JP3567725B2 - 静電容量型センサ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体による可動電極に固定電極を対向させた静電容量型センサにより圧力等の物理量の検出を行う静電容量型センサ装置に関するもので、より具体的には、静電容量型センサの静電容量の変化に応じたパルス列を出力するようにした静電容量型センサ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体による静電容量型センサは、小型で高分解能が得られることから実用化が盛んであり、例えば特開平9−5192号(G01L 9/12)などの公報に見られるように、既によく知られている。つまり、本発明に係る図2を用いて従来の技術を説明するが、同図は静電容量型の圧力センサの一例を分解して示す斜視図であり、半導体によるダイアフラム6aに固定電極8を対向させてあって、ダイアフラム6aの裏側で圧力を受け、受圧した圧力の変化を静電容量の変化として出力するようになっている。
【0003】
この静電容量は一般的には、アナログ計測した後、A/Dコンバータでディジタル信号に変換しており、制御系としては、そのディジタル信号をマイクロコンピュータ等に入力して計数処理するとともに、各種の判定を行って必要に応じて所定の装置に対して制御命令を出力するようにしている。
【0004】
しかし、A/Dコンバータによる変換では、変換時のビット誤差を少なくするためにビット数の多い高価なA/Dコンバータを必要とするので、装置のコスト低減のネックとなる。
【0005】
このため、例えば特開平6−307979号公報に開示された静電容量検出回路を利用する考えがあり、これによればA/Dコンバータを設けることなく静電容量型センサの静電容量に応じたディジタルデータを出力することができる。つまり、本出願人が呼ぶ静電容量型センサ装置として機能するものであって、この静電容量検出回路では、CR発振回路を構成するコンデンサとして静電容量型センサを用いており、圧力が加わると静電容量が変化し発振周波数も変化する。
【0006】
これにより単位時間あたりに出力されるパルス数も変化するので、一定時間内に発生するパルス数から圧力を検出することができる。そして、係る出力はパルス列からなるディジタルデータとなり、そのままコンピュータに与えるようにすれば、コンピュータ側でそのパルス列のパルス数を計数することにより圧力値を算出することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、係る従来の静電容量型センサ装置(静電容量検出回路)にあっては、以下に示す問題を生じる。
【0008】
すなわち、静電容量型の圧力センサ3は、CR発振回路にコンデンサとして組み込まれており、そのダイアフラム(可動電極)6aと固定電極8の間には所定の電圧が印加されることから電極間に電位差が発生する。すると、その電位差に基づく静電引力が発生するので、係る静電引力によってダイアフラム6aが引っ張られてしまい、これにより電極間に発生する静電容量が変化して誤差が生じる。
【0009】
CR発振回路を、例えば図8に示すように、ロジックゲートにより構成した場合、回路としては、NOT21と2入力NAND22とNOT24とを順に接続するとともに、NOT24の出力を固定抵抗30を介してNOT21の入力に接続させてループ回路とし、圧力センサ3をNOT21とNAND22の両者に対して並列に接続させている。そして、NAND22の一方の入力をコントロール端子T としており、コントロール端子T をハイレベルとしたときはNAND22がインバータ動作し、アクティブとなる。
【0010】
