JP3567295B2 - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、内燃機関の吸気装置に関し、特に、所定の運転条件下で閉弁することにより吸入空気の流れを制限してスワール、タンブル等の筒内流を生成する吸気制御弁を備えた内燃機関の吸気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃費や排気エミッション等の改善のため、理論空燃比近傍よりも薄い空燃比で燃焼を行うようにした希薄燃焼機関(リーンバーンエンジン)が種々提案されているが、かかる希薄燃焼を行う内燃機関では、混合気に占める燃料の割合が低いため、着火後の火炎伝搬速度が遅く、燃焼が緩慢となる傾向がある。従って、単に、混合気を希薄化しただけでは、燃焼状態が不安定化し、運転性能が低下するおそれがある。
【0003】
このため、例えば特開昭60−240825号公報や特開昭62−178725号公報等に開示されている如く、吸気通路の途中に吸気制御弁を設け、この吸気制御弁の開閉によって、燃焼室内において、スワール(横渦)、タンブル(縦渦)を生成し、このスワール等によって燃焼を促進している。ここで、前記吸気制御弁は、通常、吸気通路に回動可能に挿通された弁軸と、この弁軸に固定された板状の弁体と、この板状弁体のうち一方の吸気ポート(プライマリ吸気弁側)に対応した箇所を部分的に切り欠いてなる切欠部とを備えて構成されている。なお、一般に、機関が要求する最適なスワール、タンブルの強さは機関の仕様毎に異なり、また、最適な吸気制御弁の形状等も機関毎に相違する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるものでは、吸気制御弁によってスワール、タンブルを生成し、燃焼状態の安定化を図っているが、吸気制御弁が閉弁すると、吸入抵抗が増大するため、これにより、希薄燃焼可能な運転領域が制限されることになる。従って、燃焼状態を安定化しつつ希薄燃焼可能な運転領域を広げるためには、できるだけ開口率(切欠部の面積が通路面積に占める割合)を高めた吸気制御弁によって、所望の強さのスワール、タンブルを得る必要がある。
【0005】
しかし、従来技術によるものでは、シリンダヘッド内に形成された吸気ポートと外部から別部材として接続された吸気通路とを略一直線状に接続してストレート部を形成し、このストレート部に吸気制御弁を設けるだけの構成であり、スワール及びタンブルの生成を専ら吸気制御弁の切欠部に依存している。従って、機関が要求する強さのスワール及びタンブルを得るには、必要以上に、吸気制御弁の開口率を小さくせざるを得ない可能性があり、この結果、開口率を不要に下げる分だけ、希薄燃焼可能な運転領域が狭くなり、十分に希薄燃焼機関の利点を享受していないという問題がある。換言すれば、従来は、所望の強さのスワール及びタンブルを得るために、吸気制御弁単体での構造を決定していたため、吸入空気の流れに対する全体的な考察が必ずしも十分ではなく、希薄燃焼可能な運転領域が狭いという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、かかる従来技術の問題に鑑みてなされたもので、その目的は、吸気制御弁の開口率を高めつつ、機関が要求する強さのスワール、タンブルを生成できるようにした内燃機関の吸気装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、吸気制御弁の構造のみならず、吸気ポートを含む吸気通路の全体からスワール及びタンブルの生成を考察することにより、吸気制御弁の取付位置と吸気通路の形状とを最適化し、可及的に開口率を高めた吸気制御弁によって、所望の強さのスワール及びタンブルを得ることとした。即ち、本発明に係る内燃機関の吸気装置が採用する構成は、吸気ポートを下流側に備え、該吸気ポートを介して燃焼室に接続された吸気通路と、この吸気通路の途中に設けられ、切欠部を有し、所定の運転条件下で閉弁することにより、吸気ポートに流入する吸入空気の流れを制限する吸気制御弁とを備えた内燃機関の吸気装置であって、前記吸気通路には、前記吸気制御弁の下流側に位置する直線状部と、前記吸気制御弁の上流側に位置する湾曲状部とを設け、該湾曲状部の下流端近傍に前記吸気制御弁を配設したことを特徴としている。
