JP3568446B2 - 電着砥石を用いた研削加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気メッキにより超砥粒を1砥粒層状態で台金上に固着させた電着砥石を用いた研削加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CBN砥粒或いはダイヤモンド砥粒などの超砥粒を電気メッキにより1砥粒層状態で台金上に固着させた電着砥石が知られている。このような電着砥石は、通常、台金上に析出されるメッキ金属が超砥粒間の隙間を埋めて成長させられ、そのメッキ金属が超砥粒をしっかりとつかむ厚み状態とされる。このようにして構成された電着砥石では、超砥粒がその先端を十分に露出した理想的状態で固着されていることから、ドレッシング不要で切れ味のよい砥石として、高能率研削や粗研削などに多用されている。
【0003】
上記電着砥石は、超砥粒の姿勢や径のばらつきによってその超砥粒の突き出し量が揃っていないため、細かい面粗度が要求される精密研削の分野では用いることができず、また、砥粒層が1砥粒層状態であることから、他の種類の砥石に比較して寿命が短いという欠点があった。
【0004】
本出願人は、先に出願した特願平11−35562に、上記欠点を解消した電着砥石の研削加工方法を記載した。この電着砥石の研削加工方法によれば、初期ツルーイング工程において、研削加工に先立って超砥粒の突き出し量を揃えて切刃が創成されることから、その後の研削工程において、被削材の面粗度のよい精密研削加工を行なうことができ、被削材の表面粗さが予め設定された上限値に到達した場合には、再ツルーイング工程において、被削材の表面粗さを細かくするためのツルーイングが電着砥石の研削面に再び施されるので、電着砥石の精密研削加工寿命を長くすることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記先願の再ツルーイング工程においては、電着砥石の研削面に再度ツルーイングが施されれば、ツルーイング切込量に拘らず、電着砥石の加工寿命を長くするという目的は達成できることから、ツルーイング切込量については特に限定せず、実施例には、ツルーイング切込量が予め設定された一定値の場合を開示した。しかしながら、電着砥石の寿命を最大限に長くするためには、一度の再ツルーイング工程における切込量が可及的に少ないことが望まれる。
【0006】
また、一般的に、研削加工時の消費電力値が大きいほど被削材の残留応力値が大きい、すなわち加工品位が低いことから、再ツルーイング後も研削加工時の消費電力値は増加しないことが望ましいが、上記先願の実施例において開示した方法では、再ツルーイングが行なわれる毎に消費電力値が増加してしまっていた。
【0007】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであって、その目的とするところは、精密研削可能な砥石寿命を長くするために所定の再ツルーイングが行なわれる電着砥石を用いた研削加工方法において、砥石寿命を可及的に長くすること、または、加工品位を高品位に維持することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するために種々検討を重ねた結果、再ツルーイングを繰り返し行なう際に、ツルーイング切込量を再ツルーイングの回数に応じて減らしていっても、その再ツルーイングが施された電着砥石により研削された被削材の面粗さは維持され、しかも次回の再ツルーイングまでの研削代断面積がツルーイング切込量を減らさない場合と同等であること、および、再ツルーイングにおけるツルーイングリードを速くしていくと、再ツルーイングの回数の増加に伴う消費電力値の上昇が抑えられることを見いだした。本発明はかかる知見に基づいて為されたものである。
【0009】
【課題を解決するための第1の手段】