従って、このCR発振回路の発振動作は、コントロール端子T の状態に対応するものとなり、その各部には図9に示すような電圧が印加されることになる。つまり、このCR発振回路は、コントロール端子T をハイレベルにすると発振を開始し、コントロール端子T をローレベルに戻すと発振を停止する。そして、圧力センサ3の両電極は発振動作の前後において、一方がハイレベルで他方がローレベルになり、両電極間には電源電圧に等しい電位差が印加された状態になる。このため、非測定期間である発振停止中に圧力センサ3の両電極間に静電引力が作用し続けることになる。そして、圧力センサ3は微小圧力を検出する要求からダイアフラム6aの厚みを極薄にするとともに、固定電極8との間隔を極めて狭くしているので、静電引力の影響を受けて徐々にダイアフラム6aが撓んで固定電極8側に引き寄せられ、電極間距離が短くなり静電容量が増加する。つまり、測定圧力が印加されていない状態でも所定の大きさの出力がでて、圧力がかかっている状態となるので、検知出力への誤差影響が大きくなる。
【0011】
また、静電容量型の圧力センサ3は、感度特性及び動作点が製作された個々各々について僅かではあるがバラツキがある。これは圧力センサ3が上述したようにダイアフラムの厚みを極薄にするとともに、固定電極との間隔を極めて狭くしていることと関連し、そうした各部を精密加工することに限界があり、それら各部のバラツキが感度特性及び動作点に影響している。
【0012】
このため、静電容量検出回路としては、CR発振回路を構成している抵抗30を変更することで、圧力センサ3の感度及び動作点(オフセット)を調整するようにしている。つまり、本発明に係る図1を用いて従来の技術を説明するが、従来は、第1CR発振回路11に接続している固定抵抗40と、第3CR発振回路13に接続している固定抵抗50とを可変抵抗としており、抵抗40を可変して第1CR発振回路11の発振周波数(CK1)を変更し、これによりオフセットを調整している。そして、抵抗50を可変して第3CR発振回路13の発振周波数(CK3)を変更し、これにより感度を調整している。
【0013】
しかしその場合、可変抵抗を機械的に変位させる調節なので微調整が難しく、真値に合わせることに限界があり誤差は避け得ない。さらに、測定時や運搬時に装置が振動を受けると、可変抵抗の設定値がズレることがあり誤差が生ずる。また、この機械的振動による設定値のズレを防ぐため、調整済みの可変抵抗をシリコン等によりポッティングするが、ポッティング硬化時には応力歪みが生ずるので、このことによって逆に設定値がズレてしまい、誤差を生ずることがある。
【0014】
そこで、抵抗体として、機械的な誤差は避け得ない可変抵抗を用いずに回路基板についてレーザトリミングを行うという考えもある。しかしその場合、セラミック基板と厚膜抵抗が必要となり価格が高くコスト高を招く。また、レーザトリミング装置自体が高価であり、トリミング加工の工程も費用がかさむ。そして、レーザトリミングでは、トリミング加工が容易となるように部品を配置しなければならなく、部品の配置に制約があり小型化に適さない。
【0015】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題を解決し、静電容量型センサの電極に作用する静電引力の影響を抑制することができ、静電容量型のセンサ素子に固有した感度及びオフセットの補正を簡便に行えて機械的な設定ズレを生じない静電容量型センサ装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係る静電容量型センサ装置では、被検知量の変化により静電容量が変化する静電容量型センサと、前記静電容量型センサの静電容量に応じた周波数で発振する発振手段と、前記発振手段の出力を単位時間計数して基準計数値との差をとり、計数差分のパルス列を出力する計数手段とを備えた静電容量型センサ装置において、前記発振手段を起動するため前記静電容量型センサの電極間にバイアスを与えるに際し、発振開始の直前に一方の電極をローレベルにすることによりバイアスを与え、かつ発振停止時に前記静電容量型センサの両電極をハイレベルに固定することによりゼロバイアスに戻すようにした(請求項1)。
【0017】
係る構成にすると、静電容量型センサの両電極については、発振手段が発振開始する直前に電位差が設定されるものの、発振停止時には直ちに同一電位に戻されるので静電引力は作用しない。そして、静電容量型センサは電源電圧による静電引力に対してはレスポンスが悪いので、発振開始の直前に両電極間にバイアスして、かつ発振停止時に直ちにゼロバイアスに戻すようにすることでも、静電容量型センサの可動電極が静電引力によって変位する以前に計測に係る発振を開始でき、停止することができる。