あるいは、二股に分岐した一対の吸気ポートを下流側に備え、該一対の吸気ポートをそれぞれ介して燃焼室に接続された吸気通路と、この吸気通路の途中に設けられ、所定の運転条件下で閉弁することにより、吸入空気を一方の吸気ポートに誘導する吸気制御弁とを備えた内燃機関の吸気装置であって、前記吸気通路には、前記吸気制御弁の下流側に位置する直線状部と、前記吸気制御弁の上流側に位置する湾曲状部とを設け、該湾曲状部の下流端近傍に前記吸気制御弁を配設したことを特徴としている。
【0008】
また、前記湾曲状部の上流側に、第2の直線状部を設けるのが好ましい。
【0009】
さらに、前記湾曲状部は、略上側方向に向けて湾曲するように形成するのが好ましい。
【0010】
より具体的には、二股に分岐した一対の吸気ポートを下流側に備え、該一対の吸気ポートをそれぞれ介して燃焼室に接続された吸気通路と、この吸気通路の途中に設けられ、切欠部を有し、所定の運転条件下で閉弁することにより、吸気ポートに流入する吸入空気の流れを制限する吸気制御弁とを備えた内燃機関の吸気装置であって、前記吸気制御弁の下流側に位置して前記吸気通路に設けられた第1の直線状部と、前記吸気制御弁の上流側に位置して前記吸気通路に設けられ、略上側方向に向けて湾曲するように形成された湾曲状部と、該湾曲状部の上流側に位置して前記吸気通路に設けられた第2の直線状部と、を備え、前記湾曲状部の下流端近傍に前記吸気制御弁を配設して構成するのが好ましい。
【0011】
【作用】
吸気通路内に流入した吸入空気は、吸気制御弁の上流側に位置する湾曲状部を経て該吸気制御弁の切欠部(言い換えると、吸気制御弁によって閉じられていない部分)を通過した後、吸気制御弁の下流側に位置する直線状部を介して燃焼室内に流入する。ここで、吸入空気が湾曲状部を通過すると、その流れが、該湾曲状部の外側、即ち、湾曲する方向側に偏り、この偏流を生じた状態で吸気制御弁の切欠部を通過するため、タンブルが強化されつつスワールがかけられる。そして、吸気制御弁の下流側には、直線状部(第1の直線状部)が設けられているため、吸入空気は、湾曲状部及び切欠部によって生じた偏流を乱すことなく、直線状部を通過し、燃焼室内に流入する。従って、吸気制御弁の取付位置と切欠部の形成位置及び吸気通路の形状との協働関係により、スワール、タンブルを生成することができるため、吸気制御弁の切欠部に依存する度合いが相対的に低下し、この負担軽減相当分だけ、吸気制御弁の開口率を高めることができる。
【0012】
また、前記湾曲状部の上流側に第2の直線状部を設ければ、吸入空気が第2の直線状部から湾曲状部に流入するときに、偏流を生じさせることができるため、より一層強いタンブル等を得ることができる。例えば仮に、湾曲状部の上流側をさらに湾曲状に形成した場合、その湾曲方向が湾曲状部と異なれば、上流側全体が略S字状となるが、これでは、偏流が相殺されてしまう。逆に、湾曲状部の上流側を該湾曲状部と同方向に湾曲させた場合、つまり、湾曲状部を上流側に向けて延長した場合、吸入空気流に生じた偏流が途中で崩れるおそれがある。これに対し、湾曲状部の上流に第2の直線状部を設ければ、吸気制御弁の直近上流で、吸入空気の偏流を得ることができ、この偏流を利用して強いタンブル等を得ることができる。
【0013】
さらに、前記湾曲状部を、略上側方向に向けて湾曲するように形成すれば、機関全体をコンパクトに設計することができ、吸入空気を滑らかに燃焼室内に送り込むことができる。
【0014】
より具体的な請求項の構成を採用すれば、上述した請求項1,3,4の作用を得ることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1〜図11に基づいて説明する。