すなわち、前記目的を達成するための第1発明の要旨とするところは、所定の切込量のツルーイングが施されて超砥粒の突き出し量が揃えられた電着砥石を用いて被削材を研削する研削工程と、その研削工程の実行によって前記被削材の表面粗さが予め設定された上限値に到達する毎に、その表面粗さを再び細かくするために、前記電着砥石の研削面に所定の切込量および所定のリードのツルーイングを再び施して切刃を創成する再ツルーイング工程とを繰り返し実行する電着砥石を用いた研削加工方法であって、前記再ツルーイング工程における切込量を、前回のその再ツルーイング工程における切込量よりも減少させることにある。
【0010】
【第1発明の効果】
このようにすれば、研削工程において研削される被削材の表面粗さが予め設定された上限値に到達した場合には、再ツルーイング工程において、電着砥石の研削面に所定の切込量および所定のリードのツルーイングが再び施されるが、その切込量が前回の再ツルーイング工程における切込量よりも減少させられるので、再ツルーイングの切込量が一定値である場合に比較して、被削材の仕上げ面粗さが維持されたまま電着砥石の寿命が長くなる。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】
前記目的を達成するための第2発明の要旨とするところは、所定の切込量のツルーイングが施されて超砥粒の突き出し量が揃えられた電着砥石を用いて被削材を研削する研削工程と、その研削工程の実行によって前記被削材の表面粗さが予め設定された上限値に到達する毎に、その表面粗さを再び細かくするために、ロータリドレッサを用いて前記電着砥石の研削面に所定の切込量および所定のリードのツルーイングを再び施して切刃を創成する再ツルーイング工程とを繰り返し実行する電着砥石を用いた研削加工方法であって、前記再ツルーイング工程におけるリードを、前回のその再ツルーイング工程におけるリードよりも速くすることにある。
【0012】
【第2発明の効果】
このようにすれば、研削工程において研削される被削材の表面粗さが予め設定された上限値に到達した場合には、再ツルーイング工程において、電着砥石の研削面に所定の切込量および所定のリードのツルーイングが再び施されるが、そのリードが前回の再ツルーイング工程におけるリードよりも速くさせられることから、再ツルーイングの回数の増加に伴う消費電力の上昇が抑えられるので、加工品位を高品位に維持できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一適用例に用いられる電着砥石10を示す斜視図である。この電着砥石10は、円板状を成す鋼(スチール)製の台金12と、その台金12の外周面においてたとえば粒度80程度のCBN砥粒14が1粒子層の厚みで電着により固着された研削面16とを備えている。
【0015】
図2は、本発明の電着砥石を用いた研削加工方法を説明する図であり、図3は、図2の研削加工方法における電着砥石の研削面の状態を説明する図であって、(a) は初期ツルーイング工程20前の状態を示し、(b) は初期ツルーイング工程20後の状態を示し、(c) は再ツルーイング工程24後の状態を示している。図2において、ステップS1(以下ステップを省略する)の初期ツルーイング工程20では、たとえばダイヤモンドロータリドレッサを用いて電着砥石10に所定の切込量ΔAでツルーイングを施す。なお、この初期ツルーイング工程20での切込量ΔAは、たとえば、次述する研削工程22における被削材の表面粗さRz(十点平均粗さ (μm))を2.5μm以下とするように設定される。
上記初期ツルーイングが施される前の研削面16の状態は図3(a) に示されるように、CBN砥粒14のニッケルメッキ層18の表面に対する突き出し量Bが揃っておらず、この状態で被削材を研削すると要求される面粗度が得られない。しかし、初期ツルーイングが施されると、図3(b) に示されるように、CBN砥粒14の突き出し量Bが略一定に揃えられる。
【0016】
続くS2の研削工程22では、上記初期ツルーイング工程20または後述するS4の再ツルーイング工程24において突き出し量Bが略一定に揃えられた電着砥石10を用いて図示しない被削材に対する研削加工が行なわれる。CBN砥粒14の突き出し量Bが略一定に揃えられているので、被削材の表面粗さRz(=十点平均粗さ(μm))がたとえば4.0μm以下となる精密研削が行なわれる。