【0018】
また、前記計数手段が計数動作する際の単位時間の基値と基準計数値の初期値とを変更可能に記憶する記憶手段を備えた(請求項2)。すると、記憶手段には、計数手段が計数動作する際の単位時間の基値と基準計数値の初期値等の情報が記憶されるので、その記憶内容を書き替えるだけで静電容量型センサの感度及びオフセットを調整でき、補正することができる。つまり、計数動作の単位時間の基値を変更することにより感度を、基準計数値の初期値を変更することによりオフセットを各々調整し、補正することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る静電容量型センサ装置の一実施の形態を示す構成図である。同図に示すように、静電容量型センサ装置1は、半導体による静電容量型の圧力センサ3と、その圧力センサ3の静電容量の変化量つまり検出圧力をディジタルパルス列として出力する静電容量検出回路2とを備えて構成されている。
【0020】
圧力センサ3はガス圧を検出するようになっており、図2に示すように、シリコン基板6の表面にダイアフラム6aが形成され、そのダイアラム6aが可動電極となり圧力により変動する。ダイアフラム6aの表面は、シリコン基板6の表面から僅かに一段下がった凹部に形成され、さらに図示省略するがダイアフラム6aの部分は非常に肉薄になっており、圧力を受けると容易に撓む。すなわち、ダイアフラム6aが形成されたシリコン基板6の底面側も大きく除去された凹部となっていて、このダイアフラム6aの下面が受圧面となる。一方、シリコン基板6の上面にはガラス基板7が積層され、ダイアフラム6aに対向するガラス基板7の表面に固定電極8が形成されている。そして、両電極がシリコン基板6の表面に形成したワイヤボンディングパッド9,9に各々導通され、それらのワイヤボンディングパッド9,9が静電容量検出回路2の入力端子に直接に、または増幅器を介して間接的に接続されている。
【0021】
このダイアフラム6aは、無負荷時には水平状態を保つ。そして、ダイアフラム6aの受圧面に圧力がかかるとダイアフラム6aがガラス基板7側に膨らむので、このダイアフラム6aとガラス基板7との距離が変化する。それに伴い、両電極間の静電容量も変化する。すなわち、この圧力センサ3も一種の可変コンデンサを構成している。
【0022】
静電容量検出回路2は、その各部の駆動制御がタイミングジェネレータ17により行われるようになっており、圧力センサ3の動作点の位置ズレつまりオフセットなどの調整を行うための等価コンデンサ4と、圧力センサ3と、基準クロックを発生するための基準コンデンサ5とが、第1CR発振回路11,第2CR発振回路12,第3CR発振回路13に各々接続されている。各CR発振回路11〜13には、固定抵抗40,30,50が各々接続されており、発振周波数が各コンデンサ4,3,5との組み合わせで所定の値に決定されるようになっている。
【0023】
そして、各CR発振回路11〜13から周波数信号CK1〜CK3が出力される。この周波数信号CK1〜CK3は方形波のクロック信号であって、周波数信号CK1,CK2はそれぞれセレクタ14に送られ、周波数信号CK3はアップダウンカウンタ15,出力回路16及びタイミングジェネレータ17に送られている。さらに、第1,第2CR発信回路11,12にはイネーブル信号がタイミングジェネレータ17から各々送られている。
【0024】
第2CR発振回路12は、図3に示すように、ロジックゲートにより構成されている。つまり、NOT21と2入力NAND(第1NAND)22と2入力NAND(第2NAND)23とが順に接続され、第2NAND23の出力が固定抵抗30を介してNOT21の入力に接続されてループ回路となり、圧力センサ3がNOT21とNAND22の両者に対して並列に接続されている。
【0025】
そして、第1NAND22の一方の入力は第1コントロール端子T となっており、その第1コントロール端子T がハイレベルのときは第1NAND22がインバータ動作し、アクティブとなる。第2NAND23の一方の入力は第2コントロール端子T となっており、その第2コントロール端子T がローレベルのときは第2NAND23が無能となり、出力がハイレベルに固定される。