【0016】
まず、図1は本発明の実施例に係る内燃機関の吸気装置の全体構成を示す構成説明図であって、シリンダブロックに所定寸法離間して列設された複数のシリンダ(いずれも図示せず)は、その開口部がシリンダヘッド1によって気液密に施蓋され、該シリンダヘッド1とシリンダ内に配設された図示せぬピストンの冠面との間には、例えば4弁ペントルーフ型の燃焼室2が画成されている。
【0017】
吸気通路3は、その上流側が吸気集合通路を介してエアフィルタ(いずれも図示せず)に接続され、その下流側は、図2に示す如く、シリンダヘッド1内で二股に分岐して一方の吸気ポート3A(以下、「主吸気ポート3A」という),他方の吸気ポート3B(以下、「副吸気ポート3B」という)となり、これら一対の吸気ポート3A,3Bを介して燃焼室2内と連通している。また、シリンダヘッド1には、この吸気通路3に対向するようにして排気通路が設けられ、この排気通路は、その上流側が二股に分岐して一対の排気ポートとなり、その下流側が排気集合通路及び触媒コンバータ(いずれも図示せず)を介して図外のマフラに接続されている。そして、これら吸気通路3,排気通路は、各ポートにそれぞれ設けられた吸気弁,排気弁を介して燃焼室2内と連通するようになっており、これら各吸気弁,排気弁は、シリンダヘッド1の上部に設けられた動弁機構(いずれも図示せず)によって、それぞれ駆動されるようになっている。ここで、本明細書にいう「上流」、「下流」とは、流体の流れ方向における上流、下流をそれぞれ意味する。従って、吸気通路3の場合は、吸入空気の流れて行く方向が下流方向となる。
【0018】
また、前記吸気通路3は、その吸気ポート3A,3Bの下流側が湾曲して燃焼室2内に接続された接続部4と、この接続部4の上流側に一体的に設けられた第1の直線状部としての吸気ポートストレート部5と、この吸気ポートストレート部の上流側に連結された湾曲状部6と、この湾曲状部6の上流側に連結された第2の直線状部としてのマニホールドストレート部7とから構成され、前記湾曲状部6は、略上側方向に向けて湾曲している。即ち、湾曲状部6は、上側に湾曲する凸円弧状に形成されている。
【0019】
そして、吸気ポート3A,3Bの長さである吸気ポート長Lは、接続部4の下流側開口部中心から吸気ポートストレート部5の上流側開口部中心までの間の距離として定義され、また、ポート流入角θは、シリンダの軸中心O−Oに直交する水平面H(シリンダブロックとシリンダヘッドとの接続面)と吸気ポートストレート部5の軸中心とがなす角度として定義される。なお、図1中の軸線O−Oは吸気弁の軸中心、軸線O−Oは排気弁の軸中心をそれぞれ示す。
【0020】
ここで、接続部4、吸気ポートストレート部5、湾曲状部6、マニホールドストレート部7のうち、いずれをシリンダヘッド1内に形成し、いずれを別部材として外部からシリンダヘッド1に接続するかは、製造上の容易さ等を考慮して定められる。従って、本実施例では、接続部4及び吸気ポートストレート部5をシリンダヘッド1内に一体的に形成し、湾曲状部6及びマニホールドストレート部7を別部材のインテークマニホールドとして一体的に形成するものとして説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば湾曲状部6をもシリンダヘッド1内に形成したり、湾曲状部6とマニホールドストレート部7とを別体に形成したりしてもよい。但し、後述する吸気制御弁8の取り付けを考慮すると、湾曲状部6を吸気ポートストレート部5とは別部材で形成する方が、製造効率や組立性等の面で有利である。
【0021】