【0017】
上記研削工程22による複数個の被削材に対する精密研削加工の実行によって、その被削材の表面粗さRzが予め設定された上限値たとえば4.0μmに到達した場合には、続くS3において電着砥石10が寿命であるか否かが判断される。この判断は、たとえば、電着砥石10を回転駆動させるための消費電力値kWが予め設定された値を越えたことに基づいて、或いは、CBN砥粒14の突き出し量Bが予め設定された所定値(たとえば30μm)以下となったか否かに基づいて判断される。
【0018】
上記S3の判断が肯定された場合には、その電着砥石10による研削加工は終了させられるが、否定された場合には、続くS4の再ツルーイング工程24において、被削材の表面粗さRzを再び細かくするために、所定の切込量ΔC(ΔC<ΔA)且つ所定のリードL(mm/r.o.w (r.o.w=revolution of wheel))の再ツルーイングが、電着砥石10の研削面16に対して施される。
【0019】
この再ツルーイング工程24のツルーイングは、切込量ΔCが微小量に設定される所謂マイクロツルーイングであり、その切込量ΔCは、研削面16により加工される被削材の表面粗さRzを、上記予め設定された研削加工の上限値を十分に下回る値(たとえば2μm程度)にするために予め設定された値である。また、その切込量ΔCは、前回の再ツルーイング工程24における切込量ΔCと同じかそれよりも小さい値に設定される。切込量ΔCが前回の再ツルーイング工程24における切込量ΔCよりも小さい値とされると、切込量ΔCが毎回同じ一定値である場合に比較して、電着砥石10の寿命を長くすることができる。すなわち、電着砥石10を有効に利用することができる。また、そのように再ツルーイングの回数が増加するにつれて切込量ΔCを減少させても、被削材の表面粗さRzを十分に細かくすることができたのである。
【0020】
再ツルーイングの回数が増加するにつれて切込量ΔCを減少させることができる理由は以下のように考察できる。すなわち、砥粒先端からの深さ方向(ニッケルメッキ層18方向)の距離が所定値(たとえば30μm)である面で電着砥石10を切断した場合の砥粒の面積を研削面の面積で除した値を砥粒面積率(%)とすると、前記研削工程22において電着砥石10が使用されるほど、その電着砥石10の砥粒面積率は増加する。砥粒面積率が増加すると、少ない切込量ΔCで多くの切刃が創成されるようになる。従って、再ツルーイングの回数が増加するにつれて切込量ΔCを減少させることができるのである。
【0021】
また、上記再ツルーイング工程24におけるリードLは、前回の再ツルーイング工程24におけるリードLと同じかそれよりも速い値に設定される。上記のように、再ツルーイングを行なうほど砥粒面積率は増加するため、消費電力値は大きくなる傾向にあるが、再ツルーイングにおけるリードLを速くすると、消費電力値の増加が抑制できるのである。図4は、再ツルーイングにおけるCBN砥粒14の破砕形態を、ツルーイングリードLが遅い場合と速い場合とで対比して示す概念図であって、(a) はツルーイングリードLが遅い場合であり、(b) はツルーイングリードLが速い場合である。図4に示すように、ツルーイングリードLが速いほどCBN砥粒14の破砕形態が大きくなるため、リードLを速くすると、消費電力値の増加が抑制できるのである。
【0022】
そして、上記S4の再ツルーイング工程24が実行された後は、前述のS2の研削加工工程22が再び実行される。
【0023】