【0026】
従って、第2CR発振回路12の発振動作は、2つのコントロール端子T ,T の状態に対応するものとなり、その各部には図4に示すような電圧が印加されることになる。つまり、第2CR発振回路12は、第2コントロール端子T がハイレベルで、かつ第1コントロール端子T もハイレベルとなったときに発振を開始し、2つのコントロール端子がともにローレベルでは発振を停止する。そして、第2コントロール端子T がハイレベルであっても第1コントロール端子T がローレベルであれば、発振起動しない。圧力センサ3の両電極は、発振停止時にはハイレベルに固定され、電源電圧が印加された状態になる。
【0027】
そして、発振始動前は、第2コントロール端子T がハイレベルのとき固定抵抗30と接続した側の電極がローレベルとなり、対向する電極との間に電位差が設定されてしまう。このため、好ましくは図5に示すように、第2コントロール端子T を発振始動前もローレベルとしたいが、その場合は発振の安定性が悪くなることを実験により確認した。そこで、第2コントロール端子T については発振を開始させる直前にハイレベルにし、発振停止時に直ちにローレベルに戻すように制御している。
【0028】
このように、圧力センサ3の両電極については、第2CR発振回路12が発振開始する直前に電位差が設定されるものの、発振停止時には直ちに同一電位に戻されるので停止後は静電引力は作用しない。そして、圧力センサ3は電源電圧による静電引力に対してはレスポンスが悪いので、発振開始の直前に両電極間にバイアスして静電引力が発生したとしても、圧力センサ3のダイアフラムがその静電引力によって変位する以前に計測に係る発振がを開始される。従って、圧力センサ3の電極に作用する静電引力の影響を充分に抑制することができる。
【0029】
セレクタ14は、第1,第2CR発振回路11,12から送られた周波数信号CK1,CK2のうち1つの信号をセレクト信号に応じて選択し出力するようになっていて、セレクト信号はタイミングジェネレータ17から送られている。
【0030】
セレクタ14の出力は、アップダウンカウンタ15に接続されている。このアップダウンカウンタ15は、アップダウン信号に応じてアップカウンタ/ダウンカウンタとして機能し、入力した信号1パルスごとにカウントアップ/カウントダウンするようになっている。アップダウン信号もタイミングジェネレータ17から送られ、例えばアップダウン信号がローレベルのときはカウントアップし、ハイレベルのときはカウントダウンする。アップダウンカウンタ15にはプリセット値Ppsがメモリ18から読み込まれてセットされるようになっている。
【0031】
出力回路16は、開閉スイッチとなっていて、第3CR発振回路13から送られる周波数信号CK3に同期して、アップダウンカウンタ15のカウント出力をPout として出力するようになっている。
【0032】
タイミングジェネレータ17は、タイミング信号発生アルゴリズムを実施するための回路部分を異なる複数について各々備え、それらを並列接続して選択的に動作させるようになっている。つまり、タイミングジェネレータ17には、第3CR発振回路13から周波数信号CK3が入力されており、その周波数信号CK3が内部で分周され、これにより各部を駆動制御するためのタイミング信号が生成されるようになっているが、メモリ18から読み込まれる設定値Kに基づいて所望のタイミングで各部にタイミング信号を出力する構成となっている。各タイミング信号としては、第1,第2CR発振回路11,12へイネーブル信号、セレクタ回路14へセレクト信号、並びにアップダウンカウンタ15の機能を決定するアップダウン信号が、タイミングジェネレータ17から出力されるようになっている。
【0033】
メモリ18は、記憶内容を外部から書き替えることができる不揮発性メモリであって、プリセット値Ppsと、カウント時間を決定するカウント定数Kとが記憶されている。このプリセット値Ppsがアップダウンカウンタ15に読み出しセットされ、カウント定数Kがタイミングジェネレータ17に読み出しセットされるようになっている。タイミングジェネレータ17では、読み込まれたカウント定数Kに基づいて、カウント時間が所定の値になるように分周を行うようになっており、この場合、周波数信号CK3を分周することにより後述する感度を決定することから、感度は2 倍刻みで変更調整されることになる。