吸気制御弁8は、吸気ポートストレート部5と湾曲状部6との境界付近、より詳しくは、湾曲状部6の下流側開口部近傍に設けられ、コントロールユニットにより制御される吸気制御弁アクチュエータにリンク(いずれも図示せず)等を介して接続されている。この吸気制御弁8は、吸気通路3を横切って回動可能に挿通された弁軸8Aと、この弁軸8Aに取り付けられた板状の弁体8Bとからバタフライ弁として構成されている。また、弁体8Bには、吸気通路3に対して略垂直に起立する全閉時に、吸入空気を主吸気ポート3A側に向けて誘導することにより、適当な強さのスワール、タンブルを生成するための切欠部8Cが、図3に示す如く、弁体8Bの上半分のうち、主吸気ポート3Aに対応する部分を切り欠くことにより形成されている。換言すれば、この切欠部8Cは、弁体8Bの上半分のうち、副吸気ポート3Bに対応する箇所を部分的に残すようにして切り欠くことにより、形成されている。
【0022】
但し、吸気制御弁8の構造としては、図3に示す吸気制御弁8(#1)に限らず、機関の特性や要求されるスワール及びタンブルの強さ等に応じて、図4〜図7に示す構造も採用することができる。即ち、図4に示す吸気制御弁8(#2)では、弁体8Bの下半分のうち主吸気ポート3Aに対応する部分に切欠部8Cが形成され、図5に示す吸気制御弁8(#3)では、弁体8Bのうち主吸気ポート3Aに対応する部分を上下に亘って切り欠くことにより、切欠部8Cが形成されている。また、図6に示す吸気制御弁8(#4)では、弁体8Bのうち主吸気ポート3Aに対応する部分を上側から斜め下側に向けて切り欠くことにより切欠部8Cが形成され、これとは逆に、図7に示す吸気制御弁8(#5)では、弁体8Bのうち主吸気ポート3Aに対応する部分を下側から斜め上側に向けて切り欠くことにより切欠部8Cを形成している。ここで、前記吸気制御弁8(#1)と吸気制御弁8(#2)、吸気制御弁8(#4)と吸気制御弁8(#5)とは、それぞれ線対称の関係にあり、また、これら各吸気制御弁8(#1)〜(#5)は、その開口率がそれぞれ40%となるように形成されている。また、本明細書にいう「上側」、「下側」とは、原則として、エンジンの上側、下側をいう。
【0023】
次に、本実施例の作用について説明する。
【0024】
まず、例えば暖気終了後のアイドリング運転や低負荷運転等の所定の運転領域に達すると、図外のコントロールユニットは、吸気制御弁アクチュエータに連なる制御ソレノイドバルブに向けて制御信号を出力する。これにより、吸気制御弁アクチュエータがリンク等を介して吸気制御弁8の弁軸8Aを回動させると、弁体8Bが起立して閉弁し、吸気通路3内の吸入空気は、切欠部8Cと弁体8Bの周囲の隙間とを介して流通する。これによって、吸入空気の流れにスワール、タンブルが生じ、このスワール、タンブルは、燃焼室2内で斜め方向に旋回する筒内流を形成する。
【0025】
ここで、吸入空気の動きを考察すると、マニホールドストレート部7の吸入空気の流れSは、湾曲状部6に到達すると、該湾曲部6の形状に沿って流れることにより、湾曲状部6の下流側端部付近で、つまり、吸気制御弁8の取付位置近傍の上流側で上側(外周側)に偏り、偏流Sとなる。次に、この湾曲状部6で生じた偏流Sは、弁体8Bの上半分のうち主吸気ポート3Aに対応する部分に形成された切欠部8Cを通過することにより、その偏りが強化された偏流Sとなる。そして、この偏流Sは、吸気ポートストレート部5内を該偏流Sのままで、つまり、その偏りを実質的に乱されることなく、吸気ポートストレート部5を通過して接続部4に到達し、この接続部4から偏流Sとして燃焼室2内に流入する。この結果、燃焼室2内でのスワールとタンブルとが強化される。
【0026】
かくして、このように構成される本実施例によれば、吸気制御弁8の下流側に直線状部としての吸気ポートストレート部5を設ける一方、吸気制御弁8の上流側には湾曲状部6を設ける構成としたため、吸気制御弁8の切欠部8Cを通過する直前に、湾曲状部6によって吸入空気の流れを予め偏らせることができ、切欠部8Cを通過する吸入空気に対して、より強い偏流を生成することができる。つまり、本実施例では、湾曲状部6と切欠部8Cとの協働関係によって、従来よりも強いスワール及びタンブルを得ることができるため、この増加分だけ、吸気制御弁8の開口率を高めることができ、これにより、希薄燃焼可能な運転領域を広げることができる。
