JP3567893B2 - 電気湯沸かし器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を短時間に保温温度に下げ、瀑気による浄水効果と湯質を改善する電気湯沸かし器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、「環境」「省エネルギ−」に対する消費者意識が高まり「電気代のかからない機器が欲しい」という要望に応えるため、容器側面や蓋内部に断熱材を備えたり、真空二重容器を備えた電気湯沸かし器が主流となっている。この構成では、容器内に収容された液体は冷めにくく、保温時の消費電力が低減される(例えば、特開平11−290210号公報)。また、液体に気体を混入することを特徴とする電気湯沸かし器としては、例えば、特開平9−313350号公報に記載されているようなものがあった。図8は従来例を示す電気湯沸かし器の要部断面図、図9は従来例を示す電気湯沸かし器の液体温度のタイムチャートを示すものである。
【0003】
図8において、101は器体、102は器体101内に設けた液体103を収容する有底の容器、104は容器102の底面に設けた容器102内の液体103を加熱する発熱体、105は液体ポンプ、106は液体ポンプ105を介して容器102の底部に連通させた器体101外への吐出経路、107は吐出経路106の一部を使って液体103を循環させる循環経路、108は循環経路107の途中に設けた液体103の流れによって気体109を吸引し液体103に混入させる混入器である。110は容器102の外側面に円筒状に巻き付けた真空断熱材、111は容器102の上方開口部を覆う蓋体、112は蓋体111の内部に設けた断熱材である。
【0004】
図9において、縦軸は液体温度、横軸は時間、点Aは湯沸かし開始、点Bは湯沸かし終了、点Cは所望の保温温度(従来例では85℃)到達である。点Aから点Bの間で、液体ポンプ105を動作させることによって液体103を容器102から循環経路107に導出してそれを再度容器102内に戻すことを繰り返し行う。液体103を循環させると混入器108は液体103の流れで発生する負圧により気体109を吸引し液体103に混入する構成となっている。前記構成では、液体103に気体109を混入させ、液体103を瀑気することによる浄水効果の向上を主な目的としている。点Bから点Cの間すなわち沸騰させた液体103を所望の保温温度(従来例では85℃)に下げる際には、液体103からの放熱による自然冷却で液体温度を下げるのが一般的である。本従来例では、湯沸かし終了から85℃に到達するまでの時間は約100分としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一方では、「安全で美味しいお茶がすぐに飲みたい」「赤ちゃんのミルクづくりに安全で美味しいお湯がすぐに使いたい」といった要望に応えるためには、沸騰させた液体をそれぞれに適した温度(お茶の抽出には85℃、ミルクづくりには60℃が一般的である)まで時間をかけずに下げる必要がある。しかしながら、前記従来の構成では、沸騰させた液体を所望の保温温度に下げる際には液体からの放熱による自然冷却で液体温度を下げているため、時間がかかり所望した温度の液体をすぐに使えず不便であるという課題を有していた。
【0006】
さらに、特に断熱性能の高い電気湯沸かし器については、断熱構成を備えていないものに比べて液体からの放熱を抑制する構成となっており、沸騰させた液体をミルクづくりに適する温度(一般的には60℃)まで下げるのに4時間以上もかかるため、前記保温温度での保温機能が付加できないという課題を有していた。
【0007】
また、前記従来の構成では、吐出経路内にも容器内の液面と同一高さまで液体が入るが、吐出経路内の液体は容器内の液体に比べて発熱体による加熱の影響を受けにくいため、容器内の液体温度が沸騰しても低温のままである。吐出の当初においては、低温の液体が吐出され、コーヒーなどの抽出が充分に行えないという課題を有していた。
【0008】
