JP3566814B2 - 熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動摩擦係数が小さく、すべり性が良好で、耐ブロッキング性に優れ、かつ透明性に優れた成形品を与える熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリエステル、ABS、AS等の熱可塑性樹脂は、成形性、加工性、透明性、易着色性等に優れ、価格も安いので汎用樹脂として大量に使用され、フィルム、シートをはじめとする各種成形品に加工されている。
しかし、フィルムやシートに加工した際、特にポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の軟らかい樹脂はブロッキングしやすく、ロール状に巻き取ったものを巻き戻す時バリバリ等の異音を発したりするほか、シート同士の粘着性も指摘されてきた。また、ポリスチレン、ポリアセタール等の硬めの樹脂成形品においては金型からの離型性が悪く、加工性の改良が求められてきた。更に、これらの樹脂成形品はすべりが悪いため、生産性面と成形品そのものの感触の面から摺動性の改良が必要とされてきた。
【0003】
その対策として、前記熱可塑性樹脂に、化学的、物理的安定性にすぐれた潤滑剤かつ離型剤であるシリコーンオイルを添加することが行われたが、成形品表層付近のシリコーンオイルの大部分が短時間にしみ出し、消費されてしまうため、初期においては優れたすべり性を示すものの、長期的な摺動特性維持の点では不充分なものであった。また、成形品表面のべとつきもあり、商品価値を低下させるといった問題もあった。
【0004】
この問題を解決する方法として、真球状のシリコーンパウダーを混練する方法(例えば特開平1−168408号、特開平1−204950号、特公平 7−39214号各公報参照)、シリコーンゴムとポリテトラフルオロエチレンパウダーを混練する方法(特開平4−234450号公報参照)、シリコーンオイルとポリフッ化ビニリデンパウダーを混練する方法(特開平4−264152号公報参照)、球状シリカ微粒子を添加したUV硬化型樹脂(特開平7−102186号公報参照)等が提案されている。このパウダーや球状微粒子を混入させる方法は有効ではあるが、不満足な特性もあり、パウダー等の配合量が2重量%以上と比較的多く、透明性が要求されるフィルム等の成形品には不適当であり、経済的にも不利である。また、固体状の潤滑剤は摩耗による摩耗粉のため摺動性が徐々に低下するといった欠点もあった。
【0005】
更に、シリコーン系マクロモノマーを共重合させたアクリル樹脂(グラフト共重合体)を熱可塑性樹脂に混練してすべり性のあるフィルムや他の成形物を得る方法(特開平1−214475号、特開平4−173869号、特開平6−100746号各公報参照)も提案されているが、ビニル系樹脂とのなじみが良いため分散性に優れ、結果的には微量の配合では特性が不充分であり、シリコーングラフトアクリル樹脂そのものが不定形状パウダーのため表層で摩擦が生じやすいといった欠点もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の問題点がなく、動摩擦係数が小さく、すべり性が良好で、耐ブロッキング性に優れ、しかも透明性の良い成形品を与える熱可塑性樹脂組成物及びそれを用いた成形品を提供しようとしてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは球状微粒子を添加する方法に着目し、その改良について鋭意検討を行った結果、本発明に到達したのである。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は前記の課題を解決したものであり、これは、熱可塑性樹脂 100重量部に、一般式(I)
【化2】
Figure 0003566814
(式中、Rは炭素数1〜12の非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、全R中の50モル%以上がメチル基であり、Xはラジカル重合性官能基含有有機基を表し、nは5以上 200以下の整数を表す。)で示されるオルガノポリシロキサンと、これと共重合可能な非架橋性ラジカル重合性単量体及び架橋性ラジカル重合性単量体とを共重合させて得られる平均粒径が 0.1〜20μmの架橋型球状樹脂微粒子 0.1〜10重量部を均一に分散させてなるものである。また、この熱可塑性樹脂組成物から製造された成形品も前記の課題を解決したものである。