次に、再ツルーイングの回数が増加した場合に切込量ΔCを減少させた、ツルーイング切込量試験について説明する。この試験は、粒度#80のCBN砥粒14が電着された電着砥石を用い、研削加工初期の目標仕上げ面粗さRzを2μmとして、以下に示す研削条件で精密研削加工を行ない、被削材の面粗度が4μmとなると、以下に示すツルーイング条件で4度の再ツルーイングを行なったものである。なお、再ツルーイングにおける切込量ΔCは、一回のパスにおける切込量は一定とし、そのパス回数を変更することによりトータル切込量を変更した。1回目および2回目の再ツルーイングではpass回数を3回とし、3回目の再ツルーイングではpass回数を2回とし、4回目の再ツルーイングではpass回数を1回とした。結果を図5乃至図6に示す。
【0024】
(ツルーイング条件)
ツルアー:SD40Q75M(φ60×U1)
リード:0.1mm/r.o.w
切込量ΔC:φ4μm/pass×(1〜3)pass
【0025】
(研削条件)
ホイール(砥石):CB80PA5(D405 ×T25 ×H127×U10)
研削方式:湿式プランジ研削(up cut)
被削材:SCM435(HRC48)(φ60×t5)
砥石周速度:45m/s
被削材周速度:0.45m/s
切込速度:Z’=10mm3 /mm・s
取代:研削代断面積=100mm2
スパークアウト:10rev
研削液:ソリューブルタイプ SA1000CB(×50)
【0026】
図5は、4度目の再ツルーイング後に被削材の仕上げ面粗さRzが4μmになるまでの連続研削加工における、ホイール単位円周長さ当たりの研削代断面積に対する、被削材の仕上げ面粗さ(すなわち面粗度)Rzの変化および消費電力値(kW)の変化を示す図である。
図5に示されるように、ともにパス回数が3回である1回目および2回目の再ツルーイングを比較すると、再ツルーイングを繰り返すと、再ツルーイング後の研削初期の仕上げ面粗さRzは細かくなり、消費電力値は高くなり、次回の再ツルーイングまでの研削代断面積すなわちツルーイングインターバルが長くなる傾向があることが分かる。消費電力値が高くなる傾向およびツルーイングインターバルが長くなる傾向は、パス回数を2回に減らした3回目の再ツルーイング、およびパス回数を1回に減らした4回目の再ツルーイングにも同様に認められる。なお、3回目の再ツルーイングおよび4回目の再ツルーイング後のツルーイングインターバルは、3回目および4回目の再ツルーイングにおけるパス回数を3回とした場合とほぼ同等であった。また、再ツルーイング後の研削初期の仕上げ面粗さRzも、パス回数が3回である1回目および2回目の再ツルーイング後と同程度の細かさが維持されている。
【0027】
図6は、初期ツルーイング後および各再ツルーイング後にホイール単位円周長さ当たりの研削代断面積が0.786mm2 /mmとなるまで研削した後の、被削材の残留応力値を示す図である。図6に示されるように、いずれの場合も被削材表面には約500MPaの圧縮応力が働いており、被削材内部にも引張応力は見られない。
【0028】
次に、再ツルーイングの回数が増加する毎にツルーイングリードLを増加させたツルーイングリード試験について説明する。この試験は、前述のツルーイング切込量試験と同様の研削条件で被削材を一定量研削する毎に、以下に示すツルーイング条件で4回の再ツルーイングを行ないつつ被削材を連続研削加工したものである。各ツルーイングにおけるツルーイングリードLは、初期ツルーイングから2回目の再ツルーイングまではツルーイング回数とともに速くし、その結果と比較するために、3回目の再ツルーイングにおいて初期ツルーイングのときと同じに戻し、4回目の再ツルーイングは3回目の再ツルーイングよりも速くした。すなわち、各ツルーイングにおけるツルーイングリードLは、初期ツルーイングが0.05(mm/r.o.w)、1回目の再ツルーイングが0.1(mm/r.o.w)、2回目の再ツルーイングが0.2(mm/r.o.w)、3回目の再ツルーイングが0.05(mm/r.o.w)、4回目の再ツルーイングが0.1(mm/r.o.w)である。
【0029】
(ツルーイング条件)
ツルアー:SD40Q75M(φ60×U1)
リード:0.05, 0.1, 0.2mm/r.o.w
切込量ΔC:φ4μm/pass×3pass
【0030】
