JPH06206831A - 自己免疫疾患治療薬 - Google Patents

自己免疫疾患治療薬

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JPH06206831A
JPH06206831A JP26729193A JP26729193A JPH06206831A JP H06206831 A JPH06206831 A JP H06206831A JP 26729193 A JP26729193 A JP 26729193A JP 26729193 A JP26729193 A JP 26729193A JP H06206831 A JPH06206831 A JP H06206831A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 非ステロイド系抗エストロゲン、例えばクエ
ン酸トレミフェン等を有効成分とする自己免疫疾患治療
薬に関するものである。 【効果】 抗エストロゲン剤例えばクエン酸トレミフェ
ンは自己免疫疾患等の変性性疾患に対し優れた治療効果
を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自己免疫疾患治療薬とし
て期待される非ステロイド系抗エストロゲン、例えばト
レミフェンの使用に関する。自己免疫疾患としては、膠
原病などが挙げられるが、疾患部位の観点からは、支持
組織および結合組織の変性性疾患、唾液腺の自己免疫性
変性疾患、特にシェーグレン病、腎臓の自己免疫性変性
疾患、特に全身性エリテマトーデスや糸球体腎炎、関節
の自己免疫性変性疾患、特に慢性関節リウマチ、血管の
自己免疫性変性疾患、例えば全身性壊死性および肉芽腫
性血管炎が、また多発性硬化症も挙げられる。
【0002】
【従来の技術】今日、自己免疫疾患の薬物治療には、免
疫抑制剤、核酸拮抗剤、代謝拮抗剤等が使用されてい
る。また対症療法として、抗炎症剤、血液凝固拮抗剤な
ども使用されている。しかし、これらの薬物の効果は充
分なものではなかった。また免疫抑制剤については、糖
尿病、腎臓障害、感染症の誘発などの副作用が知られて
おり、核酸拮抗剤、代謝拮抗剤の使用においては、肝障
害、骨髄障害などの副作用が多発している。このように
自己免疫疾患の薬物治療の現状は極めて不満足なもので
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、免疫系に作
用し、従来の薬剤とは作用機序が異なり、重篤な副作用
の少ない自己免疫疾患の治療薬を提供するためになされ
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる治
療薬を見出すべく鋭意研究を重ねた結果、非ステロイド
系抗エストロゲンが自己免疫疾患に対し優れた治療効果
を有することを見出し、この知見に基づいて本発明をな
すに至った。すなわち、本発明は、非ステロイド系抗エ
ストロゲン又はその薬理学上許容される塩を有効成分と
する自己免疫疾患治療薬に関する。
【0005】本発明において用いられる非ステロイド系
抗エストロゲンは、トリフェニルC 2 −C5 アルケン又
はトリフェニルC2 −C5 アルカン骨格をもつ化合物で
あり、好ましくは1位及び2位の炭素上に三つのフェニ
ル基による置換を有するC2−C5 アルケンまたはC2
−C5 アルカン類である。この化合物はフェニル基上に
モノ又はジ低級アルキル(C1 〜C3 )アミノ低級アル
コキシ(C1 〜C3 )基、ヒドロキシル基などの置換基
を有していてもよく、また上記アルケン又はアルカン骨
格中のアルキル基にハロゲン等の置換基を有していても
よい。非ステロイド系抗エストロゲン剤の具体的な例と
しては、トレミフェン(特公平4−19973)、タモ
キシフェン(特公昭59−21861)、4−ヒドロキ
シタモキシフェン(特開昭54−44644)、3−ヒ
ドロキシタモキシフェン(特開昭57−12204
9)、N−デメチルトレミフェンもしくは4−ヒドロキ
シトレミフェン(特開平3−163015)等が挙げら
れるが、特にトレミフェンが好ましい。これらはいずれ
も、その抗腫瘍効果が刊行物に開示されている(キャン
サー・ケモセラピー・アンド・ファーマコロジー17;
109−113、1986及び前掲特許公報)。
【0006】その薬理学上許容される塩として特に適当
