JP3566741B2 - 自己免疫疾患治療薬 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は自己免疫疾患治療薬として期待される非ステロイド系抗エストロゲン、例えばトレミフェンの使用に関する。
自己免疫疾患としては、膠原病などが挙げられるが、疾患部位の観点からは、支持組織および結合組織の変性性疾患、唾液腺の自己免疫性変性疾患、特にシェーグレン病、腎臓の自己免疫性変性疾患、特に全身性エリテマトーデスや糸球体腎炎、関節の自己免疫性変性疾患、特に慢性関節リウマチ、血管の自己免疫性変性疾患、例えば全身性壊死性および肉芽腫性血管炎が、また多発性硬化症も挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
今日、自己免疫疾患の薬物治療には、免疫抑制剤、核酸拮抗剤、代謝拮抗剤等が使用されている。また対症療法として、抗炎症剤、血液凝固拮抗剤なども使用されている。しかし、これらの薬物の効果は充分なものではなかった。
また免疫抑制剤については、糖尿病、腎臓障害、感染症の誘発などの副作用が知られており、核酸拮抗剤、代謝拮抗剤の使用においては、肝障害、骨髄障害などの副作用が多発している。
このように自己免疫疾患の薬物治療の現状は極めて不満足なものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、免疫系に作用し、従来の薬剤とは作用機序が異なり、重篤な副作用の少ない自己免疫疾患の治療薬を提供するためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる治療薬を見出すべく鋭意研究を重ねた結果、非ステロイド系抗エストロゲンが自己免疫疾患に対し優れた治療効果を有することを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬理学上許容される塩を有効成分とする自己免疫疾患治療薬に関する。
【0005】
本発明において用いられる非ステロイド系抗エストロゲンは、トリフェニルC2 −C5 アルケン又はトリフェニルC2 −C5 アルカン骨格をもつ化合物であり、好ましくは1位及び2位の炭素上に三つのフェニル基による置換を有するC2 −C5 アルケンまたはC2 −C5 アルカン類である。この化合物はフェニル基上にモノ又はジ低級アルキル(C1 〜C3 )アミノ低級アルコキシ(C1 〜C3 )基、ヒドロキシル基などの置換基を有していてもよく、また上記アルケン又はアルカン骨格中のアルキル基にハロゲン等の置換基を有していてもよい。
非ステロイド系抗エストロゲン剤の具体的な例としては、トレミフェン(特公平4−19973)、タモキシフェン(特公昭59−21861)、4−ヒドロキシタモキシフェン(特開昭54−44644)、3−ヒドロキシタモキシフェン(特開昭57−122049)、N−デメチルトレミフェンもしくは4−ヒドロキシトレミフェン(特開平3−163015)等が挙げられるが、特にトレミフェンが好ましい。
これらはいずれも、その抗腫瘍効果が刊行物に開示されている(キャンサー・ケモセラピー・アンド・ファーマコロジー17;109−113、1986及び前掲特許公報)。
【0006】
その薬理学上許容される塩として特に適当なものは、例えば塩酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、リン酸塩である。
自己免疫疾患の治療において本願の非ステロイド系抗エストロゲンと併用することのできる薬剤としては、プレドニゾロン、プレドニゾン、コルチゾール等の糖質コルチコイドが挙げられる。特に、この中でプレドニゾロンが好ましい。
糖質コルチコイドは、それ自体で抗炎症作用等に基づく自己免疫疾患治療効果を有しているが、本発明に係る非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬理学上許容される塩と併用すると、その治療効果が相乗的に向上することがわかった。本発明の治療薬は特に全身性エリテマトーデスに対して優れた作用効果を示す。