なお、一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンは、例えば、特開昭59−78236号公報あるいは特開平6−228316号公報に開示されている方法により製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂とはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、AS樹脂、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリエステル等の樹脂であり、熱可塑性樹脂であれば特に限定はされない。
【0009】
この熱可塑性樹脂中に分散させる球状の樹脂微粒子は、前記一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンと、これと共重合可能な非架橋性ラジカル重合性単量体及び架橋性ラジカル重合性単量体とを共重合させて得たものである。
樹脂微粒子の平均粒径としては 0.1〜20μmの範囲で目標とする特性が得られる。平均粒径が 0.1μm未満の樹脂微粒子では、フィルムやシートあるいは他の成形品にした場合に成形品の表面から樹脂微粒子が突出し難くなるためと考えられるが、すべり性が不充分となる。また、平均粒径が20μmを超えると、フィルム状に成形した際に透明性が著しく損なわれ好ましくない。
樹脂微粒子の配合量は熱可塑性樹脂 100重量部に対し 0.1〜10重量部とするが、好ましくは 0.2〜5重量部の範囲である。この配合量で、すべり性、耐ブロッキング性、摺動性等が向上する。樹脂微粒子配合量が 0.1重量部未満ではすべり特性が得られず、10重量部程度までの配合で摺動特性がもっとも良好となり、それ以上添加しても動摩擦係数は下がらず、また、10重量部を超えて添加することは経済的にも不利である。
【0010】
この樹脂微粒子は真球状のものが特性付与効果にすぐれ、特に微粒子表面がジメチルポリシロキサン鎖でおおわれた構造のものが好ましい。このような球状樹脂微粒子の製造方法としては、前記一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンと、これと共重合可能な非架橋性ラジカル重合性単量体及び架橋性ラジカル重合性単量体とを溶液共重合させ、得られた溶液または非水ディスパージョンをスプレードライして球状微粒子状に乾燥させる方法、また、懸濁重合により得られた微粒子を脱水・乾燥させる方法、また、乳化重合により得られた乳化共重合体をスプレードライするか、あるいは凝析剤でゆるやかに凝析させたスラリーを水洗・乾燥後、解砕して球状微粒子にする方法、さらには、懸濁重合、乳化重合により架橋微粒子を予めつくり、この微粒子表面に一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンの乳化物を反応させ、表層のジメチルポリシロキサニル基の分布密度を高くした微粒子を乾燥させてとり出す方法などが例示される。
【0011】
前記一般式(I)中のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、α−フェネチル基、ベンジル基等のアラルキル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の置換アルキル基が例示され、工業的にはメチル基、ブチル基、フェニル基が好ましく、すべり性や耐ブロッキング性等の特性付与面から、全R中の50モル%以上がメチル基とされる。Xとしては例えば、
【化3】
Figure 0003566814
が挙げられ、式中のRは水素原子またはメチル基、Rはヘテロ原子を含み得る炭素数3〜20の二価の有機基を表す。Rとして具体的には−(CH−、−(CHO(CH− 、−(CHS(CH− 、−(CH−、−(CHCHO)(CH−、−CHCH(CH)O−(CH−、−[CHCH(CH)O]−(CH− 等が挙げられる。シロキサン単位のくり返し数nについては5〜200 とされるが、5未満では目的とするすべり性が発現し難く、 200を超えると他のアクリルモノマー等との相溶性が乏しくなるためである。
【0012】
前記一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンの具体例として下記のものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【化4】
Figure 0003566814
【0013】
【化5】
Figure 0003566814
【0014】
【化6】
Figure 0003566814
【0015】
前記一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンとラジカル共重合できる非架橋性単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート類、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、これらの(メタ)アクリル酸エステル類は好ましいものであり、その1種のみ、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0016】