なものは、例えば塩酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、酒石酸
塩、リン酸塩である。自己免疫疾患の治療において本願
の非ステロイド系抗エストロゲンと併用することのでき
る薬剤としては、プレドニゾロン、プレドニゾン、コル
チゾール等の糖質コルチコイドが挙げられる。特に、こ
の中でプレドニゾロンが好ましい。糖質コルチコイド
は、それ自体で抗炎症作用等に基づく自己免疫疾患治療
効果を有しているが、本発明に係る非ステロイド系抗エ
ストロゲン又はその薬理学上許容される塩と併用する
と、その治療効果が相乗的に向上することがわかった。
本発明の治療薬は特に全身性エリテマトーデスに対して
優れた作用効果を示す。
【0007】従って、本発明は下記の治療に関する。 (1) 非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬理学上許
容される塩を有効成分とする自己免疫疾患治療薬 (2) 非ステロイド系抗エストロゲンがトリフェニル(C
2 −C5 )アルケン又はトリフェニル(C2 −C5 )ア
ルカン骨格を有する化合物である(1) の自己免疫疾患治
療薬 (3) トレミフェンもしくは薬理学上許容される塩を有効
成分とする自己免疫疾患治療薬 (4) 上記(1) 又は(2) において、自己免疫疾患が膠原
病、腎臓変性性疾患、例えば腎炎特に系球体腎炎、自己
免疫障害に伴う血管炎、唾液腺炎または関節炎である治
療薬 (5) 上記(1) 又は(2) において、自己免疫疾患が全身性
エリテマトーデスである治療薬 (6) 糖質コルチコイドと併用するための、上記(1) 又は
(2) の治療薬
【0008】本発明の自己免疫疾患治療薬は、経口、非
経口または静脈注射で投与される。一般的には、上記有
効成分の効果を発揮する量を適当な医薬用の担体その他
の補助剤と組合せて用いる。ここでいう「効果を発揮す
る量」とは好ましくない副作用をひきおこさずに目的と
する薬理活性を発揮する量のことである。個々の場合に
おける正確な投与量は、多くの因子、例えば投与方法、
投与される患者の個体差、化合物を投与するときの状態
などによって変わるものであり、もちろん投与する誘導
体の構造によっても変わるものである。通常、上記有効
成分の投与量は、成人1日当り10〜1000mg、好
ましくは20〜500mg、より好ましくは30〜30
0mg程度である。糖質コルチコイドを併用する場合
は、糖質コルチコイドを成人1日当り1〜100mg、
好ましくは2〜60mg程度、非ステロイド系抗エスト
ロゲンを成人1日当り10〜700mg、好ましくは2
0〜500mg、より好ましくは30〜300mg程度
投与するのが好ましい。
【0009】本発明に係る有効成分とともに一般的に用
いられる医薬用の担体その他の補助剤は固体状でも液体
状でもよく、ふつう投与経路を考慮して選ばれる。たと
えば固体の担体としては、乳糖、蔗糖、ゼラチン、寒天
などが挙げられ、液体の担体としては、水、シロップ、
ピーナッツ油、オリーブ油などが挙げられる。そのほか
にも、当該分野の熟練者にとって公知の適当な担体を用
いてもよい。本発明に係る有効成分は担体と組合せて、
種々の許容しうる剤形、例えば錠剤、カプセル剤、坐
剤、液剤、エマルジョン剤、パウダー剤などの形にして
もよい。本発明の治療薬の製剤中における非ステロイド
系抗エストロゲン又はその薬学的に許容される塩の含量
は、製剤の形態等により広範囲に変えることが可能であ
るが、一般には0.01〜100%(重量)、好ましく
は0.1〜70%(重量)であり、製剤中の残りは通常
医薬用の担体その他の補助剤からなる。
【0010】MRL/Mp−lpr/lprマウスは加
齢に伴って、免疫複合体の沈着を伴う糸球体腎炎や血管
炎、唾液腺炎、多発性関節炎などを自然発症する。この
ことから、MRL/Mp−lpr/lprマウスは人の
全身性エリテマトーデス、シェーグレン病、慢性関節リ
ウマチ、あるいは多発性動脈炎などの自己免疫性血管炎
の実験モデルとして広く利用されている。次いで、本発
明を、非ステロイド系抗エストロゲン剤の、MRL/M
p−lpr/lprマウスのリンパ組織腫大、糸球体腎
炎、血管炎、唾液腺炎、関節炎に対する抑制効果の試験
に基づいて説明する。
【0011】
【発明の効果】本願発明の治療薬の有効成分である非ス
テロイド系抗エストロゲン、例えばトレミフェン及びそ