【0007】
従って、本発明は下記の治療に関する。
(1) 非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬理学上許容される塩を有効成分とする自己免疫疾患治療薬
(2) 非ステロイド系抗エストロゲンがトリフェニル(C2 −C5 )アルケン又はトリフェニル(C2 −C5 )アルカン骨格を有する化合物である(1) の自己免疫疾患治療薬
(3) トレミフェンもしくは薬理学上許容される塩を有効成分とする自己免疫疾患治療薬
(4) 上記(1) 又は(2) において、自己免疫疾患が膠原病、腎臓変性性疾患、例えば腎炎特に系球体腎炎、自己免疫障害に伴う血管炎、唾液腺炎または関節炎である治療薬
(5) 上記(1) 又は(2) において、自己免疫疾患が全身性エリテマトーデスである治療薬
(6) 糖質コルチコイドと併用するための、上記(1) 又は(2) の治療薬
【0008】
本発明の自己免疫疾患治療薬は、経口、非経口または静脈注射で投与される。一般的には、上記有効成分の効果を発揮する量を適当な医薬用の担体その他の補助剤と組合せて用いる。ここでいう「効果を発揮する量」とは好ましくない副作用をひきおこさずに目的とする薬理活性を発揮する量のことである。個々の場合における正確な投与量は、多くの因子、例えば投与方法、投与される患者の個体差、化合物を投与するときの状態などによって変わるものであり、もちろん投与する誘導体の構造によっても変わるものである。
通常、上記有効成分の投与量は、成人1日当り10〜1000mg、好ましくは20〜500mg、より好ましくは30〜300mg程度である。
糖質コルチコイドを併用する場合は、糖質コルチコイドを成人1日当り1〜100mg、好ましくは2〜60mg程度、非ステロイド系抗エストロゲンを成人1日当り10〜700mg、好ましくは20〜500mg、より好ましくは30〜300mg程度投与するのが好ましい。
【0009】
本発明に係る有効成分とともに一般的に用いられる医薬用の担体その他の補助剤は固体状でも液体状でもよく、ふつう投与経路を考慮して選ばれる。たとえば固体の担体としては、乳糖、蔗糖、ゼラチン、寒天などが挙げられ、液体の担体としては、水、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油などが挙げられる。そのほかにも、当該分野の熟練者にとって公知の適当な担体を用いてもよい。本発明に係る有効成分は担体と組合せて、種々の許容しうる剤形、例えば錠剤、カプセル剤、坐剤、液剤、エマルジョン剤、パウダー剤などの形にしてもよい。
本発明の治療薬の製剤中における非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬学的に許容される塩の含量は、製剤の形態等により広範囲に変えることが可能であるが、一般には0.01〜100%(重量)、好ましくは0.1〜70%(重量)であり、製剤中の残りは通常医薬用の担体その他の補助剤からなる。
【0010】
MRL/Mp−lpr/lprマウスは加齢に伴って、免疫複合体の沈着を伴う糸球体腎炎や血管炎、唾液腺炎、多発性関節炎などを自然発症する。このことから、MRL/Mp−lpr/lprマウスは人の全身性エリテマトーデス、シェーグレン病、慢性関節リウマチ、あるいは多発性動脈炎などの自己免疫性血管炎の実験モデルとして広く利用されている。
次いで、本発明を、非ステロイド系抗エストロゲン剤の、MRL/Mp−lpr/lprマウスのリンパ組織腫大、糸球体腎炎、血管炎、唾液腺炎、関節炎に対する抑制効果の試験に基づいて説明する。
【0011】
【発明の効果】
本願発明の治療薬の有効成分である非ステロイド系抗エストロゲン、例えばトレミフェン及びその薬理学的に許容される塩等は、自己免疫疾患等の変性性疾患、例えば全身性エリテマトーデスの治療薬として優れた効果を示す。
【0012】
【実施例】
例1 2〔4−(Z)−4−クロロ−1,2−ジフェニル−1−ブテニル〕フェノキシ−N,N−ジメチルエチルアミンシトラート(クエン酸トレミフェン)投与によるMRL/Mp−lpr/lprマウスに自然発症する自己免疫疾患の治療