また、種々の熱可塑性樹脂との組み合わせにおける透明性、分散性、なじみやすさ等の点から、前記(メタ)アクリル酸エステル類と共に所望に応じ用いられる共重合可能な単量体として、多官能性単量体を含む非架橋性ラジカル重合性単量体が挙げられ、例えば(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のエチレン性不飽和アミド類、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエーテル等のオキシラン基含有不飽和単量体、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有不飽和単量体、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有不飽和単量体、(メタ)アクリル酸のエチレンオキシドやプロピレンオキシド付加物等のポリアルキレンオキシド基含有不飽和単量体、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のシラン類などが挙げられる。
【0017】
前記架橋性ラジカル重合性単量体としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の1分子中に2個以上のエチレン性不飽和基を有するラジカル重合性単量体を使用することができる。
この架橋性ラジカル重合性単量体は、これと前記非架橋性単量体の合計中 0.5〜10重量%程度用いることが好ましい。架橋性ラジカル重合性単量体が 0.5重量%未満では配合中に樹脂微粒子が溶融するようになり目的を達成できないし、10重量%を超えると溶液重合させる場合にゲル化速度が速くて球状微粒子の製造が困難である。
【0018】
共重合の際の、前記一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサン/前記非架橋性単量体及び架橋性単量体合計の仕込量比は、重量比で(5〜70)/(95〜30)が好ましい(ただし、全量を 100とする。)。一般式(I)で示されるオルガノポリシロキサンの仕込量が5重量%未満では目的とするすべり性が得られにくく、70重量%を超えると真球状の微粒子を生成させにくくなり、好ましくない。重合条件や平均粒径の調整法などは通常のものでよい。得られた球状樹脂微粒子は、オルガノポリシロキサンがグラフトされた共重合体が架橋した構造をもつものである。
【0019】
以上に説明した球状樹脂微粒子は、前述のとおり熱可塑性樹脂 100重量部に対し 0.1〜10重量部、好ましくは 0.2〜5重量部配合され、均一に分散される。
均一分散には公知の装置を用いることができ、熱可塑性樹脂を加熱溶融させた状態で球状樹脂微粒子と混練すればよい。これにより本発明の熱可塑性樹脂組成物が得られる。
すなわち、各成分をそれぞれ所定の割合でヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、高速ミキサー等の配合機によって均一に混合し、更に一軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、コニーダー、ミキシングロール等の混練機を用いて均質に混練分散させることができる。
【0020】
なお、摺動維持性を更に向上させる目的で、前記球状樹脂微粒子にシリコーンオイル、フッ素系オイル等の液体潤滑剤を含浸させたものを用いることができ、また、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、グラファイト等の固体潤滑剤も他の特性が低下しない範囲で添加することができる。更に、各種補助資材として、可塑剤、光安定剤、酸化防止剤、充填剤、着色剤、加工性改良剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料等も配合することができる。
【0021】
以上に説明したようにして得られた本発明の熱可塑性樹脂組成物は、常用の押出成形機、射出成形機、カレンダー成形機などを用いて所望の形態に成形することができる。またTダイ・シートフィーダー、ロールシートフィーダー等によりフィルムやシート化することもできるが、成形方法については特に制限されるものではない。
得られたフィルムやシートをはじめとする成形品は、動摩擦係数が小さく、すべり性が良好であり、耐ブロッキング性に優れ、撥水性が良好である。しかも、このような特性を有する従来品は透明性が良くないのに対し、本発明の熱可塑性樹脂組成物は透明性の良い成形品を与える。