上記のようにして行なった試験結果を図7乃至図9に示す。図7は、上記ツルーイングリード試験における、ホイール単位円周長さ当たりの研削代断面積に対する、被削材の仕上げ面粗さRzの変化および消費電力値(kW)の変化を示す図である。ツルーイングリードLが一定である前述のツルーイング切込量試験では、図5に示されたように、再ツルーイング毎に消費電力値が上昇していたが、図7の初期ツルーイングから2回目の再ツルーイングまでに示されるように、ツルーイング毎にツルーイングリードLを速めると消費電力値の上昇が抑えられる。また、3回目の再ツルーイングにおいてツルーイングリードLを0.05(mm/r.o.w)に戻すと、ツルーイング後の初期仕上げ面粗さRzが再び細かくなっている。すなわち、ツルーイングリードLにより仕上げ面粗さRzを制御できることが分かる。
【0031】
図8は、上記ツルーイングリード試験における、砥粒面積率に対する、被削材の仕上げ面粗さRzの変化および消費電力値(kW)の変化を示す図である。図8に示されるように、再ツルーイング回数が増加するに従い砥粒面積率が増加するが、砥粒面積率が増加しても、消費電力値の上昇が抑えられていることが分かる。
【0032】
図9は、初期ツルーイング後および各再ツルーイング後にホイール単位円周長さ当たりの研削代断面積が0.786mm2 /mmとなるまで研削した後の、被削材の残留応力値を示す図である。図9に示されるように、いずれの場合も被削材表面には圧縮応力が働いており、被削材内部にも引張応力は見られない。
【0033】
上述のように、図2に示す研削加工方法によれば、研削工程22において研削される被削材の表面粗さRzが予め設定された上限値に到達した場合には、再ツルーイング工程24において、電着砥石10の研削面16に所定の切込量ΔCおよび所定のリードLのツルーイングが再び施されるが、その切込量ΔCを前回の再ツルーイング工程24における切込量ΔCよりも減少させれば、再ツルーイングの切込量が一定値である場合に比較して、被削材の仕上げ面粗さRzを維持しつつ電着砥石の寿命を長くできる。
【0034】
また、図2に示す研削加工方法によれば、研削工程22において研削される被削材の表面粗さRzが予め設定された上限値に到達した場合には、再ツルーイング工程24において、電着砥石10の研削面16に所定の切込量ΔCおよび所定のリードLのツルーイングが再び施されるが、そのリードLを前回の再ツルーイング工程24におけるリードLよりも速くさせれば、再ツルーイングの回数の増加に伴う消費電力の上昇が抑えられるので、加工品位を高品位に維持できる。
【0035】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は上記実施例とは別の態様においても実施できる。
【0036】
たとえば、前述の実施例では、再ツルーイングの回数が増加した場合に、ツルーイングリードLは一定として切込量ΔCを減少させたツルーイング切込量試験、および、再ツルーイングの回数が増加する毎に、切込量ΔCは一定としてツルーイングリードLを増加させたツルーイングリード試験をそれぞれ説明したが、切込量ΔCおよびツルーイングリードLの双方を変更してもよい。すなわち、再ツルーイング工程24における切込量ΔCを、前回の再ツルーイング工程24における切込量ΔCよりも減少させ、且つ、ツルーイングリードLを前回のツルーイングリードLよりも速くしてもよい。また、たとえば表1に示すように、切込量ΔCを前回の再ツルーイング工程24よりも減少させることと、ツルーイングリードLを前回の再ツルーイング工程24よりも速くすることとを適宜組み合わせてもよい。このようにすれば、消費電力値の上昇を好適に抑制しつつ、電着砥石10の精密研削可能な寿命を可及的に長くすることができる。
【0037】
【0038】
また、前述の実施例では、表面粗さは十点平均粗さRzにより判断されていたが、最大高さRyにより判断されてもよい。
【0039】
また、前述の実施例では、CBN砥粒14の粒度は#80であったが、#40等他の粒度の砥粒が用いられてもよい。
【0040】
また、前述の実施例では、砥石周速度は45m/sの普通周速であったが、たとえば200m/s程度の高速周速であってもよい。