(1)試験方法
試験には8週齢の雌MRL/Mp−lpr/lprマウス(日本クレア)を用いた。クエン酸トレミフェン(特公平4−19973)を、0.5%カルボキシメチルセルロースに懸濁して懸濁液を作製し、有効成分100mg/kgに相当する量を1日1回、13週間連日経口投与した。
【0013】
(2)クエン酸トレミフェンによるMRL/Mp−lpr/lprマウスの脾臓、リンパ節腫脹の抑制
クエン酸トレミフェン100mg/kgの1日1回、13週間連日経口投与はMRL/Mp−lpr/lprマウスの脾臓、リンパ節腫脹を著明に抑制した(表1参照)。
MRL/Mp−lpr/lprマウスではlpr遺伝子(リンパ増殖遺伝子)の存在により、加齢に伴って脾臓、全身のリンパ節が著しく腫大する。このlpr遺伝子は、マウスのFas抗原をコードしており、MRL/Mp−lpr/lprマウスではこの遺伝子に何らかの異常が存在することによりFas抗原が発現しない。このため、自己反応性のT細胞が胸腺でFas抗原を介したネガティブセレクションを受けず、末梢組織に出現し、リンパ組織の腫大、自己免疫症状を惹起する。慢性関節リウマチなどの人の自己免疫疾患においても、自己反応性T細胞の存在が確認される。
本試験結果はクエン酸トレミフェンなどの非ステロイド系抗エストロゲン剤が自己反応性T細胞の出現を抑え、その結果脾臓、リンパ節腫脹を抑制して自己免疫疾患を治療する可能性を示している。
【0014】
【表1】
【0015】
(3)クエン酸トレミフェンによるMRL/Mp−lpr/lprマウスの腎機能障害の抑制
対照群ならびにクエン酸トレミフェン投与群のマウスを、投与終了後に剖検し腎臓を病理組織学的に検索した。また各群の血清を用いてBUN(血中尿素窒素)を測定し、腎機能の変化を測定した(表2参照)。表2に示すごとく、クエン酸トレミフェンはMRL/Mp−lpr/lprマウスの糸球体腎炎ならびに糸球体腎炎に基づく腎機能障害を著明に改善した。
MRL/Mp−lpr/lprマウスの糸球体腎炎は免疫複合体の沈着により発症する。一方、人の全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫性疾患においても、免疫複合体の沈着をともなう糸球体腎炎が発現する。本試験結果はこれらSLE腎症、糸球体腎炎などの腎臓の変性性疾患にクエン酸トレミフェンなどの非ステロイド系抗エストロゲン剤が有用な治療薬となることを示す。
【0016】
【表2】
【0017】
(4)クエン酸トレミフェンによるMRL/Mp−lpr/lprマウスの唾液腺炎、血管炎、関節炎発症の抑制
対照群ならびにクエン酸トレミフェン投与群のマウスの唾液腺、腎血管、膝関節について病理組織学検索をおこなった。
表3に示すごとく、クエン酸トレミフェンはMRL/Mp−lpr/lprマウス唾液腺炎、血管炎、関節炎の発症を抑制した。
本結果はクエン酸トレミフェン、あるいはクエン酸タモキシフェンなどの非ステロイド系抗エストロゲン剤が、自己免疫性の唾液腺炎(シェーグレン病)、同関節炎(慢性関節リウマチ)、同血管炎(壊死性および肉芽腫性血管炎)などの治療薬となり得ることを示す。
【0018】
【表3】
【0019】
例2 クエン酸トレミフェン及び糖質コルチコイドの併用投与によるMRL/M
p−lpr/lprマウスに自然発症する自己免疫疾患に対する効果
(1)試験方法
12週齢の雌MRL/Mp−lpr/lprマウスを用いた。30mg/kgおよび15mg/kgのクエン酸トレミフェン(TOR)を、12週齢から21週齢まで9週間、1日2回連日経口投与した。陽性対照薬として糖質コルチコイド(プレドニゾロン)8、4、2mg/kg/dayを同様に1日1回、皮下投与した。また、同投与法にてトレミフェンと糖質コルチコイドの併用投与もおこなった。全投与期間終了翌日に腎臓を摘出し、PLP固定液に固定後、凍結切片を作成した。この凍結切片を用いて、抗Mac−2単クローン抗体(ハイブリテック社、サンジエゴ、米国)による免疫染色を実施した。各腎臓あたり10〜20個の糸球体について各糸球体に浸潤しているMac−2陽性細胞(活性化マクロファージ)の数を顕微鏡下で数え、糸球体1個あたりの平均Mac−2陽性細胞数を求め、糸球体腎炎の障害の程度として評価した(各n=13)。