【0034】
従って、静電容量検出回路2では、各CR発振回路11〜13がコンデンサ3〜5の静電容量に応じて発振動作し、等価コンデンサ4に接続された第1CR発振回路11の周波数信号CK1と基準コンデンサ5に接続さたれ第3CR発振回路13の周波数信号CK3は、少なくとも1回の測定中は固定となる。また、圧力センサ3の静電容量C2は、ガス圧が高くなるほど大きくなり発振周波数は低くなる。
【0035】
この静電容量型センサ装置1を用いてガス圧を監視する場合、平常状態では所定のガス圧が圧力センサ3に加わっており、ガス漏れ等による異常状態になるとガス圧が低下し、静電容量C2も低くなる。そこで、平常状態における所定のガス圧が加わっているときの静電容量C2と、等価コンデンサ4の静電容量C1が等しくなるように設定している。これにより、平常状態では周波数信号CK1,CK2は等しくなる。なお、等価コンデンサ4及び基準コンデンサ5は、好ましくは温度特性が圧力センサ3と同一または類似するものとし、しかもそれら各圧力センサ3,等価コンデンサ4,基準コンデンサ5を近接配置する。
【0036】
そして、静電容量検出回路2では、図6に示すようなタイミングで信号処理を行っており、ガス圧(圧力センサ3の静電容量C2)に応じたパルス出力Pout を生成するようにしている。この処理アルゴリズムは、特開平6−307949号公報や特開平9−5192号に開示されたものと基本的に同様である。
【0037】
つまり、ガス圧の監視中には圧力センサ3に所定の圧力が加わっているため、それに応じた静電容量C2が第2CR発振回路12に与えられ、所定の発振周波数で発振し、周波数信号CK2を出力する。また、第1,第3CR発振回路11,13も静電容量C1,C3で決定された所定の発振周波数の周波数信号CK1,CK3を出力する。そして、CK1,CK2はいずれか一方が、アップダウンカウンタ15に選択的に入力され、しかもこのアップダウンカウンタ15は、プリセット値Ppsを設定できるようになっている。
【0038】
従って、まずアップダウンカウンタ15に予め所定の値をプリセット値Ppsとして設定し、周波数信号CK1をアップダウンカウンタ15に一定時間Tupだけ入力する。この時はアップカウンタとして動作させる。すると、Tup経過後のカウント値は、プリセット値Ppsに対して一定時間Tup中に発生するパルス数だけ加算された値となる。次に、周波数信号CK2をアップダウンカウンタ15に一定時間Tdownだけ入力する。この時はダウンカウンタとして動作させる。すると、Tdown経過時のカウント値は、カウントアップして得られた値から一定時間Tdown中に発生するパルス数だけ減算された値となる。そして、上記各時間TupとTdownは等しくしている。この後、アップダウンカウンタ15のカウント値がゼロになるまでカウントダウンし、カウント値が1つ減算するごとに1つのパルスを出力する。
【0039】
ガス圧が平常状態の場合には、静電容量C1,C2が等しくなり、第1,第2CR発振回路11,12の発振周波数CK1,CK2は等しいので、出力されるパルス数Pout はプリセット値Ppsに等しくなる。ガス圧が低下すると、圧力センサ3の静電容量C2が減少するため、周波数信号CK2の発振周波数が高くなり、一定時間Tdown中に発生するパルス数Pout も多くなる。従って、プリセット値Ppsよりも小さな値となる。そして、プリセット値Ppsに対応する静電容量(ガス圧)や圧力センサ3の感度特性から、出力されたパルス数Pout に基づいてガス圧が検出できる。
【0040】
ここで感度とは、出力1ビットに対応するガス圧の変化量(出力パルスが1つ増減することによるガス圧の変動分)を言い、圧力センサ3は感度特性及び動作点が製作された個々各々について僅かではあるがバラツキがあるため、感度及び動作点(オフセット)を調整できるようにしている。
【0041】
