JP3568803B2 - 防錆紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば金属コイル等の金属製品の包装等に用いられる防錆紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鉄鋼材料、銅合金材料等からなる金属製品が紙製包装材、段ボール箱等で包装されて保管、流通等されると、紙製包装材、段ボール箱等が吸湿し、水分によって金属製品に錆が発生することがある。また、潜熱の大きな金属製品の場合には結露が生じ、同様に水分によって金属製品に錆が発生することがある。
【0003】
金属製品の錆発生を防止するため、出荷時に金属製品の表面に防錆油等が塗布されることがある。この方法により錆発生を防止することはできるが、防錆油の塗工作業が必要であるため金属製品の製造コストが上昇してしまう。また、金属製品を使用する前には防錆油除去作業が必要であるため、金属製品の利用者からも敬遠される。
【0004】
紙に防錆剤を含浸させた防錆紙を用いて金属製品を包装する手段も提案されている。この方法では、防錆紙から気化した防錆剤が金属製品の表面に付着することにより、金属製品の錆発生が防止される。しかし、気化した防錆剤の一部は防錆紙の外部にも飛散するので、気化速度が速すぎる場合は防錆効果が長続きしない。そして、包装された金属製品が長期間保管された際に、防錆紙を通じて外部から侵入した水分によって錆が発生してしまうことがある。
【0005】
防錆剤が含浸された紙の片面にポリエチレン、ポリプロピレン等からなる合成樹脂層が積層された防錆紙も提案されている。この防錆紙では、合成樹脂層により防錆剤の外部への飛散が防止され、防錆効果が長続きする。また、合成樹脂層により外部からの水分の侵入が防止されるので、包装される金属製品の錆発生を防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年、省資源、環境保護等の気運の高まりとともに、リサイクル可能な防錆紙が望まれつつある。ところが、合成樹脂層が積層された前述の防錆紙では、再生紙として利用しようとしても合成樹脂が水中でほとんど離解しないので、再生紙中に合成樹脂が不純物として混入し、再生紙の品質を低下させてしまうこととなる。このため、この防錆紙は再利用がほとんどなされていないのが実状である。また、やむなくこの防錆紙が焼却処分された場合は合成樹脂の酸化により多量の二酸化炭素が発生してしまうので、地球温暖化防止の観点から好ましくない。さらに防錆紙が廃棄された場合は、自然環境中で合成樹脂が分解しないため環境中に残存し続け、環境破壊を起こしてしまうこととなる。
【0007】
本発明はこの問題に鑑みてなされたものであり、再生紙として再利用することができる防錆紙を提供することをその目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するためになされた本発明は、
紙素材に防錆剤が付着した紙層と、
水離解性の防湿剤であるワックスエマルジョンを塗工することにより形成される防湿剤層と、
紙素材に防錆剤が付着した紙層がこの順番で積層された防錆紙、
である。
【0009】
本発明の防錆紙は防錆剤が付着した紙層を備えているので、これを用いて金属製品を包装すれば、紙層から気化した防錆剤が金属表面に付着して錆の発生が防がれる。防錆剤を紙層に付着させるには、防錆剤を含浸又は塗工すればよい。
【0010】
この防錆紙は防湿剤層を備えているので、気化した防錆剤の外部への飛散が防止され、防錆効果が長続きする。また、防湿剤層により外部からの水分の侵入が防止されるので、包装される金属製品の錆発生を防止することができる。
【0011】
この防錆剤の防錆剤層は、水解離性の防湿剤であるワックスエマルジョンを塗工することにより形成されており、また紙層は元来水解離性であるので、防湿紙全体が水解離可能である。このため、防錆紙を再生紙とすることができる。水に離解した防湿剤は水と共にそのまま投棄されるか、微生物等の処理を経て投棄される。従って、再生紙中に合成樹脂成分が混入することがなく、再生紙の品質が低下することがない。なお、ここで水解離性の防湿剤とは、水溶性の防湿剤又は水分散性の防湿剤を意味する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を詳説する。
【0015】
図1は、参考例にかかる防錆紙1の一部が示された断面図である。この防錆紙1は、紙層3の下面に防湿剤層5が積層されることにより構成される。
【0016】
紙層3には、紙素材が用いられている。用いられる紙素材としては、例えば上質紙、中質紙、晒クラフト紙、未晒クラフト紙、片艶未晒クラフト紙、ライナー紙、紙管原紙、中性クラフト紙、コート紙、クレープ紙、再生紙等が挙げられる。なかでも、包装する金属製品の錆発生を防止する観点から、そのpHが6.5以上7.5以下であり、その塩素イオン濃度が0.01重量%以下であり、その硫酸イオン濃度が0.01重量%以下の中性紙を用いるのが好ましい。紙素材の秤量は特には限定されないが、例えば30g/m2以上1000g/m2以下のものの中から、使用目的に応じ適宜選択されて用いられる。
【0017】
紙層3を構成する紙素材には、防錆剤が含浸されている。用いられる防錆剤の種類は、包装される金属製品の材質等に応じて適宜選定される。防錆剤の具体例としては、例えば脂肪酸塩、安息香酸塩、亜硝酸塩等の水溶液又はアルコール(例えばメタノール、イソプロピルアルコール、エタノール等)溶液等が挙げられる。これらの水溶液及び溶液の濃度は、例えば10重量%以上50重量%以下程度とされる。防錆剤の含浸は、一般的には紙素材に防錆液が塗工又は侵漬されることにより行われる。防錆剤の塗工量は、固形分換算で8g/m2以上30g/m2以下が好ましく、10g/m2以上15g/m2以下が特に好ましい。塗工量が上記範囲未満であると、防錆効果が不十分となってしまうことがある。逆に、塗工量が上記範囲を越えると、紙層3の上面がべとついたり、防錆剤が結晶化したりしてしまうことがある。