結果を表4に示す。
【0020】
【表4】
【0021】
プレドニゾロン(P)とクエン酸トレミフェン(TOR)との併用群はいずれも、対照群、又はプレドニゾロン単独投与群に比べ、Mac2陽性細胞数が有意に減少しており、一方、プレドニゾロン、クエン酸トレミフェン単独は対照群に比しMac2陽性細胞数に大きな減少がなかった。これらのことより両剤の併用により糸球体の障害が相乗的に抑制される効果があることがわかった。
【0022】
例3 生存率比較試験
自己免疫疾患の病態モデルとしてNZB/NZWのF1マウス(全身性エリテマトーデスの病態モデル)を用い、クエン酸トレミフェン投与による生存率の比較試験を行った。
(1)試験方法
実験動物
NZB(雌性)/NZW(雄性)のF1−ハイブリッドマウスを用いた。これらは5週齢のものをボンホルトガード(Bomholtgaard)社(デンマーク)より輸入した。
試験群及び用量
・対照(雄性):ポリエチレングリコールを週3回経口投与
・対照(雌性):ポリエチレングリコールを週3回経口投与
・クエン酸トレミフェン30mg/kg/day:70mg/kgをポリエチレングリコールに溶かし週3回雌性NZB/NZWのF1マウスに経口投与
・クエン酸トレミフェン 3mg/kg/day: 7mg/kgをポリエチレングリコールに溶かし週3回雌性NZB/NZWのF1マウスに経口投与
【0023】
(2)結 果
各試験群のマウスの生存率を図1に示した。
2匹を除く全ての雌性対照マウスは2年間の追跡期間中に死んだ。この群の50%のマウスは40週齢前に死亡し、20%(4/20)が1年後も生存した。一方、雄性対照群では、5匹は最初の24週間(図中には示していない)に症状が悪化し感染症をもたらした為、これら5匹は結果から除いた。雄性対照マウスの47%は2年間後も生存していた。
両トレミフェン投与群では、マウスの生存率は明らかに雌性対照に比べて上がっている。40週齢時に3mg/kgトレミフェン投与群においては1匹(1/20)が死んだだけであり、30mg/kgトレミフェン群においては3匹(3/20)が死んだ。
【0024】
1年後では、3mg/kgと30mg/kgトレミフェン投与群で各々80%及び85%のマウスが生存しており、これらの値は雌性コントロール群(20%)よりも、雄性コントロール群(≒90%)の値に近似するものであった。
さらに、低用量及び高用量のトレミフェン群において、各々25%(5/20)及び10%(2/20)のマウスが2年間後も生存していた。
以上の60匹の雌性及び15匹の雄性NZB/NZWのF1マウスの追跡データにより、トレミフェンは明らかに雌性マウスの生存率を上げる作用があることを示した。
【0025】
例4 製剤例
非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬理学上許容される塩を有効成分とする本発明の自己免疫疾患治療剤の製剤例を以下に示す。尚、本発明に係る製剤例は、これらに限定されるものではない。
製剤例1
下記成分を含有する200mg錠剤を作成した。
クエン酸トレミフェン 20mg
澱粉 85mg
ラクトース 90mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【0026】
製剤例2
下記成分を含有する200mg錠剤を作成した。
クエン酸タモキシフェン 20mg
澱粉 85mg
ラクトース 90mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【図面の簡単な説明】
【図1】NZB/NZWのF1マウスのトレミフェン投与群及び対照群の生存率の比較。
【産業上の利用分野】
本発明は自己免疫疾患治療薬として期待される非ステロイド系抗エストロゲン、例えばトレミフェンの使用に関する。