また、液体が沸騰することによって液体中に溶存する気体成分が抜けてしまうため、電気湯沸かし器で沸かした液体は、一般的に「抜けたような味がする」「切れ味がない」などの言葉で表現されることが多いという課題を有していた。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、沸騰させた液体を時間をかけずに所望の保温温度に下げるとともに、瀑気による浄水効果に加えてさらに湯質を改善する電気湯沸かし器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の電気湯沸かし器は、器体外あるいは器体内の気体もしくは容器内の気体を導入して容器内もしくは吐出経路内に気体を導出する気体ポンプを設け、容器内の液体に気体を強制的に混入させるものである。
【0011】
気体ポンプを動作させることによって、液体温度よりも低温の気体を容器内の液体に接触させて高温の液体と低温の気体との熱交換で強制的に液体の温度を短時間に冷却する。また同時に、気体を容器内の液体に接触させて液体中の揮発成分が気体に移動するように強制的に液体の瀑気を行う。さらに、液体の沸騰によって失われた気体成分(特に外気の気体成分の中で最も液体に溶けやすい二酸化炭素)を強制的に液体の中に溶存させて、瀑気による浄水効果と、より美味しい湯質を実現する。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は、器体内に設けた液体を収容する有底状の容器と、前記容器の底面に設けた前記容器内の液体を加熱する発熱体と、前記容器の底面に設けた前記容器内の液体温度を感知する温度検知素子と、前記容器内の液体に気体を混入する気体ポンプと、前記気体ポンプに接続した気体流出経路と、前記容器の下部に連通させた前記器体外への吐出経路と、前記吐出経路に設け通常は閉鎖状態にある気体防止弁と、前記気体防止弁と前記容器との間の前記吐出経路の途中に設け前記気体流出経路に接続した気体流出口とを備えたものである。気体ポンプによって吐出経路内に導出された気体は気体防止弁が閉鎖状態にあるため器体外には導出されず、気体が吐出経路内の液体を容器内に押し戻すように動作して容器内に導出される。これによって、液体温度よりも低温の気体を容器内の液体に接触させて高温の液体と低温の気体との熱交換で強制的に液体の温度冷却を行う。これによって、沸騰させた液体を時間をかけずに所望の保温温度に下げることができ、さらには電気代を抑えることができる。また同時に、気体を容器内の液体に接触させて液体中の揮発成分が気体に移動するように強制的に液体の瀑気を行う。これにより、液体中の揮発成分であるカルキやトリハロメタンなどを気体とともに揮発させて容器内の液体を浄化することができる。さらに、前記したように浄水効果を向上させることによって、沸騰時間を短縮して蒸気の発生量を低減することができ、さらには電気代を抑えることができる。また、容器内の液体残量が少ない時にも同様の効果を得ることができる。これに加えて、気体が吐出経路内の液体を容器内に押し戻すため、「吐出経路内の液体温度が容器内の液体温度に比べて加熱されにくい」という従来の不具合を解消し、液体の吐出当初から容器内の液体と同等温度の液体を吐出することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、気体流出口を液体の満量位置より上方に設けてなるものである。これによって、常時容器内の液体面にかかっている大気圧や容器内の液体面とのヘッド差分の水圧によって液体が気体ポンプに逆流することがなくなる。したがって、器体転倒時などに発生する容器内の気体の内圧上昇による逆流を防止すれば良く、気体ポンプに備え付けの防止弁を利用すると液体逆流防止弁が不要となるか少なくとも構造的に簡素化できる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、気体ポンプに気体流入経路を介して接続する気体フィルターを備え、前記気体フィルターは器体の上部に設けてなり、 気体流入経路の途中に二酸化炭素発生装置を備え、混入する気体を二酸化炭素に限定してなるものである。気体フィルターを設けることによって、外気のゴミや埃などの異物、臭い成分などを気体フィルターに吸着させて液体への不純物の混入を防止できる。また、気体フィルターを器体の上部に設けることによって、下部に設けたものに比べて給水時や容器のお手入れ時などに器体内に水が浸入しにくくなり、絶縁性能の劣化を防止できる。また、外気の気体成分の中で最も液体に溶けやすい二酸化炭素を容器内の液体に混入するので、液体の沸騰によって失われた気体成分を強制的に液体の中に溶存させて切れ味のある湯質に改善できる。