【0018】
防湿剤層5は、紙層3の下面に水離解性の防湿剤が塗工されることにより形成されている。水離解性の防湿剤としては、ワックスエマルジョン等の既知のものが用いられる。防湿剤には、必要に応じ炭化水素系オリゴマー、界面活性剤、分散剤、安定剤、顔料等が配合されてもよい。防湿剤の塗工量は、固形分換算で5g/m2以上50g/m2以下が好ましく、10g/m2以上30g/m2以下が特に好ましい。塗工量が上記範囲未満であると、防湿効果が不十分となり、外部から防錆紙1を通して水分が内部に侵入してしまうことがある。逆に、塗工量が上記範囲を越えると、防湿剤の費用が嵩む割には防湿効果が頭打ちとなって不経済となってしまうことがある。
【0019】
防湿剤の紙素材への塗工方法は既知の各種方法を採用することができ、例えばキスロールコーター、バーコーター、ロールコーター、ブレードコーター、キスコーター等により行えばよい。
【0020】
この防錆紙1を用いて金属製品を包装する場合は、紙層3が内側とされる。すると、紙層3から防錆剤が気化して金属製品の表面に付着し、錆の発生が防止される。外側に位置する防湿剤層5は、外部からの水分の侵入を防止すると共に、防錆剤の外部への飛散を防止する。
【0021】
この防錆紙1を使用後再生紙に加工する場合は、まず防錆紙1を所定寸法に裁断し、水中で攪拌する。すると、紙層3及び防湿剤層5が離解する。次ぎに、これを抄いて乾燥し、再生紙を得る。防湿剤は水に離解しているので再生紙中にはほとんど混入しない。従って、再生紙の品質を高めることができる。水に離解した防湿剤は、水と共に投棄される。
【0022】
図2は、本発明の実施形態にかかる防錆紙7の一部が示された断面図である。この防錆紙7は、紙素材に防錆剤が付着した紙層9、防湿剤層11及び他の紙層13がこの順番で積層されることにより構成される。紙層9及び防湿剤層11の構成は、それぞれ図1に示された防錆紙1の紙層3及び防湿剤層5の構成と同等である。
【0023】
他の紙層13は、紙素材に防錆剤が含浸されることにより構成されている。用いられる紙素材の材質及び秤量並びに用いられる防錆剤の成分及び塗工量は、図1に示された防錆紙1の紙層3と同等である。
【0024】
この防錆紙7は、金属製品の個包装に好適に用いられる。複数の個包装体は、さらに段ボール箱等の外包装材中に収納される。例えば、紙層9を内側として金属製品が個包装されると、この紙層9から気化した防錆剤が金属製品の錆発生を防止するとともに、外側となる他の紙層13からも防錆剤が気化して外包装材中に充満する。従って、もし一部の個包装体の防錆紙7が破断しても、外包装材中に充満した防錆剤により、金属製品の錆発生が防止される。
【0025】
この防錆紙7では、上面及び下面が紙素材であるため、防湿剤層11が表面に現れない。このため、被包装体や外包装材に防湿剤中の成分が移転することが抑えられる。また、上面及び下面に紙素材が設けられているため、防錆紙7の強度が向上する。
【0026】
この防錆紙7において、紙層9及び他の紙層13にシワ加工を施しても良い。こうすれば、防錆紙7に応力緩和性を付与することができ、例えば帯状の防錆紙7で環状の金属製品を螺旋状に巻き上げる際に防錆紙7が金属製品の形状に追従し、隙間なく防錆紙7で金属製品を覆うことができるようになる。
【0027】
図3は、他の参考例にかかる防錆紙15の一部が示された断面図である。この防錆紙15は、紙素材に防錆剤が付着した紙層17、防湿剤層19及び補強剤層21が積層されることにより構成されている。紙層17及び防湿剤層19の構成は、それぞれ図1に示された防錆紙1の紙層3及び防湿剤層5の構成と同等である。
【0028】
補強材層21は、例えば樹脂クロス、ワリフ、樹脂フィルム、不織布等の補強材から構成されている。補強材層21を設けることにより、防錆紙15の強度を向上させることができる。補強材層21を備えた防錆紙15を再生紙とする場合でも、防湿剤層19が水離解性して補強材層21が離脱するので、容易に補強材層21を取り除くことができる。従って、補強材層21が再生紙中に混入することがない。補強材層21は、水離解性の補強材から構成されるのが好ましい。こうすれば、防湿剤層19とともに補強材層21も水に離解するので、補強材層21を取り除くことなく防錆紙15を再生紙とすることができる。水離解性の補強材としては、例えばポリビニルアルコール製の補強材(具体例としては、クラレ社の「クラロンK−」IIが挙げられる)等が挙げられる。
【0029】
本発明の防錆紙の構成は、図2に示された構成のみには限られない。例えば、印刷層を設けたり、他の補強層を設けたり、他の紙層を設ける等、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の仕様変更が可能である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、再生紙として再利用することができる防錆紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、参考例にかかる防錆紙の一部が示された断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態にかかる防錆紙の一部が示された断面図である。
【図3】図3は、他の参考例にかかる防錆紙の一部が示された断面図である。
Claims (1)
- 紙素材に防錆剤が付着した紙層と、
水離解性の防湿剤であるワックスエマルジョンを塗工することにより形成される防湿剤層と、
紙素材に防錆剤が付着した紙層がこの順番で積層された防錆紙。
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