自己免疫疾患としては、膠原病などが挙げられるが、疾患部位の観点からは、支持組織および結合組織の変性性疾患、唾液腺の自己免疫性変性疾患、特にシェーグレン病、腎臓の自己免疫性変性疾患、特に全身性エリテマトーデスや糸球体腎炎、関節の自己免疫性変性疾患、特に慢性関節リウマチ、血管の自己免疫性変性疾患、例えば全身性壊死性および肉芽腫性血管炎が、また多発性硬化症も挙げられる。
【0002】
【従来の技術】
今日、自己免疫疾患の薬物治療には、免疫抑制剤、核酸拮抗剤、代謝拮抗剤等が使用されている。また対症療法として、抗炎症剤、血液凝固拮抗剤なども使用されている。しかし、これらの薬物の効果は充分なものではなかった。
また免疫抑制剤については、糖尿病、腎臓障害、感染症の誘発などの副作用が知られており、核酸拮抗剤、代謝拮抗剤の使用においては、肝障害、骨髄障害などの副作用が多発している。
このように自己免疫疾患の薬物治療の現状は極めて不満足なものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、免疫系に作用し、従来の薬剤とは作用機序が異なり、重篤な副作用の少ない自己免疫疾患の治療薬を提供するためになされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる治療薬を見出すべく鋭意研究を重ねた結果、非ステロイド系抗エストロゲンが自己免疫疾患に対し優れた治療効果を有することを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬理学上許容される塩を有効成分とする自己免疫疾患治療薬に関する。
【0005】
本発明において用いられる非ステロイド系抗エストロゲンは、トリフェニルC2 −C5 アルケン又はトリフェニルC2 −C5 アルカン骨格をもつ化合物であり、好ましくは1位及び2位の炭素上に三つのフェニル基による置換を有するC2 −C5 アルケンまたはC2 −C5 アルカン類である。この化合物はフェニル基上にモノ又はジ低級アルキル(C1 〜C3 )アミノ低級アルコキシ(C1 〜C3 )基、ヒドロキシル基などの置換基を有していてもよく、また上記アルケン又はアルカン骨格中のアルキル基にハロゲン等の置換基を有していてもよい。
非ステロイド系抗エストロゲン剤の具体的な例としては、トレミフェン(特公平4−19973)、タモキシフェン(特公昭59−21861)、4−ヒドロキシタモキシフェン(特開昭54−44644)、3−ヒドロキシタモキシフェン(特開昭57−122049)、N−デメチルトレミフェンもしくは4−ヒドロキシトレミフェン(特開平3−163015)等が挙げられるが、特にトレミフェンが好ましい。
これらはいずれも、その抗腫瘍効果が刊行物に開示されている(キャンサー・ケモセラピー・アンド・ファーマコロジー17;109−113、1986及び前掲特許公報)。
【0006】
その薬理学上許容される塩として特に適当なものは、例えば塩酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、リン酸塩である。
自己免疫疾患の治療において本願の非ステロイド系抗エストロゲンと併用することのできる薬剤としては、プレドニゾロン、プレドニゾン、コルチゾール等の糖質コルチコイドが挙げられる。特に、この中でプレドニゾロンが好ましい。
糖質コルチコイドは、それ自体で抗炎症作用等に基づく自己免疫疾患治療効果を有しているが、本発明に係る非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬理学上許容される塩と併用すると、その治療効果が相乗的に向上することがわかった。本発明の治療薬は特に全身性エリテマトーデスに対して優れた作用効果を示す。
【0007】
従って、本発明は下記の治療に関する。
(1) 非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬理学上許容される塩を有効成分とする自己免疫疾患治療薬
(2) 非ステロイド系抗エストロゲンがトリフェニル(C2 −C5 )アルケン又はトリフェニル(C2 −C5 )アルカン骨格を有する化合物である(1) の自己免疫疾患治療薬