【0015】
【実施例】
以下本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1における電気湯沸かし器の要部断面を示す図である。また、図2は、本実施例における電気湯沸かし器の液体温度のタイムチャートを示す。
【0017】
図1において、2は器体1内に設けた液体3を収容する有底の容器であり、4は容器2の底面裏側に固着させた容器2内の液体3を加熱する発熱体である。13は容器2の底面裏側に設けた容器2内の液体温度を感知する温度検知素子であり、14は容器2内の液体3に気体9を混入する気体ポンプである。6は液体ポンプ5を介して容器2の底部に連通させた器体1外への吐出経路であり、吐出経路6の下部には温度検知素子13に対して上方の位置に容器2内の液体残量を検知する液位検知素子17を設けている。気体ポンプ14は気体流出経路15を介して容器2の底面に設けた気体流出口16と接続している。気体流出口16は図1では、容器2の底面に設けて開口部を上向きに縦型に配置したものを示しているが、容器2の側面下部に設けて開口部を横向きに横型に配置したものであってもよい。また、気体流出口16は温度検知素子13に対して同等の位置、かつ液位検知素子17に対して下方の位置に設けている。10は容器2の外側面に円筒状に巻き付けた真空断熱材、11は容器2の上方開口部を覆う蓋体、12は蓋体11の内部に設けた断熱材である。
【0018】
以上のように構成された電気湯沸かし器について、以下その動作、作用を説明する。
【0019】
図2において、縦軸は液体温度、横軸は時間、点Aは湯沸かし開始、点Bは湯沸かし終了、点Cは所望の保温温度(本実施例では85℃)到達である。蓋体11を開けて容器2に液体(水)3(本実施例では20℃)を給水して湯沸かしを開始する(点A)と、発熱体4への通電を開始し、液体3を加熱して液体温度が徐々に上昇する。液体温度が気体9流入開始温度(本実施例では40℃)になれば、温度検知素子13からの信号で気体ポンプ14を動作させる。気体ポンプ14は器体1内の気体9を気体流出経路15内に導出し、気体流出口16を経由して容器2内の液体3に混入される。気体ポンプ14が混入する気体9の量は、気体ポンプ14に印可する電圧により設定でき、電圧を任意に変化させることでその量を調整することが可能である。気体9を容器2内の液体3に接触させて液体3中の揮発成分が気体9に移動するように強制的に液体3の瀑気を行う。液体温度が気体9流入終了温度(本実施例では90℃)になれば、温度検知素子13からの信号で気体ポンプ14を停止させる。温度検知素子13が液体3の沸騰を検知すれば、発熱体4への通電をやめて湯沸かしを終了する(B点)。
【0020】
湯沸かし終了(B点)と同時に、再度気体ポンプ14を動作させて、器体1内の気体9を気体流出経路15内に導出し、気体流出口16を経由して容器2内の液体3に混入させる。液体(湯)3の温度(本実施例では100℃)よりも低温の気体9を容器2内の液体3に接触させて高温の液体3と低温の気体9との熱交換で強制的に液体3の温度冷却を行う。従来例ではここで、沸騰させた液体(湯)103を所望の保温温度(従来例では85℃)に下げる際には、液体103からの放熱による自然冷却で液体温度を下げていた。液体温度が所望の保温温度(本実施例では85℃)になれば、温度検知素子13からの信号で気体ポンプ14を停止させる。本実施例では、湯沸かし終了から85℃に到達するまでの時間は約30分としている。
【0021】
以上のように、本実施例においては容器2内の液体3に器体1内の気体9を混入する気体ポンプ14を気体流出経路15を介して容器2の下部に設けた気体流出口16と接続して気体ポンプ14を動作させることにより、液体温度よりも低温の気体9を容器2内の液体3に接触させて高温の液体3と低温の気体9との熱交換で強制的に液体3の温度を冷却する。これによって、沸騰させた液体3を時間をかけずに所望の保温温度に下げることができ、さらには電気代を抑えることができる。また同時に、気体9を容器2内の液体3に接触させて液体3中の揮発成分が気体9に移動するように強制的に液体3の瀑気を行う。これにより、液体3中の揮発成分であるカルキやトリハロメタンなどを気体9とともに揮発させて容器2内の液体3を浄化することができる。
【0022】