の薬理学的に許容される塩等は、自己免疫疾患等の変性
性疾患、例えば全身性エリテマトーデスの治療薬として
優れた効果を示す。
【0012】
【実施例】例1 2〔4−(Z)−4−クロロ−1,2−ジフェニ
ル−1−ブテニル〕フェノキシ−N,N−ジメチルエチ
ルアミンシトラート(クエン酸トレミフェン)投与によ
るMRL/Mp−lpr/lprマウスに自然発症する
自己免疫疾患の治療 (1)試験方法 試験には8週齢の雌MRL/Mp−lpr/lprマウ
ス(日本クレア)を用いた。クエン酸トレミフェン(特
公平4−19973)を、0.5%カルボキシメチルセ
ルロースに懸濁して懸濁液を作製し、有効成分100m
g/kgに相当する量を1日1回、13週間連日経口投
与した。
【0013】(2)クエン酸トレミフェンによるMRL
/Mp−lpr/lprマウスの脾臓、リンパ節腫脹の
抑制 クエン酸トレミフェン100mg/kgの1日1回、1
3週間連日経口投与はMRL/Mp−lpr/lprマ
ウスの脾臓、リンパ節腫脹を著明に抑制した(表1参
照)。MRL/Mp−lpr/lprマウスではlpr
遺伝子(リンパ増殖遺伝子)の存在により、加齢に伴っ
て脾臓、全身のリンパ節が著しく腫大する。このlpr
遺伝子は、マウスのFas抗原をコードしており、MR
L/Mp−lpr/lprマウスではこの遺伝子に何ら
かの異常が存在することによりFas抗原が発現しな
い。このため、自己反応性のT細胞が胸腺でFas抗原
を介したネガティブセレクションを受けず、末梢組織に
出現し、リンパ組織の腫大、自己免疫症状を惹起する。
慢性関節リウマチなどの人の自己免疫疾患においても、
自己反応性T細胞の存在が確認される。本試験結果はク
エン酸トレミフェンなどの非ステロイド系抗エストロゲ
ン剤が自己反応性T細胞の出現を抑え、その結果脾臓、
リンパ節腫脹を抑制して自己免疫疾患を治療する可能性
を示している。
【0014】
【表1】
【0015】(3)クエン酸トレミフェンによるMRL
/Mp−lpr/lprマウスの腎機能障害の抑制 対照群ならびにクエン酸トレミフェン投与群のマウス
を、投与終了後に剖検し腎臓を病理組織学的に検索し
た。また各群の血清を用いてBUN(血中尿素窒素)を
測定し、腎機能の変化を測定した(表2参照)。表2に
示すごとく、クエン酸トレミフェンはMRL/Mp−l
pr/lprマウスの糸球体腎炎ならびに糸球体腎炎に
基づく腎機能障害を著明に改善した。MRL/Mp−l
pr/lprマウスの糸球体腎炎は免疫複合体の沈着に
より発症する。一方、人の全身性エリテマトーデス(S
LE)などの自己免疫性疾患においても、免疫複合体の
沈着をともなう糸球体腎炎が発現する。本試験結果はこ
れらSLE腎症、糸球体腎炎などの腎臓の変性性疾患に
クエン酸トレミフェンなどの非ステロイド系抗エストロ
ゲン剤が有用な治療薬となることを示す。
【0016】
【表2】 1) 腎臓を10%緩衝ホルマリンに固定後、常法通りパ
ラフィン切片を作成し、HE,PAS染色標本を作成し
た。腎糸球体の障害の程度は、0(障害なし)、1(軽
度障害)、2(中等度障害)、3(重度障害)としてス
コア化した。各マウスの腎臓あたり25個の糸球体を観
察し、平均値を求めた。2) BUNは富士ドライケムアナライザーを用いて測定
した。3) 標準偏差
【0017】(4)クエン酸トレミフェンによるMRL
/Mp−lpr/lprマウスの唾液腺炎、血管炎、関
節炎発症の抑制 対照群ならびにクエン酸トレミフェン投与群のマウスの
唾液腺、腎血管、膝関節について病理組織学検索をおこ
なった。表3に示すごとく、クエン酸トレミフェンはM
RL/Mp−lpr/lprマウス唾液腺炎、血管炎、
関節炎の発症を抑制した。本結果はクエン酸トレミフェ
ン、あるいはクエン酸タモキシフェンなどの非ステロイ
ド系抗エストロゲン剤が、自己免疫性の唾液腺炎(シェ
ーグレン病)、同関節炎(慢性関節リウマチ)、同血管
炎(壊死性および肉芽腫性血管炎)などの治療薬となり
得ることを示す。
【0018】
【表3】 1) 唾液腺、腎臓、膝関節を10%緩衝ホルマリンに固
定後、常法通りパラフィン切片を作成し、HE,PAS
染色標本を作成した。障害の程度は、0(障害なし)、
1(軽度障害)、2(中等度障害)、3(重度障害)と
してスコア化した。2) 標準偏差
【0019】例2 クエン酸トレミフェン及び糖質コル
チコイドの併用投与によるMRL/Mp−lpr/lp