(3) トレミフェンもしくは薬理学上許容される塩を有効成分とする自己免疫疾患治療薬
(4) 上記(1) 又は(2) において、自己免疫疾患が膠原病、腎臓変性性疾患、例えば腎炎特に系球体腎炎、自己免疫障害に伴う血管炎、唾液腺炎または関節炎である治療薬
(5) 上記(1) 又は(2) において、自己免疫疾患が全身性エリテマトーデスである治療薬
(6) 糖質コルチコイドと併用するための、上記(1) 又は(2) の治療薬
【0008】
本発明の自己免疫疾患治療薬は、経口、非経口または静脈注射で投与される。一般的には、上記有効成分の効果を発揮する量を適当な医薬用の担体その他の補助剤と組合せて用いる。ここでいう「効果を発揮する量」とは好ましくない副作用をひきおこさずに目的とする薬理活性を発揮する量のことである。個々の場合における正確な投与量は、多くの因子、例えば投与方法、投与される患者の個体差、化合物を投与するときの状態などによって変わるものであり、もちろん投与する誘導体の構造によっても変わるものである。
通常、上記有効成分の投与量は、成人1日当り10〜1000mg、好ましくは20〜500mg、より好ましくは30〜300mg程度である。
糖質コルチコイドを併用する場合は、糖質コルチコイドを成人1日当り1〜100mg、好ましくは2〜60mg程度、非ステロイド系抗エストロゲンを成人1日当り10〜700mg、好ましくは20〜500mg、より好ましくは30〜300mg程度投与するのが好ましい。
【0009】
本発明に係る有効成分とともに一般的に用いられる医薬用の担体その他の補助剤は固体状でも液体状でもよく、ふつう投与経路を考慮して選ばれる。たとえば固体の担体としては、乳糖、蔗糖、ゼラチン、寒天などが挙げられ、液体の担体としては、水、シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油などが挙げられる。そのほかにも、当該分野の熟練者にとって公知の適当な担体を用いてもよい。本発明に係る有効成分は担体と組合せて、種々の許容しうる剤形、例えば錠剤、カプセル剤、坐剤、液剤、エマルジョン剤、パウダー剤などの形にしてもよい。
本発明の治療薬の製剤中における非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬学的に許容される塩の含量は、製剤の形態等により広範囲に変えることが可能であるが、一般には0.01〜100%(重量)、好ましくは0.1〜70%(重量)であり、製剤中の残りは通常医薬用の担体その他の補助剤からなる。
【0010】
MRL/Mp−lpr/lprマウスは加齢に伴って、免疫複合体の沈着を伴う糸球体腎炎や血管炎、唾液腺炎、多発性関節炎などを自然発症する。このことから、MRL/Mp−lpr/lprマウスは人の全身性エリテマトーデス、シェーグレン病、慢性関節リウマチ、あるいは多発性動脈炎などの自己免疫性血管炎の実験モデルとして広く利用されている。
次いで、本発明を、非ステロイド系抗エストロゲン剤の、MRL/Mp−lpr/lprマウスのリンパ組織腫大、糸球体腎炎、血管炎、唾液腺炎、関節炎に対する抑制効果の試験に基づいて説明する。
【0011】
【発明の効果】
本願発明の治療薬の有効成分である非ステロイド系抗エストロゲン、例えばトレミフェン及びその薬理学的に許容される塩等は、自己免疫疾患等の変性性疾患、例えば全身性エリテマトーデスの治療薬として優れた効果を示す。
【0012】
【実施例】
例1 2〔4−(Z)−4−クロロ−1,2−ジフェニル−1−ブテニル〕フェノキシ−N,N−ジメチルエチルアミンシトラート(クエン酸トレミフェン)投与によるMRL/Mp−lpr/lprマウスに自然発症する自己免疫疾患の治療
(1)試験方法
試験には8週齢の雌MRL/Mp−lpr/lprマウス(日本クレア)を用いた。クエン酸トレミフェン(特公平4−19973)を、0.5%カルボキシメチルセルロースに懸濁して懸濁液を作製し、有効成分100mg/kgに相当する量を1日1回、13週間連日経口投与した。
【0013】
(2)クエン酸トレミフェンによるMRL/Mp−lpr/lprマウスの脾臓、リンパ節腫脹の抑制