すなわち、出力されるパルス数Pout は、周波数信号CK1のカウント時間Tup、CK2のカウント時間Tdown、アップダウンカウンタ15のプリセット値Ppsによって、次式で与えられる。
【0042】
Pout =Pps+Tup×CK1−Tdown×CK2
但し、Tup×CK1,Tdown×CK2は整数
そして、Tup=Tdown=Tc
CK1−CK2=Δf
とおくと、上記式(1)は
Pout =Tc×Δf+Pps
となる。
【0043】
従って、アップダウンカウンタ15のカウント時間Tcを長くすると、周波数差Δfに対する出力の変化量(感度)が高くなり、アップダウンカウンタ15のプリセット値Ppsを変えることによりオフセットが変更できる。さらにカウント時間Tcは基準の周波数信号CK3より生成されるので、Tc=K/CK3となり、周波数信号CK3またはカウント定数Kを変更することにより感度を変更することができる。
【0044】
ここで本発明では、圧力センサ3の感度及びオフセットを調整するのに、メモリ18の記憶内容を書き替えるようにしている。すなわち、例えば、不揮発性メモリ18に記憶された初期設定が、プリセット値Pps=250及びカウント定数K=100であったとする。そして、測定圧力範囲が0〜500psiで1パルス/1psiの出力が得られるように調整するものとする。調整は、まず圧力センサ3を静電容量検出回路2に接続し、圧力を計測する。この計測により圧力センサ3の感度が、例えば目標値の0.8倍しかなかったとすると、カウント定数Kは100/0.8で125となり、カウント定数K=125と不揮発性メモリ18の記憶を書き替えればよい。この後、再び圧力を計測し、圧力センサ3のオフセットが、例えば目標値よりも50psi分だけ大きかったとすると、式(1)で250psiのときに250パルス出力されるように調整するもので、プリセット値Ppsは250+50で300となり、プリセット値Pps=300と不揮発性メモリ18の記憶を書き替えればよく、これにより感度及びオフセットの調整が完了する。
【0045】
このように、不揮発性メモリ18の記憶内容を書き替えるだけで圧力センサ3の感度及びオフセットを調整でき、補正することができる。不揮発性メモリ18の書き替えは電気的な作業であるため簡単に行うことができ、可変抵抗による従来の調整で生じた機械的な設定ズレは本質的にない。そして、不揮発性メモリ18の書き替えには、パーソナルコンピュータ等を用いることができるので、設備費用を安くできる。レーザトリミングで生じた問題はもちろんなく、小型化に適している。また、経時変化により圧力センサ3の特性が変化しても、単に不揮発性メモリ18を書き替えればよいので容易に補正することができる。
【0046】
さらに、静電容量型センサ装置1として、圧力センサ3と静電容量検出回路2をパッケージ内に完全に封止して構成することもできる。この際、不揮発性メモリ18にアクセスするための書き込み端子を設けておく必要はあるが、これにより封止後に書き替え調整を行えるので、パッケージの封止の際に生じた応力歪みによる感度及びオフセットの変動も補正することができる。
【0047】
*実験結果
図7は、静電引力による出力パルス変動を測定した実験結果を示すグラフ図である。同図には図3の本発明に係る発振回路についての測定値を実線で示しており、図8の従来の発振回路についての測定値を破線で示している。これらの測定値は100msecごとに圧力を測定した結果である。より具体的には、2つのコントロール端子T ,T を制御し、20msecの間圧力センサを発振させてその時の出力パルス数に基づいて圧力を算出し、その後80msecの間は発振を停止するようにしている。そして、本発明では図4に示すタイミングチャートに従い、発振開始する直前には圧力センサの両端子間に電位差を生じさせて安定して発振開始できるようにし、発振終了後は圧力センサの両端子間を同電位にして静電引力を発生させないようにしている。
【0048】