また、気体ポンプ14を本実施例以外のパターンで動作させてもよい。最も浄水効果を発揮させるパターンで動作させることによって、沸騰時間を短縮することが可能となり蒸気の発生量を低減することができる。さらには総湯沸かし時間を短くすることで電気代を抑えることができる。
【0023】
また、本実施例では気体流出口16は温度検知素子13に対して同等の位置、かつ液位検知素子17に対して下方の位置に設けている。これによって、気体流出口16を温度検知素子13に対して上方、あるいは液位検知素子17に対して上方に位置したものに比べて充分に液体3と気体9が接触するので、前記と同様の効果をさらに効率良く得ることができる。また、容器2内の液体3の残量が少ない時にも前記と同様の効果を得ることができる。
【0024】
(実施例2)
図3は、本発明の実施例2の電気湯沸かし器の要部断面図である。図3において、実施例1の構成と異なるところは吐出経路6の上部に通常は閉鎖状態にある気体防止弁18を設け、気体防止弁18と液体3の満量位置との間の吐出経路6の途中に設けた気体流出口16に気体ポンプ14が気体流出経路15を介して接続されている点である。
【0025】
以上のように構成された電気湯沸かし器について、以下実施例1の動作、作用と異なるところを説明する。
【0026】
温度検知素子13からの信号で気体ポンプ14を動作させる。気体ポンプ14は器体1内の気体9を気体流出経路15内に導出し、気体流出口16を経由して吐出経路6内に導出される。導出された気体9は気体防止弁18が閉鎖状態にあるため器体1外には導出されず、気体9が吐出経路6内の液体3を容器2内に押し戻すように動作して容器2内の液体3に混入される。
【0027】
また、液体3を器体1外に導出する直前に気体ポンプ14を数秒間だけ動作させる。この数秒の間に気体9が吐出経路6内の液体3を容器2内に押し戻した後、液体ポンプ5を動作させて容器2内の液体3を吐出経路6を介して器体1外へ吐出させる(一般的には吐出ロック解除ボタンが押されてから3秒間程度が望ましい)。
【0028】
以上のように、本実施例においては吐出経路6の上部に通常は閉鎖状態にある気体防止弁18を設け、気体防止弁18と液体3の満量位置との間の吐出経路6の途中に設けた気体流出口16に気体流出経路15を介して気体ポンプ14が接続される。気体ポンプ14を動作させることにより、気体9が吐出経路6内の液体3を容器2内に押し戻すように動作して容器2内の液体3に混入する。これによって、実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0029】
また、液体3を器体1外に導出する直前に気体ポンプ14を数秒間だけ動作させる。この数秒の間に気体9が吐出経路6内の液体3を容器2内に押し戻した後、液体ポンプ5を動作させて容器2内の液体3を吐出経路6を介して器体1外へ吐出させる。これによって、「吐出経路6内の液体温度が容器2内の液体温度に比べて加熱されにくい」という従来の不具合を解消し、液体3の吐出当初から容器2内の液体3と同等温度の液体3を吐出することができる。
【0030】
また、本実施例では気体流出口16は液体3の満量位置に対して上方の位置、かつ気体防止弁18に対して下方の位置に設けている。これによって、常時容器2内の液体面にかかっている大気圧や容器2内の液体面とのヘッド差分の水圧によって液体3が気体ポンプ14に逆流することがなくなる。したがって、器体1転倒時などに発生する容器2内の気体9の内圧上昇による逆流を防止すれば良く、気体ポンプ14に備え付けの防止弁を利用すると液体逆流防止弁19が不要となるか少なくとも構造的に簡素化できる。
【0031】
(実施例3)
図4は、本発明の実施例3の電気湯沸かし器の要部断面図である。図4において、実施例1、2の構成と異なるところは容器2内の液体3が気体ポンプ14に逆流することを防止する液体逆流防止弁19を気体流出経路15内に設け、液体逆流防止弁19は耐熱性の高い弾性部材としている点である。
【0032】
以上のように構成された電気湯沸かし器について、以下実施例1、2の動作、作用と異なるところを説明する。
【0033】
常時、容器2内の液体面には大気圧がかかっている。これに加えて、容器2内の液体面と液体逆流防止弁19の設置位置とのヘッド差分の水圧が液体逆流防止弁19にかかっている。さらには、器体1が転倒した時などに発生する容器2内の気体9の内圧が上昇する。こうした要因により液体3が気体ポンプ14に逆流することを防止する液体逆流防止弁19が必要である。