クエン酸トレミフェン100mg/kgの1日1回、13週間連日経口投与はMRL/Mp−lpr/lprマウスの脾臓、リンパ節腫脹を著明に抑制した(表1参照)。
MRL/Mp−lpr/lprマウスではlpr遺伝子(リンパ増殖遺伝子)の存在により、加齢に伴って脾臓、全身のリンパ節が著しく腫大する。このlpr遺伝子は、マウスのFas抗原をコードしており、MRL/Mp−lpr/lprマウスではこの遺伝子に何らかの異常が存在することによりFas抗原が発現しない。このため、自己反応性のT細胞が胸腺でFas抗原を介したネガティブセレクションを受けず、末梢組織に出現し、リンパ組織の腫大、自己免疫症状を惹起する。慢性関節リウマチなどの人の自己免疫疾患においても、自己反応性T細胞の存在が確認される。
本試験結果はクエン酸トレミフェンなどの非ステロイド系抗エストロゲン剤が自己反応性T細胞の出現を抑え、その結果脾臓、リンパ節腫脹を抑制して自己免疫疾患を治療する可能性を示している。
【0014】
【表1】
【0015】
(3)クエン酸トレミフェンによるMRL/Mp−lpr/lprマウスの腎機能障害の抑制
対照群ならびにクエン酸トレミフェン投与群のマウスを、投与終了後に剖検し腎臓を病理組織学的に検索した。また各群の血清を用いてBUN(血中尿素窒素)を測定し、腎機能の変化を測定した(表2参照)。表2に示すごとく、クエン酸トレミフェンはMRL/Mp−lpr/lprマウスの糸球体腎炎ならびに糸球体腎炎に基づく腎機能障害を著明に改善した。
MRL/Mp−lpr/lprマウスの糸球体腎炎は免疫複合体の沈着により発症する。一方、人の全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫性疾患においても、免疫複合体の沈着をともなう糸球体腎炎が発現する。本試験結果はこれらSLE腎症、糸球体腎炎などの腎臓の変性性疾患にクエン酸トレミフェンなどの非ステロイド系抗エストロゲン剤が有用な治療薬となることを示す。
【0016】
【表2】
【0017】
(4)クエン酸トレミフェンによるMRL/Mp−lpr/lprマウスの唾液腺炎、血管炎、関節炎発症の抑制
対照群ならびにクエン酸トレミフェン投与群のマウスの唾液腺、腎血管、膝関節について病理組織学検索をおこなった。
表3に示すごとく、クエン酸トレミフェンはMRL/Mp−lpr/lprマウス唾液腺炎、血管炎、関節炎の発症を抑制した。
本結果はクエン酸トレミフェン、あるいはクエン酸タモキシフェンなどの非ステロイド系抗エストロゲン剤が、自己免疫性の唾液腺炎(シェーグレン病)、同関節炎(慢性関節リウマチ)、同血管炎(壊死性および肉芽腫性血管炎)などの治療薬となり得ることを示す。
【0018】
【表3】
【0019】
例2 クエン酸トレミフェン及び糖質コルチコイドの併用投与によるMRL/M
p−lpr/lprマウスに自然発症する自己免疫疾患に対する効果
(1)試験方法
12週齢の雌MRL/Mp−lpr/lprマウスを用いた。30mg/kgおよび15mg/kgのクエン酸トレミフェン(TOR)を、12週齢から21週齢まで9週間、1日2回連日経口投与した。陽性対照薬として糖質コルチコイド(プレドニゾロン)8、4、2mg/kg/dayを同様に1日1回、皮下投与した。また、同投与法にてトレミフェンと糖質コルチコイドの併用投与もおこなった。全投与期間終了翌日に腎臓を摘出し、PLP固定液に固定後、凍結切片を作成した。この凍結切片を用いて、抗Mac−2単クローン抗体(ハイブリテック社、サンジエゴ、米国)による免疫染色を実施した。各腎臓あたり10〜20個の糸球体について各糸球体に浸潤しているMac−2陽性細胞(活性化マクロファージ)の数を顕微鏡下で数え、糸球体1個あたりの平均Mac−2陽性細胞数を求め、糸球体腎炎の障害の程度として評価した(各n=13)。
結果を表4に示す。
【0020】
【表4】
【0021】
プレドニゾロン(P)とクエン酸トレミフェン(TOR)との併用群はいずれも、対照群、又はプレドニゾロン単独投与群に比べ、Mac2陽性細胞数が有意に減少しており、一方、プレドニゾロン、クエン酸トレミフェン単独は対照群に比しMac2陽性細胞数に大きな減少がなかった。これらのことより両剤の併用により糸球体の障害が相乗的に抑制される効果があることがわかった。