なお、この発振停止後に同電位にした後、次の発振開始の前には端子間に電位差を生じさせるようにバイアスする必要があるが、本形態では、同電位にした状態のまま電源をいったんオフにし(これにより両端子間に電圧がかからないため、やはり、電位差は生じない)、次の測定開始直前に再度電源をオンにするとともに、電位差を生じるようにしている。もちろんこれに限ることはなく、発振停止後に第2コントロール端子T をLに落とした状態を保持し、次の発振を開始する(第1コントロール端子T をハイレベルに切り替える)前に、第2コントロール端子T をハイレベルに切り替えるようにするなど各種の手法をとれる。
【0049】
これにより、従来の発振回路では静電引力が発振停止中にも常時電極間に印加されているためダイアフラムが固定電極側に徐々に引き寄せられるので係る静電引力の影響が大きく、ダイアフラムの変位が戻る以前に測定が繰り返されるため測定ごとに出力パルス変動が大きくなっており、時間の経過に伴って飽和する。一方、本発明に係る発振回路では、発振停止中の大部分の期間は静電引力が発生しないため、静電引力の影響を抑制することができるため、出力パルス変動が小さくなっている。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る静電容量型センサ装置では、静電容量型センサの両電極については、発振手段が発振開始する直前に電位差が設定されるものの、発振停止時には直ちに同一電位に戻されるので静電引力は作用しなく、センサ素子は電源電圧による静電引力に対してはレスポンスが悪いので、発振開始の直前に両電極間にバイアスしても悪影響がでない。従って、静電容量型センサの電極に作用する静電引力の影響を充分に抑制することができる。
【0051】
また、記憶手段には、計数手段が計数動作する際の単位時間の基値と基準計数値の初期値とが記憶されるので、その記憶内容を書き替えるだけで静電容量型センサの感度及びオフセットを調整でき、補正することができる。つまり、計数動作の単位時間の基値を変更することにより感度を、基準計数値の初期値を変更することによりオフセットを各々調整でき、補正することができる。そして、この記憶手段の書き替えは電気的な作業であるため簡便に行うことができ、可変抵抗による従来の調整で生じた機械的な設定ズレは本質的にないという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る静電容量型センサ装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図2】静電容量型の圧力センサの一例を分解して示す斜視図である。
【図3】本発明に係るCR発振回路の一実施の形態を示す構成図である。
【図4】図3のCR発振回路の電圧波形を示すタイミング図である。
【図5】図3のCR発振回路の電圧波形を他の制御により示すタイミング図である。
【図6】図1の静電容量型センサ装置の電圧波形を示すタイミング図である。
【図7】静電引力による出力パルス変動を測定した実験結果を示すグラフ図である。
【図8】従来のCR発振回路の一例を示す構成図である。
【図9】図8のCR発振回路の電圧波形を示すタイミング図である。
【符号の説明】
1 静電容量型センサ装置
2 静電容量検出回路(計数手段)
3 圧力センサ(静電容量型センサ)
11 第2CR発振回路(発振手段)
18 不揮発性メモリ(記憶手段)

Claims (2)

  1. 被検知量の変化により静電容量が変化する静電容量型センサと、
    前記静電容量型センサの静電容量に応じた周波数で発振する発振手段と、
    前記発振手段の出力を単位時間計数して基準計数値との差をとり、計数差分のパルス列を出力する計数手段とを備えた静電容量型センサ装置において、
    前記発振手段を起動するため前記静電容量型センサの電極間にバイアスを与えるに際し、発振開始の直前に一方の電極をローレベルにすることによりバイアスを与え、かつ発振停止時に前記静電容量型センサの両電極をハイレベルに固定することによりゼロバイアスに戻すようにしたことを特徴とする静電容量型センサ装置。
  2. 前記計数手段が計数動作する際の単位時間の基値と基準計数値の初期値とを変更可能に記憶する記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の静電容量型センサ装置。
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