【0034】
以上のように、本実施例においては液体逆流防止弁19を気体流出経路15内に設けている。これによって、常時容器2内の液体面にかかっている大気圧や容器2内の液体面と液体逆流防止弁19の設置位置とのヘッド差分の水圧、器体1転倒時などに発生する容器2内の気体9の内圧上昇によって液体3が気体ポンプ14に逆流することを防止できる。
【0035】
また、本実施例では液体逆流防止弁19を耐熱性の高い弾性部材とすることによって、容器2の下部などの高温部に近い位置に液体逆流防止弁19を設けることができるため、気体流出経路15の長さを短くすることができ、気体ポンプ14から容器2までの接続構成をコンパクトにできる。
【0036】
(実施例4)
図5は、本発明の実施例4の電気湯沸かし器の要部断面図である。図5において、実施例1、2、3の構成と異なるところは気体ポンプ14を液体3の満量位置より上方に設け、気体流出経路15を液体3の満量位置より上方に持ち上げた点である。
【0037】
以上のように構成された電気湯沸かし器について、以下実施例1、2、3の動作、作用と異なるところを説明する。
【0038】
常時、容器2内の液体面には大気圧がかかっている。さらには、器体1が転倒した時などに発生する容器2内の気体9の内圧が上昇する。
【0039】
以上のように、本実施例においては気体ポンプ14を液体3の満量位置より上方に設け、気体流出経路15を液体3の満量位置より上方に持ち上げている。これによって、常時容器2内の液体面にかかっている大気圧や容器2内の液体面とのヘッド差分の水圧によって液体3が気体ポンプ14に逆流することがなくなる。したがって、器体1転倒時などに発生する容器2内の気体9の内圧上昇による逆流を防止すれば良く、気体ポンプ14に備え付けの防止弁を利用すると液体逆流防止弁19が不要となるか少なくとも構造的に簡素化できる。
【0040】
(実施例5)
図6は、本発明の実施例5の電気湯沸かし器の要部断面図である。図6において、実施例1、2、3、4の構成と異なるところは気体ポンプ14に気体流入経路20を介して接続する気体フィルター21を設け、気体フィルター21は器体1の上部に設け、その取り外しができるようにした点である。また、気体流入経路20の途中に二酸化炭素発生装置22を設け、混入する気体9を二酸化炭素に限定した点である。
【0041】
以上のように構成された電気湯沸かし器について、以下実施例1、2、3、4の動作、作用と異なるところを説明する。
【0042】
温度検知素子13からの信号で気体ポンプ14を動作させる。気体ポンプ14は器体1外の気体9を気体フィルター21を通過させて気体流入経路20内に導入する。気体フィルター21を通過した気体9をさらに二酸化炭素発生装置22を通過させて、外気の気体成分を二酸化炭素に限定して容器2内の液体3に混入させる。
【0043】
以上のように、本実施例においては気体ポンプ14に気体流入経路20を介して接続する気体フィルター21を設け、気体フィルター21は器体1の上部に設け、その取り外しができるようにした。また、気体流入経路20の途中に二酸化炭素発生装置22を設け、混入する気体9を二酸化炭素に限定した。これによって、外気のゴミや埃などの異物、臭い成分などを気体フィルター21に吸着させて液体3への不純物の混入を防止できる。また、気体フィルター21を器体1の上部に設けることによって、下部に設けたものに比べて給水時や容器2のお手入れ時などに器体1内に水が浸入しにくくなり、絶縁性能の劣化を防止できる。
【0044】
また、本実施例では気体流入経路20の途中に二酸化炭素発生装置22を設け、混入する気体9を二酸化炭素に限定している。これによって、外気の気体成分の中で最も液体3に溶けやすい二酸化炭素を容器2内の液体3に混入するので、液体3の沸騰によって失われた気体成分を強制的に液体3の中に溶存させて切れ味のある湯質に改善できる。
【0045】
(実施例6)
図7は、本発明の実施例6の電気湯沸かし器の要部断面図である。図7において、実施例1、2、3、4、5の構成と異なるところは気体ポンプ14は気体流入経路20を介して容器2の上部に設けた気体流入口23と接続し、気体流入口23は液体3の満量位置より上方に位置した点である。
【0046】