【0022】
例3 生存率比較試験
自己免疫疾患の病態モデルとしてNZB/NZWのF1マウス(全身性エリテマトーデスの病態モデル)を用い、クエン酸トレミフェン投与による生存率の比較試験を行った。
(1)試験方法
実験動物
NZB(雌性)/NZW(雄性)のF1−ハイブリッドマウスを用いた。これらは5週齢のものをボンホルトガード(Bomholtgaard)社(デンマーク)より輸入した。
試験群及び用量
・対照(雄性):ポリエチレングリコールを週3回経口投与
・対照(雌性):ポリエチレングリコールを週3回経口投与
・クエン酸トレミフェン30mg/kg/day:70mg/kgをポリエチレングリコールに溶かし週3回雌性NZB/NZWのF1マウスに経口投与
・クエン酸トレミフェン 3mg/kg/day: 7mg/kgをポリエチレングリコールに溶かし週3回雌性NZB/NZWのF1マウスに経口投与
【0023】
(2)結 果
各試験群のマウスの生存率を図1に示した。
2匹を除く全ての雌性対照マウスは2年間の追跡期間中に死んだ。この群の50%のマウスは40週齢前に死亡し、20%(4/20)が1年後も生存した。一方、雄性対照群では、5匹は最初の24週間(図中には示していない)に症状が悪化し感染症をもたらした為、これら5匹は結果から除いた。雄性対照マウスの47%は2年間後も生存していた。
両トレミフェン投与群では、マウスの生存率は明らかに雌性対照に比べて上がっている。40週齢時に3mg/kgトレミフェン投与群においては1匹(1/20)が死んだだけであり、30mg/kgトレミフェン群においては3匹(3/20)が死んだ。
【0024】
1年後では、3mg/kgと30mg/kgトレミフェン投与群で各々80%及び85%のマウスが生存しており、これらの値は雌性コントロール群(20%)よりも、雄性コントロール群(≒90%)の値に近似するものであった。
さらに、低用量及び高用量のトレミフェン群において、各々25%(5/20)及び10%(2/20)のマウスが2年間後も生存していた。
以上の60匹の雌性及び15匹の雄性NZB/NZWのF1マウスの追跡データにより、トレミフェンは明らかに雌性マウスの生存率を上げる作用があることを示した。
【0025】
例4 製剤例
非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬理学上許容される塩を有効成分とする本発明の自己免疫疾患治療剤の製剤例を以下に示す。尚、本発明に係る製剤例は、これらに限定されるものではない。
製剤例1
下記成分を含有する200mg錠剤を作成した。
クエン酸トレミフェン 20mg
澱粉 85mg
ラクトース 90mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【0026】
製剤例2
下記成分を含有する200mg錠剤を作成した。
クエン酸タモキシフェン 20mg
澱粉 85mg
ラクトース 90mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【図面の簡単な説明】
【図1】NZB/NZWのF1マウスのトレミフェン投与群及び対照群の生存率の比較。
Claims (4)
- トレミフェン又はその薬理学上許容される塩を有効成分として含む、腎臓の変性性疾患、自己免疫障害に伴う唾液腺炎、自己免疫障害に伴う血管炎、全身性エリテマトーデス、糸球体腎炎及び関節の自己免疫性変性疾患からなる群から選択されるいずれかの自己免疫疾患の治療薬。
- 糖質コルチコイドと併用するための請求項1記載の治療薬。
- 糖質コルチコイドがプレドニゾロンである請求項2に記載の治療薬。
- 糖質コルチコイドと併用するためのトレミフェン又はその薬理学上許容される塩を有効成分として含む自己免疫疾患の治療薬。
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