rマウスに自然発症する自己免疫疾患に対する効果 (1)試験方法 12週齢の雌MRL/Mp−lpr/lprマウスを用
いた。30mg/kgおよび15mg/kgのクエン酸
トレミフェン(TOR)を、12週齢から21週齢まで
9週間、1日2回連日経口投与した。陽性対照薬として
糖質コルチコイド(プレドニゾロン)8、4、2mg/
kg/dayを同様に1日1回、皮下投与した。また、
同投与法にてトレミフェンと糖質コルチコイドの併用投
与もおこなった。全投与期間終了翌日に腎臓を摘出し、
PLP固定液に固定後、凍結切片を作成した。この凍結
切片を用いて、抗Mac−2単クローン抗体(ハイブリ
テック社、サンジエゴ、米国)による免疫染色を実施し
た。各腎臓あたり10〜20個の糸球体について各糸球
体に浸潤しているMac−2陽性細胞(活性化マクロフ
ァージ)の数を顕微鏡下で数え、糸球体1個あたりの平
均Mac−2陽性細胞数を求め、糸球体腎炎の障害の程
度として評価した(各n=13)。結果を表4に示す。
【0020】
【表4】 表4 クエン酸トレミフェン及び糖質コルチコイドの併用投与による MRL/Mp−lpr/lprマウスの糸球体腎炎に対する改善効果 ─────────────────────────────────── 群 Mac 2 陽性細胞数 ─────────────────────────────────── 対照群 7.5 ± 1.5 クエン酸トレミフェン(TOR) 30mg/kg 6.2 ± 1.0 15mg/kg 6.5 ± 1.2 プレドニゾロン(P) 8mg/kg 5.8 ± 0.8 4mg/kg 7.9 ± 0.7 2mg/kg 9.4 ± 1.0 ─────────────────────────────────── 対照群 11.3 ± 1.2 プレドニゾロン(P) 4mg/kg 9.1 ± 1.4 2mg/kg 7.7 ± 1.0 P 4mg/kg , TOR 30 mg/kg 併用 4.1 ± 0.5 * P 4mg/kg , TOR 15 mg/kg 併用 4.3 ± 0.5 * P 4mg/kg , TOR 7.5 mg/kg 併用 3.5 ± 0.5 * P 2mg/kg , TOR 30 mg/kg 併用 3.6 ± 0.7 * P 2mg/kg , TOR 15 mg/kg 併用 2.8 ± 0.5 * P 2mg/kg , TOR 7.5 mg/kg 併用 4.3 ± 0.6 * ─────────────────────────────────── * P<0.01(t−検定)
【0021】プレドニゾロン(P)とクエン酸トレミフ
ェン(TOR)との併用群はいずれも、対照群、又はプ
レドニゾロン単独投与群に比べ、Mac2陽性細胞数が
有意に減少しており、一方、プレドニゾロン、クエン酸
トレミフェン単独は対照群に比しMac2陽性細胞数に
大きな減少がなかった。これらのことより両剤の併用に
より糸球体腎炎の障害が相乗的に抑制される効果がある
ことがわかった。
【0022】例3 生存率比較試験 自己免疫疾患の病態モデルとしてNZB/NZWのF1
マウス(全身性エリテマトーデスの病態モデル)を用
い、クエン酸トレミフェン投与による生存率の比較試験
を行った。 (1)試験方法 実験動物 NZB(雌性)/NZW(雄性)のF1−ハイブリッド
マウスを用いた。これらは5週齢のものをボンホルトガ
ード(Bomholtgaard)社(デンマーク)よ
り輸入した。試験群及び用量 ・対照(雄性):ポリエチレングリコールを週3回経口
投与 ・対照(雌性):ポリエチレングリコールを週3回経口
投与 ・クエン酸トレミフェン30mg/kg/day:70
mg/kgをポリエチレングリコールに溶かし週3回雌
性NZB/NZWのF1マウスに経口投与 ・クエン酸トレミフェン 3mg/kg/day: 7
mg/kgをポリエチレングリコールに溶かし週3回雌
性NZB/NZWのF1マウスに経口投与
【0023】(2)結 果 各試験群のマウスの生存率を図1に示した。2匹を除く
全ての雌性対照マウスは2年間の追跡期間中に死んだ。
この群の50%のマウスは40週齢前に死亡し、20%
(4/20)が1年後も生存した。一方、雄性対照群で
は、5匹は最初の24週間(図中には示していない)に
症状が悪化し感染症をもたらした為、これら5匹は結果
から除いた。雄性対照マウスの47%は2年間後も生存
していた。両トレミフェン投与群では、マウスの生存率