【0041】
また、前述の実施例の電着砥石10は、CBN砥粒14が電着された研削面16を備えたものであったが、その研削面16にはダイヤモンド砥粒が電着されていても差し支えない。
【0042】
また、前述の実施例の電着砥石10は、図1に示すような、円筒状の研削面16を備えて円盤状に構成されていたが、その研削面16は、総型砥石のように複雑な形状に構成されていてもよい。
【0043】
また、前述の図2の再ツルーイング工程24において、再ツルーイングのためにロータリドレッサが用いられていたが、CBN砥粒14の保持力に問題がなければブレード式などの他の形式のドレッサが用いられてもよい。
【0044】
以上に説明したものはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の研削加工方法に用いられる電着砥石を示す斜視図である。
【図2】図1の電着砥石を用いた研削加工方法を説明する工程図である。
【図3】図2の研削加工方法における電着砥石の研削面の状態を説明する図であって、(a) は初期ツルーイング工程前の状態を示し、(b) は初期ツルーイング工程後の状態を示し、(c) は再ツルーイング工程後の状態を示している。
【図4】再ツルーイングにおけるCBN砥粒の破砕形態を、ツルーイングリードLが遅い場合と速い場合とで対比して示す概念図であって、(a) はツルーイングリードLが遅い場合であり、(b) はツルーイングリードLが速い場合である。
【図5】ツルーイング切込量試験における、ホイール単位円周長さ当たりの研削代断面積に対する、被削材の仕上げ面粗さRzの変化および消費電力値の変化を示す図である。
【図6】ツルーイング切込量試験において、初期ツルーイング後および各再ツルーイング後にホイール単位円周長さ当たりの研削代断面積が0.786mm2 /mmとなるまで研削した後の、被削材の残留応力値を示す図である。
【図7】ツルーイングリード試験における、ホイール単位円周長さ当たりの研削代断面積に対する、被削材の仕上げ面粗さRzの変化および消費電力値の変化を示す図である。
【図8】ツルーイングリード試験における、砥粒面積率に対する、被削材の仕上げ面粗さRzの変化および消費電力値の変化を示す図である。
【図9】ツルーイングリード試験において、初期ツルーイング後および各再ツルーイング後にホイール単位円周長さ当たりの研削代断面積が0.786mm2 /mmとなるまで研削した後の、被削材の残留応力値を示す図である。
【符号の説明】
10:電着砥石
14:CBN砥粒(超砥粒)
22:研削工程
24:再ツルーイング工程
Claims (2)
- 所定の切込量のツルーイングが施されて超砥粒の突き出し量が揃えられた電着砥石を用いて被削材を研削する研削工程と、該研削工程の実行によって前記被削材の表面粗さが予め設定された上限値に到達する毎に、該表面粗さを再び細かくするために、前記電着砥石の研削面に所定の切込量および所定のリードのツルーイングを再び施して切刃を創成する再ツルーイング工程とを繰り返し実行する電着砥石を用いた研削加工方法であって、
前記再ツルーイング工程における切込量を、前回の該再ツルーイング工程における切込量よりも減少させることを特徴とする電着砥石を用いた研削加工方法。 - 所定の切込量のツルーイングが施されて超砥粒の突き出し量が揃えられた電着砥石を用いて被削材を研削する研削工程と、該研削工程の実行によって前記被削材の表面粗さが予め設定された上限値に到達する毎に、該表面粗さを再び細かくするために、ロータリドレッサを用いて前記電着砥石の研削面に所定の切込量および所定のリードのツルーイングを再び施して切刃を創成する再ツルーイング工程とを繰り返し実行する電着砥石を用いた研削加工方法であって、
前記再ツルーイング工程におけるリードを、前回の該再ツルーイング工程におけるリードよりも速くすることを特徴とする電着砥石を用いた研削加工方法。
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