以上のように構成された電気湯沸かし器について、以下実施例1、2、3、4、5の動作、作用と異なるところを説明する。
【0047】
温度検知素子13からの信号で気体ポンプ14を動作させる。気体ポンプ14は容器2内の気体9を気体流入口23を介して気体流入経路20内に導入し、容器2内の液体3に混入させる。
【0048】
以上のように、本実施例においては気体ポンプ14は気体流入経路20を介して容器2の上部に設けた気体流入口23と接続し、気体流入口23は液体3の満量位置より上方に位置した。これによって、気体ポンプ14は気体流入経路20を介して容器2の上部に設けた気体流入口23と接続し、気体流入口23は液体3の満量位置より上方に位置してなるものである。容器2内の気体9を混入することによって、ゴミや埃などの異物、臭い成分などの不純物は外気を混入する場合に比べてはるかに少なくなる。したがって、気体フィルター21が不要となる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、沸騰させた液体を時間をかけずに所望の保温温度に下げることができ、容器内の液体を浄化できる。これに加えて沸騰時間を短縮して蒸気の発生量を低減でき、さらには電気代を抑制できる。
【0050】
また、容器内の液体残量が少ない時にも前記と同様の効果を得ることができる。
【0051】
また、液体の吐出当初から容器内の液体と同等温度の液体を吐出できる。
【0052】
また、液体が気体ポンプに逆流することを防止する液体逆流防止弁が不要となるか少なくとも構造的に簡素化できる。
【0053】
また、外気のゴミや埃などの異物、臭い成分などの不純物の液体への混入を防止でき、さらには、絶縁性能の劣化を防止できる。
【0054】
さらに、液体の沸騰によって失われた気体成分を強制的に液体の中に溶存させて切れ味のある湯質に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す電気湯沸かし器の要部断面図
【図2】本発明の実施例1を示す電気湯沸かし器の液体温度のタイムチャート
【図3】本発明の実施例2を示す電気湯沸かし器の要部断面図
【図4】本発明の実施例3を示す電気湯沸かし器の要部断面図
【図5】本発明の実施例4を示す電気湯沸かし器の要部断面図
【図6】本発明の実施例5を示す電気湯沸かし器の要部断面図
【図7】本発明の実施例6を示す電気湯沸かし器の要部断面図
【図8】従来例を示す電気湯沸かし器の要部断面図
【図9】従来例を示す電気湯沸かし器の液体温度のタイムチャート
【符号の説明】
1 器体
2 容器
4 発熱体
6 吐出経路
9 気体
13 温度検知素子
14 気体ポンプ
15 気体流出経路
16 気体流出口
17 液位検知素子
18 気体防止弁
19 液体逆流防止弁
20 気体流入経路
21 気体フィルタ−
22 二酸化炭素発生装置
23 気体流入口
Claims (3)
- 器体内に設けた液体を収容する有底状の容器と、前記容器の底面に設けた前記容器内の液体を加熱する発熱体と、前記容器の底面に設けた前記容器内の液体温度を感知する温度検知素子と、前記容器内の液体に気体を混入する気体ポンプと、前記気体ポンプに接続した気体流出経路と、前記容器の下部に連通させた前記器体外への吐出経路と、前記吐出経路に設け通常は閉鎖状態にある気体防止弁と、前記気体防止弁と前記容器との間の前記吐出経路の途中に設け前記気体流出経路に接続した気体流出口とを備えた電気湯沸かし器。
- 気体流出口を液体の満量位置より上方に設けてなる請求項1記載の電気湯沸かし器。
- 気体ポンプに気体流入経路を介して接続する気体フィルターを備え、前記気体フィルターは器体の上部に設けてなり、気体流入経路の途中に二酸化炭素発生装置を備え、混入する気体を二酸化炭素に限定してなる請求項1記載の電気湯沸かし器。
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---|---|---|---|
JP2001034928A JP3567893B2 (ja) | 2001-02-13 | 2001-02-13 | 電気湯沸かし器 |
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Publications (2)
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