【0027】
第2に、湾曲状部6の上流側に、第2の直線状部としてのマニホールドストレート部7を設ける構成としたため、湾曲状部6に流入した吸入空気を該湾曲状部6の外周側に偏らせた状態で、吸気制御弁8に誘導することができ、上述した協働関係によるスワール及びタンブルを生成することができる。つまり、湾曲状部6の上流側をさらに湾曲させて形成した場合、その湾曲方向が湾曲状部6と異なれば、全体としてS字状となるが、これでは、偏流が相殺されてしまうため、予め有効な偏りを吸入空気にもたせるのが難しい。これとは逆に、湾曲状部6と同方向に湾曲させた場合は、結果的に湾曲状部6をより上流側に延設することになるが、これでは、偏流が途中で乱されて崩れるおそれがある。これに対し、本実施例では、湾曲状部6の上流側にマニホールドストレート部7を接続したため、吸気制御弁8によるスワール等の生成を補助する偏流を有効に発生させることができる。
【0028】
第3に、湾曲状部6を略上側方向に向けて湾曲するように形成したため、吸気装置全体をコンパクト化することができる上に、吸入空気を滑らかに流通させることができる。
【0029】
次に、上述した本実施例の効果について詳細に説明する。まず、本実施例の効果を確認するために、本出願人は、2つの比較例1,2を用意し、これら各比較例1,2と本実施例とにおけるスワール及びタンブルの強度を、図3〜図7に示す5型式の吸気制御弁8(#1)〜(#5)のそれぞれについて、5°,13°,21°,29°の4種類のポート流入角度θ(下記表1〜3中では「ポート傾斜角」と示す)で測定した。なお、吸気ポート長Lやシリンダボア径等の条件は一定である。
【0030】
比較例1は、図8に示す如く、湾曲状部6を廃し、従来技術と同様に、吸気ポートストレート部5とマニホールドストレート部7とを直線状に連結したものであり、その結果は下記表1に示す通りである。
【0031】
【表1】
Figure 0003567295
【0032】
また、本実施例では、下記表2に示す結果が得られた。希薄燃焼を行わせるために要求されるタンブル強度とスワール強度はエンジンの種類によって異なるが、この表2によれば、例えば要求スワール強度が4、タンブル強度が3であるエンジンに対しても、容易に対応できることがわかる(ポート流入角θが5°、21°、29°における#3の欄、ポート流入角θが13°、21°における型式#5の欄を参照)。一般に、開口率を高めると、タンブル強度、スワール強度が低下する傾向にあるが、要求スワール強度及びタンブル強度が共に3であるエンジンの場合は、開口率を40%以上に高めることもできることから、希薄燃焼での運転領域をさらに拡大することができる。
【0033】
なお、スワール強度は、シリンダ内における吸気の主流に対するシリンダ軸中心O−Oの周りを旋回する横渦流の強さをいい、タンブル強度はシリンダ内における吸気の主流に対するシリンダ軸中心O−Oに直角方向の線の周りを旋回する縦渦流の強さをいう。
【0034】
【表2】
Figure 0003567295
【0035】
比較例2は、図9に示す如く、湾曲状部6の上流側に吸気制御弁8を配置したものであり、その結果は、下記表3に示す通りである。
【0036】
【表3】
Figure 0003567295
【0037】
これら各表1〜3に示す結果を、スワール,タンブル毎にまとめてグラフに示したものが、図10,図11である。図10は、本実施例と各比較例1,2とにおけるスワールの強さを示したもので、各ポート流入角θの欄において、上段が比較例1を、中段が本実施例を、下段が比較例2をそれぞれ示している。また、吸気制御弁8の型式(#1)を記号「○」で、型式(#2)を記号「△」で、型式(#3)を記号「□」で、型式(#4)を記号「◇」で、型式(#5)を、記号「☆」で、それぞれ示してある。
【0038】
