ、その頭部31を取付凹部25に螺合する。この螺合に際しては、係止部33に回転用工具を差込み、その工具によって頭部31を回転し、取付凹部25内に入り込ませる。続いて、ねじ部32をねじ孔31aに螺合する。従って、第3実施形態によっても第2実施形態と同様の作用及び効果を奏するほか、補助ボルト23に関し頭部31とねじ部32とが別部材からなり、しかもそれらが螺合により連結される構成であることから、ねじ部32の頭部31からの突出長さを調整できる利点がある。
【0044】
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
【0045】
(1)ボルト取付部として、本体部6にねじ孔をあけ、ディスクホイール3の外方からボルト挿通孔4に通したホイール締結用ボルトを、このねじ孔にねじ込むことにより、ディスクホイール3をホイール装着補助具に締結するようにしてもよい。
【0046】
(2)本発明のホイール装着補助具は、第1円周C1と同じ大きさの第2円周C2に沿って、第1角度α1とは異なる第2角度α2毎にボルト挿通孔4があけられたディスクホイール3を装着する場合にも適用可能である。要するに、第2円周C2及び第2角度α2の少なくとも一方が、第1円周C1及び第1角度α1とは異なるディスクホイール3を締結する場合であれば適用可能である。
【0047】
(3)第2実施形態及び第3実施形態における植込みボルト24の少なくとも1つを補助ボルト23、又は第1実施形態で用いたホイール締結用ボルト12に変更してもよい。
【0048】
(4)第1実施形態におけるハブボルト2及びハブナット11を、第2実施形態で説明したようなハブボルト21及びねじ孔22に変更してもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、PCDとボルト挿通孔の数との両方が指定された値と異なることが原因で、ハブに直接装着できないディスクホイールに、ホイール装着補助具を用いることにより、そのハブに装着することが可能となる。1つのハブに装着できるディスクホイールの種類を増やし、ディスクホイールの選択の幅を広げることができる。
【0051】
また、本発明によれば、上記の効果に加え、第2円周及び第2角度の両方が、第1円周及び第1角度とは異なるディスクホイールをハブに装着する場合に、ボルト取付部の少なくとも1つを、中間ボルト挿通孔内のハブナットやハブボルトと干渉を起させることなく、円周の中心と中間ボルト挿通孔とを結ぶ直線上に配置することができる。
【0052】
また、本発明によれば、上記の効果に加え、第2円周及び第2角度の両方が、第1円周及び第1角度とは異なるディスクホイールをハブに装着する場合に、ボルト取付部において取付凹部以外のものを、中間ボルト挿通孔に接触又は離間した箇所に位置させることができる。植込みボルトを、中間ボルト挿通孔内のハブナットやハブボルトとの干渉を起させることなく本体部に取付けることができる。
【0053】
また、本発明によれば、上記の効果に加え、頭部を取付凹部にねじ込むという作業を行うだけで、補助ボルトを短時間でボルト取付部に取付けることができる。
【0054】
さらに、本発明によれば、上記の効果に加え、補助ボルトのねじ部の長さを簡単に変更することができる。このため、ねじ部の長さの異なる複数種類の補助ボルトを準備しなくてもすむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態におけるハブとホイール装着補助具との関係を示す一部破断分解斜視図である。
【図2】ハブの部分正面図である。
【図3】ディスクホイールの部分正面図である。
【図4】ホイール装着補助具の正面図である。
【図5】ホイール装着補助具を用いてディスクホイールをハブに装着した状態を示す部分縦断面図である。
【図6】第2実施形態におけるハブとホイール装着補助具との関係を示す一部破断分解斜視図である。
【図7】ハブの部分正面図である。
【図8】ディスクホイールの部分正面図である。
【図9】ホイール装着補助具の正面図である。
【図10】ホイール装着補助具を用いてディスクホイールをハブに装着した状態を示す部分縦断面図である。
【図11】第3実施形態におけるハブとホイール装着補助具との関係を示す一部破断分解斜視図である。
【図12】ハブの部分正面図である。
【図13】ディスクホイールの部分正面図である。
【図14】ホイール装着補助具の正面図である。
【図15】ホイール装着補助具を用いてディスクホイールをハブに装着した状態を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 ハブ
2,21 ハブボルト
3 ディスクホイール
4 ボルト挿通孔
5 ホイール装着補助具
6 本体部
7 中間ボルト挿通孔
12 ホイール締結用ボルト
13 ボルト取付部
22 ねじ孔
23 ホイール締結用ボルトの一部をなす補助ボルト
23a,31 頭部
23b,32 ねじ部
24 ホイール締結用ボルトの一部をなす植込みボルト
25 ボルト取付部の一部をなす取付凹部
26 ボルト取付部の一部をなすねじ孔
C1 第1円周
C2 第2円周
α1 第1角度
α2 第2角度
O 中心
Claims (3)
- 第1円周に沿って第1角度毎にハブボルト又はハブボルト取付け用ねじ孔を有するハブに対し、
第2円周に沿って第2角度毎にボルト挿通孔を有し、かつそれらの第2円周及び第2角度の両方が、前記第1円周及び第1角度とは異なるディスクホイールを締結する際に用いられるものであり、
前記ハブ及び前記ディスクホイール間に介在される本体部と、
前記本体部において、前記第1円周に沿って前記第1角度毎に設けられ、かつ前記本体部を前記ハブに締結するためのハブボルトが挿通される中間ボルト挿通孔と、
前記本体部において、前記第1円周の中心を自身の中心とする前記第2円周に沿って前記第2角度毎に設けられ、前記ディスクホイールを本体部に締結するためのホイール締結用ボルトが取付けられるボルト取付部と
を有し、
前記ホイール締結用ボルトは、
棒状のねじ部の一端に、外周に雄ねじを有する頭部を設けてなる補助ボルトを少なくとも含み、該補助ボルトと、該補助ボルトの頭部よりも小径の植込みボルトとの組合せからなり、
前記ボルト取付部は、
前記本体部におけるディスクホイール側の面において、少なくとも一部が前記中間ボルト挿通孔と重複した状態で開口し、かつ前記補助ボルトの頭部に螺合する雌ねじを内周に有する取付凹部を少なくとも含み、該取付凹部と、前記植込みボルトが螺入されるねじ孔との組合せからなることを特徴とするホイール装着補助具。 - 前記補助ボルトのねじ部と頭部とは一体に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のホイール装着補助具。
- 前記補助ボルトのねじ部と頭部とは別部材により構成され、ねじ部は頭部に対し螺合されていることを特徴とする請求項1に記載のホイール装着補助具。
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