この本発明の熱可塑性樹脂組成物はその特性を生かし、フィルム状の各種包装材料、医療品用容器、化粧品用容器、食品用容器またはその他の各種容器、電気部品、機械部品、家庭用品(例えばコップ、皿)、農水産用品、建築資材、雑貨用品、玩具(例えばプラモデル)等に成形することができる。
【0022】
【実施例】
次に、本発明の実施の形態を具体例を挙げて説明する。なお、例中の部は重量部を表す。
実施例1〜3、比較例1〜3
ポリ塩化ビニル(TK−1300、信越化学工業社製、商品名) 100部に対し、可塑剤(ジイソノニルフタレート)35部、エポキシ化大豆油3部、Ba−Zn系安定剤3部、ポリメチルメタクリレート(ゲル化促進剤)2部及び表1に示す各種の樹脂微粒子を配合し、これを 3.5インチテストロール(2本ロール)上で 150℃で10分間混練し、ロールシート作製機によりシートを調製した。次いで、これを鏡面板で挟持して 170℃で4分間予熱した後、100kgf/cmの圧力で4分間加圧して 120× 120×1.0mm のテストシートを作製した。このようにして得られた試料の外観、動摩擦係数、水の接触角、試料同士のすべり性を測定し、結果を表1に示した。
【0023】
実施例4〜8、比較例4〜6
ポリプロピレン(ハイポールJ−600、三井石油化学社製、商品名) 100部に対し、表1に示す各種の樹脂微粒子を配合し、これを実施例1と同様にして 170℃で10分間混練し、同様にして200kgf/cmの圧力で 120× 120×0.2mm のテストシートを作製した。この試料について実施例1と同様に特性を測定し、結果を表1に示した。
【0024】
なお、特性の測定は下記の方法により行った。
・動摩擦係数・・協和界面科学社製の動摩擦係数測定装置を用い、荷重 20gの SUSボール、速度24cm/秒の条件で測定。
・水の接触角・・協和界面科学社製のContact Angle Meter を用いて測定した。
・すべり性・・・・テストシートを重ね合せ、空気がシート間に入らないように500gの鉄ロールをシート上でころがし、全面接触させた後、上シートと下シートを平面上で 180°の方向でスライドさせて、ブロッキングの程度をみる。
【0025】
【表1】
Figure 0003566814
【0026】
表1中の樹脂微粒子は下記のものである。
・樹脂微粒子▲1▼
ブチルメタクリレート68部、エチレングリコールジメタクリレート1部及びメタクリル酸1部の混合液に平均組成式
【化7】
Figure 0003566814
で示されるシロキサン−1を20部溶解し、得られた混合溶液にラウリル硫酸ナトリウム2部、脱イオン水50部を加え、乳化分散させておき、脱イオン水70部、過硫酸アンモニウム1部の混合物を80〜85℃にし、ここへ上記単量体の混合・乳化分散液を3時間掛けて攪拌下に滴下させ、続いて、シロキサン−1 10部をラウリル硫酸ナトリウム 0.5部を用いて脱イオン水15部中に乳化分散させたものを80〜85℃で滴下させた。滴下終了後80〜85℃で2時間の熟成を行い乳化共重合体を得、これをスプレードライ法により水を蒸発させ、ジェットミルで解砕して平均粒径 2.5μmの真球状樹脂パウダーを製造した。
・樹脂微粒子▲2▼
KMP−590 (信越化学工業社製、商品名)、メチルシリコーンパウダー(平均粒径 1.5μm、平均組成式 CHSiO1.5
【0027】
・樹脂微粒子▲3▼
攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に脱イオン水 200部を仕込み、電化ポバールB−17R 1.4部及びB−24W 0.6部(いずれも電気化学工業社製、商品名)を仕込み、攪拌しながら溶解させ、窒素置換したのち器内温度を75℃に調整した。重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル 0.1部を添加したのち、メチルメタクリレート35部、スチレン5部、ブチルアクリレート6部、アクリル酸1部、アリルメタクリレート3部及び平均組成式
【化8】
Figure 0003566814
で示されるシロキサン−2 50部の混合単量体を、器内温度を75℃に保持しながら3時間掛けて滴下させ、更に2時間熟成を行って反応を完結させた。得られた懸濁重合液を水洗・脱水・乾燥して平均粒径15μmの球状樹脂パウダーを製造した。
【0028】
・樹脂微粒子▲4▼
攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に脱イオン水 100部を仕込み、窒素置換したのち器内温度を60℃に調整した。ここへ、メチルメタクリレート85部、ブタンジオールジアクリレート5部、樹脂微粒子▲1▼の製造に用いたのと同一のシロキサン−1 10部、ラジカル重合性界面活性剤アクアロンHS−10 1部、同アクアロンRN−20 3部(いずれも第一工業製薬社製、商品名)の混合物を、脱イオン水50部を用いてホモミキサーで乳化させて得た単量体乳化液 154部のうちから5部を仕込み、更に重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド(純度70%) 0.3部、ロンガリット0.17部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.003部、硫酸第一鉄 0.001部を添加して重合を開始させ、30分後から残りの単量体乳化液 149部を、器内温度を80℃に保持しながら3時間掛けて滴下させ、更に1時間熟成を行って反応を完結させた。得られた乳化液を脱イオン水で1:1に希釈し、80℃で20%硫酸ナトリウム水溶液を添加して乳化共重合樹脂を凝析させ、水洗・脱水・乾燥したのち、ジェットミルで解砕して平均粒径 0.2μmの球状樹脂パウダーを製造した。
【0029】
・樹脂微粒子▲5▼
攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に脱イオン水 100部を仕込み、窒素置換したのち器内温度を60℃に調整した。ここへ、スチレン10部、メチルメタクリレート53部、ブチルアクリレート27部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1部、ジビニルベンゼン1部、エチレングリコールジアクリレート1部、樹脂微粒子▲1▼の製造に用いたのと同一のシロキサン−1 7部、及び界面活性剤ノイゲンET−190 5部(第一工業製薬社製、商品名)の混合物を、脱イオン水50部を用いてホモミキサーで乳化させて得た単量体乳化液 155部のうちから5部を仕込み、更に重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド(純度70%) 0.3部、ロンガリット0.17部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.003部、硫酸第一鉄 0.001部を添加して重合を開始させ、30分後から残りの単量体乳化液 150部を、器内温度を80℃に保持しながら3時間掛けて滴下させ、更に1時間熟成を行って反応を完結させた。得られた乳化液をスプレードライ法で乾燥させ、ジェットミルで解砕して平均粒径4μmの球状樹脂パウダーを製造した。
【0030】
・樹脂微粒子▲6▼
攪拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に脱イオン水 200部を仕込み、メトローズ65SH400(信越化学工業社製、商品名) 0.8部を仕込み、攪拌しながら溶解させ、窒素置換したのち器内温度を75℃に調整した。重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド 0.1部を添加したのち、メチルメタクリレート60部、エチルメタクリレート19部、エチレングリコールジアクリレート1部、及び樹脂微粒子▲1▼の製造に用いたのと同一のシロキサン−130部の混合単量体を、器内温度を75℃に保持しながら3時間掛けて滴下させ、更に2時間熟成を行って反応を完結させた。得られた懸濁重合液を水洗・脱水・乾燥して平均粒径60μmの球状樹脂パウダーを製造した。
【0031】
【発明の効果】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、動摩擦係数が小さく、すべり性が良好で、耐ブロッキング性に優れ、撥水性が良好で、しかも、このような特性を有する従来品では透明性が良くないのに対し、透明性の良い成形品を与えるので、この組成物を用いた成形品とともに、従来品に対し優位性をもつものである。

Claims (2)

  1. 熱可塑性樹脂 100重量部に、一般式(I)
    Figure 0003566814
    (式中、Rは炭素数1〜12の非置換又は置換の1価炭化水素基を表し、全R中の50モル%以上がメチル基であり、Xはラジカル重合性官能基含有有機基を表し、nは5以上 200以下の整数を表す。)で示されるオルガノポリシロキサンと、これと共重合可能な非架橋性ラジカル重合性単量体及び架橋性ラジカル重合性単量体とを共重合させて得られる平均粒径が 0.1〜20μmの架橋型球状樹脂微粒子 0.1〜10重量部を均一に分散させてなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物から製造された成形品。
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