この図10によれば、比較例2が生成するスワールの強さは、実施例及び比較例1に対して低く、ポート流入角θが増大するほど、その低下が著しい。全ポート流入角θにおいて、スワール強度が高いのは、比較例1であったが、本実施例によるスワールも、比較的十分な強さを有しているのがわかる。また、弁型式に着目すると、中心から左右方向における弁体8Bの面積比(中心から左側の面積と中心から右側の面積との比)が大きいもの、つまり、主として横方向が切り欠かれている型式(#3 □)、(#4 ◇)、(#5 ☆)の方が、上下方向の面積比が大きい型式(#1 ○)、(#2 △)よりも、横渦たるスワールの生成に有利であることがわかる(特に、#3及び#5によるスワールが強いことがわかる)。
【0039】
図11は、本実施例と各比較例1,2とにおけるタンブルの強さを示したもので、各ポート流入角θの欄において、右側が比較例1を、中央が本実施例を、左側が比較例2をそれぞれ示している。この図11によれば、本実施例によるタンブルは、他の比較例1,2のタンブルよりも強く、比較例2が最も弱いことが理解できる。また、弁型式では、実施例及び各比較例1,2共に、上下方向の面積比が大きい型式(#1 ○)のタンブルが強い傾向にあることがわかる。
【0040】
図11中、特に着目すべき点を述べると、第1に、本実施例では、湾曲状部6を略上側方向に湾曲させた結果、偏流Sは上側(外周側)に形成されるため、切欠部8Cの形成位置と湾曲状部6による偏流Sの生成位置とが略一致する弁型式(#1 ○)のタンブルは強いが、切欠部8Cと偏流Sとが対応しなくなる型式(#2 △)では、タンブルが弱い。第2に、ポート流入角θが13°、21°、29°の場合、図11中にP〜Pで示す如く、弁体8Bの右半分を上下に切り欠いてなる弁型式(#3 □)でのタンブルが強くなっている(これは、湾曲状部6による偏流Sの効果であると考えられる)。
【0041】
本実施例では、特に弁型式を限定しないものの、スワール及びタンブルの生成強度の点で好ましい弁型式は、図5に示す型式(#3)となる。従って、この好ましい実施態様は、例えば、「二股に分岐した一対の吸気ポート3A,3Bを下流側に備え、該一対の吸気ポート3A,3Bをそれぞれ介して燃焼室2にそれぞれ接続された吸気通路3と、この吸気通路3の途中に設けられ、所定の運転条件下で閉弁することにより、主吸気ポート3Aに流入する吸入空気の流れを切欠部8Cによって調整する吸気制御弁8とを備えた内燃機関の吸気装置であって、前記吸気制御弁8の下流側に位置して前記吸気通路3に設けられた第1の直線状部5と、前記吸気制御弁8の上流側に位置して前記吸気通路3に設けられ、略上側方向に向けて湾曲するように形成された湾曲状部6と、該湾曲状部6の上流側に位置して前記吸気通路3に設けられた第2の直線状部7とを備え、前記吸気制御弁8の切欠部8Cは、弁軸8Aに取り付けられた板状の弁体8Bのうち主吸気ポート3Aに対応する左右方向の半分を上下に切り欠いてなることを特徴とする内燃機関の吸気装置。」として把握することも可能であり、このような態様によれば、主として湾曲状部6によって偏流を生成することにより、吸気制御弁8によってタンブルとスワールとを効率よく生成できる結果、開口率を可及的に高めつつ所望のタンブル及びスワールを容易に得ることができるという作用、効果を奏する。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明に係る内燃機関の吸気装置によれば、湾曲状部と吸気制御弁との相乗関係によって、より強いスワール及びタンブルを生成することができ、この相乗効果による強度増加可能分を吸気制御弁の開口率に振り向けることにより、開口率を高めつつ所望のスワール及びタンブルを容易に得ることができ、希薄燃焼可能な運転領域を広げることができる。
【0043】
また、湾曲状部の上流側に第2の直線状部を設けたため、吸入空気が第2の直線状部から湾曲状部に流入するときに、偏流を生じさせることができ、より一層強いタンブル等を得ることができる。