は明らかに雌性対照に比べて上がっている。40週齢時
に3mg/kgトレミフェン投与群においては1匹(1
/20)が死んだだけであり、30mg/kgトレミフ
ェン群においては3匹(3/20)が死んだ。
【0024】1年後では、3mg/kgと30mg/k
gトレミフェン投与群で各々80%及び85%のマウス
が生存しており、これらの値は雌性コントロール群(2
0%)よりも、雄性コントロール群(≒90%)の値に
近似するものであった。さらに、低用量及び高用量のト
レミフェン群において、各々25%(5/20)及び1
0%(2/20)のマウスが2年間後も生存していた。
以上の60匹の雌性及び15匹の雄性NZB/NZWの
F1マウスの追跡データにより、トレミフェンは明らか
に雌性マウスの生存率を上げる作用があることを示し
た。
【0025】例4 製剤例 非ステロイド系抗エストロゲン又はその薬理学上許容さ
れる塩を有効成分とする本発明の自己免疫疾患治療剤の
製剤例を以下に示す。尚、本発明に係る製剤例は、これ
らに限定されるものではない。 製剤例1 下記成分を含有する200mg錠剤を作成した。 クエン酸トレミフェン 20mg 澱粉 85mg ラクトース 90mg ステアリン酸マグネシウム 5mg
【0026】製剤例2 下記成分を含有する200mg錠剤を作成した。 クエン酸タモキシフェン 20mg 澱粉 85mg ラクトース 90mg ステアリン酸マグネシウム 5mg
【図面の簡単な説明】
【図1】NZB/NZWのF1マウスのトレミフェン投
与群及び対照群の生存率の比較。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/13 ACV 9283−4C (72)発明者 浴本 久雄 東京都北区志茂2−11−1 タックプラザ 803 (72)発明者 小山 道則 東京都足立区東和2−24−6 (72)発明者 才野 哲之 埼玉県与野市八王子5−11−14−101 (72)発明者 ラウリ カンガス フィンランド共和国,エスエフ−02101 エスポー,ペー.オー.ボックス 65 (72)発明者 アニ バリ フィンランド共和国,エスエフ−02101 エスポー,ペー.オー.ボックス 65

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非ステロイド系抗エストロゲン又はその
    薬理学上許容される塩を有効成分として含む自己免疫疾
    患治療薬。
  2. 【請求項2】 非ステロイド系抗エストロゲンがトリフ
    ェニル(C2 −C5)アルケン又はトリフェニル(C2
    −C5 )アルカン骨格をもつ化合物である請求項1の治
    療薬。
  3. 【請求項3】 非ステロイド系抗エストロゲンがトレミ
    フェンである請求項1記載の治療薬。
  4. 【請求項4】 自己免疫疾患が腎臓の変性性疾患である
    請求項1記載の治療薬。
  5. 【請求項5】 自己免疫疾患が自己免疫障害に伴う唾液
    腺炎である請求項1記載の治療薬。
  6. 【請求項6】 自己免疫疾患が自己免疫障害に伴う血管
    炎である請求項1記載の治療薬。
  7. 【請求項7】 自己免疫疾患が全身性エリテマトーデス
    である請求項1記載の治療薬。
  8. 【請求項8】 自己免疫が系球体腎炎である請求項1記
    載の治療薬。
  9. 【請求項9】 非ステロイド系抗エストロゲンがトレミ
    フェンであり、自己免疫疾患が関節の自己免疫性変性疾
    患である請求項1記載の治療薬。
  10. 【請求項10】 糖質コルチコイドと併用するための請
    求項1記載の治療薬。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003513903A (ja) * 1999-11-08 2003-04-15 ザ・ユニバーシティ・オブ・テネシー・リサーチ・コーポレーション 前立腺癌の予防的化学療法

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JP2003513903A (ja) * 1999-11-08 2003-04-15 ザ・ユニバーシティ・オブ・テネシー・リサーチ・コーポレーション 前立腺癌の予防的化学療法

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