【0044】
さらに、湾曲状部を、略上側方向に向けて湾曲するように形成したため、機関全体をコンパクトに設計することができ、吸入空気を滑らかに燃焼室内に送り込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る内燃機関の吸気装置の全体構成を簡略化して示す構成説明図である。
【図2】シリンダヘッド側からみた構成説明図である。
【図3】吸気制御弁の弁型式を示す弁体の正面図である。
【図4】同様に、吸気制御弁の他の弁型式を示す弁体の正面図である。
【図5】同様に、吸気制御弁の他の弁型式を示す弁体の正面図である。
【図6】同様に、吸気制御弁の他の弁型式を示す弁体の正面図である。
【図7】同様に、吸気制御弁の他の弁型式を示す弁体の正面図である。
【図8】第1の比較例の構成を示す図1と同様の構成説明図である。
【図9】第2の比較例の構成を示す図1と同様の構成説明図である。
【図10】実施例及び各比較例におけるスワールの強さを示すグラフである。
【図11】実施例及び各比較例におけるタンブルの強さを示すグラフである。
【符号の説明】
2…燃焼室
3…吸気通路
3A…主吸気通路
5…吸気ポートストレート部(第1の直線状部)
6…湾曲状部
7…マニホールドストレート部(第2の直線状部)
8…吸気制御弁
8C…切欠部

Claims (5)

  1. 吸気ポートを下流側に備え、該吸気ポートを介して燃焼室に接続された吸気通路と、この吸気通路の途中に設けられ、切欠部を有し、所定の運転条件下で閉弁することにより、吸気ポートに流入する吸入空気の流れを制限する吸気制御弁とを備えた内燃機関の吸気装置であって、
    前記吸気通路には、前記吸気制御弁の下流側に位置する直線状部と、前記吸気制御弁の上流側に位置する湾曲状部とを設け、該湾曲状部の下流端近傍に前記吸気制御弁を配設したことを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  2. 二股に分岐した一対の吸気ポートを下流側に備え、該一対の吸気ポートをそれぞれ介して燃焼室に接続された吸気通路と、この吸気通路の途中に設けられ、所定の運転条件下で閉弁することにより、吸入空気を一方の吸気ポートに誘導する吸気制御弁とを備えた内燃機関の吸気装置であって、
    前記吸気通路には、前記吸気制御弁の下流側に位置する直線状部と、前記吸気制御弁の上流側に位置する湾曲状部とを設け、該湾曲状部の下流端近傍に前記吸気制御弁を配設したことを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  3. 前記湾曲状部の上流側に、第2の直線状部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
  4. 前記湾曲状部は、略上側方向に向けて湾曲するように形成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の内燃機関の吸気装置。
  5. 二股に分岐した一対の吸気ポートを下流側に備え、該一対の吸気ポートをそれぞれ介して燃焼室に接続された吸気通路と、この吸気通路の途中に設けられ、切欠部を有し、所定の運転条件下で閉弁することにより、吸気ポートに流入する吸入空気の流れを制限する吸気制御弁とを備えた内燃機関の吸気装置であって、
    前記吸気制御弁の下流側に位置して前記吸気通路に設けられた第1の直線状部と、
    前記吸気制御弁の上流側に位置して前記吸気通路に設けられ、略上側方向に向けて湾曲するように形成された湾曲状部と、
    該湾曲状部の上流側に位置して前記吸気通路に設けられた第2の直線状部と、を備え
    前記湾曲状部の下流端近傍に前記吸気制御弁を配設したことを特徴とする内燃機関の吸気装置。
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